●知事
皆さま、おはようございます。災害がいろいろとありながらもゴールデンウィーク、多くのかたがたでにぎわう、そんなこれまでの感であったかと思います。県民の皆さまもそれぞれ、ゴールデンウィーク、どこかへ出かけられたりされたと思いますし、多くのかたがたで鳥取県もにぎわったことは1つの成果であったかなと思います。例えば、[八頭郡]若桜[町]におきましてピンクの機関車を走らせるという、そういう試みをし、今まで地味なイメージの鳥取が生まれ変わろうと、そういうプリティな鳥取、サキュート[砂CUTE]な鳥取、それを目指そうとして動き始めたことに結構お客さんが来られました。先般、若桜の町長とも出会いましたけれども、この連休期間中で4,300人のかたが駅の方に入構をされたそうでありまして、だいたい若桜駅、年間3,000人ぐらいの入構パターンでございますので、1週間で1年分以上のかたがたが入構されるということだったようであります。
また、水木しげるロード、水木しげる先生がお亡くなりになり、私どもはその志を継いでいかなければならないという、そういう気概に燃えているわけでありますが、その思いが観光客の皆さまにも通じて、26万人のかたがたでにぎわうことになり、青山剛昌先生の[青山剛昌]ふるさと館の方も3,535人を5月4日に記録をしまして、過去最高ということになりました。風が吹いて、その分で飛行機が止まってしまったり、また、風が強いことがまた報道もされたりしまして、若干、[鳥取]砂丘など停滞気味のところもございましたけれども、ただその中でも道路の渋滞が起きるほどにお客さまも来られた感でございました。
●知事
さて、そういう連休の最後に私、熊本県の方を訪ねさせていただきまして、その熊本の被災地の方で西村[博則]益城町町長さん、それから、蒲島[郁夫]熊本県知事に面談させていただく、さらにはエミナースというホテル、これが避難所になっておりますけども、そちらで肩を寄せ合って避難をされておられますかたがたと親しくお話をさせていただき、お見舞いを申し上げたところでございました。そのときに、鳥取県の被災者支援、被災地支援にはそれぞれのかたから、中には涙ぐむかたもいらっしゃったぐらいに思いを込めて感謝の言葉をいただきましたことは、かえって恐縮するぐらいありがたく感じたところであります。そういう中で、やはり震度7の地震が2回続いた益城町、この状況は役場の周辺が非常に厳しい状況でございまして、正視に堪えない状況でありました。鳥取県は、今、重点的に益城町に入って支援をさせていただいているところでございますけれども、これから恐らく単なる人命救助、それから、当座まずはライフラインをつないでいく等々に終始をするのが今まででありましたけれども、これからは復興に最終的には向かっていくステージに入っていかなければならないと思いますし、生活を取り戻す、これも大事な局面だと思います。
例えば、この月曜日[5月9日]からは益城町でも被災地における学校が再開をしたところでございます。そういう中で、今後どういう方針で当座ご支援申し上げようかということを知事や町長とお話をさせていただきまして、いくつかその支援策をまとめてまいりました。帰りまして、関係先とよく調整をさせていただいたりしておりましたけれども、今週末の日曜日[5月15日]に出まして来週の月曜日[5月16日]から業務に入れるようなかたちで鳥取から人員派遣を行うことを追加でさせていただくことにいたしました。今、各地で、例えば全国知事会も含めて政府もやっていますけども、いろんなかたちで必要な人材をこれから集めて来られると思いますが、まずは初動において、今、足りないわけでありまして、そこの部分を鳥取県から益城町に派遣をさせていただこうかということであります。具体的には、追加派遣の、今までも例えば避難所の派遣6人、さらには役場の方に2人、避難所やあるいはいろいろとヘッドクオーター[本部]を務めることで2人派遣する等々やっていますし、さまざま人員派遣はしているんですけども、局面が変わってまいりましたので追加で派遣をするという趣旨であります。
その追加派遣として、まずは土木系、これは公共土木もあれば農業土木もあります。それで、それを合わせて3人を派遣をする。今、これから被災地の被災状況の把握だとか、復旧方針を作っていくことになります。そのときに役場はなかなかそこの辺に手が回らない状況でありまして、いずれはさまざまな人員がやってくることになると思いますが、いまいま足りないものですから、2週間にわたりまして派遣をする、その後また追加の要請があればさらにもちろんこれを継続していくということになりますが、2週間サイクルでまずは第1隊派遣しようということであります。土木系で2人と農業土木で1人であります。また、町長さんあるいは知事さんと話をしますと罹災証明など、そうした窓口業務、あるいは福祉の相談窓口、調整等で人手がないというお話がありました。そこで罹災証明の発行業務、これに当るような税務関係の職員になりますけども、この罹災証明発行業務の関係で2人派遣をしようと。また、福祉関係、この福祉関係は相談に当たられるとか、あるいは熊本県との調整等々いろいろと仕事が山積みになっている。この福祉関係でも鳥取県から2人ということにしてはどうだろうか。
こうしたさまざまな人員を派遣をしていくということでありまして、そうしたことに市町村の方でも協力いただけるところを今いろいろとご相談をしておりまして、最終的には市町村と一緒に部隊を作りまして、これから出していこうということになります。すべて日曜日に出発をして日曜日中に現地の方に入り、月曜日から業務に当たれるようにしようということであります。それから学校が再開されたわけでありますが、避難施設の[ホテル]エミナースでもそこの区長さんからお話がありましたのは子どもたちが結構心が折れていて、不安を抱えておられると。それでそういうことでやはり中にはそういうPTSD[心的外傷後ストレス障害]に対する対処が必要な子どもたちもいるようだというようなお話がありました。これは町長さんとかともお話をしましたけれども、そこもやはり手当が必要だろということでありました。鳥取県、実はスクールカウンセラーはそんなに数がいる県ではないんですが、初動でいずれは国がまた集めにかかると思いますけれども、初動でまだ今まったく手薄な時期でありますので、この時期すでに今週から学校がスタートとして緊急性があると思います。ですから2人ですね、このスクールカウンセリング業務に当たる人員を県の教育委員会の方にお願いをしまして派遣をするということにいたします。これも2週間あてで、まずは出発をさせていただき、この日曜日に当地を出るというかたちを考えております。
