●知事
皆様、おはようございます。先週、2月の第1週、2月の1日~7日までで本県におけますインフルエンザの患者、定点観測によりまして12.07人ということになりました。したがいまして、本日[2月10日]インフルエンザにつきまして注意報を発令することとなります。特に西部が、一番流行が進み始めている状況にありますが、本県の場合、約1月遅れでこの注意報ということになりました。例年より遅い流行の兆しでありますけれども、しかしながらインフルエンザのその力というのは、変わりはございませんので、ぜひうがい・手洗いなどを心がけていただきますとともに、さらに、何かあればお医者さんの方に受診をしていただき、流行の拡大の食い止めにご協力をいただきますよう、県民の皆様にお願いを申し上げたいと思います。
●知事
この度、2月の定例会に向けまして、[平成28年度]当初予算編成が終わりました。その結果といたしまして3,490億7,200万円の予算ということになります。この3,490億7,200万円というのはだいたい昨年[平成27年]の6月補正[予算]等もございますので、そういうことを考えますと前年[平成27年]程度確保できたかなという状況かと思います。特に一般事業は昨年ほぼ同額でございますし、公共事業につきましては昨年よりも今回2月の臨時議会の分などもございますので、520億[円]くらい確保できているわけでございまして、そういう意味で一定の事業量を確保しながら県民サービスの拡充に努めさせていただきました。ただ、なかなかやりくりの厳しい予算であることは事実であります。ただ、そのやりくりの結果として、県民の皆様にお約束をさせていただいております財政誘導指標というのがございますが、この状況から申しますとプライマリーバランスで黒字を4億[円]~5億[円]確保できる見通しとなりましたし、また、将来的な借金、実質的な借入額につきましても3,020億円台ぐらいまで引き下げることができます。
ただ、300億[円]基金を4年間で確保するというふうに言っていたところは300億[円]ぎりぎりまで基金を崩さざるを得ないということでございまして、厳しさの中にも何とか子や孫の代に借金を残さない、そういう健全な財政運営を綱渡りではありますが保ってきているという状況であろうかと思います。そういう中で、例えば[とっとり]元気づくりの展開には780億円、これ臨時議会とあわせまして担保をすることができておりますし、また、TPP[環太平洋戦略的経済連携協定]対策では44億円の予算、さらに低所得者対策で20億円、子育て関連で36億円、臨時議会とあわせてそれぞれに確保するということができました。15カ月予算として考えますと、今から元気づくり、これを高らかに天空高く打ち上げていく意味でもある程度の事業量の確保はできたのかなと思います。また、TPP対策、喫緊の課題である低所得者、子育て対策などそれぞれに、いわば心を配りながらの予算ということになったと思います。
●知事
これを、これから議会の中でも十分に審議をしていただきまして、正すべきところがあれば正していただきたいと思いますし、今後是正すべきところがあれば、さらなる新年度[平成28年度]の補正予算等で修正をしていく必要があると思っております。さまざまな事業がございまして、先週も大分申し上げましたので重複を避けさせていただきたいと思いますけれども、例えば青谷上寺地遺跡でございます。これまで史跡の公有化を進めてまいりました。これもほぼ目途が立ちつつあるということでありまして、妻木晩田遺跡と同様に史跡公園化していくことに、具体的に新年度着手していければと思います。そういう意味で青谷上寺地遺跡の史跡公園化の基本設計を具体的に始めることにさせていただき、大体900万[円]ぐらいですが、予算を準備をしているところであります。
また、グローバルリーダーをつくっていこうということで、鳥取県としても今までそうした、例えば新年度予算でも理科教育を小学校で充実をしなきゃいけない、これは学力テストの結果、どうも理科、理数系については本県、平均より大分下回るということではないんですけども、国語に比べますとまだまだ達成度ということで課題があるかなという状況であります。そういう理科をやるとか、あるいは英語についても小学校のモデル校を5校ほどつくって、それを仕上げていくということがございます。ただ、こういうものの1つのステップアップといいますか、将来世界で活躍できるような人材をつくろうということで、いろいろと調整をしておりましたが、スタンフォード大学と提携をしまして、スタンフォード大学のe-ラーニングのシステムを使いながら、アメリカと結びつつ、バーチャルでのクラスを鳥取県の高校生で編成をすると。これを新年度ですね、やってみようかということであります。
これ、公立の、県立高校にとどまらず、私学の方でも希望者の子どもは参加をしていいんではないだろうか、そういうようなことで現場とアメリカと結んだような授業、このバーチャル事業ということも、バーチャルクラスということもやったり、また、スタンフォード大学で開発をしておりますカリキュラム、例えばアメリカ文化の実情を知るとか、いろんな具体のテーマがありますけども、そうしたものをやっていく、こういうグローバルリーダーの育成の特別プログラムを新年度やってみてはどうだろうか。スタンフォード大学と話をまとめてきたところでございます。これに大体990万[円]ぐらいという予算を考えております。いろいろと言いましたら枚挙に暇がないところなんですが、さまざまなこう新規事業を今回組みながら、私どもとして県政の発展を目指していきたいとしております。
●知事
