防災・危機管理情報


知事定例記者会見(2014年1月6日)

平成26年1月6日(月)午前10時30分~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約42分) ※MPEG4形式

  

1 新年にあたり 

 

1-(1) はじめに 

●知事

 皆様、明けましておめでとうございます。
 県民の皆様、そして県政記者クラブの皆様におかれましては、輝かしい新春をお迎えになられたことと心からお喜びを申し上げたいと思います。それぞれにお正月、御家族も集まってすばらしい年を迎えられたのではないかというふうに思います。鳥取県も新春、町なかでは、余り雪のない、新年となりまして、初詣のお客様もにぎわった年となりました。スキー場のほうは雪がたっぷりありまして、そういう意味ではベストなコンディションで年明けを迎えたのではないかなというふうに思います。

 「大山を果たてに望む窓近く体かはしつついはつばめ飛ぶ」。これは、このたび発表されました天皇陛下の御製の歌でございます。このたびの歌会始で披露されることになりました。何と昨年〔平成25年〕の〔第64回〕全国植樹祭で大山ロイヤルホテルにお泊まりになったときの歌を詠まれたわけでございまして、私も大変に喜びに沸きながら、この歌を拝読をさせていただきました。実は植樹祭のときも私は御案内役をさせていただきましたけれども、天皇陛下のほうからお言葉がございましたのは、窓辺に飛んでいる鳥がいますねというお話でありましたけれども、私が、あれはイワツバメでございますというふうに申し上げたわけであります。そうしたら陛下もやっぱりねというお話をされていました。これはやはり鳥取のすばらしい自然に天皇陛下も思いを起こされたのではないかというふうに思います。私たちも昨年のグリーンウェイブをしっかりと本年にも受け継いでやってまいりたいと思います。



1-(2) 県政のテーマ「共に生きる」 

●知事

 ことしは、「共に生きる」をテーマに県政を進めてまいりたいと思います。いよいよ半年後の7月12日から11月3日まで、〔第14回〕全国障がい者芸術・文化祭が開催をされることになります。これは障がい者の皆様だけの祭典ではないと私は思います。障がい者の方と健常者とがともに芸術文化の価値を認め合い、そしてそれを楽しむ、そういう大会になればと思います。これは鳥取県だけの大会ではないと思います。全国の皆様にも御参加をいただき、御観覧をいただき、さらには外国からもコンテスト形式の美術作品を募集をするなど、広がりを持った大会にさせていただきたいと思います。

 昨年は鳥取県は、あいサポート運動に加えまして、〔鳥取県〕手話言語条例が話題を呼ぶことになりました。鳥取県から優しい地域づくりを広げていきたい、そういう思いでことしはこの全国障がい者芸術・文化祭を多くの県民の皆様とともに仕上げて実行してまいりたいというふうに思います。

 また、障がい者の観点でいいますと、聴覚障がい者の支援センターを東部、中部、西部で設けようとか、いろんなプロジェクトを考えておりますけれども、重度の心身障がい者の皆様が地域で暮らしやすい環境づくりをするとか、また、点字の情報発信、これがやりやすくなるような、そういう政策的な支援を行うとか、障がい者の面でも、障がい者福祉の面でも展開する年とさせていただきたいと思います。これから当初予算の編成に向かってまいりますが、その辺も重要な課題として心がけてまいりたいと思います。

 「共に生きる」というのは、障がい者の方だけでなくて、高齢者や女性や若者たち、子供たち、いろんな住民の皆様がともにこの温かい鳥取県というふるさとで過ごすことであります。子育て王国とっとり条例など、子育て施策の充実を図ってまいりたいなというふうに思います。例えば小学校6年生まで放課後児童保育がございますけれども、その枠が広がるように、市町村とも共同してやってまいりたいと思いますし、教育面でも英語や土曜日授業など、てこ入れを図ってまいりたいと思います。人材を育てるという意味では、スポーツもことしは限りなく楽しみな年であります。谷口彰さんがパラリンピックで、アルペンスキーで競技に参加することが年末に決まりました。障がい者の代表として、さらには鳥取県のスポーツ界を代表して行っていただけるものだと思います。このほかにも、ソチオリンピックでの有望な選手もいらっしゃいますし、アジア大会へのエントリーもささやかれる選手もおられまして、楽しみなところではないかというふうに思います。



