●知事
皆さまおはようございます。9月定例県議会が終了いたしまして、さまざまな議論の道筋が立ってまいりました。鳥取県としても元気づくり、いわゆる地方創生を推進をするとか、さらに安全安心のまちづくりを進めるとか、福祉対策、健康を中心としたスポーツツーリズム等々、いろんな展開をこれから図っていくべきときがやってきたのではないかと思っております。県議会の方で29億[円]余りの補正予算が成立をしたわけでございますけれども、それに基づきまして、また県政としてもエンジンをかけていかなければなりません。例えば観光で言いますと、DMO[着地型観光のプラットフォーム組織]を初めとして新しい体制作り、それから山陰の広域観光ルートを作るということも出てまいります。これについては島根鳥取両県の議会で、共同で進めることがそれぞれ可決されております。具体的な山陰の観光ルートの設定を目指しまして、これからプロポーザルによります調査を進めていくことになりますが、今月[10月]は早速ですね、その準備を始めておりまして今月中[10月]にもそうしたプロポーザルを行い、今年度[平成27年度]一杯で山陰の広域観光ルートの可能性を明らかにしまして、それを来年度[平成28年度]のDMO設置に向けて動かしていくということになるんではないかと思います。
また、この9月議会におきまして、まずは端緒を開かせていただきましたけれども、廃棄物にならないリサイクルと称する使用済物品、これの回収に向けての新しい条例の制定でありますとか、さらにまちづくり関係で都市などの規制を一部緩和をしたり、さらに福祉のまちづくりを進めたり、そうした条例検討なども進めることにいたしておりますが、それぞれ例えばまちづくり関係の都市開発審査会にかけるとかですね、また、パブリックコメントをするとか、いろいろと今、手続きを進めていこうとしておりますが、こうしたことにもこの9月議会で端緒が開かれたと考えております。
●知事
そういう中、元気づくり、地方創生が1つのテーマになってくると思います。先だって鳥取県としてこの火曜日[10月13日]に総合戦略を取りまとめることができました。今月一杯[10月]で各市町村全てが揃うことになります。市町村、県がこの新しい地方創生の戦略を、まずは作るということは全国で最先端、一番早いということになります。
こういうようなことを活かしながら、いち早く移住対策だとか、少子化対策あるいは女性の活躍推進社会、そうした道を鳥取県から切り開いてまいりたいと考えております。これについてNPOだとか、まちづくり団体でのいろんな活動をこれから進めていくわけでありますが、その事例を交換したりするなどの意見交換会[とっとりの元気づくり会議]が相次いで今月[10月][県内]東中西[部の各地域]で開かれたところでありますが、これからできれば鳥取創生[チーム]会議と言われます今[県内]東中西部で産学労金言官が一体となりまして、この総合戦略を練ってまいりましたけども、そうしたところその地方創生会議、併せて若者の皆さんにもこの地方創生の戦略をいろいろと出していただいておりました。こうした若者の会議、こうしたものを一体となって、この元気づくり地方創生の言わばスタート、号令をかけるようなそういう会合をもって、そしてこれから予算、県も市町村も作る季節になりますけども、来年度[平成28年度]に向けてはどういうことをやっていくのか、また、予算にならずとも地域としてどういう活動をするのか、企業や団体でどういう取組みを始めるのか、そうした今後のフォローアップをする体制作りをこれから作らなければならないと考えております。関係者の皆さまとも意思統一をして、この10月、11月頃にでもその元気づくりの地方創生のプラットホームを作ってまいりたいと考えております。
●知事
1つ気になる動きはTPP[環太平洋パートナーシップ協定]だと思われます。このTPPにつきましては、昨日農林水産省を加藤[寛治]政務官を訪ねました。加藤政務官の方に要請活動にするにあたりまして急遽JAグループからも高見[俊雄 JA鳥取]中央会会長さん、さらに3JAを代表して福山[巌 JA鳥取中央]組合長さん、また畜産が課題でありますので畜産の鎌谷[一也 畜産農業協同]組合長さん、こうしたかたがたと一緒に直接農林[水産]省に訴えかけをさせていただいたところであります。私どもの方で、いろんな懸念があるわけでありますが、1つには情報がまだ明らかになっていないと。それで、情報をきちんとオープンにしていただいて、それに基づく対策を国としてしっかりやっていただく必要がある。それでもちろん県も、あるいはJAグループもそれぞれやらなければならないことはそれぞれやっていかないといけないんでありましょうけれども、今回、TPPは国として責任を持って進めることでありますので、まずは情報を明らかにし、国としての対策を確立してもらう必要があります。このことを強く、強く求めさせていただきました。
当方でいきますと畜産関係の内容が明らかになってきていたり、それから米対策、米についてもSBSという方式[売買同時契約]でありますが、民間同士での取引という方式でありますが、輸入枠の拡大ということがはっきりしてきているわけです。昨日[10月15日]訴えかけましたのは、乳用牛、乳牛ですね、乳牛を食べる肉用牛に転換して、実際はそれが酪農家の収入になっているわけです。ここの部分が輸入の牛肉で強い影響を受けるんではないだろうか、これの懸念が高いわけであります。乳製品も7万トンとはいえ、限定的ながら影響はあるでありましょうし、これが巡り巡って乳価に影響してこないだろうか、そういう不安を昨日[]は[10月15日]率直に訴えかけさせていただきました。
加藤政務官の方からはそれに対しまして、クラスター事業を初めとした対策をしっかりと国としても講じていきたいという話がございました。実はクラスター事業は酪農につきまして、東部では鳥取畜産農[業]協[同組合]、中西部では大山乳業農[業]協[同組合]が中心となって今取りまとめを急いでいるところでございまして、我々はそういう対策も今やろうとしているが予算枠が足りないというふうに国の方からも言われているということを申し上げましたところ、予算枠の拡大なども議論していかなければいけないという話がありました。農林水産省として、そういうことと併せて米価が下がるのではないかと、我々の訴えかけに対しましては市場から隔離するなどの措置を講じていきたいということのお話がありました。その他にもさまざま我々の方から申し上げましたけども、内閣府ともよく相談をした上で農林水産省としても役割を果たしていきたいということを加藤政務官はおっしゃっておられました。
1つ我々として不安が残っておりますのは、関税の撤廃品目として、オレンジあるいはりんごなど、実は果物にも波及していることが分かってきておりますが、私どもの主翼は梨、スイカ、さらにブロッコリやネギというところがあります。今のその順次明らかになってくる状況から見ますと、こうした県産品の品目にもそういう撤廃ないし引き下げということが関税についてあるんではないかという懸念があります。こんなに私どもはスイカにしろ、梨にしろ、外に打って出ていくという重要品目として、香港あるいは台湾など、売り込みをかけているところでございますし、今回のTPP加盟国でもアメリカ、カナダ、さらにはマレーシアについては今月[10月]新たに私共で物産展をやる計画をしておりますが、そういうようなことなどをやっていくという、今、タイミングを迎えてはいるんですけども、輸入の方の影響はどういうふうに出てくるのかというのも懸念材料ではあるわけであります。
そんな意味で情報の速やかな公開と農家、国民それから自治体に対する丁寧な説明も求めさせていただきました。これについては、加藤政務官からは機会を作ってこれから全国での説明会を行うなど、丁寧に説明していきたいということでありました。ただ、経[済]産[業]省も含めてTPPで回らせていただきましたが、政府内でも十分情報を明らかにできていないようでございまして、それを言わば情報の整理を行いながら、徐々に明らかになってくるということなのかなという感触もございましたけれども、TPPについて、農林水産業など、一部の犠牲の上にあってはなりませんので、しっかりとした対策と情報公開を国に今後も求めてまいりたいと思います。
●知事