そういう中、県政の参画をしながら発展をさせていく形態をつくっていく意味で、県政モニタリング事業を新年度セットしたいと思っております。これは、従来、事業棚卸しという鳥取県独自の事業評価事業をやっていました。これは民主党政権のときの丸ペケをつけるものの、本県なりにアレンジをしてやっていたものでございますけども、ただやはり片方で副作用も大きいというご指摘もございまして、県民の参画を求めながら、それで監視をしてもらう、その際により深めながら、単なる丸バツをつけるということではなくて、いろんな観点でお話をいただくという意味でありますが、15名のモニターのかたを公募等で選びまして、さらに専門家のかた、学識経験者もアドバイザーとして入る。それで、ワークショップを年内何度か繰り返しながら、それぞれモニターのかたもレポートを書いていただいたりして、それで、どういうような事業に課題があるのか、それを皆で掘り下げていってもらう、そのアドバイスを県民の声として、県民目線のお話として受け止めて、これを年内の予算編成や事業に反映させていくと、こういうスタイルであります。
いろいろと事業評価のやり方があるわけでありますが、今までのやり方のちょっと弊害の部分を打開をしながら、むしろその県民の参画ということでの監視というシステムをステップアップしていくと、そういう意味で新しいやり方をこのたび採用させていただくこととなりました。鳥取県としてパートナー県政をこうした県政モニタリング事業も一つの梃にしながら進めてまいりたいと思います。
2-(3) マイナンバー制度の利活用とセキュリティ対策
●知事
また、新しい情報システムとしてマイナンバー制度がいよいよ動き始めているわけでありますが、これをどういうふうに活用していくのか、あるいはセキュリティ対策をどうするのか、こうした課題があるわけであります。そういう意味でマイナンバーにつきまして、これを利活用するという観点から、特定個人情報の利用及び提供に関する条例を新たに作るということにいたします。この中で、例えば外国人のかたに対する生活保護に準じた仕組みを動かす、あるいは心身の重度障がいのかたについての扶養の共済制度など、こういうマイナンバーを活用することで利便性が高まるものについて、鳥取県としてマイナンバーの提供事業として制定をさせていただくということを考えておりまして、これを新しい議会[2月定例会]に提案をさせていただきたいと思っております。
また、セキュリティ面でも、これも課題がいろいろとあるわけでありまして、マイナンバーを使っていく部局がございます。あるいはデータがございます。このマイナンバーが入り込んだデータのところは分離をする、こういう事業が必要でございまして、これに新年度6,000万[円]ほどかけるということになります。また、あわせて市町村と一緒になりまして、情報セキュリティクラウドを作ろうと、それで、この情報セキュリティクラウドは要は外部との交信のところを1つの窓口に一本化するわけです。それで、ここを監視をしていくと。それで、この監視については専門の部隊といいますか、これ委託を、最終的には委託をして専門家にやってもらうところになりますけども、24時間体制で監視をする、こういう情報セキュリティクラウドをやろう、その予算として2億2,000万[円]ほど新年度組ませていただいております。
それで、この件については、先般、岡山県の伊原木[隆太]知事とご相談をさせていただいておりまして、今、両県でこの情報セキュリティクラウドを共同化することはできないだろうか、例えば、岡山[県]と鳥取[県]とこれ、実はループ状に情報ハイウェイがつながっておりまして、それぞれの行政機関がこの情報ハイウェイに張り付いているわけです。それで、このような形態は、実は鳥取[県]・岡山[県]特有のシステムでありまして、今までもホームページのバックアップ等をお互いの県でやるという、そういう協定を結ぶなど、私たちの方でもこの特色を活かした対策をとってきたんですが、この情報セキュリティクラウドも同じように両県合同でやることができれば、経費的にも安価になるでしょうし、機能的にも高まる可能性があるんではないか、これで今、最終調整をさせていただくことになりまして、これ、実際の予算の執行上、両県共同ということも視野にやっていきたいと考えております。
●知事
また、新たな年[平成28年度]に向けて人事体制、組織の方も変えていくことになるわけでありますが、議会の要望も踏まえまして、女性活躍推進課を設置をすることにしようと考えております。これは今、女性活躍推進法という新しい法律もできまして、一億総活躍社会というスローガンの下に女性の活躍の場を確保していこう、発展させていこうという国全体の動きがあるわけであります。鳥取県は男女共同参画の度合いとしては東北大学のレーティング[評価]で全国でもナンバーワンとするような調査結果が出るなど、ある意味、先を行っているところもございますけれども、そういうことを確かに発展させていく意味で、組織体制としてもやっていこうということであります。これに向けまして、このたび女性活躍推進に向けた商工会議所等と一緒になってやる[輝く女性活躍]加速化[とっとり]会議というのがございますが、この席で、今後、県としての女性活躍を加速化していく、そういう戦略を話し合うことにいたしております。
この中にいろいろなテーマがあるわけでありまして、例えば、県自体のことでいえば、特定事業主の行動計画が必要であります。つまり県庁として女性の活躍をどういうふうに進めるかということであります。それで、このたびのこの加速化会議に報告をしようと、今、最終案を練っているところでありますが、管理的地位にある女性の割合、これを国全体30%に地方レベルでは引き上げてくれという話があるわけでありますが、本県としては向こう5年間の目標値としては32%プラス2%で臨もうと思います。また、管理職、これは課長級以上ということになりますが、管理職については、国は15%以上という目標で5年間を設定しているわけでありますけども、これを本県としてはプラス5%の20%で目標を組んでみたいと思います。また、女性の採用を、県職員への採用については50%以上キープしていくことを目標にして、特に一般の事務職については40%以上という目標設定をする。これで、国が地方自治体に要求しているものよりもかなり上を行った特定事業主行動計画を作らせていただこうと思います。