1-(3) スポーツ振興と体制づくり 

●知事

 東京オリンピックが2020年と迫ってきますし、その翌年、2021年には関西広域連合としてワールド・マスターズ・ゲームズを誘致をすることになりました。そういうような展開の中で、さらにスポーツのてこ入れをしていかなければなりません。スポーツリゾートとして自転車を楽しめるようなところをつくる。また、自然と親しみながらエコツーリズムの一環としてカヤックでありますだとか、あるいはスキューバでありますとか、また山歩きでありますとか、ウオーキングでありますとか、そうしたことを楽しめるスポーツのメッカ〔聖地〕にならなければならないと思います。そういう意味で、鳥取県はアドバンテージがあるわけでございまして、そういうスポーツ振興、それに関連した地域づくりを視野に入れながら、スポーツの新しい部局を新年度からつくりたいと思います。そのために教育委員会と、この年始から精力的な議論をさせていただきたいと思います。

 学校教育の法律の関係がございまして、どうしても動かせないのは学校体育の部分です。この学校体育の部分は、制度上、教育委員会に残るわけでありますが、そのほかの部分につきましては、県庁のほうのこちらの知事部局のほうに事務局を移させていただければと思います。そうした基本方針で話し合いをしてまいりたいと思います。機動力を高めて、スポーツ振興の一つのシンボルとして東京五輪を目指したキャンプ地誘致なども重要な課題だろうと思います。

 昨年、私もセーリングの日本の協会のトップの方々とお会いをさせていただきました。なかなか慎重に言葉を選んでいましたけれども、鳥取県としてはこうしたセーリングのキャンプなど、誘致を精力的に進めてまいりたいと思います。そういう意味でも体制づくりを急ぎたいと思います。




1-(4) 女性や高齢者の社会参画促進 

●知事

 また、関西広域連合での女性のフォーラム〔関西広域で考える男女共同参画フォーラム〕がこのたび開催をされるなど、女性や高齢者の皆様の社会参画や雇用の場など、推進を図ってまいりたいと思います。例えば女性の方が起業する、エンタープライズをする、業を起こしていく、そういう支援も考えられてもいいんではないかなというふうに思いますし、高齢者の方も含めて、雇用のあっせん等のスキーム〔枠組み〕を強めてまいれればと思っております。



1-(5) グリーンウェイブの更なる推進 

●知事

 また、ことしは昨年のグリーンウェイブを引き継いで、自然とともに生きていく、そんなことも目指していきたいと思いますが、バイオマス〔動植物由来のエネルギー〕発電であるとか、また小水力発電であるとか、太陽光発電であるとか、特に太陽光はメガソーラー〔大規模太陽光発電〕がいよいよ2月に起動することになります。こんなようなことで再生可能エネルギーを含めてグリーンウェイブを進めてまいれればと考えているところでございます。



1-(6) 大交流時代を迎えて 

●知事

 大交流時代がやってきました。これを現実に県民の皆様の経済的な活力や日常の利便性へとつなげていかなければなりません。大交流が進んでいくわけでありますから、商圏が拡大をしていく。高速道路も駟馳山バイパスが3月にも開通をしようかということになっております。〔兵庫県の〕但馬のほうも含めて商圏を拡大をしていく、そういうような支援もあっていいと思います。スカイマークの就航が年末にございましたし、この年度末から新年度にかけての時期に、いよいよ全日空の鳥取便の増便が行われることになります。こんなような動きが出てくるのを力にしなければならない。クルーズ〔船〕のお客様も昨年1年間で1万人を突破をしました。我々としては本当に夢の記録でありましたけれども、さらにことしは今予約が入っているベースでも3万人ほどクルーズ客が海からやってくるというふうに見込まれます。このように大交流時代が起きてきたことを、私たちは実地に、形にしていかなければなりません。バリアフリーを進めて観光しやすいようにするためにWi-Fi〔無線LANによるインターネット接続〕等の環境整備をする、そういった工夫がこれからなされなければならないと思います。

 例えば手話通訳が今始まっておりますけれども、そうしたサービスを観光ガイドとして、例えば水木しげるロードに行ったら、その案内が手話で受けられる、そういうICT〔情報通信技術〕を活用したシステムを導入する、そんな工夫もあってもいいと思います。こういうことを当初予算等でしっかりと盛り込んでまいりたいというふうに思います。



