○共同通信 江森林太郎 記者
それでは、お願いします。
●知事
はい。皆さまおはようございます。9月県議会も終わりまして、これから本格的に我々が9月の県議会で議論したことを受けて行動すべきときにやってまいりました。9月県議会の1つの焦点は、危険ドラッグの防止のための条例改正でございました。これは、おかげさまで最終的には全会一致の可決というご理解を得たかたちで終了することができました。また、県民の皆さまにもこの議論に対する深いご理解をいただいたことが県議会での可決の後押しになったと感謝を申し上げております。これについては早速ですね、庁内での連絡体制を整備をしまして緊急の会議を招集をし、今後の対策を話し合ったところでありますし、山下[陽三 渡辺病院精神科医]先生や兼子[幸一 鳥取大学医学部教授]先生といった専門家の任命も進めてまいりました。こういうような中から、いろいろと啓発のグッズを作るとか、それから取締りの体制の整備を図るとか、11月17日の施行に向かいましていろいろと手配をしていかなければならないと考えております。
10月16日には東京の方に出向きまして、厚生労働省の橋本[岳]政務官、また内閣府の越智[隆雄]政務官にも要請活動をさせていただきました。総じてそのときの感触としては、鳥取県のやっていることには非常に厚生労働省も関心を寄せていて、私どもの条例の内容もつぶさに検討されている感じがいたしました。その翌日[17日]には、国会におきまして、今、野党の方から提案されています危険ドラッグについて取り締まるための法改正が上程をされておりますが、その参考人質疑がなされました。その後、徳島県の飯泉[嘉門]知事から結果について私の方に連絡がありましたが、まさに国会でも鳥取県の議会で行われたような、例えば罪刑法定主義との関係だとか、そうした点につきまして鳥取県議会の議事の内容を紹介をしながら質問戦が行われたということであります。そうした意味で、我々が投じた一矢が波紋を呼んでいる、影響を与え始めているんではないかと思います。
兵庫県さらには京都府が我々の動きに続いておられますが、その兵庫県知事とは先週の17日にお会いをさせていただきました。そのときに両県で話し合いまして、非常に全国では際立った厳しい条例を敷いている危険ドラッグの取締り体制をとっている両県でありますので、こうしたエリアには言わば侵入をさせない、そういう強い決意で協調体制をとっていきましょうという話し合いをさせていただきました。例えば、これは怪しいぞという物質があります。そうした情報を兵庫県が得ましたら、我々も共有をする。そうしたかたちで薬物を我々としても指定をしていく、あるいは指定候補薬物としてそれを挙げていく、こんなようなことも可能になってこようかと思います。実務的な話し合いをしましょうと兵庫県知事も同意をされまして、来月にもそうした機会を取る予定であります。兵庫県は12月の方で施行されますので、お互いの施行の前にそうした体制づくりを急ごうではないかと、こんなことになったところであります。
今、報道もされ始めていますが、鳥取県はこういうような厳しい体制を取ったもんですから、インターネットの販売先としても鳥取県は販売除外地域だというふうに考えておられる、そういう傾向も出てきていまして、封じ込めを図る、鳥取県から撲滅をするという初期の抑止力を期待した目的が今、果たされ始めているかなというふうに思っています。ただ、まだスタートしたばかりですので、これから予断なく万全を期してまいりたいと思いますし、善良な市民県民に影響を与えることがないように、その辺の慎重な取り扱いも留意をしながら進めていくということだと考えております。
●知事
また、地方創生につきましてもだいぶ9月議会で議論がございました。これについては、今、順次関係機関のヒアリングが行われたり、また、地方創生の法案審議が進められたりしているところでございます。ぜひ、実りの多い結果が出ればいいなと考えておりますが、内閣府がやったアンケート調査には私ども重大な関心を寄せたいと思います。すなわち48%の人が東京一極集中はいかんと、こういういうふうに言っておられます。やはり地方創生は待ったなしの課題であると思います。
併せて心配されると言いますか、我々としても胸に留めて考えなければならないなと思いますのは、町村部では将来の生活に不安があるという人が6割に上るわけです。政令市、大都市では3割であります。やはり生活環境、安全安心、活力増進、こうしたことを進展をさせていかなければ、中山間地の崩壊は止められない、そういうシグナルでもあります。そんな意味で、これから地方創生につきまして、当初予算編成も含めてやるべきことは県としても独自にもやっていこうと、こういうような気構えでいるところでございます。
●知事
こうしたような諸課題がございましたが、昨日[20日]、中国地方知事会がございまして、広島の方に行ってまいりました。そこでは広島県の今回の土砂災害、これについてこの教訓を将来に活かしていくための法改正を求めたり、国の運用を正したり、そういうアピールを緊急に採択をしたところでございます。こういうような中で我々としても言うべきことは言っていかなきゃいけませんし、我々の中でも広域防災の仕組みを充実していく必要があるだろうという議論をいたしました。広島の方が中心になって広域衛生チームをやっておられるんですけれども、その中でも初めて、今回の安佐南区、安佐北区の災害につきまして、この広域の仕組みを活用したことになりました。メリットも当然あったわけでありますが、やはり改善を図るべきそういう反省点もあったということでございまして、そんなことをどんどん運用を見直していきながら、広域的な協力の実を高めてまいる必要があると考えております。
●知事
また、危険ドラッグにつきましても、これについても緊急のアピールを取りまとめたところでございます。併せて開催されました成長戦略会議、この中国地方の成長戦略会議では、特に米価の下落について農業者のかたがた等から厳しいご意見が出ました。今の米価の下落は看過できないということであります。これについては、中国地方の成長戦略の会議としても申し入れをしなければならないだろうと、こういうことになりました。その他、成長産業を支えていくとか、中小企業の振興とか、インフラの整備など成長戦略に向けた取りまとめをさせていただいたところでございます。この米価下落につきましては、私自身も[10月]16日に東京の方で農林[水産]省の中川[郁子]農水政務官を訪ねさせていただき、強くアピールをさせていただいたところでございます。