こういうようなことを我々の方でやったり、民間といろいろと話し合いをしながら加速化会議で進めていくわけでありますが、それを県庁レベルで全県展開していくエンジン役として女性活躍推進課をセットさせていただきたいと思っております。例えば、中小企業の一般事業主行動計画というものがありますけども、こういうところをブラッシュアップ[みがき上げて]していく、実際に作ってもらうためにも、例えば社会保険労務士さんであるとか、そうした専門のかたにアドバイスを各地でしていただいたり、また、それから女性がぜひ鳥取で一旗揚げたいというかたを東京でもいてもいいと思うんです。そういうかたがたに向けて鳥取の女性活躍を情報発信をしていくとか、また、中学生や高校生、大学生、そうした女性の皆様にも女性として活躍していくロールモデル[模範]をしていただける、そんなような機会を作ったり、さまざま意欲的な事業展開をさせていただいて、鳥取県から女性活躍を広げていこうと、こういうことを一つには考えているところであります。
●知事
また、低所得者対策も重要でございまして、くらし応援[対策]室というものを作らせていただく。これは低所得者層のかたがたが貧困の連鎖ということに陥らないようにしていかなければいけないわけであります。先ほど申しましたように、予算レベルでは20億[円]ほど低所得者対策で確保させていただいております。それで、子育て政策ともある程度連動させながら、ということにはなります。そういう意味で子育て王国とっとり条例を来たる議会[2月定例会]で改正をさせていただき、低所得者対策をこの中に加えさせていただくということにいたそうとしております。この子育てや低所得者対策として、例えばネウボラ[アドバイスを受ける場所]、鳥取県版のネウボラを応援をしようと、国のネウボラ事業もあるわけでありますが、これ、保健師さんとかそうしたものを新たに雇わなきゃいけないっていうのが実はネックになっていまして、本県として全市町村でネウボラを設置してもらおうということにしますと既存の保健師さんとかもいらっしゃるわけでありまして、そういうかたがたを活用することも県単独事業としては支援していくというかたちで、より柔軟なネウボラの整備を全県的に進めていただく、これで産前産後の相談体制をそれぞれの市町村でも取りやすくしていただく、こんなようなことなど、さまざまな子育て対策、低所得者対策を進めていきたいと思います。
●知事
こんなようなことを進めていくわけでありますが、これらが柱になりながら地方創生というのは全国でも今進展をしようとしているわけであります。14日の日には若手の知事で作っております将来世代を応援する知事同盟[日本創生のための将来世代応援知事同盟]、地方創生の推進役になろうという有志の集まりでありますが、それで、東京の池袋でフェアを開催をし、当県からも私の方から[阿部守一]長野県知事と一緒に緑の中で子育てをする、そういう仕掛けをアピールをしてまいりたいと思っております。それで、本県では新年度事業の中で、この森のようちえん等をさらに強化しようということにいたしております。例えば第3子の保育料無償化に加え、第2子を第1子と一緒に在園する場合、低所得者のかたにつきましては、第2子保育料免除をするということを普通の保育園では導入するわけであります。それで、森のようちえんでも[第2子について]同様の仕掛けを新年度から入れさせていただくと。市町村が助成しない場合であっても県として、その県分は助成をしていこうということを入れて、さらに利用しやすくすることを考えております。また、普通の幼稚園、保育園で自然の中で保育をする、これも効果があるわけであります。それで、そうした効果を学術的アプローチで検証していく、そういう調査事業も新年度取らせていただいたり、全国に向けて子育て、こうした森のようちえん方式の全国的なフォーラムを開催をしたり、そうしたことを新年度[平成28年度]の予算の中で今考えているところでございます。
このようなことなど地方創生について池袋でアピールをさせていただき、移住定住をみんなで地方へ呼び込んでいく、そういうムーブメントを作ろうという集まりを予定をいたしております。
●知事
この地方創生関係では地域再生法の法案が閣議決定、金曜日[2月5日]にされました。この中で3つのことが書かれているわけであります。1つは地方創生の交付金でありまして、それに向けまして私どもとして地域再生計画をどういうふうに設定していくのか、国の制度の骨子がこれから出てくると思うのでそれを見ながら至急作業をするということにいたそうと思います。また、2つ目には地域再生法の中で企業版のふるさと納税制度、これを創設をするわけであります。これまだ詳細が明らかでないところがありますが、法案審議が多分3月いっぱいで終わるんでしょう。そういうことを睨んで、どういう領域で企業さんに協力していただくか、例えば鳥取県の場合、[鳥取県]未来人材育成基金という企業側も注目するような地方創生の仕組みを入れているわけでありまして、こうしたことなど企業に寄付を呼び掛けるテーマを今月[2月]中に決めていきたいと思っております。
また、CCRC[高齢者が移り住み、健康時から介護・医療が必要となる時期まで継続的なケアや生活支援サービス等を受けながら生涯学習や社会活動等に参加するような共同体]につきましても地域再生法の中で今回謳われるわけでございます。これについては市町村が計画づくりをすることになりますが、それを県としても支援をしてまいりたいと考えております。
●知事