今ようやく行楽の秋を迎えてまいりまして、大山では紅葉も始まったという便りが届き始めました。スキー場、大山ホワイトリゾートでのリフトの設置も行われ、いよいよ雪も目の前に見えてきたという季節感かなというふうに思います。スポーツの秋であり、行楽の秋であります。この秋、存分に鳥取県を楽しんでいただこうといろいろなイベントが目白押しでございます。今日[10月16日]から日曜日にかけまして、アジアトレイルズカンファレンス[鳥取大会]が中部を中心に開催をされることになります。これには多くのかたがたの参加が見込まれていまして、ウォーキングなどのイベントには900名、それから今日[10月16日]これからシンポジウムがありますが、これには200名の参加が見込まれています。韓国を初めとした外国からのお客さまも来られるわけでございまして、済州のトレイルズをやっておられる済州オルレの[徐明淑(ソ・ミョンスケ)]理事長さんもお見えになるわけでございます。日本側からも[日本]ウォーキング協会の[堀野正勝]会長さんだとか、それからノルディックウォークの役員等々、いろんなかたがたがお集まりになり、鳥取県から生まれた会社ではございますが、アシックスさんも来ていただくということになります。いろんなかたちで鳥取県のウォーキングや観光資源を見ていただこうというふうに関係者も今準備を整えてまいりました。
明日[10月17日]は湯梨浜[町]でウォーキングが行われるわけであり、5キロを歩いていただくことになりますが、午後にはエクスカーションがありまして、そのエクスカーションの中には名探偵コナンの列車、コナン列車にも乗っていただいて、青山剛昌さんの故郷を訪ねていただいたりするなど、1市4町の魅力を今日、明日、明後日で感じていただくことになろうかと思います。来年[平成28年]はワールドトレイルズカンファレンス世界大会を控えております。今回、アジア大会を成功させて、それを来年[平成28年]につなげていかなければいけない、そういうように考えているところでございます。私もこのあと、中部の方に向かいまして、大会に参加をさせていただくことにいたしております。
5 皆生・大山SEA TO SUMMIT 2015への駐日米国大使等の参加
●知事
また、この土曜日に事前のシンポジウムがありまして、それで、日曜日に本番が行われますが、鳥取県から始まったニュースポーツ、[皆生・大山]SEA TO SUMMIT[2015]が今年[平成27年]も開催されることになります。これには、自然に配慮してということでありまして、マキシマムでも300人という限定付きの大会でありますので、そうした参加人数になるかというふうに見込まれるところございますが、今年[平成27年]のこのSEA TO SUMMITにはキャロライン・ケネディ[駐日米国]大使が東京からお越しになりまして、参加をされるということが決まりました。
関係者、鳥取県もそうでありますけども、いろんな調整をさせていただきまして、今回、キャロライン・ケネディ大使をお迎えをすることになりました。私どもとしても主催者の実行委員会としても大変に栄誉のあることであり、この機会を活用して、ぜひケネディさんのご一家、そして関係者の皆さまに鳥取県の中も見ていただきたいと考えております。中心は明後日[10月18日]の大会、朝7時前にスタートの開会式があります。この開会式、私も参加をさせていただきますけども、ケネディ大使も選手として宣誓をされるということになりました。そこで若干のご挨拶をいただけるのではないかと思います。ケネディ大使はアスリートとしても知られておりまして、SEA TO SUMMITと言いますと、最初にカヤックをやり、そのあとにバイクをし、大山の頂上を目指して山登りをするという過酷なレースでございますけれども、ケネディ大使もこのレースに参加をされるということでお伺いをいたしております。
また、先般東京を訪ねたときにお会いをさせていただきましたときもケネディご一家と併せてご夫妻でお見えになるということでございまして、アメリカと日本との関係が緊密化する中で、この鳥取の大自然を見ていただけるチャンスが来るというのは大変にないようなチャンスではないかというふうに思っております。また、今回の大会で、閉会のときに表彰式も行われますが、ケネディ大使はそちらにも来られまして、表彰者として舞台に上がられるというふうにお伺いをいたしております。これは鳥取県知事賞の授与もある、そういうセレモニーにもなります。このSEA TO SUMMIT、鳥取県がまず第1号で行われまして、今、日本各地で開催をされるようになってきました。三瓶山とか、それから北海道やらあるいは広島でもありますけども、そうした全国各地にそういうSEA TO SUMMITのサイトが開発をされてきたところでございます。
この度、アメリカでも第1号開催を目指したいということでアメリカのオレゴン州セーラムの[アンナ・ペーターソン]市長さんがこちらの方にお越しになるということでございます。ペーターソン市長さんも最初のカヤックの場で競技に参加をされるというふうにお伺いをいたしておりまして、雄大な自然の中で体を動かすということ、それがアジアトレイルズカンファレンスあるいはシートゥーサミット等々でさまざまなかたちで世界中から認知をされるのは非常にありがたいことではないかと思っております。これからもこうしたスポーツリゾート作り、鳥取県としてもしっかりと進めてまいりたいと思います。
●知事
また、海外とのパイプということでは、香港からのチャーターツアーがいよいよプログラムで始まることになります。10月下旬から12月にかけまして、16回にわたりまして飛行機が往復をするということになります。具体的には午後1時に、向こう香港を飛び立ちまして、また、帰り便、こちらの方から5時に帰る便ができるということでございます。2千数百名規模での全体のチャーターと、チャーターツアーということになろうかと思いますが、ぜひ、これも成功をさせることによりまして、今後、香港との定期便の可能性を広げていけることができればというふうに考えております。関係者の皆さまともよくこの辺、相談をさせていただきながら、そうした成功に向けて動いてまいりたいと思います。具体的には、例えば買い物ですね、県産品を買っていただく機会づくりであるとか、今、順次準備を進めているところでございます。また、県内、さらには今回、島根県側の宿泊もあろうかと思いますけども、そういう山陰を見ていただく、楽しんでいただく、そういう香港のファンを増やすきっかけになればというふうに期待をいたしております。
●知事
また、こういうスポーツ交流ということでは韓国江原道とのスポーツ交流、来週の23日から受け入れをすることになりました。これは生涯スポーツ、生涯というのはライフロングでの生涯でございますが、人生かけてスポーツを楽しむということでバトミントンやゲートボールなどが行われる、そういう皆さまが韓国からやって来られるわけでございます。鳥取県としては鳥取県発祥のグラウンドゴルフ、こういうものにも親しんでいただけないだろうか、このようなかたちで、スポーツリゾートとして鳥取県が売り出せればというように考えているところでございます。
●知事
さまざまな安全対策を図っていく必要がありますが、この度中国電力[(株)]から寄付を受け入れるということになりまして、議会の方にもそうした回答があったことの報告をさせていただきました。これから11月[県]議会に向けまして基金の設置条例について検討をすることになろうかと思います。今まだ詳細のこと詰まっているわけでございませんで、中国電力側とも協議を重ねながら、そして議会への条例提出を目指していこうというふうに考えております。これはあくまで私どもでの、今人件費、あるいは訓練、さらには道路における放射線状況についての告知看板等々、いろんな国の交付金では出ないお金がございまして、そうしたものを中国電力の方で負担してもらうという考え方でございます。米子、境港両市にも配分をしながら、そうした地元でのかかった経費の支弁に充てていこうというものでありまして、そういう意味で基金を作って経理を区別をしていこうという考え方でございます。これに併せましてやはり国の制度が欠落をしているということでありまして、昨日[10月15日]は経済産業省の方に自然エネルギー庁を訪ねまして、国としてきちんとこうした周辺地域の取組みに対する財政負担を考えてもらう必要があると、制度を作ってもらう必要があるということでお伺いをいたしました。これに対して、高橋[泰三]次長が応対に出られましたけれども、地域によっていろいろと原発サイトに違いがあることは平井の話を聞いて理解ができると、ただ、どういう工夫が国として可能なのかどうか、内閣府側とも相談してみたいとこういう回答でございまして、これからまだ粘り強く国に対して働きかけをしていかなければいけないなと考えているところでございます。
この原子力安全対策については、鳥取県として避難計画も作り、それは福祉等の施設でも作っていただくなど他の周辺地域と比較しますと、準備は、準備と言いますか対策は精力的に進めてきたところでございます。ただ、年々の訓練を通じてそのバージョンを上げていかなければいけません。23日に初動対応につきまして、テレビ会議システムを通じて島根側と合同で初動訓練を行う。情報通信や図上訓練が中心ということになります。25日は実働訓練でございまして、避難誘導も住民のかたに協力をしていただきながら体験し、進めさせていただくということでございます。今年[平成27年]は伯耆町のサイトの方に誘導するとか、また米子、境港での訓練等も行われることになりました。これも島根県と合同で進めさせていただこうと考えております。
