1 地方創生を推進するためのまちづくり関係条例案の準備
●知事
皆さま、おはようございます。来週の11月30日から12月にかけまして県議会を開催をすることとなります。これにつきましては補正予算の提出のほか条例案件を提出したり、また、今後の課題に向けた議論をスタートするものもございます。条例としては、1つにはこれは地方創生のためのまちづくり関連条例を出すわけでございますが、福祉のまちづくり、これについてはホテルなどについて200平方メートル以上のもの、また、飲食店について100平方メートル以上のものを対象にして、新しく設置をされる施設について福祉の基準を満たしていくという内容でございます。もちろん公共施設についてもスタジアムの障がい者仕様などを進めようというものでございまして、従来よりも、ある意味、地方創生で鳥取県のコンセプトであります、ともに生きる社会づくり、それにふさわしいようなものを県全体でやっていこうと、こういう考え方でございます。
また、使い勝手の悪い規制もございます。市街化調整区域についてはその規制を緩めることといたしまして、例えば市街化調整区域での社会福祉施設の設置でありますとか、それから、空き店舗の転用などが従来よりもやりやすくなるように、こちらは規制緩和の方向で出させていただこうと、その他関連するものを含めましてパブリックコメント等々を経た上で今回提出する運びとなりました。
●知事
また、2つ目には人事院勧告に基づきまして給与条例等を出すことになります。これについては、1.26%の引き上げという内容でございますが、4.10の月数に0.10月ボーナスを引き上げる内容も含んでおりますが、鳥取県の場合、民間の給与との比較の下にやっている、全国でも稀なやり方をしております。それに基づく給与実態調査による勧告を受けてのものでございます。財源としては6億[円]ほど必要になるわけでございますが、今年度[平成27年度]の分は、予算の今の人件費の枠内で執行できる見込みとなっております。
また、これと併せて人事委員会から勧告が出ておりますし、国の方の人事院でも勧告が出ていますが、働き方の改革を進めなければいけないということです。昨日[11月24日]も経済財政諮問会議が開かれまして、一億総活躍社会に向けた予算編成の支持というものがなされているところでございます。そうしたものと関連をして働きやすさというのを作っていかなければならないわけでありまして、県庁も、県職員についてもそうした意味で改革を進めることにいたしたいと思います。具体的には、フレックスタイム的な勤務方法、今、認めております。1日8時間労働でございますけども、そのうちコアタイム[出勤義務のある時間帯]がありまして、それで、育児のときなどに配慮をしながら、その開始の時間と終わりの時間を動かすことができる制度を作っておりますが、これのコアタイムについて、10時~3時までにコアタイムを短くしまして、例えば夕方子どものお迎えに行くだとか、そうしたことがやりやすいようにその辺は改善する必要があるかなと思っています。これは、さまざまちょっと協議も経た上でできるだけ早く年明けぐらいからでも運用上解決できると思いますので、やっていきたいと思います。
また、併せまして、さらなるフレックスタイム、あるいは退職者の活用等々、いろんなテーマがございますが、これについては条例改正が必要なものもありますし、予算措置の必要なものも出てきますので、これは[平成28年度]当初予算、当初議会の方で改めて追加で議論させていただこうかなと考えております。
3 使用済物品等の放置防止に関する条例の制定に向けて
●知事
また、使用済み物品についてでございます。これについても使用済み物品の適正な保管を進めるための条例[鳥取県使用済物品等の放置防止に関する条例]を、これ、全国で初めて鳥取県としても出させていただくことにいたしました。これもパブリックコメント等々を経て関係の業界の皆さんとも話し合いをしながら案を詰めてきたわけでございます。具体的には不要物品を回収し保管をする、こういう業を営む人について、県の方に届け出をしなさいということにいたします。それで、これがよそではないことであります。その上で、その保管の基準というのを作りまして、例えば柵で囲うとか、地下の方に浸透しないような措置を取るとか、そうした環境的な基準など併せて遵守するよう条例に書き込むわけです。
それについて、例えば、違反があるというふうに思えばうちの方で命令をかけることができる。その命令に違反した場合には20万円以下の罰金というようなこと。こんなような体裁のものでございます。実態はどうかと言いますと、本県の場合こういうことで課題のある案件がだいたい年間20件余りぐらいあったんですね。しかし、昨シーズンは38件と倍近くまで延びてきています。徐々にそうした事案が増えてきているところでありまして、これ全国的にも同じ状況があり、関連の業界の皆さんも問題意識が高いところでありました。なかなかちょっと今の法律関係だけでは処理できないところ、つまりこれは有価物であると言ってしまえばごみにはならないわけでありまして、廃棄物処理法等で適用はできない。また、リサイクル法の方でも引っ掛けられない、そういうようなエアーポケット[空白]の部分がございまして、これについて条例で規制をするということにいたしたところであります。
●知事
また、国の方の制度改正で行政不服審査法がやり方が変わっていまして、審査の場合ですね、審査庁になる場合にそのときに行政不服審査会というのを設置しなさいということになります。それで、これについて市町村と実は話し合いをしてきました。元々鳥取県、市町村もそうでありますけども、小さなロット[単位]の自治体でこういう行政不服審査会というのをそれぞれ自前で作りますと当然ながらコストがかかるわけでありますし、ノウハウが分かりませんのでそれが上手く機能するかということもあります。そこで話し合った結果ですね、行政不服審査会というのを県と市町村とあるいは一部事務組合もありますが、全部共同で設置をすると。基本的にはその県庁の中にそうした部局と言いますか組織を置いて、ということに事務局を置いてということにしてそれで経費について割り勘をしていくと。例えば案件があったところは大目に払ってもらうとか、もちろん人件費が元々かかりますから、その分はある程度割り勘にするとか、そうしたことで県全体で効率的な執行をしようという、いわゆる行政機関の共同設置という地方自治法に基づく手法を採用してみてはどうかということにいたしたいと思います。
