●知事
皆さま、おはようございます。なでしこジャパンが[サッカー女子ワールドカップ]決勝に進出をするということで、皆さんも落ち着いて記者会見に臨まれたのではないかというふうに思います。宮間[あや]選手の最初のゴールも見事なものでありましたが、オウンゴールによりまして、幸運にも勝ちを拾ったということかなと思いますが、日頃の練習の成果だと思います。そして、日本全国でサポーターが応援をしている、その表れがゴールに決まったのではないかなというふうに思います。なお一層の活躍を目指して、連覇を目指してやっていただければと考えております。
さて、ちょっと残念な事件がございました。それは、私どものいわば観光、それから鳥取県の自然のシンボルであります鳥取砂丘におきまして、900本に及ぶ花火のくずが放置をされていた。それは、その鳥取砂丘で発射をされたということでございました。実は、日本一の鳥取砂丘を守り育てる条例の第10条におきまして、こうした打ち上げ花火は禁止をされておりますし、また、不法投棄、ごみの投棄も禁止をされております。いずれも罰則もある措置でございまして、こういう条例違反の事象が発生をしたということであります。また、これは廃棄物[の]処理[及び清掃]に関する法律、廃掃法の中でも禁止をされておりますし、さらに言えば、自然公園法にも違反をするということでございました。私どもとしては鳥取砂丘の清掃事業をこの夏もやっておりますし、除草作業も行っているところでありまして、こういうようなモラルに反する行為はぜひやめていただきたいと思います。
しかしながら、今朝、私の方にも[鳥取砂丘]事務所の方から連絡がございましたが、鳥取砂丘事務所に出勤前から謝罪に現れた男性2人がおられたということでございまして、本人とそれからお兄さんがそれに付き添うかたちで現れたということでございました。心からの謝罪があったということでありますし、こうしたことはしないという意味の始末書と言いますか、そうしたやり取りもございました。私ども以外にも環境省や警察の方にも同様の趣旨の話があったということでございまして、この事件自体は一つの決着を見たと思います。どういうふうにこれから対処するかということについては、関係機関とも相談しながらということでありますが、今20代のまだ若い男性がその花火の発射と放置に及んだということでございまして、厳しく私どもとしてはものを申し上げ、指導していかなければなりませんけれども、実際に条例上の処分等をどうするかについては、また、関係機関とも話し合っていくということになろうかと思います。
大切なのは、美しい自然を守り育てていくということであろうかと思います。鳥取砂丘は世界的にも類を見ないところでございまして、砂漠の緑化をするのが常でありますが、砂漠の緑化を防ぐために我々は汗水たらして保護しようとしておるわけでございます。また、鳥取県の自然のシンボル、日本の自然のシンボルとして、世界ジオパークにもその認定をされているわけでありまして、認定の決め手の一つにもなっているところであります。我々としても、今後、こういうような事態が発生しないように呼びかけを強めていきたいと思います。花火のシーズンではあるんですけれども、そういう花火はしてはいけない、不法な投棄もいけません、そうしたことの呼びかけの強化をしてまいりたいと思います。また、併せて市内での花火を量販している量販店さん等にもこの条例の趣旨は周知をさせていただくことにしようといたしております。今後、私どもとしてそうした監視をするというか、モニターをするというか、別に何と言いますか、細かいところをいちいち調べようという趣旨ではなくて、どちらかというと幅広く大きな問題がないことを担保しようという程度の趣旨ではありますけども、監視用のカメラを設置するなど、そうした今後の措置についても検討するように指示をしているところでございます。いずれにいたしましても、今回の事件は急きょ、今朝、落着をいたしましたが、これから未来に向けてすばらしい砂丘の自然が保護されるように、日本全国、世界のかたがたに呼びかけをさせていただきたいと思います。
●知事
この度、6月[定例]県議会が閉会をいたしました。この県議会は私とそれから県議[会議員]の皆さんが新しい任期をスタートさせる、そのスタートの県議会ということになりました。70のチャレンジ項目を県民の皆さまとの約束事項として掲げさせていただきましたが、そのうちの67の項目につきまして、全て着手をさせていただき、議会の方でも可決をしていただきました。これから力強くスタートを切らなければならないと思います。199億3,300万円の補正予算でございますけれども、その中にはいくつかの重要な進展もあったと思います。例えば、小児医療費の助成事業を高校生まで広げていく、これを市町村の賛同を得まして提案をさせていただきましたが、市町村も全て新年度から向かうという方向になりました。これについては1,000万[円]ほど、1,100万[円]ほどの予算を計上させていただきましたけれども、早速そのシステム構築に向けた補助制度の要綱などをお知らせをしていく手続きに入りたいと思っております。
また、第3子以降の保育料の無料化つきましても3億2,000万円余りの予算が成立をいたしましたが、これも9月からの実施ということになります。日取りはそんなに多く残されていませんが、これまでもだいぶん議論は続けてまいりましたので、市町村の方にも準備をしていただき、とりかかることになろうと思います。これらによりまして全国でも最先端の子育て対策が出来上がるということになります。その他にも、例えば女性が輝く社会参画を支える事業でありますとか、そうしたことも計上されておりましたけれども、この度そのためのチャレンジをする企業3社が認定をされたところであり、スタートが切られたところでございました。また正規社員を増やしていく、1万人の雇用を進めていく。これに向けても具体的な事業を展開をしていくことになります。そのための予算として30万円の正規社員への転換事業、あるいは中小企業での100万円の正規社員の採用事業等々いくつかそうした関連の予算も設けさせていただいたところでありますが、こうしたことなど、これから4年間に向けたスタートを切らさせていただけたと思います。
