近頃、鳥取県統計課には年齢別人口に関する問合せが多く寄せられます。少子高齢化が社会問題となり、関連統計も注目されているようです。近々、最新の推計値(今年10月1日現在)を公表予定ですが、ここでは予習代わりに過去のデータをひもといてみましょう。
図は明治19年の「人口ピラミッド」。県の最も古い年齢別人口統計(本籍人口ベース)により、各年齢の人口を横向き棒グラフにして積み重ねたものです。比較のため昨年の分も表示しました。
ピラミッドの全体的な形を見ると、明治19年は若年層ほど人口が多い「富士山型」になっていて、高齢層が多い現代の「つぼ型」とは対照的です。当時が人口増加局面だったことが分かります。
ピラミッドにクビレた部分、つまり前後の歳に比べて極端に人口が少ない世代があることにも注目しましょう。昨年だと終戦前後生まれの世代(満67~68歳)です。
明治19年の場合は50歳前後、ちょうど飢饉の被害が大きかった天保7~10年生まれの世代が少なくなっています。また、弘化3年丙午(ひのえうま)生まれの40歳は女子だけ少なく、迷信の影響がうかがえます。
こう見ると、人口統計は歴史の様々な面を記録していて興味深いですね。
本ページは、平成26年11月14日付「日本海新聞」掲載の同題コラム(鳥取県地域振興部統計課執筆)からの再録です。