●知事
それで、この広島に参りました朝に、中国電力に伺いました。目的は、9月議会で議論がなされた原子力安全対策についてであります。1つは、これは私どもの方でもいろんな人を雇ったり、それから訓練などもしておりまして、そうした経費について相応の負担を中国電力もしていただくべきであると、その趣旨を申し上げにまいりました。
併せて、もちろん避難の実際の動員等を考えますと人員的な措置とか、装備の支援とかそういうことも緊急的には必要になることもありまして、そうしたことについても併せて要請をさせていただいたところでございます。中国電力では、苅田[知英]社長、迫谷[章]常務、山下部長という原子力安全のラインのかたがたが対応をしてくださいました。その中で私の方の主張に耳を傾けていただきましたが、意外なほどに率直に鳥取県のそうした問題意識は受け止めたと、これについていい方向になるよう、これについて良い方向になるように話し合いをさせてくれとこういうことでありまして、事務ベースでの協議を始めることといたした次第でございます。この件につきましては、溝口[善兵衛]島根県知事からも鳥取県の周辺の自治体、県や市町村といったものがございますが、そうしたところも立地と同じように公平に、そういう財源的にも取り扱われるべきではないだろうかというようなメッセージもございまして、このことも中[国]電[力]側にお伝えをした次第でございます。いずれにいたしましても、これは協議が始まったばかりで出口がまだとても見通せない状況でございますが、周辺地域として初めて電力側に負担を迫ることとなったものでございまして、全国でもまだ未解決の課題がここにはありますから、この辺について我々も真剣に協議をさせていただきたいと考えております。事柄としては、立地の県であれば、あるいは市町村であればいろんな財源手当てがあります。特に立地県は核燃料税という手段を持っていまして、核燃料税の装荷[原子炉に燃料を入れること]、これを入れるときに課税をされるというそういう制度がございます。これを近々島根県議会で議論をしたいと溝口[善兵衛]知事が表明をされておられます。
しかし、私ども鳥取県側は、この核燃料税については核燃料税を装荷する、それを入れる原発サイトは県内にございませんので核燃料の課税の可能性はないわけですね。この核燃料税で実は人件費だとかあるいは訓練費用だとか、そういうような国の交付金で賄えないものを立地側は賄っているわけでございまして、私どもはそこが欠けているわけであります。これは制度のエアポケット[空白部分]があるわけですね。この制度のエアポケットのことについて、今、[鹿児島県]川内のほうで原発の再稼働云々が議論され始め、実際立地の[川内]市のほうでは再稼働容認の議決をするといったような動きが出てきている中でありますから、もうステージが今変わり始めていると思います。従いまして、この辺の未解決の制度的な穴が空いているところについて、周辺地域ではありますが、やはり勇気を持って声を挙げる必要があるということでお伺いをした次第でございます。
●知事
拉致についてですね、これにつきましては昨日[20日]政府として北朝鮮を訪れる、こういう発表をされました。松本孟さんも複雑な胸の内ではないかと拝察をいたしております。我々としては手詰まり感が出るというのはいけません。そういう意味で今回の政府の決断について、これは絶対にだめだというべきものでもないだろうとは思いますが、そういうふうに腹をくくって政府が決める以上は後退も停滞も許されない、そういう決意で北朝鮮に行っていただき、出口をきちんとつけていく。すなわち拉致被害者の救出に結びつけていく、それを強く、強く望みたいと思います。この辺につきましてはいろんな報道も錯綜していまして、上手くいくのかどうかというような議論もあるわけでございますけれども、我々としては、やっぱり結果を出すことこそ大切だというふうに考えております。[10月]28日には県内で集会を予定をしているところでありますが、月内に北朝鮮を訪問すると政府が言っていますので注目をさせていただきたいと考えております。
●知事
また、危機管理の関係で言いますと、先般の台風19号の方では農業被害、今集計をしたところでは農林水産業だいたい1,000万円強の被害でありますが、これは台風の規模等々、今年のいろんな他の災害等からしますと非常に小さく収まっているなという印象であります。もちろんまだまだ調査と分析を進めますけれども、現行の中であれば現状の災害対策の枠組みを活用して、それで対処できる範囲内かなというふうに考えております。原子力安全対策の避難訓練も先般いたしました。900名にも及ぶ県民のかたにご協力をいただきました。両県では4,000名が参加をするということになりました。これについては実際実務にあたっている人間からは、例えばスクーリーニングのスピードだとか、移動の円滑化からするとスピードアップが図られているそういうような面があると、そういう話も聞こえて来ました。
また、陸海空それぞれの経路を試したわけでありますが、例えばCH-47[航空自衛隊の輸送ヘリコプター]のようにかなり輸送力もあるし、いざというとき使えるかもしれないと、そんなような感覚を持って輸送手段を見た、そういう声もございました。また、他方で、例えば福祉施設や病院等支援が必要なかたがたの長距離の輸送についてはまだまだ工夫が必要なのかなと、それは患者さん等のご負担がありますので、やはり福祉車両のような、そうしたものを政府の方でもある程度は集めてもらうような仕掛けが必要なのかもしれないというふうに考えられます。このような訓練を繰り返していって、段々といざというときの手順等を理解するかたが増えてくるのだろうと思いますが、ただ現実の発災時に、こういうふうにスムーズに物事が動くがどうか、これについてはまだまだ疑問の声もあるのは事実でございまして、マニュアル等をさらに高めていく必要があろうかと思います。こうしたことなども通じまして安心安全を図ってまいりたいと思います。
