●知事
皆様、おはようございます。
私ども鳥取県として、新年度を目指して予算編成作業も年明け、本格化をしてまいりました。現在、まだ各部局で調整中でありますし、私もこの後、実際の事業の内容につきまして話を聞くということになります。ただ、今いろいろとこれは集計してきてみまして、なかなか難しいなあというふうに思いますのは、消費税の増税が4月から行われますものの、個別の自治体が、じゃあ財源保障ができるのか。正直な話を申し上げれば、地方消費税が上がるということでありますから、それだけそれぞれの自治体の財源がふえることが期待をされるわけでありますが、必ずしもその効果が顕著にあらわれるわけではなくて、どうも団体によってばらつきがありそうだというように思えることであります。
鳥取県として、例えば地方交付税でありますけども、今のところは去年のベースよりはちょっとふえますけども、それをかなり上回って臨時財政対策債が減る。それで差し引きでいきますと30億〔円〕だとか、そういうような、かえって減になるかもしれない。また、歳出のほうも、結局社会保障の経費が当然ふえますし、また消費税の支出自体も払う側で県のほうに発生をするわけでありますから、その辺をいろいろと加味をしてまいりますと、消費税の増収分、すなわち地方消費税引き上げに伴う分等と比べまして、なかなかこれも厳しい。大体40億〔円〕ぐらい、逆に財源が減るような格好かもしれないなというように思えるところであります。
ただ、これはこれからまた精査をしなければなりませんし、国のほうにもこうしたそれぞれの自治体が十分予算編成ができるような配慮を求める必要があろうかと思います。地方消費税が引き上がりますと、非常に税収がふえる東京都等の財政富裕団体がございますが、片方でそうではない、地方消費税がそんなにふえないところは、逆に消費税の支払いですとか、消費税の引き上げの前提となる社会保障の増嵩分、こういうところがむしろ手かせ足かせになるわけでありまして、決していい話ばかりではないというのが今のところの財政状況の実感でございます。
ただ、そうはいっても、いろいろとやりくりをしていかなければなりません。したがいまして、そうした状況も見えてきたもんですから、今、財政当局に私のほうから指示をしておりますのは、基金等の既存の財源の活用であるとか、それから補正予算との関係で財源的な調整を図るであるとか、いろいろと工夫できることを考えるように、今、指示をしているところであります。
昨年並みの予算規模に当初予算はなるのかなと思いますが、若干はそれよりもふえざるを得ない。それは社会保障等の増枠をすることが消費税引き上げの前提になりますので、そういうことを考えますと、なかなか厳しい予算編成になりそうだなというのが今のところの状況でございます。いずれにいたしましても、今も各団体や関係者の方々、市町村等の御意見を聞いているところでございまして、まだまだ予算編成は流動的で、中身を詰めていくことになります。
その前段階で補正予算を編成する必要があります。これはこれから国会が始まるときに、国のほうも補正予算と、それから当初予算を同時に提案していこうという、今、政治日程になってまいりました。補正予算は、可能であれば2月の上旬ごろに仕上げたいという報道も始まっておりまして、その動向を注視する必要があります。
その補正予算のほうも同時並行で作業をしていかなければなりません。今ざっと、これも集計作業を始めたところでありますが、公共投資等で60億〔円〕は上回ってくるだろうなと。また、基金の積み上げで40億〔円〕は上回ってくるだろうなと。したがいまして、両方足しますと100億〔円〕を超える規模に鳥取県でもなりそうだということであります。したがいまして、これは、早くこの予算は仕上げる必要がある、〔県〕議会の御協力もいただきながら、前倒し審議を行う、可能であれば臨時〔県〕議会の招集もお願いをすると、こんなようなことを考える必要があろうかと思います。
いずれにいたしましても、まだまだ不透明感がある経済や雇用の状況、これを考え、さらに消費税引き上げ等に伴う生活弱者対策などなど、急がれることもあります。農業の構造転換の話もあります。女性や高齢者等の参画も期待されます。いろんな要素を組み合わせて考えると、かなり大事な予算編成になってくるかなと思っております。多くの県民の皆様の英知を結集させていただきまして、鳥取県として今変わり目に差しかかった日本という社会、この変わり目を乗り越えていく、そういう予算を目指してやってまいりたいと思います。
●知事
その前提として、市町村とよく協議をする必要がございます。市町村長の会議を来週行うことにさせていただいておりまして、私ども県側と市町村側と、首長同士の話し合いを予定をさせていただいております。この〔県・市町村〕行政懇談会でありますが、一つはこれから鳥取県として条例の提案を目指しております子育て王国条例、これの内容、さらには子育て施策について、この辺が焦点の一つになると思っております。