市町村側と協議がまとまってきまして、この県議会以降、議論に供していきたいと思いますが、実際のそれぞれで議案を県や市町村に出さなきゃいけませんが、早ければ2月の議会で出していこうじゃないかと、今こんなような話し合いをしているところでありまして、まずこの冬の12月の議会で下話を進めてはどうかということであります。
●知事
また、国の方の予算編成だとか、さまざまな課題につきまして今相次いて方針なり、会議が持たれているところであります。昨日[11月24日]、経済財政諮問会議の会合がありまして、国として行財政改革を図っていくことと併せて一億総活躍社会、これを目指した動きをしよう。ローカルアベノミクスを実現していこう、こうしたことが協議をされたところでございまして、いよいよ国の方の当初予算編成も本格化することになります。また、補正予算としても3兆円規模で補正予算を検討しようかということが今報道されております。
今日[11月25日]ですね、TPP[環太平洋戦略的経済連携協定]についてその方針が示されるということになりました。従いまして県としても、この国の動きを受けて本日[11月25日]TPPの対策会議を収集をさせていただき、急遽これからの対策について話し合っていこうと。これは補正予算という非常に切迫した編成作業が迫られることもございますし、さらに新年度[平成28年度]以降の今当初予算編成を県でもやっておますので、その中にも反映していかなきゃいけないということになろうかと思います。このTPPについては、牛や豚についての価格が安定する、価格が下落した場合の保障制度、これを法制化する。あるいは豚の方の農家の負担割合を引き下げる等の改善が見込まれ、補填割合も9割に引き上げようという議論が進んでいまして、今日[11月25日]それが決まって来るんではないかと思われます。これは、1つには歓迎すべきことでありますが、使い勝手のいい制度になるかどうか、これは今後フォローしていかなきゃいけないことだと思います。国の方はTPPについてあんまり影響がないということをいろんなかたちでおっしゃるわけでありますが、農家側の不安感はぬぐえないものがあろうかと思います。例えば、ネギやブロッコリー、ブロッコリーなんか特にアメリカからの輸入があるわけでございますし、どうなるかという話があります。
また、乳製品が入ってくることになりますと、北海道の生乳が本州へ入ってきて価格下落を引き起こすのではないか、こういうことも相変わらずに言われているところでございまして、今後よくその国の方の対策も見ながら県としても必要な施策を補強することがあれば、これは県独自のものも併せて考えていく必要があろうかと思います。ただ基本的には先般も国に働きかけましたが、国の方の責任において対策を取っていただくべきものだろうと思っておりまして、これについてよくウオッチをしていかなければいけないと思います。
また、地方創生、地方分権についても進んでくることになりますが、ぜひ、この度の補正予算を3兆円余りの規模で組もうという動きがあるのでありましたら、その中に地方創生関係の交付金というのも盛り込んでいただき、今[平成]28年度当初で1,080億円という議論がなされていますけれども、それを補うようなかたちで今年度の補正の中でも対応していただき、事実上その当初予算を膨らませて地方を応援するようなかたちも考えていただくべきではなかろうかというふうに思います。
●知事
また、地方分権については、これ明日[11月26日]私も朝会議に出ますが、地方分権改革推進会議でハローワークについての議論がなされようかと思います。これについて地方側の悲願でもございましたハローワークの地方移管、これが一定の前進を見るようなかたちでの決着を目指していただければと思います。先般雇用対策の部会の方で地方独自のハローワークの設置、それから全国的にハローワーク特区を展開をする、こうした方向性の中の合意が得られたというふうにお伺いをいたしておりまして、期待したいところでもありますが、明後日[11月27日]の[安倍晋三 内閣]総理[大臣]との全国知事会議の中でも申し上げるべきかなと思いますけれども、ただ、これが骨抜きになってはいけないわけでありますし、中身のあるものにしなければいけないわけであります。
そういう意味で官僚組織は、とかくこれは従来の運用の範囲内だとかいうことを強調するわけでありまして、どうも新聞の一部報道を見ていますと、そういうレクチャーを盛んにしているように見える向きもございまして、その辺は警鐘を鳴らしながら、我々としても地方分権の実が上がるような主張をしていきたいと考えております。全国知事会議、総理官邸で開かれますが、そうした地方創生だとか、TPPだとか、さまざまな課題について話し合われることになろうかと思います。ぜひ、昨日[11月24日]の経済財政諮問会議の中でもローカルアベノミクス、地方創生ということを基軸に謳っておられますので、内実が上がるように政治のリーダーシップを発揮していただければと考えております。
7 既製コンクリート杭工事施行データ改ざん等に係る対応等
●知事
安全安心ということからいきますと、昨今からもうずっと騒動が続いておりますが、旭化成建材[株式会社]につきましては2件ですね、本県においても杭打ちの調査の結果の偽装があったというふうに、昨日[11月24日]公表をされました。私どものところにも昨日[11月24日]ですね、当事者側から連絡がございまして、我々なりにも聞き取りをさせていただいたところでございます。今回の案件は県西部の工場ということでございまして、担当者に早速昨日[11月24日]指示をさせていただきましたが、どういう状況かよく調査をするということ、それからもちろんその元請けが責任を持ってそこを調べられるわけでありましょうけれども、目視等でもいろんなかたちで調べられますので、実際の影響がないかどうか、県の職員も調査に入って調べるようにということを申し上げました。また、これについては、やはり国の制度の問題があると思います。その辺も国に対して要求をしていかなければならないだろうと思います。