あと、熊本の蒲島知事は財政再建をやって来た話をされまして、ちょうど私の方でも県政を引き継いで貯金を減らさない、借金を増やさないそういう方針でやって来たのとまったく同じようなかたちで、どうも熊本もされていたようであります。だからこそこの急にここで発生した災害における財政需要にため息をついておられる。何とかこう財源を確保しなければならないということでありました。また、益城町も単独町政を選択されたというお話を町長さんもおっしゃっておられまして、その中でやはり職員の数が足りないとか、財源の不足があるということをおっしゃっておられました。そこでこちらから1つアイデアを出させていただきましたのは、ふるさと納税の仕組みを使ってご支援できないだろうかということでございます。実は鳥取県はふるさと納税では人気県でありまして、この度明らかになりましたふるさと納税の状況は昨シーズン前年を6割上回る伸びでありまして、米子市なんかが多いいわけでありますが、都道府県の中でも鳥取県はそういうふるさと納税のアクセス数が多いところです。言ってみれば手前ごとで恐縮でありますけども県庁のホームページ、ふるさと納税のサイトはページアクセス数の全国的にも際立って多いところでありまして、40万件ページビューが年間あります。それで、その県庁のふるさと納税サイトに熊本県への寄付を呼びかけさせていただくと。それで熊本県とそれから私どもが重点サポートしている益城町、この寄付を選択していただければ今ふるさと納税人気サイトである鳥取県のサイトから寄付ができる。これはもちろん全面的に熊本、益城町選択に従いましてお送りするということでございます。
それで、このお話を蒲島知事に申し上げまして、くまモン[熊本県PRマスコットキャラクター]を貸してくれないかと申し上げたんですね。鳥取県、実はいろんなかたがアクセスして鳥取県のいろんな、お礼の品のこともございましてそれで選らばれるっていうサイトなもんですから差別化する意味で、くまモンを登場させてもらいたいと申し上げましたが、このたび許諾が下りまして鳥取県のホームページに熊本県のくまモンが登場する初めてのことになるわけでございますが、こういうようなかたちで、私どももわずかかもしれませんが鳥取県のノウハウを使ってふるさと納税というかたちで熊本県や益城町の財源調達にもご協力申し上げたいというふうに考えているところであります。
●知事
実はこの連休中は鳥取県内でも風が吹き荒れまして、特に5月3、4日に被害が集中をしました。その状況を精査をさせていただきましたが、農業被害で390万円ぐらい。正直申し上げて過去の風の被害よりは極めて小規模にはなったと思います。今後状況を見て対策が必要かどうかは現場と話し合っていきたいと思いますが、今のところこういうことをしてくれという要望はまだございませんで、こちらの方はその状況を注視していこうと考えております。また、交通でも、飛行機が止まる等々の状況があったり、建物が飛ぶというようなこともございました。これにつきましては今後フォローアップをしていかなければいけないと思います。
4 島根県における県道の落石による事故を受けた対応
●知事
それで、実はこの風が影響したと思われます隣県島根県における落石事故がございました。大変に痛ましい事故でありまして、山口大学の学生さんにはお悼み申し上げたいと思います。この件につきまして、ただ地形的にはよく似たところでありますし、山陰通じて同じような歴史的地質構造にございますので、こういうことから、鳥取県庁としても再点検をしようということにいたしました。具体的には私ども、実は平成24年度に全県調査をこうした関係でしております。ですから、再調査というかたちにはなるんですが、その際に問題があり得る箇所として370ヵ所余りがリストアップされております。それで、ここを調査に入りまして山の上の方に行きまして、そこに浮き石がないかどうかとか、岩盤のクラックがないかどうかとか、その辺の点検を緊急にしようと。それで、今、部局の方と相談しておりますのは5月中にこの点検を終えようじゃないかと。それで、その状況を見て緊急対処が必要なところは今[平成28年度]当初予算の方でも用意しておりますこういう対策費、これを充てることにし、さらには、もし必要があれば、秋までは十分精査をして、それで、秋以降の新しい予算対応が必要なら考えていこうと、こういう方針で向かっていきたいと思います。
●知事
また、この連休の間に司直の手が入る状況になりました採石業者、岩石の採取場がございますけども、これも県内33ヵ所を一斉調査に今月[5月]入らせていただいて、安全の確認ということをしてまいりたいと考えております。いろいろと安全安心を脅かすようなことがございますので、私どもとしても万全を尽くしてまいりたいと思います。
●知事
先の当初議会におきまして、私どもの方で条例として新たに制定をされましたものに不要物品の収集保管、これに対する規制条例[鳥取県使用済物品等の放置防止に関する条例]を作らせていただきました。これの猶予期間として届出期間4月一杯取っておりましたけれども、だいたい50弱の事業者から届出、この不要物品の収集保管の事業許可申請がきました。中には8件ですかね、要は10件足らすでありますけども、廃止の方向で今どうも動いているというところも出てきております。ただ、やはり全国で初めてこういう取り締りをしているということでなかなか悩ましいところもありまして、この4月中には土日の調査ということもさせていただいたりしておりますが、私どもの方にやはり住民の皆さん等からの通報もございまして、今ようやく施行されて一月というところで、届出期間が終わったところであります。ですから、これ以降は届出なしにやりますと違法操業ということになりますから、取り締まりを今後強化をしていかなければいけないかなと考えております。
●知事
また、新たに今月議会招集をさせていただくわけでありますが、それに向けての予算編成、私まだ一切やっておりませんけども、これから状況を聞かせていただこうかなと思っています。今、積み上げているところでは、例えば、公共事業関係では40億[円]台の半ばから後半ぐらいには積み上がりそうかなというようなことなどがございまして、それ以外の事業も恐らく20億[円]、30億[円]ぐらいあるかもしれません。ちょっとその辺今これからですね、精査をしていこうということになろうかと思います。
●知事
