知事定例記者会見(2016年1月28日)

平成28年1月28日(木)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約76分) ※MPEG4形式

  

1 記録的寒波による被害状況と対応 

●知事

 皆様おはようございます。このたびは記録的な寒波が日本列島を、特に西日本を襲いました。九州を中心にして断水等の被害がで、また、本県におきましても尊い命がお二人失われるという、そういう深刻な結果もございました。これから、市町村やあるいは地元の皆様と協働しながらこうした寒波を今後乗り越えていく、さらに同じようなことが起きないような、そういう対策、点検等を進めていく必要があると考えております。今も続いている状況からいきますと、水道の出が悪いという影響が県内にも残っております。いろいろ発災直後からこういうライフラインにつきまして市町村とホットライン状態で情報収集をし、県も仲立ちにあたるところをやってまいりました。今現在の状況でいいますと、米子市におきまして7万4,000世帯につきまして水の影響が残っていますし、それから江府町でも190戸余りの影響が残っているところであります。特に米子市につきましては、もうしばらくこの復旧に向けて今の水道管の補修等を進めていく必要がありまして、1週間とかそういう時間がかかるのではないかと、このような観測も出ているようであります。

 ただ、片方で大山町や倉吉市などそういう被害を克服してきているところもございます。県としては、まず、米子の野坂[康夫]市長と私も2度ほど話をさせていただきましたけれども、基本的には自衛隊の応援なくしてがんばろうじゃないかと、こういうお話が先方からもございまして、できるだけ速やかに復旧対策を県内の資源を活用してやっていこうとこういうことでございました。それで、県の方でも鳥取市を初めといたしまして給水車や人的支援を市町村に呼びかけてあっせんをさせていただきました。これ、同様に大山町とか、倉吉[市]、三朝[町]とか、そうしたところの応援などなどでございますし、そうしたことに加えまして市町村の方でもいろいろと独自にパイプを利用して不便を解消しようという動きをされました。米子市の場合は、最近進出された永伸商事[株式会社]さんがペットボトルの製造工場で井戸を持っている関係から、それを各家庭の配水にも活用するということをされたり、また、日吉津[村]であればイオンさんがありますけども、そちらとの協力協定に基づきまして、水の配布ということも別途されました。多くは給水車等による配布でございまして、これは市町村のそれぞれの応援を県も仲立ちしながら進めていきまして、今も対策にあたっているところであります。

 これも、今後、米子市とも、米子市、江府町が残っておりますが、よくコミュニケーションをホットラインでとらせていただきまして、必要があれば、例えば広域応援等も含めてやっていくことになろうかと思います。水道事業者の協力を仰ぎながら、今、復旧作業は進められているところでありますが、仮にその市町村をまたいで広域的なそういう事業者の応援が必要ということになれば、これは私どもも県全体の管工事業協会さんと協定を結んでおりますので、そうした協定に基づく応援の呼びかけということも今後可能性はあるわけであります。今、それぞれの市町村のそれぞれの資源の中で対応できているということでありますが、今後の展開をよく見ていきたいと考えております。

 また、日南町の三吉でこのたびまた鶏の養鶏業者さんの油がタンクから漏れるという、そういうことが発見をされました。今朝になりまして私どもも現地の方に調査へ行きましたが、川の方には届いていないということでありまして、そういう二次的といいますか、そうした被害には今のところはつながっていないと見られます。また、同じ三吉で崖が崩れまして、残念ながら中村さん宅で被害が出ました。私もご家族に会いに行きましたけれども、お見舞いと哀悼の意を表させていただいたわけでありまして、こういうようなことがないように県内の体制を整えなければなりませんし、復旧にもあたっていかなければいけないということになろうかと思います。そのときにも町長さんやそれから地元の対策にあたってくださっている協力事業者さんともお話もさせていただいたわけでありますけれども、できるだけ速やかに応急措置をとり、本格復旧に向けまして、これは町あるいは関係機関とも速やかに協議をして、できるだけ早く、また、安心できるところに復旧をしていかなければいけないと考えております。

 また、ハウスの被害も県内で12棟出ておりまして、これについては個別に相談にあたっているという状況でございます。また、残念ながら[日南町]阿毘縁で雪下ろしの最中に被害が出ましてお1人入澤建設の社長さんでありますけども、残念な結果となりました。心からご冥福をお祈りを申し上げたいと思いますが、こうしたことが再発しないようにくれぐれもそういう雪下ろし等には県民の皆様も注意していただきたいと思います。日南町の三吉のこの災害につきましては水路が影響したんではないかという見方が強まっているところでございまして、県として同じような発電用の水路がございますので、県の企業局で管理しているものにつきまして点検に入りました。また、同じようなタイプとして農業用水が県内に各地ございます。こういう農業用水につきましては、今、点検必要箇所のあぶり出しを緊急に、行っております。それでおそらく来週くらいには町、市町村であるとか、それから地元の、これは土地改良組合、土地改良区などと役割分担をしながら点検に入っていくということになろうか思います。そういうようなことを通じまして今回は一気に降った雪で水路が閉塞された可能性が指摘をされているわけでありまして、そういう状況の点検をして、対策が必要であれば今後また考えていくということになろうかと思います。





2 異常気象・雪不足対策資金 

●知事

 こういうようなことで今回寒波、それから雪に伴う被害が出ているところでございます。他方で、今年[平成28年]はやっぱり異常気象なんだと思いますが、雪不足に悩んでいたそういう状況もございました。こちらの方は大山で170cmの積雪、花見山で120cm、若桜で70cmの積雪でございまして、そちらの雪不足の方の目途は逆に立ちつつあると思われますが、ただ、その間、だいぶん収入の減に苦しまれたということになりました。これにつきましては緊急の融資制度をこの26日からスタートさせていただいたところでありますが、これから予算編成を通じまして利子補給に入っていく。さらには保証料の引き下げという追加支援を行っていこうと思います。利子補給につきましては、先般市町村との行政懇談会が開催されたときに、大山町長ともお話をさせていただきましたけれども、町としてやっていくという考え方があるようでございますので2月の5日に臨時議会で[平成27年度]補正予算が成立すればそうしたことに入っていけるということになろうかと思います。また、若桜町におきましても同様の状況がございまして検討がなされていると承っております。