また、こうした地方創生と絡みましてやはり地産外商といいますか、海外との交流等も作り上げていかなければなりません。今日[2月10日]はこの後ですね、香港定期路線の予定も出てきたことから、そうしたアシアナあるいはチャーター便も含めた活用推進に向けたプロジェクトチームを県庁内で開かせていただきたいと思います。私どもとしては、その香港航空就航に向けた準備を進めていく必要があります。例えばFITのお客さんが香港の場合は多いわけですね。それで、特に車の運転は同じ左側通行でございますので、これについては香港のかたは運転しやすい独特な日本という環境があるわけです。ですから、そうした意味でレンタカーの活用のしやすさっていうものを広げていくなど、今までにない対策をもっと取っていかなければいけないのだと思います。
●知事
また、世界ジオパークネットワークがユネスコの正式事業となったことを踏まえまして、今週末ですね、そのシンポジウムを鳥取で行うことにいたしました。世界ジオパークネットワークのニコラス・ゾウロス会長もお見えになりまして、このたびのユネスコ化というものをみんなで一緒にお祝いをするとともに、対外的にもアピールをしてまいりたいと考えております。こういうようなことなど、さまざまな観光関係等々でも力強く展開を図っていく必要があると思います。このたび国際マンガコンテストでありますけども、赤井孝美先生など審査員になっていただきまして審査をし、このたび表彰式が行われることになります。これが13日のことでございます。それで、また14日には鳥取県の福祉に着目をして舞川あいくさんというCanCamの人気モデルのかたが写真家もされていますけども、この舞川あいくさんが県内の作業風景、あるいは鳥取砂丘を初めとした観光地も取材をされまして、これで個展を開かれることになりました。まずは東京で12日からスタートすることになり、大阪でも開催をされることになります。私も14日会場の方にまいりまして、舞川あいくさんとのトークショーに出席をさせていただきたいと思っております。
また15日の日には、このたび佳子様がお見えになりまして手話で挨拶をされました高校生の手話パフォーマンス甲子園、新年度はどういうことをしていくのか、話し合う実行委員会を開催をすることにいたしております。基本的には今年[平成28年]と同じような9月の下旬ぐらい、今まで東部、西部で開催をしましたので中部の倉吉市あたりを念頭において、具体的な事業計画を話し合うことにいたしております。また、これは日本財団の尾形[武寿]理事長も出席をされるわけでありますが、日本財団との地方創生の共同プロジェクトもいよいよ開始をするということになります。これについては来週、日本財団の職員がこのフロアに常駐をすることになります。それで、その開設のセレモニーも行うことにいたしております。これから日本財団という新しいパートナーを得ながら、鳥取県の地方創生を従来よりもバージョンアップをして進めてまいりたいと思います。私の方からは以上です。
6 女性活躍推進法に基づく行政計画上の目標設定について
○時事通信 平野実季 記者
女性活躍の件なんですけども、行動計画を策定されるということで、その国よりも高い数値を設定をされるということでしたが、高い数値を設定した理由と、あと、それをどうやって実現していくかっていうところで知事の考えを聞かせてください。
●知事
鳥取県は、実は、例えば管理職でいいますと、今14.6%ですか、15%近くまできているわけです。それで国全体から見ますと、こんな県は珍しいわけでありまして、全国的なレベルからいきますと10%いかないとか、そうしたところはざらなわけでございます。それで、そういうようなことで、国は地方自治体15%というモデルを示しているわけでありますが、それは、我々としてはもちろんクリアすることはしていきたいわけでありますけども、ただ、今、鳥取県でやっている、こういうリーディング的なプロジェクトからです、これを進化させていけば、もっと上を目指せるんではないかということです。ですから、管理職、課長級以上については20%を5年間で目指してはどうかということであります。
例えば、職場としても看護の職場とか、いろんな職場が県の中にもありますので、そうしたところを点検をしていけば、決してできない数字ではないだろうというふうに思っております。また、係長以上のところも、その管理的地位と言われるようなところ、これは32%として国よりも上目をいくというふうにいたしておりますけども、これも今採用数が女性の割合が増えてきております。ですから、よそも本来できるんだと思うんですけども、我々も素直に人事評価をしていくことで、これもクリア可能なレベルではないかなというふうに思っております。ですから、そうしたことで、鳥取県らしい先駆的な取組みを前進させていくことで、目標達成も決して絵空事ではないだろうというふうに見込んでおります。
○時事通信 平野実季 記者
例えば来年度から、女性が働きやすい環境になるために、子育ての部分休暇など導入されるなど、そういった取組みもあると思うんですけども、実際管理職になるまでの人材育成であるとか、そういう働きやすさとか、具体的にどういうところを今後変えていこうっていうところはありますか。
●知事
例えば、今、いろいろ実は鳥取県の場合、サテライトオフィスを認めたり、進めてきている、確かに女性の育児休暇取得率は高いところになってきましたし、男性はまだまだちょっと及ばないですけれども、着実に今、増やそうとしているところでございます。やはりワーク・ライフ・バランスのことがあると思うんですね。それで、次の議会、今度の議会に提案を今考えておりますのは、フレックスタイムをさらに強化をすることです。2月から今、コアタイム[出勤義務のある時間帯]があって、その前後で8時間勤務を前と後ろにこう棒をこう振るようなかたちでやるシフト制を2月1日からコアタイムを短くして改良したところなんですけども、さらに1日の勤務時間必ずしも8時間でなくてもいいと。それで、それを1月の間に調整をして、全体として8時間勤務と同じような勤務時間が確保されればいいんだと。そういうふうにしまして、さらにこうフレックスタイムを強化をする。これは条例改正が必要でございまして、そのための勤務条件の条例を来たる議会に提出をしたいと思います。こうしたことなど現場の声を聞きながら、働きやすい職場づくりを進めてまいりたいと思っております。
