○朝日新聞 吉田海将 記者
はい、じゃあよろしくお願いします。
●知事
皆さま、おはようございます。台風8号は現在、関東の東の海上に抜けまして、北上中でありますが、温帯低気圧に変わり990ヘクトパスカル程度の勢力となりました。これにつきましては、長野県また愛媛県、山形県、福島県等々で深刻な被害がございまして、被災されたかたがたにお見舞いを申し上げる次第であります。鳥取県としても、これは7月では最大級の台風でありましたので、厳重な警戒の下に私ども連絡体制を敷いておりましたけれども、今のところ大きな被害の報告はございません。[寝台特急]サンライズ出雲が運休になったり、それから福岡向けのバス便が、これが運休になったり、一部の学校で臨時休校があったり、そういう影響はございましたけれども、例えば土砂崩れであるとか、道路等々の被害などは報告はないということでございます。ただ、まだ風も吹いている状態が続きます。雨雲が消えているようでありますけども、台風の影響はまだ少しは残っているわけでありますが、これからはむしろ暑くなってくると思います。そちらのほうの関係にもご注意をいただきたいと思います。
●知事
本日[11日]、原子力災害につきましては、これから段ボールが避難所の支援物資として必要でありますので、それを例えば備蓄倉庫で全部置いておくというのは、あまり現実的でないこともございます。従いまして、その段ボールの事業者さんと協定を結びまして、いざというときに流通ベースに乗っているものも含めて供給をしてもらう。そういう協定を周辺地域ではありますが、結ぶことにいたしております。原子力安全対策については、一昨日[9日]ですね、原子力規制庁のほうをお訪ねいたしまして、池田[克彦]長官のほうに申し入れを数々させていただきました。私どもとしての再稼働等の判断が今後なされるのであればそれは安全が第一義であると、周辺地域の意見も聞いて判断してもらいたい等々、従来からの要請をいろいろとさせていただきました。
また、特にEMC[緊急時モニタリングセンター]と言われるような原子力環境センター、これについても新年度、来年度での初期投資の完成を目指している、それについて国としても十分な支援が必要であるなどを申し入れをさせていただきました。今、国のほうでは原子力についての交付金で見直し論が起こっているそうでありますが、我々はむしろ逆でありまして、こういう初動でまずはやらなければならないこの初期整備に今、集中的に投資をしている段階でございまして、そういう梯子を外さないように、そこは強く申し上げたところであります。原子力規制庁としても財政当局等とこれから十分折衝していきたいという話でございました。
それから、津波の想定について、島根大学と共同で行っていた調査の結果が出てきたわけであります。従来から私どもでもハザードマップ[自然災害の被害を予測し、その範囲を地図化したもの]を見直す、その前提として津波のシミュレーションをやり直すということを東日本大震災以後やってきたところであります。今回の知見もあり、それからひょっとするとこの夏ごろに仕上がるんじゃないかと我々は期待しているんですが、国も日本海側の津波について、断層調査等、今やっているところでございまして、そういう国の方の断層調査、それから今回の調査の状況、こうしたことも加えまして、これから今年度いっぱいぐらいかなと思いますが、その津波についての従来のシミュレーションを仮にやり直す必要があるんであれば、またやり直す、そういう作業を行ってまいりたいと思います。この辺は国のちょっと調査の結果を待ってから動き出すということになろうかなと考えております。
3 あいサポート・アートとっとりフェスタ開幕に向けて
●知事
いよいよ明日[12日]、あいサポートアートとっとりフェスタ[第14回全国障がい者芸術・文化祭とっとり大会]が開幕することになります。障がい者のかたはもとより健常者のかたも含めまして県民の多くの皆さまからご支援とご協力を賜り、開幕の日を迎えることは、誠に感謝に絶えません。障がいを知り、共に生きるという鳥取県のあいサポート運動のメッセージ、これを全国あるいは世界に向けて発信していくいい機会にしたいと思います。併せて県内で、各地でイベントが展開されることになります。これから11月3日に向けましてこのフェスタが展開をされるわけであります。ぜひ多くの県民の皆さまに足を運んでいただき、障がい者の芸術・文化活動、またその芸術・文化活動と併せて健常者のかたも一緒に生活し、活動している、そういうエスプリを、精神を感じていただきたい。それによりまして、障がいを知り、共に生きるという本県のメインメッセージについてのご理解を深めていただき、鳥取県を心温まるコミュニティにしていただきたいと思います。
これは、県民みんなでやっていかなければならない運動でございます。今回のフェスタがそのきっかけになることを願っておりまして、多くの皆さまのご来場、あるいはご支援をお願いを申し上げたいと思います。初日のオープニングフェスティバルでございますけれども、例えば、米子の養護学校の生徒さんと日野高校の生徒さんがコラボをしまして、荒神神楽を演じることになります。この日を目指して一生懸命練習してきた成果を見ていただきたいと思います。練習を通じていろんなコミュニケーションが図られるわけでございまして、それにより、日野高校の健常者の生徒さんも障がいに対する理解が深まってきたというふうにもお伺いをしています。このイベントをやること自体でそうした機運が生まれてきているんではないかなと思っております。