今、個別の市町村長さん等にも呼びかけをいたしておりますが、例えば中山間地で保育料を無料化してはどうだろうか、これを定住対策の柱、呼び水にしてはどうだろうか、こういう考え方がございます。これは他地域ではやっておりませんが、鳥取県としては市町村と共同でそうしたことを進めたいと思っておりまして、その支援を応分、折半して行うということも今、視野に入れております。こういうことで、手を挙げてくださる市町村長さんを集めたいと思っておりますが、今のところ複数、そういう考え方のところがあると思います。
また、土曜日授業。これも呼びかけをずっとしてまいりました。これについても複数の市町村長さんに、その御意思があるというふうに伺っておりまして、これも当初予算編成の中で我々、国の制度もございますが、国だけでなくて県の単独支援も行って応援をしていくことにいたしたいと思っております。
また、放課後児童クラブ。これも6年生まで、その預かる時期を引き上げていくと、小学校6年生まで引き上げていく。その環境づくりが急がれると思います。その関連予算も鳥取県として準備をさせていただきたいと思いますが、子育て王国条例の制定を目指すこととあわせまして、こうした予算の中身についても市町村側とすり合わせや意思の統一を行ってまいりたいと考えております。
そのほかにも、これからいかにして特産品の売り込みを図るかだとか、さまざまな地域の課題がございます。もちろん地方分権等の議論も財源問題などなどあろうかと思います。幅広く市町村長とも意見のすり合わせをして予算編成を仕上げてまいりたいと思います。
●知事
昨日〔16日〕は、岡山県の伊原木〔隆太〕知事と話し合う機会をいただきました。倉敷〔市〕のアイビースクエアのところで会議を持ったわけでありますが、昨日、防災関係ではホームページでの緊急時のバックアップ、こうした体制につきまして協定を結ぶことができましたし、東京におきまして岡山県と共同でのアンテナショップをつくること、基本的には経費の折半を行うこと、さらに、その運営に向けた協議会を設立することなどの協定をお互いに結ぶことができました。したがいまして、アンテナショップについては、この後は速やかにそういう協議会設置をして、両県で、共同で東京におけるアンテナショップの運営母体、その事業者を募集し、選定をする。さらに、それが固まってくれば、内装を整えて、整い次第、オープンをしていくというスケジュールが見えてきたと思います。我々としても、こうした新しい挑戦でありますが、今までは山陽と山陰とで山を隔てて全く別々に行政サービスなり、こういう販路開拓、産業政策を進めてきたところでありますが、観光、物産、移住政策、さらにビジネス支援、こうしたことで山陽・山陰一体となった拠点を目指してまいりたいと考えております。
その際、岡山県の伊原木知事ともいろいろ議論をさせていただきましたが、観光における海外からの誘客、これが新しいステージに入っただろうと、意思統一をいたしました。例えば台湾につきましては、エバー航空がこちらの岡山空港に乗り入れているわけでございます。これの関係で、鳥取県内でも顕著に台湾のお客様がふえております。実は昨年の上半期の集計までできておりますが、大体4割ぐらい、その前のシーズンよりも外国からの観光客はふえております。
そのふえたうちの一つは、鳥取県のほうの米子鬼太郎空港に入ったものでありますが、EGLツアーズによります香港からのお客様でございました。これは岡山のほうでも桃を収穫をする、そういう体験のプログラムも入っておりまして、両県において観光客の引き上げの効果があったわけであります。それをJR西日本の切符も造成をしまして応援をしようということで、フリーパスもつくってやってきたということでありました。
さらに、最近相次いで岡山も私ども鳥取県もタイのほうに出かけまして、観光誘客のキャンペーンをやってきたりしておりますが、こうしたところでも連携が可能ではないかという話し合いをしたところでございます。中国5県での協力体制をつくることもございますし、また、こういう島根・鳥取や岡山・鳥取といったようなスキーム〔枠組み〕での協力関係を組んでいくことも可能ではないかと思います。
●知事
台湾のEGLツアーズのほうには、担当職員を派遣しまして、このたび改めて今後の、ことしの方向性、議論をしたところでありますが、また、夏の時期にまとまったチャーターツアーを飛ばすということは、方向性として先方から示されました。これから詳細を詰めていくことになろうかと思いますし、それに先立って別の時期、春といったような時期も模索していくことで、今、話し合いをすることになったところであります。
