大正9年に調査を開始した国勢調査は、わが国の最も重要な統計調査として、5年に一度実施されています。昨年10月1日現在で実施された国勢調査の速報結果によると、鳥取県の人口は57万3,648人で、前回調査の平成22年に比べ1万5,019人減少しました。
昭和60年の61万6,024人をピークに減少を続け、人口の減少幅も調査のたびに拡大し、平成22年には過去2番目の減少率となる3.0%減となっていましたが、平成27年は2.6%減となり減少幅は縮小しました。
この人口減少の状況を人口移動調査の出生と死亡を合わせた「自然増減」と、転入と転出を合わせた「社会増減」の5年累計でみるとどうでしょうか。
まず、自然増減の推移をみると減少傾向が続いており、平成27年には1万1,955人減となりました。これは出生児数が減少するとともに、死亡者数が増加しており、少子高齢化の進行によるものと考えられます。
次に、社会増減をみると平成12年に社会減から社会増に転じたものの、平成17年以降は再び社会減となりましたが、平成27年にはその減少幅が縮小しています。
平成27年の県外転出者数が平成22年に比べ9,215人減となり、人口減少の要因が小さくなった一方で、増加要因である県外転入者も減少していますが平成26年、27年は県外転入者の増加が見られ、明るい兆しがうかがわれます。
(注)鳥取県の人口は国勢調査の数値。
(注)自然増減・社会増減は鳥取県人口移動調査の5年分の累計値。
本ページは、平成28年3月22日付「日本海新聞」掲載の同題コラム(鳥取県地域振興部統計課執筆)からの再録です。