知事定例記者会見(2016年4月20日)

平成28年4月20日(水)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約54分) ※MPEG4形式

  

1 平成28年熊本地震への対応 

●知事

 皆さんおはようございます。このたび、この国を大きな地震が襲いました。熊本地震によりまして非常に厳しい状況が現地では続いているところであります。被災されたかたに対しまして心から哀悼の意、そして、お見舞いを申し上げたいと思います。鳥取県も鳥取県西部地震を体験し、そして、全国からご支援をいただいた地域であります。そういう意味のご恩義を返す重要な機会だと考えておりますし、また、鳥取県西部地震という経験を通じまして、私たちが培ってきたノウハウや中の人材がいます。これを活用しながら有効に熊本地震に私たちも地域を挙げて対処していきたいと思います。市町村、企業、団体、県民の皆さまにご協力いただきますようお願いを申し上げたいと思います。

 

現地におきましては、さまざまな今の厳しい状況が生まれていまして、亡くなられたかたの数も47人等々、どんどんとこう増えてくる状況にあります。さらに、昨日[4月19日]はエコノミー[クラス]症候群で51歳の女性がお亡くなりになるということも発生をしました。避難所あるいは避難所外での車上での避難、それらの過酷な状況がだんだんと広がりつつあるのかもしれません。また、物資がなかなか届かないとか、それから、交通の大渋滞であるとか、そうした要素が大分と出てきております。そういう意味で、体制を立て直しながら、国を挙げて取り組んでいかなければならない課題になってきていると思います。鳥取県ではいち早く現地とも連絡を取りながら、例えば危険度判定士、これを10名派遣をし、そのあと国としての全体の派遣も始まりましたけれども、私どもは第二次隊を昨日[4月19日]出したところでございます。また、DMAT[災害派遣医療チーム]であるとか、それから、救急班であるとか、看護師の部隊、こうしたことを随時させていただき、アルファ[化]米の搬送もさせていただき、現地に駐在員を置くことになりました。

 

その後だんだんと状況が動いてきまして、私どもも他の県と連携を取りながら、これからさらに支援を強化をしていく、そういう状況になってきましたし、全国の中の動きも見えてきたところでございます。そういうことから、明日[4月21日]の朝から、[熊本県上益城郡]益城町に県職員を7名派遣をすることにいたします。これは当方でいろんな市町村の可能性も探っていたんですが、福岡県と関西地域が益城町を重点的に支援をしようと、そういう中で鳥取県も加わるということになりました。早速、明日[4月21日]送り込むことになりますが、主に避難所の支援、これに当たることを今のところは想定をいたしております。こういうようなことなど今後もやっていくことになりますが、全国知事会の中でも、今、動いていました。昨日[4月19日]も私、知事会の[古尾谷光男]事務総長ともお会いをいたしましたけれども、知事会からいろんなブロックごとだとか、割り付け調整をしながらやっていくものも出てきました。具体的には、今、医師、看護師、薬剤師のチームを全国から派遣をするということも決まってまいりまして、私どももそこに、その派遣をさらに追加をさせていただくことにいたしたいと思います。

 

 こういうようなことなど、人や物資等の派遣、それから送付等を今後とも展開していきたいと思います。県内のさまざまな備蓄だとか、あるいは連携備蓄という協力を得ながら供出できるもの、そのリストアップは昨日[4月19日]までに完了しまして、臨機応変に対応できる体制は整いました。ただ、現場の方で国が、今、プッシュ型の支援ということをしていまして、なかなかその配送したはいいけどもそこから先の被災者への配布というところまでつながっていないという、今度は次の問題が発生している状況でありまして、備蓄物資のことにつきましては、今、アルファ米を送ったところで、あとはリストアップをして、今、国全体の動きを見る必要があるかなと考えているところでございます。また、時局はだんだんと動いてきまして、長期化の様相も出てきているところであり、避難されている皆さんの疲労も溜まってきているところであります。また、ある程度長めに離れる、熊本を離れる、大分を離れるというかたも出始める状況になってきました。そこで、私どもでも、今、中で調整をさせていただいたところでありますけれども、基本的なスキームは東日本大震災のときの受け入れと同様のスキームを用意をして、もし、広域避難をされ、こちらに来られるというご家族等のために、我々としても受け入れ態勢を作ろうということにいたしました。
 