また、梯剛之さんという視覚の不自由なかたでいらっしゃいますけれども、そのかたによりますピアノの演奏がございます。奇跡の演奏とも言われるものをお楽しみをいただけるんではないかなと思います。また、岩美やあるいは鳥取市の佐治のかたがたによりますパフォーマンスでありますとか、お馴染みの宮川大助・花子さん等々の著名なかたがたのステージもございまして、そうしたこともお楽しみいただけるんではないかと思います。入場は無料でございますので、お気軽にとりぎん文化会館に来ていただければと思います。
今、障がい者の事業所では、さまざまなスイーツを作っているわけでありますが、そのスイーツの展示等もございますし、さらにはいろんな作品ですね、こうしたものに触れ合っていただいたり、段ボールアートに挑戦していただいたり、楽しめるのではないかと考えております。これと併せて、いろいろと県内でも各方面で動き出しました。例えば、この若桜街道については、今月の初めに歩道のバリアフリー化について事業を完了させていただきましたし、また、鳥取空港にも屋根付きの障がい者駐車場を設置を完了いたしました。さらには、倉吉の未来中心等々の会場がございます。さらに米子のほうでも同様のことがございまして、そういう中部・西部でも今、そのイベント時期を目指してバリアフリー化の工事を精力的に進めております。また、障がい者のこういう事業を振興していくために、就労施設を振興していくためにハーツという、そういうカタログを作らせていただきまして、これを例えば贈答用とか、いろんな機会にご活用いただけないだろうか。これも今回、このフェスタに合わせて刊行をさせていただいたところでございます。
また、出演者にもなりますPaix2[ペペ]の皆さんによります「あなたと一緒に歌いたい」というテーマソング、また唱歌100年を迎える「ふるさと」、これを手話付きのバージョンも含めてDVDを作成をいたしまして、これは学校の教材だとか各方面でお使いいただけるように制作をしたところでございます。この他にもいろいろとこう動きが出てきております。ボランティアの皆さんも600名集まりました。そうした皆さんも早速オープニングのときから障がい者の皆さんと一緒に汗をかいていただくことになります。多くの皆さまに親しまれ、楽しんでもらえ、それで、障がい者の理解が深まることを願って止みません。
●知事
6月県議会が先週閉幕を迎えまして、数々予算も成立をしました。88億円の予算でありますが、これを今、執行に向けて動き始めたところでありますし、成立した条例の周知等も始めているところであります。例えば、青少年健全育成条例でペアレンタルコントロール[子どもの情報通信機器の利用を親が監視して制限する取り組み]が導入をされることになりました。全国にも馴染みのない条例になっております。その意味で今月、東部・中部・西部でそれぞれにPRと言いますか、広報のイベントをさせていただくことにいたしましたし、今後各方面に説明会等を行っていくことにいたします。10月の施行ということがございますので、それを目指してこれから秋に向けてねじを巻いてまいりたいと考えております。
認知症の高齢者が行方不明になるということがございます。これにつきまして、予算を盛り込み、ご近所で応援のネットワーク、サポートのネットワークを作りましょうという、そういう事業を作りました。併せて万が一、行方不明になられたときの対策を検討しようということで会議を開く、そういう予算もあるわけでありますが、その推進連絡協議会が開催されまして、そこで警察ですとかあるいは市町村ですとか、あるいは県ですとか、そうした関係者が集まりまして対策を話し合ったところであります。その結果を基にしてこれから具体的なマニュアルの作成に入りたいと思います。今でも、行方不明になられたときには警察から市町村に連絡がいくというのが事実上でありますが、本県内では行われていることが分かりました。ですから初動はですね、そういうことでその後こう有線に流していただくとか、先程ご紹介申し上げた新しい予算も活用して、応援サポートということでの各市町村の取組みをしてもらう。初動で見つけるのが一番でありますし、結局24時間を超えると極めて今度は発見の可能性が、今度は逆に低くなってくることも分かってまいりました。
従いまして、こう24時間を超えるような場合は、これからは警察等から県の方にも情報をもらうようにして、広域的対応が必要なのか、そうしたどういうような調査方法をしたらいいのか、それを即刻ですね、動き出す、そういう協議や調査活動、捜索活動、これに結び付けていく必要があります。従いまして、こう24時間経った以降ですね、どういう対応するのかというのの共通理解を作る必要があるかなと思います。会議の結果を基にして、認知症高齢者等の行方不明に対する対策マニュアル、そういう対策マニュアルを作らせていただきまして、また改めて関係者によります推進連絡協議会を開いて、そのマニュアル等に従った対策を今後進めることにいたしたいと思います。こういうことなど、これから6月の予算、これを基にして動いてまいりたいと考えております。
●知事