先般は県としての原子力安全対策のプロジェクトチームも招集をしまして、中国電力にも出席を求め、その説明を受けました。この度の、低レベル放射性廃棄物の課題、これは計量機器の更新と言いますか、そうした手入れを怠っていたと、ただそれを検査を経ないままですね、していたというようなことでございまして、こうした課題について厳しく鳥取県側の意見を顧問のかたがたと一緒に申し上げたところでございます。これからも我々としても、こうした対策に向き合っていかなければいけません。
●知事
また、安全ということで言いますと先般広島で残念な火災がありまして、繁華街での雑居ビル火災で尊い命が失われました。一昨日[10月14日]ですね、県としても各消防局などに通知をさせていただきまして、安全対策をもう一度確認するようにということをいたしまして、今、消防局が今月[10月]後半から査察と言いますか、検査に入るという運びになっております。
また、徳島県でバックをすることに気が付かないで、視覚障がい者のかたがその盲導犬とともに命を失うという痛ましい事故がございました。これはやはり国としての対策が必要な分野ではないかというふうに思います。それは国[土]交[通]省サイドなのか、警察サイドなのかいろいろ所管はあろうかと思いますけれども、その対策は今後求めていかなければいけない課題だなと思います。ただ、併せて県内でのそういう視覚障がい者の交通安全対策につきましても、近時死亡事故が増えております。昨日[10月15日]も[島根県]雲南[市]のかたが大山で山陰道で亡くなるという交通事故がございましたけれども、視覚障がい者の分野につきましてもどういう課題があるのか、専門家の皆さまも交え、そういう当事者団体も交えて検討する場を考えようということにさせていただいております。さまざまな観点でそういう安全対策を図っていかなければなりません。
今、溶連菌[A群溶血性レンザ球菌]によります咽頭炎が流行しておりまして、これもこの度、県として警報を出させていただきました。うがい、あるいは手洗い、消毒などを励行していただくことが有効でございまして、お気を付けいただければというふうに考えます。そういうようなことで今年[平成27年]またインフルエンザの季節もやってくるわけでございますけれども、そうした健康管理の面でも対策をお願いを県民の皆さまにしなければいけないと思います。
●知事
また、福祉の関係では先般ですね、[井谷]優太さん、[中原]勇一さんが東京の方で健常者とのユニット[DJ Yuta&Yuichi]で素晴らしい[ゴールドコンサート]グランプリを取られたわけであります。これからもこうした障がい者の文化芸術活動を、また推進していかなければいけないなというふうに考えているところでございます。また、戦後70年にあたりまして21日の日に戦没者の慰霊祭を行うことにさせていただいております。県主催として70年の節目を遺族会の皆さまと一緒に偲ばせていただき、平和への誓い、ふるさと鳥取県の振興への誓いを行いたいというふうに考えているところでございます。さまざまこれから秋を迎えまして予算編成等々、私どももネジを巻いていく季節がやってまいりました。ぜひ県民の皆さまにおかれましても、これから素晴らしい恵みの秋を迎えるわけでございまして、農作業などお忙しいかと思いますけれども、いい季節をお過ごしをいただき、有意義なときを過ごしていただければというふうに考えております。私の方からは以上です。
11 キャロライン・ケネディ駐日米国大使の来県について
○NHK 橋本慎也 記者
NHKの橋本です。ケネディ大使の鳥取県に来られることについてもう少し詳しく伺いたいんですけれども、先程選手の宣誓をされるというふうに伺ったんですけども、それも競技全体を参加されるっていう理解で大丈夫ですか。
●知事
私どもが伺っているのは競技に参加されるということでありまして、文字どおりを受け取れば、カヤック、バイク、そして登山というのが競技全体でありまして、それで参加されるというふうにお伺いをいたしております。もちろん当日のご体調だとか、いろんなことでご本人が最終的には判断されるんじゃないかと思いますが、選手として宣誓されるということで間違いないです。
○NHK 橋本慎也 記者
他にもシンポジウムであるとかいろいろイベントあると思うんですけども、他に何か県内でされたりすることってあるんですか。
●知事
シンポジウムについては、最終的にはご参加はないという方向で伺っておりますが、翌日の競技については、最後の表彰式も含めてご参列されるというふうにお伺いをいたしております。今回ご家族だとか、大使館関係者と一緒にお見えになるわけでございますけれども、いろいろその時間を利用して鳥取県をお楽しみいただければと我々の方では考えております。
○日本海新聞 井上昌之 記者
関連ですけども、ケネディ大使はどういった経緯で参加されているわけですか、県の方からご招待されたという話でしょうか。
●知事
これについては、[皆生・大山]SEA TO SUMMIT[2015]で協議について、最初はモンベル[グループ]の辰野[勇]代表がご紹介されたというふうにお伺いをいたしております。それで、だいぶん前のことですけどね、それで私の方にも神戸の総領事からもそういう検討を進めたいというお話がありまして、私どもとしても我が国に取りまして要人中の要人でございますので、さまざまな観点で準備をしなければなりませんので、体制づくりをしてまいったところであります。また、金曜日[9日]は私自身も大使館関係者に東京でお会いをいたしまして、[キャロライン・]ケネディ[駐日米国]大使にお手紙も差し上げて、また関係者にも私どもの方で準備してお待ちしますということも申し上げております。
○毎日新聞 真下信幸 記者
毎日新聞です。ケネディ大使は、来県は初めてですか。
●知事
はい。鳥取県には初めてということになります。
○毎日新聞 真下信幸 記者
大使としてではなく、それ以前までも。
●知事
以前もないと思います。はい。ケネディ大使はないと思いますね。はい。今回はそういう意味でSEA TO SUMMITの参加でありますので、どちらかというとプライベートな色彩のご訪問ということだと思いますが、別に公式訪問かどうかというのは、ちょっと我々も位置付けが正確には分かりませんが、初めての訪問でございます、それは間違いないです。
○NHK 橋本慎也 記者
すいません。もう1ついいですか。ケネディ大使の来鳥についてなんですけども、ケネディ大使はご夫妻でいらっしゃるということで大丈夫なんでしょうか。ご家族というのは。
●知事
この辺はちょっと公使公邸でちょっとお話させて、要は、アメリカと日本とたぶんパートナーのかたは行ったり来たりされているような状況であろうかと思います。今回、お伺いしているところでは、お子さまが3人おられますけども、そのうちのお二人だと思います。そういう言わば、家族でこちらに来られて参加をされるということですね。
○NHK 橋本慎也 記者
家族でっていうのは、旦那さんがいらっしゃるかどうかはちょっと分らないということですか。
●知事
いや、旦那さんは来られないんじゃないかと思います。お子さまですね。
○NHK 橋本慎也 記者
分かりました。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
すいません。山陰中央新報です。関連ですけど、何日に来られて何日に帰る、宿泊とかはあるんでしょうか。
●知事
これについては、県内で、明日[17日]入られて1泊されると思います。それで私どもとしては、せっかくお目見えなので鳥取県をまたいろんなかたちで体験していただきたいなと考えております。
○NHK 橋本慎也 記者
すいません。いろいろ体験していただきたいということなんですけども、それも具体的に鳥取県としておもてなしというか、何らかのプランを持っていらっしゃるんですか。
●知事
それについてはケネディ大使のお考えを伺って、私どもとしてもそのご意向に沿ってお迎えをしたいと思っておりますし、あちらもそういう意味で素晴らしい秋の週末になると思うんですね。たぶん大山も紅葉が始まっておりますのでそれも楽しまれると思いますし、思い出深いそういう鳥取の滞在ができるように我々も万全を尽くしてまいりたいと思います。
○NHK 木庭尚文 記者
すみません。関連なんですけども、そもそもはモンベルのかたがお話を持っていったということですけども、ケネディ大使ご自身は例えば登山に興味があるだとか、なんかそういうカヤックだとか、バイクだとか、そういうのに元々運動としてやっていらっしゃるとか、その辺はご存じないですか。
●知事
いわゆるアスリートでいらっしゃいます。ですから、そういうスポーツには造詣が深くておられるということでありまして、最近でも、あれは宮城県の自転車競技大会[ツール・ド・東北2015]とか参加をされておられます。
○NHK 木庭尚文 記者