実はそれと併せて、今のはその16件の旭化成建材関係のうち、2件で今偽装が見つかったということでありまして、実は旭化成まだ2件、判明してないものもあります。これデータがない等の理由によるということでございますが、そうしたものと併せて県独自でも調査をしておりましたのは県の関係の施設や土木工事でございまして、具体的にはPHC工法と言われる今回の工法によるもの、その全数と、過去10年間、さらに旭化成建材とそれからジャパンパイル[株式会社]が関与をしておりましたその他の工法の杭打ちのもの、これらを今調査をやっているわけでございますが、その関係の中でも今のところ、今1件疑わしいものも出てきているというところでありまして、今、最終調査をしているところでございます。そういうようにいろんなかたちで、これ実はジャパンパイル、旭化成建材だけでもない課題なのではないかなと県の調査の中でも今回判明しつつありまして、その辺はやはり国[土]交[通]省にも認識を新たにしてもらわなきゃいけないのではないかと思っております。
そんな意味で国の方にも緊急に要請活動もしなければいけないのではないかと考えております。今後県の方で、それが判明がはっきりした場合は、その件について安全性を調査を求めるとともに、関係者の方にもお知らせをしたり、説明をしたりということもしていかなきゃいけないと思っております。そうしたようなことなどいろいろと対策も取り、県としても今後はマニュアルを改めるなどして、徹底を図って安全、安心を確認していかなければいけないと思います。
また、防災ヘリについては更新をしてまいりましたが、12月19日に「だいせん」という名前の新型ヘリが導入をされることになります。これ90mのホイストなど設備も一新をされ、キャパシティ[容量]も多くなり、また航続距離でも東京の方まで行けるぐらいの航続距離になり、足も速くなるということでありまして、今後の活躍が期待をされるところであります。障がい者の関係では、あいサポート・アートとっとり展がいよいよスタートをする。また東京の方で、アクセシビリティ[インターネットにおける利便性]についてのフォーラムが開かれ、私も参加をさせていただくということになっておりますが、そうした意味で共生社会、先程の福祉のまちづくり条例も含めて今後運動をしっかりと展開をしてまいりたいと考えております。
●知事
産業の活力ということでいろいろと我々も各方面に働きかけをしておりますが、先般も尾山[基]社長と神戸でお会いをしたり、さまざまな折衝をしているところでございますが、[株式会社]アシックスさんが、今境港[市]に工場がありますけれども、これについてこうした国内の生産体制をどうしようかということでいろいろとアッシクスさん今非常に奮闘されているところでございますが、その流れをぜひ鳥取県内の方で考えてもらえたいということで、実は働きかけをしてきたところであります。それで、アシックスの境港の工場を拡充、拡張すると、それで強化をするということで、この度、話し合いがまとまってきまして、今後、まだ詳細を詰めた上で年明けにでもきちんとした協定を結ぶなりをしようという、基本的な方向性が出てまいりました。その中には、本社機能のうち、開発拠点というところを一部、鳥取県境港市の方に移転をすること、それから併せましてミュージアムファクトリーというふうに今言っているわけでありますけども、実は、アシックスさん非常に海外で評価が高くございまして、熱狂的なファンもいます。オニツカタイガーについて特に、このオニツカの名前は、鳥取出身の鬼塚[喜八郎]前会長のお名前ではあるわけでありますが、元々復刻ブランドのようなかたちだったものが、例えばタイであれば、王さまが使っておられるということもあって、大変高値で取引される人気ブランドに、今なっているわけであります。ですから、海外のかたも含めて、製造現場を見てみたいとか、そういった言わばミュージアム的にアシックスのスポーツシューズについて知りたい。そんな人たちがいるわけでありまして、単なるファクトリー、工場でなくてミュージアムファクトリー、そうしたコンセプトで考えられないだろうか、こうしたことで今話し合いがまとまってきております。これ詳細をしっかりこれから年末に詰めさせていただき、年明けにでも正式な協定へと結び付けていきたいと思います。
●知事
先般は、倉吉農[業]高[等学校]の子どもたちのミルキークイーンが、お米の甲子園で最高金賞を取るという快挙がございました。これ農林水産業の元気もTPPを跳ね返して出していかなければいけないと思います。五輝星については70万円のカニを寄付をしてくださった[株式会社]中村商店さんに感謝状を送呈させていただきたいと思いますが、併せて松葉ガニの日28日に、カニパフォーマンスのコンテストをやるなど、言わば盛り上げを図って鳥取のカニを売り出していければと思います。また、明日[11月26日]には、新宿のハルク[HALC]におきまして、京橋千疋屋さんという国内有数の高級果物店の花御所柿の販売促進に、私も応援にまいりたいと考えております。そんなようなことなどいろいろとそうした農林水産業の元気づくりをこれから展開をしてまいりたいと思います。
10 冬のフラワーイルミネーションinとっとり花回廊
●知事
また、これからいろいろとイベント等もあるわけでございますけれども、これからさまざまな冬のいい季節を皆さまにも楽しんでいただければと思います。今年[平成27年]は11月20日から[とっとり]花回廊のイルミネーションがスタートをしまして、1月31日まで連日続くことになります。毎日、夜7時には花火大会が行われるなど賑いをかもしだすわけでありますが、去年[平成26年]は100万個の電球ということでありましたけれども、花の丘と言われているスペース、これを虹の丘というふうに称しまして、コンピュータも駆使したようなそういう楽しいイルミネーションが始まっておりまして、こうしたものが新たに加わって140万球のイルミネーションになっております。これ、だんだんと1つのイベントとして、今後、定着させていければなというふうに考えておりまして、ぜひ、多くのかたがたにも訪れていただければというふうに考えているところでございます。私の方からは以上であります。
○朝日新聞 柳川迅 記者
各社、質問をお願いします。
11 既製コンクリート杭工事施行データの流用問題に関して
○NHK 橋本慎也 記者