1-(7) 経済・雇用対策 

●知事

 また、産業や雇用、これも重要な課題だと思います。新年度を迎えますと、これから消費税が8%に上がるということになります。これは国全体でいえば、今の莫大な債務を収束をさせていく、それで国際的な信用を得ていく上で避けて通れない道だと思います。しかしながら、経済への悪影響も中小企業を中心として、鳥取県内でもささやかれているのも現実であります。そういう意味で、年末には消費増税の対策本部を鳥取県として設置をさせていただき、これは民間の皆様、商工会議所だとか、あるいはさまざまな資格を持った方々や、あるいは国の機関とも連携をしてやっていこうということにさせていただいております。

 さらには、経済の動向を見ますと、円高が是正をされてきまして、それはメーカー、県内の製造業にもいい面をもたらしつつありますけれども、そういうことを本格化させていき、海外からむしろ製造を若干こちらにシフトさせてくるとか、海外の受注を取りつけて規模を拡大していくとか、県内企業の応援なども大切であります。ただ、片方でセーフティーネット保証を国として撤廃をすることがこのたびの当初予算の中で決まるなど、いろいろとまだまだ不透明感のある状況であります。さらに、TPP〔環太平洋パートナーシップ協定〕が越年をして今年に持ち越されました。これからアメリカにおいて選挙がありますが、その選挙を目指してTPPの交渉が本格化すると思われます。そういうことですと、農林水産業といった本県の基幹産業、こちらのほうも十分なてこ入れが必要になってくるわけでありましょう。そうしたことを見越して、これから経済、雇用の対策、これも重点的に対処していかなければなりません。

 国のほうでは5.5兆円の規模で補正予算が組まれることになりました。その成立は年初から審議が始まろうかということになります。さらに当初予算。これも過去最高の96兆円規模で組まれるということになりました。そうしたものを我々としても横目でにらみながら、鳥取県独自の対策も加えて雇用や産業の政策を展開する必要がございます。私としては、これは議会の状況なども見たいと思いますけれども、できるだけ早く5.5兆円の国の補正予算を県民の皆様のところに還元をしたり、消費税の増税を控えて、やるべきことを始めなければならないと思います。2月の県議会で議論をするということも考えられますが、いっそその部分だけは前倒しをして補正予算編成を加速をさせまして、臨時議会の招集も視野に、こうした経済・雇用対策を進めていきたいというふうに考えております。そうしたことなどをこれからやっていくことになろうかと思います。



1-(8) パートナー県政の推進 

●知事

 これは県民の皆様と手をとり合っていかなければなりません。「共に生きる」、パートナー県政、これを私としては基本に県政を進めているところでありますが、〔鳥取〕県民参画基本条例ができて初めての正月を迎えるということになりました。NPO〔特定非営利活動〕団体等の活動を支える、そういう組織も本格化させて、新年度からてこ入れも図っていく必要があるかなと考えております。県民の皆様と手をとり合って、この一年、大きな目標に向かって進めていきたいというふうに思います。

 うま年のことしでございますので、昨年はキズナというダービー馬が全国を制覇したわけでありますが、何せ鳥取県にゆかり〔伯耆町でトレーニング〕の馬でございます。その勢いを駆って、さらに加速をさせていく、それが今年のあり方ではないかと思います。「駆け馬にむち」という言葉があります。そういうように勢いをさらに強くしていく、そんな年にさせていただきたいというふうに思います。



2 冷凍食品からの農薬検出事件と本県の状況 

●知事

 年末年始、ちょっとした事件が発生をしているわけであります。マルハニチロ〔冷凍食品から農薬が検出された問題〕に関しましては、鳥取県内でも体調の不良を訴えられる方がいらっしゃいまして、お正月休みの間ではありましたが、報道のほうにも資料提供をさせていただいたわけであります。さらにその後3件、同様の事例が報告をされています。計4件が今、体調不良を訴えた事例として我々のほうで把握をいたしまして、これ実は群馬県が中心となって調査をしていますし、警察サイドも動いておりますので、県警同士の協力もなされているところでございます。我々としても全容解明に協力をしたいと考えておりますけれども、県民の皆様にも御注意をいただきまして、お気づきのことがあれば、我々のほうでも相談窓口を開設をさせていただきましたので、御相談をいただければありがたいというふうに思います。
 今回、4件報告が出てきているところでありますが、クリームコロッケとか、あるいはそのほかの商品もございまして、複数の商品にまたがっております。今報告を受けている4件は、いずれもスーパー等の量販店は別々なんですけれども、その4件が東部で集中して、今のところ報告が出ております。いずれにいたしましても、こうした健康被害、これを防止するために、我々としても全力を挙げてまいりたいと思います。



