防災・危機管理情報


知事定例記者会見(2013年7月25日)

平成25年7月25日(木)午後1時45分~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約42分) ※MPEG4形式

  

1 西尾邑次元鳥取県知事御逝去の報に接して 

●知事

 皆様、こんにちは。
 一昨日〔7月23日〕になりますが、西尾邑次元鳥取県知事におかれましては御逝去されました。謹んで哀悼の意を表させていただきたいと思います。
 西尾〔邑次元〕知事におかれましては、私どもの鳥取県の先人として、智頭急行の開通であるとか、さらに米子自動車道、さらにはジゲおこし運動、またわかとり国体や〔山陰・〕夢みなと博〔覧会〕など、数々の業績を達成をされました。その大変な業績と人徳に対しまして心から敬意を表し、哀悼の意を表させていただきたいと思います。




2 鳥取沖で実施されるメタンハイドレート海洋調査に関して 

 この夏から秋にかけまして、日本海の各地においてメタンハイドレートの調査が継続して行われることになっております。このメタンハイドレートの調査でございますが、海底にメタンハイドレート、すなわち燃える石のようなものがある。これを資源として活用できないかということでございます。第一人者として、私どもはかねて御指導いただいておりますけれども、明治大学の松本〔良〕先生がいらっしゃいます。

 このたび松本先生のほうから今後の研究につきましてお話をいただきました。9月の下旬に鳥取県の沖合でメタンハイドレートの調査をするということが決まったということであります。実は5カ所ほど、日本海側の各地を掘ってみるということであります。あくまでもサンプル的な調査でございまして、本格的に何か鉱脈を掘り当てるということではなくて、マウンドと言われる盛り上がったところを狙いまして穴をあけて、ちょっと深く土を掘り出すというものであります。こういう筒状のものを掘り出すと。これを1カ所当たり2~3本ほど取り出して、明治大学のほうでその堆積物の内容の調査をすると、こういうような調査研究であります。

 これはあくまで調査研究の一過程でございますので、これで何か方向性が全て決まってくるとかいうことではなく、冷静に今後の動きを見ていきたいと思います。

 8月16日に東京のほうから日本海洋掘削〔(株)〕の市川〔祐一郎〕先生をお招きをして講演会をやろうと考えております。市川先生は鳥取県の御縁もあり、こちらのほうでメタンハイドレートについての御講釈をいただくということになります。この機会を捉えまして、鳥取県でこういう調査研究を独自に進めていく、これはすなわち松本先生を中心としたメタンハイドレートの研究の応援をしていこうという、こういうふうな趣旨でございますが、そうした研究会も8月16日に立ち上げることにいたしたいと思います。

 これは、実際にメタンハイドレートが出たということに仮になったとすれば、これがじゃあエネルギーとして使えるためには、まだその次の実証段階が必要でありますし、技術開発が必要であります。その辺も強力に今後、国に対して求めていきたいというふうに考えております。




3 参議院通常選挙後の情勢等をふまえた国への要望活動等の状況 

 今週に入りまして、参議院〔通常〕選挙後の情勢をにらみ、23日に東京において11県によります高速道路のミッシングリンク〔高規格道路の未整備区間〕を解消して日本の再生を目指す知事会議に出席をし、要請活動を行いました。菅〔義偉〕官房長官や世耕〔弘成〕官房副長官、また太田〔昭宏〕国土交通大臣、赤澤〔亮正〕政務官また、与党側では細田〔博之〕自民党幹事長代理にも、お伺いをいたしまして要請活動をさせていただきました。

 私どものほうからアベノミクスが今回の〔参議院〕通常選挙で信任をされた。そうである以上は、その中に機動的な財政対策というのが入っていたわけでありますが、こうしたことに象徴されるような国土軸づくり、国土強靱化、防災・減災ネットワークが信任をされたということにほかならないものでありますので、ぜひとも強力にこの方向性を追求していただきたい。その意味で、予算を来年度に向けて計上、獲得してもらいたい、こういうこととあわせて、まだ未事業化の区間もございますので、その区間への着手をお願いをしたい、こうしたことを11県そろって要請活動させていただきました。

