〇時事通信 平野実季 記者
それでは知事お願いします。
●知事
皆さんおはようございます。今、人災、天災が相次いでおります。アメリカの列車事故も、これも京都府福知山市の列車事故を思わせるような大惨事でありまして、心からお見舞いを申し上げたいと思います。また、岩手県でも宮城沖の地震の影響があったりしまして、大変に物々しい感じがいたしております。そういう中、先般、台風6号がこの日本列島を駆け抜けていったわけでありまして、各地に被害をもたらしましたが、本県の中は調査をさせていただきましたけれども、交通関係で飛行機が欠航が出たとか、あるいはJRで運休が出たなどそうした影響はありましたものの、農業被害は最小限に留まったのではないかと思われます。今、把握しているところでは、5町で11のビニールハウスの破れが見つかりました。しかし、従来の大風のときのように倒壊をするなどの深刻な被害までは至っておりませんで、すでに農業者の方で復旧をされておられます。これからもこうした災害に耐えられる強い農業などを目指しまして、県としても指導体制やそれから支援体制を強めてまいりたいと思います。
今回も被害が出た中には農業共済で補てんされるものなどもございまして、そんなに大きなことにならなかったところだと思います。柿や梨については新芽で被害も見られましたけれども、これは今後の生産の中で補える程度で留まっておりまして、まずは大きな台風が久しぶりに5月にやってきたわけではありますが、一通り調査したところでは乗り越えられる被害であったかなというふうに思っております。今後もこういう防災関係、災害に強い地域づくりを目指してまいりたいと思っております。
●知事
さまざまな課題を抱える中で、これから6月県議会に向けまして、新しい県議の議員さんと私どもと論戦を戦わす初の舞台ができあがるわけでありますが、これはいわゆる肉付けの予算を行う、そういうスタートとなる4年間のスタートとなる、そういう重要な議会であろうかと思っております。今、まだ予算編成作業が始まったばかりでありまして、私もまだ詳細は見ておりませんけれども、4年前の111億円の平成23年度の肉付け予算と比べますと、それよりもかなり大幅に大きくなる、そういう肉付けになるかなと思います。それで、100億円台の後半になることは間違いないというふうに思っておりますが、今、その精査を急いでいるところであります。
●知事
そういう中、この度、市町村長さんと会議[第1回県・市町村行政懇談会]をもちまして確認が取れました。この統一地方選挙でも大きな争点として戦った中に、保育料の第3子以降無償化の課題、さらに小児医療費の高校生までの充実の課題、これらがあったわけでありますが、大筋で市町村長さんの理解も得られたこととなりました。従いまして、この関係予算を今回肉付けの中で出させていただきたいと思っております。具体的にはこの第3子以降の保育料無償化でありますが、これは全国で初めて年齢の制限だとか、所得の制限などを設けないで第3子以降は無償化をする、これを県の制度として作らせていただきたいと思います。市町村の方ではこれに丸ごと乗っていただいても結構でございますし、一部修正をしたいというところがあれば、2分の1という補助の割合でありますので、その範囲内での分担ということになろうかと思います。これに要する予算はだいたい3億2,000万円余りの追加予算ということになろうかと思います。
本県の場合はすでに中山間地で第1子、第2子を問わず完全無償化が可能な助成制度を作っております。今回も同様のスキームで2分の1の助成ということでございまして、年齢制限や所得制限のない初めての全国の制度となると思います。併せまして、これも福島県と並んで全国でナンバーワンの制度となると思いますが、高校生まで医療費の助成制度を導入する、小児医療費助成、子育て応援の医療制度を作ることといたしたいと思います。これは保険が絡みますのでいろいろと準備作業がいるわけでございまして、先般、市町村長さんにもご提案を申し上げましたが、新年度から開始するという前提で今年度のシステム改修といったような準備経費を計上させていただきたいと考えております。準備経費でありますのでそんなに大きな額にはなりません。そういうことで、一つ前にこの度のマニフェスト政権公約を実現させていただき、子育て世代の皆さまに対して、最大限の応援をさせていただきたいと思います。
●知事
ただ、そういう中で残念だったのは、先般、倉吉市におきまして若い夫婦のお子さまが残念ながら命を亡くしたという事件でございまして、虐待が認められたところでございます。このケースについては事件直後から庁内でも調査をするように、それから、対策を至急検討しようと、それで、市とかあるいは警察、教育関係とも議論をしてということにいたしております。今日[5月14日]もこのあと、そうした検討の会議[関係機関対策会議]を設けることといたしておりますし、6月から本格的な検証委員会を作りまして、検証委員会による検証作業が始まることとなりますけども、まず当面考えられることはやっていかなければならないと思っております。例えば、高校生とか、それから新成人を迎えられる世帯に対しての啓発PR活動が必要でございまして、そのためのグッズやチラシなどを制作することがあるかなと思います。こうした経費を6月の補正予算の中でも緊急に盛り込ませていただきたいと思っております。また、既定の経費を活用しながら、こういう対策にあたる市町村の職員の研修と言いますか、ロールプレイング的なものも含めまして、そうしたものの高度化を図ったり、いろいろと連携を図るための徹底を行うなど、そうした体制づくりを急ぎたいと考えております。
今回のケースは今まで我々の方で把握している状況からしますと、2月に2度保健師さんであるとか、それから、担当のかたが向こうと接触をしています。そのときに異常は認められなかったわけでありますし、どちらかと言うと、正直申し上げて、若年夫婦でありますので注意深く観察する対象というふうに関係者は捉えておられました。しかしながら、その行った先ではかいがいしく子どもに接する状況が見られたり、身体の異常などもなかったということでございました。また、直前の4月の半ばには、これは3ヶ月健診を倉吉市内の病院で受診をされておられるわけでありまして、そのときも父親が付き添いながら身体を子細にお医者さんの方で観察をしておりますけれども、そのときにあざのような、そういう痕跡はなかったわけでございまして、なかなか事前に把握するのは難しい事案であったかと思います。だからこそ学校教育の現場、あるいは新生児を迎えられるとき、そうしたときにPR活動や啓発、あるいは教育というものにまずは踏み込んでいく必要があるのかな。そういう意味で、先程申しましたように6月県議会の方にまずは、そういう啓発グッズ、チラシ等を作成する費用などを計上し、さらに専門家でも知見を総合してもらいまして今後対策をなお一層充実をしてまいりたいと考えております。
●知事