これについては、住宅については県営住宅と県の職員住宅で直ちに使用可能なところを昨日[4月19日]までに調査をまとめまして、52の住宅を提供するということを始めたいと思います。また、東日本大震災のとき、基金を作りまして生活を再建する支援を鳥取県として行わせていただきました。この独自支援、最高30万[円]という支援でありますが、これを今回の熊本地震にも適用をさせていただく、このようにいたしまして、被災者がこちらで暮らし始めることがやりやすいように、そのネットワークをつくっていきたいと思います。先ほど申し上げましたのは県の住宅のことでありますけども、市町村も同様の住宅を持っておられます。今週中に市町村ともよく協議等をさせていただきまして、県全体でどれだけキャパシティがあるかとか、どういうようなことで連携して受け入れを行っていくか、これを進めてまいりたいと思います。また、東日本大震災のときは例えば転入学、その措置を行いましたし、また、状況によって被災したご家族の子どもたちの就学の援助、こういうこともさせていただきました。

 

また、農業を始めるとか、あるいは仕事探しをされるとか、そうした支援もさせていただきました。今回の熊本地震におきましても同じようなスキームを適用するように制度改正等を、今指示をしておりまして、受け入れを促進、受け入れの環境を整えてまいりたいと思います。こういうようなことなど、例えば人員の派遣であるとか、それから物資であるとか、また、こちらにむしろ逃げて来られる、避難されるかたの受け皿づくり等々で県の財政的な措置も必要だと思います。そこで、今日[4月20日]付けで県の予備費2,000 万[円]を計上しまして、こうした熊本地震の支援対策として使っていきたいと思います。これらのいろんな対策を講ずるわけでありますけども、今回見えてきた課題について、いつ何時鳥取県に同様の震災、災害の状況が生まれるとも限りません。したがいまして、庁内で今回の震災の状況を見て、自らの体制の再点検を今指示をしたところでございます。



2 本県の地域防災計画等の見直し 

●知事

 

これ、熊本地震の支援を進めながら、当方の方の体制づくりの検討をするということになるわけでございます。ですから、こちらの方はあまり緊急に急ぐものではございませんけれども、最終的には地域防災計画の改正につなげていく必要があると考えております。また、いろいろと今計画していることの見直し等も出てくるのではないかと思っています。例えば県で、今、広域防災のためのセンターをつくろうと計画をしておりまして、この広域防災のための基地としてはわいサービスエリアのところに隣接をしまして、そこに、例えば支援、救援に回る部隊の集結拠点だとか、備蓄倉庫だとか、そうしたものを展開をしようと。今、地質調査なども終えましてその計画づくりを進めていたところでございます。

 

ただ、今回、結局一時にいろんな物資が入って来ることになりますと、さまざまな困難が起こることも見えてきたと思います。実は私どものこちらから見送ったアルファ米を乗せたトラック、最終的には向こうの熊本の総合運動公園ですか、あちらの集結場所の方に持って行って、運んで下ろすわけでありますが、朝の2時半に着いたという状況になりました。それは道路の状況が悪いということがあったりしたわけであります。また、やっかいなのは向こうでの積み下ろすスペースがないと、もちろんスタッフの問題もある。それで、これは今報道でもだいぶいろいろ指摘が出ているわけでありますけども、一生懸命運ぶようになってきて物資はどうも行っているようだけども、県内に、それが結局行き渡らないという問題を今度逆に生じているわけですね。ですから、1ヶ所に全部集中するのがいいのか、ある程度こう、分散して備蓄なり集配をできる、そういう箇所を設けるのがいいのか、この辺は合理的に考える必要があるんではないかということです。

 

ですから、はわいのサービスエリアのところに全部こう集結できるような今制度設計を組んでいました。それを東部・西部、東部は[公立]鳥取環境大学、西部の方は[とっとり]花回廊、ここを活用しながら県全体の災害に備えていくという、そういう構想を持っていたわけでありますけども、ただ、もう少しそこを見直す必要があるんではないだろうか。例えば周辺にもハワイ夢広場のようなある程度広いスペースがあったりしますし、そのほかにも[鳥取市]布勢の[総合]運動公園のようなところがあったりしますし、いろいろとこう、いざというときに転用して使えるスペースというのもあり得るんではないだろうか。ですから、そこは今計画を立てかけている、そのやり方を一部見直しをしていく必要があるのかもしれません。