●知事
デング熱につきましては10月の下旬がだいたい終息時期だと、蚊の生息状況からして言われておりまして、ほぼ本件は今乗り切りつつあるというところかなと思われます、まだ結果は出ておりませんが。ただ新年度に向けまして、次の流行シーズンに向けましてやはりマニュアル的なこと、心得のようなこと、それを専門家なども集めてそういうマニュアル整備をしておく必要があるかなと。言わばテング熱のオフシーズンの間に、例えば、今年度中というようなことで、そうしたことも考えていく必要があるかなと思っております。
●知事
昨日[20日]は畜産振興につきまして、和牛の戦略会議を初めて開催をいたしました。これはいわゆるみどり三兄弟というふうに言われているんですが、県内で生まれ育ったみどりという母牛がいますが、この子どもたちが、これが百合白清2、それから白鵬85の3、平白鵬という3頭が非常に優秀な種牛の可能性を持っている。後代検定でも明らかになり始めているわけでございます。これらの正規の流通を正常化させる、適正化する必要があります。今までこういうスーパー種牛がしばらく鳥取県誕生しておりませんでした。従いまして、その適正管理をする必要があるということで、そのルール作りにこの振興会議で着手をいたしました。まず例えば、不適正な流通をした場合には違約金を払うようにさせるとか、そういうことをやりましたし、また、その売買収入、売却収入につきましてその有効活用の仕方だとか、この辺も当初予算に向けてということになろうかと思いますが、議論を始めたところでございます。
●知事
それで、この畜産関係で今年度ずっと課題になっておりましたのは、大山乳業[農業協同組合]のミルクの給食での供給の問題であります。これにつきましては農林水産省の方に働きかけをしてまいりましたし、先般の地方分権の提案募集の中でも入れさせていただきました。それで、農林[水産]省の方からは現行で対応可能ではないかという、そのとき文章の回答が寄せられておりました。その趣旨を確認をしたり、どういう方向で解決が可能なのか、それを事務ベースで話し合いをしてまいりました。それで、この間、例えば、舞立[昇治]参議院議員でありますとか、石破[茂 衆議院議員]先生や赤沢[亮正 衆議院議員]先生にも話を聞いていただきましたが、こうした国会の皆さまにも応援をしていただきました。
先週の[10月]16日に、当方の担当者が農林[水産]省で話し合いをさせていただきました結果、新年度この大山乳業[農業協同組合]による給食を復活をさせる目途が立ちました。具体的には鳥取県は1県1乳業という特殊な状況にある、そういうことに配慮をして、鳥取県独自の運用を認めても良いのではないだろうかということであります。1社によって供給をする体制を考える。その適正価格の定率につきましては、言わばデュープロセス、適正な手続きを踏む、これまでの取引の実情などの集計をした上で、予定価格だとか、最低制限価格だとか、そういうものも制度的には活用しながら適正価格を定めていく、こういうような流れの中で私共として県内の市町村が望んでおられる大山乳業[農業協同組合]の供給の目途がこの度立ちました。具体的な手続きは、この冬以降いよいよ始まることになると思いますが、私どもとしても国の方のすり合わせもさらに続けながら対応を取ってまいりたいと考えております。
●知事
林産物ではエリンギの無胞子のものが、無胞子性のエリンギをこのあと披露するということになりました。これは胞子が飛びますと職場環境が悪くなるんですね、それで、その職場環境が悪くなってしまうことを防止できたり、また、いわゆる臭みと言いますか、ちょっと臭いの問題等も解決をされる。そういう意味で非常に有望な新しいエリンギということになろうかと思います。そうしたこともこれから推奨してまいりたいと思います。
●知事
また、ウェルコムの新事業所が[10月]25日オープンの運びとなりました。200名の採用計画に対しまして25名の採用の見込みが既に立っているということでございます。この米子の旧のサティ、米子駅前イオンの中で営業を始めると、事業を始めるということになりますが、雇用の向上に比すればいいというふうに考えております。
また、一部で報道がありましたJDI、ジャパンディスプレイにつきましては、[埼玉県]深谷の工場を閉鎖をするという報道がございました。急遽、鳥取県としても岡村[整諮]商工労働部長を東京の方に派遣をしまして、会社側にその趣旨を確認をさせていただきましたが、鳥取県における自動車向けの液晶につきましては、今回の報道にあった件は影響がないと。自動車向けというところはむしろしっかりと伸ばしていきたいということでございましたので、我々としてもそういうことであれば、その方向で鳥取で定着できるように我々なりの相互の支援なり、協力をしていく必要があるかなというふうに考えているところであります。産業振興は海外にもまたがるものでございます。明後日[23日]には、江原道の江陵でGTI[広域図們江開発計画]の投資貿易博覧会が開催をされますが、私も出席をさせていただき、県内企業もこれは出品側、あるいはバイヤー側で参加をするということになります。またその翌日には原州、江原道の原州におきまして医療機械等の、これも展示博覧会がスタートするわけでありますが、これにも県内企業が関わることになりました。
●知事
こういう交流、経済交流等も含めた江原道との交流の成熟を目指しまして、[友好交流]20周年をお互いに我々で固め合おうではないかということでございまして、今日[21日]このあと江原道の方に向かうことにいたしております。崔文洵知事と一緒にあちらでタイムカプセルを開封をするとか、それから道議会の方で演説をさせていただき友好の誓いを申し上げる、そうしたことを縷々向こうでもさせていただくことになると思います。また、日韓ピースウォークの韓国側でのスターティングにも立ち会わせていただくことにいたしております。また雪解けムードが見え始めている日中間につきまして、来週の月曜日、火曜日に、これは知事会の方になりますが、全国知事会の日中の知事省長のフォーラムに私も参加をさせていただき、これからAPEC[アジア太平洋経済協力]に向けまして首脳会談の可能性が模索されていますが、友好交流に向けた一つの民際交流、地域間交流として役割を果たしてまいりたいと考えております。