この他にも例えば三徳山・三朝温泉が日本遺産に認定をされたことを、これを材料として観光の仕掛けを作っていく、そうしたことなどに3,000万円弱予算がいるではないかとか、そうしたことがありますし、あるいは私どもの方で緊急に対処しなければならいこと、例を上げて言えばヒトデが美保湾で大発生をしまして、昨年[平成26年]から今年[平成27年]にかけてだいぶん漁業者が苦しみました。我々も対策を打ちにいったわけでありますし、漁業者もヒトデを捕まえに行ったわけでありますが、水温が下がってきますとヒトデはその砂の中に逃げ込んでしまう、そういうヒトデの性質がございまして十分に捕獲しきれなかったということがあります。水温が温まってきたところで再チャレンジをしようじゃないかと、これを考えるべく、この度また予算を計上する必要があるかなと思います。
具体的には9月に一斉に境港市支所の鳥取県漁協の皆さんが船で捕りにいくと。それでそれに対する借船料の2分の1相当、1トン当たり6万円の助成であるとか、また、産業廃棄物として処理いたしますので、この産業廃棄物としての処理費こうしたものを全額支援をするとか、そうした関係経費を今回も計上する必要があるかなと考えております。こういうように今、時節として緊急に対処しなければいけないことも計上させていただきたいと思います。元気づくりのために地方創生を成し遂げていくために必要なこと、人を元気にする、まちを元気にする、さらには産業雇用を元気にするための諸経費を積極的に計上させていただくとともに、こうした緊急の費用についても対処をさせていただきたいと思っております。
●知事
また今地方公共団体全体が直面をしているやっかいな課題がありますのは、国の方で、政府の方で現在財政再建の議論が本格化をしていることであります。6月にはこの財政再建に向けて黒字のプライマリーバランスを確保することに向けまして、真剣な議論がなされているところでございます。この月曜日[5月11日]には財政制度等の審議会がございました。これは財務省の審議会でございますけども、ここでは交付税がやり玉に上がっておりますし、あるいは学校の先生の数が多すぎると。それで鳥取県がやっているような少人数学級などを止めてしまえば人件費が浮くとか、ちょっと乱暴な議論がございます。また一昨日[5月12日]は、経済財政諮問会議が開催をされました。民間の委員さんなども自由なご意見を出されているわけでありますが、そうした中にはやはり交付税をやり玉に上げるようなものもございまして、財政再建を地方財政の犠牲の上にするといったような論調も見られるわけでありまして、大変に心配をしているところでございます。私自身もこれから上京いたしまして知事会の副会長、税財政関係の副委員長として自民党の方のいわゆる特命委員会と言われます委員会に出席をし、意見の開陳をさせていただくことにいたしております。
これは財政再建に関する特命委員会でありまして、政調会長が委員長をしている、そういう機関でございます。今日は私ども知事会の他にも医師会などそうした今回の財政再建の言わば鉈を振り落している対象のところを呼んでいるというかたちになっておりまして、私の方で地方団体の立場を申し上げる必要があるかなと思っております。これまで鳥取県も含めまして地方の方は財政再建を重点的な課題として取組んで来ました。国の方がどちらかというと定数の削減、あるいは給与の適正化、また事業の見直しに慎重さが目立っていたわけでございまして、地方公共団体の方が行財政改革を進めてきたのが現状であります。鳥取県におきましてもそうした意味で事務事業の見直しなどをした結果、経常収支比率でありますとか、将来負担比率でありますとか、そうした主要指標は全国の三傑に入るのが常態化するくらいに私もこの8年間で財政構造をひっくり返して来たわけでございます。それは並大抵の努力ではなかったわけでございます。しかし、そうした努力を全部捨象して、とにかく地方の金を減らしてしまえということで始末をしようというのは本末転倒でありまして、国の庭先の中で考えてもらうべきことなんではないだろかというふうに思います。
もちろん地方側も今後も行財政改革努力もやっていくわけでございますし、そういう中で地方創生という課題を果たしていかなければならない。今回の黒字プライマリーバランスを取るために地方を犠牲にするということになりますと、地方創生が全部闇に葬られてしまうということになってしまうわけでございまして、そういう国家的課題への対処、人口減少等を食い止めてこの国を再び成長軌道に乗せるための最大のエネルギー源を失ってしまうことになるわけでありまして、こうした道は取るべきでないのではないかと考えております。そうしたことなどを地方公共団体全体で訴えかけて行く必要がありますし、同時に地方創生に向けて新型交付金の確保などを図っていかなければならないところでございます。
●知事
地方創生を進めていくために鳥取県庁内のマシーン、これは企業だとか、県民の皆さまとの協働によるマシーンも含めて起動をさせていくことになります。明日[5月15日]には国際交流の拠点としての鳥取のプロジェクトチームを動かし始めまして、6万人の宿泊客、海外からを目標に起動させることになります。来週の月曜日[5月18日]には、まずは1万人の正規雇用を作るためのプロジェクトチームを動かすことになります。これは民間の企業の皆さまなどと、あるいは労働会の皆さまと一緒になりましてその正規雇用1万人プロジェクトを起動させることになりますが、庁内の話し合い、労働局などを交えてまずはスタートをさせたいと考えております。また、食のみやこ・フードバレーこれを作っていくためにその輸出だとか、あるは6次加工、こうしたことなども含めて農林水産業の振興等を図る、そういうチームをこれをJAだとか、あるいはそういう加工関係や輸出関係等とも含めて、そういう物流のことも含めて民間の企業さまなどと協働した、プロジェクトチームを動かすことにさせていただこうと考えております。このようにいたしまして、鳥取の元気を作っていく運動をまずはスタートをさせていくことにいたしております。
●知事
やっぱりそういう中、若干ひきこもごもと言うと若干語弊がありますけども、いろんな思いで見ておりますのがスターバックスコーヒージャパンさんが今度進出をされるということでございます。これについては、鳥取県としてスタバはないけど日本一のスナバがあるんだという自負を持って、このことで全国で揶揄をされながらも対峙してきたわけでございますが、5月23日に進出をされるということになりました。しかしながら、鳥取砂丘10万年の歴史があります。鳥取砂丘のことを考えれば、スタバが来たって我がスナバ県は永久に不滅であります。スタバが来るなら「勝手にスナバ」ということで、私どもは勝手にスナバキャンペーンをさせていただいて、この際砂丘を初めとした鳥取県の魅力を売り込むことも考えていかなければならないと思っております。