北朝鮮における拉致問題については、片方でミサイルの発射が行われるなど極めて遺憾な状況があります。ただこれに怯むことなく交渉を精力的にやってもらう必要がある。そういうことで一昨日[9日]、古屋[圭司]拉致担当大臣に面談をさせていただき、[米子市出身の拉致被害者松本京子さんの兄の]松本孟さんのメッセージも読ませていただきまして、お渡しをいたしました。松本さんも今回は大きなチャンスである、しかし最後のチャンスかもしれない、そういう切羽詰まった状況を理解してもらって交渉をやり遂げてもらいたい、全員、京子を始めという言い方だったんですけども、松本京子さんを始め全ての拉致被害者の救出をしてもらいたい。こういう切実なメッセージを寄せていただいておりました。大臣のほうからは、オールジャパンで全勢力を挙げて解決に取組むというお話がありました。また、当日は朝の4時に北朝鮮がミサイルを発射したこともあり、そのことも私のほうから申し上げたわけでありますが、そういうような北朝鮮の動きは日本政府としてはある程度織り込んでいると、そういうのに怯むことなく、我々としては毅然とした協議を行っていくんだとそういう決意も示されました。さらにその場で被害者がもし帰って来られたときの対策について鳥取県の状況を報告をさせていただきました。米子の市長も一緒でありましたので合同の対策本部を作ってやっていくこと等をご披露申し上げましたら、大臣のほうからはありがたいという反応がございまして、国のほうでもさらに拉致被害者がもし帰られた場合のその支援対策については、高齢者向けの支援であるとか、さまざまな例えば日本語の問題とか、国としても支援策を追加で考えたいというお話が新たに示されたところであります。私共としてもそういう日が訪れることを一日も早く願いたいと思います。
また、北朝鮮に対する制裁についても話をさせていただきましたが、大臣のほうからはいろいろと制裁解除に、一部制裁解除について議論はあるけれども、それはカードとしては、私のほうで申し上げたように大切にこれから切っていきますよということがございました。それで、今回のカードについては、これで効果としては恐らく限定的なものであって、これがカードとして主要なものでは当然ないですよと。むしろ北朝鮮側の動きも分かるカードでありまして、日本側にとって大きな負になるものではないと、そういうご説明がございました。そのカードの中には北朝鮮船舶の人道目的の入港ということがありました。これについて、境港管理組合として今検討をしてまいったところでございますが、国の方も考え方が徐々に示されてきました。結論から言うと、方針としは、まず第一には国のほうからの指示ないし国との協議を行った上で入港許可を検討する、そういう手続きに入ることにいたしたいと思います。
国は今こういう制裁の一部解除という段階でありますので、政府間でその船舶の入港については、まず政府間の協議をするということであります。その上でここに入港の可能性がありますよということを通知してくるということでございまして、我々としてはその政府間の話し合いというものに基づいた入港の検討ということを考えるべきだと思います。従いまして、まず第一条件としては、政府の関与、政府の指示ないし政府と協議した結果で認める可能性を考えると。それから第2番目には、ポートステートコントロール[外国船に対する立入検査]と呼ばれる港における徹底した調査、これを望む必要があると思います。また税関とか、そうした調査であるとか、国として、実はこの港側としては入港を認めるかどうかということ以上に、ただ捜索に入るとかそういうような権限があるわけではありませんので、国のほうでそれ相応の体制を取ってもらうこと、これが前提条件になろうかと思います。
それからその他諸般の状況、船の状態とかですね、何が荷物であるかとか、そういうことを調査をした上で、我々として入港の可能性ということを検討すると。すべてクリアされれば許可ということがあるかもしれませんが、いずれにせよ、今のこの一部制裁解除という段階的な状態でありますので、前提条件がはずれてくることが当然必要だと思っています。政府の関与であるとか、徹底した捜査や調査、こういうことがなされることが前提であると、そういう態度で我々としては望んでまいろうかと考えているところでございます。
●知事
また、一昨日[9日]東京に行ったときに地方創生本部の関係で菅[義偉]官房長官のほうにお会いをさせていただきました。ふるさと寄付、これを拡充をしてもらいたい、鳥取県は上手にやっていますよと、去年は全国で一番寄付が集まりましたということを申し上げました。その要因としてクレジットカード決済のシステムを導入するなど、寄付しやすいようなかたちを作ったことも影響したということを申し上げました。菅官房長官は鳥取県の取組みに非常に興味を示されまして、控除の限度額を、控除を引き上げるということを考えたいというお話がございました。また、手続きの簡素化も鳥取県のやり方もぜひ、調べさせていただいて、手続きの簡素化も検討したいと、こういうようなお話がございました。この際ですね、地方創生本部のほうでしっかりと国の予算も確保していただき、自由度の高い地方それぞれの動きができるように実行ある本部体制を作ってもらいたいと思います。
●知事
また、この度、来週が締め切りになりますけれども、提案、地方分権改革についての提案募集が行われています。本県としても、それから中国地方全体の中国地方知事会としても、また、我々加入している関西広域連合としてもこの提案募集に手を挙げてまいりたいと思います。例えば、鳥取県で言えば、ふるさとハローワークっていうのをすでにやってきております。しかし、ここで雇用保険の事務が扱えないわけで、利用者のかたにその点のご不便があります。この辺の権益を国の方で話していただいて、完全なハローワークとして使えるようにする。そんなこともあるかもしれません。
また、こうした鳥取県のような人口規模の小さいところでは放課後児童クラブの補助制度につきましても要件緩和をしてもらって、小規模な放課後児童クラブであっても運営できるように国の方から支援があってもいいんではないか、そんなようなことであるとか、森のようちえんと言われるスキーム[枠組み]、これがまだ保育所でも幼稚園でもございません。これについても緩和をしてもらってもいいんではないか、新しい基準設定等して対象としてもらえないだろうか、そういうふうに考えております。森のようちえんにつきましては菅官房長官と面談をしたときも、当方で話題に持ち出させていただきまして、菅官房長官もそういう制度はいいなというふうにおっしゃっていただけました。まずは提案募集として応募をしてまいりたいと思います。この他にも関西広域連合の方で、例えば、山陰海岸国立公園、この事務を広域連合に移管を求める等々、さまざまな募集提案をさせていただきたいたいと思います。来週の火曜日が締め切りでございますので、今最終とりまとめをしておりますが、それをまとめ上げてまいりたいというふうに考えております。