NHKの橋本です。すみません。先程、県の独自の杭工事の調査で、1件疑わしいものが出ているというお話が出ましたけども、これは、昨日、旭化成が発表したものとは一緒のものなんですかね。
●知事
これは、旭化成[建材]でもジャパンパイルでもないものでPHC工法を使っているものです。実は鳥取県60件ですかね、追加調査を県独自でやっています。それは県工事の関係なんですが、先程もちょっと申し上げましたけども、具体的には、今回の事件のことがありますが、旭化成[建材]、それからジャパンパイルが追加で出ましたので、これらの杭工事は全て調べましょうということをやっています。それと併せてPHC工法、このPHC工法を採っているところについては、これはその2社以外のところも県独自で調査をしましょうと。それで、実はトレースして、その波形がどうかと、これ、県工事でありますので、これは民間工事と違って県に書類が残っているわけです。それで突き合わせをして、精細に、慎重にダブルチェックもしながら見てきて、今月いっぱいでできれば仕上げたいということでやってきたわけでありますが、そういう中で、今のところ1件ですね、これは、いわゆる調査結果の偽装ではないかと疑われるものがあって、今日も最終調査をしているところであります。それで、はっきりすれば、またその状況については詳しいお知らせはしなければいけないと考えております。これが旭化成[建材]やジャパンパイル以外のものでありますので、その2社だけが今規制上言われていますけれども、その他のものにもあるのではないかという疑いを本県としては今持っているわけです。その旨を国交省の方にも緊急にやはり申し上げて、再発防止策、昨日も石井[啓一 国土交通]大臣がそのことをおっしゃっていましたけれども、やっぱり制度的なことを考えていかなきゃいけないんではないかなと思いますので、その辺の訴えかけをしていこうと思います。
○毎日新聞 真下信幸 記者
毎日新聞です。関連してなんですけども、その1件っていうのは県のその土木工事なのか、それとも建物なのかっていうところと、その偽装っていうのは、基本的には波形のそのトレースしたところがこう切り貼りされていたところがあったというような認識でいいんでしょうか。
●知事
はい。そういうふうに考えていただいて結構かと思いますが、建築工事です。建築工事ですが、建物に付加するようなかたちで建築をされる部分でございまして、従来の建物は建物であってそれに付加されるようなかたちで造っているところ、それで、今それがじゃあ具体的に、調査がおかしいと、どうも結果がおかしいということであっても、それを補って余りあるような杭工事がなされているかどうか、こっちの方がよっぽど重要でありまして、それも含めて、今、最終調査をしているというところであります。波形を見ると、どうもこれ世上報道されているものかなというものが見つかったっていうことですね。
○毎日新聞 真下信幸 記者
じゃあ、現状今月末までには全部の書類の調査を終えようということだったかと思うんですけども、その1件に関しては現在実地調査しているという認識ですか。
●知事
実地調査というか、書類調査をし、そして今、施行業者の話も聞き始めております。ちょっとその結果を見ないと我々としても最終判断ができないと思っています。
○読売新聞 高山智仁 記者
読売新聞の高山と申します。現時点で、既にもう傾いているとか、具体的な危険があるという話ではない。
●知事
ないと思います。実は今書類上でいろいろ見ておりますけども、杭の長さ自体は恐らく十分に入っているんではないかと思われるケースですが、調査がおかしいということですね、ただちょっとこれまだ最終結果が出たあとで具体的にご報告したいと思います。
○読売新聞 高山智仁 記者
それと、すみません。その国の制度のところについても言っていかないといけないだろうということですけれども、実際問題、現在の制度のどのあたりに問題があるのではないかというふうにお考えでしょうか。
●知事
今ですね、2つあるわけですけども、1つはその建築確認制度ですね、それで鳥取県も今回県西部の工場の案件、これ旭化成建材でありますけども、これについて建築確認の申請があり、建築確認ということをするわけですね。ただ、行政庁として手に入れられる書類に、今、今回問題のあるようなそういう波形のところ、その杭内の調査っていうのが入ってないんですよね。ですから、それは、これ実は全国の制度でありまして一部のところで独自に求めるという、要は建築業者は全国的にもありますので、ですから全国どこでも同じようなかたちで届出がされなければならないということがございまして、これは統一の制度として国が作っている制度ですが、建築確認のなかではそこまでしか出来ないところでありまして、そうしたところなど、やはり現行制度の課題もあるのではないかなというのが現場の感想です。
それから、あともう1つには、今回の課題を受けて、どういう手続きがあるのかということがあると思うんですね、これは本県でそういう問題が起きたわけではありませんが、横浜市の都筑[区]のケースで言えば、ああいう状態になってそのあとじゃあ、要は消費者側と言いますか、購入者側がどういうふうに担保がとれるのかとか、恐らく今たぶん関係業者の間で、責任のなすりつけ合いのようなことになっているんだと思うんですね。誰がいくら負担するようになったかとか、膨大な額もかかりましょうし、場合によっては倒産などが絡んでくるといけない、取りようもなかったり、いろんなことが出てくるのかもしれません。これは全く仮定の議論でありますけど、それで、そういう意味で安心して建築を発注できるという安心感が発注者側に生まれないと、例えばマンション需要がへこんでしまうとか、いろんなことにもなってきて、経済的にも問題が出てくるんじゃないかなと思います。それで、我々は施主の立場もあるわけでありまして、県直営工事もあるわけですね。それでそうしたものについて県民の税金で安心して担保がとれたかたちで工事ができる環境づくり、この辺もやはりトータルで求めていかなければいけないのではないかなと思います。そうした意味で、国の方の制度的手当、その辺は確立すべきだと思うんですが、なかなか国[土]交[通]省さんも歯切れよく今おっしゃってくれてなくて、恐らくいろんな事情があるんだと思いますけれども、ただ、どうもなかなか後を絶ちませんし、不安が広がっていくことは経済全体でも、あるいは建築業界でもマイナスになるでしょうから、速やかな対策を取っていただくべきではないかなと思っています。