実は鳥取、この砂丘のお膝元であります鳥取市内はコーヒー文化の栄えているところでございます。これはいろんな名店もこれまでもございまして、中には残念ながら閉店をされたところも出ましたけれども、そうした鳥取のコーヒー文化を盛り上げるのもこの際やるべきではないだろうか。スタバさんのようなそうした大規模チェーン店の展開もあれば、ゆったりとしたときを楽しむようなコーヒー文化もあるではないか。これを今市内のコーヒーショップでお話し合いをされまして、鳥取コーヒー文化振興会を立ち上げられることになりました。5月22日にはその旗揚げ式を行うということにされているそうでございます。また、何かと話題のすなば珈琲さんもそうしたことにぶつけましてキャンペーンを張られることを考えておられるわけでございまして、そうしたところとも相談を今いたしているところでございます。諸々そうしたキャンペーンがあるわけでありますが、今詳細を詰めておるところでございまして、5月21日にそのキャンペーンの発表会を鳥取砂丘・ザ・スナバで行わせていただきたいと思っております。
鳥取県と観光関係の皆さんとで共同をして、例えば、スナバの幸とでもいうべき鳥取県のいろんな産品が当たったり、あるいは砂丘で作ったようなコーヒー、あるいはトリピーグッズ、そうしたものが空くじなしで当たるような、そういうスナバくじもオープンをさせて、これは鳥取砂丘の方で、そういうサイトも作ってお客さまのお迎えをさせていただこうかなというふうに考えております。これからも、鳥取の観光をいろんなかたちで発信をし、その魅力、食文化も含めて発信をしていって元気を作っていく必要があると思います。
●知事
産業関係はいろんなものづくりの魅力もございます。「とっとりと」というインターネットサイトを活用しましてアイデアを公募をして、それを商品化につなげていくということも進めてきたところでございますが、今年また第2弾をやろうと今募集をかけておりまして、6月の頭まで、その募集をさせていただくことにいたしております。また、来週ですね、事業承継というふうに言いますけれども、中小企業の皆さんが代替わりをするときに代替わりしていかないと、それで、自動的に閉鎖になってしまう、事業が閉じてしまうということが全国各地で見られるわけでございます。この鳥取県内も例外ではないわけであります。従いまして、そういう事業承継の支援センター[鳥取県事業引継ぎ支援センター]をオープンをさせることにいたしました。来週からそうした看板を掛けてやることになるわけでございますが、鳥取市内の本町の方のビルの一角に、そのセンターを作りましていろんな相談に乗ることなどをすることにいたします。県内大手の銀行のOBさんであるとか、いろんな有識者のかたがそこの支援員で入っていただきまして、そうしたかたちで企業さんのお支えをしていくことにいたしたいと思います。
中には県内だけではマッチングができない、事業承継が上手くいかないという場合もあると思います。そういう意味で全国的なそういう経営者となろうという人たちの登録されるようなデータベースと結び付けまして、そういうデータベースを通して事業承継の受け皿を県外のかたに来てもらって作るということも含めてさせていただこうと考えております。今、注視をいたしておりますのはシャープ株式会社の動向でございます。これについては昨日[5月13日]一定の発表がございまして、今報道が今朝も出ているところでございます。シャープさんが日本を代表する電機産業でございましたけれども、5億円に減資をするということになりまして、カンパニー制を敷かれることになります。そのカンパニーは液晶とか、電子部品だとかそうしたカンパニーに分かれることになるという発表でございました。これに向けて堺市の大きな工場がありますが、これの取扱いのことであるとか、あるいはこの近くでは広島の工場のことであるとか、そうしたところで閉鎖や縮小の動きが出ることになったと、そんな報道でございます。
これについてはシャープ米子株式会社のことがあり、シャープとは別会社ではございますが、シャープと緊密な関係の下に動いている会社でございますので、このシャープ米子のこともあり、連休前にシャープ幹部ともお話し合いをさせていただき、シャープ米子の存続についての一定の感触を得たわけでございますけれども、緊張感のある段階に入ったと思いますので、改めて庁内の関係部局の方に情報収集を急ぐように今申し上げているところであります。いずれにいたしましても、こうした県内の事業所の基盤、これを守り発展させていくように県としても最大限の努力を今後もしていく必要があるというふうに考えております。
●知事
来週の前半はいろいろと出張等もございますけれども、中国地方知事会議を[5月]19日に行うことになります。テーマとしては先程申し上げましたような地方税財政の問題、これが黒字のプライマリーバランスを国が取ろうとしていることの関係で地方税財政が言わば首を絞められるかもしれないと、そんなようなことの危機感の中で開かれることになろうかと思います。また、アメリカの議会の方がもたついているということではありますが、TPPのような交渉課題もございまして、こうしたことなどに対して農業対策が必要であるとか、慎重な交渉が必要であるとか、そうした議論も必要であろうかと思いますし、広域的に観光等について連携を図る必要もあります。昨日[13日]、経常収支が、黒字が拡大したという話がありますが、初めて外国人の旅行客のおかげで観光収支が黒になったというようなことになりました。こと程左様でございまして中国地方に観光客を呼び込んで来るような、そういう広域的な対応なども進めていかなければなりません。こうしたことなどをいろいろと我々としても議論していく必要があろうかと思います。こういう中国地方の会議をまた予定をしているところでございます。
併せまして東京の方に[5月]20日にまいりまして、エシカルという言葉があります。倫理的ということですね、エシカル消費、これの調査研究会が立ち上がることになりまして、その消費者庁の機関として作られることになりますが、私もメンバーとして参加することになりました。鳥取県としてもこういうエシカル消費を関心を持ってこれから進めていかなければならないと思います。典型的にはグリーン購入と言われるような環境配慮の商品購入、あるいは障がい者の施設で作っておられるそういう産物、これの購入促進、それに向けたプロモーション等々もあろうかと思います。また、鳥取県ではCO2のオフセットを進めるために企業と連携して、そうした共生の森的な事業、それからCO2のカーボンオフセットに向けた事業、こういうことをさせていただいているわけでございまして、このようなことなどを鳥取県らしく今後も展開していく必要があるかなと思います。
今回のエシカル消費につきましても、倫理的消費につきましても、これも新しいテーマとして国が取り上げるということでありますので、鳥取県なりの独自の普及も進めるのと併せて、国の中でも新しい制度形成を促進、応援してまいりたいと思っております。また、衆議院の選挙制度の調査委員会の方にも出席をさせていただきまして、今後の国政の骨組みについても、屋台組みについても議論を深めさせていただきたいと思います。
