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平成28年2月定例県議会付議案に対する知事提案理由説明要旨

 これより、本定例県議会に提案いたしました諸議案につきまして、その概要を御説明申し上げます。

 今議会に提案いたしました議案は、
  予算関係    30  件
  条例関係    30  件
    その他の案件  13  件の 合計  73 件であります。

 最初に、議案第1号 平成28年度鳥取県一般会計予算についてであります。

 本県経済はこれまでの産業施策等により雇用等の改善が見られるものの、世界経済の停滞やTPPなどによる不透明感が払拭できず、少子高齢化の進行や人口流出克服が地域社会の課題となっています。
 これに対し、国全体で実質的な地方交付税が減額されるなど厳しい財政環境にありますが、鳥取県として、平成28年度当初予算について、歳出の重点化・効率化を図り厳しく精査した上で積極的な編成を行い、臨時議会で成立した補正予算と併せて14か月予算とし、「とっとりの元気づくり」を強力かつ機動的に展開することといたしました。なお、プライマリーバランスの黒字確保など、県民の皆さまとのお約束である財政誘導目標の達成に向けて着実に進んでおります。
 
 それでは、平成28年度当初予算案の概要につきまして、順次御説明申し上げます。

  まず、第一に、「響かせようトットリズム」であります。
「鳥取元気づくり推進基金」を創設し、「トットリズム推進補助金」など元気づくりの本格展開の礎とし、新たにクラウドファンディング支援をスタートするとともに、日本財団との協働のもと、ユニバーサルデザインタクシーの導入をはじめ「日本一のボランティア先進県」のプロジェクトに乗り出します。
 また、移住定住を加速させるため、新たに移住応援パスポート制度を創設するほか、首都圏での相談員配置、「未来人材育成奨学金」対象業種拡大により若者をはじめとした移住定住を強力に進めます。
 更に、サイクリングなどニューツーリズムの全県展開や、ワールドトレイルズカンファレンス、大山開山1300年に向けた国立公園指定80年記念フォーラム等を開催するとともに、水素活用実証拠点整備を行うほか、グラウンドゴルフ国際大会、ジャマイカとの交流、障がい者舞台芸術祭、BeSeTo演劇祭の開催を支援します。青谷上寺地遺跡整備を行うための基本設計に取りかかるほか、鳥取西道路など高速道路のミッシングリンク解消を進めてまいります。
 
 第二に、「産業と雇用で開く未来」についてであります。
 TPP対策も視野に、農林水産業の生産基盤強化や販路拡大など強力に推進することとし、農業大学校での6次産業化プロデューサー認証講座開設、「新甘泉」増産に向けた大苗生産、「きぬむすめ」ブランド化などを展開するとともに、畜産クラスター事業や和牛増頭対策、薬用きのこの栽培実用化、ギンザケ養殖の拡大等を進めます。中小企業の設備投資等を応援する県版経営革新を拡充するとともに、企業立地の重点支援による産業構造の高度化を図るほか、市町村の工業団地造成支援を拡大します。県産加工食品の施設整備等を支援し、販路開拓をサポートするほか、雇用の質の向上を図り正規雇用を促進するとともに、職業能力開発総合大学校及び果樹研究所の機能移転に向け態勢整備を進めます。 
 更に、大交流時代を実現し国内外からの積極的誘客を図っていくため、香港定期便就航支援、外国人観光客に対応する宿泊環境改善や案内表示多言語化を進め、島根県と共同したDMOを設立し、県内空港「空の駅」化やオンライン旅行サイトの活用などを進め、境港竹内南岸壁において国際貨客船ターミナルの基本設計に着手します。
 また、故水木しげる先生の偉業を称え継承していく「怪フォーラム」などを開催するほか、豪華寝台列車「瑞風」運行に備え受入態勢の整備を進め、山陰海岸において超小型モビリティを活用したエコツーリズム、ロングトレイルを展開することといたします。

  第三に、「絆のある暮らし」についてであります。
 県立中央病院建設工事に着手し、ドクターヘリの導入に向けた体制づくりを進めるほか、住民、市町村、大学等が一緒に健康づくりを行う「まちの保健室」を設けるとともに、マンモグラフィ読影医師の育成、医療用ウィッグ等の購入支援により、がん対策を推し進めます。また「安心サポートファイル」の普及をはじめ知的障がい者の親亡き後のサポート体制整備を進め、全国でもまだ設置が進んでいない「盲ろう者支援センター」を開設します。更に布勢総合運動公園や民間建築物のバリアフリー化など障がい者、高齢者にやさしい環境づくりを前進させます。
 そして、スーパーコンパクトビレッジなど、「支え愛」の拠点作りを展開し、賑わい創出に向けた空き家の掘り起こし・マッチングやリノベーションを支援するとともに、原子力防災対策、避難所運営リーダー養成等、災害等に強い地域づくりを進め、県庁の行政情報システムの飛躍的拡充、鳥取県自治体情報セキュリティクラウドの構築を行うほか、ナラ枯れ対策、ニホンジカ対策などを着実に進めます。

第四に、「人財こそ鳥取の宝」であります。
 野外自然保育も含め、第3子保育料無償化に加えて、低所得世帯の第2子保育料無償化を断行するとともに、高校生まで小児医療費助成を拡充します。また、低所得世帯等の子どもたちのために、県庁に「くらし応援対策室」を設置し、夜間・休日に安心して過ごせる「子どもの居場所」づくりを行い、「地域未来塾」での学習支援を拡大するほか、ひとり親家庭の入学準備金、再就職準備金貸付を実施し、「鳥取版ネウボラ」の整備推進、三世代同居等を応援する「とっとり住まいる支援事業」の拡充、不妊治療の初回助成額拡大や男性不妊治療支援強化を進めます。また、スタンフォード大学と連携した高校生向け遠隔講座を開設するとともに、アクティブラーニングを進める高等学校ICT環境整備、小学校理科授業力向上を図ります。
 更に、県庁に「女性活躍推進課」を設置し、女性の労働環境改善に取り組む企業への支援を行い、女性の起業やスキルアップをサポートするほか、介護人材再就職準備金など、介護や保育の人材確保を図ります。
 また、人生を楽しむ高齢社会の構築に向け、交流サロン型共生ホームや「ご当地体操」の普及を進め、平成35年の「ねんりんピック鳥取大会」に向け、基本構想の検討をスタートさせます。

 以上の事業を精査しました結果、平成28年度当初予算案の総額は
3,490億72百万円
となるものであります。

 

 また、議案第21号 平成27年度鳥取県一般会計補正予算につきましては、不用額の精査等をいたしました結果、84億6千万円余を減額することとし、補正後の平成27年度予算総額は、3,635億1千万円余となるものであります。

 次に、予算関係以外の主な議案につきまして御説明いたします。
 
 議案第34号 鳥取県特定個人情報の利用及び提供に関する条例の設定につきましては、マイナンバー制度発足に伴い、県民の利便性向上に資するため、特定個人情報を県が利用または他機関に提供できる事務について定めるものであります。

 議案第35号  鳥取県立山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館の設置及び管理に関する条例の設定につきましては、山陰海岸学習館をユネスコジオパーク運動の中核的役割を担う観光振興にも資する施設とするため、その設置・管理について定めるものであります。

 議案第72号 子育て王国とっとり条例の一部改正につきましては、子どもの貧困対策、家庭・地域の教育力向上について条例に位置づけ、施策の推進を図るものであります。

 以上、今回提案した付議案につきまして、その概要を御説明いたしました。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

  

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