 国のほうからは、菅〔義偉〕官房長官から、今、選挙戦ということもあり、地方のほうに行くとミッシングリンクの話がよく出てくると。その重要性は理解できるという前向きな話がございましたし、国土交通省の〔太田昭宏〕大臣や〔赤澤亮正〕政務官のほうからも、国土交通省としてこれには取り組んでいくという趣旨のお話をそれぞれいただけたところでございます。自〔由〕民〔主〕党側からも、当然これはマニフェスト、政権公約に盛り込んでおられますので、これについては取り組みを強化していきたいと、こういうようなお話がございました。

 また、あわせて〔古屋圭司〕拉致担当大臣や外務省のほうにも〔鈴木俊一〕副大臣を訪ねさせていただき、松本京子さんの一連の報道についてたださせていただきましたが、古屋大臣のほうからは、ラオスに松本京子さんの子供さんが行かれたというのは誤りであったと確認ができたというようなお話などをいただきました。いずれにいたしましても、こういうような情報で振り回される御家族の心情に、ぜひ理解をしてほしいと、一日も早く解決をしてもらいたいということを申し上げたところでございます。

 さらに、来週31日には〔地方〕六団体、市町村の議長さんなども交えまして、県議会議長ともどもに地方六団体で要請活動に鳥取県として上がることにいたしております。地方分権の課題、〔地方〕交付税の確保など、あるいは国土交通の関係でミッシングリンクの解消であるとか高速鉄道網の整備であるとか、そうしたことなど、またTPPの問題などなど、いろいろと懸案のことにつきまして親しく意見交換をしたり、また申し入れをしてまいることにいたしているところでございます。




4 子育て同盟サミットinとっとりの開催 

 こういうような国とのいろんなやりとりをこれから進めていくことになりますが、そういう中で私たち、特に子育ての世代で気になっておりますのは、やはり子育て政策がおくれている、欧米各国と比較をして、もっとここは重点的に軸足をつけて国として取り組んでいただきたいと願っております。また、我々地方の現場からもその行動を率先して起こしていく必要があると考えているところでございます。

 そうしたことから今週末、土曜日、日曜日と子育て同盟の10県の知事が集いまして、米子において公開首脳会談を行うことにいたしました。前日は意見交換会を行いまして、そして翌日朝には10人の知事が全部そろうことになります。そのそろったところで公開首脳会議ということをやろうということであります。

 私たちの問題、関心としては、これからの経済成長などを支えようと思えば、M字カーブというふうな言葉が定着していますが、女性が子育て時期に入ったら職場を離れるということで貴重な労働を失っている面があるわけであります。また、子育て世代の負担感、また子育てするための保育等の環境など、まだまだ不足があり十分でないという声が強く出されています。今回の〔参議院〕通常選挙でもそういう議論は非常ににぎやかになされたと思います。ただ、残念ながら、今の我が国の国全体での子育て政策は、北欧等に比べますと3分の1、4分の1といったような水準でございまして、相当遅れをとっている感じがいたします。安心して子供を預ける施設がないということや、あるいは教育を受けるためのお金がかかるとか、また男性と女性とそれぞれに子育てに参画をしていく、もちろん職業にも参画していく、そういうような体制がまだ十分でないと思います。

 ただ、これは社会の価値観の問題も多分にあるわけでありまして、例えば育児休業をとりやすい環境をそれぞれの会社なり職場でとることができれば、これは比較的スムーズに進み得る面があります。ただ、なかなかそれが意識改革ができ切れないでいるということもある。また、保育の環境整備についていえば、国が正直財源をけちるところがあったり、それから医療面でも小児医療に自治体がお金を出せば、その分をペナルティーとして国民健康保険で制裁を加えてくるというアナクロニズム〔時代錯誤〕が起きているというようなこともございます。

 こんなようなさまざまな矛盾を抱えている現状を何とか今こそ転換しなければならない、そういう思いで10人の知事が集まることになりました。1つには、私たち話し合って共同のイニシアチブ事業、先進的な事業ということを共同で取り組んでいこうじゃないか、これを議論したいということにいたしております。また、2つ目には、国に対する要請活動、これを10県として行っていく。例えばやはり子育て環境というのはそれぞれの地域の地域性があるわけですよね。鳥取県には鳥取県なりの、また東京とか大阪にはそれぞれの都市部風の子育て環境の整備やアプローチというものがあると思います。ですから子育て突破基金的な、地域でみずからの創意工夫でどんどんやってくれと、それを政府、国として応援するといったようなスキームがいいんではないか、こんなことも訴えかけてみたいというふうに思っております。そうしたことなど、国への要望ということにつきましても議論をすることになろうかと思います。