11 第2回全国高校生手話パフォーマンス甲子園の参加チームの募集
●知事
いよいよ全国高校生手話パフォーマンス甲子園の募集が始まりました。ぜひ、全国の皆さまからも高校生の皆さまのチャレンジをご期待を申し上げたいと思います。今年[平成27年]は米子市の公会堂の方で実施することになりますが、去年[平成26年]の熱気あふれるパフォーマンスの舞台、これが再現されることになります。昨年この記者クラブでもご意見がございましたが、会場が狭すぎるといったご意見がございましたが、今回は昨年[平成26年]よりは多くのかたに見ていただける、そういうスペースが用意をできますし、ぜひとも多くのかたがたのご参画をお願いを申し上げたいと思います。
●知事
また、熱中症がこれから心配な季節になってきます。これについても熱中症の対策連絡会議を県庁内で招集をさせていただいておりますが、今年は搬送患者さん250名以内を目標にし、もちろん亡くなられるようなかた、これゼロを目指してやっていきたいと思います。砂丘の方での搬送車の活用でありますとか、また液晶による温度計が付いたそういう手引きと言いますか、液晶が付いたその温度計を使って、それでその温度を判定しながらお年寄りを訪問してアドバイスをすると、注意してくださいとか、空調を働かせましょうとかそういうモデル的な取組みも今年始めさせていただこうと思っております。昨日[5月13日]も熱中症の患者さんが全国で発生をしておりまして、気温が上がってきたわけでございます。改めてそういう季節を迎えるわけであり、今年[平成27年]も気象庁の予報では平年並みの暑さになるのではないかと言っておりますので、県民の皆さまにおかれましてもご留意いただければというふうに考えているところでございます。私の方からは以上です。
○時事通信 平野実季 記者
質問のある社はお願いします。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
すみません。小児医療費の拡大のことでお伺いしたいんですけども、現時点ですでに市町村独自の制度で取組んでらっしゃるところもあるんですが、今回の県の制度を活用して、県内の全ての市町村にこれは広がりそうかということが1点、それから知事のマニフェストにもしっかり書かれていまして、期待されているかたも多いと思うんですけど、制度のその改正も必要だということで、来年度からということでこの前の会議でもあったようですが、なぜその時間がかかってしまうかということを、少しご説明いただけますでしょうか。
●知事
保育料については、結局保育料の決定等ですね、所得の状況等の調査等もあり、9月が切れ目で言わば新しいスタートが切りやすいわけでございまして、保育料については9月スタートで市町村と合意が取れました。ご指摘のように一部市町村でいろいろご意見があったのは事実ではございますけども、基本的にはそういうことについては、ご賛同をいただけたかなというふうに思っていますので、あとは具体の制度設計を市なりに独自に、どの程度独自のものを入れていくかということかなと受け止めました。願わくば、全県1つ揃った制度としてスタートできればと考えておりますので、今後も理解を得るようにしていきたいと思います。高校生の医療費無償化につきましても、ご意見がございましたけれども、これについても全市町村の大筋の理解が得られたと思いますが、例えば、ペナルティ制度が国民健康保険で課されていること、これに対して声を挙げなければならないとか、そういうご意見も出されまして、誠実にこれには県としても向き合ってまいりたいと思っております。それで、いろいろと市町村とも調整をさせていただきましたけれども、高校生までの小児医療費助成導入につきましては、これ健康保険制度との裏腹の関係がございます。それで、医療機関も含めて周知徹底しなければならないわけでありますし、当然ながらその費用の現場の窓口での徴収のやり方まで踏み込むわけですね。ですから、予算が通ればすぐにできるということにはこちらはどうもならないということで、市町村側と調整を実務的にもさせていただいた結果、会計年度である4月からのスタートということで、できればこう全県一律で踏み切ったらいいんじゃないかというご意見が大勢を占めたと思います。それに従いまして、私どもとしても、そのための準備経費を取りあえずは計上しながら、4月に確実に実施できるような体制づくりを急ぎたいと思っております。ただ、もちろんご交渉のとおり、市町村によってはすでに高校生までの医療費無料化に、医療費の助成に踏み切られるところも出てきておりまして、これは私の方の政権公約で申し上げたことの影響かもしれませんけれども、すでに走り始めておられるところもありますけれども、県制度としては一律に新年度実施でご理解を得たいと思っております。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
新年度から実施すれば、翌年度から実施する場合に、今回は補修の費用だけですけども、年間でどれくらいの経費が必要と見込んでいらっしゃいますか。
●知事
追加的な費用は、1億円いかないだろうと、数千万の単位というふうに思っております。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
すいません。第3子以降の保育料の無料化の件ですが、これは全市町村でもれなく実施ということには拘りは持たれますか。
●知事
ええ。地方自治ですから、私どもが縛るものでもないと思いますが、これは平井流の政策運営かもしれませんけれども、ある程度合意を取りながら、できるだけ足並みが揃えられるものは足並みを揃えていければというふうに思っておりまして、とにかくこうでなければいけないということにはいたさないつもりであります。それが地方自治の本旨ではないかと思っております。ただ、ここに至るまで、私も直接首長さんとも丁々発止やり取りをさせていいただいたことも当然ありますし、当局の方にも、県庁の部局の方にも指示をさせていただきまして、丁寧に市町村の方も回っておりまして、我々としては、全県一斉に始める土台は整ってきているというふうに思っております。その仕上げとしてこの間の市町村長さんとのやり取りをさせていただきましたけれども、大筋合意が得られたということになったわけでございまして、あまり深刻な心配は実はしておりません。
○時事通信 平野実季 記者
すみません。昨日のその懇談会で子育て施策について、もちろん市町村でもこういうことをやるのは賛成だけれども、財政面であったり厳しい部分があるというような声もあったり、あと、そもそも住む場所によってこういう支援が違ってきちゃうというのはどうなんだっていう意見もいろいろあると思うんですが、それで、それを県とか、あと知事会でも訴えてほしいという声があったと思うんですが、今後、今までも訴えてきたかと思うんですけど、どういったスケジュールで訴えていくというか、例えば今度ある地方創生の12知事の集まりの場とかで発信していくという考えとかはありますか。