3 協同組合やよいデパート破産に係る緊急雇用対策等 

●知事

 また、最近の状況でいえば老舗である[米子]やよいデパートが閉鎖をするということでありました。私自身もそうでありますが、突然のことで大変に驚いたわけでありますけども、かねてからその経営不信ということがあり、それを再建させようと再スタートをしていた矢先の出来事ということになりました。これにつきましては、先般緊急の対策会議を関係機関と共同して米子で話し合いをさせていただきました。その結果に基づいて、やはり先ほどの雪不足対策と同じような対策を講じる必要があるかなと思われます。と申しますのは、デパートの中に入居していたテナントさんがそこで営業ができなくなりますので他所へ移らなければならない。それに伴うやっぱり資金需要があるということがあります。また、雇用に影響する場合はその雇用の相談ということはしていかなければなりません。雇用の相談窓口は西部の総合事務所で開設をさせていただくなどスタートをしているところでございますが、資金不足の方の緊急融資制度につきましても対応が求められると思います。来週になろうかと思いますが、2月に入ってからできるだけ早くスタートさせようとしておりますけども、1.43%の優遇利率により、また保証料も0.23%まで最大引き下げるというスキームによりましてこのやよいデパートの閉鎖対策の緊急資金を用意させていただこうと思います。すでに米子の商工会議所などに相談に訪れておられる事業者さんも出てきておりまして、そのような対策で対応してまいりたいと思います。

 中心市街地の活性化など、こうした観点の対策も必要でございます。これは主たる役割が米子市の方になりますし、商工会議所の方にもなろうかと思います。そうしたところでのまずは計画を練って速やかにいろんな話し合いをしていただいて、どうやって中心部の活力を維持していくのかご議論をいただきたいと思います。県としても柔軟に支援体制を取ってまいりたいと思います。


 





4 補正及び当初予算編成の状況 

●知事

 一昨日[1月26日]から予算編成作業に私も入りました。まずは2月5日の補正予算の準備をしなければなりませんし、また、[平成28年度]当初予算を編成することになります。編成作業を始めてみて感じますのは、新年度[平成28年度]、なかなか私どものような地方の団体にとりましては財源が足り苦しい状況があるかなという危惧を持っております。ですから、いろいろとやりくりをしながら予算を編成せざるを得ない状況になってきております。数十億円規模で編成には財源が不足するという状況がございまして、基金の取り崩し等々の工夫を考えなければ組めないという厳しさが出ております。

 国の方には、地方一般財源の総額は確保されているわけでありますから、大都市部にそういう財源が偏在するのではなく、集中するのではなく、やはり全体的には消費税の引き上げ、あるいは法人税収の増収が全国的にはあるわけでありまして、地方の方に交付税などの財源配分をやっていくと、そうしたことを求めていく必要があると強く感じております。その予算編成でありますけども、補正予算は今手元で作業している感触では120億[円]ぐらいまで積み上がるかなと思います。財源の半分以上、70億円余りは国庫補助金ということになろうかと思います。それから補正予算のための起債、あるいは昨年度[平成26年度]からの繰越金などをやりくりしまして、その予算を仕上げていこうとしております。だいたいそのうちの公共事業関係は50億[円]ぐらいに上るのではないかと思われます。道路を初めとして関係の、特に災害の恐れのある箇所、あるいは災害時に必要な箇所を中心に、そうした公共事業関係も組むということになります。

 この中のテーマとしては地方創生であるとか、それからTPPの対策ということになろうかと思います。この2月臨時議会でのTPP関連で、片方ではスーパー園芸団地のような、そうした農業生産の活力を高めていく事業、あるいは林業でも、これも林道、作業道の整備だとか、それから製材関係に向けられるようなそういう道筋をつけていくことなどありますし、また、水産の方では、懸案でございました境港の高度衛生管理市場への高度化、これを図る予算に入るということだと思います。だいたい境港の市場関係では5億7,000万[円]程計上できるかなと思っております。こういうことと併せて、海外に打って出るということを模索をしていかなければなりません。これは商工関係でもそういうTPPを活用しながら、視野に入れながら海外展開していこうと、そういう企業をサポートする事業であるとか、また、農林水産関係でも鳥取県の特産品を売り込んでいく体制づくり等があろうかと思います。こういう販路関係、販路支援等でだいたい2億円ぐらいの事業規模になろうかなと思います。

 こういうようなことなど、いろいろとTPPについて今の国の補正予算を活用した対策を取ってまいりたいと思います。また、併せまして地方創生の関係でいけば、企業立地に伴う補助金の増額等々経済対策を強化をするということがございますし、また、[地方創生]加速化交付金と言われます国の新しい1,000億[円]の交付金がございますが、これを活用しながら移住定住対策やそれから子育て支援などを進めていく、そういう予算を確保していきたいと考えております。こういうような一環として隣の島根県と共同で山陰のDMO[観光地域づくり法人]を設立をしたいと考えておりますが、これを加速化交付金という、この国の地方創生の新しい資金を充当できないだろうか、だいたい規模的には7,200万[円]ぐらいと考えておりますが、こういうものを本県で用意をさせていただき、島根県さんも今協議をしながら予算編成をしておりますが、島根県さんと共同で山陰DMOを両県にまたがるかたちで設立をしていければと思います。旅行業界のトップにあるような方も引き込みながら、ぜひ実効性のあるインバウンドなどアピール、PR活動、それから鳥取、島根のブランディングに挑戦をしてまいりたいと考えております。