先般は、タイからスティポン観光旅行業協会長、さらにはその歴代の会長さんなど20名の大規模な観光旅行業者のツアーがこちらに入られまして、鳥取県内を視察をしていただき、商談会を実施もさせていただきました。その結果として、タイから春以降、ツアーをまずは派遣してみたいという会社も出てきております。まずは定期便を使いまして関西空港やソウル経由での米子入り、こうしたルートを活用してツアー造成をしていこう、その前提として、2月にタイにおける国際旅行博覧会に鳥取県も出展をする。この出展については、先方の旅行業協会のほうがホストとして受け入れる、こんな話し合いもしております。
また、旅行雑誌〔関係者〕をタイからこちらに受け入れる。これも春に予定をしようと。それとあわせてチャーター便の造成を考えようじゃないか。チャーター便については、具体的には帰るまでいろいろと話し合いを重ねましたが、秋のチャーター便を当面目指して調整を進めていこうじゃないかと。その前に実績づくりを春以降やっていこうと、こういうような今、大筋の話し合いをした上で、タイの旅行業者の皆さんがお帰りになりました。これからそれを精力的にフォローしまして、今、急速に旅行熱、対日旅行熱が高まっているタイを初めとした東南アジア、ここからの観光客の受け入れの先鞭をつけてまいりたいと思います。
●知事
14日には、国のほうに要請活動をしてまいりました。具体的には谷垣〔禎一法務〕大臣のほうに、こうした外国からのお客様、特にクルーズ船がふえてきておりますので、CIQ〔出入国管理・検疫〕の体制整備をお願いしたいと。これは予算がついておりまして、その人員を境港等に配置をしたり、便宜を図っていただきたいと、こんなようなことでございました。
それとあわせて、14日は原子力発電関係でも要請活動をいたしまして、経済産業省のほう、これは磯崎〔仁彦〕政務官、また原子力規制庁のほうは池田〔克彦〕長官を訪ねました。それで周辺地域としての声を届けさせていただきましたし、必要な安全対策等をやること、周辺の意見を聞くことなどを申し入れしてきたところであります。
●知事
昨日、東京におきまして原子力規制委員会の審議が初会合を持たれました。これからその状況を注視していかなければならないと思います。きょうも私どもの原子力安全担当職員を専門家会議の占部会長のところに派遣をいたしております。これは、これからそうして占部〔逸正〕会長等、専門家会議の皆さんとも話し合いをしなければなりませんが、今後の進め方等につきまして専門家会議のほうでも会合を持っていただく等々から、鳥取県独自の動きも始める必要があるかなと思います。
実はきのうの東京での規制委員会の審議の中で、中国電力はフィルターつきベントにつきまして、希ガスの排出対策ということを委員会側と協議をしております。こうしたことなど、まだ当方として説明を伺ってないこともございます。この辺は速やかに中国電力から説明を求めたいと思います。
また、地元での説明会、立地はこれまで何度も繰り返していますが、鳥取県では米子市におきまして、議会中だったと思いますが、中国電力が説明会を1回やりました。もっときめ細かに説明会を持つべきではないかと私どものほうでは申し入れをしております。こうしたことは、特に米子市、境港両市、地元市の考え方が大事でありまして、そういう両市の御意向を実現できるように、中国電力との仲立ちも今後させていただきたいと思います。我々周辺地域は、中国電力が十分プレゼンス、説明を行っているわけではありませんので、その辺のキャッチアップ〔遅れを取り戻す〕を今後求めていくことになろうかと思います。
いずれにいたしましても、この審査に当たりましては、余り時間に追いまくられるのではなくて、やはり地域の安全第一であって、〔東京電力〕福島原発の事故の後にこうした原子力規制委員会という中立的、専門的な第三者組織が設けられたわけでありますので、そういう安全を担保するという使命を果たすべく、時間をかけてでも慎重に審議をしていただきたいというふうに考えているところでございます。
●知事
このような防災関係でありますが、次には、今度は南海トラフ、東南海地震といったところが焦点になってきます。きょうは11時以降、中四国合同では初めてのことになりますが、広域のそういう南海トラフを想定した広域図上訓練ということをすることにいたしております。ここ鳥取県が中国側のキーステーションになりまして、こちらに中国地方の他の県からリエゾン〔連絡〕職員がやってこられて、これから合同での支援のあり方、これを図上でシミュレーション訓練をするということになります。また、中四国9県それぞれの防災部局で同時に訓練を行うことといたしております。鳥取県からは、実動で徳島県にカウンターパート〔対応相手〕として職員をきょう派遣いたしております。いろいろと今後、こうした備えを十分にやっていく必要があろうかと思います。