 また、社会的なムーブメント〔運動〕を起こしていく、企業の男女共同参画だとか子育てへの配慮等々、我々のほうからも呼びかけていくことが必要でしょう。例えばそうした企業に対する表彰制度であるとか、さまざまな取り組み、啓発の手段というものもあるんではないか。こういうものも共有化しながら共同で情報発信をしていくと、こんなことにも向かっていく必要があると考えております。こうした子育て同盟として10県で集まりまして共同のアピール行動、運動を提起をしていく、そのきっかけにしたいというふうに考えているところでございます。




5 あいサポート運動の推進に関する協定の締結 

 また、8月6日に奈良県の荒井〔正吾〕知事とようやくあいサポート運動での協定を締結することが話として調いました。奈良〔県〕のほうで調印をするということになりましたので、私もそちらに向かわせていただくことにいたしたいと思います。これによりまして島根〔県〕、広島〔県〕、長野〔県〕、奈良〔県〕と、近畿や中部地方にもその輪が広がりまして、障がい者サポートの仕組みが鳥取県発で伝播していくこととなります。ぜひ障がい者の方が住みやすい、そういう地域社会を全国のネットワークの中で形成をしてまいりたいというふうに考えております。




6 ワールドマスターズゲームズの誘致に向けた視察 

 関西広域連合で、一つの新しい事業としてワールドマスターズゲームズの誘致について真剣に検討しようということになっております。それが8月2日からイタリアのトリノでこのたび開催をされることになります。これには100カ国から選手が集まり、非常に大きな規模での大会でございまして、さまざまな種目が戦わされることになります。いわばオリンピックの生涯スポーツ版でございまして、この大規模な大会をスポーツツーリズムと考えて、関西に誘致できないだろうか、それを検討してみてはどうだろうか、こういう話し合いをしております。きょうも関西広域連合でこの議題を議論している委員会の真っ最中ということでございますが、その内容をもとに、私と京都市の門川〔大作〕市長が共同団長になりまして、先方、イタリアのトリノのほうに行くことにいたしたいと思います。

 このワールドマスターズゲームズの国際組織〔国際マスターズゲームズ協会〕との会談でありますとか、開会式への出席や競技のあり方の状況視察、そうしたことをやってこようということになりました。これがもし実現をすると、いろいろとハードルはあります、もちろん財政的なことだとか、さまざまなこれから詰めていく、状況を見ながら考えていくべきこともありますが、仮にこれが実現をするということになれば、関西広域連合の加盟地域でそれぞれに競技を、ホストすることになろうかと思います。したがいまして、鳥取県の中でも世界中から来られたアスリートの姿が見られるということになります。こうしたことの準備として、このたびイタリアのほうへ参るということになりました。こういうようなこと等、鳥取県の中のいろんなツーリズム形成等をやっていくことにいたしたいと考えているところでございます。



更新日:2013年10月2日

7 湖山池等における魚のへい死対策と流木等の撤去活動 

 また、湖山池につきましては、予備費を執行しまして900万円を活用し、エアレーション、酸素の供給をする装置を動かすということになりました。予備費を活用してそういう装置の整備等を行うと。さらに9月補正〔予算〕に向けて、例えばこの間でいえば魚が動き回れるだけの魚道というものがなくて、干上がった川で動けなくなってしまったということもございました。そういう魚道の整備等も9月〔補正予算〕に向けてさらに検討していくということにいたしております。

 また、暑さで湖山池のそうした状況が生まれたということがございましたが、逆に雨が降りまして〔漂着〕ごみが多く出てしまいました。これも300万円ほど、現在の予算を使うことによりまして浦富海岸の〔漂着〕ごみを、白兎や小沢見等、撤去してきたところもありますが、今はそれが浦富のほうに流れまして、浦富の〔漂着〕ごみにつきましても、この週末の海水浴に間に合うように、地元と協力して撤去をするということにいたしております。