●知事
大交流時代が始まりました。昨年は外国人の訪問客が3万7千人と過去最高を記録をしたことが判明をいたしました。明朝からいよいよ香港からのEGLツアーズが来訪することになります。今回は8月23日まで18回に分けてやっていきますが、イン[入国]が米子空港で広島アウト[出国]というそういうスキームになります。我々としても、JRさんも妖怪列車での出迎えをされるということでありますし、地域の皆さんも張り切っておられまして、今回も昨年のように満足いただけるような観光地としての取組みをして、次年度以降にもつなげてまいりたいと考えております。
先般は台湾の方に参りまして、これ中国地方全体として取組んでまいりました。台湾の中国地方を訪れるお客さんも今急増しています。広島空港、さらには岡山空港のエバー[航空]便、また香川[県]の高松空港にも入っております。その他福岡や関西、こういう空港の利用もありまして、鳥取県も実は台湾客が今急速に伸びてきているところでございます。中国地方全体のものと合わせまして、いろいろ台湾とのチャーターフライト等の協議もやってきたところでありまして、ぜひ今回集めてきたシーズ[種]を実現できるものは実現に結び付けてまいりたいというふうに考えております。こういう外国人からのおもてなし、訪問客に対するおもてなし、この態勢はやはり都会と違ってなかなかまだまだ足りないところがありまして、観光庁の方のこういう外国人観光客を出迎えるモデルプロジェクトに我々も手を挙げていこうと思います。
「Oh!モテ梨[おもてなし]リゾートとっとりプロジェクト」と題しまして、梨は木の梨でありますけども、そういう大おもてなしといった態勢で、さまざまなこと、例えばクレジットカードを使いやすくするとか、それからいろんなインターネットを活用したことであるとか、そういうトータルな旅、例えばドライブでの旅も含めてご提案できるリゾートにしていく、そういうソフト事業を中心としたプロジェクトをこの度、国にも提案してまいりたいと考えているところでございます。
●知事
それから来週でございますが、17日に、チョコレートの製造工場、加工場を智頭[町]と鳥取市に誘致をするという調印が取りまとめられました。さらに今日[11日]ですが、今日はピンクのカレーをレトルトにしようと、鳥取市内の事業者さんが作られました。いろいろとそういう産業活動のシーズをこれから育ててまいりたいと思います。
●知事
また、世情今議論になっておる1つが橋につけられている銘板ですね、この橋の銘板が盗まれるという事態がありまして、島根県で数多く報告をされ、本県も調査をいたしますと出てきたと。実は本県のものは、全て市町村の管理の道路でございました。県管理、国管理のものには今回は被害はないということであります。これから、その被害防止に向けて市町村にもよく指導していったり、パトロール等をやっていく必要があると考えております。
実は県の方では平成22年に被害がございまして、そのときに対策をさせていただきました。例えば溶接をして銘板が取れないようにする、それからこう何て言いますか、ボルトで留めてあるわけでありますが、そのここをこう、先をこうねじ曲げて、潰してしまって外れないようにする、こういう対策を県の方では加えたところであります。それの結果として幸いですね、そうした被害は今回は出ていないという状況でございまして、こういうような知見も市町村側の方にもよくお知らせをしたりして取組んでまいりたいと思います。いずれにせよ、盗んでいくのは犯罪でありますので、こういうような事態が本県でも起きていることは遺憾なことであり、再発防止に向けてまいりたいと思います。
●知事
来週は全国知事会議が佐賀県で開催をされます。それに向け、その中で地方交付税を初めとした地方財源の確保、また、税につきましては森林を守るための新しい税制の導入であるとか、そうしたことや法人課税、これも法人課税の実効税率を引き下げると言っていますが、これも地方側にも大きな影響がありますので、そういうことがないように求めていくとかいろいろと分権、行財政について意見を戦わせなければならない場面かなと思っております。また、日本創生会議が明らかにした消滅自治体が大きな反響を呼んでおります。子育て支援対策、あるいは女性の働く場、輝く女性の対策、こうしたことをやっていく必要があります。
私共子育て同盟としても、こういう知事会の場を活用して子育てが非常に楽しいですよと、それで、あまり思い悩まずに子育てに取組んでいきましょうと、そういうメッセージビデオをこうした機会などで公開していこうかと、そんなことも今、検討をしているところでございまして、今回の全国知事会を通じて地方側で結束を固め、これからの国の難局を乗り切っていく1つのエンジンとして知事会が機能していくように私も参画をしてまいりたいと思います。私の方からは以上でございます。
○朝日新聞 吉田海将 記者
では、各社よろしくお願いします。
○NHK 植田治男 記者
北朝鮮籍の入港の件なんですけれども、大臣との対談の中で一義的には国との協議をした上での判断ということなんですけれども、県としては松本さんの問題、拉致の問題があるということで、拉致問題が松本さんの問題が解決しない状況の中で境港に北朝鮮籍の船が寄港する可能性もある。それについてはどのようにお考えなんでしょうか。