5 ジャマイカを相手国とする鳥取県ホストタウン登録決定を受けて 

●知事

 こういうようなことなどをさまざまにやりながら今回補正予算の方も用意をさせていただくことになろうかと思います。そういう中で海外との結びつきというのも1つのポイントになってきますが、先般ジャマイカのホストタウンが実現をしました。全国の第1号の一角に鳥取県も入りまして、これまで2度にわたるキャンプ誘致の成功がその土台となったところでございます。今、ジャマイカ側とも話をしておりますけども、ウエストモアランドの[バーテル・]モーア首長、知事にあたるかたになりますが、の来県を今調整中でございます。そういうことなど皮切りにしましてホストタウンとしての役割を果たしていければと思います。これについては2月の2日の日にジャマイカ大使館を訪ねまして、今回の一連の動きを[リカード・]アリコック[駐日ジャマイカ特命全権]大使に報告をするとともに、今後の交流の後押しを要請をしてまいろうかと考えております。





6 香港航空定期便化の動向 

●知事

 また、懸案となっておりました香港航空につきましては現在、いろいろと折衝をしてきたところでございます。いろいろと先方も産みの苦しみがあるのだと思います。そういうものの状況を基本的にやっぱり我々も説明を聞く必要があるということで兼ねて要請をしておりましたけれども、明日[1月29日]、金曜日に香港航空の日本を統括する幹部が鳥取県の方に来県をして、今、香港航空がどういうことを考えているのか、それについて説明をするという運びとなりました。その詳細はちょっと我々もわかりかねるところでありますけれども、明日[1月29日]、私もお迎えをさせていただいて、どういう方向性になってくるのか、それに基づいて仮にこう実現の方向性になってくるのであれば、それを応援していくというような体制を速やかに作っていかなければいけないと考えております。

 ただ、これ国際路線の開設は非常に今までも、アシアナのときもそうでありましたけれども、二転三転するものでありますし、DBSクルーズフェリーのときも我々も経験をしておりますが、そうそう一筋縄ではいかないものだとは考えております。ただ、明るい材料としては、先般実現をしましたチャーターフライトが秋冬という閑散期におきましても70%の搭乗率を確保できたということでありまして、この辺は香港航空側も評価をしていると手応えを感じております。まずは明日[1月29日]いろいろとお話を聞いて、今後の方向性を見出していければと考えております。





7 県・市町村情報システム共同化等の推進 

●知事

 先般、市町村長と行政懇談会を行いまして、その中で賛同を得たことの1つに、システム開発の共同化ということがございました。これにつきまして何をやるかというと、この県や市町村間のイントラネット、これの構築であるとか、これ全市町村ではありませんけれども、電子申請システム、これも共同開発をするというようなこと、また、新年度[平成28年度]、これ岡山県との共同化を今目指して、先般伊原木[隆太]知事とも原則合意したわけでありますが、情報セキュリティクラウド、こうした構築があるわけです。それで、マイナンバー制度が入ってくる、それから今の行政サービスの提供の仕方としてソフトを通じてICTを活用したいろんなサービス展開があると思います。また災害も含めて瞬時に情報共有化するなど、行政機関相互の連結も図りながら、そういう体制構築を目指していく、これが時代の流れだと思います。一つひとつの市町村、あるいは県だけでそれぞれにやっていますと、こういう時代に対応していくには高コスト構造になりかねないわけでありまして、共同化を進めようということで本県は踏み出すことになり、全市町村の賛同も得られたところであります。それで、これに基づきまして、こうした広域連携の連携協約を結ぼうということになりました。全部の市町村と県が入る連携協約は、これは全国でも初めてのことになると思いますが、鳥取県のように人口規模が小さいところだからこそ、できるようなそういう行政スタイルにつなげていければと考えております。



8 スライド方式(時差出勤)フレックスタイム制度の拡充 

●知事

 また、今、イクボス宣言をそのときも全市町村と共同してやりましたけれども、フレキシブルな勤務体制これによりまして、ワーク・ライフ・バランスを図っていかなければなりません。そのできるところから順次やっていく必要があると思いますが、2月の1日から県庁の職員につきまして、このフレックスタイム制をさらに前進させることを改正をしたいと思います。これは今、フレックスタイム、コアタイムがありまして、そのコアタイムにいることを前提にして、前後に勤務時間をずらすということであります。現状は9時半~4時までがコアタイムになっていますけども、このコア・タイムを職員のその実情に則して朝10時から午後は3時までをコアタイムとしてよりフレキシブルにスライドした勤務時間を設定できるように、これを2月1日から体制を改めることにいたそうとしております。さらに1日の勤務時間を短くしたり長くしたりして中期的にそれを、その時間を確保していくという、さらなるフレックスタイムもあるわけでありますが、これについては、なおちょっと時間をもう少しかけて検討するということにいたしたいと考えております。このようなことを通じまして、子育て環境の整備を県庁自身もさらに進めていければというふうに考えているところでございます。



9 ユネスコ世界ジオパーク道府県連携イベントの実施 

●知事

 また、山陰海岸ジオパークの2月2日に各県集まりまして、5人の知事が集まって知事連合、[ユネスコ世界ジオパーク]道府県連合を作りまして、これをお祝いをし、アピールをしていこうということなります。これについては、さかなクンが来場して盛り上げていただくことになりましたし、また、グロバールジオパークネットワークの関係者、ユネスコの関係者からもメッセージが寄せられる運びとなってきました。また、これとっとり・おかやま新橋館におきまして明日[1月29日]からこの山陰海岸ジオパークがユネスコに昇格をしたことの記念セールを行うことにさせていただこうと思います。こういうことを通じまして、今後もアピールを強めていければと考えているところでございます。




10 鳥取県サポーターズ企業交流会の開催 

●知事

 経済の実相を作っていく意味で関西は重要なポイントになるわけでありますが、2月の1日に大阪におきまして鳥取とのつながりを大事にしてくださる企業さんと意見交換会を行うことにいたしております。鳥取を応援するという気持ちを持っていただき、さらなる事業進出や本社機能移転などの検討につなげていければと思います。サントリープロダクツ[株式会社]の垣見[吉彦]社長であるとか、それから[ファミリー]イナダ[株式会社]の、稲田[二千武]社長さんとかにもご講演をしていただき、私の方からも現状説明をさせていただきまして関西方面へのアピールをしていこうと考えております。