そういうこともあって、彼女もその話があったときに、これは出てみたいっていうふうにおっしゃったっていうことになるんでしょうか。
●知事
ええ。そのSEA TO SUMMITという新しいスポーツについて、辰野[勇 モンベルグループ]代表がご説明されたのに対しまして、参加してみようというご意向が示されたと伺っております。
12 中国電力からの拠出金と原子力対策に関する知事の見解等について
○日本経済新聞 船越純一 記者
中国電力からの6億円の拠出の件について聞かせてください。6億円の拠出が決まった際に、知事はこれが再稼働の判断の前提となるものではないということで、それはもちろん地域として決めていかなければいけませんし、島根県さん、立地県の島根県さんですらまだ考えてないところをそんな話をするのは早いという判断があったと思います。ただ、10月、去年の10月の段階で、これは知事個人の思いなんだと思うんですが、知事会見で、判断に影響を私の心の中では与えると思いますというふうにおっしゃっていまして、これ、個人の判断としての発言だというふうに理解しますと、この思いっていうのは今まだ変わってないのか、そこあたり、その変遷に何かあったのかお教えお願います。
●知事
ええ。ちょっと、これ、辿っていただいたらいいかと思うんですが、中国電力[株式会社]で実はぶら下がり[取材]のときからいろんなやり取りになっているんですけども、私自身は、実はこれ、整理をしてしゃべっています。ですからそこは一貫して辿っていただけると思うんですけども、皆さんは、要は報道的にはこういう資金を受け取るというのは再稼働の条件が1つクリアされたということですかと、こういうお尋ねだったんですね。それで、そういう意味での再稼働判断の条件ではないと、これは明確に申し上げています。それで、じゃあこれは何なのかということでありますけども、再稼働を判断をする前に片付けておかなければならない、そういう課題でありますねと、そういうようにこれもご説明申し上げております。ですから、ここのところがほどけなければ、そもそも再稼働判断を議論するところにも行けないわけでありまして、そういう意味でだいぶ、何回もやり取りがありましたので、判断自体に、最終的には影響を与える部分もそれはあるでしょうと。もちろんこれがほどけなければ、それはこっちにいかないわけであります。ただ、再稼働を判断するのはやっぱり安全を第一義として、そして地域の意見などを総合して決めていくものでございまして、これは立地も周辺もそうだと思いますけれども、それはそれのプロセスがあります。それでそことは全然別の問題として再稼働をするかどうかを議論する前提として、そもそも人件費の負担だとか、そういうものが周辺地域で発生している、これの課題を解決する必要があるじゃないですかという意味合いでございます。
昨日[15日]も経[済]産[業]省の方にそうしたことも大分申し上げたわけです。鳥取県は原子力環境センター、今、今年度中の落成を目指して動いているぐらいですね、他地域ではちょっと考えられないぐらい実は対策を進めていまして、それは逆に言えばその県民の税金を使いながら対策を取る額が増えてきているってことにもなるんですね。ですから、そこは我々としても悩ましい。それで、これが我々勝手にやっているならいいんですが、そうではなくて原子力安全対策として、国が周辺自治体に我々を位置付けたんですね、今回30km圏内入ったことで、UPZ[緊急時防護措置準備区域]に対策地域が膨らみましたので、それで我々が法律上そういう対策をしなければならない自治体になったわけです。それで対策を打つのに、それは地方税を使うのかというところはどうもちょっと解せないんですね、それで立地地域であれば便法として核燃料税という便法でやられるわけでありますが、今回も溝口[善兵衛 島根県]知事もかなり真剣に動かれて、鳥取県にそういう核燃料税でその部分を回していくということを考えられたんですが、最終的にはそれが、調整がつかなかったということになりまして、そうであればもうあとは直接中国電力と話をするしかないということで、私どもで中国電力側の方に負担要請をしたというのが実相であります。そういう意味で、ちょっと非常にちょっと言葉が難しいんですけれども、普通言う再稼働を今政府が判断するだとか、中村[時広 愛媛県]知事がどうだとか言っているその再稼働判断云々の議論で、通常こう議論するその材料の前の段階の、だから前提問題っていうのはそういうことなんですが、前提問題として解決しておかなければならい課題だというふうに申し上げております。ですから、そこはあんまり変わっていません。
○日本経済新聞 船越純一 記者
いや、そのとき、そこもかなりお話をされていまして、その上で前提となる要素というのは判断に影響を与えることでよろしいでしょうかというQに対して、判断に影響を私の心の中で与えると思いますというふうにおっしゃっているので。
●知事
それがだから前提としてということですね。
○日本経済新聞 船越純一 記者
ええ。
●知事
私が言っている前提問題は条件ではないんです。前提問題というのは条件の前の段階で解決しておかなければならない課題、その前提ということではこれは判断に影響を与えざるを得ないですよね、それでここがクリアされなければその前提のところがまとまらないわけでありますから、それで、そこでいろんな環境作りができた上で、それでいわゆる再稼働判断について議論するという段階になるという理解だったです。
○日本経済新聞 船越純一 記者
ちょっと意地悪な聞きかたになるんですが。
●知事
はい。
○日本経済新聞 船越純一 記者
国に制度を作るように求めている、それは溝口知事も支持するような立場で話をされていました。
●知事
はい、はい。
○日本経済新聞 船越純一 記者
それで実際に今、基金というものも現実立ち上がりつつあります。それで、そこがまた先のままですね、国が制度を作らないまま、中国電力が例えば再稼働の判断を求めてきたときとかいうのは、どういうふうにおっしゃるおつもりですか。
●知事
うん、そこはまたそういう時点で。
○日本経済新聞 船越純一 記者
時点。
●知事
例えば条件というのはどちらかというと安全対策だとか、そういうことをやっぱり検証すべきだと思います。それで、それ以前の段階ではどういうかたちで我々が安全対策を取ることが担保されるかというのは見なきゃいけないんだろうと思うんですね。それで、本来はやっぱり中国電力もそう言っているんですが、国として制度設計すべきだというのは本来だと思いますし、溝口知事も同じ考え方でいらっしゃいます。それを求めていきますけれども、さらにその時点でどうなるか。それで今回、高橋[泰三]次長という資源エネルギー庁の考え方としては、内閣府とどういう工夫ができるか相談したいという言い方でありまして、以前よりは若干含みがあるようにも聞こえなくもなかったです。ただ、まだやるよと言っているわけでもないし、考えると言っているだけといえば考えると言っているだけなので、その辺は我々としても粘り強く今後働きかけをしなければいけないと思います。
○日本経済新聞 船越純一 記者
分かりました。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
山陰中央新報です。関連してですけれども、配分額、境港、米子への配分額はこれから決められることだと思うんですが、島根県の溝口知事が島根県側の核燃料税の配分の額と整合性を考える必要があるというような話をされておられました、その辺についての受け止めというか。
●知事
それは、私もちょっとその溝口知事のやり取りをちょっと入手させていただいて、こちらとしても溝口さんの考え方も大事ですから取り寄せましたけども、最終的には鳥取県の判断だろうというのが溝口さんの記者会見の本旨だったようにも読めます。ただ、溝口知事の問題意識はたぶん、要は周辺地域の財政需要について、それを判断しながら島根県側でも核燃料税の配分割合というのを決めたんだと思うんですよね。それで、そういうような裏にはかなり精密な計算があったんだと思います。ですから、雲南[市]だとかあるいは安来[市]だとか、そうした島根県内の周辺自治体に対する核燃料税の配分とある程度の整合性が結果としてはあるはずだという思いもおありなんじゃないかと思うんです。それは私も理解できますので、私どもとしてはむしろ島根県側の考え方、それもよく見させていただき、ただ、さはさりながら鳥取県側には鳥取県側の方で受け取った寄付金の配分は、これは鳥取県側の裁量でありますので、米子[市]や境港[市]とも相談をして具体的な配分のあり方を決めていくというのが筋道だろうと思います。
正直申し上げて、核燃料税とか、立地交付金のようにそういうロットの額とはだいぶ違います。今、6億円というふうに言われているのは、もう規模として1桁違いぐらいの話でございまして、そういうようなことの中で、要は本当にかかるお金をどうやって支弁していくかというふうな程度の額でありまして、私どもはそういう意味でそういう島根[県]の溝口知事がおっしゃっているような島根[県]側の配分の考え方も十分踏まえながら境港、米子両市とも協議をして最終的に考え方をまとめていきたいと思います。