●知事
ちょっと今、若干つなげてしゃべっちゃったので誤解を生んだかもしれませんが、[古屋圭司拉致問題担当]大臣の方からは、今回の北朝鮮についての制裁解除は極めて限定的なものであるという認識が示されました。それから港のことであっても、例えば下着類であるとか、そういう本当に人道的なもの、そういうものに限って貿易ではなくて、そういう人道的な支援ということに限ったものになる。また、国としても当然ながら北朝鮮側の動きというものを、いわばフォローしていける、そういうものだと、こういうお話がございました。これが、[古屋圭司拉致問題担当]大臣との協議の場での話です。それとは別に国土交通省側とも連絡を取り合っています。念のため申し上げますけども、まず全体として申し上げれば境港に入港したいという話は今、一切ございません。この状況は変わっておりません。だから、今はまだ頭の体操をしているというふうにご理解をいただきたいと思います。
我々もこれはそういう報道があったものですから、どういうふうに取り扱っていいものかどうか、港自体はオープンに開かれておりまして、国際的にも元々オープンに開いていなければならない存在であります。従ってめったやたらと入港拒否ということができるものでもございませんで、その辺は我々の、やっぱり行政サービスとしての港湾管理者の立場があるわけです。その立場があって、しかし今の国際情勢なり、拉致の状況もあって悩ましいところでありますが、国土交通省側は、これについてはまず政府間でどういう船による輸送をするのか、そのことについて事前に協議をするという流れを今考えているわけであります。政府間で協議をして、これは認めましょうと日本政府がなって、初めて物事が動き出すというふうに我々は理解をしております。
ですから、そういうことで、国の方から、何処どこの港に入港ということを考えてもらいたいというような通知が来るのではないかと思います。そういう通知が来たときに、その状況をよく確認をさせていただいて、政府としてはこれを受け入れるのかどうかですね、それが大前提でありますよと。我々としては大きな交渉の枠組みの中で、今、その拉致被害者の救出も含めて交渉しているわけでありますから、何かこう前に出っ張っていって北朝鮮の船をどんどん受け入れようというスタンスを取るわけではございません。むしろ国のトータルの交渉の中で、我々もその状況を踏まえながら動くべきだと思います。
従いまして、国からの指示だとか、あるいは国と協議をした上でというのが、まず第一の前提条件になると思います。また、ただ、滅多やたらなことをされてはということで我々も不安がありますので、ポートステートコントロール[外国船に対する立入検査]という、そういう船の中に立ち入って調査をする、そういう権限の行使であるとか、当然入国管理だとか税関だとか検疫だとか、そういう権限を国は持っているわけです。そうしたことをフルに活用してもらって、問題がないかどうか、そこの担保は国の方でやっていただく必要があるだろう。こうしたことが大前提ですよということであります。
○NHK 植田治男 記者
入港の最終的な権限というのは、境港管理組合にあって、代表は知事がされる、されておられるということは最終的には知事が判断されるという。
●知事
そうですね、最終的にはそうですね。だから、そのときに、ただ私の一存で決めるというよりは、通常とはちょっと違いますけども、通常であれば入港の許可申請が来ればそれを淡々と私どもの方でこなさせていただきますが、これについては特別な扱いをさせていただこうという趣旨です。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
すいません、関連してですけども、松本さんが帰ってこないという状況の中で入港を認めるという判断をすることはないというふうに考えてよろしいでしょうか。
●知事
いや、そこはやはり政府の大きな枠組みの中でご議論があるでしょうから、その状況をよく聞きながら、ということだと思います。政府としては、[古屋圭司拉致問題担当]大臣のお話としてごく限定的に、要は向こう[北朝鮮]が前に進めばこちらが前に進みます。それで、行動、対、行動ですから。それで、向こう[北朝鮮]が調査に入ることに対して今回一部制裁解除ということをするわけですよね。これがなければたぶん向こう[北朝鮮]は調査に入らないということだったんだと思います。従いまして、そういう交渉事として、どういうことを政府全体としては許容していくのかっていうことが当然ながらあるんだと思います。それにやっぱり政府の考え方にはある程度我々も依拠していかなければ拉致被害者の救出という交渉の阻害要因に逆になるかもしれません。従いまして、政府の考え方を、我々としてもよく聞きながら、この港[境港]の入港許可については対応していくということであります。繰り返しになりますけども、境港に入港したいということは、今日時点で一切ありません。それで、我々と国土交通省とのやり取りからすれば、たぶん政府の方から言ってくるんじゃないかなと思いますね。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
県民の世論として、その松本さん、帰って来るということはない中で入港は議論するっていうことは無理だということは、政府に言ってもいいんじゃないでしょうか。
●知事
ちょっと意味が分からないですけど。今交渉していますよね。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