向こうでは、我々の友好省でございます河北省の張慶偉省長さん、それから吉林省の新しい省長になる、そういう見込みであるという意味なんですが、代理省長さん、まだ私もお会いしたことがございませんが、この蒋さん、蒋介石の蒋と書きまして、蒋省長さん、代理省長さんにもお会いをすることになります。その他、地方政府代表者が何人が出てこられますし、今、全国知事会としては中央政府の要人との面談も今打診をいるところでございます。これから大交流時代を開いていく上で、そうした取組みに鳥取県としても役割を果たしてまいりたいと思います。
また、明日[22日]は域内交通のバスにつきまして、バスロケーションシステムを新たに10ヶ所ですか、バス停を整備をすることになりました。いろいろと海外のかたも含めて交流が起きやすい、そういう環境を目指してまいりたいと思います。
14 あいサポート・アートとっとりフェスタ等の主な行事
●知事
また、あいサポート・アートとっとりフェスタ[第14回全国障がい者芸術・文化祭とっとり大会]につきましては、いよいよ最終盤に入ってまいります。[10月]25日から、国際障がい者アート展が県[立]博[物館]で始まります。併せてアール・ブリュットの展覧会も東部会場がスタートをすることになります。国際障がい者アート展には海外も含めて募集、応募が多数ございました。関係のかたに御礼を申し上げたいと思います。また、併せまして、ダンスパフォーマンスのそういう交流行事もすることにしておりますが、週末26日に南村[千里]さんという、これイギリスからお越しいただくかたを交えて、そうしたことをすることとなりました。ぜひ、最終盤に向けて、いよいよ盛り上がりを作ってまいりたいと考えているところでございます。
この他にもさまざまな行事がございますが、例えば[10月]26日には[とっとり]アニカルまつり[2014]が米子のほうで開催をされたり、また、25、26[日]ですかね、JA西部を中心としまして農と食のフェスタも開幕をすることになります。
●知事
こういう多くのお客様を捉えていく上で、山陰海岸ジオパークが再認定されたのは大変に大きなモーメント[契機]だったと思います。只今はそうした関係で会議を持ちまして、今回の再認定に向けた反省だとか総括、さらにはこれからの展開に向けて話し合いをしているところでございます。こういうようなことを踏まえて、砂丘条例[日本一の鳥取砂丘を守り育てる条例]の改正につきましても議論を始めたいというふうに考えております。例えば、お酒を飲んで遊泳をすることを禁止をするとか、迷惑行為を禁止をするとか、また、こういう、何て言うか、リモコンのヘリコプター等で危険行為を行うこと等ですね、そうしたことなどちょっとこれ話し合いが必要でありますが、なんらか今のこのジオパークに再認定された砂丘の保全と併せて、そういう禁止行為の見直しも含めて、議論に着手することにいたしたいと考えております。
また、報道で指摘をされておりました[鳥取市気高町の]龍見台の景色が悪い、景観が失われているということにつきましては、県のほうから管理している国土交通省の道路河川事務所に申し入れをさせていただきました。その結果、[10月]16日にその伐採が完了しまして、ジオパークとしての相応しいスポットに甦ったところでございます。関係者の皆さまと力を合わせて、これからも積極的な展開を図ってまいりたいと考えております。
●知事
今、パラリンピックが開かれておりまして、本県のアーチェリー選手も競技が始まりました。国体の方ほうでは同じアーチェリーで川中[香緒里]選手が金を射止められ、さらに安田[翔]選手のレスリング、それから倉吉西[高校]の弓道など優勝したところも出てきております。スポーツの秋、ぜひ多くの皆さまとともに、本県選手の活躍を応援をし、そして、多くの観光客、スポーツツーリズムの皆さまの受け入れをしてまいりたいと考えております。私の方からは以上であります。
○共同通信 江森林太郎 記者
各社、質問お願いします。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
すみません、原発のことでお訊ねです。昨日[20日]中国電力にお出かけになっておるですけども、中国電力からの財政支援というのは、島根原発の再稼働の是非を判断する上で判断材料になるものと考えたらいいんでしょうか。
●知事
うん。私は、これ財政支援ではなくて、やはり負担すべき人がいるんではないかということですね。それでその負担をすべき人は国であるか、中国電力であるか、そこはいずれかなのかなと思いますが、中国電力にその旨を申し入れたところであります。もちろん国にも、先程申し上げました制度のエアポケット[空白]部分、この解消については繰り返し申し入れをしているところでございます。それで、これについて、昨日も記者さんにお話をいろいろさせていただきましたけれども、[原発の]再稼働云々の議論が今、[九州電力]川内原発のようにスタートをし始めているわけですね。そういうように、やはり議論すべきことはきちんと今議論しなきゃいけない段階に入ったんだろうと思います。それで私どもの方で県の一般財源から、人件費等を負担をしているわけでありますが、もちろんこれは県民の皆さまの安全安心のためであり、それから地域を守るためでありまして、これは必要な支出だと思います。ですから、我々として勇気を持って他の地域よりは丹念に、こうしたことをやっているわけです。
ただ、他の地域が引っかかっているのは、じゃ、これは誰が負担すべきなのかという、そのべき論が入っていまして、我々で例えば人を雇うのは雇わないとか、周辺地域は得てしてそうなりがちなわけあります。我々はやるべきことなのでこれはやる。これについては、当然ながら今までの流れとして、中国電力も鳥取県と安全協定を結んでいますから、それで鳥取県が安全対策をやることについては、もちろん了解をされている前提だと思います。従いまして、中国電力側で相応のご負担をいただくというのは、それは選択肢として当然考えられるべきことではないかなというふうに思います。ただ、その義務が果たして、どこまで中国電力にあるかというと、法的には今何の制度もないものですから分からないところでございます。だから、ここに決着をつけておく必要がある。そのために議論を始める必要がある。これは、いずれ再稼働の可否について国が判断をするとか、あるいは地域がそれに対して意見を言うとかいろんなことがあると思いますが、当然ながらそうしたことの前提となる要素だと考えております。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