併せまして、そのエンジンをかけるという意味で元気づくり総本部を昨日立ち上げたところでございまして、早速その総本部を結成したことに伴いまして全庁的な庁議も開催させていただきました。各部局長幹部にも示達をさせていただきましたが、ぜひ、この県庁の中に閉じこもっているんではなくて県民の間、それから企業さん、団体、市町村、そうしたところへ出て行っていろんな話をしていただきまして、この夏が大きな山になりますので、未来に向けて礎を築くための重要な期間というふうに考えていただきまして、今こそコミュニケーションを取り、地方創生の総合戦略、その取りまとめにあたってもらうように指示をさせていただいたとことでございます。
3 国の「骨太の方針」「創生基本方針」の閣議決定の影響等
●知事
こうした本県の6月県議会に始まりました動きがありますが、国の方でも大きな動きがこのほど相次ぎました。1つは骨太の方針でございまして、これが6月30日に出されたところでございます。平成30年度にプライマリーバランスマイナス1%、マイナス1%対GDP比ということで、それを目標にということになるわけでございます。それ自体は悪いことではないわけであますが、地方の実情によく配慮していただく必要があろうかと思います。今回の方針の中では、地方財政については今年度[平成27年度]よりも一般財源総額を減らすことがないようにしていくというそうした趣旨の方向性は示されたところでありますが、片方で今議論をされておりますのが交付税の別枠加算等々の特例措置の見直しであります。これらは地方の実情を損なうことがないようにそれぞれの行政サービスの提供等に支障がないように、慎重に政府において検討される必要があると思います。
また、併せまして、まち・ひと・しごと創生基本方針2015が示されたところでございます。この中で考え方として出されておりますのは、それはローカル・アベノミクスをきちんと届くようにさせていくこと、あるいは人口減少に歯止めをかけていくこと、地域の衰退に歯止めをかけていくといったことでございます。こうしたことに向けまして、その指針が示されたところでありますが、CCRC[高齢者が移り住み、健康時から介護・医療が必要となる時期まで継続的なケアや生活支援サービス等を受けながら生涯学習や社会活動等に参加するような共同体]と言われる高齢者のかたが人生を全うできる豊かな暮らしをおくれるような、それを若いかたがたや地域でのボランティア活動などそうしたことなどを交えながら過ごせるようなそういう新しい仕組みを我が国内で作ろうではないか、こんな具体的な事業が示されております。
また、DMO[Destination Marketing/Management Organization]と言われるような観光関連のそうした新しい組織体制、これも示されているところでございます。これらにつきまして、例えばCCRCで言えば、南部町さんや湯梨浜町さんを初めとして具体的に大きく関心を寄せておられる地域もありまして、そうした動きを応援するモデル事業を先の6月議会で成立をさせたところでございまして、県としてもこうしたことをやっている会社とのコミュニケーションを図ったり、それから地元でのアイデアづくりを応援したり、我々も促進を図ってまいたいと思います。また、他方で国の方で配慮するべき制度的な枠組みなども訴えかけていかなければならないと思います。また、DMOつきましては、梨の花温泉郷のように、あるいは大山や皆生のツアーデスクのように、すでにその萌芽として仕事を始められているところもありまして、そうしたところのバージョンアップが一つ想定されるかなと思いますし、教育旅行につきまして、この度全県的な組織を立ち上げました。南信州の観光公社がございます。ここではそうした教育旅行の受け入れ、それから民泊の促進ということでツアーデスクの役割を果たし、言わば観光業を行っています。そうしたところを参考にさせていただきながら、この教育旅行についてのDMO的な発展を目指す。それも1つの方向性かなと思っております。関係先にはその辺を協議をさせ始めていただきました。
●知事
今、そのようにまち・ひと・しごとの関係で基本方針が出されましたけれども、それをフォローアップをしながら鳥取県独自のスピーディな取組みを図ってまいりたいと考えているところでございます。そういう地方創生を果たしていくために、1つには県内の産業活力だとか、雇用というものの充実を図らなければなりません。来週の9日にササヤマ、株式会社ササヤマ、これは本県鳥取市に所在する企業さんでいらっしゃいます。金型の精密なものを造りまして、例えば、テレビ用の部品を造るとか、これまでも好調に操業をされてきたところでございます。この株式会社ササヤマが来週9日に私どもと調印式をしていただく運びとなりました。それは中堅のメーカーとも協調をしながら自動車部品に進出をしようと、業容を拡張しようというものでありまして、そういう自動車部品の新しい業態に対応できる施設を整備していこうということであります。
具体的には鳥取市[河原町]の布袋にそうした新工場を増設を、造ろうではないかということでございまして、30億円以上の投資規模ということになろうかと、11億円規模の投資規模になろうかと思います。雇用も30人以上が見込まれようかというふうにお話を伺っているところでございます。県としては、地元の企業が自分のところで持っている優良な技術を活かして、それで新しい業態でチャレンジをしていく、そういう積極的な展開を図っていく、そういうところを応援する、ニッチトップ事業というのをやっておりますが、このニッチトップ事業にこの株式会社ササヤマも認定に値すると考えております。そうなりますと40%の特別優遇支援ということになろうかと思います。こういうようなかたちで地元企業の新規分野への進出など、今後も後押しをしてまいりたいと考えております。
●知事
また、海外の観光マーケット、これを捉えていく必要がありますし、物産等でも外に向かっていく必要があります。そういう意味でヨーロッパの方に働きかけを強めようという意味で、今日[7月2日]から5日まででありますが、ジャパンエキスポ[2015]がフランスパリで開かれているところに、本県としても展示ブースを造り、それからそこにありますレストラン等も活用しながら鳥取県の食材など、そうした魅力を訴えていく、そうしたイベントを展開することにいたしております。私自身も4日の日にそちらの方のステージで、このイベントに参画をさせていただくことにいたしております。これは漫画アニメの興味などクールジャパンがテーマのイベントでございまして、そういう意味で鳥取県、谷口ジロー先生というフランスで非常に人気のある漫画家がいらっしゃいますし、その他にもゲゲゲの鬼太郎やあるいは名探偵コナン、こうした海外でも人気のある作品もございまして、そうしたことを手掛りにして、例えば最近話題のピンクのカレーや醤油、また、ネギマンのラーメンが今度はコラボ商品として出来ました。そうしたものだとか、あるいはさまざまな工芸関係なども含めてあちらの方でアピールをしてまいりたいと思います。
