防災・危機管理情報


知事定例記者会見(2014年8月29日)

平成26年8月29日(金)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

(報告事項)


(質疑事項)

  

録画配信 知事記者会見動画(約78分) ※MPEG4形式

  

1 9月補正予算案の概要 

○朝日新聞 村井七緒子 記者

 お願いします。


●知事

 皆さま、おはようございます。私どものほうでも9月に県議会を開催をすることになりますが、今、喫緊の緊急課題につきまして、いろいろと討論を行うことになります。それに向けて、準備作業も本格化をしてまいりました。今のところざっと見て10億円台、11億[円]超えてくるくらいの予算規模になるかなと、12億[円]程度になるかなと、そんなようなイメージで予算作業を進めているところでございます。さまざまな課題がございます。例えば、燃油代が上がってきたということでありますが、これも過去最大規模になるんじゃないかというふうにかねても申し上げておりましたが、だいたい4,800万円ぐらいの規模感になるかなと、今だいぶん積み上がってきました。その中には、中小企業向けに省エネ対策をこういうふうにすればいいというような点検をさせていただいて、さらに設備投資をして省エネ対応にしようというところにはその助成を行う、そんな商工関係の燃油対策があろうかと思います。

 また、バスやトラックもタイヤを省エネ仕様に変える、燃費効率を上げるということで乗り切っていこうという、そういう話がございまして、我々としても応援をしていこうということであります。漁船もどうしても油がないと海を走れませんので、その油代を効率化するための省エネ型のエンジンとか、そうした対策がございます。こうしたことでありますとか、また、牛のえさやり、給餌につきましても効率を高めるとか、いろんなやり方がございまして、さまざまに省エネに結びつく燃油対策に結びつくようなそういう事業をまとめてまいりますと、過去4,300万円規模だったのが最高でありましたけども、今回は最高の額になるんではないかと、今だいぶ積み上がってきているという状況にございます。

 少々、日朝協議が遅れそうだという報道が近頃始まっておりますが、いずれにせよ9月に日朝協議ということが最大公約数なのかなと思って報道を見ているんですけども、その拉致被害者対策では、国としてもだいぶこの時期、この夏に国の対策がまとまってきまして、生活資金の配慮がなされる見込みになってきております。県としては、そういうものを補うようなかたちでやっていくのだと思います。例えば言葉の問題があるような人に対する支援であるとか、あるいは出迎え等々、ご家族のことも含めて対応は必要だとか、もちろん我々も職員を派遣をしたり、また、現地のほうにそれなりの部署を作るということなど、いろいろとお金がかかるものがございます。それだけでなくて、国のほうは、来られてその後月々の年金と言いますかそういう生活資金の支給があるんですが、最初の初動のところがまとまったお金がないかなというふうに思っております。

 従いまして、今日[29日]も東日本大震災の被災関係地域のかたが来られていましたが、東日本大震災の被災者支援で県のほうでやっているのと同じような考え方で、まず生活再建に向けた第一歩として30万円をお支払いを申し上げると、そんなような支援措置も県独自に考えようと思っております。このようなことをやりますと、700万[円]、800万[円]といったような、そんな規模での予算が必要かなというふうに考えているところでございます。こんなようなさまざまな今、予算の確認と言いますか、球出しと言いますか、そうした作業を行っているところでございます。



2 危険ドラッグ対策 

●知事

 そういう中で9月議会でも1つの焦点になるかなと思っていますのは、ついこの度も鳥取県で初めて[鳥取]県[薬物の濫用の防止に関する]条例違反のケースが確認をされました危険ドラッグでございます。条例につきましてはパブリックコメントにかけまして、今精力的に最後の詰めを行っているところでございます。昨日[28日]も関西広域連合の議会が開かれまして、そこでさまざまな意見が出ました。そのあと、関係の知事や市長ともこの話題でいろいろと議論をする、そんな意見交換もありましたけれども、やはり今、最大の課題ではないかなと思います。これについては鳥取県としては全国で例のないところでありますけども、包括的に幻覚、興奮等の作用を及ぼす、それによって身体の健康を害するという薬剤、ドラッグにつきましては条例をもって禁止をし、罰則上の担保もつけようということなどを今取りかかっているところでございます。

 ただこれ、そういう条例を作っただけでは実効性というものに限りがございます。従いまして予算上、一定の措置を取って体制を整えていく必要があろうかと思います。条例の中でも危険ドラッグ撲滅運動というものをやっていくんだと、こういうことでございますが、そういう撲滅の対策費用を計上していくことを考えております。これも700[万円]、800万[円]とかそういう数百万[円]オーダーになろうかなというふうに考えております。例えば、鳥取県の県庁の中で警察OBのかたのようなイメージなんですけども、そういう取締りにノウハウを持っている人を県庁の中にも入ってもらってはどうだろうかなと思っております。こういうことで我々としても、この度もそういう該当者が出まして、調査を行うということになるわけであります。警告を発しましたけれども、それと併せて入手元がどうであったかとか、そんなようなこと、事件捜査のようなことをやるわけでありますが、職種で言うと薬剤師のような人なんですね、我々のところは。そういう人用だけではなくて、そういう捜査関係に精通したような人もサポート役にやはり入っていただいて、いざというときは当然警察と共同で踏み込んだりということになりますが、その前段階的なこともいろいろありますし、パトロール的なこともありますし、警察OBのかたのようなイメージでそういう能力のある人もその組織の中に入ってもらうということを考えております。

 また、包括的に網をかけてしまって、そういう薬効がある、影響があるというものは規制対象、違反であるということにするわけでありますが、その中でも知事指定薬物として監視対象における流通を把握をしていくと。つまり売買があれば届け出をさせるということを考えているわけでございますが、これの指定に当たりまして専門家の知見も必要であります。そういう意味ではアドバイザーを使って専門のかたに我々のほうで指定をするときに意見をもらうということを考えていく必要があるかなと思っています。県独自の取組みが入っていますので、そういう特別な対応も必要ではないだろうか、そういう予算措置も要ります。また、鳥取県では仮にこの条例が制定されれば、この鳥取県の県境の中においては、危険ドラッグはそれが指定があるとかないとかに関わらず違法ですよと、違法ドラッグですよということを我々としてもPRしなければなりません。そういう啓発や県民運動の経費、こういうことも必要になってこようかと思います。

 昨日[28日]ですかね、専門家のかたも交えて薬物対策の会議もさせていただきました。その中でも医療系のそういうサポートも必要ではないかということもございます。これは、従来の薬剤対策で取組んでいるところでありますが、そうした既定の予算も含めてもう今回の条例改正に合わせた予算仕立てもしていきたいと考えているところであります。