8 アクリフーズの冷凍食品による健康被害に係る問題点
●知事
アクリフーズにつきましては、20件を数えるほど鳥取県内でも健康被害の報告が出てくるようになりました。全国も急速にふえてきまして、今では2,000件といったようなオーダーになってきております。これも群馬県等と連絡をとりながら対策を進めているところでありますが、最近明らかになってきたところでは、プライベートブランドの冷凍食品については、その製造工場が明記をされていないということであります。これ記号で示されていまして、鳥取県内にあるチェーン店ですと、全国でイオンさんなんかがありますけども、ああいうところのプライベートブランドにもアクリフーズ群馬工場のものも入っているわけですね。これを識別するためには、その記号を読まなきゃいけないわけであります。ただ、果たしてこういうことで消費者にわかりやすい安全対策と言えるのかなという疑問もあります。この辺、やはり国にも要望していかなきゃいけないテーマかなと思います。国のほうでも消費者庁を中心として、この辺の問題意識は持ち始めているというふうに伺っておりますが、我々としても住民の皆様の不安感を払拭すべく、ホームページ等々で周知を行ったり、担当の職員を動員したりしまして対策に当たっているところであります。
鳥取県内でもこういう冷凍食品のような製造工程はございまして、これにつきましては今回のこうした事件もございますので、重点的な査察対象、検査対象ということで位置づけて、定期的な巡回を行うことにいたしたいと思います。従来もやってきているわけではございますけども、その辺、改めて徹底をしていくということになろうかと思います。
●知事
障がい者福祉につきまして、去年、鳥取県も全国から注目を集めるようになりました。きょうもこうして手話通訳のほうのサービスをさせていただいているところでございますが、これも全国で初めて、生で手話通訳が記者会見についたということでございます。
これ今、当初予算編成の時期に入ってきましたけれども、こういうコミュニケーション保障というふうに言います。このような障がい者のコミュニケーション、これは人間として社会生活を行うファーストステップになります。これを鳥取県としてもいろんな意味で拡充していく必要があろうかと思います。手話言語条例が制定をされたわけでありまして、それと同時にさまざまな予算に基づく事業も展開をしているところでございますが、さらにそのコミュニケーション保障の考え方、障がい者コミュニケーション支援というものを新年度に向けて深めていきたいと思います。
具体的には、視覚障がいですね、それから盲ろうの方でありますとか、また中途失聴の方でありますとか、いろんなタイプがあるわけであります。手話言語条例につきましては、関係者の皆様が言語として正面から認めることを切望された、そういう御意思があって、我々鳥取県としても動いたわけでありますが、予算でこういうコミュニケーション保障について考える必要があるなと思います。
早ければ来週、関係者の方にもお集まりをいただいて、予算編成に向けた御意見を伺いたいなというふうに思います。具体的には、ろうあ団体連合会でありますとか、視覚障がい者の支援を行う福祉団体でありますとか、また盲ろうの方でありますとか、さまざまなタイプがございます。集まっていただくところもあれば、こちらからお伺いをして予算等についての要望をお伺いしたりしたいと思います。そういうふうにしまして、障がい者コミュニケーション支援、これをパッケージで当初予算の中でも考えていきたいなというふうに思っているところでございます。
10 第14回全国障がい者芸術・文化祭とっとり大会のボランティア募集
●知事
また、〔第14回〕全国障がい者芸術・文化祭〔とっとり大会〕もいよいよ迫ってまいりました。来週にはボランティアセンターを立ち上げることになります。このボランティアの皆様には、あいサポート運動にも参画をしていただいて、基本的な知見を得た上で、全国から来られる障害者の支援でございますとか、あるいは大会の運営に御協力をいただければということであります。ぜひ志ある方には、社会福祉協議会等と連携して行いますので、御協力をいただければありがたいと思います。
●知事
産業政策につきまして、これは青谷の日置谷小学校を活用してLED〔発光ダイオード〕によります植物工場を設置するプロジェクトの調印など、これから来週に向けても動きがあるところでございます。また、この週末にかけていろんなイベントもあるわけでございます。明日〔18日〕は関西広域連合のエリアによります男女共同参画のフォーラムが開催をされるわけでございます。これ、きょうとあしたと2日間でございますが、私自身は前の関〔西〕経〔済〕連〔合会〕の会長の秋山〔喜久〕さんであるとか、葉っぱビジネスで有名な徳島県の前上勝町長さんでございますとか、また全国団体であります〔NPO法人〕高齢社会をよくする〔女性〕会の樋口〔恵子〕会長さんでございますとか、そうした方々とのフォーラムに臨まさせていただくことにいたしております。鳥取県からそういう男女共同参画の輪が広がればありがたいなというふうに思います。