さらに今、ミラノで万博が開かれているわけでございますけども、これにも私どもの方で6日の日にステージイベントをさせていただく。また、7月の5日~9日までジャパンサローネという、そういうイベントを、これ、日本としても展開をしていまして、これはスッテリーニ宮殿でございますけども、そういうところで行われるイベントに、例えば鳥取の和紙工芸だとか、それからお酒だとか、そうしたもの、さらにはスイカを初めとした今の旬のものがございますし、そこに鬼太郎とか、コナンだとか、そうしたキャラクターも登場させる、そんなことで今ちょっとイベント展開をさせていただこうとしております。このイタリアミラノの場合は県内企業の[株式会社]バルコスさんがこの度コインという現地の有力百貨店に展開をすることになりまして、それがオープンをしたという時期でもございます。そうしたこともイタリアでアピールをし、万国博覧会でありますので世界に向かって声を挙げてまいりたいと思います。
また、本日はアメリカの総領事館が主催で大阪におきましてアメリカ合衆国独立記念日の式典が開催されますが、地方団体代表として私の方からスピーチをするように仰せつかりまして、そちらの方にも行き、アメリカと本県との例えばバーモントを初めとした友好交流関係について訴えかけ、鳥取の魅力を訴えかけをさせていただきたいと思っております。
●知事
いよいよ12時ごろ入港ということでございますが、クァンタム・オブ・ザ・シーズという豪華客船が境港に接岸をすることになります。今の予約の状況からすると4,700人ぐらい乗っておられるんではないかと言われております。これ、実際ちょっと蓋を開けてみないと分からないのが常なんですけれども、ですから、相当大きな規模であります。お客さんの内訳を船会社の方にお伺いしますと、今回ほとんど中国のかたでありますが、欧米のかたも乗り込んでいらっしゃいます。そうした外国のかたがおそらく鳥取県としては最大規模で受け入れるということになろうかと思います。島根県とも協力をしながら120台のバスを用意しまして、現地でのプログラムツアーであるとか、それからシャトルバス等で支援をさせていただいたり、また、県内でのお買い物等がございますので、そうしたところや、休憩スペースの確保など受け入れのご支援をさせていただくことにいたしました。
今回こういうようなかたちで、クァンタム・オブ・ザ・シーズが来られたわけでありますけども、国際的な情勢の関係もあってだと思いますが、本県の境港への入港予約が相次いで入っていますので、おそらく2万人を超えてくるような規模で今年はお見えになるということになりそうだなと思っています。こんなようなことがございますが、昨年[平成26年]の確定値でも、海外からの宿泊客が4万8,000人を超えました。これは対前年で3割以上の伸びでございまして、鳥取県として海外からのチャーター便だとか、そうしたものを引き込んだりしてきたことの効果が表れてきているかなと思います。これからもこのようなかたちで積極的に海外の観光マーケットも開いていくようにしていきたいと考えております。
●知事
また子どもたちの教育ということで、先般、[鳥取県]総合教育会議の第1回会合を開きました。従来鳥取県は教育振興協約を結びまして、それで教育協働会議という会議を持って有識者も交えた教育委員会と私、知事執行部との協議がなされてきまして、この例を国が丸ごと取ったようなかたちで新制度が発足をしました。第1回を開催させていただきましたけれども、従来との連続性があるものですから非常にスムーズで尚且つかなり白熱し、建設的な議論になったんではないかと思います。私の方から提起をさせていただいたのは、鳥取県として、今特別支援学校の体制が課題になっています。それで、教育委員会側の方の説明で、その辺の強化についての説明が若干乏しい面がございまして、今回の鳥取養護学校の事件についても説明が委員会上、教育総合会議の席上なされなかったものですから、それについて質させていただき、議論をいたしました。
私の方から申し上げたのは、例えば常設的なかたちで看護の取りまとめをするような人が学校にいてもいいんではないだろうかと、そういうことをお互いの間で議論をした上で知事が決定をするという新しい法律の仕組みになっております大綱というものの中で定めてもいいんではないだろうかということです。それ、鳥取県は他県とは1つだけ違いがございまして、中期的なこととそれからその年、その年のこと、それぞれについて大綱をまとめようということで教育委員会と合意をしておりまして、これは、他県は中長期的なことのみおそらくは定めることになるかと思いますので、鳥取県独自のものがあります。それで、その中でそういう特別支援学校を緊急に体制整備することも入れてはいいんではないかと提案をいたしました。教育委員会の方でも引き取って検討してみたいという前向きな話もございまして、これから検討されると思いますが、事程左様に、言わば民意を注入しながら、教育行政というものを活性化させていく、そういう場として総合教育会議を動かし始めたところでございます。
●知事
また、子どもたちの子育てについてでございますけれども、昨日189という、いち早くという語呂で児童虐待についての通報ダイヤルが設定をされました。これもぜひ県民の皆さまにも問題があったときは、お気軽にご相談いただくようにと思います。かかる先は児童相談所でございますので、そうしたところで専門家が対応しますのでご活用をいただければと思います。また、残念な倉吉市の事象では、今検討委員会を発足をさせまして原因の究明に進むことになりましたが、当面は啓発グッズの作成等、こうしたことを6月県議会でも了承を取りましたので、今すぐできることは進めていきたいと思います。原因の究明については、今裁判が進行中ということもありまして、委員会の専門家の皆さんは裁判の状況も横睨みしながら時間をかけて検証が必要というお立場でございまして、原因究明の最終的な結論は先になろうかと思いますけども、今取りかかれることは早めに取りかかっていくということではないかと思っております。