 

また、今回避難所でも水だとか、それから食料等々不足を来しているということが報告をされていまして、若干こう社会問題化しているわけであります。これにつきましては、私どもの方で例えば避難所として想定される学校などにあらかじめ水なり一定の食料に使えるようなもの、もちろんいざというとき運ぶわけでありますけども、ある程度のものの備蓄ということは分散的にやっておくことも有効なのかもしれません。現実にも鳥取市のようにそうした考え方で学校の中に備蓄を一部しているところもあります。そういうような展開を考えていく必要があるんではないだろうか、こういうことを地域防災計画の中で再検討してみる必要があるかもしれません。

 

 また、外国人の旅行者が今非常に大きな課題になっています。熊本でもそういう外国のかたがた用の避難所を作られたりしているわけでありますが、例えば、[大分県]湯布院を初めとして観光地を直撃したような被害状況でありまして、各国から来られた観光客がなかなか苦労をしていると、どうやって脱出したらいいのかもままならないということがあります。私どももこれについて直ちにできることは「Safety tips」という、そういう観光客向けの、外国人観光客向けのアプリケーションがありまして、これを活用するというのが1つありますけども、それに留まらず、外国人の観光客の皆さまへの対策ということもなお一層従来から一応計画には盛り込んでいますけれども、対策を強化、緻密にもう一度再検討をする必要はあるかなと、こういうように考えております。こういうようなことなど、いろいろとあるんですけども、まだまだ状況が進行してきて見えてくる課題もあろうかと思います。



3 本県における地震の影響 

●知事

それで、地震列島である日本で我々生活する以上は過去の教訓を活かしていくということが必要です。今回DMAT[ディーマット]で最初に出た第1次隊の話なども出てきましたけども、東日本大震災の教訓が活かされて、最初にすぐ行って活動できるその下馴らしが現地の方でできていたりしていて、東日本大震災の教訓が活かされているというような面があります。こういうことを積み上げていかないと安全・安心な地域づくり、国づくりにはなっていかないと思いますので、私どもも支援を精力的に行いながら、自らのことについても考えていく必要があると思います。

あと、現実に鳥取県内で影響が現れ始めているところは、観光客、外国からの観光客、特に韓国のお客さんは地震に敏感でありまして、東日本大震災のあと、かなりお客様が減少したという経験がございます。私どもも当時アテナ[ATHENA]というドラマをやって、さあこれから韓国のお客さんが伸びるぞと期待をしていたときに東日本大震災になってしまいまして、かなりお客様が減ったということがございました。今回、それほど大きな影響ではないかもしれませんが、DBSクルーズフェリーやアシアナ航空の便につきまして、ざっと2割程度キャンセルが出ているという状況であります。これからどう推移するかはわかりませんけれども、1つの例として、そういうことがあります。また、サプライチェーンという観点で言えば、部品工場が操業を停止したために全国の自動車産業に影響が出ている、そういうことが長期化してきますと県内の企業さんの動向にも係わってくることになります。

 

また、生鮮品は、これは出荷する前の下準備もあるわけでありまして、熊本方面からの出荷に支障が出てきていて、これがスーパーマーケット等ですね、卸や小売りといったところで影響が心配をされている、こういうことになってきました。したがいまして、災害等緊急対策資金をこのたび鳥取県として発動して、県内の事業者の経営に支障が出ないようにサポートをすることといたしたいと思います。今週中に、これ動かせるように、今、作業と金融機関との調整を指示しているところでありまして、金曜日とか、できれば今週中に動かしていきたいとに思います。具体的には10億円の資金枠をこの熊本地震として設定をさせていただき、1.43%の低利率での融資と、それから補償の支援、これを行っていくことといたしたいと思います。