○日本海新聞 井上昌之 記者
すいません。アシックスの工場のことでお聞きしたいんですけども、今現時点で知事がお聞きになっている範囲で教えていただきたいんですが、本社機能の一部移転ということのお話になったわけですけども、それ以外にも生産体制を拡充するというようなお話なんでしょうか。
●知事
生産ももちろんそうでありますが、この辺はまた詰めているところでありまして、アシックスさんはワールドワイドな企業でありますので、どの国でどのように生産していくかという、そういう大きな課題があるんですね。その中で日本の中の生産をどうするかというそのテーマの中で、境港をできるだけ使ってくれという折衝を我々はしてまいりました。ですから、その生産体制がどうなるのか等々は、これから良く詰めていくということでご理解いただければと思います。ただ、その際に、ただ、単なる工場の拡充整備でなくて、1つには、これは我々の方で申し上げてお願いをしてきたわけでありますが、開発拠点として使ってもらえないだろうかということ、また、併せまして観光客が非常にやっぱり関心を持っておられますので、海外からのお客さんも見ていただけるようなそういう、ある意味グレードの高いミュージアムファクトリーのようなかたち、そうしたかたちで情報発信拠点に使ってもらえないだろうかと、その辺もお願いをしてきたところでありますが、そうしたことを受け入れていただいて、最終的な詰めに今、向こうも入ってくださっているというところです。
○日本海新聞 井上昌之 記者
分かりました。じゃ、今回のお話に基づいてかなり雇用が増えたりとか、そこまではあまり期待できないのでしょうか。
●知事
でも、開発拠点がこちらに来たりしまして、それは莫大に増えるとかいうことではないと思いますが、ただ、雇用は確保され、伸びるということは間違いないと思います。
○日本海新聞 井上昌之 記者
分かりました。近くには水木しげるロードですとか、ベタ踏み坂なんかもございますし、ここにファクトリーみたいなものが、製造過程を見学できるようなものができたらかなり観光面でも、外国人観光客を引きつける1つのスポットになるかなと思うんですけども、そういうお話を軸に向こうとも交渉を進めてこられたということなんでしょうか。
●知事
そうですね、そうしたことを我々としては求めてまいりました。それとあともう1つ大事だったのは、生産拠点として境港というところを持続可能に使ってもらうということですね。
○日本海新聞 井上昌之 記者
ちょっと逆に言いますと、その生産拠点として境港から撤退とは言いませんけど、どっか逃げちゃうようなそういう危機感みたいなものも裏であったんでしょうか。
●知事
そこは非常に複雑な事情がありました。それで私どもとしては、ここはアシックス創業ゆかりの地でもありますので、ぜひ活用していただきたいと。それで、それにあたって、ただ持続可能なかたちでここが使われ続ける意味でも、開発拠点の一部機能移転であるとか、ミュージアムファクトリーというようなかたちでの発信拠点であるとか、そうした機能を付加してもらえないだろうかということも求めていたところです。
○日本経済新聞 舩越純一 記者
すいません。関連してなんですが、ミュージアムファクトリーは本社機能の一部移転という枠組みには入らない。
●知事
それとは別です。はい。それは本社機能の一部移転で今話がまとまりかけているのは開発機能の一部移転です。
○山陰中央新報 太田満明 記者
話を元に戻して悪いんですけど、さっきの、PHC工法の部分、杭打ちのところなんですけども、今、県独自の調査で出てきたのは、たまたま県の発注工事建築の部分ですよね、これが2社以外ということですね、旭化成建材とジャパンパイル以外のものだったということなんですけれども、そうすると、他の業者にも広がっている恐れがあるんじゃないかと思うんですが、この辺業界、業界とか、業界ですよね、を通じて、他の民間とか、何か調べるようなことというのは考えておられますか。
●知事
これについては、騒ぎが始まって割と早い段階で、実は業界の方には我々文書で指導しております。そうしたことがないように徹底すること等を求めております。ただ、それはそれとして、実際のタマが出てきているということが我々心配しているところでございまして、やっぱり国全体で、何と言いますか、その建築だとか、土木工事だとか非常に大切な業種でありますし、業態分野でございまして、しかもそれは利用される、発注されるかたがたにとっても、要は夢がかかっているわけですよね。その夢が壊れないようなそして、ちゃんとして、ちゃんと機能が発揮できるような、安全が最低限保たれるような、その辺のやはり制度設計が国全体で欠けているのかなというのを、ちょっと気にしております。はい。
○山陰中央新報 太田満明 記者
制度設計を国に求めるということは分かるんですけども、少なくとも鳥取県内で、これまで10年間、何十年間で民間に発注した工事ってたくさんありますよね。そういったものを民間業者の方から依頼して調べてもらうといったことはできないんですかという質問したんですけど。
●知事
それは、ご相談があれば我々としても我々の知見は活かしていきたいと思います。
○山陰中央新報 太田満明 記者
業界から調べてもらうということはできないんですか。業界がありますよね、パイル何だっけ、そういう杭打ちの業界があるじゃないですか。そういう杭打ちの業界の方で自主的に調べてもらうみたいなことができないんですか。
●知事
その辺については適正を徹底するということで、これは文書で通知していますし、これは国全体でもそういうことをされています。
○山陰中央新報 太田満明 記者
じゃあ、調査を依頼するまでは考えてない、できないということですか。
●知事