○時事通信 平野実季 記者
すいません。あと、今、最終案をということでしたけども、これは前、早ければ2月にも行動計画を作りたいというような話を前あったと思うんですけども、一部予定としては2月に。
●知事
そうですね、[輝く女性活躍]加速化会議がありますので、そこにイニシアティブプランとして、私どもの特定事業主行動計画を示させていただき、皆さんの議論の参考にしていただくとともに、公的セクターとして務めを果たすということを申し上げたいと思います。ただ、これ、やっぱり議会とも一応やり取りをしなきゃいけませんから、来たる議会でその内容を詳しくまた相談をさせていただいて、特定事業主の行動計画を策定したいと思っています。
7 青谷上寺地遺跡の公園化整備とボランティアについて
○山陰中央新報 斎藤敦 記者
すいません。青谷の史跡公園化についてなんですけども、すでに鳥取県の場合、妻木晩田で体制を整えて活用も進めていらっしゃいます。青谷も同様の扱いだという、人的な配置も含めてどのような施設整備を構想していらっしゃるんでしょうか。
●知事
はい。今、山陰道の工事と連動して出てきた遺跡なんですけれども、その部分を今、順次公用化してきたんですね。それを市も今所有部分もあるわけでありますが、市と共同しながら史跡公園化していくということで協議が進みました。したがいまして、将来的には人の配置等も含めた公園としての体裁になってこようかと思います。妻木晩田遺跡も非常にスケールが大きい、吉野ヶ里遺跡を越えるスケールでありまして、今順次、例えば弥生時代の植林といいますか、植生も再現をしてみたり、それからわかりやすい模型的な建物を建てたりして、弥生の時代を彷彿していただけるようなところにしておりますけれども、こちらにおいても、例えば昔のこう農地、どうやって田んぼを作っていたのかとか、そうしたことなども見てわかるような、そういうアイデアなども含めて、今、構想をまとめてきたところであります。弥生の昔を忍ぶに当たりまして非常に出土品の質も高くて量も多い、地下の博物館と言われるような青谷上寺地遺跡のダイナミズムを感じていただけるそういう公園にしていきたいと思っています。
○NHK 木庭尚文 記者
ほかよろしいでしょうか。
○山陰放送 秦卓史 記者
すいません。関連して遺跡の博物館ですけれども、美術館構想でも、今の東部や中部でも住民から議論になっていますけども、その関わりですね、その博物館と住民との関わりというのはこの基本構想にもかなり盛り込まれるでしょうか。例えば、ボランティアで市民がこう関わっていくようなそういうスペースだとか、そういうようなアイデアが盛り込まれているとか、その住民との関係というのはこの基本構想には関わりあるんでしょうか。
●知事
今その、それは青谷上寺地の話ですね、青谷上寺地については今そこのオペレーションのところまではっきりとは、意見は県教育委員会、私ども、市も含めてまとめてきているわけではありませんが、例えば青谷上寺地遺跡で発掘するときも、地元の皆様がいろいろと協力していただきました。それで、妻木晩田のときは、妻木晩田応援団というのができて市民的な高まりの中で、今でもボランティアの存在というのがあるわけであります。ただ、当然ながらこちらについても、多分観光地化してくる可能性があると思っています。それは近くにインターチェンジもあり、また、それなりのおもしろいものが見れるということがありましたらマニアのかたも見に来てもいいですし、子どもさんを少し遊ばせるようなこともできましょうから。ですから、そうした住民の皆様の参画というのも、まず今、ハードを作っていこうというところになってきますけども、同時並行的にそういう、どうやって管理運営していくかということも進めていく必要があります。現実には、例えば35年とか、まだ先のオープンになると思います、完全にこれ出来上がってくるのは。ですから、徐々にそうした体裁を整えていきたいと思っております。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
すいません。新年度の当初予算のことで伺いたいんですが、非常に改めてですけど、やりくりが厳しい中での編成だったということ、これまでも再三おっしゃっておりましたけども、改めてその背景と、それからそういう厳しい編成の条件の中で、元気づくりを天高く掲げるための予算ということでおっしゃいましたけど、具体的にその元気づくりと少し抽象的な言葉であって、いろんなことが包含しているのかなと思うんですけども、その中、何か緊急性持たせたものに力点をおいただとか、どういうものにとにかく力点をおいて編成されたのかという狙いを少し詳しく教えてください。
●知事
今回ですね、やはりやりくりが難しくなったのは財源制約であります。それで、今、多分その高度転換を国全体がしなきゃいけないんだろうと思いますが、税収は今増えるんですね。増える局面で、地方財政計画でも増える。その分、交付税を前年並みにおいて、それで臨[時]財[政対策]債と言われる交付税見合いの起債を縮小していくという、こういう制度設計があるわけです。それで、確かに税収が増えるところは増えるんですが、東京だとかそうした大都市にそこは集中してしまっていまして、私どもはもともと税収のウエイトは低い上に、税収の伸び率もほぼ見込めないというぐらいです。これが予算編成過程で明らかになってきたわけでありますが、交付税、それから臨[時]財[政対策]債については確保が難しいという今の実情がございまして、これは国にやはり財源調整機能というのをやはり果たしていただくような交付税の仕組みを求めていきたいと思います。