また、あさってでございますが、私も参加をしますが、あした、あさってですね、東京のほうの日本橋の三越、これ7年ぶりだと思いますが、久しぶりに物産展を今、始めたところでございまして、この土日は鳥取のほうから漫画のキャラクターも出かけていってキャンペーンを行うことにいたしております。一流専門店での、一流百貨店でのそういう「食のみやこ」を売り込む久方ぶりのチャンスでございまして、冬をしっぽりと鳥取の食で過ごしていただく、そういう味をお届けしたいと思います。
そういう意味では、あさって〔19日〕、カニ感謝祭が境港で開催をされます。全国の観光客でもにぎわう境港で、鳥取の冬の味覚、カニを味わっていただければと思います。カニ雑炊なども用意をされております。
●知事
また、この週末は受験生にとりまして大事な節目でありますテスト、統一のテスト〔センター試験〕が行われます。体調に気をつけていただきたいと思います。今、鳥取県でもインフルエンザ、定点観測で2ポイントを超えることになりました。1ポイントを超えますと流行期に入ったと言われます。手洗い、うがい等を励行して、健康に気をつけていただきたいと思います。あわせて、この週末は雪の予報が出ています。多いところで30センチというような予報もございます。県も大学側と話をして、特別の除雪体制を、大学の計画をお聞きをして、とることにさせていただきました。また、防災担当部局での情報提供でありますとか、教育委員会も子供たちのために、この週末は特別体制で臨むということにさせていただいております。県民の皆様にとりまして、健やかにお過ごしなさいますように心からお祈りを申し上げたいと思います。くれぐれもインフルエンザに御注意をいただきたいと思います。
私のほうからは以上です。
○時事通信 平野実季 記者
各社、質問をお願いします。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
すみません、補正予算についてお尋ねします。
去年されたのと同じように、通常の補正予算とは別に、景気対策の補正ということかなと思っておりますけども、その前倒しされる理由と、それからその歳出の中身をもう少し、差し支えない範囲で伺っていいですか。
●知事
まだ粗々の、まだ要求段階といいますか、現在まだこういうような事業がありそうだという集計をしている段階でありまして、私もまだ予算編成作業に直接タッチをしておりません。だから、見込みということでお聞きをいただければと思います。
今、桝井〔映志記者〕さんがおっしゃるように、補正予算を2つに分けて編成作業をしたいと思います。その一つの大きな山が、これが景気対策、雇用対策でございまして、これは切り離して、臨時〔県〕議会あり得べしというもので編成をします。あと、そのほかの通常の2月補正〔予算〕と言われるものは別途、それとは別に編成をしていくということにいたしたいと思います。
前倒しをして、場合によっては臨時〔県〕議会もというふうに申し上げるのは、例えば公共投資だとか、そういう契約が必要なものなどなどもありまして、できるだけ早く効果を発現する必要があります。また、基金も速やかに積んで執行できるものは執行していったほうがよろしかろうと思います。2月〔県〕議会が始まった後になりますと、これは〔県〕議会ともよく相談をしなければなりませんが、どうしても3月ぐらいに成立時期がずれ込みます。大方一月内外ずれることになりますが、年度末は3月末でありますので、十分な効果を出そうと思うと、前倒しで執行できるように、〔県〕議会側にも御協力を求める必要があろうかと思います。
もちろん国会の審議の状況等もありますので、今から確定的なことも申し上げられませんが、先ほど申しましたように、国会のほうもできるだけこの補正予算については成立を急ごうじゃないかと、こういう報道が出始めていますので、私どももそれを前提として準備を進める必要があるというふうに判断をいたしております。
その中身としては、一つは公共投資でございまして、これについては道路や河川等々、特に修繕等、防災対策などで急がれるところが多々ございます。また、基金のほうでは、いろんな基金が考えられるわけでありますが、国のほうで用意されるものがございます。大きなところでは、緑関連のプロジェクトですね、林業だとか森林保全等の関連の基金、こうしたところも積まれる予定になろうかと思います。この辺の今、中身の精査をしているところでございまして、私どもとしても、できるだけ早く国の情報もとって、県独自の対策も取りまとめて補正予算を策定させていただきたいと思っております。