4 強風による農林水産物の被害 

●知事

あわせまして[4月]16、17日というときには熊本でも地震がありましたけれども、本県でも強風が吹き荒れまして、ところによって30mといったような、そういう風速が観測をされ、交通機関にも影響が出ました。それで、これについて今調査を取りまとめ中でございますけれども、ビニールハウスを中心とした農業被害が今あるということでありますが、平成24年ですかね、前にあった強風被害のときとはちょっと規模は小さめになると思います。ですから、前回ほどのことには多分ならないと思いますけれども、そういうように県内でも被害が出てきておりまして、今調査中であります。大抵はビニールハウスのビニールがめくれるといったようなことで、前回のときは骨材ごと倒壊してしまうとか、そういう被害が結構あったんですけども、今回はそこまではいってないようであります。ただそうは言っても共済等で賄えない部分など、対策が必要な部分があれば、これも前回同様、予備費の発動も含めて農業被害の支援を考えていく必要があると思っております。



5 「とっとり移住応援メンバーズカード」の発行 

●知事

鳥取県への移住につきまして、地方創生の大きな課題として我々として取り組んでまいりました。このたび昨年度[平成27年度]の速報が取りまとまりました。全部で1,943名という移住者の数になります。その前の年が1,246名でございまして、そこからだいたいざっと700人ぐらい増えている格好になりました。特に多かった100名を超えるところは、鳥取市、岩美町、それから倉吉市、琴浦町、また米子市、南部町が100人を超えるなど、前年よりも大分それぞれ増やしている格好になってまいりました。こういうように鳥取県が先行して移住対策を仕掛けてきたことで、今の移住の世の中の流れにマッチしてそういうように選択してくださるところも出てきたと思います。今日「来んさいな、住んでみないや、とっとり」県民会議を開催をしまして、ここでそういう移住対策を民間の皆さま、そして私ども行政、あるいは関係機関が一体となって進めることといたしたいと思います。

 

そこで最終的にオーソライズをしたいと思いますけれども、鳥取県で企業さんと一緒に、あれもちょっと言わないといけないです。企業さんと一緒に新しいこう活動を鳥取県独自に始めてみたいと思います。それは、とっとり移住応援メンバーズカードというカードを発行しまして、このカードを提示をすると県内の店舗などで優遇サービスを受けられるというものであります。今まだ企業回り完全に終わっていませんで、これからまだ増えると思いますけれども、これが400社をもう突破をしまして、かなりの企業さんのご協賛が得られる格好となってまいりました。このメンバーズカードを提示していただくと、例えば引っ越しの料金についてこう割引が得られるとか、自動車教習の便宜が図られるとか、あるいは試しに来られたときの旅館、ホテルの優遇が得られるとか、さまざまなことにつながります。例えば森のようちえんの体験入園であるとか、こういうようなこと、いろんなご関係のかたがたから好意を、ご協力をいただいておりまして、そういうご協力のもとにこの移住のパスポート、メンバーズカードというものを作らせていただきたいと思います。

 

これは、移住を考えておられるかた、それから移住後の一定の期間につきまして、このメンバーズカードをということでございますが、今日[4月20日]ですね、これから開かれます県民会議の中で最終的にオーソライズをして、この官民協働の事業として発足をさせていただきたいと考えております。具体的には、これ、今日[4月20日]まとまればさっそくメンバー登録の募集を始めさせていただき、来月[5月]中には具体的にカードを発行してお手元にお届けをするということにいたしたいと考えております。



6 山陰インバウンド機構(仮称)の設立 

●知事

それからこの地方創生の関係では観光関係が重要な役割を果たしますが、今週、いよいよ山陰両県でのインバウンドを考える、取り扱うその機構、観光推進機構を作らせていただこうということになりました。これは島根県の溝口[善兵衛]知事と一緒に立ち上げをするということになりますが、これにはJTBの[田川博己]会長さん初め、また関係会社等々多くのかたがご協力され、また人材も拠出していただきまして動き出すということとなります。こういうようなことを一層進めていく上でも交通の問題というものは大切な課題になりますが、鳥取県とか、あるいは島根県も関わる、あるいは岡山等も関わる、山陽方面から山陰にやってくるその交通ルートについて鉄道の状況調査を今最終的に取りまとめつつあります。近々議会等にも相談をさせていただきながら、今後、広くそういう交通結節につきまして、より体制の強化を中長期的に図っていく必要があるだろうと思っております。