そういう中でこの議会には成案を得てということにはなりませんが、当初議会で議論が出てきたことの1つとして、アーカイブ、公文書の管理についての問題提起がございました。これについては、条例という措置も含めて検討すべきかなというふうに判断をいたしました。5月16日から検討委員会を設置して議論をしてもらおうと思います。これには東洋大学の早川[和宏]先生とか、東京大学の森本[祥子]先生とかそうした有識者のかたにも入っていただいて、公文書管理のあり方、県として何をなすべきかを改めて議論をし、今は公文書館の設置の条例しかないんですね、そういう組織的な条例のみでありますが、もう少しこう機能を書き込むような、そういうやはり条例措置が必要なのではないかと思っております。
例えばこの熊本の地震でも文書の散逸、それによって貴重な資料を失われるかもしれないとしてボランティアが動いています。私ども鳥取県西部地震のときも、島根大学のかたなどボランティアのかたがたが入ってきて県内の公文書の保管をしようと。それで、今でもその一連の文書は日野郡の方に保管をされている場所もあって、今も整理をされているようでありますが、そんなようなことを考えますと、こういうアーカイブのこと、これにもう一度光を当ててみる必要があるかなと思います。今、実は国の方は国立公文書館をどうしようかということで、与野党を越えた一大議論を起こしておられます。それでそういうように国もいろいろ考えられる中で、地方はどういう役割を果たせるのかということだと思っています。市町村にその公文書の見立てを全部1から10までやるというのは難しいかもしれません。
従いまして、何らかこう技術的支援のようなことは、県も人材を活かしながら、市町村といわば共同のかたちでそういうことをやっていく必要があるかもしれませんし、なかには民間のなかの文書でも大切に保管すべき文書というものもあるかもしれません。こうしたことに対する、いわばそのテクニカルサポートをするようなセンター機能というものも県単位に必要なのかなという感じもいたします。その役割が果たして鳥取県としてどういうことができるのか、この辺も1つのポイントかなと思っています。また、今県の公文書館は、収集保管の保管につきましては一定の収蔵可能量はございまして、すぐに満杯になるとかという状況ではないわけでありますが、当然ながら未来永劫に向けて持続可能なかたちにしていかなければいけません。そんな意味ではデジタルアーカイブの活用であるとか、いろいろとその辺の対策も必要なのかなというふうに考えているところであります。
●知事
地方創生につきましては、来週の16日鳥取創生チーム拡大会議を行いまして、産学金労言官という、そういう各セクターにわたりまして横断的な議論をし、これまで1年間の取組みを総括をしたり、今後の方針について話し合うことにいたしたいと考えております。こういうような地方創生として、我々としてもいろんなタイプの取組をしなければなりませんが、林業については中山間地の活性化で重要なことになろうかと思います。鳥取県として、例えばロープウェイで山から木を降ろすことも含めた低コスト林業、大型機械を導入した低コスト林業に1歩足を踏み入れていこうと、これは林業関係者と話をしております。上手くいけばこう林業が雇用の受け皿になって、地方創生の1つの導火線にはなり得るだろうと。それでこの地方創生の観点で大型林業機械のまずモデルケースとして三朝[町]に、[鳥取県]中部森林組合が導入をされることになりまして、その導入のセレモニーを行う、私も参加をするということにさせていただいております。
また、おいしいものに関わることとして、このあとはキャラクターカレーを作ろうと。大学生のイラストと、泊綜合食品[株式会社]さんでありますが、地元企業とが結びついて、そういう共創によるマーケティングをしていく、そんなことも今いろいろと始めていこうかということであります。また、「とっとりと」という私たちの独自のインターネットを活用した知恵を出していただいて、それを企業さんが活かして新しい商品開発、産業発展につなげていこうという取組みであります。これも、この度また今年度[平成28年度]分の募集を開始をするということになりました。ぜひ、そうしたかたちでいろいろと地域の活性化ということを進めていければよいのではないかなというふうに考えているところでございます。
これから、この週末でありますけども、土曜日[5月14日]には東日本大震災の支援事業として子どもたちと一緒に取組んでおります東北から、どんぐりをもらってきて、こちらで苗を育てて、向こうにお返しをして植樹をしていくという、そういう運動を私どもの方で開催されました植樹祭を契機として進めてきたところでありますが、だんだんとこうひと段落つきつつありますが、今回岩手県ではこの度の植樹がその最後になります。[米子市立]車尾[小学校]の子どもたちやあるいは[南部町立]会見第二小学校の子どもたちと一緒に、岩手県の宿戸というところで植樹祭に参加をさせていただき、震災からの復興の一助となればと活動してまいろうかと考えております。
また、障がい者の関係ではこの度、民間企業さんの[株式会社]インフォメーション・デイベロプメントという会社さんがあいサポート運動の精神に共鳴していただきまして、クラシックコンサートをこの週末されるとかいうような動きもございます。ただ、この福祉の方、やはり若いかたがたが担い手になって、新しいムーブメントを起こさなければなりませんが、いよいよ第3回の全国高校生手話パフォーマンス甲子園、これが9月25日開催が見えてきました。この度、募集を開始をしました。これが6月まで募集ございますけれども、今年[平成28年]は出足が早くて、すでに2校、去年[平成27年]来ていない学校も含めてエントリーがございまして、ぜひ多くの皆さんに鳥取を手話の聖地として目指し、そして、それぞれの地域での福祉活動の推進に役立てていただければというふうに思います。