 この流木は、川のほうにも流れてきております。西部で大きな雨となりました。その結果から、いろいろとそうした被害が出ていまして、ダムであれば湖面に木が、流木がたまった状況になっております。朝鍋ダムのそうした材木の、流木の撤去、これも速やかに行うことにいたします。それから、あわせてそのほかのところにつきましても9月の〔県〕議会に災害復旧予算を絡めながら、国への要請も行いながら出していくということも考えているところでございます。私のほうからは以上です。




8 鳥取沖で実施されるメタンハイドレート海洋調査に関して 

○日本海新聞 井上昌之記者

 すみません、メタンハイドレートの調査のことでお聞きしたいんですけれども、具体的なことはまだ決まってないかもしれませんが、例えば鳥取県の沖合何キロの地点でこういう有望なスポットがあるとか、その辺の詳しい話はお聞きになってませんでしょうか。


●知事

 基本的に隠岐の島の周辺地域でということでの想定をしていたんですが、このほど具体的な箇所は、まさに鳥取県の沖合ということでの連絡が入りました。そのほかにも日本海側、幾つかそういう調査ポイントをつくられるそうでございます。ただ、現実にどこを掘るかというのは、多分船を回してみて、いわば魚群探知機のようなもので調査をするわけですね。それで海底の地形だとかを見て、それで具体的地点を決めて掘るということになろうかと思いますが、その大まかな場所としては、鳥取県の沖合も、その5カ所の中に入ったという連絡が来ております。


○日本海新聞 井上昌之記者

 それ、県として何かその調査に支援できることっていうのはあるのでしょうか。


●知事

 例えば関連する調査研究の人材を集めるとか、そういう連携調査が行えるような人を探すとか、そうしたことがあろうかと思いまして、8月16日に我々のほうでも調査研究の組織を立ち上げようと思っていますが、そういうところでそういう松本〔良〕教授の調査の支援体制というのを我々の地域としても整えていきたいと、こういうことであります。


○NHK 林久美子記者

 メタンハイドレートの件ですが、もし実際に気泡が確認された場合の、今後の期待というのはどのように考えていますか。


●知事

 緩やかなエネルギー革命というのを起こしていかなければなりません。福島〔第一〕原〔子力〕発〔電所〕事故に代表されますように、これまでの我が国のエネルギー政策がそのままでいいのだろうか、コストのことも含めて考えなければならないと思います。現にアメリカではシェールガス革命が起こっているわけであります。日本でもシェールガスの掘削例が出始めましたけれども、日本の場合は列島の周りにあるメタンハイドレートという隠れた資源、これがどのように活用できるかが一つのポイントになってこようかと思います。

 そういう中で、今まで太平洋側でしかないように漠然と思われてきたメタンハイドレートが日本海側の比較的陸から近いところに、表層のところ、海底の浅い部分で固まってあるという研究が出されるようになりまして、これによって新しいエネルギーが日本海側から生まれる可能性も出てきたということです。ただ、これを実現するためには、まだまだハードルがあります。今回、まずはそういうサンプル的調査があるわけでありますが、そういうところでどこに、じゃあどれほど資源量がありそうかということをこれから調べにかかることになろうかと思います。

 いざ、掘削できるだけの量があるとなったときに、それをエネルギーに変える、例えばこれを燃やす、油にするとか、そういうことをどうやったらできるかというようなところが、実はまだメタンハイドレートについては技術の確立ができておりません。特に日本海側にあるような、こういう筒状に、ぼこぼこっと塊であるようなもの、これをどういうふうに技術的に活用するのかというところは、まだ確立されておりません。こうしたことでの技術開発というハードルがございます。そして、取り出してこれを燃料として活用する場合に、他のエネルギーと比較したベネフィット〔利益〕とコストの関係、費用対効果がどうなるか。これも焦点になってこようかと思います。

 ですから一気に進むということにはならないものであるとは思いますけども、ただ、今まで単なる何もない海だと思われていたところからエネルギーの可能性が見えてきたというのは、沿岸である鳥取県にとりまして朗報であると思います。まだ見果てぬ夢かもしれませんが、そうした夢を形にできるように、政府に対しても求めていきたいと思いますし、調査研究のお手伝いをさせていきたいと思います。


○NHK 林久美子記者

 知事のほうには、これはどのように連絡が入ったんですか。


●知事

 これは、松本〔良〕先生側から私どもの県庁のほうに〔関連漁連、漁業等への周知方お願い、という形で〕連絡がございました。それできょうまでどういう形で世の中にお話をしたらいいのかという、ちょっと調整をさせていただいたところです。