11 シャープ株式会社の動向と本県の対応 

●知事

 若干懸念というか、気になっておりますのは、今、世上報道されているシャープの動きでございます。シャープにつきまして、報道によれば、これは[株式会社]産業革新機構が関わりながら事業再編に向かっていくんではないかと、こういう報道がございます。本県としても米子シャープ[シャープ米子株式会社]の存在がございまして、これについて私どもとしても何とか生産基盤として今後も活用していただく必要があると思います。現実には、MEMS[メムス]と言われます非常に高度な液晶技術を研究開発をしているところでございますし、アメリカのクアルコムとも連携して資本注入もされている部分もございまして、この米子シャープの活用をシャープの方には、この季節、働きかけもしていかなければいけないかなというところでございます。



12 「子育て支援連携事業」全国会議における知事講演 

●知事

 子育てにつきましては、鳥取県の取り組みが評価されたんだと思いますが、内閣府が主導してやっておられます子育て支援連携事業全国会議の方にキーノートスピーチ、基調講演として呼ばれました。2月の1日の日に東京の方でそちらに参加をさせていただこうと思いますし、鳥取県の子育て施策のアピールをしてまいろうと思います。幸い、先般、市町村との行政懇談会におきまして、第2子につきまして、私ども県、市町村一体となって、第1子とともに在園をしている同時在園のケースについては第2子を無償化しようという保育料の支援を行うことにいたしたところでございます。これが議会の方で通って実現をするということになりますと360万[円]未満の所得の皆さんには、ご家庭には、1人分の保育料までしか払わなくてもいいということになりますので、非常に負担感の緩和にも役立つのではないかというふうに思います。第3子無償化や中山間地の無償化等とあわせて、こうした取り組みは全国にも比類のないものになってくると思います。こうしたことなど、いろんな実績を全国の皆様にも申し上げて子育て王国をアピールをしてまいりたいと思います。


13 水木しげるサンお別れの会への参加と今後の取組 

●知事

 1月の31日には東京で水木しげる先生をお送りする会が開催をされるというお知らせをいただきました。こちらの方に県民を代表いたしまして哀悼の誠を捧げに参りたいと思います。当日は荒俣宏さんが進行をされて、武良布枝夫人が喪主というかたちで執り行われるということでございます。地元としてもそういう機会を作らなければならないのではないかと、これは境港市長を初め境港の関係の皆さんとも協議をしてまいったわけでありますが、3月8日の日にそれを境港市の方で執り行うことにして、広く水木しげる先生のご遺徳を偲び、讃え、そのご遺志を地域として引き継いでいく、そういう太い流れを作っていかなければと思います。

 これは年末に、年明けてですかね、水木しげる先生のお宅の方にお邪魔をしたときに、ご家族にもお話をして、そういうことをやっていきましょうというお言葉もいただいているところでございまして、ご家族もお見えになることになります。この日に、これはちょうど先生のお誕生日ということもありまして、先生を偲ぶ日かなということでありますが、先生がオープンをされた米子鬼太郎空港、新しい名前の空港が出来たわけでありますが、そのリニューアルも同じ日に行わせていただこうと考えております。我々としてもふるさとを発展させようと、そのように歩みを続けられ続けた、そして、子どもたちに夢をまた世界に平和をもたらせようというふうに活躍をされ続けた水木しげる先生のご意思を、今後とも継いでまいりたいと思います。私の方からは以上です。


○NHK 木庭 尚文記者

 それでは、各社どうぞ。



14 子育て支援と保育士不足について 

●知事

○共同通信 杉原 領記者

 すみません、第2子の保育料の同時在園における無料化についてなんですけれども、一方で保育士の不足が全国的に叫ばれている中で、鳥取県内でも昨年の11月ですと有効求人倍率が2.76倍で、それで、ここ3年間の推移を見てみても、どんどん有効求人倍率が上がっていて保育士不足が取り分け鳥取県内でも例外ではないのかなという印象があるんですけれども、保育士不足については、どのようなお考えを持っているのかということをお尋ねしてもよろしいでしょうか。


●知事

 保育士については、これ国全体の課題でありまして、鳥取県は正直申し上げれば毎年年度当初で見れば、保育を必要としているかたを完全に受け入れているという意味で、待機児童ゼロを続けているわけでありまして、全国からすればまだ保育士は足りている方なのかもしれません。ただ、国全体で見てやはり保育士の処遇の問題があるだろうということが言われていまして、これがいわゆる質の改善という課題になっています。これについて消費税の引き上げを10%にするときに、この課題に切り込んでいくという手はずになっているんですが、片方で軽減税率の問題もありましてこの辺が十分解決されていくかどうか、我々としても十分見ていかなければいけないと思います。鳥取県では保育専門学院の伝統を、今鳥取短期大学の方に統合しまして、こちらに奨学金を県としても用意をさせていただき、保育士の道に入りやすい状況に県費を投入しているところでございますけども、こういうようなことを今後もやったり、それから保育士の研修であるとか、また、再雇用のようなことであるとか、そうした総合的なアプローチをやっぱりしていかなければならないだろうと思います。

 こんなようなことも、いろいろと今後、市町村が保育所を所管しておりますので、保育士確保は市町村の仕事ということになりますけども、県としても側面応援をしていかなければいけないと思います。あと、この間も市町村長の中で実は意見がきれいに別れていたんですけども、私どもも、ぎりぎりのコースの球を投げたかたちになっていまして、いろんなご意見のちょうど最大公約数のところで県の提案をさせていただいたというような格好だったんですが、片方で、無償化が保育士の不足につながる可能性があるという懸念もあるんですね、これは若桜町の[小林]町長さんだとか、それから[日野町の]景山町長などいろんなかたが同様の趣旨のことをおっしゃっていまして、それぞれ努力をされていて、別に今どうこうということではないのかもしれませんが、ただ無償化が広がってくる一方で、それだったらやっぱり子どもを預けてやっぱり働きに出られるかたがいらっしゃる。私はそういう自由を止めるべきではない、遮断すべきではないので保育士の確保ということがやはりなければならないと思うんですが、ただ、現場の市町村の方で、そちらの方の課題があるので、無償化以外の手法もあるんではないかと、こういう議論も出たわけであります。