来週は原子力関係でも、これ鳥取県としては初めてのことになりますが、この度、実は1号機の廃炉のこととか、それからテロ等の災害、テロ等のその重大事象に対して対応力を増すための新設設備等につきまして新たに事前協議、向こうの中国電力側から来たところでございまして、これをどういうふうに対処していくかということがございます。これについて私どもとしては全く新しい局面でございまして、全国的にもそんな廃炉っていうのはそんなに進んできたわけでもございませんし、いろいろ慎重な考慮が必要ということになろうかと思います。そこで原子力安全顧問会議を招集をさせていただきまして、原子力安全対策の権威の皆さまがたにお話を伺うということでございます。ただ、委員の皆さんの出席の利便性の都合で、今回岡山で開催をさせていただくことになりますけれども、しっかりとご議論もいただき、今後おそらく今月[5月]末に召集される議会もございますので、そうした場で議会側のご意見を聞いたりしていかなければならないと思いますし、また、中国電力には住民説明会等の場を求めるとか、今後いろんなかたちで地域の意見をまとめ上げていくプロセスを踏んでいかなければならないと考えております。私の方からは以上です。
○NHK 木庭尚文 記者
採石の関係なんですけれども、奈良県の事例ではかなり崩落の危険性もあるというのがありましたけれども、現在鳥取県ではそのような事例というのは見受けられるんでしょうか。
●知事
これは、実は鳥取県でも例えば智頭[町]の市瀬で重大な崩落事故が発生をしておりまして、河川が閉塞するということすら起きました。従いまして、我々かなり神経質にこの採石事業の規制、取締りには向かってきました。ですから過去も繰り返して規制をその度強化をしてきております。ですから、今ただちに奈良[県]のようなことが起こっているということではなくて、いわば奈良[県]で起こったことを他山の石として、私どもの方でも今年[平成28年]も点検に入ろうと。奈良[県]のことも念頭において、じっくりと適正に行われているかどうか、精査させてもらおうという趣旨でございます。ですから、何かこういうことがちょっと見込まれるから入らなきゃということではなくて、比較的規制の厳しい県でありますので、それを土台とした上で奈良[県]の事象も頭に入れて点検に入ろうということです。
○NHK 木庭尚文 記者
奈良の事象でいうと、やっぱりあそこまで行政側、県も放置していたんじゃないかみたいな批判もありますけども、同じようなことは、鳥取では起き得ないというふうに知事はお考えですか。
●知事
それは過去の反省はございますので、これまでのことについてはいろいろと見直すべきことは多々あったと思います。未だに金銭的な、こう資金的なことも決着していないような状態が続いているサイト[場所]もございまして、非常に頭を痛めているというのが実情であります。ただ、そういう中で私どもはその現地調査に入るとか、そうしたことを強化をしてまいりましたので、今ただちに奈良のようなことが発生してしまうということではないとは思っております。ただ、今回改めて採石場をめぐる事案がクローズアップされてきましたので、今年度[平成28年度]、また点検に入るわけでありますが、奈良のことを念頭に厳正に調査に入るということにして、33ヶ所の一斉調査ということにさせていただきました。
○NHK 木庭尚文 記者
これ、ちなみに毎年調査をされていらっしゃるんですか。
●知事
本来、定期的に調査をしておりますが、今回は時節柄ですね、現状の議論を踏まえていかなければいけないと思っています。
11 島根県における県道の落石による事故を受けた対応
○山陰中央新報 原田准吏 記者
島根県の落石に事故を受けた対策ですが、問題ある得る箇所は370ヶ所ということですが、これについてはすべて対策が今、まだ実施されていないということでしょうか。
●知事
基本的には措置はしてきているところではありますけれども、今回厄介なのは、たぶん風が影響したんじゃないかと思いますが、それは今、これから島根県さん、専門家を入れて調査をされていますので、それを見なければいけませんが、山の上の状況ということなどをやっぱり確認していかなければならないなというふうに思っています。それによっては、例えば今回ネットを張ってなかったところで、起こったということがございましたので、そうしたことには謙虚に向き合わなければならないかなと思います。鳥取県でも同じような地質構造、歴史的にはアジア大陸が、わかれてきて花崗岩質(かこうがんしつ)と言われる古い岩石がその山並みをなしている、そういう基本構造があったり、やはり同じような心配をしなきゃいけない地域だろうと思っています。それで、昨年度[平成27年度]でいえば、落石でかなり大きな落石があって、通行遮断等のそうした家屋の避難も含めて深刻な事象は2件ございまして、県道[209号]大滝白水線で、いずれも[平成27年]10月と[平成28年]3月だったと思いますが、昨年度[平成27年度]も2回にわたりまして、こういう落石関係での対策が求められたことがございました。その他、例えばちょっと土が崩れるとか、そういう小規模なものも入れれば、年間、やっぱり50件ぐらいはあるわけでございまして、決して他人事ではないというふうに認識をいたしております。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
公文書の管理に関する検討委員会についてお伺いしたいんですけど、これは5月議会でその発足の経費を予算化するというご趣旨でしょうか。それから、そこでの議論を踏まえてその設置管理条例の改正ということを視野に入れるということでしょうか。
●知事
ちょっと時間をかけた議論になると思いますので、5月議会には、さすがに条例案等は間に合わないと思っています。ですから、想定としては9月とか、場合によっては11月ということになるかもしれませんが、今、先生方、これから集まりますので、その議論をまずは見てみないといけない段階であります。これは、私どもの方の今のいろんな調査などができる経費がございますので、その中でやっていくということになります。まずは問題点の洗い出しであるとか、それから、市町村の状況の調査であるとか、そうしたことも含めて議論をまとめた上で県としての結論を得ていきたいと思います。イメージとしては公文書館を設置しますよという条例はあるんですけども、そこで、例えばこういう機能を公文書館が果たすとか、そういうところで、さっき申し上げたようなセンター機能的なところまでは書かれておりません。ですから、公文書館法も、おそらく議員立法になるかもしれませんが、何らか、これから大きな動きになってくると思うんですね。さらには国立公文書館を建て直すという議論が、実は今、国の方でありまして、そういう観点でのやはり検討が必要だろうと思っています。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