●知事
そういう中で、イクボスであるとか、職場環境を整えようという動きがございました。鳥取県の方でも、知事部局で349名の管理職全員のイクボスの署名を取らせていただきまして、全職員ということになりましたし、また、警察を除きまして、その他のところで合わせて400名程度ですね、イクボスということになりまして、全てこれに参画をするということになりました。具体的な活動も始めておりまして、例えばシートを作って育児の悩みに向き合うとか、それからその他にも自己診断等があったり、それから人事評価にも反映させようということを今、しようとしております。そういう中で会計局の方で、聴くボス[ライン]というシステムを開発をしました。この聴くボス[ライン]というのは、ネット上を、庁内LAN上でのものでございますけれども、職場の上司と職員がいるわけでございますけれども、そこで育児の悩みとか、問題とか状況を共有することができる。そういう意味で聴くボス[ライン]ということでありますけども、そうしたことを気軽に庁内LANを活用してやろうというシステムが出来上がりまして運用が始まりました。これはいい取組みだろうと思いますが、その運用状況を見て、できれば横展開をして全庁的にも広げていければと思います。
こういうような業務改善、今、鳥取県も積極的にやっていまして、改善対象と言われるような全国イベントがございますが、鳥取県もこの度、非常に審査員の絶賛を受けたものもございました。やはり会計局が生み出したシステムでありますけども、会計ナビと言われるシステムとかでございまして、要は、まずQ&Aから始まったわけでありますけども、庁内LANを活用しまして会計事務というのは、もう各所属にまたがるところでありますけども、それを何かこう口伝のようにして勉強したわけでありますが、今風にこういうナビシステムを使ってそれで会計処理を習得できる、実行できると、そういう際物でございまして、これはイノベーションの域を超えるぐらいすごいという評価もいただいたところでございますが、このようなことなど業務改善も図っていければと思っております。
実は昨日[7月1日]から強化月間に入りまして、鳥取県もゆう活に参画をしているわけでございますが、鳥取県の場合は、一律に1時間とかそういうことではなくて、選択の幅もあるかたちで実は平成23年ですか、従来から進めておりまして、その強化月間が昨日から始まりました。いろいろと働き方改革も鳥取県としても取組んでいかなければいけないと考えているところでございます。安全安心の社会を作っていく意味で、国土強靭化を進めるわけでございますが、北条道路がいよいよ高速道路として動き出すことになりまして、先般社整審、社会資本整備の審議会の中国地方小委員会におきまして、その旨の決定がなされたところであります。平成29年度からいよいよ本格的な事業化ということになると期待されているところでございますけども、いよいよ山陰道の最後の県内ミッシングリンクが繋がる見込みとなりましたことは大変喜ばしいことだと思っております。こういうことなど、片方で体制の整備を図っていく、環境の整備を図っていくことが必要でございますが、それと併せて最近もそうした安全に係るような事件も起こっております。
10 島根原発における不適切な事務処理事案の発生等を受けて
●知事
台湾においてカラーパウダーによる爆発事故が、粉塵爆発の事故が起きました。亡くなられたかた、怪我をされたかたが500名以上という大惨事でございまして、これも他山の石として私どもも考えなければいけない部分もあります。夏ですからイベントも多い時期になってきます。県の方からも消防局等にそうした注意喚起をすることとさせていただきました。いろんな意味で安全安心を図っていかなければなりませんが、1つ遺憾に思いましたのは、中国電力において、この度島根原子力発電所であったことでありますが、これは日本原燃の話でございますけども、検査機器のところの校正がなされていなかったと、つまり、きちんと検査ができてないのに、要は虚偽報告をしたというところでございまして、平成22年度の事件を彷彿させるものでございます。中国電力には猛省を求めたいと思いますし、それから、こうしたことが絶対、ないように対策を改めて求めたいと思います。
その発表がありまして、直後に私どもの職員も派遣をしまして、島根の原発サイトの方に行かせたところでございますけれども、今後、鳥取県としても最終的に何らか申し入れを文書でもやっていく必要があるだろうと思っております。いずれにいたしましても、県民の皆さまの安全安心を図るべくこれからも全力を尽くしてまいりたいと思います。ただ、雨の多い季節になってまいりますので、くれぐれもご注意をいただきたいというふうに思います。その夏が到来をしたということで日の長い季節でございまして、今日[7月2日]はライトダウンイベントをとりぎん文化会館で行うことにしております。子どもたちも加わりましてコンサートでありますとか、それから[鳥取]環境大学の学生のメッセージ表明であるとか、そうした予定がございますけれども、皆の力でこの美しい鳥取の自然環境を守っていかなければならないと思います。また、これからスイカですとか、その次には梨の季節もいずれやってくるわけでありますが、昨日は東京で[ソフトバンクのヒト型ロボット]ペッパーくんに、人間型のロボット、感情を習得できるロボットに鳥取県の宣伝部長になってもらいました。これは今日[7月2日]までが一応の任期になっていますが、本人がその気であれば永久に採用してもいいというふうに思っているところでございます。ぜひ、多くのかたがたにこのアンテナショップ[とっとり・おかやま新橋館]を訪れていただいたり、鳥取県の物産も楽しんでいただければと思います。私の方からは以上であります。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
それでは各社、質問をどうぞ。
○山陰放送 秦卓史 記者