○山陰中央新報 太田満明 記者
すみません、話変わりますけれども、手話のところで話をされまして、障がい者コミュニケーション支援ということをおっしゃったんですけれども、ここのところをもう少し、具体的なことが何かあるようでしたら教えていただけますか。
●知事
これは、〔鳥取県〕手話言語条例の審議を県議会でやっていたときも再三にわたって申し上げましたが、条例をつくるのは、手話を使っておられる方々が今までそれを言葉と認めてもらってないものですから、場合によっては口話法のほうに重点が置かれたりして、いわば一種の人権侵害のようなこともあったわけです。そうした状況を打破するために、公に法的に認めてもらいたいと。それであの手話言語条例制定の機運があったんですね。
それはそうなんですけども、ただ、そのほかにも、例えば視覚障がい者であれば点字というコミュニケーション手段があります。音声言語は当然理解していただけますし、その意味では、こうやって記者会見しても、これは、中身は通じるわけでありますが、書いたものとなりますと、これは点字がないといけないということです。ただ、その点字による広報、コミュニケーションについて、十分な材料が今、提供されているかどうかといいますと、必ずしもそうでないという実態が現場から聞こえてきます。だから、そこの例えば人的な手当てをするとか、量的にどういうものを取捨選択して情報発信していくのか、これの体制づくりであるとか、この辺もやはり急がれる課題だと思うんです。手話についての環境を整えるだけでなくて、そういう点字であるとか、そのほかのコミュニケーション手段、これもやはりコミュニケーション保障の考え方で障がい者コミュニケーション支援を展開する必要があるだろうと思います。
今回、〔鳥取県〕手話言語条例を通じて県民の皆さん、あるいは〔県〕議会にもそういう障がい者のコミュニケーションについての意識が急速に高まったと思うんですね。だから、この機会を捉えて、鳥取県としてもパッケージとしての障がい者コミュニケーション支援、これをまずは話し合って、できるところから順番に進めていきたいと思っております。
○山陰中央新報 太田満明 記者
具体的に、じゃあ例えば視覚障害、あるいは身体障害の方といいますか、寝たきりの方なんかもいらっしゃいますよね、コミュニケーションの難しい方というのは。そこまでは考えられない。
●知事
寝たきりの方とかですと、むしろ介護だとか、そういう物理的な御支援、これは従来の障がい者の介護サービス等の範疇で解消されるんじゃないかなと思います。準じて考えなきゃいけないのは、例えば難病とか、そういうところがありそうだと思っています。例えば進行性の筋ジス〔トロフィー〕であるとか、ALS〔筋萎縮性側索硬化症〕といったような、そういうものですと、徐々に、要は言語障がいが最終的には出てくると。ただ、もともと発症される前はちゃんとした言語コミュニケーションがとれますので、いろいろ目を動かすとかでタイプをして伝える等々の手段は確保されている方がいらっしゃるわけでありますけども、そういうタイプのコミュニケーション保障というのもあろうかと思います。その辺、我々としても当事者の皆さんや関係者の皆さんの御意見を改めてお伺いをして、コミュニケーション保障というのを展開していきたいと思っております。
○山陰中央新報 太田満明 記者
具体的に、じゃあどういった方が対象になっていくんでしょうか。
それと、例えば保障の場合が、歩道に例えば点字の方のためにございますよね。あれなんかが雪のときになってくると役に立たないという話があったりしたりするわけですけれども、雪で隠れちゃうという意味で。
●知事
その辺は、この点字ブロックは、これはコミュニケーション保障というよりは、バリアフリー社会のほうだと思います。
このバリアフリー社会のほうは、これ当初予算で今検討を急がさせていただいておりますが、〔第14回全国〕障がい者芸術・文化祭〔とっとり大会〕もありますので、再点検をさせていまして、公共施設等々ですね。それから民間の例えば旅館ですとか、そうしたところでバリアフリーを進めるときに投資が必要になります。こういうものを県としても御支援する事業をつくってもいいかなと、これも今、議論を始めたところです。
○読売新聞 加藤あかね 記者
アクリフーズなんですけれども、アクリフーズの農薬混入の関係なんですけれども、査察を改めて定期的にしていることではあるとはいえ、されるということを言われておられましたけれども、改めて県、国の対応を待つだけではなくて、県独自でしなければいけないというか、重点的にやろうという意図と、あと、どんなことを具体にされるのか、何カ所ぐらいされるのかという具体がもう少しわかれば教えていただきたいんですけれども。
●知事