7 スカイマークへの働きかけ 

●知事

 昨日[4月19日]は、スカイマーク[株式会社]の佐山[展生]会長に面談が叶いまして、鳥取県として、山陰としてスカイマークについて期待が高いということ、前こちらに乗り入れておられた、そういう撤退をされたわけでありますが、そのときも経営状況が立ち直れば、また就航を考えると、こういうことになっていることなどをご説明申し上げ、強く訴えかけをさせていただきました。明確な返事はまだ当然ないわけでありますけども、地域再生法が、手続きが終わりまして、スカイマーク側も今後、体制立て直しに入るというふうに思われますので、呼びかけをさせていただいたというところでございます。


8 大山の観光振興 

●知事

また、昨日[4月19日]は平口[洋]環境副大臣にお会いをさせていただきまして、私どもの方から大山隠岐国立公園、これが80年の節目を迎えるわけでありますが、外国人観光客のかたを迎え入れる重点的な国立公園として取り扱っていただけるように、これ今、国の方が5つの国立公園をということを言っていまして、そういう意味でそれにぜひ大山隠岐を検討してもらいたいという申し入れをさせていただきました。

 また、今、大山、日本遺産の登録を目指しておりまして、この辺も地域を挙げて今働きかけるなど、大山[開山]1,300年に向けて地域としても機運を高めていく必要があるのではないかと考えております。



9 ワールドトレイルズカンファレンス鳥取大会の開催 

●知事

 また、ワールドトレイルズカンファレンス、ウォーキングの大会が予定をされています。昨年度[平成27年度]はアジアのトレイルズカンファレンスをさせていただきましたが、今年[平成28年]は世界を標準にしようということでございまして、多くのかたのご参加を呼びかける充実した大会を目指したいと考えております。明日[4月21日]、倉吉におきまして、このワールドトレイルズカンファレンスの実行委員会を開催をし、実施計画を整えることにいたしたいと思います。具体的には、もちろん会議もございますけれども、いわばウォーキングフェスティバルのような、9つの地域を、9つのコースを歩く、そういうイベントを主体として展開をしていくことを目指したいと思います。またゲストとして、スキーヤーで数々のチャレンジをしてこられました三浦雄一郎さんにも鳥取の方にお越しをいただき、このワールドトレイズカンファレンスでゲストスピーカーをしていただくなど、中身を整えて、これから広く国内外に訴えかけをしてまいりたいと考えております。



10 「食のみやこ」としての新たな魅力 

●知事

これから連休の行楽シーズンを迎えることになるわけでありますが、そういうことを念頭にやはり「食のみやこ」としておいしいものをたくさん食べられる、そういう好適地としてのランクを上げていかなければなりません。この度、大江ノ郷[自然牧場]さんが新しいカフェレストランをオープンをされて、例えば釜揚げうどんのような、卵を使ったそんな料理も提供しようということになりました。明日[4月21日]そのオープニングのセレモニーがあることになります。また、昨日[4月19日]も東京で大規模な地方創生の講演会に私も参加をさせていただきましたが、そこでもやはり、関係者の皆さんから話題になったのは、鳥取はやっぱりコーヒーの聖地として考えられ始めているということであります。これについて、このコーヒーで盛り上げていこうというお店が、あなば珈琲というキャッチフレーズで展開しようということになりまして、この週末そのうちの[ジ]アフェクショネイトコーヒー[THE AFFECTIONATE COFFEE]という、そういうお店が、[鳥取市]河原の方で看板をかけることになりますが、私どもの方でも食のみやこ推進サポーターに認証をさせていただきまして、こういうコーヒーのムーブメント、これはこの1店舗だけでなくて、仲間の店舗も恐らくあるというお話なんですけども、そういう新しいコーヒーの盛り上げも、これから始まるということになろうかと思います。

 

 また、明日[4月21日]はすなば珈琲さんが今度[鳥取市気高町]船磯に店舗展開がされるということでありまして、そうしたことにも、私の方でも出掛けていこうというふうに考えております。ぜひ、これから国を挙げて震災対策を進めてまいりたいと思います。それで、私ども鳥取県も県民の皆様と一丸となりまして、しっかりと役割を果たしてまいりたいと思います。私の方からは以上です。



11 平成28年熊本地震への対応 

○NHK 木庭尚文 記者

 