前提となる要素というのは、判断に影響を与えるということでよろしいでしょうか。
●知事
判断に影響を私の心の中では与えると思います。ただ、その判断自体は地域として行うものですから、それについてはいろんなご意見があるでしょう。そのいろんなご意見を踏まえて、最終的には判断というものを我々も出していくんだろうと思います。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
今の関係ですけども、この現在、現時点ですでにその人件費とか、いろんな経費がかかっていて、その分を当然負担、原因者に対して負担を求めるというのはあるべきだとは思うんですが、その現時点で原発再稼働を中電として鳥取県に打診してきているわけでもありませんし、その時点でその再稼働の前提ということまで踏み込んでおっしゃることが、私にはちょっとよく分からないんですが。
●知事
だから、ちょっと言葉を選びながら申し上げているつもりなんですけども、だから前提となる要素ではないだろうかということです。だから、今のうちにやっぱり議論は、ここはしておかなければならないのではないかということであります。まだ[原発の]再稼働のステージに入っているわけじゃありません。従いまして、頭の整理なんですけども、いずれこういうことを議論しなきゃいけなくなるだろうと、そうであれば、今、[九州電力]川内原発の動きも出てきていますから、我々としても問題提起をしておこうということであります。だから、そういう意味で、まだキックオフの段階ですね、そういうふうに、たぶん先方も捉えていると思いますし、我々も捉えております。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
ちょっと穿った見方かもしれませんけど、相手に対して再稼働をいずれ求めてくるときに、じゃあ、財政負担をすれば認めやすくなるという、なんかカードを与えるようなことにはならないでしょうか。
●知事
そこは切り離すべきものだと思います。やはり我々として繰り返し申し上げておりますが、地域の安全を第一義としてこの問題には関わるべきだと思っております。ただ、そういう事業をするにあたっても、例えば安全の吟味をするにあたっても、専門人材を雇わなければ見識ある発言もできないわけでありまして、そういうようないろんなこう、実務上の難しさがあるわけですね。そこは我々としても問題意識を持ち続けていますし、たぶんどこの周辺地域も同じような問題意識を持っていると思います。
○日本経済新聞 舩越純一 記者
それに関連してなんですが、方法論として直接事業者に聞くというのもありですが、その周辺の地域ですね、原発がある周辺の地域と連帯していくっていうやり方も、特に知事の場合ですと横のネットワークたくさんお持ちですし、そういう進め方もあったと思うんですが、それが直接の要請ということになった理由っていうのは何があるんでしょうか。
●知事
実はいくつか要請先があるんですね。先程来申し上げていますが、中国電力に今までこれだけ明確に要請したことはないんですけど、国に対しては何らかの制度設計が必要ですよと。それで、その趣旨は国が出せばいいじゃないかっていうのも入っているんですけども、そういうことはこれまでも申し上げ続けてきました。原子力規制庁も、我々そうした要望を持っていきますと、確かにここはある意味未解決な問題があるねと、そんなような趣旨のことは、話し合いの中では先方もおっしゃるぐらい、やっぱり制度のエアポケット[空白]があるんですね。これについては何らかの議論の整理が必要だろうと思います。今回、中国電力の方にも国に対して持っていっているのと同様にお話を持っていったわけでありますが、中国電力側の方でも今回受け止めてもらえたんじゃないかなと思っています。なぜ今、そうした話を持ち出したかということでありますが、片方で、島根県の方が原子力について核燃料税の引き上げを今検討されようとしているわけです。その内容はまだ明らかになっていませんし、私どももつぶさに知り得る立場でもないんですけれども、ただそういう中で、溝口[善兵衛 島根県]知事がおっしゃっていますけど、立地と周辺とそれぞれの財政的な需要に対して答えを出すという趣旨のこともおっしゃっておられる。それで、そうしたときに、バランスがこの県境を跨いで取れるかなということもあるわけですね。それで県境の向こう側の島根県側では周辺地域に一定のそうしたことがなされた場合、原資を辿れば核燃料税は中国電力から出るわけでありますけども、そちらの方でお金がグルッと回って周辺地域に行くかもしれない。
それで、私どものところはどうかというと、その可能性が非常に不明確であります。正直申し上げて可能性が高いとは言えない。そうすると同じような経路で行くんであれば、中国電力も私どものところにも同等の扱いを、県境の向こう側とこちら側であっても然るべきではないかなというタイミングに入ってきたということですね。ですから、このタイミングでやはり問題提起を今まで国の方に持っていっていましたが、中国電力側にも提起をしていく必要があるだろうと、こういうように判断したわけです。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
すみません、これに関連して、島根県との協議、溝口知事ともお話をされてその内容を伝えられたということだったんですが、その核燃料税の配分技術的にはできないんでしょうが、鳥取県への配分に関して溝口さんから何かそういうお話があったのか、そのあたりをちょっと説明していただけないでしょうか。
●知事