3 エボラ出血熱、デング熱等の感染症対策 

●知事

 また、健康や社会的な脅威となるということでありますと、エボラ出血熱も広がってきております。WHO[世界保健機構]ではこれから半年で2万人とか、どんどん増えてくるだろうという予測も立てているわけでございます。今日[29日]も厚生病院、これは受け入れて治療をするということで我々が指定をしているところでありますが、そこの現場を関係者に見てもらうなどして、確認作業もしていただきますが、これまでさまざまな方面と話し合ってきた状況を含めて、早ければ来週にでもマニュアルとして整備をさせていただくことにいたしたいと思います。また、早速県のホームページでも啓発活動、注意喚起をさせていただきます。具体的には発熱があったような場合、渡航をしているとかそういう一定の場合には保健所のほうにまず相談してくださいと、それで状況を見て受入態勢の整った医療機関のほうに入っていただく、そういうことを念頭に置いて対策を考えました。これを、PRを早速ホームページ上でもやっていこうと考えております。このマニュアルでは、例えば潜伏期間がございますので、例え症状がなくても21日間は検温するなど監視してもらうと、こんなようなことだとか、具体的にいろんな手順をマニュアルの中にも定めていきたいと考えております。今、最終的な調整をしておりまして、早ければ来週にでもオープンさせていただき、ホームページ等で公開をしていきたいと思いますし、関係機関にも徹底をしてまいりたいと思います。

 デング熱も同様に急に問題になってきました。[東京・]代々木公園で駆除活動が行われるわけでありますが、このヒトスジシマカというのは広く本州にはいるわけでありまして、そういう意味では心配がないというわけではないかもしれません。ただ、ちょっとあまり過度に大騒ぎする必要はなくて、今でもデング熱にかかられて国外から流行地域がありますので帰って来られるかたは日本の中に結構いるんです。ですから、治療もできていますし、過度に大騒ぎをする必要はございませんけれども、ただ、注意喚起を、これをホームページ等で早速行うことにしました。このデング熱関係では蚊の特性でありますのでそんなに遠くまで鳥のように飛んでいくわけではございません。また、空気感染はございませんから、蚊を媒介してその遠くまで飛ばない蚊が伝える範囲内でしか伝染しないわけですね。しかもその蚊も一生は短いわけでありまして冬には死滅しているわけでありますから、ですからどんどんとこう加速度的に広がっていくというようなものではなく、流行地域の中で蚊を媒介にして広がっていくという類のものであります。ですから、そうした正確な知識も含めてPRをしていく必要があるかなと考えておりまして、早速県としても対応をさせていただいたところでございます。




4 東日本大震災被災地支援 

●知事

 広域管理の関係ではやっぱり今災害の問題がございます。今日[29日]は東日本大震災の被災地域から復興に向けての支援をというお話がございました。鳥取県としては宮城県庁のほうに重点的に出させていただいておりますが、早速、先方と相談をさせていただいて、どういう人材がこれから必要になってくるのか、それに応じた派遣を行いたいと思います。また、市町村にも呼びかけをさせていただき、市町村レベルでの今日[29日]は岩手県や福島県もお見えでしたので、そうした被災地域に対する支援について市町村の検討も促してまいりたいと考えております。




5 広島県土砂災害の発生を受けて 

●知事

 広島の大きな災害がありまして72人のかたの死亡が確認され、4名が行方不明という状況でございます。これにつきましては、我々としても災害の実情を踏まえて同じ中国地域でよく似た土質でございますし、注意をしなければなりません。その意味で今度の予算の中でも、9月補正で追加的に計上させていただきたいと思っております。3,800万[円]ないし4,000万[円]近いという感じの規模観になろうかと思いますが、具体的にはこれは調査をするということを前に申し上げましたし、さらに当県の場合は、98.4%までイエローゾーン、災害の危険地域の指定が進んできております。あと、実は人家がないところが結構残っていまして、ここは判定の必要がないところでございます。そうすると正味で言うとあと13地区が調査対象区域と実質的にはなっているわけでありまして、これを一気に仕上げてしまおうと、それに見合う予算もこの度計上をさせていただきました。

 また、昨日[28日]も市町村の皆さんに集まっていただいたりしまして、避難の情報の出し方等々ですね、お互いに確認をいたしました。鳥取県としてはこれまでも琴浦町の災害などに鑑みまして一足先にそれぞれ対策を打ってもらっているところでありますが、いろいろと悩みも見えてきたと思います。例えば、夜間、ああいう災害が起こった場合どうするかということでありまして、これについてはこの度県のほうで整備した災害情報の公共コモンズ、これを活用する。これには放送系も、NHKさんとか一部民放さんも入っていまして、一つ大きな武器になるのかなというふうに思っておりますが、これをどういうふうに活用していくのか早急に関係先と話し合う必要があるかもしれません。エリアメールも最近のものですと切ってあってもちゃんといろんな受信等の機能があったり、非常に便利なものになってきております。また、町村地域を中心に防災ラジオだとか、そうした端末がございまして結構活用されている向きがありますが、都市部がまだもう一つ進んでいない。交付税措置のある事業もありますのでそういうものを使って夜間でもいろんな連絡が取れるようなそういう体制を取る必要がある、こんなような課題が昨日も浮き彫りになってきました。各種事業をいろいろと使いながら市町村のほうでもお取組みをいただきたいと思っております。もちろん県としても対応すべき点があれば、これ早速に今後検討をさせていただきたいと考えているところです。




6 日本海における大規模地震に関する調査検討会報告を受けて 

●知事

 津波に対しましては、この度日本海での津波の状況のシミュレーションが出ました。これ鳥取県としては太平洋側ばっかりではなくて日本海側もそういうシミュレーションを国として行うべきだと、兼ねて要望活動を続けてきたものが実りまして今回出たわけでありますが、いずれも今の、県の想定の範囲内に止まっているようではあります。ただ若干その前提が違うところがありまして、私ども、例えば7.1mとかいうデータが出てきておりますのは、海岸に上陸した後のせり上がり、これをカウントしているわけですね。この度の国のほうのものは、その辺のカウントが入っていないとか、だいぶん前提のちょっと違うところもあります。それで、いずれ専門家の皆さんにも、この辺を審議してもらう必要があるなと思います。ですから、いずれ専門家会議を招集したと思いますが、その前提として私どもほうでそのシミュレーション、今回国のシミュレーションの結果を分析をする作業に入りたいと思います。これは我々も要望してきたところでありますので、実はそういう国のシミュレーションを受けて検証をするそういう予算取りもしてありますので、既定予算を使って、その検証作業に入らせていただきたいと思います。いずれ専門家の皆さまにも集まっていただいて、今回の国の結果を踏まえた対策の修正を必要があれば行っていくということにいたしたいと考えております。