●知事
はい。それはあらゆる機会を捉えて、これからもそうした市町村の思いは届けていかなければいけないと思います。特に、この保育料の無償化の議論が急に本県の中でも広がってきた背景には、それは今の政権与党の側の政権公約が影響しているわけです。それで、その政権公約の中で高校生の授業料の無償化と引換えに、幼児教育の無償化をやるんだと、これを国民への約束として打出されたわけです。それで、こういうようなことが影響して、国が今もうやると言ってんだから、さっさと我々もやるべきだという議論がにわかに高まってきたのが圧力になっております。ですから、本来は、国がそうしたいろんな経緯もありますので、この点についてはしっかりと責任を持って全国等しくやるべき制度として、子育て世代を応援するのは何処どこ県だから、何処どこ市だからということじゃないはずでありますので、それは全国の制度としてやるべきだというのが筋論だと思います。私もそう思います。しかし、現実問題、今なかなかそこまで踏込んできていない、進まない、ただ、いずれはやると国は言っている。今でも言っているわけです。それで、そういう環境の中で、我々も言わば時代の先取りとして第3子以降の無償化には踏切れるんではないかというふうに考えたところであり、多くのかたがたのご賛同を得て、先の統一地方選挙でも県民のご理解とご支援をいただいたと思っております。
現実問題として鳥取県は、実は小児医療費の助成制度にしても、この保育料の制度にしても全国の先手を取ってやってきたと言いますか、子育て支援に重点投資をしてきたわけですね。これは事実としてそうなんです。選挙の際には子育て支援に冷たいとかいう、対立候補もいましたけれども、現実には鳥取県は圧倒的に、今、子育て支援に重点投資をしてきたわけでありまして、例えば中山間地の保育料無償化とか、そうでなくても第3子は従来でも3分の2を助成する、3分の1負担でいいという制度まで持ってきていたわけです。それで国の制度も入れながらなんですけど、それに大分上乗せをしてそうした独自の保育料助成をやってきました。ですから、差額でいうと3億2,000万円余りで済むということになるわけでございます。
また、高校生までの医療費助成についても中学卒業まで私どもが対象とした医療費助成を組んできました。従いまして、あと一歩なんですね、それで中学から高校までのこの医療費の額を考えますと、幼児期とかと違いまして、現実問題としては、費用は幼児期程はかからないんですね、同じ1年、1年とっても。ご自分の身の回りでも考えていただけたらと思うんですが、ある程度大きくなりますと医者にかかる回数も減ったりということになります。そんなようなことで、高校生まで増やしたとしても7,000万円とか、要は1億円いかない数千万円程度の範囲内の継ぎ足しで済む。ですから、決して手に届かないところではないと、これまで子育て支援策を全都道府県に先駆けてやってきた鳥取県だからこそ、もう一歩踏み込めば、ここで全国トップの支援策を打てるというふうに判断をしたわけでありまして、この点について市町村もご理解をいただけたんだと思っております。今、地方創生ということが言われて、移住定住だとか、若い世代の幸せがキーになってくると思います。その意味で子育て応援っていうのは、一番のコアになる部分だろうと思います。従いまして、ここに重点投資をしていくというのが地方創生のあり方ではないかと思います。
来たる23日の岡山市で開かれます日本創生のための次世代応援知事会におきましても、これも12人の知事が集まって話をさせていただきますが、私の方からもこういう保育料のことだとか、小児医療費のことをご紹介申し上げてどんどんそういう先導的な政策をやっていこうと、それでそれについて国の応援なり、国の制度の導入を求めていこうと、併せてペナルティ制度、国民健康保険のペナルティ制度の廃止を求めていこうと、こうしたことなどをしっかりと主張をしてまいりたいと思います。また、6月県議会で議会側にもお諮りを申し上げますが、県としての国への要請活動の中にも、国として本来公約をしていたわけでありますから、こういう子育て支援策について、特に保育料というようなことについて、国としてちゃんと無償化を図っていくべきではないかと、そのことは我々の要望活動の中でも入れていく必要があると認識しています。
○日本経済新聞 舩越純一 記者
じゃあ、すみません。事業承継の支援センターの件について聞かせてください。事業承継は鳥取県において非常に重要な課題っていうことで、金融機関はこれまでずっと一生懸命やってきたものであります。それで、今回県が支援センターを作るということで、今までの状況から何が変わるか、何を変えたいか、知事として今思っているところ、あるいはこういうふうに進めていきたいっていうお考えがあったら聞かせてください。
●知事
結局ですね、今までは自主的に清算をしてしまうということが往々にしてあったわけですね。商店街が典型的なわけでありますけども、シャッター街と言われるところは基本的にはそういうことでありまして、事業をやっていたお父さんがいたわけでありますが、そのお父さんが、もう自分の代でもうええわと、そこそこお金は残ったし、今辞めれば誰にも迷惑かけんということで辞めちゃうわけですね。これが商店街がシャッターが閉まってくる要因になる。さらにもったいないのはその中小企業でも技術を持っているところがありますよね。それで、物づくりでもいい技術を持っているようなところが自主的に辞めてしまう。こういうことは、やはり避けなければならない。これは、今、舩越さんがおっしゃるように、金融機関として問題意識を持っているわけでございまして、こういうことで融資先が勝手に辞めてしまうということになりますと、結局、貸出先メリットがなくなりますんで、金融機関もかねて問題意識を持っていた、経済界も問題意識を持っていた。ですから、我々としても、これも経産業政策として単に企業立地の支援をするとか、既存の中小企業さんが事業拡張するときの投資支援をするとか、そういうことに留まらず、そもそも事業自体が続いていくこと、代替わりをしても大丈夫なようにすること、これは行政課題として正面から取り上げるべきではないかと、これが我々の認識でございました。