溝口[善兵衛 島根県]知事は、鳥取県、島根県ということで区別されるべきではないだろうと、公平に扱われるべきであるという考え方だと思います。私は、それは正しいと思います。この点で溝口知事とは一致をしておりまして、そのことを中国電力側にお伝えしてもいいですかと申し上げましたが、溝口知事も結構ですということでありましたので、中国電力側にもそうした立地県の考え方も伝えたところであります。これはちょっとどう、いろんな解決策が本当はあるのかもしれませんけれども、ちょっとまだ手探りでありまして、まずは関係方面との議論のキックオフをしておこうということですね。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
島根県に入ってくる核燃料税を鳥取県にというのは難しいですよという具体的なお話はあったんですか。
●知事
うん、そこは理論的な問題は私自身も認めざるを得ないところがあります。核燃料税というのは、法定外普通税と言われる税目でありまして、これは財政需要、特別の財政需要がその自治体にあるというのが根拠になるわけですね。それでその特別の財政需要を満たすために、受益と負担の関係において一定の税を課するというものであります。その財政需要っていうのは、県境を跨いでつまり自治体のエリアの外に及ぶかどうかっていうのは、若干これは議論がいるところだと思いますね。だから100%できない相談かと言われれば、そこは検討の余地はあるかもしれませんけれども、ただそこについてはかなりのハードルが、高いハードルが理論的にはあるんではないかなと、私は個人的に思っております。だから、もうそこをクリアしてもらって、それは核燃料税で当県にも、当県側にも配分があるということになるなら、それはそれで1つの言わば落とし所なのかもしれませんが、ちょっとそこの確信はまだ今のところはないです。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
どう言ったかたちであっても中電から負担してもらうということが大事だということですね。
●知事
今、島根県側で核燃料税の引上げっていうのは現実的に見え始めていますから、今のタイミングで、この議論は整理をしておかなければいけないだろうと思います。
○日本海新聞 井上昌之 記者
ちょっと話題変えますけども、大山乳業の牛乳のことで今日お話がありました。ちょっと具体的な話になってくるんですが、例えば市町村ごとの随意契約とかそう言ったかたちを検討されるということでよろしいんでしょうか。
●知事
ちょっとそこも詳細の詰めと言いますか、手続きは今まだ調整が必要だと思います。今、実は片方でパスチャライズ[「病原菌を殺す」ことと「生乳をできるだけ変化させない」二つのことを同時に満たす熱処理をされた]牛乳の手続きと言いますか、いわば大山乳業[農業協同組合]側から言えば営業ですよね、パスチャライズ牛乳にしませんかということも働きかけがあって、それでこれについては恐らく半分以上の市町村がそうなっちゃうかもしれません。だから、そちらであったら現行の制度で決着できる部分ですね。それで、その以外のところをどうするかというところで、先程申しましたように、今までは農林[水産]省はとにかく複数集めて入札というかたちにしなさいということを強制していたわけでありますが、そこをその解釈運用として鳥取県の特例的な扱いを認めようというところに歩みよってきたわけでありまして、じゃあ、それをどういうふうにじゃあ、どういう手続きで、例えば今入札のお話がありましたけども、入札というかたちを取るのか、入札というか、どちらかというと見積もり合わせっていう感じですね、入札の主体に県はなり得ませんので、見積もり合わせというようなかたちでやるのかどうか、この辺は若干調整が必要だと思います。ただ、今まで農林[水産]省と話し合っている経過からしますと、基本的には今のスキームを準用しながら進めていってもらいたいという、そういう先方の思いがありまして、そこの今、細部は調整させていただきたいと思っています。
○日本海新聞 井上昌之 記者
知事、今おっしゃったように、今まで農林[水産]省は入札するかたちをとるようにということを言ってこられていました。鳥取県には1組合しかないので、必然的に他県のところにも声をかけて入札というかたちを取らざるを得なかったということですけども、鳥取県独自のルールを作るとなると、やっぱりその鳥取県に本拠地を置く業者とか、そういうような括りでの入札が成立するかどうか分かりませんけど、そういったことも可能になるんでしょうか。
●知事
そういうことで、ちょっとそこのだから例えばこんなような募集要項を作ってどうのこうのっていうことかもしれません。ちょっとそこはまだ、そこまで細部まではまだ決着できておりませんが、ただ、他所の県で言えば、自分の県の中で事業をしている人に、それで入札に応じてくれというやりかたをしているわけですよね、うちはそれが、1社なもんですから農林[水産]省は今まではそんなことはしたらだめだと、それで範囲を広げなさいと言ってきたもんで、話がこんなになっちゃったわけでありますが、そこはだから本県の中という範囲内で物事を進めていいというところは追いやってきているということですね。だからもう出口が見えたんじゃないかと思っています。
○読売新聞 安恒勇気 記者
すいません。その一定の目処が付いたっていう話なんですけども、大山の。それはどのレベルのかたに、どのような約束とか、約束というんですかね、どういうかたちで目処がついたっていうことになるんですか。
●知事
ちょっともしあれだったら担当者の方から改めて皆さまにも経過のご説明をさせていただきたいと思いますが、私どもはいろんなかたちで、この問題の決着を目指してきました。それで直接農林[水産]省に要請活動に行きましたし、それから、むしろ分権改革として、この辺の権限を県の方に与えてくれと、それで我々が我々の実情に則したようにやるからということで、分権改革の提案募集制度を夏に活用しまして、これも1つの我々の攻撃方法としてやったわけですね。それで、そうしたら以外なことに農林[水産]省の方の回答が、どこも8割、9割がゼロ回答ですから、ところが本県については農林[水産]省は現行法制の中で対応可能ではないかと、そういう回答がきたもんですから、その趣旨を確認しつつ、出口を探そうということで事務的なベースです。事務的なベースで接しをしてまいりました。その過程でさっきも名前を挙げましたが、参議院議員の舞立[昇治]議員だとかそういうかたがたもその相談の中に関わっていただいたりして我々としてもスムーズにことを運ぶことができたということです。