○毎日新聞 真下信幸 記者
視覚障がい者の交通安全対策についてなんですけども、先程、考える、どんな課題があるのかというのを検討する場を考えないとなということだったと思うんですが、それは、その視覚障がい者の交通安全というものに、そこにスポットを当てたものなのか、それともそもそも視覚障がい者が生活するにあたってどんな課題があるのかというようなところまで広げるものなのか、そういう位置づけと、あとは、となると、県警ですとか交通安全協会とかそういうところも関わってくる問題かと思うんですが、どういうかたが参加されるものになるのかというのをちょっとお聞かせいただければ。
●知事
今、実は私どもでは、障がい者のコミュニケーション保障について我々での協議機関もございまして、そういうところで例の聴覚障がい以外のお話も扱っておりまして、年々こう、バージョンアップさせていこうという体制を別途取っています。先程申し上げましたのは、これはちょっとまだきちんと詰め切ってはいませんけども、我々でいうと交通安全対策協議会ってあるんですね。これは、警察だとかそれから我々のような行政側だとか、交通安全関係者だとか、そういうかたがたが入るところでいろいろ交通安全対策を議論をして最終的には交通安全の目標づくりだとかそういうことをします。それで、例えば高齢者については、高齢者の検討をするようなそういう集まりをもったりもするんですが、障がい者について、例えばそういう交通安全対策協議会などでそういう障がい者、視覚障がい者の今回の事件に、事故に対する対応などを議論してもらうというのも1つのやり方ではないかなと思っております。ですから、それ自体は限定的なもの、もっと大きなものはまた別の場がすでにあるということです。
○毎日新聞 真下信幸 記者
新たに何か設けるというよりかは、その既存のところの中で1つの議題として話し合っていこうというようなイメージですか。
●知事
そうですね、ちょっとそれまた関係者の考え方もあるので、今後よくちょっと協議をした上で我々としても緊急な対策としてどういうことが必要なのか、それを話し合って今後の予算等につなげていきたいと思っています。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
今の関連で、今のところもし何か把握されていましたら、こういうところが交通安全、視覚障がい者の交通安全対策で必要なんじゃないかという具体的なところが、もしありましたら教えていただけませんでしょうか。
●知事
例えば、先般徳島[県]の飯泉[嘉門]知事が[国土交通省]自動車交通局を訪ねて要請活動をされていましたけれども、本来は自動車の保安基準と言いますか、安全基準として音声でああいうトラックとかがバックをするときの、そういう基準が明確でなければいけないんだと思うんですね。それで、国の制度がまず第一義だと思います。それは、制度改正などを我々として求めていくんだろうと思います。ただ、併せて県としてできることがないだろうかということですと、例えば私どもの方で[鳥取県]トラック協会だとか、[鳥取県]バス協会などに補助金、交付金を出したりしております。そういう中で、そういう視覚障がい者対策などもさらに計上していくとか、そういうソフト面で、規制面は、これ国がやらないとどうしようもないところだと思いますけども、ソフト面で地域としてそういう安全対策を図っていくという手法は、なんらか考えられるのではないかと思っております。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
バスとかトラックのそういう協会により協力を呼びかけるというような趣旨でしょうか。
●知事
ええ。トラック協会等に実は鳥取県としてかなりの額の交付金を出して、その運転者、運転手さんの職場環境づくりだとか、それから安全対策などの費用支援をしています。そういう中でまずはちょっとやってみるということもあるんではないかと思っています。
14 手話パフォーマンス甲子園の持ち回り開催について
○読売新聞 高山智仁 記者
読売新聞の高山です。手話パフォーマンス甲子園のことなんですけども、一部で開催の県を各県で持ち回りにしてはどうかというような意見が出ているようなんですけれども、そういったお話、ご把握があるのかないのかということと、もしどこからかの団体からそういうような要望があった際にどういうふうに対処すべきとお考えか。
●知事
ちょっと想定外でありまして、私自身はそういうご意見に出会ってはいません。ただ、今後どうするかというのは、それは議論はあるかなとは思いますが、私どもは実は全日本ろうあ連盟という、ろう者の皆さんの全国組織と実は一体となってこれ進めておりまして、その中では私どもの話の中ではまた鳥取[県]でぜひやってくれというようなお話をいただいております。それで、私どもとしては、そういうちょっとご意見についてはあまり接してはいないんですけども、今年度の取組みを総括をして来年どうするかというのを早急に今決めようとしております。準備に既に入りかけておりまして、新年度に向けて今鳥取県以外での開催というのは視野に入っておりません。
○日本海新聞 井上昌之 記者
すいません。先日ですね、地方創生の総合戦略、鳥取県作成されましたけども、その中の項目のことでお訊ねしたいんですが、知事が先般の13日の元気づくりの会議の中でも、うちは結婚体制が弱いからねという認識を示されました。これまで子育て対策、それから出産に関する不妊治療の助成金ですとかそういった部分は充実させておられましたけども、今後は結婚の部分にまでこう行政が踏み込むということになろうかと思うんです。具体的に出会いサポートセンターを年内に設立されるというお話もあるとお聞きしますけども、その点について、現在の結婚対策にこれまで足りてなかったという部分のご認識を改めて伺いたいのと、今後どういう方向を目指していかれるのかという部分をお聞かせいただけんでしょうか。
●知事
私どもとして今まで少子化対策ですね、現場の声を聞きながら順次やってまいりました。例えば不妊治療の支援、これについてもたぶん全国でも一番補助制度が充実している県になっていると思います。あるいは子育て環境の支援、これによりまして経済的な負担を若い夫婦の世帯で背負いこみ過ぎないように、そういう対策を取らせていただいたりしました。こういうことは評価をされて、鳥取[県]は移住も含めて子育て環境としていいし、住んでみたいというそういうお声はお蔭さまでいただけるようになったと思います。それでこういうことがたぶん影響しているんだと思いますが、合計特殊出生率は1.60まで急上昇はしてきているですが、ただ、いわゆるその消滅可能性都市というものから脱却していくには、現在あるカップルの数がこれがどんどん減っていけば結局人口減少やそうしたものに歯止めがかかりきらないということになりますので、むしろカップルの数をちゃんと作っていく。これは若いかたがたの意思に沿うかたちにもなるわけですね。今言われているのは出会いの場がない、それで結婚できないというお話もあるわけです。それで私どもの方でも調査をしてみますと、生涯未婚率でいきますとだいたい3分の1程度ですね、男性ができないとか、5分の1程度女性ができないとか、そういうデータも出てきておりまして、かつての鳥取県内とは違ってきています。そういう意味で今まで婚活イベントをメールで送信をするとか、また登録してもらってその婚活イベントの助成を公的にも行うという鳥取県としての踏み込んだ策もやってまいりましたけれども、1対1の出会いなどに含めて、さらにステージを上げる必要があると思います。
この点については茨城県とかですね、やはり進んでいる県もありましてそういうカップルの成立数を上げているところも出てきております。それで私どもとしてもこの度予算も作って出会いサポートセンターを動かそうというふうに考えておりまして、今、選考中ではありますけども経済団体、県内の、そうしたところなど受け皿を作ってスタートを切れるんではないかという準備の進展も出てきておりまして、そういうことなどを進めていきたいと思っております。これは今年や来年で解決できることじゃないと思いますが、何年かかけて、総合戦略の実行として進めていきたいと思います。
○日本海新聞 井上昌之 記者
今、担当課に伺っているのは、そのサポートセンターでは1体1のお見合い、まずこれがプロフィールを提出してもらって引き合わせるお手伝いをすると、あるいは、例えばデートにどんな服装を着て行ったらいいのかとか、そういうことすら分からない男性もいるようでして、そういうかたへ講習でこういう服を着たらいいんだと、そこまで行政が踏み込むのかなと疑問に感じるのもあるんですけども、そういうことも今、考えておられるようなんですけども、今まで行政がそういうところにはタッチしてこなかったように思うんですが、国の地方創生の考えかたからいっても結婚までやならいといけないということになってきていると思うんですが、その県民のかたにも理解をしていただきながら進めて上で、今これが必要なんだというところをもうちょっと詳しく教えてください。