益城町に職員のかた7名を派遣する件ですけれども、7名のかたはとりあえず交代、交代でずっと行くっていうことなのか、しばらくの間ずっといるのかっていうのは、どういうやり方なんでしょうか。

 

 

●知事

 

当面3ヵ月程度、随時こう入れ替えながらとことになります。それで、実は私ども東日本大震災のときに、宮城県の石巻市に派遣をさせていただきましたが、最初2週間でローテーションを組んで回していたんですけども、かなり過酷な現場になりまして、向こうのかたは鳥取からわざわざ避難所のお手伝いに来たっていうことをおっしゃってはくださるんですけども、やはり職員の負担感も多いということで、職員からの意見も大分ありまして、1週間交代でローテーションを組むということにしました。今回も同じようなことになると思いますけども、およそ1週間なんですが、そこに出しまして、向こうで引き継ぎの重ね合わせの期間を作り、それで、今度1人きりになり、また引き継ぐ期間があり、帰ってくると、こういうかたちでおおよそ1週間程度で、次々とローテーションを回していくと。7名でありますが、1人は常駐して向こうで情報を取ってくるような係もいて、それで、あと、避難所に張り付くのが大半というような部隊になろうかと思います。それで、具体的な活動の仕方としては、今回は石巻のときとはちょっと違いまして、関西広域連合の中でも、兵庫県などが、やはり[熊本県]益城町に展開をするということになっていまして、福岡県も益城町を九州の知事会の中でやるっていう扱いらしいです。そうしたところと連携をしながら、まさに震源のところでもあります益城町を私どももそこに重点をおいて支援をしていくということになろうかと思います。

 

こういう、いわゆるカウンターパート方式というんですが、どうしてもなかなか逼迫した状況になっていまして、実際にその支援が各被災者のところに届く、あるいは避難所に届くということになるためには、こういうような展開の方が効果的ではないかというふうに判断しまして、私ども地方レベルでそうした展開を図っているということです。

 

 

○NHK 木庭尚文 記者

 

 具体的にはその避難所に張り付いて、どういうことをすることを想定されていらっしゃいますか。

 

 

●知事

 

 これはちょっと始まってみないと分からないところはありますけれども、[宮城県]石巻[市]のときの経験から言いますと本当に全てです。結局、市役所の職員さんは手が回らないわけでありまして、避難所のお守ができないわけですね。宮城県のときは私も石巻の市長と直接電話でお話しをした上でこの展開をしましたけれども、かなり、結局その行った職員が切り盛りしなきゃいけないというかたちになります。例えば物資がやってくる、それから避難所の中のいろいろなマネジメントも当然出てきます。たぶん地域的には地縁のしっかりしているところでしょうから、地域の自治会なり、地域組織と結びつきながらやっていくということにはなろうかと思いますけども、行政側の連絡役のようなことも、現実には石巻のとき本県職員が果たしていました。それで、そうした経験もあり、今回私どもとしても、こういう展開に入っていこうと考えたところであります。

 

 

○山陰中央新報 原田准吏 記者

 

 地域防災計画の見直しですが、具体的にはどういったスケジュール間でやられるのでしょうか。

 

 

●知事

 

 優先すべきは、私どもが今、熊本地震に対応していくことだと思っています。ですから、そのために地域防災計画で、この支援が遅れてはいけませんので、当然ながらその支援対策が優先です。ただ、それをしながらやっぱり課題も同時に見えてきますので、それを我々としても勉強していこうということです。だいたい年度ベースで、だいたいこの計画については考えていくものでありますので、早ければ早いほどいいですけれども、遅くとも今年度[平成28年度]中にそうした地域防災計画の見直しをまとめていきたいと思います。





12 本県の地域防災計画等の見直し 

○山陰中央新報 原田准吏 記者

 

 その期間は今、広域防災センターを分散させる方がいいかもしれないというような話があったんですが、それに、広域防災センターの計画については、一旦ちょっとストップというか、という格好になるんでしょうか。

 

 

●知事

 

 今の広域防災基地については、これは現在のその構想を改める方向で調整したいと思います。これは地域防災計画の書き方とはちょっとまた別の次元でありまして、これは従来のちょっと方向性を修正していきたいということです。

 

 

○日本海新聞 井上昌之 記者

 