7 霜被害・低温被害対策 

●知事

 また、農業被害が霜で広がりました。先般も柿の圃場にまいりましたけれども、春に見たとき心配していたような状況でありまして、全滅に近い圃場を拝見をさせていただきました。実が実っているように見られても2番生りという状態で、商品価値が出ない、そういうようなものでございました。柿農家の皆さんとも話し合いましたけれども、最終的にはもう1回、もう1年、2年頑張ってみると、こういうことになりました。いいことだと思います。ですから、我々としても対策経費を9月[補正予算]のほうで計上してまいりたいと思います。これは防霜ファンと言われるものだとか、スプリンクラーだとかの対策等々がございまして、そういうものをやるということが1つでありますが、併せて、今その農業被害のときの共済があります。この共済に加入していなくて、こういう場合に補填が受けられない農家さんも少なからずいらっしゃいます。それで、新規に加入される場合にそれを3分の1県で支援するという制度をこの度9月補正[予算]で作らせていただいてはどうかと思っております。そんなようなことで、自助で、自助共助の精神で助け合っていただくというのを入れる必要があろうかと思います。

 また、先般、柿農家さんとお話し合いをさせていただいた際に、農業関係者のほうから要請もありましたが、融資枠を作ってもらえないだろうかということであります。どうしてもお金がない中で追加対策をやらなければいけないとか、少なくとも収穫がなくて収入がないという状態になるような場合のつなぎであるとかですね、そういう意味で果樹等の経営安定資金がございますが、これを無利子で提供する、その融資枠を1億円増額をしようと思います。この増額の意味は、そうした霜の被害対策ということもございますが、併せてまだちょっと見えませんが、この度西日本は記録的な低温、それから日照不足という夏になっておりまして、今、梨などはあんまり大きな影響はなさそうだなと見ておりますが、今後どういうふうに被害が広がってくるか分かりません。ですから9月議会に予めそういう無利子融資の枠を用意をしておいて、そういう仮に日照不足等で今後発生する被害があったときも対応できるようにさせていただいてはどうかなと考えているところでございます。




8 地方創生をにらんだ地域の連携 

●知事

 いよいよ地方創生対策がスタートしようとしております。こういうようなことに向けまして、我々としても体制を整えていく必要があります。この度、関西広域連合が開かれまして、そこでも議論をし、要請活動等の話も当然あるわけでありました。さらに来週は徳島で中四国サミットが開催をされます。ここでもこういう、ようやく国の目線が地方のほうに向いてきました。関係地域で共同して声を挙げていく必要があろうかと思います。中四国サミットでは、併せて広島でああいう災害もありましたので、私のほうからは、特に気象災害の予想、予測システム、これを充実してもらいたいということを意見として今提出をさせていただいております。実は気象庁等もより一層の精度の高い予測システムを順次導入し始めているわけでありますが、なぜか今、瀬戸内[海]側に限って導入になっていまして、山陰も日本ではないかと思いますから同じように災害も起こる可能性もありますので、そうした中四国全体で、安心安全のための情報が得られるような、そういう予測システムを導入すべきであると、さらに今回もなかなか予測が難しいというふうに言われていますが、国としてもこういうバックビルディング[連続して積乱雲が形成され、数時間にわたって局地的に激しい降雨が持続する現象]といったような次々に雨雲がやってくる状況などを予測するシステム開発だとか、そうしたことも急いでいただきたいと思います。例えば、夜に入る前に予め分かっていれば避難もしやすいわけであります。そんなようなことで改善を望む等もこの中四国サミットの場でさせていただきたいと考えております。




9 国土交通省の概算要求の状況 

●知事

 そういう中で今それを受けて、国の概算要求も進んできました。国土交通省のほうでは我々のほうで申し上げておりましたミッシングリンク[高規格道路の未整備区間]関係、これについて試算してみますと8,800億[円]ぐらいあるのかな、去年の1.25倍増ぐらい、4分の1増ぐらいの規模で配慮していただけているのかなというふうに見えます。また、ただ、そのうちの4,000億[円]は、いわゆる重点枠と言いますか、分捕り合戦の対象枠、日本の創世のための枠になっていまして、今後の予算編成段階でやはり[高速道路の]ミッシングリンクを解消[し日本の再生を実現する11県]知事会[議]等で運動しなきゃいけないのかなと思えるところもございます。港湾につきましては、中野が事業進捗が見えていますが、その他の竹内等がちょっと見えにくい状況であります。ただ、他方でクルーズ100万人といったことが踊っておりまして、100万人クルーズ達成しようと思えば、境港のところも当然なんらか考えなきゃいけないんではないかなと思えたり、これも今後、冬に向けて運動すべきところなのかなというふうに見ております。




10 自由民主党「ふるさとに人口と活力を取り戻すプロジェクトチーム」 の提言をうけて 

●知事

 また、交付税がどうなるか、この辺も焦点でありますが、いずれにいたしましても、まち、人、仕事、それぞれに活力が地方に生まれるように国のほうとしての対策を望みたいと思います。こういう中、自由民主党の方では、与党のほうで、そういう地方に活力を取り戻すそういうプロジェクトチームが意見のとりまとめをされていまして、そういう中で兼ねて私共のほうから主張しておりました地方についてはその法人の税において融合を利かすとか、また国の機関の分散を図るとか、大学等の高等教育間の分散を図るとか、そうした項目も与党、自民党のほうの今回のプロジェクトチームの提言に含まれておりまして、私どもとしても非常に心強い援軍を得たなという気がいたします。これからそうした地方創生に向かっていくわけでありまして、私どもとしてもここは勝負どころと、提言をしたり、我々自身も動いてまいりたい、つまり政策のフル動員を図ってまいりたいと思います。




11 全国学力・学習状況調査結果の発表 

●知事

 人づくりとしては教育がございます。この教育について先般学力テストが発表されました。鳥取県は77.0ポイントと国語Aで全国2位に入る、今までにない快挙がございました。ただその片方で、それ以外のところについては前年を、どちらかというと順位的には下回る、そんなような状況があります。よくよく分析もしてみなければならないわけでございまして、今、教育委員会にそうした作業をするように申し上げておりますが、併せてこれに応じた対策を教育委員会としても取りまとめていくべきではないかと投げかけをしております。例えば学校現場のほうで、例えば何々群とかまとまってそうした対策を思いきってやろうとか、そういうところにテコ入れをするとか、我々のほうでドリルを作っていますが、そうしたもののテコ入れをするとか、いろいろと対策を考えられるんではないかなと思います。土曜日授業という取組みも始まっておりますので、従来よりはある程度自由度も高くできるのではないかなと思っております。そんな意味で教育現場のほうにも行動を起こしてもらえれば、学力テストをしっかり調査でやっている意味が本当に出てくることになるんではないかなと思います。子どもたちの未来のためにそうした情報を活用していく必要があります。