3 マラリア患者の発生 

●知事

 さらに、久しぶりにマラリアの発生がございました。これは南スーダンのほうに出かけられた方でございまして、現在、県内で加療中でございます。重篤な状況ではないというふうにお伺いをいたしておりますけれども、これは渡航情報〔外務省の海外安全ホームページでの〕がございます。マラリアの感染危険区域等もございます。また医療機関とも年末年始、相談をさせていただきまして、こういうケースに対処する方針について話し合いもさせていただきました。決して恐れる病気ではありませんし、これは人から人へ感染する病気ではありませんので御安心をいただきたいと思いますが、そうしたこともホームページのほうで年初早々アップをさせていただき、渡航情報や相談等の窓口等の情報を提供させていただきたいと思います。



4 今後の主な動き 

●知事

 年始からいろいろと動きが強まってまいります。あいサポート運動を進めて、ことし全国障がい者芸術・文化祭を実施する本県として、これからその本部を立ち上げることとなります。また、あいサポートフォーラムが西部におきまして関係団体の皆様の御尽力によりまして実施をされることになります。これには椎名誠〔小説家〕さんもいらっしゃるなど、話題にあふれたフォーラムになろうかと思います。私自身もシンポジウムの一環で御参加を申し上げ、鳥取県の現在の状況につきまして、例えば〔鳥取県〕手話言語条例等の動きもございましたので、報告をさせていただきたいと思います。

 また、産業の振興の意味で、関連して健康や医療ということもあろうかと思います。これにつきましては、東京大学が主催をします医療産業のイノベーション〔技術革新〕を目指したフォーラム〔医療産業イノベーションフォーラム〕、連続講義が東大で開かれております。私もそちらのほうに講師として参加をすることになりまして、〔東京大学大学院情報学環長〕須藤〔修〕先生等と順番にリレーで講義をさせていただくことになります。

 実は、鳥取県としてもこうした医工連携を進めようというふうに乗り出しているところでございまして、医療産業を引っ張るとか、さらに産学官連携によります新しい介護機器、あるいは例えば内視鏡を腸の中に入れるときにスムーズにいくように風船を順番に膨らませながら前へ進んでいく、そういうシャクトリムシ型といいますか、そういう医療機器の開発等々を現在も進めているところでありますが、その辺を今後とも加速させていきたいと思います。そうした意味で、東京のほうで関係者が集まるこうした機会を利用させていただければありがたいというふうに考えております。

 また、ことし産業振興として、東京でアンテナショップをワイドにリオープンしようということにいたしております。そういうことなどの課題を岡山県の伊原木〔隆太〕知事と話し合うことにしておりまして、〔岡山県〕倉敷〔市〕でその会議を持つことにさせていただきました。前回は〔鳥取県〕倉吉〔市〕の白壁土蔵群を見て歩きながら、その後、三朝〔町〕でそういう会議を持たさせていただきました。ことしは岡山県内で開催をすることになります。その際に、例えば交通ネットワークの課題であるとか、観光での連携だとか、そうしたことが話し合われると思います。

 それにあわせて、防災について両県での連携を強めようということもテーマになろうかと思います。その一つとしては人材面でありまして、急に支援をしよう、お互いに災害時に支援をしようとしても無理であります。したがいまして、両県で人材を交換をする、そういう意味で人を派遣し合うということを新年度からできないか、そんなことも議論になろうかと思います。