県独自で公文書館を持っているというところもそれほど多いわけでもないですし、県としても全国に先駆けて、この公文書館というのが出来た貴重な財産であるとは思うんですけども、先ほどセンター機能というふうに知事もおっしゃいました。センター機能を発揮しながら資料の収集もするんですけども、おそらくその分析ですとか、それから発信ですとか、そういったことにも力を入れていく方向になるのかなと思うんですが、そのあたりのお考えはいかがでしょうか。
●知事
私はそういうイメージで考えておりまして、有識者のご意見を仰ぎたいなと思っております。今、北尾さんがおっしゃるように、これ、鳥取県はかなり早い段階で、全国的には早い段階で公文書館を設置しております。ただ、歴史はありますけども、十分、現代風の機能を発揮しているかということについては議論もあるだろうと思っています。例えば、アメリカで言えばナショナルアーカイブ[アメリカ国立公文書記録管理局]という国立公文書館がありますが、これはかなり巨大な組織でありまして、それで歴史が浅い国だけにだと思いますが、いろんなそうした歴史やあるいは例えば家族史なんかも含めて考えられているんですけども、そういう貴重な資料というものを保管をしていくことは、1つの国の使命、地域の使命というふうにも考えられていると。それでこれは、日本ではまだ若干浸透していないところだと思うんですけども、今、国全体でも国立公文書館の議論が起こりまして、そこの見直しに入ってくると思うんです。それと軌を一にして地方レベルでのパイオニア[先駆者]をこれまでやってきた立場である私たちとして、現在の公文書館という、いわば、全国的にはそれなりに立派な施設もありますので、それを活かした公文書センター化へというふうに舵がきれるのではないかなと思っています。
13 熊本地震被災地支援のためのふるさと納税の業務代行
○中国新聞 川崎崇史 記者
よろしいですか。熊本県の被災地への支援ですね、寄付金のふるさと納税を通じてということでの業務なり、これ考えられるメリットは、対象自治体の、何ですか、証明書の発行の手間が省けると、それから非常に高いページビューを誇る鳥取県から広くPRできるという以外に考えられるメリットがもしあるんであれば教えていただきたいことと、あと、スパンですね、いつからいつまでぐらいのお考えであるのかいうことお願いします。
●知事
これについては、実はこういうシステムを開発してきたのは鳥取県なんですね。だから、私どものところに安倍[晋三内閣]総理[大臣]も来られたときに、鳥取のこういうふるさと納税システムというのをご覧になられて、これ他所でも使ってもいいですかというふうにおっしゃられて、それで私の方でどうぞぜひ活用していただければというふうに申し上げたところであります。ですから、非常に使いやすいシステムになっていまして、クレジットカード決済であるとか、あと、郵便局もあるんですけども、そういう決済機能が瞬時にできるわけです。それで、今この機能は確かに他のサイトも広がっていますので、うちだけのものではないわけでありますし、私どももそうした寄付サイトも併用させていただいていますから、そちらの方でももちろん同じようなこともできるわけであります。ただ、たぶん非常にふるさと納税で稼ぎ頭的な人気サイトの鳥取県が協力するということによって、熊本県への寄付が多くのかたから得られればそれでいいんではないかなと思います。もちろん同じサイトで、片方で鳥取県募集していますから、鳥取県の寄付が若干減るかもしれませんけども、ただ、それはやはりこういう緊急のときでありますので、自治体同士で助け合うことも大切だろうと思っています。
それでこれをいつまでかということでありますけども、少なくとも当面[平成28]年度一杯は、この寄付をさせていただきたいなというふうに思います。実は益城町さんもこのアイデアを申し上げましたら、すぐに担当幹部呼ばれたりして、大変に期待していただいたんですけども、やはりいろんな手間がかかるんですね、ただでさえ忙しい被災地の役場でありまして、その納税関係の証明だとか、あるいは必近なことで言えば、いろんなお問い合わせが来たりしますし、そんなようなことに対応している手間はむしろ惜しんで本来の被災者と寄り沿う方に時間を使われるのがいいのではないかなと思います。ですから、私どものサイトや私どものノウハウのあるスタッフが協力することは、それなりのメリットもあるんではないかなと思っています。
○日本経済新聞 舩越純一 記者
すいません。関連してなんですけども、こう集まった募金を、どの段階で熊本県あるいは益城町に渡していくかっていうのも1つ課題になると思うんですね、普通、東日本大震災のときから言われていました、寄付しても事務の方で滞って、実際の町村に届いていないという課題があったと思うんですが、ふるさと納税の仕組みだと、どうしてもやっぱりこう、年度ごとに締めていくというようなイメージがあるんですが、その辺のそのタイムラグをどのようにこう減らしていくか、あるいはどうしていくかっていう点を教えてください。
●知事
これについては、議会の了解ももちろん得ていかなければいけませんが、今度の5月招集議会の中にも、益城町に直ちにお金が回せる、そういう予算を出したいと思います。それができれば、議会成立後にはお金が出ていけますので、随時お渡しできると思います。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
あと、同じ件なんですけれども、使途については、寄付を熊本益城町に渡したあとの使途については、現地とはお話を何かなさっているんでしょうか。
●知事
これはちょっと、この間話しあったところでありまして、特に使途制限ということではないですが、私どもの思いとしては、当然ながら、被災者あるいは被災地の復旧や生活再建にあてていただければと思っております。これは、あんまり使途制限だとか、制約を付けるよりは、良識ある使いかたをしていただけるというふうに信頼させていただきたいと思います。
○山陰放送 秦卓史 記者
すいません。関連してなんですが、くまモンを使うというところですが、これはすでにこの代行業務というのは、各自治体でも始まっていますが、差別化というところに一番、知事もそのあたりを狙って依頼されたということなんでしょうか。やっぱり狙いがあるんでしょうか。
●知事