ただ、そうは言っても背に腹は代えられませんので、予算編成を組む段階では、例えば退職手当基金を全部崩すとか、そうした別途の財源調達をしながら今回を凌ぐということになりました。力点をおいたのは、やはり今もお話がございましたけども、地方創生に関わること、これはいずれ移住定住を呼び込んでくる、それからそのための産業活力を高めていく、これTPP対策も含めてでありますが。そして子育て環境の整備、そうしたことがパッケージで私どもは重点をおきたかったところでありまして、その元気づくり対策について、15カ月予算として最大の重きをおかせていただきました。これが実際に動くかどうかということになりますと、やはりいろんな団体、そして当事者のかたがたにも頑張っていただかなきゃなりませんし、市町村も磨き上げをしていただかなければいけないわけでございまして、そうしたところを力強く我々としても応援をしていきたいと思います。最近倉吉市さんであるとか、湯梨浜町さんであるとか、ふるさと産品の応援の宣言をされたりし始めていますけども、こうしたことを全県的にもやっていく必要があると思います。
また、市町村とのコラボレーションもそういう意味で大切になると思うんですが、例えばジオパークにつきましても岩美町が今移住の人気ナンバー1ということで雑誌で取り上げられたりしたわけであります。そこの強みというのはやっぱり海の魅力だと思うんですね、それで鳥取県としてもこのたび山陰海岸ジオパーク海と大地の自然館という新組織を作らせていただき、従来の教育委員会の傘下だったところから、もっとその利活用の方にも重点がおけるような知事部局の組織に新年度[平成28年度]変更させていただきたいと思っています。これに岩美町の渚交流館と一体的な整備を図っていく、体制運営を図っていく、こういうふうなかたちで県や市町村との垣根を越えた協調事業というのもこれから重視をしていかなければいけないと思います。その手法の中で、地方創生というのが開けてくるんだろうと思っています。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
財源面でいきますと、その予算編成段階では、例えば基金の取り崩しもせざるを得ない状況ということですけども、例えば今後国に対して、算定のときに県に不利にならないような、その式を当てはめてもらうとか、そういうような要望も含めて決算とか配分の段階でまた戻ってくれば、それは取り崩さずにとか、もしくは戻すということで将来に向けた健全化の道筋をつけていくということでしょうか。
●知事
ええ、そうですね。ですから、今は国の方針が示されている中では、やはり交付税と臨財債は絞らざるを得ないところがございます。トータルすると減になってしまうという状況がございまして、これは総務省の方には、その不合理さというのは訴えているわけでありますが、これは粘り強く折衝もしていかなきゃいけない部分だろうと思っています。それで戻れば、例えば退[職]手[当]債の退職手当関係の19億[円]の基金取り崩しだとか、土地開発基金の5億[円]取り崩しだとか、この辺がやめられればやめさせていただくこともあると思いますし、今、財[政]調[政基金]を取り崩して120億[円]くらい崩さなきゃいけないと、それで300億[円]ぎりぎりのところまで今落とすことを考えているんですが、これも戻り幅を減らすことも可能になってくるだろうと思います。あともう1つは、やはり効率的な財政執行を各部局に求めさせていただいて、不要不急のものであれば最後はその不用額で決算をしてもらうと。それで、これによってその財政の、今ちょっと無理をしている部分を取り戻すことも考えられようと思っています。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
繰り返しになるかもしれませんけど、その120億取り崩しの予算を組んでまでやっぱりやらなければならないもの、その理由みたいなところを教えてください。
●知事
これ、ちょっと構造から申しますと、元気づくりがやりたいから崩すというだけでもないんです。実は、義務的経費と言われますけども、払わざるを得ないお金というのがありまして、例えば借金の返済、公債費でありますとか、それから社会保障負担ですね、例えば介護関係の費用が上がってきます。これは市町村との割り勘になっていますから、その分が上へ行く、国民健康保険等もそうであります。こうしたものがやはりどうしても上がっていくわけですね。トータルすると50億[円]近くこの義務的経費が伸びているということでありまして、これは予算上カットするわけにはいかないわけです。じゃあ、その50億[円]分だけ財源が増えれば、そうすると組めるわけでありますが、その増えるべき財源が増えないということで大きな穴があいているというのが今シーズンの状況でありました。それでそういう中で、事業の優先度合いを考慮しながら[とっとり]元気づくりの方にある程度重点的に配分をしているというのが実態でありまして、最大の歳出圧迫要因は義務的経費にあると思っています。
○山陰中央テレビ 宍道正五 記者
財政に関してなんですが、国の日銀のマイナス金利ですとか、国債のマイナス利回りとかこのあたりが県の財政には影響が多少なりともあるとお考えでしょうか。
●知事
これ2方向で考えなきゃいけないと思うんです。1つの方向は国債の利率が下がってくる、長期金利が下がってくることから直接来るものでありますが、私どもでいくと地方債の金利があります。それで、この地方債の金利は大体国債にある程度連動しながら値づけがされていく面がございます。これは相場感でありますけども、実際には本県の場合、公募債よりも相対が多いですから、相対でやっていくわけでありますが、その折衝の過程でやはり金利が国債が下がってくるということ、長期金利が下がってくるということは、そちらの方に影響してくる可能性があって、そうすると借金、今、新発債、これから借りるお金ですね、その借りる新発債の金利低下に行くかもしれない、これは将来的には先ほど申し上げた公債費、借金払いの額が抑制されるかもしれないということがあります。