○山陰中央新報 太田満明記者

 これ、鳥取県はどこまで参加することになるんですか、将来的には。


●知事

 この船でこうやって掘りましてね。これ2、3本取り出すということ自体は、我々で差配する権限はありません。だから、どちらかというと、そういう資源量調査等をぜひ進めてくれというような応援団であるとか、また、非常に限られた人材の中でこの調査研究は進んでいますので、それと連携してやっていただけるような研究スタッフを呼びかけてつくっていくと、そういう人垣をつくっていくといいますか、そうしたことも我々でお手伝いできる範疇かなと思います。

 また、費用ももちろんかかるものでありますので、こういう意義がある事業であるということを世の中にPRをしていくというのも必要でありまして、8月16日には講師を招いてお話を聞く会をしたいと考えているところです。


○山陰中央新報 太田満明記者

 8月16日の後で、具体的なものは見えてくるんでしょうか。


●知事

 今、調査のことでいえば、これは9月の下旬に大体1週間程度というイメージで今動いておられると聞いております。


○山陰中央新報 太田満明記者

 場所はまだわからないんですよね、どのあたりかっていうのは。


●知事

 先ほど申しましたように、実際に船を動かしてみて、マウンドが盛り上がったところがあって、そうした観測に基づいて掘りに行くということでありますが、それを大体5カ所ぐらい、日本海側でこの8月から秋にかけてやろうかというような動きで今までやってきました。このたび鳥取県の沖合もその調査対象の地域に入れるんだと、こういうお話がございまして、全面的に我々も協力したいなというところです。


○山陰中央新報 太田満明記者

 例えばその場合に、調査研究、技術開発という部分がございますよね。どうやればメタンハイドレートが活用できるのか。そういう研究拠点を鳥取県で提供するとか、そういったものというのは、将来の話になるのかもしれませんけども、あり得るんでしょうか。


●知事

 それは可能性として否定しません。そうなれば本当にうれしいことですね。ただ、まだ今、こうやって幾つかの箇所を調査してみて、どれほど地層の中に堆積物があるか、これを調査しながら、どの辺がターゲットとしてふさわしいかというところに、これは絞り込んでいくんじゃないかと思うんですよね。だからまだまだ今後どういうふうに展開するかというのは注目をしていく必要があると思います。


○山陰中央新報 太田満明記者

 知事、鳥取県沖以外の4カ所というのは、どこか御存じですか。


●知事

 じゃあ、また後ほど我々のほうでお聞きしていることにつきまして、このメタンハイドレートにつきましては担当部局のほうからお話をさせていただきたいと思います。


○山陰放送 秦卓史記者

 知事、すみません。先ほど沿岸にある鳥取県にとっては朗報だというふうな言葉を使われましたけれども、これは何かこのメタンハイドレートが沖合でとれるということで、鳥取県にとって経済効果なり、そういうものというのはあるものなんでしょうか。


●知事

 これはわかりません。例えばエネルギーの供給基地のようなステータスがもし中・長期的な将来において得られることになれば、それは、例えばシベリアで油田開発があったというようなことを思い浮かべていただければそうでありますが、それは地域にとって経済効果なり雇用といった、そういう魅力が生まれてくると思います。今はまだ学術的な研究の段階でありまして、まだまだ具体化した話にまで行き着くわけではありませんけれども、ただ、将来的には、その可能性という中には、そういう拠点性も見えてくれば、これは非常に地元としての効果が高いということになろうかと思います。



9 鳥取市による看護師養成所の誘致に係る県の対応 

○日本海新聞 井上昌之記者

 すみません、話変わりますけれども、鳥取市さんが駅前に誘致を考えておられる滋慶学園の看護専門学校の話なんですが、7月の12日に県のほうに建設費と、あと設備の、何といいますか、本とか、ああいう資材の導入費の一部を補助していただけないかというようなお話があったと聞いているんですが、市のほうで出される額の半額程度を県に見てほしいというようなお話だったようですが、これについて何か、支援を考えておられるという、今の時点でございますでしょうか。