それで16日は、これは言わば担当課ベースの話ですね。担当課ベースの話として確認に伺っております。そのときの話としては、我々の県域の中だけで最終的には処理をしていくと、そこで適正な価格の決定方法というのを考えると、この2つのことで今合意と言いますか、見解が一致するところまで持ってきました。これで、もうあとは具体的な適正価格の決定方法だとか、それから県域の中で縛って考えること、これのプロセスをあと明確化して、農林[水産]省の制度でありますから農林[水産]省とも最終調整をするというのは今後残っていると思います。ただ、もう出口が見えたということでありまして、新年度中に復する道筋がついたというふうに考えております。
○共同通信 江森林太郎 記者
すいません、関連してなんですけれども、一応確認で競争入札というのは、来年度分については実施しないということになるんですか。
●知事
そこは、だから多分農林[水産]省は農林[水産]省の立場で見ているんだと思うんですよね。だから、そこはちょっとよく、また担当者の方にニュアンスも聞いていただければと思いますが、向こうは制度スキームを変えたとは思ってないんだと思うんですよ。その枠内で鳥取県は鳥取県の実情に即した運用をすることを認めようということでないかなと思います。これは非常に役所的な処理で恐縮なんですけども、向こうは、要は制度を変えないですよということで担保とって、それで私どもは実を取ると、ちゃんと大山乳業[農業協同組合]で給食ができるという実を取ると、この辺で折り合う余地が生まれたということですね。
○共同通信 江森林太郎 記者
改めてになるんですけれども、今回そういう地産地消の観点から制度についておかしいというか、こういう話からスタートしていると思うんですけれども、今回そういうふうに来年度大山乳業農協さんという県内唯一のメーカーと、そういう取引というか、出せることにその意義について、もう一度伺います。
●知事
やはり故郷を理解する子どもたちが大きくなったら、きっと鳥取県に帰ってくる子どもたちも増えてくると思います。地方創生の呼び声の中で、やはり絶対避けては通れない道だったんではないかなと思います。また、農家の方にしますと、今、TPP[環太平洋経済連携協定]の脅威が目の前にちらついたり、えさ代が高くなったり、非常に苦労している中で心の支えだったのは、自分が生産した牛乳を子どもたちが美味しいと言って飲んでくれる笑顔だったと思うんです。そういう意味で生産者につきましても、今回の成り行きは非常にショッキングだったわけでありまして、生産者がまた牛乳を生産する喜びを取戻すことができるとそういう意味もあると思います。
○日本経済新聞 舩越純一 記者
すいません、話が変わりますが、ジャパンディスプレイの件で、深谷の報道を受けて岡村さんが行かれたということですが、そのあとでも県としてJDIの工場に関する相応の支援ということを先程おっしゃっておりましたが、どういった中身になるのでしょうか。
●知事
これはだから、相応ですから、あちらが動かないと何も出ていかないんですけど、ちょうど話の趣旨としては、それこそ御社の報道にもありましたけど、車載の方は比較的いいという趣旨のことも書いてありましたんで、たぶんそれと同じことを向こうはおっしゃっているんだと思いますが、今の鳥取工場は車載に特化しているんですね。その車載の可能性を追求する意味では今の生産を、場合によってはむしろこちらの方に増強の可能性もあるだろうというふうに我々は見ているわけです。それで、もしそういうことになった場合には他のそういう増強の例と同じように、我々も相応の支援なりということも考えることができるかなということです。それで、もちろん別に雇用も増えないとか、何か投資があるわけでもないとかいろんな制約があればそれはルールに従ってやらないということになりますが、ただ我々として歓迎すべきなのは、JDI[(株)ジャパンディスプレイ]はいろいろ今報道もありますけども、この鳥取の拠点性を何とか活かそうと奮闘されていることでありまして、それについては率直に評価し感謝したいと思います。
○日本海新聞 井上昌之 記者
すいません、昨日ですけども安倍内閣の2人の閣僚が辞任されました。政治資金問題に係ることという報道もありますけども、これについての知事の率直なご感想と、あと、今地方創生が国会で非常に重要な審議の場面を迎えてくるわけなんですが、鳥取県にとってもこうした閣僚辞任によって、野党も追及を強めてきて、ある意味国会審議が空転するような状況が懸念されるわけなんですが、これについての知事の受け止めをお聞かせいただけませんでしょうか。
●知事
今回の事態は残念な結果だと思います。[安倍晋三内閣]総理[大臣]ご自身も自らの任命責任に言及されましたけれども、言わば今回の組閣の目玉の人事でありましたから、メッセージ性があったわけですね。それで、ただ政治とお金の問題、それから政治家のモラルのこと、これが問われたわけでございまして、両閣僚が辞任をされたというのは、それも熟慮の結果なんでありましょうが、ある意味当然と言えば当然のことなんだろうと受け止めております。そこでそうした問題点は十分正されなければなりませんけれども、若干懸念されるのは、これで女性の社会進出にブレーキがかかるようなことになってもらっては困るなということです。これは個人的な問題でありまして、社会として女性の社会進出を目指していくこととは切り離されていかなければなりません。また、閣僚とは言え、辞任をされたという結果になるわけでありますけども、地方創生といったような、今、日本全体が負わなければいけない政策課題が失われるものでもありません。ですから国民はおそらく閣僚個人の問題については正されなければならないと考えておられると思いますが、しかし、国会で実のある議論をして、しっかり仕事してもらいたいと、そっちの気持ちは変わらないと思います。ですから与野党でも冷静にこの事態を捉えてやるべきことはやる、また女性の社会進出も含めて目指すべき大義は目指す、そうした姿勢で臨んでいただきたいと思います。
○共同通信 江森林太郎 記者
他、質問はないでしょうか。
○NHK 福田淳 記者