ただ、単純にはいかないわけでありまして、今回のそのマイナス金利というのはどちらかというと市場の混乱的なこともあると思うんですね。それで、日銀のやったことが若干副作用だけが効いていて、本来ねらった景気浮揚の方まで届かないかもしれない。そうすると、景気浮揚に行くことが本来目的だったわけでありますが、景気浮揚から税収が増えるという、その財政に与える本来目的とされたような影響が果たして出るかどうか、逆に市場、マーケットが混乱をして今、現に株価が下がってきております。また、円レートが変わってきています。これによって県内の製造業等が苦しむことになれば逆に冷え込んでしまう。そうすると、税収が確保できない。そちらの方のマイナス要因があるわけですね。それで、何かここのちょっとバランスが両方向どうなるかということでありますけども、正直言って不透明感が残っていると思います。
○NHK 木庭尚文 記者
女性活躍推進課を設置する件なんですけれども、県の方は行動計画でも国の目標を上回る数値を掲げて行動していかれるということですけど、なかなかやっぱり民間企業になるとそこを超えていくという高い目標を実現するというのは難しい企業も多いと思いますけれども、そこに対してはどういう手立てを、この推進課を通じてやっていこうというふうにお考えなんでしょうか。
●知事
今、女性活躍加速化会議というものを、これ、藤縄[匡伸]商工会議所連合会長がヘッドになりまして、我々も入り、労働局も入り、また民間のいろんな団体も入り、女性団体も入りつくっています。それで、ここがいわばキャラバンのようなかたちで今回っています。それで、私ども女性活躍推進課ができたら、例えばその中の女性のグループがいますけども、こういうところに各企業の相談に乗ってもらうというようなこともあってもいいのではないだろうか。また、社会保険労務士など、例えば就業規則だとか、それから職場環境づくり、そういうことを専門的にまたアドバイスもできる、そういう事業を予算上も組ませていただいて、トータルで向かっていけないかと思っています。現実を申しますと、鳥取県は女性の就業率は高かった、しかし、女性の管理職さらには管理的地位のかたがたの割合というものは決して高くない。しかし、この運動を今、始めて大体1年ぐらいですかね、今、上がってきていますね、中小企業も。意外にだから、そういう意味で政策効果として、中小企業さんの場合、やっぱりトップなり経営の考え方で大きく変わり得るわけでありまして、そういう意味で今、我々がやろうとしている手法も、そうした中小企業さんにも広がっていくのではないかという期待も持っております。そのための所要の予算付け、それから組織対応もしていかなければいけないというふうに考えております。
○時事通信 平野実季 記者
すいません。当初予算案のことなんですけども、先ほど、知事が話されたように、モニタリング制度を整備したりして、パートナー県政っていうのを進めていて、今年度はその総合戦略策定のために産官学金労言だったり、若手の職員さんたちから話をいっぱい聞いてということがあったと思いますけども、そういうことを吸収していろいろ政策とか考えられているとは思うんですけども、県民のかたが見たときに、どういったところに、自分たちの声が反映されているかというのを、実感できる部分というのはどこになるのか。
●知事
それは、まさにこうして皆様の公平な報道の中から、自分たちの意見が予算の中で出ているのかっていうのを見ていただけるだろうと思っています。もちろんモニタリングに参加していただくこともありますし、また、そこまで行かずとも県政アンケートというのを、電子アンケートを鳥取県では県民参画基本条例に基づいてやっていまして、こういうところで参画をしていただくということも、当然あり得ようかと思います。特に、高校生ぐらいでもこのアンケートに参加していただけるように、制度も今、拡充してきているところであります。あと、私どもとしても、情報公開を進めなきゃいけない、それで、これ私の2期目の公約からでありますけども、情報公開ナンバーワン県政というのを保証しているわけです。いわば品質保証しましょうと。ですから、そういうことで、情報アクセスはワイドにオープンしていくということをしていきます。それでまた、予算の内容なども、県政だよりを初めとしてアクセスしやすいところで、できるだけわかりやすくご提示を申し上げるように心がけていきたいと思います。あとは、各部局の方でも親切丁寧に予算の中身などをお知らせをする、いろんな問い合わせ等に応じていく、こういうことが大切だと思いますので、この辺は徹底をしてまいりたいと思います。
○山陰中央新報 斎藤敦 記者
すいません。予算に関連してなんですけども、このたび、香港便がいい方向になりました。ただこれまで、アシアナとDBSクルーズと公的支援をずっと続けておられます。それで、もう1つこの香港が加わるわけでして、決して苦しい台所事情の中で大変だと思うんですけども、あえて、まだ決まったわけではないかも知れませんが、公的、向こう側が求めていらっしゃる支援をやっていく上で、これだけのお金をかけるという意味合いですね、県としての、なぜこれを重点的にやるのかということについてお考えをお聞かせください。
●知事
今、春節でありまして、中国系を中心として多くのお客様が日本にやって来ています。本県においても、隣りの島根県もそうだと思いますが、韓国人等々アジア系のかたが、今、多くなってきています。それで、これは別に自然にできてきているわけではなくて、今までもアシアナ便という定期航空路を開設をし、非常に搭乗率が悪いときも維持・発展させようとキャンペーンを打ってきた、また、路線の支援ということも行ってきた、その結果であります。DBSクルーズフェリーが続いていくことで、この間も足立[統一郎]会長から要請活動がございましたけれども、これも地域の経済、観光に与えているインパクトというのは大変に大きいものがある。いずれはこういうものを助成なくしてやっていく時代が来ればいいとは思いますけども、残念ながら全国の地方空港では、それが現実であるというのも、また真実であります。今回、香港航空が入るにあたりまして、我々としても折衝をさせていただきましたが、いずれ便数を増やしていくという方向性を前提としながら、他の地域で行われている助成のスキームというものに準じて、着陸料の助成等々、そうしたことをしていくことを今回予算の中に盛り込ませていただきました。もちろん、いろんなご意見もあり、県議会でもいろいろご意見をいただければありがたいと思っております。