 それで、私としては、新年度その辺の研究をしてみてはどうかなと思っています。それで県として現場のかたを入れたり、それから保育士さんとかを入れたり、専門家、学術経験者等も入れて、もちろん市町村も入れるようなかたちで、鳥取県、鳥取型の保育の方向性、あり方について議論をしてもらうような研究会を作ってはどうなのかなと思っています。つまり今、国全体は、実はそういう幼児教育の無償化に向かうんですね。それで、それはいいことだと思いますし、鳥取県はそれを先取りするかたちで、いずれ国が追い付いてくるだろうと期待しながら、1歩、2歩、3歩前を進んでいるという状況なわけです。ですから、全国で起こる現象が、鳥取県は先行して起こっているわけですね。

 それで、それで見えてきた課題や我々なりの知恵もあると。それで、これは伯耆町の森安町長が最初に提唱されていて、湯梨浜町もされていて、この間、[日野町の]景山[町長]さんも同様の趣旨のことをおっしゃっていましたけど、むしろ、保育園に預けなくて家で保育をされる0歳児のお父さんお母さんに現金給付をするかたちで、それを支援していくという方がいいのではないかという考えかたもあるんです。これ実は県内の市町村でコンセンサスが得られているわけではありません。それに対する財政負担を、特に都市部のかたはおっしゃるわけでございまして、そうそう簡単なことではないんですけども、仮に保育園に預ける圧力がそれで緩和をされて、家の中でやっぱり親として育ててみたいという選択肢の方も大事にすることになれば、保育士不足は緩和の方向に向かうわけですね、特に0歳児保育は非常に手厚い保育になりますので、その辺には一定の答えを出す可能性があると。それで、こういうような課題が問題意識としてあります。それでまた、鳥取で始めた園舎のない保育園、幼稚園、森のようちえんというのもありまして、この効能というのもあるだろうと。それでそれから得られた経験からして、森、自然を活用した保育のあり方、この辺も全国の子育てにも1つの示唆として、我々として提案できるような知恵等もあるんではないだろうか。こんなようなことから、鳥取県型の保育のあり方を、そうした子育てが今、非常に重要な政策課題として、全国で取り上げられていて、鳥取県も先を走っているがゆえの悩みも出てきているわけでありますので、これに際して研究会を設置をしてみたいと思います。もうこれは当初予算で、必要経費を今検討するように、昨日指示したところです。




15 0歳児保育に関する考え方について 

○共同通信 杉原 領記者

 知事としては、個人的なお考えでいいんですけれども、例えば先日の市町村懇談会で議題に上がった、0歳児の保育について、やっぱりなるべく家庭でやった方がいいっていうことも出ましたし、あとはやはり経済的な事情ですとか、家庭環境に応じて、やっぱり預けるということもあろうかと思うんですけれども、それについては、知事個人としてはより広い選択肢を提示するというお立場にあると思うんですけれども、どちらの立場に、極端ではないと思うんですけれども、立っていらっしゃるんでしょうか。


●知事

 私も会議の席で申し上げましたけれども、市町村長は多分価値観としては分かれているんだと思います。しかし、私はその価値観を、子育て世代に我々の社会として上から決めてしまうのではないんではないかという気がいたします。と申しますのも、それぞれの家の事情もあると思うんですね。それでやはり働かなければとても子どもの今後の養育に安心できないという世帯もいらっしゃるわけでありまして、働けるうちに、できるだけその辺を用意をしながら、子どもの幸せを作っていきたいというのも、当然な選択肢として私はあるだろうと思います。そういうご家庭においては、保育園というところを活用して、保育に欠ける子どもの養育を公的サービスで供給していく、それは、私はあっていいと思いますし、それがまた無償化という恩恵があっても、僕はそれでいいと思います。

 ただ、片方で、いや、自分たちで育ててもいいよというふうに考えられるご家庭もあるわけでありますし、今日だか昨日だか、ある新聞のコラムにもありましたけれども、子育てしていた頃が懐かしいというようなそういう声が上がるぐらい、やっぱり子育ての喜びというのは親御さんのかけがいのない、一生に一度の体験でもありますし、それでまたその親密な接触体験というものが、子どもの成長に与える影響もあると思います。ですから、そういう選択肢も当然あっていいだろうと。ただ、家で育てるとなると、またそれはそれでね、保育園に預ければ、皆、公的に全部面倒を見てくれるかもしれませんけど、無償化になれば特にそうなんですが、家で育てるとなると、そこは自分で全部かぶらなきゃいけないということでありますので、それに対する公的支援という新しい考えかた、これを投入することによりまして、そのバランスをとったり、また、そういう選択肢も応援してあげるというやりかたもあるんではないかと思います。ただ、これ、財政負担を伴いますので、少なくても県で勝手に決めるわけにもならない部分もありまして、今回はそこは見送ったところであります。ただ、やはりそういう多様な考えかたと状況がそれぞれのご家庭にあることを念頭において、公的に用意すべきなのは、むしろ選択肢ではないかと思っています。


○共同通信 杉原 領記者

 ありがとうございます。





16 鳥取型の保育の方向性やあり方の検討について 

○日本海新聞 北尾 雄一記者

 今のお考えですけれども、研究会を作って研究をおそらく1年ぐらいかけてされて、その成果というのは、県の、さらに次の施策として活かしていくというお考えでしょうか。それから、国にこれは当然求めていく制度っていうことも出てくると思いますし、国への要望につなげるとか、そういうようなことにもなるのでしょうか。おそらくこの現金給付ということだけではなくて、家庭保育を支援していこうと思うと、雇用の問題にも密接に絡んできたりですとか、それから育休保障、パートのかたなんかは育休保障がなくて預けたくても、家で見たくてもやっぱり預けて働かなければならないっていう状況もあると思います。そうすると、国のやっぱり制度の充実っていうのも必要だと思います。そのあたりで、国への提言とか、県の施策とか、そのあたりどういうふうに、この研究会の成果を活かしていこうと思われるのか教えてください。