うちはどっちかっていうと、ちょっと口幅ったいですけど、若干人気サイトなんですね。それでその中で、やはり差別化を図って、くまモンのところに寄付をするんだよっていうのを、ホームページ上で見せないと混乱すると思います。そういうようなことでありますし、あと、気持ちとしては、いろんなかたが鳥取県にも寄付をしていただきますけども、ふるさと納税を通じて。くまモンの方にもしっかり寄付してねという、私たちの思いも分かりやすく伝えたいと。それでそうしたら、その場で蒲島[郁夫熊本県]知事も許諾、担当しているその幹部の方に指示するということをされていました。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
関連ですけれども、ちょっと熊本の仕組みとか、状況がどうなっているのかっていうのが少し分からない中での質問になるんですが、ふるさと納税がたくさん集まって、お礼の品が熊本で確保できる状況なのかどうなのかっていうところ。
●知事
これはここにも実は書かせていただいているんですけども、これはお礼の品がない寄付ということで、動きをしたいと思っています。ただ、寄付の相手方は鳥取県になりますけれども、鳥取県が責任を持って、そっくりそのまま熊本県へお渡ししますということであります。そういう意味でちょっと私どもは、そういう意味での人気サイトっていうことがあるもんですから、差別化と言いますか、分かりやすくこう、これはくまモン用ですよっていうことをちょっとはっきりさせたいということです。
○NHK 木庭尚文 記者
すいません。ちょっとあと、ごめんなさい。一旦くる、鳥取県が受ける、鳥取県に寄付をしていただいて、それでそれを受けた分、納税した分を熊本県に寄付するっていうかたちになるっていうことですか。
●知事
ええ。それはちょっとそうならざるを得ないんですね。私どもが熊本県や益城町の組織の一部になることはできないもんですから、一旦鳥取県の会計に入らざるを得ないんです。ですから、先程ちょっとご質問もありましたけれども、予算がないと熊本に今度我々が寄付できないと。ですから、それは速やかにこの5月の議会にかければ、[平成28年]6月の末ごろには第1回の送金ができると思うんですね。ただ、一旦は鳥取県の寄付になって、それで鳥取県からの寄付証明書が出るということになります。
○中国新聞 川崎崇史 記者
このふるさと納税の仕組みを使って、その被災地への寄付を呼びかけるというのは、全国の自治体を通して初めてと見られるんでしょうかね。
●知事
これ、そこそこ今、市町村中心に広がり始めておりますけれども、そういう言わばふるさと納税で人気のあるサイトっていう意味では初めてかもしれません。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
この仕組みを使って、どういうふうに協力していただきたいかっていう、全国のかたへの何かメッセージとか、呼びかけみたいなのがありましたら知事からお願いします。
●知事
ぜひ鳥取県のふるさと納税のノウハウを活かさせていただきたいと思っておりまして、くまモンが鳥取県のホームページへやってきましたんで、応援していただきたいと思います。
○山陰放送 秦卓史 記者
すいません。くまモンじゃないですけども、キャラクターの持つ力っていうのは非常に大きいものだと、知事は認知されていると思うんですが、先般青谷、鳥取市の青谷沖にイルカが現れていまして、非常に人気になっています。かつては鳥取県内、特に鳥取市の範疇では、生き物が出没して人気者になって、県もそこにコミットしていったりということもありましたが、今回、出来事ですね、知事は何か、それに対して何かコミットしていくようなことっていうのはお考えでしょうか。
●知事
それは、私ども早速水産関係で調査に入らせていただいたりしています。今、沖合とこう沿岸とをこう、泳いで楽しんでいるようであります。私もこのニュースに触れまして、あ、イルカがいるかと思いましたけども、ぜひ、そのイルカもこの鳥取の海を存分に楽しめるように、いろんなかたちで応援していきたいと思います。ちょっと具体策は、まだ十分話し合っていませんが、関係部局とその保護については、話し合いをさせていただきたいと思います。例えば心なき人たちがやってきて、ちょっとイルカが迷惑するようなことにならないようにとか、その辺のことは配慮できることを考えてみたいと思います。
○山陰放送 秦卓史 記者
調査と言われますのは、これ生態調査というか。
●知事
そうですね、生態調査というか、それで、水産試験場だったですかね、ちょっと調べに行っていたと思います。
○山陰放送 秦卓史 記者
まずは、その生息の確認などを県として行っていく。
●知事
そうですね、そのフォローアップはしていかなきゃいけないかなと思います。片方でいろいろちょっと別の問題も発生し得るわけでありますから、私どもとしてもウォッチする対象だと思っています。
○山陰放送 秦卓史 記者
今後ずっとそこに現れて行くのかどうかもまだわからない。
●知事
これは今までもアザラシであるとか、ふらっとやって来てはぷいっと行ってしまうということが、やはり生き物の常でありますので、それは大切にしたいと思っています。
○山陰放送 秦卓史 記者
すでに見物に訪れたかたからは青谷なんであおちゃんとか、あやちゃんとかいう呼び名がついていますが、知事もこれまでも命名されていましたが、どちらがいいですか。
●知事
これは、ぜひ考えていただければと思いますが、あおちゃんでかわいいんじゃないですかね。
15 東京都知事の海外出張・公用車使用問題への所感
○日本海新聞 北尾雄一 記者
すいません。話変わりまして、東京都の舛添知事が、海外出張でファーストクラスの飛行機を使ったりですとか、他の職員も引き連れて海外出張することが高額過ぎるということで批判を今集めています。公用車での別荘通いという問題なども浮上していますけども、一連の騒動に対して知事のご感想と、それから平井知事が海外、国内出張に行く場合のその基準ですとか、日頃配慮なさっていることについてありましたらお願いします。
●知事
2つにこう、問題は分けなきゃいけないかなと思いますのは、例えば、1つはこれが違法な公金支出であるかどうかということの観点と、それからあとは納税者に対する説明責任という2つに区分けはしなきゃいけないんだろうと思います。ファーストクラスを使われるとか、それから別荘に毎週行かれていたとか、違法な支出かどうかということから言えば、ファーストクラスも使うことができるように規定上なっておられましたし、それから別荘も言わば住居でありますから、その住まいと職場との言わば通勤にあたるようなこととして使われたんだと思いますが、ですから、そういう違法ということでは必ずしもないのかなというふうに思って見ています。しかし、片方で、納税者に対する説明責任という観点からしますと、やっぱり東京のような大企業は違うなというのが中小企業の鳥取県の感覚であります。私どもは、実は規定上はファーストクラス使えます。私も今回の騒動で改めて見てみますと、そういうことになっているんですが、ただ、納税者のかたへの説明責任という観点でやはり大きなお金を持っている県ではありませんし、そこはビジネスクラスで十分だろうというふうに考えておるわけでありまして、私もそうですし、職員の県幹部もそうでありますが、規定よりはワンランク下で実際には使用しているということでございます。