すみません。砂丘の花火についてなんですけれども、これは20代の男性1人がやった事なんでしょうか、というのが1つと、もう1つ、知事は花火の量販店さんとかにも呼びかけをというふうに言っておられましたけど、この呼びかけというのは、花火を大量に投棄しないでくださいっていうようなことなのか、あるいは砂丘についての使用は控えてくださいっていうことなのか、その2点をお願いします。
●知事
基本的には、この20代の男性が、どうも転々としながら花火を打って回っておったようでございまして、そのうち砂丘では900本ぐらいということだったようです。ただ、その辺まだちょっと、これもちろん警察も関わっていますので、今調査もなされていようかと思いますので、私どもとしては関係機関ともよく協議をしながら今後の対応というものを最終的に決めてまいりたいと思います。お兄さんがついて来たわけでありますけども、それは今回鳥取県として、これ非常に残念な事態だとして表明をさせていただき、報道機関の皆さまも社会事象として私どもでも感謝しておりますが、今回の事件を扱っていただいたことで、そのお兄さんの方がそれを発見をされて本人を伴って謝罪に現れたということでございまして、お兄さんはこの花火とは関係がないものでございます。
それから量販店については、鳥取のこの砂丘条例[日本一の鳥取砂丘を守り育てる条例]、その内容についてよく理解をしてくださいということであります。砂丘、いろんなところで花火上げる箇所はありますし、それはご自由なわけでありますけども、鳥取砂丘の場合、夜間も入って来る人もいますが、こう棒のようなもので打ち上げ花火残るわけでありまして、それがちょっと怪我をするもとになったりということがありますし、放置をされていますと、もう朝からお客さんはやってきますが、そういうかたがたが見て非常に残念に思われるというのもいかがかということで、鳥取県独自に、そうした花火の打ち上げも規制対象にしています。ゴルフの打ちっぱなしなども含めて規制対象にしているわけでございまして、そうした制度の趣旨を花火の量販店のかたにもご理解をいただくということでございまして、花火を捨てに来るなということまで想定して申し上げたわけではありません。
12 島根原発における不適切な事務処理事案の影響について
○山陰中央新報 桝井映志 記者
すみません。島根原発のことでお尋ねです。この度のその虚偽記録の件は県民の不信感を招いたりする、不信感を招く大きな出来事だと思うんですけども、それでこのことによって、島根原発2号機再稼働に関する鳥取県の今後の判断だったり、対応だったりへの影響について、どのようにお考えになっておられますでしょうか。
●知事
先程も申し上げましたように、とりあえず、こちらの方にもお話がきて、それで説明がありまして、直ちにこれは大嶋原子力安全対策監でありますけども、現地の方に派遣をして事情の聞き取りをさせてもらいました。それでまた分析をした上で、私どもとしても何らかの文章できちんと申し入れしなければならないと申し上げました。その内容を今からこれ詰めていきますけれども、やはり再発防止等がなされなければいけないですよね。それで、それは原発の運用はいろんなこうプロセス、手順をきちんと踏んでいくことで、それで安全を担保する仕組みになっています。しかし、報告が仮に虚偽だということになりますと、そうすると何を信頼の担保にできるのかということになってしまいます。ですから、それは原子力安全のシステムの安全性に対する信頼の基礎となるものでございまして、そこが失われるようでは、これは問題が生じるということになります。
ですから、当然ながらこれから、今、適合性審査が行われていますけど、国の方で、その後プロセスが進んできて鳥取県の方に再稼働云々ということで、仮に協議がくるというときになれば、当然ながら今回のような事象が発生しないような、どういう対策が取られているかなど、我々としての審査項目も増えるということになろうかと思います。ですから、そういった意味で再稼働等についての協議を受けた場合の私どもでの考慮要素が変わる面はあると思います。ただ、これは実際、これから事態の進展に応じて、私どもとしても対応していく問題かなと思っておりまして、まずちょっと今情報の精査をしているところであります。
13 鳥取砂丘でのロケット花火問題に関係した人物等について
○山陰中央テレビ 福田浩大 記者
先程の砂丘の花火の件で20代の男性というところがありましたが、その20代の男性というのは県内のかただったのでしょうか。それと、どういうふうに、申し訳ありませんですとか、そういった謝罪の意思を表明されていたというふうに知事は聞かれているのですか。
●知事
私が聞いた範囲ですけども、[7月2日]朝早くに、午前8時のときだったと思いますけど、要は砂丘事務所を開けるときにはもう既に来られていて、それで謝罪の意思を表したということでありまして、非常に率直な謝罪であったということであって、言葉はあまり良くないかも、始末書的なことはさせていただいたところでございます。ですから、本人としても再発の意思は当然ないというふうに受け取りましたし、いわゆる悪質性といいますか、そういうところまで認められるかなという、つまりちょっとした出来心的なことだったのかもしれないなと思います。そういう意味で、今後絶対こういうことをやらないようにということを厳重に申し渡しているということでございます。この男性は県内の人ではありません。具体的には大阪の方の大学生でございますが、そういう立場の人が、要は、多分この辺を回られたときにあちらこちらで花火を上げて歩いたということだと思います。
○山陰中央新報 太田満明 記者
よろしいですか。それは、条例は知らなかったということなんですよね。大学生。
●知事
ちょっとそこの詳しい分析まではできていませんし、その辺はちょっと条例違反の構成要素にも係るところでありまして、警察の方でもお聞き取りをされていると思いますので、最終的には分析をさせていただきたいと思います。
○山陰中央新報 太田満明 記者
その警察の関係なんですけれども、これはなんか告発かなんかしているんですか。
●知事
これは、砂丘事務所の方は感知してたわけでありますけども、いろんなところが係りますので、実際に告発したのは鳥取市です。市が廃棄物、廃掃法[廃棄物の処理及び清掃に関する法律]違反でその届け出を出しました、警察に。それに基づいて警察としても現場に来られて、それで調査をされていました。
○山陰中央新報 太田満明 記者