●知事

 まだ我々としてもお話を聞き始めたところでございまして、これについては県議会とも相談をしながら考えていきたいというふうに思います。〔鳥取〕駅前の駐車場の売却につきましては、これは契約も調い、このたび2億3,000万〔円〕余りの入金も確認できましたので、その土地は〔鳥取〕市のほうへ動いたと。もちろん条件つきでありますけど、駐車場確保等の条件つきながら、市のほうに動いたという状態になりました。ただ、それは土地の売買でございまして、じゃあこれからどこにどういうふうに立地をさせて看護専門学校をつくっていくのか、これはまだ鳥取市のほうでもこれからフィックス〔確定〕していく話だろうと思います。その動きを我々としても慎重に拝見をさせていただきながら、市のほうの要望も踏まえて、〔県〕議会側と相談をして結論を出していくことになると思います。

 先ほど中部につきましても近田〔敬子〕さんと言われる、もともと兵庫県立看護大学の設立に尽力された方でいらっしゃいますが、鳥取短期大学の山田〔修平〕学長と一緒にお見えになりまして、この近田さんを中心にして看護大学を設置をしたいという御紹介がございました。こうやって中部は中部で今、議論が進行しつつあります。

 私は県として、看護人材の養成は全体として必要なことだと考えておりますので、支援を一切しないとか今言うつもりは全然ないんですけれども、ただ、いろいろとそれぞれの地域に現実執行可能なプランというもの、それからそれに対する資金的な考え方等をよく我々のほうでも拝見させていただき、支援のあり方についての検討の委員会もつくっておりますので、そこでも議論をしていただき、県議会にもお諮りした上で、どういうような支援が考えられるのか、腹を固めていきたいと思います。今はまだ端緒の段階でありまして、こういうふうにしようという方針までは固めておりません。


○日本海新聞 井上昌之記者

 わかりました。鳥取市の看護学校の補助の話がもし仮に決まるとしたら、その中部の看護大学のことともちょっとリンクしていくような気がするんですね、こっちだけたくさん出して、こっちは少ないとか、そういうことができなくなるような気もするんですが、知事の中では、いつごろまでに市のほうに回答したいというか、そういうスケジュール感的なものはありますでしょうか。


●知事

 これは、私どもとして〔鳥取〕市のほうの計画を例えばいたずらにとめることも考えておりませんので、例えば国からの助成がございまして、国からの助成金獲得については県が動かなければならないことでありますから、市のプランをもとにそれは精いっぱい、まずはやらせていただきます。それに、じゃあ県として、さらに上乗せをするかどうか、これが焦点なんだと思うんですね。これはまた別次元のこととして、後々のファイナンス〔財政〕のことも考えながらになると思いますので、すぐにもう、今すぐ決めなきゃいけないというものでも多分ないだろうと思いますが、あんまり遅過ぎないうちに結論は出していきたいと思います。

 ただ、今、井上さんがおっしゃるように、実は2つ同時進行で来ております。この2つ、同じように見えて、実は違いがあります。片方は学校法人、大学という学校法人が4年制の大学としてつくるものでありまして、どちらかというと文部科学省的なエリアの事業です。もう一つのほうは厚生労働省的なエリアの事業でありまして、専門人材をつくろうという専門学校でございますので、必ずしも同じ助成のあり方ということにもならないんだろうと思いますが、それぞれにお話を聞きながら、県の検討委員会にもかけさせていただき、そして県議会ともよく議論をした上で結論を出したいと思います。




10 子育て同盟サミットinとっとりへの期待 

○時事通信 小出秀記者

 すみません、子育てサミットについてお願いします。
 北欧各国に比べて日本の子育て政策はおくれているということで、今後、特に日本の地方の現場からそういったものに対してどう変えていけるかといったことを含めて、特に日曜日に開かれるサミットへの期待をちょっとお願いします。


●知事

 私は、子育ての支援策というのはそれぞれの地域の創意工夫の中で競争的に行われ得るものだと思います。これを実践しているそれぞれの10〔県〕の実践例があるわけですね。これをお互いに交換するだけでも多分意味があるわけです。あわせて、例えばポータルサイトのような、そうした共同のホームページ上の情報リソース〔供給源〕をつくっていくなど、10県でまとまってやれなくもないことというのもいろいろとあると思うんですけれども、そうしたことを先進的事業として取り組みたいと思います。