すいません、先日中国地方知事会があって、土砂災害に対しての対策というところを話し合われたと思うんですけども、イエローとレッドと県内でも指定が進む中で、中山間地においては、やはりそういったところに空き家があって、移住政策といったところに今後影響が出てくるんではないかと、移住を考えるかたの選択肢から外されてしまうのではないかという懸念もあるんですけども、その辺についてはどういうお考えをお持ちでしょうか。
●知事
これは現状をきちんと見なければいけないと思うんですね。昨日も湯崎[英彦 広島県]知事がオフの場でいろんな話をしましたけども、会議の外ではやっぱりその辺を心配されるわけですね。ただ私、申し上げたんですけど、広島県がすべて危険になってしまうということではないですよと、安全なところの方がよほど多いわけですから。ですから土砂災害の危険性を正当に評価をして、それと向き合っていかなければならない現実は受け入れてもらうと。しかし、そうでないところは安全ですし、また安全対策をする、本県で言えばレッドゾーンの場合、壁の強化の支援予算を持っているんですけども、そうしたことなどで対処していく、こういうことで進んでいくべきだと思うんですね。それで危険性に目をつぶることは、やはり次の災害を生みますから、それはやはり危険性には目を見開いてしっかり見つめなければなりませんが、ただ、それが単なる地域の放棄につながらないように、政策的なフォローも必要だと思います。その意味で昨日の議論としてもそういう土砂災害危険地域について、国としてのフォローアップの措置が必要であると、そういうことも訴えさせていただいたところです。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
すいません、お願いします。何べんも聞いて恐縮ですけども、来年の知事選に出られるかどうかは、まだちょっとこれは宙ぶらりんということでしょうか。
●知事
はい。
○共同通信 江森林太郎 記者
他に。
○山陰放送 秦卓史 記者
すいません、砂丘条例の改正について言われましたけれども、具体的にいくつか例を挙げられましたが、これまでもかなり実害があってそれに対応するというような改正になるということなんでしょうか。
●知事
ええ、だから今、議論はしながら、いわゆる立法事実があること、それを今見ようとしています。例えば、さっき酔った状態での遊泳の話を申し上げました。不幸にして亡くなられた中国人のかたは、飲酒による遊泳でありました。そうした事実もだんだんと分かってきていますので、そういう危険性のあること、またマナーに著しく反するようなこと、そうした過去の実例から、今、考えをまとめようとしています。これは議論の進展に応じて条例改正に進むことも検討したいということです。ただこれだけじゃないですよ。今回、山陰海岸ジオパークに再認定されましたから、このすばらしい自然を生かして残して皆で守っていく、そうしたことも含めて条例改正の内容を今検討し始めたというところです。
○山陰放送 秦卓史 記者
リモコンのヘリというのも言及があったと思うんですけども、これも何か実害があったんですか。
●知事
そうですね、これも危険性のある、あそこやっぱりこう馬の背のようなかたちですからね、ここにこう人が張り付いていますので、安全にやってもらうことについて言うつもりはないようなんですけど、実際に任務にあたっているレンジャーだとか、関係者の話ですと、やはり非常に人に近いところで、あれをやった場合に例えば風がちょっと吹くとあたりそうになったとか、そういうことがあります。今もサンドウエッジを禁止していますけども、サンドウエッジも別に危なくないからいいじゃないかという議論はあるかもしれませんが、どこに飛ぶかわかりませんから、砂丘の中は止めてくださいねということをやっているのと同じように、危険性を生じさせる恐れがあるかどうかを今見極めようとしています。
○山陰放送 秦卓史 記者
スケジュールとしては今年度中に、もう、着手されるんでしょうか。
●知事
これは期限があるものではありませんから、話がまとまったところで考えたいと思います。ただ、急ぐのは例えば看板を設置するとかね、そういうことがありますので、例えば国道、県管理の県道とか、そうしたところでの看板設置は県の方で、11月補正ででも予算を出そうかというふうにも考えておりますが、それから市の方で補助金を使って、県の補助金を使ってやってもらうとか、そういうのをいろいろと優先してやっていきますけども、そういうのと並行してそういう規制面と言いますか、ルール面のことも同じように見直し点検していくということです。
○共同通信 江森林太郎 記者
他に質問は。
○NHK 植田治男 記者
すいません、今日で松本京子さんが拉致されてから37年目になるんですが、知事の所感と、早ければ9月にも夏から交渉のチャンネルを開いて9月にもある程度の成果が見えるんじゃないかという中で、北朝鮮に翻弄されるかのような状況になっているという、これまでの交渉の過程を知事としてはどういうふうにご覧になっているか、その2点をちょっとお尋ね。
●知事
先程もあえて申し上げましたけど、[米子市出身の拉致被害者松本京子さんの兄の]松本孟さんの胸中を察しますと大変に痛切なものがございます。ご家族の待ち続けた思い、さらにお母さまが帰って来ぬまま、姿を見ぬまま他界をされてしまった、まさに慙愧に堪えない痛恨の極みだと思います。今、政府の方で北朝鮮と折衝をしているわけでありますが、当初想定されたほどに進展がしていないように関係者は見ています。それで今回は、先日、政府として北朝鮮に担当局長等を派遣をして、その現在の調査状況を聞くということでございまして、徐大河さんですか、特別調査委員長との面談の可能性なんかも議論をされて報道されていますけれども。そういうことで、これからどうなるのか皆さん複雑な思いで見ているのが実情だと思います。ですから、行くと決めた以上は松本京子さんが、今日、拉致された日でありますが、後退も停滞も許されない、そういう強い決意で結果を出していただく、そういう交渉を望むほかないと思っております。
○共同通信 江森林太郎 記者
他に質問はよろしいですか。それではありがとうございました。
●知事
はい、どうもありがとうございました。