●知事

 今、おっしゃった2つの方向性と、あともう1つあると思っています。1つは国に対してやはり今の制度の不十分なところがあるのであれば、それはやっぱり現場の声として上げていかなければならない、そういう提案という部分があります。また、2つ目には、県の施策自体を進化させていく意味で、今先ほど申しましたように、1歩、2歩、3歩とかなりこう鳥取県政が前に出てきていますので、その分いろんな前に出たがゆえの悩みも出てきていると。そういうものを調和的に解決していくような、新しい施策を自ら考えていく、つまり県の行政施策に反映させるというのが2つ目であります。あと、3つ目としては、その議論を通じて県内の市町村、また、関係者と問題意識を共有していく。それで県だけで全部解決できません、子育ての問題は。従いまして、関係者やあるいは市町村の行政機関、そういうところでも政策課題を共有していただき、解決策も共有していただくと、そんなようなことでこの研究会を設置すべきではないかと考えるに至ったわけであります。

 今の問題意識と非常に一致するわけでありますけども、例えば、家庭で育てるということになれば育児休業制度があり、給与補償があります。今のパートの問題もございますし、それから期間の問題があると、例えば、1年間丸々やろうと思いますと、その育児している期間、充分な給与が得られるかというとそういうわけではない。だんだんこれ、6ヶ月の頃から打ち切りの部分があったりしますので、そういうことであれば、休業補償等の制度が果して実情に合っているのかどうか。この辺のことは国として関与していただかなければならない部分があると思います。それで、それを全部解決するのは、さすがに、特にこういう給付という行政は、国全体のポケットの中ならできるんですけども、1つの地域で限定してやるのは、かなり負担と勇気がいることでありまして、そういう意味ではありますから、完全解決はできませんが、地域でこの程度のことは考えても良いんではないかと、それを投入することによって別のその社会的コストを軽減できるんであれば、トータルでつじつまが合うという考えかたもできようかと思います。そんな意味で、地域で解決できる手法というのも考えてみえるんではないかと思います。これはそうした育児休業に係る部分であります。あと、森のようちえんのようなことからいきますと、やはり今の規制行政的なことだとか、許認可行政的な幼児教育システムがフォローできていない分野があると。それでやっぱり、成長するのは子どもでありまして、子どもに則してやっぱりものを考えていかなければいけないわけです。それで、自然の中で自然を体験しながら育つことが、意味があるんであれば、それに則したカリキュラムだとか、それから園舎の有無等によって幼稚園や保育園の許可が下りる、下りない、お金が出る、出ないということがあっていいのだろうかということなど制度の矛盾は、私は抱えているんではないかなと、個人的には思っています。

 ただ、専門家の視点で、そうしたことについても研究していただいて、果して鳥取で、今、ドンキホーテ[理想主義者]のように調整に入っていること、それが国全体に与える提案だとか、そういうレッスン[教訓]があれば、それを引き出していただくのもいいんではないかと思っています。


○山陰放送 秦 卓史記者

 すいません。関連してですけれども、知事が構想されていますその研究会、そうするとかなり幅も広く、議論も多様になっていくとは思うんですけれども、というか、子育てに関していうと、まさに県内でもあるいは全国的にも自分の子どもを虐待する親、あるいはストレスによる親の負担増というのは社会的にも問題になっています。そのあたりのケアというのは、親の子育てに対する心的なケアも含めて、この研究会ではそこも範疇に入れていくんでしょうか。


●知事

 その児童虐待等も非常に深刻な問題であるんですけども、どこまでそのスコープ[視点]を広げるかどうかということはあると思います。実は鳥取県独自のシステムがありまして、子育て王国推進会議というのがあるんですね。こちらで、基本的に今申し上げた保育の問題なども含めて、幅広く担当していまして児童虐待、それからこのたび条例提案を考えておりますけども、低所得者対策、貧困対策というようなもの、それも子育て王国の推進会議の中で検証してもらいながら政策を作っていこうというシステムがセットされています。それで、それだけで保育の非常に現場と密着したようなことは、そこ、ちょっともう少し研究を深める必要があるんではないかという問題意識でございまして、特に保育所に関連するような、そこの分野での研究会を、この間の市町村町の議論を踏まえて設置する必要があるかなと思います。もちろんこういうものと関連して、児童虐待などに関連した部分があれば、その辺も担当してもらうのもいいと思いますけども、基本は子育て王国推進会議がそれを担っていると思っています。


○山陰放送 秦 卓史記者

 先ほどちょっと、その線引きのあたりですけれども、森のようちえんに関していうと、国でも今フリースクールに関する法案の議論がされていまして、森のようちえんもそのあたりの成立を願っておられるようなところもあると思うんですけれども、このたび小学校以降の教育に関してのその連携も少し出てくると思います。そのあたりの専門家というのもこの研究会には入っていかれるんでしょうか。やはり教育の分野でも保育部分に関してかなり限っていかれるんでしょうか。


●知事

 フリースクール関係は、実はかなりの分野で鳥取県の場合は、今、全国的に教育総合、総合教育会議でしたっけ、首長と教育委員会が共同設置する、我々の方では、これまで教育共同会議としてやっていたもの、ここでたいぶフリースクールのところはだいぶメスを入れてきています。それに基づいて、フリースクールでの通ったことが卒業資格に評価される、そういうシステムを導入をするとか、それから、公の部分とそれから私であるフリースクール、これが連携して子どもたちをサポートしていく、そういう事業の予算化を今進めています。それで、そういうようなことで教育の方は、小学校以上の方はそういう幼児とはちょっと範疇が違う考慮も必要でございまして、そういうフリースクール、典型的には、中、高で現れてきますが、そちらの方についてはそういう教育委員会との共同でアプローチしていくということになるかなと思っています。