●知事
はい。やはり、出会いだとか結婚というのも実は社会ニーズなんですよね。それで、それが今の時代の趨勢で難しくなってきていると、1つには出会いの場がないこと、それで、もう1つにはいわゆる貧困の連鎖のような課題だと思うんです。それで、後者については産業創造だとか、企業支援だとか、いろんなことを展開しているわけでありまして、これ、比較的行政分野で取り組みやすいところであります。ただ、そのカップリングについては、これは内心の問題でもございますし、極めてパーソナルなことでもございまして、なかなか今まで行政が取組みにくかったところです。国もそうでした。国も集団的な婚活イベントも今までは否定してきたんですけども、公的な関わりとしては。それで、この度、大分政府も考え方が変わってきて、そっちに乗り出そうというふうに変わってきています。それで、私どももそういう婚活イベント支援などをやってまいりましたけれども、限界があることも事実なんで、そういう1対1のマッチングも進めて、若いかたがたの願いが叶う環境作りを後押ししたいということです。ただ、今、ご指摘ございましたように、非常に微妙な問題もあって、要は行政機関が昔で言うお見合いの釣書みたいなものを持って、それでデータベース化してやるというのは究極の個人情報管理にもなりますので、どこまでタッチするかなというのは難しかったり、また、婚活のいわばアドバイスなど、その辺もどこまで踏み込むのかなという課題もあるわけであります。そこで、今の出会いサポートセンターについても、これもいわば民間団体のそうした活動を支援するというかたちで県として関わってはどうかと、こういうアイデアでございます。それで、いろんなアドバイスというお話でありますけども、一昨年[平成25年]ですか、これ、鳥取JC[青年会議所]さんがそういう婚活イベントをされたときに、カップル成立率が極めて高かったです。それで、これは合宿型でありまして、その成功の要因には事前に、これ、鳥取[県]が男性を出して関西から女性が来るというパターンだったと思いますが、鳥取[県]側の男性が割と引っ込み思案で、うまくカップリングできないということがあると、これ、若いJCの皆さん考えられて、それで、婚活で成功するためのそういうテクニックというかたちで、そういう、いわば1つの講座みたいなことをやったわけであります。それで、それと併せて出合いイベントで事務局も積極的にカップリングに向けて動くということをされた結果、非常に成立率の高いイベントになったわけです。これは成功事例だと思うんですね。それで、その成功事例を我々としても大切にして、広めていく必要があるんじゃないかということで、今、おっしゃるようなアドバイスのようなことも必要ではないかなと考えております。もちろん我々も公共団体でありますから、多くのかたがたのご意見に基づいて、そういう手法についてはいろいろ検証したり、改善をしたりして進めていきたいと思っております。
○日本経済新聞 船越純一 記者
すいません。21日にEGLツアーズがやってくることで、航空戦略、国際の方はかなり充実してくる可能性が高まったと思うんですが、8月末で撤退した分もありまして、この先、この巻き直し、巻き返し、国内便の巻き直し、巻き返し、今、どんなアイデアでどんなことをやろうとしているかを教えてください。
●知事
スカイマークさんには最終的に最終便が飛ぶあの日[8月31日]も当時のスカイマークの幹部のかたと膝を交えて話もさせていただきました。会社の経営体の仕組みは変わりますけれども、スカイマークとして以前約束していたように、いずれ帰って来れるように頑張るということは変わらないと、これは明確におっしゃっておられました。私どもとしてはそうしたスカイマークの今後の経営が改善をして軌道に乗った暁に米子[鬼太郎空港]への乗入れ、何らかのかたちで復活をするということも十分選択肢として考えられるのではないか、この働きかけはやっていきたいと思っております。また、併せまして、今、LCC[格安航空会社]を初めとしていろいろな航空ネットワークが国内でも広がりを見せ始めています。それで、そうした各社に対しまして、私どもも、いわばエアポートセールスをかけておりまして、そういう多様な空の道の確保ができるように私どもとしても交渉をしてまいりたいと思っています。
○日本経済新聞 船越純一 記者
おっしゃられたのは、鳥取空港にフジドリームエアラインズさんが一度チャーターで入られたんですけども、エアージャパンですとか、これが立ち上がっていくところもありますし、何か特定の一社を狙い撃ちするとか、そういうかたちではなく幅広くというのが方針になるということですか。
●知事
これも、企業誘致もそうでありますけども、我々としては広く呼びかけながら、それで、ある程度、具体性の可能性が見えてくれば濃密に個別に交渉させていただくということもございます。それで、そういう意味で私自身もそういう航空会社、新規の航空会社のトップのかたにお会いしたことも最近でもありますし、いろんなかたちで今後も働きかけを個別にも強めてまいりたいと思っています。
○山陰放送 秦卓史 記者
すいません。事業棚卸についてお聞きします。今週、報告を受けられた際に、一旦今年度で終了というふうに知事の方も言われましたけれども、その際に来年度以降別のかたちで再スタートを考えたいというご発言もありました。具体的に別な何か会合、県民も参加するような会合、委員を募るのか、あるいは全くそういう会合などを持たずに県民の意見などを集めながらチェックをしていくようなことをお考えなのか、どういったイメージなんでしょうか。
●知事
今、ちょっと実務レベルで検討するように申し上げておりまして、[平成28年度]当初予算までに成案を得て、いずれ議会にお諮りを申し上げたいと思います。議会側から強く出されましたのは、この事業棚卸しについてですね、時代の使命も終わったんではないか、廃止すべきではないかと、こういう強い意見があり、私どもとしても、そうした方向性で検討しております。先般も事業棚卸しに関わられた細井[由彦 鳥取大学理事・副学長]先生など、中でのご意見のブリーフィング[報告]をいただきましたけども、その際も、要はいきなりこう公募で応じて委員になって非常に細かい鳥取県の県政の事業、それについて評価をするっていうのは、大変だというような話もあるわけですね。今、これ元々は、事業の見直しなどに資するという意味で国全体でNPOから始まっていった手法を私どもも借用しながら鳥取県なりの改善を進めて、事業棚卸しという方式を作ってきたんですが、やっぱりこのやり方自体にも限界があるというのも事実だと思います。ただ、片方で、私どもの方で鳥取県の県民参画基本条例というのを作り、県民の皆さまのご意見をいろんなかたちで県政に取り入れて、パートナーシップにより県政運営をしようという基本方針もあります。
それで、そうした意味で、私のイメージでは例えば県政のモニターをしていただく、それで評価もしていただく、そうした新しい何かこう手法があってもいいんではないだろうかというふうに思います。それで、ある程度時間をかけながら、それぞれのどこか特定の事業なり、要は得意分野がやっぱりあるわけですよね、それぞれの人に。いきなりやって来て、福祉の細かい事業を見ろとか、医療の細かい事業を見ろとか、教育のこの事業を見ろって言われても難しいかもしれませんけれども、県政をモニターするようなかたちで、県政に参画をしていただく、評価をいただく、そういうのを私どもで予算編成等々の参考にしていくといったような、緩やかなシステムもあるんじゃないかなと思います。そういう意味で、新しいアイデアを検討するように事務ベースの方でお願いをしているところです。
○朝日新聞 柳川迅 記者
関連してですけれども、事業棚卸しがなかなか公募してきた人で、なかなか細かい事業、なかなか短期間で見ていくのはなかなか難しいという限界があったということなんですけれども、とはいえ、今まで続けてこられたわけですから、それなりにちゃんと意義もあったかと思うんですけども、そこはどうお考えですかね。
●知事