 また、ホームページが緊急時にダウンをしてしまうということになり得るわけでありますが、実は鳥取県と岡山県は情報ハイウェイで結ばれています。ループ状になっていまして、この鳥取と岡山は一体となった高速情報網を布設をしているという特殊な関係にあります。そこで、ホームページを緊急時にお互いのホームページから連接をしてつくる、あるいはそういう情報通信の機材提供等をお互いに行い合う、こういうような相互応援、情報面での災害応援という、全国でもまだ珍しい試みかもしれませんが、そうしたことを岡山県と協定を結ぶことにしたいと思います。これはここ何年かずっと話し合いを続けて、技術検証も進めてきたところでありまして、それを岡山県側と形にしていければというふうに思います。

 そのほかにも、中国地方での広域行政、連携を強めるべく〔中国地方〕知事会の中に専門部会を設ける等の動きもことし本格化することになります。いろいろとそうした連携面でも強めてまいりたいというふうに思います。

 この新しい年、県民の皆様にとりまして輝かしい躍進の年となることを願ってやみません。私も任期の仕上げの年度、来年度に向かっていくことになります。1万人雇用、あるいは2,000人の移住、こうした具体的な公約を掲げて3年前に選挙を戦わさせていただきました。こうした目標を確実に実現していく、そういう年にさせていただきたいと思います。県民の皆様の御支援を賜りますようお願いを申し上げますとともに、御家族、地域の皆様ともどもに県民の皆様のお幸せをお祈りを申し上げます。
 私のほうからは以上です。


○日本海新聞 井上昌之 記者

 では、質問のある社からお願いします。



5 スポーツ振興に向けた体制整備の内容とねらい 

○山陰中央新報 桝井映志 記者

 すみません、じゃあ、スポーツ振興の部局のことでちょっと教えてやってくださいませ。過去の定例議会でも話題になっておった話をもう一度聞いて恐縮ですけども、知事が思っておられるイメージとしては、教育委員会にあるこういう仕事と、知事部局にあるこういう仕事を合併させてこういう仕事をするんだというのを、もう少し具体的なイメージだったり、それを一つにまとめて知事部局として持って一体的に取り組むことで今までできなかったこういうようなことがやりやすくなるというような効果の部分をもう少し教えていただいていいですか。


●知事

 やはり今までは完全に任命権者が分かれた状態でございました。したがいまして、なかなか一体性のあるスポーツ振興、それに関連するスポーツツーリズム等を進めることに難しさがありました。それを一つにまとめることによって、例えば片方でインフラ整備をする。自転車であれば道路の路面に標識をつけまして、それでこれがサイクリングのコースですよということを示さなければなりません。これはハード面の整備でありますが、教育委員会サイドではそういうことはでき得ないわけですよね。また、スポーツ合宿の誘致に当たりましても、例えばエージェント〔代理店〕を回るとか、そんなことをやろうとしますと、これもなかなか現在の体制では厄介であります。また、人材の育成、特に2020年をにらんで東京オリンピックということがあります。今の中学生や高校生、十分にチャンスがあるわけですよね。そういう子供たちの未来をつくっていくために重点的に支援を行う、そういう意味では財政を我々知事部局のほうで所管をさせていただいておりますので、そこが機動的に一体となってやっていくことは十分に意義があると思います。キャンプ地誘致等も、これも強力に進める意味では、知事部局のノウハウを生かす必要があります。そういう意味で、軸足は教育委員会から知事部局に移す、そういうことを基本にしてやってみてはどうかなと思います。

 ただ、学校体育は子供たちの育成という意味で重要でありますし、また、優秀な選手を育てる、そういう意味でも、例えばチーム鳥取と言うべきような、そういう将来オリンピックだとか世界を目指すぞという、そういう選手層をジュニアでつくっていく、そういうチーム鳥取を編成していくという意味でも、学校体育との連接というのは、これは欠かせません。したがいまして、そこのリエゾン〔橋渡し〕を、連携のブリッジを立てながら組織をつくる、そういう仕掛けを考えていきたいと思います。これは教育委員会サイドの御意見もございますので、精力的に年初から議論させていただき、今後、発展性のある鳥取県のスポーツ、あるいはスポーツツーリズムにつながるように、我々としても組織立てをしていきたいと思います。




6 冷凍食品からの農薬検出事件に係る所感 

○読売新聞 加藤あかね 記者

 マルハニチロなんですけれども、まず知事の、基本的に、こういった群馬のことではあるとはいえ、御気分というか、体調不良を訴えられる方が県内にも出ていることに対しての受けとめと、あと4件ということでしたけれども、具体の詳細をもう少し教えていただければ、把握される範囲で結構ですが。