17 香港航空の定期便に向けた動きについて 

○山陰中央新報 原田 准吏記者

 すいません。話が変わりますが、香港航空の話ですけれども、明日、香港航空の幹部のかたがいらっしゃって説明を受けるということなんですが、先般、多分14日だったと思いますが、防衛省の方の美保基地の方に使用許可申請が出されたというような話もあったかと思いますが、どうも県を通してというような話もあっていて、そのときに県の方に何かその香港航空の方から説明があったりとかっていうのはあっているんでしょうか。


●知事

 ちょっと整理をして申し上げなきゃいけないかなと思いますが、事実としては県を、県が進達するようなかたちで香港航空の美保基地、すなわち米子鬼太郎空港へ着陸の可能性について打診があったことは事実です。ですがその香港航空として就航を決めているわけではないんですね、そういうようなことでいろんな可能性を調査をしながら彼らが最終的に乗り入れるかどうかを決定するわけです。ですから、その過程で出てきているわけでありまして、あれでもう決まったというわけにはちょっと我々も判断できないところがあります。それで、現にツアーを募集したりしてお客さんを作っていかなければ航空路線というのはなり立ちませんし、そういう努力がなされるかどうか等もあるわけであります。そういう意味で私どもとしてはそういう動きはもちろん察知しているわけでありますけども、香港航空の意思をやっぱり明らかにしてもらわんと、うちも、今、予算編成時期に入ってきていますので、決定のタイミングですよということを強く申し入れているわけでありまして、どういうかたちになるか、明日何らかの状況説明、場合によっては意思表示があるということかなと思っております。ですから、私どもとしては明日の先方の対応を見て今後どういうように協力できるのか、あるいは我々が、なお働きかけが必要なのか等を見極めていきたいと思います。






18 山陰両県における参議院議員選挙の論点について 

○毎日新聞 真下 信幸記者

 すいません。毎日新聞です。参院選のことでお伺いしたいんですけども、1月18日に福島浩彦さんが出馬表明されて、合区の選挙区で、これであらかたメンバーというか顔ぶれがそろったのかなと思うんですけども、改めてになるんですが、知事として今回のこの参院選でこんなことが議論として期待されるというか、こんな議論がなされるということの期待されるところを教えていただければと思います。


●知事

 今回、合区になったこと自体が本当は論点だと思っています。その原因は明らかでありまして、やはり人口減少があったこと、それが山陰両県を通じて長く戦後続いてこざるを得なかった。それで、その原因としてはやはり地域間格差があって、そういうものを打破しきれていないということがあります。それであともう1つ大事なポイントとしては、合区させられてしまうような、いわば地方への軽視があるんじゃないかというような思いもあります。ですから、合区そのものが論点であるように、どうやって地方部がまたそういう地域間競争にも立ち向かえるようなそういう力量を備えられ得るのか、それが大事なことだと思っています。

 その意味で今、巷間議論されているような地方創生という言葉がありますけれども、地域の元気や活力を起こしていく、また人口減少の局面におきまして安全に安心して暮らせるふるさとの追及、こういうようなことをしっかりと議論していただく必要があるのかなと思っています。また、よくアベノミクスということが言われますけれども、地域経済が本当にじゃあ今、随分好調になってきているのかというと、まだら模様だろうと思っています。その地域の経済というものを真に上向かせていくための方策なり行動というものを国全体で起こしていただく必要があるんではないか。こういうことをやはり選挙区選挙でありますので地域の課題を背負って国民代表として発言していただける、そういうかたを選んでいかなければいけないのだろうと思っています。






19 シャープ株式会社への要請活動等について 

○日本海新聞 井上 昌之記者

 すいません。シャープの関係でお伺いしますけども、大阪のシャープの方に知事の方から何か要望に出向かれたりとか、という場面も今後出てくるんでしょうか。


●知事

 正直な話申し上げれば、今そこをお願いをしておりまして、ちょっとまだ今現在ではちょっとまだ未確定と言った方がいいと思いますが、大分流動化しているというふうに報道を見ていると思えますので、シャープさんのしかるべき幹部のかたに、米子シャープ[シャープ米子株式会社]が果たしている役割などを訴えかけをさせていただいたり、地元としてもそれを支えていく用意がありますよということを申し上げたいと思います。巷間報道されているところでは産業革新機構が出資をするかたちで液晶部分を切り離し、白物家電などは東芝との統合の可能性も視野に入れるようなのが、多分今共通して報道されているエッセンスだと思います。これが事実かどうかは我々、正直わかりません。わかりませんが、液晶を分離するということは米子シャープ自体が液晶そのものでありますので、さらに言えば亀山とかいうところと違いまして中小型の高度な液晶というところを手掛けているところであり、液晶の今後の未来の技術をつくり上げようとして研究開発を進めている、そういう部門になるわけですね。ですから、今回、仮に報道されているような事業再編がなされた場合に、米子シャープは、いわば直撃を受けるかたちになる可能性があります。

 ただ、私たちとしては、米子シャープは先ほど申しましたようにMEMS[微小電子機械システム、新方式のディスプレイ技術]という技術を、今、研究開発してきており、それを大きなきっかけとしてクアルコムというアメリカの会社との提携事業も現に行われていまして、これはほかに代えられない、他に代えられない、いわば資産的な価値があるんではないだろうか、そういう意味で事業再編が仮に行われるとしても米子シャープを存続させるべきではなかろうかと、そういうことをやはり強く訴えかけなければいけないと思っております。


○日本海新聞 井上 昌之記者

 これまでもシャープさんとはいろいろ情報交換は続けてこられたと思うんですけど、これまではどちらかといいますと、今回のこういった計画が報道される前ですけども、シャープ米子については子会社であって、直接の関連はないんだというご説明があったと思うんですよね。ただ今、知事のご認識ですとかなりもう危機的な状況にまで来ているというご認識なんでしょうか。