ですからそこは、積極的に評価できる部分と、なかなか限界がある部分を冷静に捉えて、それで私は単純な話ではなくて、何かそれに代わる県政モニター的な制度があってもいいんではないかなというふうに思っております。元々は民主党政権時代の事業仕分けが非常にセンセーショナルでありましたけれども、ス-パーコンピューターのことであるとか、あるいはNASA[アメリカ航空宇宙局]の事業であるとか、一刀両断で切って捨ててしまっていたら、今、日本で例えば[小惑星探査機]はやぶさのことだとか、そうした成果が上がっていたかどうかというような議論もあるわけです。スーパーカミオカンデ[世界最大の水チェレンコフ宇宙素粒子観測装置]などもやはりそうした意味で今ノーベル[物理学]賞につながっておりますけども、そうしたことが、要はその場の判断でマルだ、バツだ、で簡単に仕分けしきれるかという、そういう限界も本当はあったんだと思うんですね。ですから、そこは冷静に、要は県民の皆さんが県政に評価をしてもらう、参画をしてもらうということを確保しながら、ちょっと無理のかかるような制度設計でないものを考える、その辺のバランスの問題だろうと思っています。
○山陰放送 秦卓史 記者
すみません。関連しまして、これまでの事業棚卸しの結果によって廃止された、あるいは廃止、見直しを、そういった施設が実際この間のメタンハイドレートの貯蔵施設になったりしている事例もあって、これは一概にマイナスではなかったのかなというふうな、成果もあったのかなというふうに思うんですが、知事のこの事業棚卸しが生み出した成果、プラスの面についてはどういうふうに評価されているんでしょうか。
●知事
それはやはり、外の目が県政に入るっていうことはポジティブな要素だと思います。ですから、それを完全にシャットアウトしてしまうのは、1つの楼閣の中に県政を閉じ込めてしまう、外から見えにくくしてしまうことにもなりますので、そういう選択はすべきではないというのが私の考えかたでありまして、何らかの代替手段を考えるべきと思っております。今ご指摘がありました[鳥取港]海友館のこともそうでありますけども、片方でセンセーショナルに今回の議論の発端かもしれませんが、老人クラブ連合会補助金とか廃止の宣告を受けて、大騒ぎになったものもいろいろございます。その辺は、要はこの間の議会の議論で言えば、たまたまというか、その委員として入られたかたの要は裁量判断で大事な歴史や伝統のあるような事業が、一刀両断でやらないというふうに宣告されたりするのに対して、議会のようにずうっと定点観測で、毎年4回にわたって議論をしてみてきたものの立場ということだと思いますが、若干そこは違和感があるということだったんじゃないかと思うんですね。それも意味合いが分からんことでもないもんですから、評価できることはちゃんと評価した上で、エッセンスをちょっとかたちを変えて、継続していくということだと思っています。
○山陰放送 秦卓史 記者
やはりその評価方法が非常にセンセーショナルなと言いますか、知事が言われましたように廃止という非常にセンセーショナルな判定があるから、そこは避けたいということですか。
●知事
ですから、いろんな意味でそれを検証していくことになると思うんですね。それで私どもも別に事業棚卸しでマルバツで、バツになったらこれで終着駅というふうには、実は制度設計は敢えて鳥取県はしなかったんですね。そこは事業仕分けとは違うところでありまして、私どもは、最後はまた議会の判断なり何なりが留保できますよというかたちにはして、デモクラシー[民主主義]のシステムの中での意見、重要な意見として評価はしていくと、そういう位置付けで事業仕分けをやってまいりました。ただ、この事業棚卸し方式も、そうはいってもやはりいろんなこう、何と言いますか、ドラスティック[過激]な世論を喚起する作用もありまして、ちょっと過度にそういうことにならないようにする配慮が必要だろうと思っています。その意味である程度時間をかけてじっくりと事業を見ていただきながら、評価をしていただくような、そういう仕組み、新しい仕組みもあり得るんではないかなと思っています。
○時事通信 平野実季 記者
総合戦略についてちょっとお訊きしたいんですけども、フォローアップする体制づくりについて詳しく訊きたくて、今までも産官学金労言が参加した会議など、若者の会議とかされてきたと思うんですけど、それとはまた別の人選とかをして新たに会議を設置するっていうようなことになるんでしょうか。
●知事
今おっしゃる、先程申し上げたのは1つのアイデアでありますが、鳥取創生[チーム]会議だとか、今おっしゃる[とっとり創生]若者[円卓]会議だとか、そういうものでまずは皆さんにいっぺん集まっていただいて、今回の[鳥取県元気づくり]総合戦略の中身をもう一度共有をし、それぞれ役割分担をしながら進めていきましょうと、そういうまずはキックオフをして、動かしていくんだろうという感じがいたしております。そういう意味で若者会議とか、鳥取創生会議あるいは「来んさいな 住んでみないやとっとり」[県民]会議、そうしたことが母体になって集まってもらってまずは立ち上げをするということかなと思っています。人選を皆入れ替えるとかいうところは、最終的には全部はできないし、しないと思います。というのは鳥取創生会議にPDCAサイクルのチェックをする役割を与えていまして今後も継続して機能を果たしていただくことに総合戦略上なっておりますので、そこまで全部組み替えるということではないです。
○時事通信 平野実季 記者
あと、消滅可能性都市をゼロにというのを目標に掲げていまして、10月中に全市町村ができるということで、今までも市町村とともに作っていこうという姿勢を大事にされてきたと思うんですけども、今後行うにあたって、例えば、市町村コンシェルジュとか、あと、そういった会議は継続していくというか、また新たに何かそういう一緒にしていくために体制を変えるっていうことはありますか。
●知事
そこは継続して、基本的には市町村コンシェルジュも今計画作りに係わってきましたけれども、フォローアップをしなければいけません。ですから、今までやってきて効果のあることは継続をしていくべきだと思います。ただ、もちろんこれから今度は計画作りからさらに事業執行の段階に入ってきますので、その事業執行の段階に相応しいような改善は今後考えていく必要があると思います。
○時事通信 平野実季 記者
実質的な部分として、やはりKPIを設定するということで158項目出てきましたが、この数字の設定というのは知事としては挑戦的な数字にしたというようなイメージになるんでしょうか。
●知事
かなりハードルは高めになっていると思います。それは議会でも議論がだいぶんありまして、言わば頑張ればこの辺までいけるなというような水準よりも上目にいっていますので、若干背伸びをした数字になっていると思いますが、そういうKPI[重要業績評価指標]を設定することで、むしろ県内の可能性を最大限引き出していこうということにはつながればと思っております。ただKIP設定した以上はその実現を目指して、我々としても例えば移住者、これ元々は5,000人のレベルだったものを6,000人に最終段階では議会の意見を入れて引き上げましたけれども、そうしたレベルを目指せる機動的な事業執行を心掛けていきたいと思います。
○時事通信 平野実季 記者
あと、とっとりイズムだったり、元気づくりっていう言葉を入れたり、少し合言葉的な言葉も入れていると思うんですけども、そういったのはやはり県民のかたとかにイメージとして分かりやすくというか、PRの効果も考えているのか、あと今後どういうふうにアピールしていくっていう、周知を図っていくというのか。
●知事
やはり最後は県民運動的に皆でやろうということにならないと上手くいかないと思います。それは政府が今、産学金労言官という6つの主体を盛んにおっしゃるのはその辺にあると思うんですね。行政だけが前走っても結局企業さんが動かなければ職場は変わりませんので、働き方も変わらない、経済も上向かない、そういうことになると思います。そういうようにそれぞれが協力し合いながら進めていくという意味で、共通のその目標を持てる仕掛けというのは必要だと思います。それで、私どもももう素案、骨子、素案段階から順次公表しながら今回の総合戦略づくりを進めてきましたが、議会でも議論が出ましたのは、何か分かりやすい目標が見えるような、そういう仕掛けが必要だということでとっとりイズムという1つのスローガンを考えたところでございまして、我々としても多くのかたがたに思いを共有していただける、そういう仕掛けを今後も工夫していきたいと思います。
○時事通信 平野実季 記者
ちょっと広報に関連してなんですけど、すみません。先日西宮市の今村市長がその市と住民が対立する問題、論議を呼ぶ問題に関して、会見ではなくてホームページに文章で挙げるというかたちで、今後対応を考えるというようなことを発言されたという報道があったんですけども、知事として今、会見だったり文書でもいろいろ情報公開されていますが、そういった公開の仕方について見解がありましたら。
●知事