昨日、市にジオパーク推進室に聞きましたら、告発まではしてない、報告だけだとおっしゃっていたんですが、変ったんでしょうかね。
●知事
だけえ、それは告発ではないかもしれません。つまり、こういうようなことがあって、それを警察に届け出たという言い方です。
○山陰中央新報 太田満明 記者
それと監視カメラの話がありましたけれども、これは何箇所どこに設置するという。
●知事
これはまだ具体的な話ではありません。要は、何と言いますか、私のイメージでは、要は事細かに来られる人を監視するのはどうかなと思うんですね。むしろ概括的に、えらいことになっとるということが分かる程度の何らかの監視方法が、モニター方法があってもいいのかもしれないなと、これは技術が進歩していますので、現代どこでもあることでありますから、それは鳥取駅前でもありますしね、そういうようなことをなんらか検討してみてはどうかと今言っております。
○山陰中央新報 太田満明 記者
ただ、監視カメラがあるっていうのは観光客に対して委縮させるようなことってありませんか。
●知事
ですから、先程、申しましたように、何か事細かに見るというものというよりは、概括的に、これはえらいことになったからちょっと職員がいかないといかんなというような判断ができる程度のものでいいんじゃないかと思いますが。
○山陰中央新報 太田満明 記者
分からない程度みたいな感じ。監視カメラで分からないっていう。
●知事
そこはだからこれからもうちょっと議論してもらおうと思いますけどね。別にそういう監視体制を敷いてすべてをみるということの趣旨ではありません、先程から繰り返しておりますけれども。
○山陰中央新報 太田満明 記者
監視されていると思うと誰でも面白くないだろうと思うんですけれどもね、そのあたりのこと。
●知事
そこは条例がありましてね、やはり違反行為があるということでありますと、これは安全だとか、それから風致保全のためにもあることでございまして、ゴミの不法投棄の監視カメラは、今、山の中どこにもありますので、ですからどの程度のものかということはありますが、何らかのモニター方法というのも検討しなければいかんかなということです。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
中国電力の話に戻らせてもらいますが、先程の県として文書で最終的な申し入れを行うということでしたが、この時期の見通しとそれから今のところ知事としてはどういうような内容を盛り込みたいというふうに思っていらっしゃいますか。
●知事
これについては先般も私の方から意思表示をさせていただきましたが、今回のことは遺憾でありますし、猛省を求めるべきものだと思います。また、再発防止策、これを明らかにしてもらいたいということであります。そうした内容が主になろうかと思いますけども、なんらかの文章を近々発出をさせていただいて申し入れをいたしたいと思っております。ただ、問題はやっぱり信頼性を失われているのではないかということでございまして、これは中国電力側でもそれ相応のその申し入れに対する返事を持って来てもらわなきゃいけないと思っています。さっきもお話がございましたけれども、これから仮に適合性審査が終われば、実際に再稼働云々ということになりまして、それに向けた協議が鳥取県側にもくることになろうかと思いますけども、そうしたことの前提問題になることでありますから、その辺は我々も厳正に対処をさせていただきたいと思っています。時期は、それはもう遅くとも今月[7月]中には、それでできるだけ早く、遅くとも今月[7月]中には出させてもらうと思います。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
この虚偽記録の問題での中電への不信感が払拭されんとこの2号機の再稼働のことは考えられんというぐらいのお気持ちを持っておられるということでいいでしょうか。
●知事
だから、そういうことが起きないようなシステムが果たしてどういうかたちで出来るのかとか、その辺はやはり明らかにしてもらわなければ、中電も説明責任を果たしたとは言えないんではないかと思います。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
話を変えますが、変えさせていただきますが、県教委が本年度予算、補正予算を受けて、県内の美術館のことを博物館の地方独立行政法人化の検討を始めましたが、平井知事はこの法人化についてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。
●知事
これは専門家が入って今までも検討されたわけでありますが、去年[平成26年度]林田英樹先生の鳥取県立博物館現状・課題検討委員会の中でもそういう経営体制のあり方も1つの焦点として報告書に盛り込まれていました。ですから、冷静にそこは客観的な目線で見ていけばいいのかなと思います。恐らくターゲットとするのは、その博物館から分離をされて美術館が仮に造られる場合のその美術館の経営ということもありましょうけども、それこそ博物館も含めてどうするかとか、それから美術館と言われるものが県内に数ヶ所あります。それで、そうしたところを横串で刺しながら、ノウハウの共有だとか、人材の共有化を図るということもあるのかなあと思います。その辺はその経営している主体にも関わるところでありまして、その辺の関係者との意見交換なんかもなければ、そうしたことにもならないと思います。
ですから、これから手順を踏みながら、教育委員会として段階を、手順を踏みながら検討されていくと思いますので、私としても、それをフォローさせていただきたいと思います。根っこから反対ということでもありませんが、どういう仕組みが出来るかということが大事でありまして、内容によっては賛成できるものになるとも期待しております。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
先程おっしゃったように、ノウハウや人材が共有できるというメリットもあれば、一方で現場とか美術館、博物館の関係者のかたは、割と国の先行事例を踏まえて懸念をもっていらっしゃるかたもいらっしゃいますけども、知事はメリットとデメリットとどちらが大きいと思われますか。
●知事