いろいろとやりかたを探ったわけでありますが、1つは国がそのデータベースを作りまして、こういう事業承継の場合などに活用できるような、人材バンクのデータベースを作ってくる。じゃあ、これを活用して事業承継の中で役立てていけないだろうか、地元で人材がいないんであれば、他所からIターン、Jターン、Uターンで帰って来ていただく、そういう人材にあたってもらえばいいじゃないかということがあります。また、ご家族のなかでも事業承継をしていくにあたりまして、例えば次の事業展開としてこんなことをしたいと、若旦那さんは考えたりするわけですよね、得てして。現に事業承継がなされたようなときで代替わりをすると新ジャンルへ出ていったりします。それで、こうしたことをスムーズに応援をしたり、それからいろいろと法的な関係で難しいことがあります。今でも中小企業などで支援税制で、いろんなそういう事業承継絡みの資産承継の税制特例もありますけども、そうした事ほど左様に非常に厄介な法律関係などもあります。そういうところのカウンセリングをする必要があるとか、こうしたことなど事業承継と一口に言っても、いろいろと解いていかないと一つひとつの企業さんの事業のスムーズな移行ができないということになります。ですから、丁寧に支援する体制をということで14名ですかね、最終的にはそういう支援の体制を組んで、言わば手厚い助成によって事業承継を全県的に応援をしてまいりたいと考えております。これについては商工団体あるいは金融機関ともネットワークを張って、連携した取組みをすることで実効性を上げてまいりたいと思っております。
○日本海新聞 井上昌之 記者
すいません。ちょっとドクターヘリのことでお伺いしたいんですけども、知事選の公約でもドクターヘリの導入に向けた検討という項目が入っておりましたけども、6月補正でもおそらくそういう組織の立ち上げというような予算も今検討中じゃないかと思うんですけどね、そもそも鳥取県は関西広域連合を通じて、京都、兵庫と一緒に豊岡病院のドクターヘリの恩恵を受けていたわけなんですけども、あと、この前から中国知事会でも島根県との連携というかたちで島根からもドクターヘリが入ってきます。そういったなかで、もちろん自前で持っているのが一番いいんでしょうけども、あえてまた単独で持たなければならないという、その辺の理由をちょっとご説明いただけないかなと思います。
●知事
これについては、これまで経緯から申し上げなければいけないかなと思いますが、実は鳥取県独自でドクターヘリを持ってもいいではないかという検討もしておったわけですね、そういうなかで、兵庫県、京都府と一緒になりまして、関西広域連合としてドクターヘリを運用する、その広域的な仕組みのなかで、県内をカバーするという構想が生まれてきまして、ドクターヘリの運用にはそれ相当のお金もかかるわけでありますから、兵庫県や京都府の北部の方の、言わば人口の薄いところと併せて、鳥取県も一緒にカバーすることで、実を上げていこうということにさせていただいたわけです。ただ、そのときの議論として、特に鳥取県西部の方を中心としてドクターヘリがそうした共同運用ではなくて、単独導入をすべきではないかという議論もありました。それで、議会でもそうした議論のなかで私の方からもご答弁申仕上げておりましたけれども、ドクターヘリを独自に導入しないということを決めるべきではないと、これについては、例えばヘリポートの課題であるとか、そうしたことなどを今後も検証したりしながら、引き続き俎上にのせていきますということを約束を申し上げておりました。
実は、非常に手間取っていたのは鳥取大学医学部にヘリポートを造ることでありまして、これはいろんな経緯があって、若干行ったり来たりしたわけでありますが、これがようやく整備が叶いました。実現しました。そこで今、鳥取大学医学部の方とも協議をさせていただいておりますが、これを活用した独自のドクターヘリ運用についての考えを相談をさせていただいておりますけども、大学側も前向きに捉えていらっしゃいます。そういうことで協力が得られるんであれば可能性が広がるかなということであります。命にはお金に代えられないものがありますので、そういう意味では助かる命があるならば助けることを考える、出来るだけリーズナブルなかたちで実現をしていく、それが道筋だというふうに思います。従いまして、これから具体的な検討をしなければなりません。6月県議会に提案する予算のなかでもおそらく100万円弱という予算になるかと思いますけども、90万円とかそういう予算になるかと思いますが、検討経費を計上させていただいて、例えば医師会関係者であるとか、地域のご関係のかたとか、もちろん大学当局などにも入っていただいて、このドクターヘリの利害得失、それから現実可能であるとすればどんな方式があるのか、この辺も検討の俎上に乗せた上で広く県民の皆さまのご意見も伺いながら最終的な判断をしていく必要があると思っております。
導入の方式も、関西広域連合に位置付ける方式も考えられます。これによって出動経費を割勘にしていくというようなやりかたですね。場合によっては、但馬とか、そうしたところに入っていくこともあるかもしれません。また、地理的な関係からしますと、島根県の出雲のヘリポートから飛んでいくよりも安来あたりですと、米子から飛んだ方が遥かに近いことになります。事ほど左様に県境接しておりますので、今、島根のお世話になって鳥取県内の患者さんを救出をしていただいているのと同様に、あるいは、おそらく実態としては、かえって数が多くなるぐらい、鳥取側のヘリコプターを可能性も出てこようかと思います。これについても、鳥取島根両県を含めた中国五県では出動実態に合わせた経費分担ということをする申し合わせになっていまして、このようなことでいろいろと経費負担についても関係先ともよく協議をしていってリーズナブルなかたちも見出せる可能性もあるということではないかと思っております。いずれにいたしましても、医療の高度化が進むなかで周辺の中山間地などで、なお医療水準的には厳しさのあるところ、それを地域の3次救急病院にすぐに持っていく、そういう可能性は大事でありまして、私どもとしてもその可能性を検討する責務があると思います。まずは検討予算を6月補正で考えたいと思います。
○日本海新聞 井上昌之 記者
分かりました。ドクターヘリ、これ、もちろんこれから検討の俎上にのぼるということですんで、いろんな有識者のかたも含めて検討されるんだと思うんですけども、そもそもやっぱり億単位でランニングコストが必要というのが、やはりこの小さな鳥取県にとって大きな財政負担になるという、そういうも議論も過去あったと思います。命はお金に換えられないという知事おっしゃることもよく分かるんですけども、ただ、実際鳥取大学医学部附属病院がドクターヘリをやってもいいよと、できるんだよと、そういう体制が整ったことが1つの今回、こういう議論の俎上にあげてきた大きなきっかけになったと、そういうことでよろしいんでしょうか。
●知事
ええ。おっしゃるとおりでありまして、当時から要は関西広域連合の方での公益的なドクターヘリ運用の議論を提起した当時の議会の頃から申し上げているんですが、さはさりながらその県内でそういうドクターヘリを運用できる基幹的な病院があるだろうかというのもまた申し上げていたわけでありますが、その点について、ヘリポートの併設も合わせて鳥取大学附属病院内の救急医療体制が向上したこともあり、体制整備が進んだというのは大きな要因であります。それで、あとはそのお金のこと、利害得失のこともあるわけでありまして、その辺は冷静になお検討する必要があるということであります。
○山陰放送 秦卓史 記者