 そういうことを我々レベルではまずやる。ただ、あと国のほうの制度でおかしいのもいっぱいありますので、それにも物を言わなきゃいけませんし、願わくは先ほど申しましたように、それぞれの地域の先進的実践をむしろ後押しをするような子育て支援の危機突破基金のような、そんな仕組みを国で考えてもらうのも一考ではないかなと思っておりまして、そうしたことなど、いろんな論点で議論を交わすことができたらと思います。ぜひ新しい参議院〔通常〕選挙後の今後の政策形成の中で、ドラスチック〔抜本的〕なパラダイムシフト〔社会の価値観の変化〕が起こって、子育て支援のほうに国全体で注力されるように、我々としても議論をリードしていきたいと思います。


○中国新聞 川崎崇史記者

 そのほかいかがでしょうか。



11 湖山池等へのエアレーション(酸素供給)装置の設置の今後 

○山陰放送 秦卓史記者

 すみません、湖山池についてお聞きします。
 エアレーションについては、これはことし限りの措置というふうにお考えでしょうか。


●知事

 これは、やっぱり観測をしながら、当然考えていくべきものだと思います。だから、本来であれば、今の夏のように、時期の前の秋冬段階の水門操作等も含めて、もっといろいろと工夫ができるんじゃないかという面があろうかと思うんですね。そういうことで環境の整備ができれば、エアレーション〔空気の供給をする装置〕による空気供給でなくて、溶存酸素、水中の酸素というものを確保することは当然考え得るものだと思います。そういうような意味で、観測網を一つは強化しようとしています。そのモニタリングをちゃんとやって、それで実際、酸素の状況がどうかということを観測する体制を強化することは当然必要でありますが、もしエアレーションのようなことが必要だということになれば、それも今後も臨機応変に考えていきたいと思います。ただ、恒常的にこれでなければいけないということに本来はあってはいけないんでございまして、エアレーションはどちらかというと緊急避難的な措置というふうに考えております。


○山陰放送 秦卓史記者

 水門をあけてから、湖山池が半人工的な池になっているというような印象も受けるんですけど、そのあたり、知事はやはり激変緩和に、ある程度人の手とか予算がかかるのはしようがないというふうにお考えでしょうか。


●知事

 これは、今回は異常気象も影響していますので、どうしてもこういう試行錯誤的な動きになることは、ある程度はやむを得ない面があるのかなと思います。ただ、こういう実践を繰り返して、多くの方々が最大公約数的に納得できるような、そういう湖山池のあり方というのは、デモクラシー〔民主主義〕の理念の中で地域を挙げて合意形成を図り、実行していくという、そういうサイクルをつくっていきたいと思います。




12 ワールドマスターズゲームズの誘致年度 

○山陰中央新報 秦卓史記者

 一言だけ、ワールドマスターズゲームズは、何年度の大会に誘致を計画しておられますか。


●知事

 これは、2021年。


○中国新聞 川崎崇史記者

 それでは、もしこれ以上質問がなければ……。


更新日:2013年10月2日

13 クリアカヌーに乗船しての感想と今後の活用策 

○日本海新聞 井上昌之記者

 ちょっとよろしいですか。
 この前、浦富海岸でクリアカヌーに乗っておられましたけれども、今、非常にあそこが知事を通してすごいテレビに出たりして、大変何か問い合わせが相次いでいるという話を聞くんですが、乗られた感想と、ジオパークの更新も控えてますけども、あのあたりをどういうふうに売り出すべきかというお考えをもう一度お聞かせいただけませんか。


●知事

 あの海域は、日本の中でも最も透明度が高く、美しい水域であります。しかも洞門がいろんなところに開かれていまして、そこから差し込む太陽光とのグラデーション〔明暗〕が大変に美しいところでもあります。したがいまして、こういうグリーンウェイブ的なレジャー、エコツーリズムが最大限その真価を発揮できる地だと思います。

 クリアカヌーは、その象徴として今、全国メディアでも大きく取り上げられるようになっておりまして、ぜひともこれを突破口にして、この浦富観光が進展をし、ジオパークの価値が万人に認められるようにしていきたいと思います。鳥取県としてもことしはエコツーリズムの推進を図ろうとしておりまして、そのモデル事業に位置づけたいと思います。


○中国新聞 川崎崇史記者

 それじゃあ、定刻になりましたので、これで終わります。ありがとうございました。


●知事

 どうもありがとうございました。



  

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