権限上そこまでが今できるかというと難しいかもしれませんね。ただ、少なくとも、例えば今回の旭化成建材の偽装ということがはっきりした2件については、我々の方でも建築基準法に基づく権限があります。それは今、命令をしているわけでありますけども、現況どういうものかそれから安全性に問題があるかどうか、これを調査して報告しなさいと。今これ建築基準法に基づいて我々は業者側に言っているわけですね。それで、問題があるかどうかというのは調査結果を受けて、それで仮に安全性に課題があるということになれば、これは建築基準法に基づいて私どもの方で、最悪ですよ、最悪は改築しなさいとか、使用を停止しなさいだとか、そういうことを行政権限として命令することもできるんです。それで、こういう一連の流れはあるんですけども、ただ、先程申しましたように、そもそも書類がこっちに出てこないというのが今の建築確認制度でございまして、この点については。しかも、ややこしいのは一次下請け、二次下請けとこういうふうに行っているわけですよね。それで、旭化成建材がいろんな会社に関わりながら、実は旭化成建材だったということでありまして、そういう中で今回の事象が起こってきておりまして、なかなか分かりにくい。行政機関側でも確かに建築確認等の行政庁としての権限はあっても及びにくいところがあるというのは現行制度の課題です。
○NHK 橋本慎也 記者
いいですか、すいません。杭打ちの話にちょっと関連してなんですけれども、先程不正を疑われるものが1件あったということで、県内の建築工事で建物に付加するような建築工事というふうにおっしゃっていたんですけども、これは具体的にどういうものなんですか。
●知事
それははっきりしてからまた明らかにさせていただきたいと思います。建築物でございますけども、先程申しましたように、それ自体が独立して建っているものではなくて、既にある建物に付加している、そういう構造物の杭打ちでした。
○NHK 橋本慎也 記者
例えば、まだもちろん最終的な結論というのは出てないということですけども、その会社というのは例えば鳥取県にある会社とか、東京にある会社とかといったらどこになるんですかね。会社名とかは出せるんですか。
●知事
これは、一次下請け、二次下請けと言っていまして、ちょっと今そこ、実態調査していますけども、県内というよりは県外が主としてやったのかもしれません。ちょっとそこは今調査をしています。受注関係を、はい。
○NHK 橋本慎也 記者
あと、どこにある、どこ、市町村で言ったらどこにある工事なんですか。
●知事
その辺また詳細は分かり次第速やかに、もうそんな遠い将来ではないですけど、今、最終調査段階に入っています。
○NHK 橋本慎也 記者
はい。
○読売新聞 高山智仁 記者
杭打ちに関連して、最初、旭化成建材から端を発したわけですけれども、ジャパンパイルが出てきて、今回また新たな別の企業が疑われているということで、改めてそのお受けとめというのをお聞きしたいんですけども。
●知事
ですから、これは結構、根っこが深い問題であると政府は認識すべきではないかなと思います。そういう意味で襟を正して、事前にそういうことが防止できる、あるいはその事後に課題があってもちゃんと保証してもらえる、そうした安心できる発注者側の視点に立った、消費者側の視点に立った制度改革を早急に行っていただきたいという思いです。
14 ハローワークの地方移転の動きと知事会の評価等
○日本経済新聞 舩越純一 記者
すいません。ハローワークの地方移管に関して聞かせてください。知事は先程おっしゃって、また知事会としての申し入れをしたいというお話をされていましたが、先頃、先週末でしたか、内閣府の有識者会議の部会で知事会が求めていました2点、地方版ハローワークの移管を認めることと、知事の関与を明確にすることと、この2点に対して回答というわけではないんですが、地方版ハローワークの設立は認める。知事に関しては労働局に対して要請というような文言でしたけども、実質的な指示をできるような体制をつくるというようなかたちで回答、国側からのボールが返ってきている状況かなと思うんですけども、これではやはりまだ知事会としては満足できない、やはりもっと地方移管を求めていく、強く求めていくべきだというお考えなんですかね。
●知事
実は知事会として、最終盤に差しかかりまして、今、勝負どころになったかなということで、地方分権の特別委員会で再要請を行いました。それは、ハローワークの地方移管、そして併せてその具体的な移管についてこういうことも考えられるんではないか。その1つが地方版ハローワークの創設、もう1つが特区と言われる制度、これを全国展開するということを申し入れたわけです。それで20日の日だったと思いますが、地方分権改革推進会議の雇用部会がございまして、小早川委員長の方で部会としての考え方を取りまとめたんですが、それに私どもが言っていた2つの具体的な移管の方策、選択肢両方とも入れた報告案をまとめられたんですね。ですから、我々としては地方側の要求を受けて分権改革の議論が進んでいるというふうに受け止めています。しかし、ちょっと心配するのは、その後の報道ぶりで、なんか従来と変わらんというぐらいの報道が出てくるわけでありまして、ひょっとすると官僚組織の方で、ああいうふうに一応は書いてあるけども、中身は一緒だよというふうにしようとしているのかもしれないと、この辺はだから総理を含めて政権としても分権改革をするという以上は、内実もそうなんだというふうに仕上げていただきたいという思いです。
○日本経済新聞 舩越純一 記者
それは、政治決断を含めて知事会として求めていきたいというお考えですか。
●知事
そうですね、これは実は長年にわたる国、地方の紛争でございまして、地方は別にわがままで権限くれと言っているわけではなくて、商工行政とやはり労働のマッチングとは一緒になった方が新しい仕事、雇用の場が生まれる、それにふさわしい人材を持ってくるということでやりやすいわけですよね。また、実は労働局がやっているもの以外にも農林関係でも今企業化してやるところもありますし、それから雇用といっても福祉の雇用はどんどん増えていっていますし、医療や福祉や。そうしたことで何かこう、労働局だけが囲い込んでいるのは決して適当でもないだろうと思っているんですね。それが住民のサービスとして地域の経済産業の発展として必要だと考えているからです。そうしたことを考えると地方側の方に権限があった方がいいじゃないかということで長年訴えかけをしてきたわけでありますが、国の方は、実は非常に抵抗が強くて、これに例えば今までのヒアリングの経過からいっても連合さんであるとか、それから経団連さんであるとか、地方移管に否定的なコメントを寄せているところも片方でありまして、非常に今厄介な状況での対立が続いているということであります。しかし、今回地方分権改革推進会議の雇用部会でそこを一歩前へ踏み出そうとしていることは間違いないわけでありまして、たぶん政府内の対立もあるんでありましょうけれども、総理には軸足をしっかりしていただいて、地方側の立場に立った最終解決に持ち込んでいただきたいと思っています。