それ、もしあれでしたら詳細、担当部局のほうからお話を改めて〔県政記者〕クラブのほうにさせていただきたいと思いますが、ざっと20以上あったじゃないですかね、意外に冷凍食品の製造ライン、それに準じるものというのは県内にもございます。そういうものを考えますと、そういうところに対して、実はこの事件の後、まずは注意喚起をいたしているところでございまして、県内は特に問題があったというわけではありませんが、そういうことがないようにしなければいけません。おおむね年に2回程度は査察に入る、そういうようなこともルーチン〔決まった手続き〕として考えていく必要があるかと思いますし、それも、状況によってはふやしていかなければならないケースもあろうかと思います。
今、この事件自体がまだ進行中でありまして、どういう原因があってこうなっているのか、まだ解明が進んでおりません。その状況も見ながら、県のほうの対策の強化内容も深めてまいりたいと思います。
○読売新聞 加藤あかね 記者
じゃあ、すぐに何かするというわけではないんですか。
●知事
もう既に注意喚起はこれ、その対象施設、事業者には行いました。また、これも事件の展開を見て、すぐにやらなければならないことは対応しなきゃいけないと思っています。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
すみません、ちょっと抽象的な質問ですみませんけども、子育て支援を手厚くしていくということであったり、バリアフリーを進めていってということであったりに力を入れておられまして、これは大きくは県政の一番大きな課題である人口減、定住対策ということも当然念頭に置かれた取り組みで、要するに鳥取に人に来てもらうとか、鳥取の人もずっとここで住み続けてもらうということをするための鳥取の特色というですか、そういうものは模索しておられる取り組みの一つだろうと思うんですけども、この子育て支援に手厚いということであったり、このバリアフリー、共生社会だということであったりというのは、何というですか、ほんにそれを鳥取県の看板にしていこうと思ったら、ある程度鳥取ならではということでやって、鳥取にしかできん、鳥取らしさみたいなものもしていかんといけんのかなと思うんですけども、そういう、ほんに鳥取の看板みたいなものに育ち得るものだというふうにお考えになりますでしょうか。
●知事
現実には今、我々はかなり前のほうを走り始めていると思います。あんまりこちらも宣伝するわけじゃありませんので、積極的にPRしているわけではございませんが、〔鳥取県〕手話言語条例が典型だと思いますけども、各県も鳥取県の政策をモデルとしてきているところでございます。これからも、要はどういうことかというと、現場主義だと思うんですね。実際にその地域の方々が、例えば子育てでこんな問題を抱えてるとか、それから障がい者の皆さんがこういう問題を抱えているとか、自主的に解決できるものもあれば、これはなかなか難しいというものもあると。国がやってくれればいいんですけども、国を待っていてもらちが明かない。せめてちょっと県でスタートさせてもらえないかというようなこともいろいろあるわけですね。この辺を現場で声を拾いながら、今、県政を進めているところでございます。
その中で、今、コミュニケーション保障のお話も申し上げましたけれども、鳥取県として県民の意識も上がってきて、例えば関係者との協力体制もとれてきたところは、ある程度先導的な政策をとる、その中で鳥取らしさというのが今、障がい者福祉や子育て〔政策〕の中で生まれてきているんじゃないかなというふうに思います。仮に中山間地で保育料無償化ということが実現すれば、これは他の地域にはない定住政策と保育対策を兼ねたような、そんなような政策にもなってくるかもしれません。こんなようなことを積み重ねながら、おのずから鳥取らしさ、子育て王国、あるいは障がい者の方がともに生きる社会、そういうものが形成されてくるというふうに考えております。
○中国新聞 川崎崇史記者
よろしいですか。外国人観光客の受け入れをふやしていきたいというお話があったんですが、昨年の夏、集中して香港からのチャーター便が来る際にも、やっぱりクレジットカードでどれだけ買い物ができるんだろうかとか、いろんな課題が上がったと思うんです。新年度予算の中にそういった対策、対応を底上げする、そういった事業とか何がしかというのはちょっと入っているんでしょうか。
●知事
それを今から議論したいと思っています。私としては国際リゾート化を目指すので、そういう海外からのお客さんのバリア〔障壁〕をなくしていく、それを具体的にやろうというふうに申し上げています。