12 平成26年7月の有効求人倍率と企業立地 

●知事

 また仕事という意味では、この7月段階でも有効求人倍率1.0倍というふうに、かつてない状況は生まれてはおりますが、まだ東部、中部を中心としまして1倍に届かない地域もあるわけでございます。精力的に企業活動を促して誘致活動や拡張に向けまして我々としても働きかけをしているところでありますが、この度、ダイヤモンド電機[株式会社]さんが事業拡張をしようというふうに方針を定められました。グローバル研修センターを作るでありますとか、それから研究開発のR&Dセンター、これを強化をするとかいうような動きに出られまして、我々としても懸案でありました、かつての鳥取電機[製造株式会社]さんのその土地を活用してされるという方向性だそうであります。これに限らず私どもとしても地元におきます雇用創造に大いにバックアップをしてまいりたいと思います。




13 ベンチャー企業誘致評価システム 

●知事

 またその片方でベンチャービジネスによる企業創造もあるわけでありますが、もちろんこれは応援をしていくわけでありますけども、誘致に当たりましてはフィルターをかけるべきだというご意見がございました。そこで、庁内にそういうベンチャー企業の誘致のときには特別に審査をする、そういう調査チームを副知事ヘッドで作らせていただき、民間の信用機関の情報を取る。それからこういうことについてのアドバイザー、目利き役のかたをその企業の業態に応じまして選定をして、誘致の決定に至る前の段階でそういう意見も得た上で、それで誘致を決めるというふうに従来よりも慎重な手続きにさせていただきたいというふうに考えております。そのための予算を9月補正[予算]として計上を考えております。200万[円]程度のものでありますけども、そうしたものを考えているところでございます。

 このようなさまざまなことを通じまして、まちそれから人、仕事、そういうものを作っていく動きを鳥取県独自にもいろいろと編み出して考えていくことになろうかなと思っております。市町村や住民の皆さまとパートナーシップを組みまして、この秋以降本格化をする、そういう動きに鳥取県としても行動を起こしてまいりたいと思います。




14 あいサポート・アートとっとりフェスタのトピックス 

●知事

 今、全県的に展開をされておりますあいサポート・アートとっとりフェスタにつきましては、この度、日南町のほうで星野富弘さんの展覧会が始まることになりました。また、[鳥取聾学校]ひまわり分校の展示もこの週末から始まります。いろいろと多くの皆さまにもそうしたかたちでご覧をいただきたいと思いますし、中身によっては県外からのお客様も見込めるのではないかなと思っております。これ24時間テレビがあって、名古屋の栄のほうでなされるイベントに初めて鳥取県としても参加をさせていただき、この障がい者の文化・芸術の祭典であります、あいサポート・アートとっとりフェスタのPRも、その番組の主旨にも合うんではないかということもありまして、当地のほうで、名古屋のほうで宣伝活動もさせていただくことにいたしております。




15 今後の主な日程 

●知事

 それで、またナシの季節を迎えておりまして、いよいよ夏から秋へ切り替わりますが、数々キャンペーンも打っていきたいと思います。私自身もこの後、大阪のほうにまいりまして阪急百貨店の梅田店においてPR活動をさせていただいたり、また、放送機関の方から、番組で宣伝をさせていただいたり、そうしたことを検討、考えております。それで、また明日は関西の集いが開催をされます。そうしたところで県人会の関係者や鳥取のファンの皆さまにこの秋の豊かさを感じていただき、大いに活動していただきたいと考えております。また、海外からの誘客という意味では、東南アジアのお客様、この中にはムスリムのかた、イスラム教徒もいらっしゃるわけでありますが、そうしたお客様の受入態勢について、これも初めて研修会をしようと、これは例えば旅館、ホテルなんかもハラール[イスラム教の戒律を満たしていること]の認定を受けるっていう必要があるんですね。この辺まだ、私どもの地元ではあんまり周知をされていない点でありまして、そういう知識などを、そのJNTO[日本国際観光振興会]さんだとか、その道の人たちの話を聞いて、受け入れの注意点なんかもみんなで勉強していこうということにいたしております。いずれにいたしましても、これから秋が始まるわけでありますが、多くの皆さまに鳥取を訪れていただいたり、鳥取の食材を楽しんでいただく、そういう食欲の秋、行楽の秋に備えてまいりたいと思います。私の方からは以上です。


○朝日新聞 村井七緒子 記者

 質問ある社はお願いします。




16 自由民主党の役員人事について 

○山陰中央新報 桝井映志 記者

 すみません。じゃあ、ちょっと全然違う話で恐縮ですが、自民党の石破幹事長の人事について、まだ決まったわけではないですけども、何かどうも方向というのが見えてきておるようですので、差し支えない範囲でご感想を伺えますか。


●知事

 これは、でも社によって報道のニュアンスがいろいろと違いがあって、多分ニュースソース[情報の出所]がそれぞれだからですかね、ちょっとそういう意味で、多分ちょっと方向性はまだっていうのが正直なところじゃないかと思います。ただ、これから[安倍晋三 内閣]総理[大臣]総裁と石破[茂 衆議院議員]代議士が直接お話をされて、このテーマについて結論を出していかれるというのは最大公約数と言いますか、報道の共通点ではないかなと思います。真摯にお話し合いをいただければいいと思いますし、私はその石破[茂]さんのご性格からして、単に何かポストを求めているとかいうようなタイプのかたでは私はないと思います。むしろこれから天下国家の行く末を睨んで、石破代議士も日本になくてはならない、しかも求心力のある存在の政治家でいらっしゃいますので、石破代議士と安倍総理の間で真摯な話し合いがなされて、例えば地方創生とか、これから地方として望んでいる大きなテーマがあるとか、もちろん拉致被害者対策、さらには外交も難しさを深めている、こんなようなことであるとか、そうした時局にあたって今後どういう布陣で政府与党を形成していくのか、実りあるお話し合いがあれば、これは国民の役に立つのではないかなと思います。単なるポスト争いでされるわけでは、私は多分石破さんのご性格からしてないと思っております。そういう大きなお立場で両巨頭のお話し合いがなされるのではないかなと期待をいたしております。いずれにいたしましても、今後、どういうかたちであれ地元の国会議員が活躍をするというのは、地元にとっても喜びもありますし、メリットもありますので、今後の展開に期待をしてまいりたいと思います。