すいません。ガイナーレ鳥取についてお聞きします。昨日ガイナーレ鳥取の方がパートナーシップを結んだ企業が発表になり、多額の資金がガイナーレに、SC鳥取の方に投入されるということになりました。知事はSC鳥取がJリーグ今期昇格を断念したことから昨日までの動き、どういうふうにご覧になっておられますでしょうか。県としては今後、ガイナーレ、SC鳥取に対する支援というのはどういうスタンスで臨むというふうにお考えでしょうか。
●知事
ガイナーレ鳥取は、山陰全体にとっても大切なチームであろうかと思います。それで県民サポーターの皆さまの熱いご支援もあり、このチームが活躍することを地域の元気につなげてきた面は確かにあったと思っております。ですから、県としても相応のご支援をさせていただくということで、これまでもやってまいりまして、時に出資をしたこともございました。また県事業、例えば健康づくりであるとか、青少年の健全育成であるとか、そうした事業にご協力いただくということや、あるいは観光等のPR、そうしたことの効果を考えながら我々としても委託事業などを展開をして、球団、SC鳥取、ガイナーレ鳥取のチーム運営を支えてくる役割も果たしてきたと思います。今回ですね、J2昇格を断念せざるを得なかったというのは、数字としては分かるわけではありますけれども、ただ、支援をさせていただいてきた県としては、非常に残念であり、切ないものがあるかなと思っておりました。もっと早く動きをすれば、昨年の債務超過の事態を何とか回避をすべきときに回避できたかもしれない。これはたらればであって、今更申し上げることじゃないですけども、そういうときにもっときちんと動いてもらえれば、もうそれこそサポーターの皆さんも含めていろんな手立てがあったんではないかなと思いますと、今好調なガイナーレのチーム成績だけに残念な気持ちはなお残ります。
しかし、ガイナーレ側もその後、経営努力をしようと、J2さらには岡野雅行ジェネラルマネージャーがJ1の話までするぐらいですね、まだまだ燃えておられます。それでそうした情熱の末にこの度、そういうスポンサー会社を見つけてきて、これからの例えばチケット販売とかチームの運営にアドバイスもされるということになったのは、評価をさせていただきたいと思います。ただ、サポーターや県民が望んでいるのは、本当に立ち直ることでありまして、今回のこのスポンサー企業の決定が最初のエンジンをかける役割を果たしていただいて、チームの再建、さらにはJ2昇格、そして岡野雅行ジェネラルマネージャーが言うように、J2からJ1へ上がれるだけのチーム力、こういうものが本当で築かれてくる、これを切に望みたいと思います。そういうような経営努力なり、チームの動きがあれば、我々としても新年度以降、県としての応分の支援制度についても検討をさせていただきたいと思います。
○山陰放送 秦卓史 記者
それはガイナーレ側の努力をみて、県としては新たな支援策というのも考える余地があるんだよということですか。
●知事
相応のって言いました。相応の。ですから、今までも相応の支援策をさせていただいておりますが、そうした相応の支援について今後も講じていくことは検討し得るということであります。ただ、その前提として、ガイナーレが立ち直っていく道筋が、やはり多くのサポーターや県民の皆さまに納得を得られるかたちで、示されなければなりませんし、一定のやっぱり結果が出てこないといけないと思います。例えばチームがもうこのままなくなってしまうんじゃないかとかいうことも言われたわけでありまして、そうなるともう県としての支援のやりようがないと、我々も県民に対する説明の責任を果たしようがないということになりますので、まずはチームの努力や結果を出していくこと、これが必要だということです。
○山陰放送 秦卓史 記者
チーム自体がなくなっていくという可能性については、まだ危ぶむ声もまだあるわけですけれども、県としてはチームがなくなること自体は避けたい、そこに対しても何か手を入れていくというようなことはお考えなんでしょうか。
●知事
私は、昨日[13日]の記者会見を拝見させていただきますと、ニュースでしか見ておりませんが、記者会見を見ておった感じではもう、やっぱりチームとしてそこはやっていくんだと。それで、それについて行政が支援しなければチームは残らないということではなかったと思います。ですから、ガイナーレ側の努力、これに期待をしたいと思います。
○毎日新聞 真下信幸 記者
倉吉の乳児の殺害の件なんですけども、6月で、補正予算で緊急に経費を計上するということだったんですけれども、そのチラシだったりPRグッズ、その内容だったりとか、啓発の対象となるところをもう少しお聞かせていただきたいのと、あと、予算の規模としてはどれぐらいになるのかなということ。
●知事
この辺は今、精査をしたいと思いますし、正に対策会議も市やそれから警察、それから教育関係、その辺も入れてさせていただいて議論していただくことにいたしております。やはり今回は、だから実は4月の17日かどっかだったと思いますけど、要は3ヶ月健診のときまではフォローできているわけですよね、それが連休の最中にああいうことになっているわけでありまして、非常に見出しにくかったと。それで、実は関係者はご想像に難くないと思いますが、若年夫婦でいらっしゃいますので、ですからそれについてはやっぱり注意する対象というふうには捉えていたわけでありまして、現にそういうかたちで度々訪問もしていたということもありました。ただ、こう見出しにくかったということになったわけでありまして、もちろんネットワークを強化するとか、それからこちらの体制強化のこともそれも図っていくわけでありますが、それだけでは解決できない部分があると、それは心の問題だと思いますね。やはり生まれ出ずる命があって、それが非常に人間の場合は特に他の動物で言うと未熟児の状態で生まれてくるというふうに言われます。だから、頭がい骨も含めて骨格も弱い、さらに1人立ちして歩くことはできないわけですね、牛や馬だったらすぐに生まれたときから立つことをするわけでありますが、それすらできない。言わばそういうか弱い存在としてあるわけでありまして、そういう赤ちゃんの特性と言いますか、命の大切さと言いますか、そうしたことに対する基本的なこう、理解や納得がやっぱりあった上で、そういう夫婦生活を、家族生活を営んでいただかなければならないわけです。
この辺は、今までも人権教育だとか、鳥取県の場合赤ちゃん学校、赤ちゃん登校日を設けるとか、そうしたことなどのご支援などもこれまでもやってきたりしておりますけども、やはりそうした中学、高校の段階、学校教育の段階からそうしたことになお一層のPRを強化する必要があるかなというのが1つです。また、同じような視点でそういう赤ちゃんの特性とか、それから命の大切さ、これは当たり前のことですけども、それを、母子手帳を交付するような段階から若いご夫婦にも手にとって両親で共有してもらうということが必要であろうかと思います。こういうことは物を作る部分が入りますので、予算が要りますから、これについては早速計上をさせていただきたいと思います。その他、その体制づくりだとかソフト面のこと、これらは予算、既定予算で動く部分がありますので、そうした対策も含めて関係者と知恵を総合してまいりたいと思っています。