●知事

 詳細につきましては、これは担当部局のほうから、その事案の概要につきまして〔県政〕記者クラブのほうに改めて話をさせていただきたいと思います。いずれも12月の19日ぐらいから、要は後半ですね、12月の後半に食された方々であります。ただ、その吐瀉物から検出されたとか、そういうことではまだ今の段階ではないわけでありますが、それは各地でも同様な事例が今、この年明けから出てきていまして、実は鳥取県の事例が、公表が一番早かったようでありますが、各地でも同様な事例があらわれているということであります。

 非常に残念なことだと思います。これは食べるものという、人間の生命、身体機能の維持に欠かせないものが狙われた、ひょっとすると、そういう食品テロ的な話なのではないかなというふうに思います。したがいまして、事態の解明に鳥取県としても全面的に協力をさせていただきたいと思います。

 また、住民の皆様にもホームページ等に詳細な情報も提供させていただいておりますので、そちらもごらんいただきながら、異変を感じたら御相談いただくようにお願いを申し上げたいと思います。冷凍食品なので、保存可能な商品なもんですから、なかなか回収がうまいように進んでおりません。そういう意味で、住民の皆様にも御協力をいただく必要があるかなと思います。鳥取県としても、HACCPを初めとして食品加工の精度を上げていく、衛生管理を上げていくことを強めてまいりたいと思います。当初予算にそうした産業関連の、食品加工関連の予算を積極的に計上させていただきたいと思います。

 また、国として今回の事案の解明を進めながら、どういうような各県の連携体制なり法的な機能分担なりが必要なのか、また今回の反省に基づいて、どういうような法的規制が本来必要なのか、この辺も今後検討する必要があると思います。国にはそういう意味で謙虚に今回の事案から同様の事案が発生しないように、その防止策を考えていただきたいと思います。

 現実に今報道されているところでは、製造ラインのつくっている工程の中では、これ別々のラインが動いていると。先ほど申しましたように、県内でも実は複数の商品を食べたお客様に症状が見られたという話が出てきております。これは全国的にそうであります。そうすると、それを包装する工程が、包装する過程で混入したのかなということが推察をされるという報道になっておりますが、そこにはアクセスが比較的、可能というわけではありませんけれども、セキュリティーチェックのような厳密なものまではなかったというようなこともございます。いろいろとそういう意味で今後、事態が解明されてくると思いますが、それに従って必要な対策というのも明らかになってくるんではないかなと思います。国として、ぜひ同様の事案の発生を防止をしていただけるよう対策を求めたいと思います。




7 鳥取空港の愛称 

○日本海新聞 井上昌之 記者

 すみません、県のことではないんですけども、4日に青山剛昌先生と対談されたときに、鳥取空港の愛称について、鳥取砂丘コナン空港というような構想を知事がおっしゃられたという報道があったんですけども、具体的にそういう話で進めるということでよろしいんでしょうか。


●知事

 これはまだまだアイデアの話、アイデアの段階でございます。そうですね、関係者もおられるんで非常にちょっと微妙ではありますけども、正直なベースで申し上げれば、我々、米子鬼太郎空港というのを始めました。これが非常に関係者の間で話題になっております。恐らく漫画家の皆さんも興味があるところなんだと思います。青山剛昌先生と1月の4日にお会いをさせていただきましたときに、そういう米子鬼太郎空港だけでなくて、鳥取、実はコナン駅を青山先生にも見ていただいたんですね。このたび見ていただいて、大変な人だかりになったわけでありますが、そういうふうに鉄道の駅ができたわけでありますけども、空港についても考え得るのではないかと、こういうお話が出てきまして、青山先生も、もしそういう方向性が出るんであれば、それは協力したいなという、非常に積極的な御発言もございました。ただ、これはいろいろとハードルもありますし、当然ながらこれ、県民の財産でありますので、県として広く議論しなければならないことであります。そういう中で、鳥取砂丘コナン空港など、そういうコナンをモチーフ〔題材〕にして、これから国際的な誘客も進めていかなければなりませんが、海外にも訴求し得る、そういうネーミングも考えられるんではないかと、こんなような議論が沸いたわけであります。必ずしも私が言い出しっぺというわけではなくて、そういういろんなお話の中で、そういうアイデアが出てきました。