今おっしゃるクレジットカード対策は、去年、おととしぐらいから徐々に鳥取県としても支援策を導入してきておりまして、段階的に強化をしてまいりました。また最近、この間もタイの旅行業協会の方が来られてお話を伺いましたが、Wi-Fi環境、これは障がい者ではないですけども、そういう情報コミュニケーションの環境を整えてあげることも大切だということであります。ですから、そういうWi-Fi環境のようなものを、これはちょっと通信事業者と共同してある程度やらなきゃいけないところもあるんですが、可能なところから強化していく必要があります。具体的には、県の観光施設であるとか境港や〔鳥取〕砂丘といったようなところ、そうした主たる観光地、こうしたところで我々としてそういうインターネットの無線通信環境を整える、これも外国人観光客対策として重要だろうと思います。
こういうようなことで、これからどんどん外国のお客様がふえてくると思いますし、そうでないと日本の観光地が発展していかないことになると思いますので、私どもも重点施策として当初予算に計上していきたいと思います。
○山陰放送 秦卓史 記者
すみません、島根原発の関連で質問させていただきます。先ほど知事はまだ県が説明を聞いていない部分があると、速やかに説明を聞きたいと、希ガスの排出対策のことですか、を挙げられましたけれども、この聞かれるタイミングというのは、なるべく早目がいいというふうにお考えでしょうか。
●知事
それはなるべく早くお伺いしたいと思いますし、〔鳥取県原子力防災〕専門家会議の皆さんにもそれを聞いていただく機会が必要ではないかなと思います。この部分は、細かい話で恐縮ではありますが、この12月〔県〕議会で大議論をした、あのときにいただいた1,400ページの対策の中には入っていません。それ以外のものがきのう〔1月16日〕の〔新規制基準適合審査会合の〕ヒアリングの中で出てきたわけでありまして、地元として当然それを聞く必要があると思いますし、中国電力にも説明の義務が協定上あると思いますので、我々としては速やかにその説明を求めたいと思います。
○山陰放送 秦卓史 記者
これは、なぜ県には事前に膨大な資料が出たにもかかわらず、そこに入っていなくて、今回のヒアリングで出た、このタイムラグといいますか、これはなぜ生まれたと。
●知事
それはちょっと私たちにはわかりません。中国電力のどういう事情があったのかなと、そこは若干疑問を持ちます。ただ、善意に解釈すれば、中国電力もどんどん安全度を高めるために対策を追加していかなきゃなりません。現に我々も汚染水の排出、これの対策を求めているわけですね。これ残念ながら〔原子力〕規制委員会の新規制基準には入っていないので、1,400ページの中にも入っていないんですけども、これはやるべきだと言っています。こういうように、あれにとらわれず安全度を上げていく対策というのは必要なことは、それは理解できます。ただ、やはりそのときは地元に対する説明義務を果たしていただきたいと思います。
○山陰放送 秦卓史 記者
では、国のほうで出たわけですけれども、出た限りは、今度また地方に同じものを説明するラグというのはなるべく短いほうがいいというふうに。
●知事
それは、説明する義務があると思います、協定上。
○時事通信 平野実季 記者
ほか、大丈夫でしょうか。
○山陰中央新報 太田満明 記者
一つだけ。タイのツアー客のことをおっしゃいましたけれども、タイ。タイ王国ですね。あそこ、バンコクで政争といいますか、起きてますけれども、その影響というのはどう考えていらっしゃいますか。
●知事
これは、正直な話、タイに行く外国人観光客は、かなり打撃を受けているような状況が伝わってきています。ただ、タイから出られる方は、それは大きな影響があるかどうか、これからまだ、今これからツアー造成を始めるといいますか、4月とか3月以降だと思いますが、そういう春以降のツアー造成に影響があるかどうかは、状況を冷静に見ていく必要があるかなと思いますが、壊滅的に打撃を、向こうから来る方向で受けるようには、タイの旅行業者の皆さんは思ってない感じだったですね。
○山陰中央新報 太田満明 記者
現時点では余り影響がないということですね。影響がないって、先行きはわからないにしても。
●知事
そうですね、だんだんと今、例えば日本の企業でも、その事業、営業をまた再開をしたり、始めていますので、徐々に落ちついてくるのかなと皆さん思っているのかもしれません。タイの企業ですね、中小企業団体等がこちらに来られていましたけど、こちらにいることは、むしろあの人たちはラッキーに思ってたみたいでして、それぐらい日本は安全なので、旅行の選択先としては十分あり得ると思います。ただ、タイの経済自体ががたがたになりますと、その旅行熱が冷める可能性はあると思います。
○山陰中央新報 太田満明 記者
鳥取県、事務所設置したんですけれども、今のところ影響は何か聞いとられますか。
●知事
特段の影響はありません。
○時事通信 平野実季 記者
ほか、大丈夫でしょうか。
ありがとうございました。
●知事
どうもありがとうございました。