また、実はこれ鳥取県でも今の騒動のようなことではないですけれども、かつてブラジルに、私、就任当初なんですが、移民100周年で各県それぞれに代表団を送って行ったときがございました。鳥取県も同じようにその代表団を送ったことがございました。このとき、議会の代表団が1,000万円以上お金がかかったとか、それで執行部の方もそれほどではないんですけども、やはり同じようにお金がかかっているじゃないかと、こういうことで県民の皆さまのさまざまなご意見も寄せられたことがございました。私も就任、本当に当初の時期でございまして、それまではそういうような出張が割と多かったのかもしれません。ただ、今そこは改めていまして、そのときに鳥取県独自の海外旅費の執行の仕方ということを考えておりまして、その代表団的なそういうものは4人までと、それで400万が限度ですというのを一応の基準として定めたところでございまして、そういうようなことをやってきております。
それで、私自身からしますと、たぶん舛添[要一東京都知事]さんもできるはずだと思うのですが、私もそのニューヨークで仕事をしておったりして、むしろ、そういう各県の知事さん来られたときアテンド[付き添い]なんかをやる方の立場だったこともございますので、例えばその航空チケットをカウンターで手続きをするとか、それから宿で支払いをするとか、そういうのは自分でやればいいわけです。それで、ブラジルのときに私もその当時の海外出張のあり方、だいぶん問題意識を私自身持ったんですけども、結局、例えば教育が少し係わるということだと、教育関係者が何人かやってくる、また、農業が係わるとなると農業の関係者とか、それで国際交流の関係者だとか、それで行き先がこういうところがあるんで、こちらはこういう関係者といって、皆それ足し算でどんどん来るんですね。それでこれたぶん東京都がたぶんそういう出張なんじゃないかなと思うんです。ブラジルのときが議会も含めて、議会も6人行ったんですかね、だから、それは各会派だとか当時あったんだと思いますけども、そうやって膨れ上がってしまうのが一番その出張旅費を高める原因になると思います。それで、私自身はなるべく出張については簡素に効率的に行うようにしたいと考えておりまして、国内出張でもそうでありますけども、基本的には1人で歩いております。海外も同じ発想で動いておりまして、その辺のちょっと他県とのちょっと際立った違いはそこにあるのかもしれないなと思います。
私の前任者は女性秘書を連れて出張を歩いていましたけども、私は秘書は一切連れずに歩いているということであります。各県だと、例えば海外に行くときに必ずといっていいほど秘書課長という立場の人がくっついていく。それで舛添さんの場合であればそれに各部局のトップクラスが一緒に何人か行ったんだと思います。それで、私の場合は、そういう役回りはだいたい自分でできるだろうと思っていまして、基本は1人で行って、例えば向こうで物産展をやっているとか、こういう会議をやっているだとか、そこに私が乗り込めばいいだろうという考え方を基本に組んでいますので、ちょっと他県とはやり方がだいぶ違うかなとは思っています。ただ、今回の一連のお話がございまして、私自身も今いろいろと自分の旅費について改めてちょっと職員にも言って見ているんですけども、例えば宿代のことだとか、まだまだ改善の余地もあるだろうと思っています。その辺は謙虚に、今後適正な執行に向けて、例えば旅費規定の取扱いの改正だとかいうことも含めて、一連のこの報道を受けて鳥取県としても、なお一層襟を正すことも必要かなと思っています。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
私も知事の給与及び旅費等に関する条例を見させていただきましたら、職員の例による額とするということで、職員の方の条例を見ますと国家公務員の例によるということで、使おうと思えば、例えばファーストクラス、知事クラスですと使えるということですけども、ただそこは抑制的に謙虚に運用なさっているということだと思うんですが、今後、今も少し言及されましたけど、ただ知事がまた別の今後将来的にですけども、別のかたになればこの基準は通るわけでして、やはり独自の考え方で第三者とか客観的な評価も得ながらまたこういうことを考えていくということも必要なのかなと思ったりもするんですけど、いかがでしょうか。
●知事
私のちょっと今、まだこれ指示まではしていませんけども、何らか規定の見直しは必要かなと思っています。それは、規定は後任の知事さんがまたあれば、そのかたがまた実情に即して変えられればいいわけでありまして、あと、片方で職員に対する規律ということもあるんですね、結局東京都の場合は、例えば宿泊だとかいろんなことだと総理大臣や最高裁長官と同じぐらいのところまで知事がいけるわけですね、それで、それが、上がそうなりますとその次のレベルの人たちも国で言ったら事務次官級だとか、そういうところまでいけちゃうと。ですから、東京都全体が底上げされちゃっているわけですよね、だから旅費規定も一部見直しをして、例えば私の方で言えば、海外出張についてビジネスクラスを原則とすると書いちゃえばいいんじゃないかと思うんですよね、それで、今回の一連の騒動の報道で拝見していますと、各県の標準レベルもそこかなと思いますので、東京都さんのような考え方のところにはちょっと申し訳ない気もしますけども、鳥取県民の意識に近いところで行けば全国並みでいいじゃないかというところで規定を変えてもいいと思います。
それから宿の決定等も、これも規定がありまして、今業者任せにしますとどうしても高めにこう、値段が出てしまうこともあるんですね。これ、結局繁忙期などはなかなか旅館取るのは、ホテル取るのは大変でありまして、海外かなり相場も上がる都市なんかもあります。ですから、かなり努力もしなきゃいけないですね、それで、今回の報道を見ていますと、県によってはそこの何かいい知恵を出しておられるところもあるようでありますので、そういう運用の厳格化などももっとしなければならないかなと思いながら報道を拝見しておりました。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