○日本経済新聞 舩越純一 記者
分かりました。
15 杭工事施行データ流用問題に関する調査状況について
○NHK 橋本慎也 記者
またすいません。またちょっと杭打ちの話に戻してしまうんですけども、先程杭打ちの疑わしいものに対して実地調査や施工業者の調査を進めているということでしたけども、それは施工業者に対して実際に杭打ちのデータの不正をやったかどうかということを聞いたということですか。確認をとったということなんですか。
●知事
そこの今、だから、作業をいろいろしているところですね。我々の方でデータを見る限りではどうも転用しているんじゃないかと思われるところがあるということです。
○NHK 橋本慎也 記者
その施工業者の方は、その不正を認めたということなんですか。
●知事
そこは今、正にヒアリングをしているところですね、はい。
○NHK 橋本慎也 記者
その正にとは今やっているということじゃなくて。
●知事
今やっています。
○NHK 橋本慎也 記者
まだその相手が認めたかどうかということは情報として上がって来てないということなんですか。
●知事
今日、今ここの場で言える段階ではないです。
○NHK 橋本慎也 記者
ただ、今の時点で、記者会見で発表したということはかなりの程度怪しいと思って県としては発表されたということですよね。
●知事
ですから、先程ちょっと旭化成建材の事案に関連して県としても独自調査していますが、その状況を今月末までにある程度申し上げたいということを申し上げていまして、その途中経過として今の状況を申し上げたということです。
○NHK 橋本慎也 記者
分かりました。
16 自動車関係税に関する国の動きと地方への影響について
○時事通信 平野実季 記者
すいません。来年度の税制改正で、議論の中で焦点の1つとなっている車体課税の環境性能割のことについて聞きたいんですけども、これはいつ結論を出すかという点について、主に総務省と経産省の方で対立があるというような報道もあると思うんですけども、これ自体、地方自治体の財源とか実務処理に大きく関わってくる部分でもあると思いますので、知事のお考えというのを、もしありましたらお願いします。
●知事
これについては、やはりその現場の立場を理解してもらわないといけないところがあるなと思います。実は、その自動車税というのは、鳥取県のような地方の都道府県にとっては生命線なんですね。今、恐らく[本県では]一番自動車関係税は比重が高いです。法人関係税とか住民関係税とかございますけども、この車体課税と今おっしゃいましたが、自動車税というのは、基幹税中の基幹税になります。それで、その基数によって財源が左右をされることになります。そういう意味で地方側にむしろ打撃のある改革になるわけですね、改正になるということでありまして、ただその準備をしようと思うとこれは条例での制定ももちろんでありますし、また間違いがないように課税をするという意味では一定の期間が必要でありまして、また、軽自動車税であれば市町村税ということにもなりますし、そういう意味で地方側の自治体の多様性からして、やっぱり一定の期間の前にやはり結論としてはまとめておいていただかないと現場が間に合わないと。それで、消費税が引き上げられるギリギリのところで、さあ決まったよと言われてもそれはなかなか難しいと思います。ですから、それはその経済界なり、経[済]産[業]省も現場に無理がかかるようなことは、それはご理解をいただく必要があるんではないかなと思います。
○時事通信 平野実季 記者
その一定の期間というと、いつまでに、やっぱり今年中にですか。
●知事
ええ、結局その税制改正というのは年に1度でありますので、次の、来年のか、あるいは今年のかと言われれば消費税の引き上げ時期から考えますと、今年のうちに準備をしとかないといけないというのは事実だと思います。
17 行政不服審査会に関する市町村等との調整状況等について
○山陰中央新報 太田満明 記者
よろしいですか、1つ。行政不服審査会のことなんですけど、これ県と市町村と一部事務組合ってありましたけど、だいたい何組合ぐらい、市町村は全部でしょうか。
●知事
これ、全市町村とも話し合い、現在調整をしているところです。それで、市町村や県で構成しているのが一部事務組合であり、広域連合ということですが、そうした県内組織も含めて一括してやろうということになりました。
○山陰中央新報 太田満明 記者
何団体になりますかね。
●知事
ちょっとまた、じゃあ後で具体的に。
○山陰中央新報 太田満明 記者
それと、お聞きしたいのは、人件費、コストが云々という話がありましたけど、これどのくらいコストが安くなるのかという試算ですね。
●知事
じゃあ、また後程報告させます。
○山陰中央新報 太田満明 記者
事例案と。
●知事
はい。要は、委員会自体は有識者なんですけど、
その委員会自体は、審査会自体は有識者でありまして、集まるときにその手当があればいいという程度のものでありますが、ただそれを常設して事務局がなければいけないですね。それで、それがやはり各市町村でそれぞれ作ったりするとその分のお金がかかると。ただ単純に言えば19人と県の場合1人か2人かということになれば、20人やそこらは、1人か2人にまとまるということですよね。そういうようにかなり合理的な制度になるというふうに考えて県市町村で今、歩み寄りながら話をまとめてきているということです。
○山陰中央新報 太田満明 記者
ほぼまとまったという理解でよろしいんですよね。
●知事
ええ、方向性はまとまりました。
○山陰中央新報 太田満明 記者
はい。
●知事
それをこれから、それぞれの12月の議会で相談をしていくことになるんじゃないかと思います。それで、その上で条例を提出しようと、これが2月ですね。
○読売新聞 高山智仁 記者
関連してなんですけど、提案自体は県から各市町村に持ちかけたっていうことなんですか。というか自治体側から内の規模じゃちょっとできないっていうようなこうヘルプがきたんでしょうか。
●知事