○時事通信 平野実季 記者
すいません。財政再建のことについてなんですけど、先程とにかく地方の金を減らしてしまえではなく、国の庭先で考えてというふうにおっしゃられたと思うんですけども、知事の指すその国の庭先でというのはどういった部分かというのがもし具体的にあれば。
●知事
はい。行財政改革、黒字のプライマリーバランスを考えるとき、今、議論になっているのは地方の方はまだ国の財政よりもプライマリーバランスがいいじゃないかという議論です。しかし、それはその地方側がプライマリーバランスを取ろうと努力をしてきたからでありまして、鳥取県で言えば私の2期目のときは、予算の黒字、プライマリーバランスを公約させていただいたわけです。現にそれを各年で実現してきました。そのため努力もしているわけです。そういうのはそれぞれの財政主体が基本的には解決をしていかなければならないわけでありますが、今回、地方の方がプライマリーバランスがまだましだから、そちらの方にしわ寄せをして地方の財源を取ってしまえというのが、乱暴な議論が出ているわけですね。それはさすがに行き過ぎた議論だろうと。それで、やはり国のレベルの中でそれらがやはり解決をしていただかなきゃならないと思いますし、特にその交付税を初めとした地方に対する財源保障の部分、これは地方側から言いますと、これは国・地方の共有財源というふうに我々は考えているわけですね。それを便宜上、国税を取っているものですから、それを分けて地方側が分与されているというふうに我々は考えているわけでありますが、そうしたものの本質を失わないように地方財政についても配慮をしながら、今回の財政改革、財政再建を進めていただきたい、考えていただきたいということです。決して国の財政再建に協力しないというわけではないんですけども、それをその地方の財源を取ることで、それで解決をしようというのは短兵急過ぎるのではないかなと思います。
○時事通信 平野実季 記者
その他ありませんでしょうか。
○日本海新聞 井上昌之 記者
すいません。スタバが今度来るということで、今日知事も新しいスタバが来るなら勝手にスナバというギャグも披露されたところなんですけど、今後もスナバ、全国的に知事有名になりましたけど、スナバのギャグで。今後もスナバ、スタバというのはいろんなところで発信していかれるということか、お願いします。
●知事
別にこれに限らず分かりやすいかたちで鳥取県のPRはしていかなきゃいけないと思います。やっぱり県民の皆さまも鳥取はいいところだけど、なかなか中央のメディアが扱ってくれないというもどかしさを覚えておられました。その意味でスターバックスコーヒージャパンさんにはある意味感謝をするところでございまして、最後にしてくれたが故に梨の王国だからこそなしが光ったということでありまして、鳥取県がないことがむしろ売りになるという地域モデルを作ることができ、これはたぶん全国の人が共感してくれたんだと思います。そんな意味で今回、スターバックスコーヒージャパンさんが来られるわけでありますが、私どもとしても砂丘という鳥取県最大の観光地の1つでありますので、そういうところをPRする、そういう起爆剤として活用させていただければと思います。結局、いろいろポスターを作ったり、また理屈を並べて鳥取県の素晴らしさを訴えても、それだけでも全国の人の口の端には上らないところがありますので、分かりやすいかたちで鳥取の良さを納得してもらえればと思っております。
22 鳥取商工会議所による「重点プロジェクト」提言をうけて
○山陰放送 秦卓史 記者
すいません。砂丘に関してですが、一昨日、商工会議所、鳥取の商工会議所の方からプロジェクトの提案というか説明が知事の方にもあったと思いますが、その中にも巨大な砂時計を作るというようなプロジェクトの説明がありました。砂丘に関してこういうような砂時計を作ってみてはどうかというような、砂時計を巨大なものを作ってみてはどうかというようなプロジェクトについてはどのようにお考えでしょうか。
●知事
この間のは、ちょっとどういう説明をされたか分かんない、私がこの間、商工会議所から伺ったところでは、駅前の広場に、風紋広場のところというふうに聞こえたと思うんですが、そこに砂時計を作ろうということでありましたが、あそこは市に管理を完全に今、任せているところでございまして、市の事業だろうなと思って聞いていたところです。ただ、あのときも申し上げましたけれども、例えばモニュメントを作るときの助成制度で日本全国の制度ですけど、宝くじ助成という制度があったりしますので、そうしたことのあっせんなどいろいろ我々でもお手伝いができるかなと思いましたが、その辺はまちの中で議論して考えていただく部分かなと思っておりました。
○山陰放送 秦卓史 記者
知事のスナバ、スタバのギャグについては、非常にこうソフトで、ソフトの政策というかパフォーマンスでありながら非常に効果のあったものですけれども、今回のようなハードを作っていく、鳥取市の予算かもしれませんけども、ハードを作っていく、それで人を呼んだり、引き付けていこうということに関しては、非常に慎重な姿勢も求められると思うんですが、例えば山陰で言うと巨大な砂時計というのは他の自治体もありまして、できた当初よりは非常に今入館者の方は減っているという状況もあります。その中で、この巨大な砂時計というのはやはり効果はあるというふうにはお感じになりますでしょうか。
●知事
それはやっぱり地元市の方で検証をされるべきものだと思いますし、また、実施主体もよく分かりませんから、商工会議所さんの方のお考えなのかもしれませんし。その辺はこれから議論を民主的に堂々と透明性をもって議論してもらえればいいと思います。この間は6つぐらいですかね、たくさんのアイデアを持ってこられまして、どれもこれもということなのか、どれかというのかちょっとそこはよく分かりません。私どもは正直美術館の問題を持ってこられましたので、そこでおっとなったわけでありますが、その美術館のことは鳥取県としてこれは正面から捉えなければならないと思っております。つい先立って、公表されたように例えば光の塔を砂丘で作られる、言わばソフト系の事業でありますけども、そうしたいろんなこう、実験的なことはやっていく値打ちはあるんだろうなと思います。お金をたくさんかければお客さんが来るかどうかというのは、そこは一種のリスクが伴うところがありますので、ある程度ソフトな発信というのも大事かなとは思います。いずれにいたしましても本件については地元の市の方で、市の広場の中の話でございますので、よくご検討をいただければと思っております。
○時事通信 平野実季 記者
その他ありますでしょうか。では終わります。ありがとうございました。
●知事
ありがとうございました。