○山陰放送 秦卓史 記者
すいません。県政モニタリング事業についてお聞きします。知事、先程も事業評価のやり方の弊害の部分を除いたんだというふうなことを言われましたし、これまでの事業棚卸しでは副作用も大きかったというふうに言われました。具体的にその副作用というのはどういったことを示しているのでしょうか。これは議会とか関係団体からの反発、評価への反発ということなんでしょうか。
●知事
私は、県民の皆様がこの県政の主人公でいらっしゃいますので、県民の皆様の目線で県政というものが方向付けられ、また逸脱している場合はそれを正していただく、これが当たり前だと思っています。そういう意味で事業棚卸というのは私はそのメソッドとしては評価をさせていただいております。ただ、議会だとかあるいはいろいろと世上をいろんな波紋を呼んだのも事実なんです。それで、私はそれが一概に悪いと申し上げるというつもりは全くなくて、そういうふうにして民主主義というのは進んで行くもんだと思っているんです。それでいろいろ波風が立ちながら最後はその議論をまとめて県民の皆様の意義に沿ったような県政が運営されるのが私の理想でありますので、その手法として否定するものではないのですが、課題として上げられたことがいくつかありました。それは、わずか2日ほどの間で結論を出さなければいけないという仕組みです。それで、これは民主党政権に入って華々しく蓮舫さんなんかがやられましたけれども、限られた時間に証人喚問よろしく、各省庁を呼びましてそれで丸バツをその場で決めてしまうというやり方であります。それで、これは1つのデモクラティックなショーとしてはおもしろい面もあるんですけども、ただ、そのときの結論が絶対的に県民皆の意識とあっているかいうところについては疑問の声もないわけではないわけですね。それから、難しいのは、どうしても短時間で結論を出そうと思っても県の事業というのは非常にいろんなかたがたが当事者が絡み合ってできているところがありまして、それを短時間の間に今まで例えば台所にいたお母さんとか、それから学生のかただとか、そうしたかたがたも含めて皆さんが参加する中で即座に理解をして適切な判断をするというのはなかなか難しいところが現実にあった。それで、典型的によく言われたのは老人クラブの補助金であります。これが廃止ということで結論付けられてしまいまして大騒ぎになったわけであります。これは、そういうようなことはやはり丸かバツとかいうようなことでのちょっと初歩的なやり方ということが1つあったと思いますし、時間をかけて議論を練り上げていって、その過程で世間の動きも見ながら反応を見ながらやっていくというプロセスが成立し得なかったところがあるんですね。今回は1年間をかけてじっくりとこうモニターをまとめていただくと。その間、何度もワークショップをやりながら結論に向けて動いていくということでありまして、その過程で県民の皆様との事実上の意見のキャッチボールのようなことができたり、それから、時間をかけてちょっと制度の込み入ったところを解明していくことができたり、専門家のかたのアドバイスということも用意されていますので、そうしたことで深みのあるアプローチができたり、そういうふうに変わっていくんではないかと思っています。もちろん今回のモニタリング事業が最終形になるかどうかというのはちょっとやってみないと分かりませんけれども、従来の難しかったところを、たった2日というところを1年間に延ばしてやる。それから、深みのある検討がなされるためにワークショップを何度もやったり、専門家が入ったりというようなことをやっていく。こうやって従来の事業棚卸とは違った県民参画事業にしていきたいと思っています。
○山陰放送 秦卓史 記者
知事が言われるようにそのまとめるプロセスというのは非常に私的、問題があるというか短時間であったり、非常に広範囲なものから絞り込んでいくというのが非常に難しいんじゃないかとかという指摘もあったのは事実だと思っています。それで、もう1つ、出たまとめに対してどうそれを実行していったり、リアクションしていくかということも非常に大事だと思うんですが、そのあたりの拘束力、そのあたりはどのようにお考えでしょうか。
●知事
私は尊重しながら進めていくべきだと思いますし、議会の方にもその事業モニタリング、モニタリング事業、県政モリタリング事業での考え方、これを我々としても執行部から説明していく責務があると思っています。その中で出された結論にしたがって私どもも改良をする、改善をする、そういうようなことを具体的に提案していくことで実効性を担保していきたいと思います。
○山陰放送 秦卓史 記者
じっくり時間をかけて考えていくと、どうしてもその当事者の事情がかなり理解できて、そちら側に意見が流れていくというか、そちらの方に傾いていくようなこともあるのかなと思うんですが、結論がなかなかこうダイナミックな意見というか、大胆な意見になりにくい側面もこれはあるのではないでしょうか。
●知事
でも正直申し上げてですね、例えば外部監査の仕組みもそうなんですけども、ちゃんと権限というものを持っていただいてそれでやられるというふうになりますと、ある意味フリーにものが言えると思います。ですから、そこは、今後、運用上我々としてもサポートしていけばそう大きな問題はないのではないかなと思っています。
○NHK 木庭尚文 記者
ほかよろしいですか。それではありがとうございました。
●知事
どうも、ありがとうございました。