そこは、だからどういうスキームを、関係者の意見交換の中でつくっていくかではないかと思っておりまして、その辺を冷静に私もフォローさせていただきたいなと思います。メリット・デメリット双方それはあるだろうと思っています。
○山陰放送 秦卓史 記者
同じくすいません、美術館に関してですけども、この美術館については、県の中部と東部で綱引きがありますけれども、一方の当事者である鳥取市の教育委員会の方に、元副知事の藤井さんが教育委員に就任されていますけども、その影響というのはあるんでしょうか。
●知事
それはないと思いますけどね。鳥取市がそういう提案理由書いたんですか。多分そういう意図でも多分あちらもないんじゃないでしょうかね、深澤義彦 鳥取市長さんのご性格からして。そういう意図があればたいしたもんだと思います。我々としては客観的にそのどういう立地が望ましいのかというのを専門家を交えて議論していくということになると思っています。それで、教育委員会側に申し上げておりますのは、これから美術館のあり方について具体的に検討する委員会が走り始めます。ただ、そのときに、やはりじゃ、具体にどこに造るのかとか、そういう県内でも興味関心の深まっている事項もありますので、場合によってはその小委員会的にそこはさらに取り出しながら検討するということもあってもいいんじゃないでしょうかと、こういうふうに申し上げております。最終的には教育委員会の判断になりますが、我々としてもあるべき姿を追求していく中で、どういう立地なり、どういう建物等がふさわしいのか、具体的に検討していくことになると思います。人事に従って決まるという性質のものではないと思っています。
○日本海新聞 井上昌之 記者
よろしいでしょうか。CCRCのことでお伺いしたいんですけども、先般、日本創成会議が出された提言で、東京圏から地方への高齢者の移住を促すという内容が盛り込まれたと思うんですけども、それが発表されてからその日本版CCRCのイメージというのが、以前知事がおっしゃったような富裕層を呼び込むというようなCCRCのかたちから、どうも何か高齢者を地方に押し付けるようなそういったイメージに誤解を与えているような印象も受けるわけなんですけども、今度予算も通ったんで、鳥取県でもCCRCのモデルを作っていかれることになると思うんですが、鳥取県版のCCRCというのは、具体的にどういったイメージを持っておられるのか、その辺をお伺いできませんでしょうか。
●知事
はい。今まさにおっしゃったとおりかなと思うんですが、CCRCのちょっと誤解の発端は、多分増田寛也 日本創成会議座長さんのこのプレゼンテーションがあったと思うんですね。それで、要は東京圏で高齢者が急増していくと、医療や介護は追いつかない、片方で地方には余裕がある。そこに移住するように政府としても働きかけると。非常に何と言いますか、直球でそこしゃべられたところがございますけども、実は同時並行で日本版CCRCの検討が始められておりますが、それは言わば人生のあり方として、地方である程度年齢いったら暮らしてもいいじゃないかと。それをまた支え合いながら地方でも活用して、人材として活用したり、ボランティアだとか、あるいは特殊技能をもった人だとか、そういうこともあるんではないだろうか。また、実際のレポートではそういうCCRCに住まわれることで、介護の発生率が減っていると。要は生きがいというものを感じて生きられるようになってきて、単に施設に収容すればいいということではなくて、むしろ街の中で暮らしてもらうという、そういう主体なわけですよね。ですから、そこのところちょっと誤解があるかなあというふうに思っております。
鳥取県でこれから具体のモデルを考えていくことになりますが、私は理念から入るだけでもなくて、実際にそこでどういうものを造ろうかという検証作業で進めていけばいいのかなと思っています。それで、その意味で東部、中部、西部を想定しながらモデル事業をこの度6月議会で設定をさせていただきまして、例えば、仮に南部町さんが手を挙げられるとしたら、南部町さんだったらこういうようなことをやるよとか、そういうようなことを考えることになります。そうすると、想定されるのはゆうらくという全国指折りの高齢者施設があったり、西伯病院という受け皿があったりします。さらに花回廊のようなフラワーパークという魅力があったり、また、農業を楽しめるような遊休農地をここでやってみようかというようなところがあったり、また、地域には今、国立音楽院が来られまして、若手の皆さんが音楽をされていますが、そういうところの交流が想定をされたり、いろんなかたちで従来、東京とか大阪で縮こまって生活していたのとは違ったライフスタイルを期待できるんじゃないかなと思うんですね。そういうように自分を取り戻すような、そういう移住、これから周りのかたがたと交流しながら自分も地域に貢献していくぞということぐらいの、そういう移住、そうしたことが1つの望まれる方向性として見えてくるんではないかなと思います。そういうのは、例えば先程申しましたような南部町の実態とかと引き合わせて見ると炙り出されてくるんではないかなと期待をいたしております。
○日本海新聞 井上昌之 記者
それでしたら、今、日本版CCRCというのは、もちろんそういった元気なシニアのかたの生活の充実ですとか、社会貢献とかそういった要素もプランには入っているんですけども、どちらかと言うと負担増の方が結構クローズアップされるもんですから、鳥取県版CCRCの場合はある意味CCRCという言葉すら捨ててですね、鳥取県ならではのそういうシステムというか、名称を付けてもいいんじゃないかという印象を持つんですけども、その辺はどうお考えになっていますでしょうか。
●知事
はい。そういう意味では、実は私もイメージとしていたのは、「いきいき長寿の里」という名前を自分の公約の中では書かせていただいております、かぎ括弧付きで。それで、そういう意味でちょっとなかなかそこは最初職員にもうまく理解してもらえなかったところではあるんですけども、そういう「いきいき長寿の里」として鳥取版というものを考えていくと。それは日本版CCRCの本来目指している姿じゃないかなとも思っているんですけども、その辺を今後独自に追及していきたいと思います。
18 県総合教育会議における学校改善の検討について
○朝日新聞 柳川迅 記者