●知事

 それは、危機なのかどうかは、ちょっと評価はできないと思うんですね。事業再編でありますので、どういうふうに組みかえられることになるのかということだと思います。これがゼロないしプラスに作用するのであればいいわけでありますが、マイナスに作用する方向に振れないように地元としては願いたいと思っています。ただ、経済原則でありますので、私たちが願えばそれですぐに叶うというものではないことは百も承知でありますが、ただ、米子シャープで頑張っておられる社員の皆さんの心情を思いますと、その気持ちもお伝えをしなければいけないだろうと思います。これまでシャープさんとは幹部も含めていろんな意見交換を都度、都度やってまいりました。それで、我々も、働きかけたこともいわばある程度功を奏していまして、米子シャープがここまで生き残り、さらに高度な液晶技術を磨き上げていく拠点として発展しかけていたところであります。それがちょっと今、シャープ本体の経営環境のことから、従来とは風向きが変わってきているということでありまして、コミュニケーションを取らせていただく必要があると思っています。






20 日南町三吉地区の土砂崩れを受けた県の対応について 

○NHK 橋本 慎也記者

 すいません。日南町の土砂崩れを受けた水路の点検なんですけども、それについてもうちょっと具体的に伺いたいというのと、市町村とかが管理している水路も結構多いと思うんですけども、県としては今後点検をしてどんな対策を取っていくというふうに検討をされているんですか。


●知事

 これについては、危険箇所があるかどうかということでありまして、まず今、企業局系統の発電の関係については、これはもう点検に入っております。それで、農業用水の方ですね、これは実は管理者的には市町村だとか土地改良区だとかいろいろ分かれている面があります。今、全県的にどういうところを通っているかということを改めて把握をして、点検必要箇所をあぶり出しを、今、しているんです。そういう指示を中でしておりまして、それがまとまりましたらそれぞれの管理者がいますから、ある程度手分けをしながら、ということになると思うんですが、その箇所の点検をしておく必要があるだろうと。それで対策が必要なところがあればそれを考えていくということだと思います。今、土地改良事業なども、ある程度予算が、ちょっと今の自民党、公明党政権の方針だと思いますが、従来よりも急速に戻しています。民主党政権のときぐっとこう減ったんですね、それが今回の2月補正、我々でいう2月臨時議会補正の対応だとか、それから当初予算ベースでいきますと、かなり急に復するように戻してきておりまして、そういういろいろと活用できる事業があるかどうかを見極めながら対策を具体的に検討していくことになろうと思います。






21 市町村による子育て支援策に対する県のスタンスと第2子保育料無償化の提案について 

○時事通信 平野 実季記者

 すいません。話は戻るんですけども、子育て世帯へのそれぞれの支援とかをするときに、各市町村にとってすごい財源という問題が大きいと思うんですけども、実際今まで県が一緒にやってきた制度で中山間地の保育料も小さな、保育料無償化も小さな町村、人口規模の小さな町からという、実施されてきていますし、家庭保育についても今のところされているのは町の方だと思います。それで、この前の会の中でも地域間の差をつけるのはどうかという声もあったりすると思いますが、知事としては子育て王国とっとりとしてできるだけ市町村間差はなく県としてそういう同じような支援制度というのを作りたいというところがあるのか、それとも町村とかで独自でやる制度についてもそれはそれで支援したいというか、応援したいというか、そのあたりを聞きたいのと、あと第2子保育料の無償化について先ほどぎりぎりのコースの球を投げたというふうにおっしゃっていましたが、ちょっとそのぎりぎりという意味というか、知事としてはどんなコースに投げたかという認識でおられるかというのを詳しくちょっとお聞かせください。


●知事

 まず、基本的なスタンスでありますけれども、子育て施策はそれぞれの市町村が担当しています。これ児童福祉の考え方が今完全に市町村[主体]になっていますので、やはり本丸は市町村になります。ただ、我々の経験値からいって、鳥取県が移住対策、あるいは住民の皆様の満足度という観点で勝負をかけられるとしたら子育て分野というのは大きな分野だろうと思っています。そういう意味で子育て施策を1つの私どもの旗印として掲げていこうと。それで、大切なのは市町村が担当する分野でありますけども、いわばそのベクトルを合わせていく、それで子育て施策をできる限り前進をさせていき、それぞれに努力をして。それで県トータルでやっぱり子育てするなら鳥取県と言ってもらえるような、そういう地域にしていくということを究極の目標に据えているわけです。それで、これは大分ベクトル[方向性]合わせは進んできたと思います。その結果として、今それぞれの市町村が、今もおっしゃいましたけれども、独自の対策をそれぞれ組み始めているんですね。そういう中で県が何をやるかということでありますが、1つはそういう全県的な市町村のムーブメント[運動]を起こしていく、皆さんのベクトル合わせをして、そちらの方、促進をしていくという呼びかけをしたりいろんな技術的な支援をすることが1つでありますし、もう1つは全県的にみんなでやれることがあればそれを県の1つのスタンダードとして採用する、それとあわせて財源措置をしていくということで、そこのスタンダードを確保していく、これが県の役割だろうと思っています。その意味で今回、2分の1助成というかたちで市町村のそうした取り組みを支援しようということで意見の統一を図ったところでございます。

 今回、ぎりぎりというようなことで言いましたのは、ただそうは言っても今おっしゃるように、1つは市町村の行政だから当然ながら財政負担が市町村にくるというところがあります。そういう意味で単なる競争になってしまうとちょっとそこまで体力がもたないなと思っている自治体はついていけなくなってしまって、もうこれ以上ちょっと足踏みさせてというところが片方であるんですね。ただ、もう片方で特に我々中山間地の無料化ということをやった背景なんですけど、中山間地を中心とした若者がいなくなるところの危機感は強烈なものがあります。そういうところは少し前に出てでもやっぱり頑張ってみようというところもあるわけですね。そういう2つのこう、違ったこう、土壌の中で意見の実は色合いの差があったのは事実なんです。それで、その色合いの差を考えた上で、どちらの方もここまでなら、ということで納得できるということで第1子と同時在園での第2子無償化というところに踏み切らせていただいたということです。そんなことで、今回こうした子育て施策の中でも全国に鳥取県から一石を投じることができたんではないかと思っています。


○NHK 木庭 尚文記者

 ほかよろしいでしょうか。それでは知事、ありがとうございました。


●知事

 どうもありがとうございました。





  

 ※広報課編集
  [ ]については、広報課で補足説明しています。

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