はい。ので、今後境港に入れたいですという話が出てくるのかどうか分からないですけども、仮に出てきたとしても、その時点で松本さんが帰って来ておるという状況がなかったら、鳥取県民の感情として、それを受け入れるということは無理ですよという、鳥取県の県民の思いを知事として政府に伝えるということはあってもいいのかなと思っているんですけども。
●知事
うん。そこはちょっとそういう状況が生まれたら、でないと分らないところですけどね。もう一度言いますけど、今現在で境港に入港したいというお話が来ているわけではございません。
○読売新聞 加藤あかね 記者
すいません。関連してなんですけども、そうすると県としては、国がまだ検討している部分もあると思うんですけれども、3段階で県としては国の判断も踏まえて上で入港を許可するという手順をまず県として考え方を取りまとめたという理解でよろしいんでしょうか。
●知事
結局これについては、国の方の交渉手段として今回の一部制裁解除があるんだと思いますね。我々は松本京子さんの救出ということを、ぜひ、していただきたいと望んでいるわけです。そのためにどういうことを政府として考えられるのか。まず政府間でその1つ1つの船の行き来については協議をされるという段取りになると思うんです。ですから、その協議の状況を踏まえて、我々もその拉致被害者の救出に向けた問題解決に向けて、ある程度協力をしていくという場面もあるのかもしれません。ただ、状況によっては、それはどうかなという場面もあるかもしれませんけども、まずはその政府がどういう協議をされて、我々の方に指示をしてくるとか、あるいは通知をしてくるとか、そこのところを見定める必要があるのかなと思います。
通常の港の入港許可は、申請で願い出れば、特段と問題がないと認めれば許可しなければならないものでありますが、今回は特殊なケースとして通常よりも厳格な手続きを考える必要があるというのが本意であります。そういう考え方で今後臨んでいこうということを今、内部的には考えているということです。
○日本海新聞 井上昌之 記者
船内調査って言うんでしょうか、あるいは一部CIQの機能にかかってくるかもしれませんけど、今、国がそういう権限を持っていますが、そういった国の機関の例えば人員を拡充するようなですとか、その設備を拡充するようなとか、そういった要望っていうのも今後していく可能性はありますか。
●知事
それはだから、我々の方で入港を仮にですよ、仮に許可をするということになるときには、当然ながら厳格なそういうポートステートコントロール[外国船に対する立入検査]やさまざまなその調査等々、安全確保、これを国に求めなければいけないと思っています。
○日本海新聞 井上昌之 記者
逆にそれが大前提ですよということですね。
●知事
そうです、そうです。そういうように、だから通常の港の入港[許可]についてはそういうことはやりませんけども、ちょっと今回は通常とは違った手続きをとらざるを得ないだろうと。
○NHK 植田治男 記者
そうした場合、その手続きの中でなんらかの不備が見つかった場合は、知事の権限として入港を拒否するという可能性もあるんですか。
●知事
それはありますよね。だから、我々として安全確保なり、なんなりが図られるちょっと心象がなければそれはちょっと認められませんなということはあるかもしれません。通常よりも厳格に我々としては考えていきたいということです。
○日本海新聞 井上昌之 記者
関連して拉致の関係なんですけど、今日はもう一部報道に拉致の生存者のリストというのが北朝鮮側から日本に示されていて、30人ぐらいの日本人の名前があったところなんですけども、これについて何か知事の方で。
●知事
これについては、私どももその報道が始まって以来、拉致被害者支援室等の政府関係機関に問い合わせをいたしております。その言葉どおり今申し上げれば、ちょっと厳しいかもしれませんが誤報であるという言い方を政府からはいただいておりまして、事実が存在しないというふうに我々としては受け止めておりますが、ちょっと我々は確かめる手段はございません。ただ、いずれにしても、先般拉致被害者対策の担当大臣古屋[圭司拉致問題担当]大臣とも率直に意見交換もいたしましたが、私どもとしてはいつ事態が動いてもお迎えできる体制はそれは取っていきたいと思います。
14 外国人観光客の受入体制づくりへの思いについて
○読売新聞 加藤あかね 記者
すいません、話題変えてよろしいでしょうか。明日からEGLの皆さんも来られるということですけれども視察等も招聘相次いでいると思いますが、知事として改めて今の段階で、外国人への招致ですとか、あと先程、ごめんなさい。新しく取組みが考えられてOh!モテ梨のプロジェクトに手を挙げたいということもありましたけども、改めて外国人の誘客に向けた取組みへの意気込みですとか考え方と、プロジェクトに手を挙げようというその意図を教えていただきたいんですが。
●知事
今回、EGLツアーズが来られまして、これは夏休み中ずっと香港の皆さまが県内に出てこられることになろうかと思いますが、それだけでなくて、各方面誘客をしていかなきゃいけないと思います。例えばアンソニー[・ウォン アジア・オーバーランド・サービス社代表取締役]さんというかた、マレーシアの著名なエコツーリズムの事業会社のかた、このかたも招請しまして、私どもの方でそうしたエコツーリズムのあり方について研修会をしていただくとか、ロシアの方ではヤクーツク航空という航空会社がございます。今ヤクーツク航空さんのフライトで、ウラジオストクから鳥取に向けたチャーターフライトを9月に2回ぐらいやっていただくように、これ最終交渉段階に入ってきております。こういうようなことを着実にやっていく必要があるだろうと思います。マレーシアのようなイスラム国家におけるキャンペーンであるとか、タイからのチャーターフライト、これも本県単独でなかなか難しければ、よその空港と組んでチャーターを試みるとか、そうしたいろんな構想を今、念頭においてこれから2,000万人のビジット・ジャパン[外国人旅行者の訪日を飛躍的に拡大させるキャンペーン]の時代がやってきますから、それを睨んで、我々もパイを膨らませていく必要があると考えております。