○山陰中央新報 桝井映志 記者

 再々ですみませんけども、安全保障の大臣は断ることにして他の大臣になられるようなことらしいんで、そのことと、それと幹事長を外れられることについてお感じになることはありますか。


●知事

 そこはちょっと何とも私の方でね、今情報があるわけではありませんし、いろんな報道が出ていましたのでね、共同さんの報道だけではなくて、いろいろちょっと報道機関によってはいろんなニュアンスがありますので、まだちょっと未知数かなと思っております。はっきりしましたら、そのときにまた石破[茂 衆議院議員]代議士に望むことなどを私としても申し上げてまいりたいと思います。また、いろいろと会う機会も度々ありますので、状況は本人からも聞いてみたいと思います。




17 日本海における大規模地震による津波被害想定について 

○日本経済新聞 舩越純一 記者

 すみません、この間出ました政府の日本海の津波予想ですね、ついてお聞かせください。せり上がりを予測するか、しないかというのもあるんですが、県が11年に出したもの、2011年に出したものと、今回あまりにもこう2分の1、3分の1以上の開きがありまして、今、県が作っているハザードマップというのは厳しめに出したもので、出しているという状況でして、そこから今回の政府の予想を使ったものにしたときに、専門家の想定になるんですが、検証になるんですが、恐らく少しハザードマップが緩くなるんじゃないかというふうな見立てがあるようなんですね。それに関して知事の感触というか、まずその数字に開きがあったっていう部分の感想と今後どうしていきたいか、あるいは、の部分をお聞かせください。


●知事

 はい。これ、その意味で、まずやっぱりちょっと分析してみなきゃいけないと思います。実はこういうことも、往々にして予測されるもんですから、我々はわざとそのための予算取りもしてありまして、国の分析を踏まえてそれがどういう意味を持つのか、我々としても租借するそういう、要は委託調査のようなことも想定しておりました。それで、これからそのステージに入りたいと思います。実は国交省には、我々の予測データももちろん出していますし、それから我々の知見としての例えば鳥取県沖の東側、西側のそれぞれの断層というものであるとか、そういうデータも出していまして、同じようなものを使っているはずだと思うんですね。多分一番大きな津波が日本海側で起きるのは、プレートがぶつかり合う日本海側の北の方でありまして、今回の予測地で東北や北海道方面とこちら側で大分波の高さが違うのはそこら辺だと思います。ただ、それでも津波はこうやってきますし、それで我々のところにも地形によっては被害が出るだろうということで予測をしたわけですね。それで、私は専門家の皆さまとまた分析のあと測ることになりますけども、恐らくその県のシミュレーション自体を完全に否定するものでは多分ないだろうと思います。ですから、今のハザードマップ[洪水や津波など災害発生時に住民が安全に避難できるよう被害の予想区域や程程度、避難場所などを示した地図]を緩めるとか、そういう方向性に働くものではなくて、むしろその精度を高める方向性に働くとしたら働くんではないかなと思います。津波の被害のことを考えますとせり上がりを入れなければ意味がないわけですね、東北の被災地の方を見ていただいてもそうでありますが、川などに沿ってどんどんとこうその上流部の方に上がっていきます。それで標高が比較的高い地域でも同じように家が流される被害が発生するわけでありまして、その辺は捨象すべきものでもないと思うんですね。この辺をちょっとどのような今、予測値になっているのか、そのせり上がりのカウントの仕方だとか、それから、例えば想定した断層だとか、そういうものをまたうちの方の専門家にも見てもらう必要があるだろうと思います。

 それでまた、今回国[土]交’[通]省の方が出しましたけれども、併せて、東京大学に委託調査をやっているんですね、それで、国全体の委託調査の結果も恐らく近々出るんじゃないかと思います。その辺もやはり新しい知見として我々としても分析対象にしていく必要があります。このように総合していきますと、県の試算、予測それから国交省再度、さらに東京大学、こうしたものがそれぞれ出てきまして、これは別に学説が違うんで喧嘩をし合うということではなくて、それぞれに同じ事情を見てアプローチをした結果、いろんな数字が出てきたということでありましょうから、じゃ、トータルで、どれ程備えるのが打倒なのか、そういうふうに言わばどちらかといえば包み込むようなかたちでね、対策を取るんではないかなと思います。ですから、今回その下がった、例えば7m超えていたところが3mになったとかいうことが出ていますけども、だからと言って対策を緩めるというのが正しいかというと、私はそうではないんではないかと思っております。


○日本経済新聞 舩越純一 記者

 分かりました。ありがとうございました。




18 県内企業の新増設について 

○山陰中央新報 桝井映志 記者

 また話しを変えてすいませんけど、ダイヤモンド電機はある程度の新規雇用を伴うような話と伺っておられますでしょうか。


●知事

 ええ。当初のものは5人かな、その後がまだありますので、だんだん大きくなってくるんだろうと思いますが、まだこれ、ちょっと今進行中の話でありまして、例えばそういうようなかたちで、ダイヤモンド電機[株式会社]さんのように、今いろんな企業にも我々もアプローチをしているという範囲内です。もし必要があれば、それうちの担当部局が承知している範囲内のことをまた後程お知らせをします。




19 薬物の濫用の防止に関する条例による規制強化について 

○日本海新聞 北尾雄一 記者

 薬物乱用防止条例の改正案のことでお聞きしたいんですが、規制強化の方向性としては多くの人がそうだろうということで認めるところなんですが、物質を特定しない中で、法化規制するという手法について、どこかでふちを作らないとその罪刑法定主義に反するとか、それから恐れがあるんじゃないかとか、それから恣意的な運用はないとは思いますけども、仮にされた場合にその自由を侵すようなことになってはいけないんじゃないかっていう声も一部にあるんですが、そういった声に対する反論みたいなもの、説明ができませんでしょうか。


●知事

 これは、立法論的には憲法に書いてあることは、あらかじめ罪を書いておくと、そうでないと罰しない、これが罪刑法定主義でありまして、これは気に入らないから処罰しますよという絶対王政的なそういう時代に戻らないという意味でのものであります。その罪刑法定主義は、そういう意味で例えば人を殺すなかれと書いてその人を殺した人は罰せられますよと、人を殺してなければ罰せられませんよ、安心していいですよということであります。ただ、その人を殺すという内容はどういうものなのか、不作為の殺人っていうのはよく言われて話題になりますけども、そういうようなことで実は解釈に幅があるわけですよね、だけど、常識的に見て、世間がこれは人を殺したというふうに判断できるものを裁判所が最終的には刑に処断するというものであります。これが司法のシステムであります。ですから、それに足りるその条文によってきちんと書いてあれば、それは罪刑法定主義に反して違憲であると憲法違反であることにはなりません。