これは県と市町村で、従来からこういう、うちの場合ハイブリッドにやろうと、県だ市町村だということでなくて、やっぱり市町村同士でもそうでありますけども、町村会や市長会がございます。そうしたところで問題点の問題意識のすり合わせをしている中で、従来からこうやって共同化できることはないかと、その中で出てきた課題でありました。
○山陰放送 秦卓史 記者
すいません。アシックスの件で確認をさせていただきたいんですが、開発拠点も一部境の方に来て、ミュージアムファクトリーっていうような形態っていうことなんですが、これは現在ある工場に増設するようなイメージなんでしょうか。それとも、現在の工場の形態自体変わっていくということなんでしょうか。
●知事
その辺の今、詳細を詰めておりますので、いずれそこは会社側の方から絵柄なり明らかになってくると思います。まだ検討段階であります。従来のこの敷地の中で、建物を造っていくようなイメージで今、話をしています。
○山陰放送 秦卓史 記者
そうすると県としても、今回のこの協定にこう持ち込むまでの端緒としては、そういうような、現在の工場での生産の形態が何だか変わりそうだぞというような情報があったからということでしょうか。
●知事
アシックス全体の世界戦略の中で、どこで何を作るかということを、今ダイナミックに動かしているところでありまして、それで、そういう中で持続可能なかたちで境港が製造拠点になり続けてもらうこと、これがうちの最大の関心事でございました。それでそのときに、いろいろと向こうとやり取りをする中で、それが永続的な拠点とする意味で開発だとか、そうしたミュージアムファクトリーだとか、そうしたアイデアも持ち出させていただいたところです。
○毎日新聞 真下信幸 記者
関連してなんですけども、その場合、今出て話が進んでいる中だと、県としての補助のスキームにも当たってくることなんでしょうか。
●知事
ええ。もちろんいわゆる企業立地補助金のスキームが当たりますが、そこに本社機能移転があれば、その分がプラスされてきますし、研究開発は優遇を従来からしております。さらにミュージアムファクトリーということで、どのような観光的な機能なり出てくるのか。その辺も見極めながら、もし必要であれば、我々も従来の補助制度に付加していくことになろうかと思います。
○山陰放送 秦卓史 記者
すいません。さらに関連してなんですけれども、アシックスは今生産の分野だけでなくて、流通というか、販売の方まで戦略を大きく変えている最中という認識なんですけれども、計画されていますミュージアムファクトリーっていうのでは、例えば製品なども売っていくようなことも県としては提案されたりするんでしょうか。
●知事
そこはいろんな提案をしているのは事実ですけど、先方は先方ですね、世界的な戦略的再編成の中で、そこをどうするか考えておられまして、まだその販売のことについて、お返事があるわけではありません。
○読売新聞 高山智仁 記者
すいません。関連してなんですけども、その交渉っていうのはだいたい何時ぐらいから始まって、どういったきっかけでこういうことに話し合いを始められたんでしょうか。
●知事
そうですね。でもここ1年ぐらいはいろいろやり取りしているのは事実ですね。1年ぐらい、そんなに前からじゃないですけども、いろいろアシックスさん側もいろんな思いがあって、いろんなやり取りもしております。例えば別の場所っていうことが考えられるかどうかも含めて、かなりいろいろと折衝させていただいておりました。今その現敷地の中で考えていこうと、その際にミュージアムファクトリーもやろうと、こうしたところまで固まってきたということですね。
○読売新聞 高山智仁 記者
そうすると、その戦略の中で、境港の工場、もしかしたら出ていくかもしれないっていうような危機感の中で、ミュージアムファクトリーだとかそういうものを置いたら、創業ののちでやれば、観光客もいっぱい来て、持続可能になるんじゃないかっていうようなご提案をされたっていう。
●知事
我々としては最大の基本戦略は、持続可能なかたちで、境港で操業してもらうこと、それが最大の戦略でありまして、その中でいろんな提案やり取りをしたということです。
○朝日新聞 柳川迅 記者
他、質問はないでしょうか。
19 杭工事施行データ流用問題に関する調査対象について
○NHK 橋本慎也 記者
すいません。いいですか。すいません。またちょっと杭打ちの話なんですけども、以前会見されたときに、旭化成以外の杭打ちの調査を行なったときに、同じ横浜市のマンションと同じ工法で、県営住宅などの建物が21件と、排水機場などの土木工事が11件あるというふうに発表されていたと思うんですけども、今回の不正が疑われるのはどっちになるんですかね。どっちというか、県営住宅の建物の方なんですか。
●知事
建物の方です。建築物と土木であれば、建築物の方です。
○NHK 橋本慎也 記者
それは県営住宅っていうことで、県営住宅に付属している例えば、階段であるとか、そういう理解でいいんですか。
●知事
そこはちょっと今、最終的に詰めているところでございまして、今、我々も誠実に調査をしておりますので、その調査結果がまとまり次第、必ず報告させていただきたいと思います。
○NHK 橋本慎也 記者
県営住宅、すいません、どちらかといえば、県営住宅っていうのは。
●知事
建築物であります。
〇NHK 橋本慎也 記者
県営住宅じゃないんですか。
●知事
建築物であるということで、今のところはご報告いたしたいと思います。最終的には固まりましたら、これこれ、こういうことですということはご報告させていただきたいと思います。
○NHK 橋本慎也 記者
県が発注した建築物で、データの流用が明らかになったっていうことでいいんですよね。つまり、
●知事
データの流用が疑われる、
○NHK 橋本慎也 記者
はい、疑われる。はい。
●知事
事例が明らかになったと。
○NHK 橋本慎也 記者
はい。
●知事
疑われる事例が明らかになったと。
○NHK 橋本慎也 記者
改ざんとかは今のところは、疑われるような事例はないですか。データの改ざんとかは。
●知事
データの流用自体が改ざんですね。いわゆる、はい。
○NHK 橋本慎也 記者
はい。分かりました。
○朝日新聞 柳川迅 記者
他、質問はないでしょうか。では終わります。
●知事
はい、どうもありがとうございました。
○記者
ありがとうございました。