ただ残念ながら、例えば外国から来られるお客さま、日本円を持ってきているわけじゃありませんので、じゃ、その通貨をどうするか。クレジットカードの使える環境必ずしも整っていません。そうしたところを打開していくとか、また両替機、これも[大型クルーズ客船]ダイヤモンドプリンセスが入港したときにマルチ[多数の通貨]両替機を設置をしましたら非常に評判良かったです。それで、こういうようなことを観光地として我々も考えていく必要があるかもしれませんし、そういうこと、さらには旅のかたちが変わってきて、ご自身で周るグループ旅行でないツアーも増えてきています。じゃ、レンタカーで動きやすいかというと、そういう外国語情報だとか、そうしたものを整えなければなりません。ICT[情報通信技術]を活用してそうした対策を考えていったり、多岐に亘ってやはり外国人のかたに入っていただきやすくする環境づくり、これが残念ながらまだ山陰には数多く残されていると思います。そこをこう踏み越えていくために、今回「Oh!モテ梨リゾートとっとりプロジェクト」というのを立ち上げるべく、国土交通省の方にもエントリーしていこうかということにいたしたところでございます。
今どうしても国内旅行もそうでありますけれど、やっぱり観光というのは波がありまして、この度とりまとめた観光統計[観光客入込動態調査結果]でも、[観光]入込客の数でいきますとちょっと微減ぐらいになります。ただ、宿泊客でいきますと、これは16%ぐらいですかね、かなり去年伸びています。多分旅のかたちが少しずつ変わっているんだと思いますね。こういうふうにいろんな波はありますけども、そういう大きな流れを上昇気流に乗せていく必要があると思います。そのためにはこの度3万7千人と過去最高を記録した外国人観光客、これをベースとして、引き上げていくのが着実な道になろうかと思います。ただ、言葉の問題だとか、いろいろなルート設定とか課題は多ございますので、それをクリアしていく1つのステップとして、今回プロジェクトを起こそうということにいたしたところでございます。
安倍総理も1万店の免税店を作ると鳥取で表明をされました。あれは境港の夢みなとタワーの商店街をそれにしようというお話をしたことに触発されて、その場でおっしゃったんだと思いますが、そうしたことを我々としても一歩一歩やっていきたいと思います。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
すいません、違う話ですいません。チョコレート工場のことですけども、知事としてはどういったことを期待されているか、少しコメントをいただいてもいいですか。
●知事
詳細は、またじゃあ後程お話を別途させていただくとして、今回は、元々は恋山形の駅から始まりまして、我々の関西本部がアプローチをしていた会社でもあるんですけども、恋山形でバレンタインデーのイベントをやりました。ピンク色の派手な駅舎で、賛否両論あったんですけども、割とこうネット上でも盛り上がった。そこでバレンタインデーにはそこに行って願をかけましょうというようなイベントをしたりして、そのときのお付き合いなどもあって、この度チョコレートの加工場というものを設置をしていただくといことになりました。数十人ぐらいの雇用を見込んでいると伺っておりまして、雇用面でも中山間地も含めて貢献いただけるかなという期待がございます。
また、残念ながら、事情があって閉鎖をしていたお菓子屋さんを活用してという部分があったり、それから鳥取市と智頭と分散してやるとか、ある程度広がりのあるプロジェクトになろうかなと思います。私どもとしてもフードバレーを目指しておりますので、こういう食品系の事業の展開も後押しをしてまいりたいと思います。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
不勉強で知らなかったんですけど、そうしますと恋山形駅と連動して何かまたお互いが盛り上がるようなことっていうのも期待できるんでしょうか。
●知事
それはやると思いますけどね。それはこれからもそういうようなイベントも含めて展開していく会社だと思っていますけど。
○NHK 植田治男 記者
すいません、外国人観光客の話に戻って申し訳ないんですけども、今、日本に来ている外国人観光客、特に台湾人を取り込んで、増えていて、それを地方にこう取り込んでいかないといけないという話も出ていると思うんですが、県としてその台湾の観光客の誘致、誘客していくために、今おっしゃられた大おもて梨以外で、何か独自の取組みをされていくとか考えられていますでしょうか。
●知事
この度も、中国地方全体としても[台湾]高雄、それから[台湾]台中ですね、そうしたところにもまいりました。台北中心でありますけども、台北だけでないだろうと。その辺は我々も戦略として考えてもいいのかなと思っております。どうしてもある程度広域的に回りますので、広域的な連携もしなきゃいけないと思いますが、例えば九州と鳥取県内の空港、あるいは山口県みたいな中国地方のちょっと離れたところと鳥取県との、そういうことで共同で、そうした地域、台北以外の地域からチャーターフライトを引き込んだりしますと、そこの需要はまだまだ残っているのかなというような感触を持ちました。この辺は精力的に可能性を探っていきたいと考えております。また、台湾を回ってみて、やはりアニメは大きいなと。いろいろ各県の状況を全部、例えば厳島神社から、あるいは岡山城や倉敷市から申し上げます。今でも例えば倉敷だとか、しまなみ海道とか、台湾でもヒットしているアイテムが出てきているんですけども、鳥取の場合、食いつきがいいのはコナンですね。コナンはやっぱり非常に台湾のかたにも分かりやすくて、現実にも台湾のツアー客はコナンのところを立ち寄るというパターンが増えてきています。