 ですから、我々で今想定しておりますものは、興奮だとかそういう幻覚だとかそうした作用をもたらすもの、それでそれであって覚醒剤等々と同等の効果を持つようなもの、それが人の健康を害する、こういう危険性があるもの、こんなことできちんと書くわけですね、それで、それを社会常識的に判断をして、これに該当するというものであれば、それは処罰対象ですねということになります。それで、むしろ、その一般人の常識からして、危険ドラックとしておどろおどろしいパッケージで世間で売られているものがあります。それでこういうものは危ないなと、規制対象にすべきじゃないかなというふうに思っているんですね。それはこの間の県民参画アンケートの中でも圧倒的に98%だとか、そういうことで出てきたその所以であります。ただ、そこを処罰対象にしないのが、今ちょっと後手に回っているんじゃないかというのがどちらかというと国民一般の意識だと思うんです。

 それでその常識的な国民の意識は何を見ているかというと、分析データがクロマトグラフィー[吸着剤を用いて試料混合物の分離・検出・定量などを行う手法]等で、そこが分析やこういうようなスパイラルになりましたよと、それに該当したかどうかのごくごく微小なところで、それで差がついて残念、これは罰せられなかったとかいうことなのかというと、そうではないと思うんですね。あれでやって車に載ったら危ないんじゃないかと、そんなものはどっかの告示なんかに出ているそういう分析物質を多少違っていても僅かな違いで罰しないということよりも、そこも含めて処罰対象にするという社会常識はあると思うんです。そこの乖離が現在の実務にあって、問題が出ているんではないかということでございます。そこで、私どもとしては包括的に処罰対象とするという一歩を鳥取県から踏み出して行ってはどうだろうかということです。

 ただ、これについては、それと並行して従来型のやり方、分析の方も強化をさせていただこうと思います。先程申しました予算の中にも、その分析機器の増強とかを入れることにいたしておりますし、その分析能力を高めるための資金的な手当てもさせていただくつもりでございますが、そういったことも併せてやる。専門家の意見も入れてその分析結果はまだ出ていなくても、これは危なそうだからということで指定をかける、知事指定に増やしていくということもやっていこうと。こういう2つのアプローチをして実効性も高めていきたいというふうに考えております。憲法違反かどうかのところは、社会常識に照らしてみて、裁判官の良心に照らしてみて、それが不明瞭な規定になっているかどうかということでありますが、私はそのぐらい書いてあれば、今現実に刑法の中にも入っている、人を殺したらいかんとかいうのと同じようなことで、近い例で言えば、先般も申し上げましたが、上水道に毒物、その他、健康を害するものを入れてはならないと、これと同じように、それ以上のこと、刑法に書いてありませんので、それでも法律が違憲となったことはただの一度もありませんのでね、そういう意味では同様のことではないかなというふうに思います。もちろんいろんな議論があるでしょうし、これから県議会も始まりますので、県議会で私は、正々堂々議論をさせていただきたいと思います。




20 OH!モテ梨(もてなし)プロジェクトの採択について 

●知事

 ちょっとこの場をお借りして恐縮ですが、今、2020年のオリンピック、パラリンピックに向けまして、OH!モテ梨(おもてなし)プロジェクトっていうプロジェクトのエントリーを我々の方でさせていただいておりましたが、これについて観光庁の方で採択になったという、今ペーパーがわざわざ珍しく入ってきて、読めということだと思いますが、ちょっと読ませていただきました。これは海外のお客さまが鳥取県に入って来て、満足いただけるようにワイファイ環境を整えるとか、それからいろんな観光プランを作るとか、クレジットカードの普及を促進するだとか、そういう環境づくりをやるということで、鳥取のプランを出しておりましたところ、これが採択をされたということでありますので、ご承知おきいただければと思います。




21 薬物の濫用の防止に関する条例による規制強化について(続き) 

○日本海新聞 北尾雄一 記者

 すいません。OH!モテ梨(おもてなし)プロジェクトは、また後で担当課にゆっくりお聞きさせていただきますけども、ちょっとその先程の薬物の話に戻ります。仮にそうすると違憲立法のその裁判を起こされた場合でも、耐えれる条文を当然やはり提案されるということでしょうか。


●知事

 はい。その程度の条文になるように立案過程で工夫もしてきております。例えば覚せい剤等と同等のものだというような言葉をわざと差し込みわけですね、単に白地で幻覚作用を起こすとかいうことを書くだけではなくて、従来から規制対象となっているものと同等の作用をもたらすというものを入れることで社会常識的、裁判官の良心の範囲のこととしてはこれだけ書いてあれば、この物質が仮に出てきたとして、これがリストにはちょっと科学記号が違っていて載らないけれども、同等のものだなあというふうに判断できると思います。そういう意味でそれについては行為規範として成り立ち得るものだと思います。また、正直申し上げて社会の実状からいって、そういう作用をもたらすものだと思って作っている人たちがいるわけですよね。それで、そう意図的にやっている人たちが片方にいて、それでそれを野放しにすることの方が社会的損失が大きいと思います。


○日本海新聞 北尾雄一 記者

 その化学式を同定しない、これまでとは違うやり方ですので、やはりただ運用上は慎重を期すべきところもあると思うんですが、それを今回の予算も含めてそこを万全にするというそういう解釈でよろしいでしょうか。


●知事

 そうですね、おっしゃるとおりですね。ですから、そういう意味でアドバイザーをお願いをしてそうしたことについて知見のある方に判断してもらって、知事指定薬物の選定に関わっていただくとか、機動的にスピーディに動かなければなりませんが、そのぎりぎりのところまでそうしたいろんな科学的知見も入れてまいりたいというふうに考えております。典型的なケースとしては、例えば車が事故を起こしました。それでその中から薬物が出てきました。それでその薬物が出てきてそれが市販されているけれども、そのことは、その物質は化学式と完全には一致しないがほとんど同じものだというような場合で実際にそういう作用が出たものもあると。それでこの人に対してもうこれ以上使うなと、あるいはこれどこから入手したのか、ちゃんと教えなさいとか、我々としても調査に入る。そういうことができなければ実効性のある対策にならないと思います。ですから、完全に、何て言いますか、同定ができたもの以外のところにやっぱり踏み込んでいかないと、この対策はできない面があります。今、国も薬事法を使って一斉に入って、それで売られているものを言わば押収と言いますか、提供させて検査をするということが始めていますが、今の法律から言いますと、それはそれで一時的には効果はあるかもしれませんが、最終的にはそれが、とった段階っで押さえた段階でリストに載っていなければ無罪ですから、その後はいいですよということになってしまう。だから現在のものではやっぱりそこは限界があるということだと思うんです。