先程、さっき、ごめんなさい、宿泊費のことも顧みて少し襟を正すというか、変えないといけないとおっしゃった部分があるんですけど、昨年の出張の中でやはりちょっとお聞きすると少し高額なものがあったようですけども、これについての理由と言いますか。
●知事
去年[平成27年]ですと、額全体が大きくなるのはどうしてもヨーロッパへ行って、各県もミラノ[国際]博[覧会]に行かれましたが、我々もミラノ博でPRをしようと。あと、併せてパリのジャパンエキスポでのPR、それからオリパラを目指したフランスの関係者との意見交換等、そういうのを一連やったんですね、短いですけど、3泊4日ですから、私の場合は。職員はそれぞれ、それぞれの行事で向こう出ていましたけど、例えば1週間当てとかですね、それで私はその中のコアのところを駆け巡るように弾丸的なちょっと出張をしてきましたが、そのときでもやはりちょうどミラノ博でありまして、ヨーロッパの主要都市の旅館の値段は上がり気味でありまして、私が本来ですと2万5,700円ですかね、そういう基準があるんですけども、どうしても宿泊費、それを突き抜けることで旅館の手配がなされていました。私も知らなかったんですが、帰ってきて分かりましたけれども、泊まった部屋はベッド1つだけの部屋ぐらいのことなんですが、相場はかなり高騰していたのかなとも思います。ただ、いろいろと工夫すれば宿も探せるんじゃないかなと私は海外で経験したことも踏まえて思えるところでありまして、今後はちょっと職員の方にそういうスケジュール設定についてよく検証するように話をしていかなきゃいかんと思っています。
○NHK 木庭尚文 記者
すいません。関連してなんですが、個人的なご意見として旅費規定の見直しは必要かなと思っているとおっしゃったのは、知事ご自身の旅費規定のお話だけではなくて、職員も含めてということでしょうか。
●知事
ちょっと職員の方の実態も見てということになりますが、実相から言うと、相場的な話で申し訳ないですが、我々の感覚では旅費規定よりもワンランク実は下を使って航空券を取っています。ですから、そこでもう書いてしまうと、それで、それが原則ですよと。だから、例えば私の後任なりその次とかいうことで、例えば体調の関係があってどうしてももっといい席取らなきゃいけないというかたも中にはいらっしゃるかもしれませんけれども、基本的にはそこはワンランク他の県よりも下げたかたちでセットしても問題ないんではないだろうかと、それが現実には平井で言えばビジネスクラスが限度とする、それから職員でも基本エコノミー[クラス]ということになるかと思うんですが、それがどうも今、実相のようです。そこは東京のような大企業と違うところかもしれませんが、中小企業の鳥取県なりの今までの知恵だったということですね。
○日本海新聞 井上昌之 記者
すいません。関連してですけど、今回、舛添都知事が公用車で都外の神奈川県の方の別荘の方に週末通っておられたというのも問題視されているみたいなんですけども、知事としては公用車の使い方の部分で何か気にかけておられることとかありますでしょうか。
●知事
これもやはりいろいろ抑制的に考えなければならないところもあると思います。たぶん舛添さんの場合は、あそこが住宅の1つだったというのが実態なんじゃないかと思うんですね。ただ、家から都庁、県庁に行くというのは、それは公用車使うということは、それはたぶん想定されているんじゃないかなとは思うんですけれども、そういう意味で今まで続いていたのかなと思います。ただ、庶民感覚からして、その[神奈川県]湯河原[町]という響きがあって何かこう、毎週ちょっと出かけて遊んでいるというようなイメージもあったのかもしれませんけど、実情はどうだったのかよく東京都のことご自身で考えていただくべきかなというふうに思います。私自身は、住まいはこのすぐ裏でありますので、そういう意味で言えば徒歩通勤している全国でも珍しい知事かもしれません。
○朝日新聞 柳川迅 記者
よろしいですか。関連してですけれども、舛添知事が毎週末湯河原へ行くということに関して、いわゆる都内を毎週末離れるということで危機管理上問題があるんじゃないかという観点からの批判もありましたが、そこは知事はどうお考えでしょうか。
●知事
そこはやっぱり程度問題だと思いますし、どういう危機管理対応を想定しておられたかではないかなと思います。ご本人は例えばヘリコプターの話だとかいろいろとおっしゃっているようで、全く何の考えもなしにされているわけではないとは思いますけれども、私の場合はいつでも連絡が取れるように、それからすぐにかけつけられるようなことを想定しながら動いているところであります。
○中国新聞 川崎崇史 記者
公用車自体について舛添知事が動く知事室のような発言をされていますけれども、知事としてその公用車に対する認識というのはいかがなんでしょうか。
●知事
動く知事室は本当だと思いますけどね、私はある民放さんでも番組の中で言われましたけど、全国で忙しすぎる方の知事じゃないかと言われていまして、鳥取県小さいとは言えども、結構走り回ると大変であります。それで、なかにいる間は事務作業をしたり結構、秘書を連れて歩かないもんですから電話でだいぶん部局とやり取りをしたりというのが実情でありまして、ただの車というよりはいわゆる事務室車的なそういう本当はナンバーも取れるぐらいじゃないかと思います。ただ、そこはどういう趣旨でちょっと動く知事室というふうにおっしゃったのかは分かりませんけども、確かに公用車、その県によっていろいろ違いはあると思うんですけども、鳥取県のは、どちらかというと本当に事務室が移動しながら仕事の場所へ向かっているという感じではありますね。
○読売新聞 高山智仁 記者
何か一般の乗用車と違う装備がついていたりとか。
●知事
それ言っていいのかどうかよく分かんないですが、たぶん、車両構造法の問題があるかもしれませんけど、実は棚を付けました。これも職員さんが手作りで作ってくれまして、見かねたんだと思います。私がいつも書類を大量に持ち込んで動いているもんですから。それで、その棚を実は付けて知事公用車にさせていただいております。
○テレビ朝日 後藤龍彦 記者
各社、他にありますでしょうか。なければ、ありがとうございました。
●知事
はい。どうもありがとうございました。