そういうようなアニメの戦略もあると思うんですね。先般、閉幕をしましたけれども、パリにおきましてクールジャパン[日本独自の文化が海外で評価を受けている現象]を展開するイベントをさせていただきました。それに自治体として初めて参画をしたんですけども、このジャパンエキスポ[フランスのパリ郊外で開かれるマンガやアニメを中心にした日本のポップカルチャーの見本市]の中で、24万人のかたが来訪されたわけでありますが、想像以上に鳥取県ブースは食いつきが良かったです。これは現地で人気の谷口ジローさんをメインにして、名探偵コナンやそれからゲゲゲの鬼太郎の3つを取り込んでやりましたが、一緒に写真を撮るコーナー等も行列ができるようなことになりました。また、地元のメディアでも取り上げられたわけでありますし、またトリピーは、これはふなっしーと共演をするはずだったんですけども、ふなっしーだけでなくって、X JAPANのYOSHIKIさんも出てきて、X JAPANのYOSHIKIさんとふなっしーとトリピーの共演ステージが実現をしまして、日本じゃ考えられませんけども、向こうに行ったら皆一緒だということなんだと思いますが、意外にトリピーはフランスでも人気がありました。こんなようにやっぱり楽しい、行ってみたいな、そういうところになれるような戦略を、そういうまんが王国も絡めてやっていくのも台湾戦略でも大事なのかなというふうに思っているところでございます。
○朝日新聞 吉田海将 記者
じゃ、質問なかったら以上で。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
すいません、ちょっと市政の、鳥取市政の関係の話で申し訳ないんですが、鳥取市教委が鳥取城の籠城戦をモチーフにしたかつ江さんというキャラクターを発表しまして、それがネット上でかなり話題になりまして、市教委が、昨日公開しないことを決めましたけども、この一連の騒動について知事の見解があれば教えていただけませんでしょうか。
●知事
なかなか、言わば地域を売り込むというのは難しいものでありまして、試行錯誤を繰り返していかなきゃいけないところはあると思うんです。その意味で今回別に何か例えば飢餓を愚弄しようとか、そういう意図があって鳥取市さんがされたわけではないと思っておりますので、冷静に私も受け止めさせていただきたいなと思います。先般、黒田官兵衛のドラマが展開をしていきましたが、なぜか鳥取城攻めが素通りされてしまいまして、地元としては残念なところがあるんですが、自分なりに考えてみますと、非常に凄惨を極めたわけですね。[豊臣]秀吉や[黒田]官兵衛は三木城攻めで、言わば血を流さずに攻め取るという、言わば兵糧攻めを有用と思ったんですが、それを鳥取で徹底してやったわけです。結果としては、絵にもなっていましたけども、カエルでもなんでも食べたと、そういう凄惨な状況が生まれていまして、実は以後秀吉らは、こういう兵糧攻めについては鳥取の例もあるんで、慎重に考える傾向も生まれたわけであります。
そういうふうにやっぱり時代を振り返ってみても非常に凄惨な状況があったわけでございまして、そういう歴史をアピールしたいという思いが鳥取市側にもあったんだろうと思います。ちょうどドラマもこの同じような時期にあったこともあるのかなと思います。ただ、不快感を与えることになったとか、そういうことがあればそこは反省点としていただければと思います。ただ、画像自体は例えば教材とかそうした意味でもインパクトを持って伝わるのかなというふうに思います。いろいろこれから悩ましい判断を鳥取市側でされると思いますが、私としては見守っていきたいと思います。ただ、これは幸か不幸かこの騒動を通じて、鳥取城攻めがいかに悲惨なものであったかというのは、全国にアピールできたんではないかなと。それで、その意味では元が取れたんではないかなというふうには思っております。
○朝日新聞 吉田海将 記者
すいません、じゃあ今の関連なんですけども、すいません、1つだけ。それは現時点では鳥取市は撤回というか、そういう判断で、画像もパンフレットとかは配れないと、引っ込めたということなんです。その判断についてはどうだったんでしょう。知事はPRはできた部分はあると、それについては。
●知事
これは、市の方のキャラクターですから、市の方のご判断にお任せをしたいと思います。結局、地域戦略としてアピールをしようということから始まったわけですから、さっき申しましたようにある程度この鳥取城攻めの悲惨さというのは全国には伝わり、そういう史跡が鳥取市にあることは、逆に認識されたかなというふうに思います。その意味で言わば、そういう認知度を高めることには逆に成功した面もあったところで、キャラクター自体は撤回しようというご判断もそれも1つのあり方だろうというふうに思います。要は地域としての好感度を上げていくことは観光戦略として大事でありますので、その辺は世論と言いますか、国民全体の受け止めも機微を見ていただいて、鳥取市としてご判断いただきたいと思います。
○朝日新聞 吉田海将 記者
それでは、なければおしまいで、じゃあ、どうもありがとうございました。
●知事
どうもありがとうございました。