 それで昨日[28日]も各知事さんや市長さんとも話をしましたが、鳥取のほうでこういうアイデアを持って今やっていますよと、そうしたらぜひ案文が固まったら教えてくれとか、そういうかたがたが複数いらっしゃいました。それぐらいやっぱり今、こうした少し従来の枠を破ってあるべき規制をしていく、それに立ち向かっていく、そんな自治体が必要なんだと思います。我々も今、県民の意識調査もし、専門家のご意見もこのたび聞かせていただいたりしまして、方向性として妥当ではないかと判断をしておりますので、議会での議論に服してまいりたいと思っております。




22 知事の任期について 

○山陰中央新報 桝井映志 記者

 すいません、話を変えてすいません。2期目の任期があと半年ちょっとということになりましたけども、その先のことについて現時点のお考えを改めて伺います。


●知事

 私は、まだそこについて判断をいたしておりません。いずれにいたしましても、これから残された任期、あいサポート・アートとっとりフェスタが展開をされますし、また、手話言語条例の1周年を節目に行われます手話パフォーマンス甲子園など大切な行事もございます。まずは現任期、全うしていくことに全力を尽くしてまいりたいと思っております。




23 スカイマーク株式会社との面談と空港整備等について 

○日本海新聞 井上昌之 記者

 すいません、話は変わりますけども、来週の9月5日に、スカイマークの西久保社長と面談される予定が入っておりますけども、何か冬ダイヤについての質問を受けたりとか、どういうお話し合いになるんでしょうか。


●知事

 これは、前回神戸でお話し合い申し上げたとき、我々のほうから強くアピールをさせていただいた冬ダイヤの次の話ですね。夏ダイヤ、来年度、冬ダイヤはもう決まってしまったことですからちょっとしょうがないんですけども、夏ダイヤ以降の改善について強く申し上げております。今、軽便となっている米子鬼太郎―羽田便、これがこの冬ダイヤは乗り継ぎ便になりますけども、それについていろいろスカイマーク側でご配慮いただいて料金面などしていただくことは感謝申し上げましたし、何とか実績も作っていけるように我々も頑張るというようなお話も申しあげましたが、そういうのを直行便に戻せる可能性はないのか、ぜひ、していただきたい、そんなような強い申し入れもしたところでございますが、そのとき回答を留保されておられます。真剣に検討するということで、今、分かれた格好になっておりまして、これは行ってみないと分かりませんが、そういうことについての何らかお答えがあるかなあとは思いますが、我々としてもスカイマーク側がいい判断ができる環境を作っていかなければならないと思います。

 この度の予算の中でも、これスカイマークに限らず先般も全日空]のほうへまいりましたが、全日空さんも2年限りでの羽田便増便をしているという認識でありまして、利用首都圏を中心に増やしていく、これがキーかなと思います。また、乗継便についても神戸市と一緒になって首都圏などの乗入先にキャンペーンに行くということもやっていく必要があるかなあと思っております。そのような観点で5,000万近く予算もこの度増額をしてはどうかなあと思っております。私の方からはそういう努力を県側もやっていることは申し上げながら決意、いい結論が出るように促してまいりたいと思っております。


○山陰中央新報 桝井映志 記者

 わざわざ社長が来られるということですので、何らかのかたちのある答えを持って来られるんだろうと思うんですけども、例えばなんか条件がつく、条件つきでの回答ということもあり得るのかなと想像しています。例えばこれぐらい利用されておったら考えますとか、そのあたりのことは。


●知事

 そこはちょっと分からないですね、情報はありません。ただ、分かっていることは前回神戸でお会いをして、私どもでも、これからいろいろキャンペーンを強化しますよということを申し上げながら、路線の再開とかいう可能性を強く打診をしたということだけでありまして、そこから先は向こう側で今考えられているんだろうと思います。あのとき神戸でお会いしたときはいろんな報道があって、経営云々どうのこうのでちょっと雑音が多かった時期でございましてね、西久保社長も冷静にお考えになれる状況でもなかったと思いますが、ちょっと検討、時間をかけて検討した上でこっちに来ると言っていましたので、おそらくなんらかその後の進展についてのお話だろうかなと思います。


○山陰中央新報 桝井映志 記者

 スカイマークの関係ですね。


●知事

 ええ。


○日本海新聞 井上昌之 記者

 すいません。今回冬ダイヤでは最低限ぎりぎりのところは残ったわけなんですけども、これまでに比べて路線は縮小というかたちにはなっています。それで鳥取県も昨年度と本年度の予算で、米子空港の機能強化というのを、うちが調べてみたところ、2億3,000万円ぐらい投資をしておられるんですよ。駐車場の拡張ですとか、米子空港の中の改修ですとか、当然スカイマークさんだけじゃなくて、全日空の増便ですとか、香港EGLツアーズの連続チャーターも踏まえてのことだと思うんですが、


●知事

 そうそう。


○日本海新聞 井上昌之 記者

 ただ、この投資をした以上、ここで仮に撤退とか、こういうことになるんであれば、これはちょっと取り返しがつかないのかなという気もしているんですが、これまで県が投資した額との兼ね合いというか、ぜひ残っていただかないといけないわけなんですけども、その辺のお考えをもう一度お聞かせ願えませんでしょうか。


●知事

 私どもとしては、やはり空の自由化が山陰にもたらされたこと、それをやっぱりキープしていかなきゃいけないと思いますね。それが基本戦略だと思います。2億円以上というのは、おそらく今もまさにおっしゃいましたけども、EGLとか入ってきまして、完全に手狭になっていますので現状でも、それを例えば部屋割を少しいじるとか、そういうことなどが緊急に入ってきていますので、いくつか重なり合ったところだと思います。スカイマーク関連では、私どもではカウンターを用意するお手伝いをしたことと、それから駐車場の拡張が直接スカイマークのときだったかなと思いますが、ただ、いずれにせよ我々もそうやって空の自由化に向けて努力もしてきておりますので、その辺も正当にスカイマークさんにも評価をしていただきたいなという気持ちです。せっかくもたらされた今の新しい米子鬼太郎空港の空が一気に広がる航空自由化の動きを今後も続けていけるように西久保社長にも改めてご理解をいただきたいと思います。