いろんなご意見がやはり行政には寄せられるもんだと思います。西宮市もそうだと思いますし、私どももそうでありますが、私どもの場合、こういう記者会見というチャネルも1つ用意をさせていただいているのと併せて、日常的には県民の声制度というのを運用しておりまして、いろんなご意見を私どもの方で組織的に対処しております。それで、これは最終的にはそのお答えをホームページで公開をするというようにしておりまして、これがちょっとその[今村岳司 西宮]市長さんが言っているのと重なるかどうか分かりませんが、鳥取県なりのやり方だと思っています。私ども県民参画基本条例で書いておりますように、県民の皆さまとのパートナーシップの上に、私たちのふるさとづくりができると思っておりまして、今後も多様な意見と向き合いながら行政を展開していきたいと思います。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
すみません。鳥取大学医学部附属病院の関連でお聞きしたいんですが、医学部附属病院の再開発に伴ってその隣接する湊山公園の跡地、湊山球場の扱いをめぐって、が焦点となるという報道がありましたけども、鳥大側はその鳥取市への移転も示唆しているということだそうなんですが、これ市と鳥大とのマターではあるんですが、極めてその医療圏の維持ということにも関わってくると思うんですが、これ県としては、知事としてはこの問題どのように見ておられますでしょうか。
●知事
これは、実は根っこが深いと思っております。鳥取大学医学部は山陰の医学の雄でございまして、また実践的な臨床医療を高度に展開をしている拠点でもあります。従いまして、今までもいろいろと施設の増設を繰り返して来られました。その限界が来ているというご認識が[医学部附属]病院側、そして医学部側にあるのは事実でありまして、これまでも米子市との議論の中でも、事業用地の拡張、大学用地の拡張について協議が持たれてきております。今回の発言もその一環ではないかなというふうに思います。こうした発言があったことをきっかけとして、米子市と大学との膝を交えた協議が行われて、何らかの結論がもたらされることに期待をしたいと思います。鳥取県としてここに何かこう口を挟むという必要はない分野かなとも思っていますし、先般、豊島[良太 鳥取大学]学長ともお会いしたときにこのことについて少し意見交換をしましたけれども、豊島学長としては冷静に受け止めてもらったらいいというふうにおっしゃっていまして、このことは市と大学との協議を行うべしという以上のことは、今段階ではないのではないかと思っています。ただ、唯一ですね、私どももちょっと引っかかりがありますのは、今、県全体の救命機能を拡大しようというふうに考えて、現在ドクターヘリは関西広域連合[ドクター]ヘリ、さらに島根県[ドクター]ヘリの活用で行っているわけでありますが、県独自のヘリポートを持ち、ドクターヘリを運用するということを、今、真剣に検討中でございます。それで、これが医学部の課題とも関係してくるわけでございまして、そちらへの影響は我々としても慎重に見ていきながら検討を進めるということになると思っています。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
平井知事としては、今、鳥取県立中央病院も建替工事がこれから始まるというところで、医療圏がさらに充実しますし、そういった意味では米子の医療圏の中核を担う3次救急機関としても、医学部附属病院というのはやはり米子に残るべきだというのがやっぱり基本的には思われるところでしょうか。
●知事
その以前の問題としてなんですけども、要は[鳥取大学]医学部側と[医学部附属]病院側と[米子]市との間でこの用地の狭隘問題について十分な協議を本来すべきであると、そのことに尽きるんではないかと思っております。緊急の課題として病院が移転するということを今想定できる状況でもたぶんないんだろうと思っています。
○時事通信 平野実季 記者
すいません。人事委員会勧告で17年振りに月給が引き上げということの勧告があったんですけども、その勧告に対する知事の分析と、あと、今後考え得る対応というのを話せる範囲でお願いします。
●知事
はい。これは今から組合交渉をして、職員側の意見も踏まえながら執行部としての考え方をまとめていくことになります。鳥取県の場合は、他の県と違いまして人事委員会の勧告に基づいて官民格差を是正をすることをモットーとして、住民の皆さまに理解をいただけるような給与体系を作ってまいりました。ですから、他の県とはちょっと違う独特の構造になっています。そういう意味で人事委員会が[職種別民間]給与実態調査に基づきまして[月例給]1.26%の引き上げ、さらに[特別給]0.1ヶ月分の引き上げ、これ平均でありますけども、そうしたことを勧告をされて、それに基づいて1.4程度の引き上げた給与表などの勧告を行われたわけでありまして、これは、私ども執行部としても、重く受け止めたいと思います。
ただ、いろんな課題もあると思いますし、その辺は今後、職員組合との議論の中でも明らかになってこようかと思いますし、最終的には議会のご判断を仰ぐということになろうかと思います。1つの課題は財源のことだろうと思います。今回の勧告をそのまま実行しますと、今年では7億円ぐらいの財源が必要になります。また、平年ベースに換算をしますと、14億5,000万円程度の追加財政需要ということになります。ですから、決して鳥取県のような自治体では軽い負担ではございませんで、その辺についてどう工夫できるのか、考えられるのか、それは別途の判断として、私どもも向き合わなきゃいけないという状況があります。ですから、今、軽々に結論出せる状況ではないんですけれども、まずは職員組合との話合いを始めて最終的な結論を我々執行部としても出していきたいと思っています。
○共同通信 杉原領 記者
すいません。共同通信なんですけれども、中国電力の拠出についてなんですけれども、鳥取県のように立地県ではないけれども、対策を講じなければいけないという県は全国にいくつかあるんですけれども、今回のこの回答を受けて他の自治体から県の方にこの電力会社と県の一連の経緯について説明を求められたりしたということ、あるいはする予定などはこれまで問合せとしてはありましたか。
●知事
あまり他県からの反応、直接は当方にはあまりないというところだと思います。ただ、報道によりますと、京都府さんのコメントとして鳥取県でこういう動きがあったことについて京都府としても調査したいというお話がありました。ですから、そういうように他の地域にも我々の動きが影響を与え得るのではないかなと思っております。ちなみに、京都府の山田[啓二]知事には私どもの交渉している過程で、鳥取県、当然ながら周辺地域その他も同じような状況もありますので、鳥取県は今こういうことをしているということは山田知事にはお伝えをしております。
○共同通信 杉原領 記者
今後、その他自治体からの問合わせなり、相談などがあれば応じるなり、お話しできる範囲で応じるような考えというのはおありだということですか。
●知事
当方としては、それは当然ながら同じような悩みを抱えた地域同士で共有していきたいと思いますし、根っこのところは、今、立地のみにそういう安全対策の財源までも限られていること、このことです。周辺地域も安全対策をやりなさいと国が求めているのに、国は立地と同じような財源を与えていないということですね。何かこう、便乗して公民館をつくるとか道路をつくるだとか、そういうことを求めているわけではなくて、今専門家の原子力安全対策に精通した人材を雇うための人件費であるとか、あるいは避難訓練を行うにあたっての諸経費であるとか、そうした不可避なものがたくさんあるわけでございまして、せめてそういうところに対する財源手当てはまず国として責任持って考えるべきではないかなと思います。ここは、本来周辺地域でも思いを共有している自治体は多いんではないかと私は思っております。
○共同通信 杉原領 記者
京都の山田知事の場合ですと、高浜原発が一番行政区分としてはPAZ圏内に入っていると思うんですけども、やはり切迫感というか、鳥取県を強く意識しているなという感覚はありますか。
●知事
京都[府]はちょっと特殊でありまして、PAZ[予防的防護措置準備区域]の中に入っているんですね、確か。PAZか10km圏内には少なくとも入っています。ですから、以前から鳥取県がこういうふうに周辺対策を始める以前から、他の周辺自治体とちょっと違う、一段違う扱いを受けておられました。それで、京都府の方でもいろいろ人材を抱えたりしてきた経緯がございまして、鳥取県は東日本大震災以後その取組み始めたということであります。ですから、京都[府]は京都[府]のやり方があって、実は今までもやってきていることがあったりしますので、私どものようにさらから始めたところとはちょっと違いはあるかなと思っています。ただ、いずれにいたしましても、京都[府]とか、滋賀[県]とは関西広域連合も一緒でございまして、共に周辺地域としてさまざまなチャネルで意見を述べておりまして、それが関西広域連合を通じて国に対する要請活動などにもなっているという状況でございます。
○共同通信 杉原領 記者
ありがとうございます。
○朝日新聞 柳川迅 記者
他、質問ないでしょうか。では終わります。
●知事
はい、どうもありがとうございました。