 私から申し上げましたのは、要はこれ、コナンの地元が一番であろうかと思いますので、まずは地元のほうでもどういう考えがいいのか議論していただいて、それでアイデアを寄せてもらいたいと。その上で、県として、県営の空港でありますので、どういうような愛称が考えられるのか、これも議論の俎上にのせ得ると、こういうような段階でございます。今はまだ、そういう意味では、まずは地元で多分、松本〔昭夫〕町長や井上〔信一郎〕議長を初めとした地元のほうで御意見が出てくるんではないかなと思いますが、そういうところを見ながら、我々県としてもそれを受けとめて、最終的には例えば米子鬼太郎空港のときは〔米子〕空港の〔利用促進〕懇話会の皆さんで議論されたりしていまして、どういうネーミングが誘客だとか対外アピールにいいかということで議論をされましたが、同様に、こうした課題についても議論をしていただくこともあると思います。ただ、今すぐ一気に米子鬼太郎空港のようにネーミングをこういうふうに決めますよという段階ではまだございません。ただ、前向きに検討はしてまいりたいと思います。



8 防災担当職員の人事交流 

○時事通信 平野実季 記者

 すみません、時事通信の平野です。岡山県との人材派遣の話なんですけども、これは期間とか、あとどういった課に所属する人という具体的なことは決まっているんでしょうか。


●知事

 伊原木〔隆太〕知事と前もこれお話ししたんですけども、あんまり長いのは、岡山県はちょっとなかなか、岡山県の人事政策としていかがかということのようです。鳥取県は割と防災部局の担当者は長目に職務に当たるんですけども、岡山県はどちらかというとサイクルは短目に回すようでございます。ですから、1年とか2年だとか、そうした任期を区切りながら交換を進めていくということになろうかと思います。

 今、その詳細を話し合っているところでありまして、そういう処遇面だとか、それから何年間での相互交流にするかとか、基本的にはこれから何回かこういうことをやっていきながら、お互いの県を知る人材をつくっていくということですので、何回かこういうことを繰り返して、ある程度年限を重ねていく必要があると思いますが、当面はどういう形で派遣し合うか、これを話し合うところであります。また、担当事務につきましても、先方との意見のすり合わせをして具体化をしてまいりたいと思います。


○時事通信 平野実季 記者

 そうすると、防災部局の方の人材交流。


●知事

 そうですね、危機管理部局です。危機管理部局で、基本的には自然災害等が念頭にあっての人材交流だと思いますので、そういうことに対して職務分掌のあるような、そういう担当になろうかと思います。



9 冷凍食品からの農薬検出事件に関する被害情報の集約 

○朝日新聞 山﨑聡 記者

 すみません、マルハニチロの件なんですけれども、きょう、1月6日段階で4件ということなんですが、今、先ほども各自治体の連携のお話もありましたけれども、今県が把握しているこの4件の事例というのは、どこかに報告されているんでしょうか。群馬県なり国なり。


●知事

 今、実は各県の間で基本的に群馬〔県〕に集めようということにしています。群馬県のほうで成分分析ですね、例えば吐瀉物だとか、あるいは冷凍食品の中ですね、この中の成分分析だとか、その辺は群馬〔県〕のほうがされることになりますと。我々としては、そこをお手伝いをさせていただいて、実態解明に協力をしたいという段階です。


○朝日新聞 山﨑聡 記者

 実際何か物を群馬に送られているんでしょうか。


●知事

 その辺の詳細も後ほど申し上げたいと思いますが、今は結局食べてしまったわけでありまして、4名の方、いずれも回復しておられます。それで、異臭を感じなかった方もおられれば、異常を感じたと言っておられる方もいらっしゃいます。いろいろちょっとケースは分かれていまして、そういうことは当然報告をさせていただきたいと思います。あと、物的なものは、あれば、これはすべからく群馬〔県〕側への提供をさせていただいております。ただ、これは警察も絡んでいまして、県警ベースでの動きということもあります。


○日本海新聞 井上昌之 記者

 そのほかありませんでしょうか。よろしいですか。
 じゃあ、以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。



  

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