すいません。特別支援学校の件で先程話がありましたけれども、常設的に看護の取りまとめをする人がいてもいいんじゃないかということを教育会議の場でおっしゃったということですけれども、となると、常勤の看護師さんなんかを配置するということを検討案としては、教育委員会としても消えてはないということを議会の場でも言っていましたけれども、知事としては今回の件に関してどのようなお考えを持っているのか。常勤看護師を設置するとしたら、予算措置もまた必要になるかと思うんですけれども。
●知事
私は、率直にあの場でも申し上げたのは、これは予算措置が必要ならばその予算措置を執行部と教育委員会で考える、それが総合教育会議だというふうに申し上げたところです。それで、私自身も何でしたら[平成27年度]9月補正を念頭において検討してもらってもいいと思います。教育委員会が議会でどういう話をされたかはちょっと具体的には私も常任委員会等いろんなやりとりがあったんでありましょうし、承知しないで私もしゃべっていましたけれども、向こうの方のペースよりは、私はもう少し早く検討してもらってもいいんじゃないかと思うんですね。ただ、もちろん人材の問題だとか、それから体制づくりの課題もありまして、デリケートな中で今事態が動いていますから、現場を壊すことをしてはいけませんけれども、良い方向性は共に見出していけるんではないかと思います。そういう意味で、鳥取県は総合教育会議のようなやり方、文科省の今回の地教行法[地方教育行政の組織及び運営に関する法律]の改正の先取りをしてきましたので、いい伝統を独自に作っていけるんじゃないかと思っていまして、特別支援学校の改善につきましても話し合いを率直にやっていきたいと思います。
○時事通信 平野実季 記者
すいません。ちょっとCCRCに関連してなんですけども、CCRC、元気な高齢者が来るということですけども、最終的に看護とか介護とかの人材も必要になってくると思うんですけども、今、例えば日南町さんでは介護士不足で今年からちょっとグループホーム閉じなきゃいけないところが1ヶ所あるとか、今の時点でも結構人材確保という面で悩まれているところは多いと思います。それで、県でも一応正規雇用1万人のプロジェクトの中でそういった人材のこともあると思いますし、看護学校が出来ているというような状況もありますが、もし市町村がそういうCCRCに取組もうとしたときに、そういう人材確保の面でもっと踏み込んだとか、政策とかっていうのは今はどういうふうに考えられていますか。
●知事
これは、例えば国の方で言っているのは、例えば2020年問題とかいうわけですね。それで、ちょっと先のスパンのところで話をされています。それで、そういうような中で物事を考えていくわけでありますが、そのときには相対的に地方の方がまだ受け入れ余地があるだろうというのが増田レポートでございました。それでそれは、数字はそうかもしれませんけれども、今お話があるように、私どもの受入れ態勢が、じゃ十分かというと必ずしもそういうわけではないわけでございます。そんな意味で介護人材だとか、看護人材、これを育てていかなきゃいけませんし、地域独自のやり方もしていかなければいけません。日南町のことで言えば、そういうことがあった片方でそれを補うシステムを作っていくわけですね。また、訪問看護ステーションが中山間地で出来てきていないと。これ、中山間地でも2.5人の最低要件というのを国が訪問看護ステーションに課しているからなんですけども、地方で人口が希薄なところで2.5人を、給料払えるかというと、そう簡単ではありません。ですから、そういう制度改正なんかを国もやっていかなきゃいけないと思うんですね。また、地方も地方でいろいろと我々独自の取組みもやっていかなければならない。それで、例えばさっきの訪問看護ステーションであればそういうものの研修を受けるためのそういう仕組みを県としても金銭的に支援をしていくとか、そんなことを始めてきておりまして、そういう体制づくりに我々としても当たっていくことになります。
仮にCCRCを受入れるということになれば、将来的には人口ピラミッドがずれてきますので、その分に相当するぐらいはやはり病床数だとか、それから高齢者施設のベッド数の配慮なんかも必要なはずでありまして、その辺国がやはり何らか考える必要が本当はあるんだと思うんですね。その辺は、正していきながら我々としても対策を立てていくことになろうかと思います。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
その他、質問ございますか。
○時事通信 平野実季 記者
すいません。朝方勤務のことについて1つ聞きたいんですけども、前から始められていて、でもその時点からちょっと取る人が減ってきていると思うんですけども、これはもし本当に進めるなら例えば課全体でやるとか、もし本当に進めたいならそういうふうに何か政策をしないと人数的には伸びないと思うんですけども、そこは知事はあくまで個人の判断に任せるというようなかたちのスタンスですか。
●知事
これ、よく都会と田舎のパーセプションギャップ[問題認識の違い]があると思うんですね。それで、都会地ですと10分おきに電車が入って来るわけですね、霞ヶ関なんか5分だとか3分おきに入ってきます。そこで例えば1時間ずらすとかやっても簡単なんですけども、私ども汽車を1本逃すともう今日は出勤できないといようなことになりかねないわけでございまして、じゃあ都合よく1時間前に行けるかというとそう簡単ではないんですね。ですから、そういう意味でちょっとこれをうちでじゃあ一律にもうとにかく始業時間を変えてしまうというのは難しいなというのが私どもの現場の実感なんですね。それで知恵を使ってやってきたのが個人のフレキシブル、フレキシビリティ[柔軟性]を認めながらのそういう朝方勤務の推奨でございまして、利用されているかたは好評なところもございまして、落ち着いて仕事ができるとかいうこともございまして、そういうようなことで私どもとしては対処していくべきかなと思っています。もちろん、働き方改革という、これからのムーブメントが起こると思いますが、そういう中で鳥取でもできる他のやり方があればそれも考えてみたいと思いますが、今そこまでの通用と言いますか、問題意識までは至ってないということです。
○山陰中央新報 桝井映志 記者
他、よろしいですか。それでは知事、ありがとうございました。
●知事
どうもありがとうございました。