24 危険ドラッグ対策ほか質問 

○時事通信 平野実季 記者

 すいません。ちょっと3つあるんですけど、1つは危険ドラッグで、先程その事件捜査的なことを警察のOBだったり、薬剤師も招いてやるということだったんですけども、これは具体的にどこまでというか、どんな調査をどんな目的にというところを教えていただきたいのと、あと、今、広島の土砂災害のことを受けて、国の方で防止法の改正の話がされていると思うんですけど、それについての意見だったり、盛り込んでいただきたいと思うことがあったら教えてほしいです。あと1つは、西部の方で地域連携の話し合いがあったと思うんですけども、それの話し合いでの感じた手応えがあったらというのと、その今、東部の方では地方自治で中核市移行に向けて、こう県と鳥取市が連携を組んでいって、あるゴールというか一応目標があると思うんですけど、西部の方では最終的には市町村のかたがたが決めると思うんですけど、知事としてどういった協力ができるかとか、そういうようなビジョンとかがあったらお願いします。




25 危険ドラッグ対策について 

●知事

 はい。まず危険ドラッグについてでありますけども、これは今の現行条例の中で我々としても調査に入ったり、警告を発したり、それから中止命令をかける、こういう権限があります。行政的な権限ではありますけれども、これをやるときには捜査の手法が必要です。実は、ついこの度のやつが初めてのケースでありまして、たちまち今、我々が何をやっているかというと、警察と連携しながらことを進めようとしています。どうしてもこの県庁的なやり方、メソッド[体系的な方法]では追いつかない部分があります。それで、それについて、やはり緊急手当てをする必要がある。それで今回私どもは包括的に処罰対象にするとか、それから知事指定薬物の範囲も化学式で同定されたものの外のところで、販売の形態などから疑われるものを入れていこうということにしております。そのときに薬剤師的な観点だけでなくて、どっちかというと事件捜査的なそういう経験が活かされなければいけないことに変わってくると思います。例えば、言わるビッグデータと言われるようなもの、ソーシャルデータがあります。それでそれにアプローチしていくことで、これはどうも実態危険ドラッグでないかというのが見えてくるわけですね。それで、そういうのも我々としてこれから9月補正[予算]以降、導入しながら対策に入れていきたいと思っております。こんなようなことをいろいろと従来よりもバージョンアップをしていく必要がありまして、その際の人材として、例えば警察OBのイメージですけども、そういう人材も入っていただこうと、予算組をしようと考えているところです。



26 土砂防止法で充実すべきと考える内容について 

●知事

 土砂災害防止法につきましては、先程申しましたように、私ども残りがだいぶ限られてくるぐらいにゾーニングは進んできておりますが、それでもいわゆるレッドゾーン[土砂災害特別警戒区域]と言われるイエローゾーン[土砂災害警戒区域]の中からさらにもう一段厳しめにするところは特に権利制限が強くなりますので、地元の調整が難しい面があります。イエローゾーンがかかっていれば避難だとかそうした対応は十分可能になるわけでありますが、まさにその上のこともあったりします。

 そういう意味で、1つのアイデアとしては、これちょっと全くのアイデアでありますけども、要は権利関係があるもんですから、例えば宅地開発業者だとかいろんなところと同意がなかなか得られないとか、いうようなことで行政の考え方と住民の皆さんの考え方が折り合わないようなときに、何か公正な手続きを経て、最終的には危ない場合にはそれに従った決定ができるというような、そういうもちろんデュープロセス、公正な第3者的手続きも必要だと思いますが、それをやりながら、そういうふうに局面を前に動かせる、反対の声があったら事実上、もうそれですぐに止まってしまうということだけでもないと思うんですね、公益の観点からしますと。だから、そこのところはもう少し踏み込んだ法的手続きが、そういう調整手続きと言いますか、調整やその決定手続きの、決定遠隔化のための手続き、そうしたものが法的にもあると我々の方はある意味適正な決定を行いやすくなると思います。その辺が今なくて、とにかく自治体の責任で指定をしてくれと。住民の皆さんの意見はちゃんと聞いてねくらいの話なもんですから、それだとなかなかまとまるものもまとまらなくて、我々はまだ進んでいた方ですけど、広島の場合は37%当分割っていたということでありましたので、その辺の改善が必要かなと思います。



27 西部地区市町村との連携について 

●知事

 それから、今のこのまち・ひと・しごと創りというような流れの中で、自治体の機能を高めていく、それから地域づくりのエンジンをかけていくことが必要でありまして、先般、西部地域の市町村長さんが皆集まっていただきまして、率直な意見交換をしました。これはぶっつけでやっていますんで、率直すぎてきれいにまとまったわけではないんですが、そこでのある程度こう最大公約数的なことはあったと思いますね。例えば、今これからマイナンバー制度が導入されるに従いまして、県も市町村も電算システムを一新していくわけです。それでそのときにクラウドの技術を利用しながら、共通化できるところは共通化をして効率化をしていくと。そういうことについては、複数の市町村でご理解があって、これは前にたぶん進むだろうと思います。

 また、広島のような災害対策を、これを復旧のための技術者など町村には人材がいなかったりしますので、これも県と市町村が相乗りでやっていく、そういう新しい仕組みを作っていく、これもご理解があったと思いますので前に進むと思いました。さらには福祉とか教育、こうしたところでも共同化できるもんがあるんじゃないかというようなアイデアも市町村長さんからも出されています。こんなようなことで、いくつか鳥取県独自に市町村の垣根を越えて共同するとか、県と市町村の垣根を越えて共同する。そういう連携共同が生まれる方向性が出たと思っております。これについてはぜひ県として積極的に推進をさせていただき、我々も役割を果たしていきたいと思います。また併せて、市町村圏域を越えて、共同での地域づくりをやる、そういう広い意味での連合体と言いますか、そういうものを考える。具体的には都市圏域を作るといったようなことですかね。それで、これについては哲学が何人かの首長さんの間でだいぶ違いがありまして、簡単にはまとまらないなというふうに思いました。

 これは市町村のそれぞれのまちづくりのビジョンがありますので、それを優先させながら進めなきゃいけないことで、やはり県でこうしなさいと決めるべきものでもないと思っています。従いまして、その場でお約束をいたしましたのは、県の事務局が汗をかかせてもらって、各市町村を回って、そうした広域的な枠組づくりについてのそれぞれの考え方を取りまとめをさせていただく、それで今後の議論の用に供させてもらおうじゃないかと、こんなようなことにさせていただいております。いずれにしましても、まちづくり地方創生ということが、これから大きくクローズアップされてくると思います。そのためには従来の枠組みから脱して新しいフレームを作っていく、そのお手伝いを県としてもやっていきたいと思います。


○朝日新聞 村井七緒子 記者

 他にありますでしょうか。ありがとうございました。


●知事

 どうもありがとうございました。



  

 ※広報課編集
  [ ]については、広報課で補足説明しています。


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