 今その計画では知事もおっしゃったように、はわいに核のセンターを置いて、花回廊と環境大学にそれぞれサブ拠点を置くという計画になっていると思うんですけども、これは知事のさっきのお話ですと、もっとかなり細分化していろんなところに拠点を設けようというお考えでしょうか。

 

 

●知事

 

 これはまたいろいろな専門家だとか、あるいは、正直申しあげて、今回もあれですよね、熊本の場合は、日通さんの配送拠点からわりと政府が大量に物資を供給しているということがあります。それで、そういうものを想定しながら対応できる体制にしなければいけませんが、たぶん[湯梨浜町]はわい[サービスエリア]のところで全部やろうとしますと、トラックが回せるかどうか等という課題が出てくると思うんですね。それで、幸か不幸かまだ着工に至っていませんので、今の段階で現実的に、例えばこういう災害になったらどうかという想定をやり直しながら、展開を考えていきたいと思います。1つのアイデアとして、その備蓄的なところはまた別の場所を用意するとか、だから配送のこととか、配送や備蓄等とそれから実は自衛隊の部隊などもきて、全国の人達が集結するというところもそこに持たせようとしていますので、その辺を完全に1つのところに寄せるかどうかということもあるかと思います。

 

 

○日本海新聞 井上昌之 記者

 

 その核施設を作るというお話の中は有識者のかたも入られて、近年議論してきておられたと思うんですけれども、その中でやっぱり公的な施設というのがまず、選定場所としてあったと思うんですが、さっきのお話ですと、その民間の配送施設といった、そういった民間の施設もそういう拠点足り得るものというふうに。

 

 

●知事

 

 いや、そこはそこと連携してということですよね。例えば、分かりませんけど、例えば[岡山県]津山[市]あたりに大手[配送事業者]さんのわりと配送基地がございますよね。それで、仮にこの鳥取県の海岸線のあたりを中心として災害があった場合、恐らくそういう津山あたりから一挙に物資が来ると。それでその物資がきたときに、こっちで受けられるかどうか。さらに、受けたあと速やかに回せるかどうかですね。ですから、それの対策として、1つは、さっきもちょっと申し上げましたけど、最終的に避難所が立ち上がるんであれば、そこにあらかじめ少量の物資を置いておくという手はあるわけですね。そうしますと初動において、ある程度そこで持ちこたえることができることになろうかと思います。いろんなこう知恵が今回の状況を見てあり得るんじゃないかなということです。

 

昨日も内閣総理[大臣]補佐官の衛藤[晟一]先生とも話を聞いていたんですけども、私の方でもご意見申し上げたりもしたんですが、結局、現場で市町村なり、あるいは県が間に入るなら県もそうかも知れませんけども、そこで、さばいていかないと回らないわけですので、今、送る方ばっかり来ちゃったものですからそこで止まってしまって、逆に動かなくなってしまったと。それで、それではいけないわけでありまして、実効性を持たせるためには、避難所の方に、例えば避難所に積んでおくでもいいわけですよね。そうしたら、そこで持って帰ってもらうだとか、配りかたも自治会なり何なりと調整してできるんじゃないかと思うんですが、そういうところまで、まずは行けるような、道筋が描けるような備蓄体制、配送体制でないと意味がないということです。それで、そういう意味で考えると今のはわい[サービスエリア]一極集中型でいいのかどうかということでありまして、その辺の再検討が必要かなということです。全部一からやり直すという意味ではございませんので、今回の災害の実情にも耐え得るような計画として再構成していくということです。




13 平成28年熊本地震への対応 

○中国新聞 川崎崇史 記者

 

 先ほど、県営住宅52室ですか、それから生活再建に関わる基金についての適用という話がありましたが、その適応のタイミング、それから今後の回し方ですね、その拡大していく中でこの点について今のところどうするのか。

 

 

●知事

 

 ですから、今日[4月20日] 付けで予備費を執行しますし、それから基金については要綱改正だと思います。これも今日付けで行いたいと思います。住宅についても同様でございまして、本日からその体制を取りたいと思います。

 

 

○テレビ朝日 後藤龍彦 記者

 

 ほかにありますでしょうか。





14 移住者の増加について 

○山陰中央新報 原田准吏 記者

 

 移住者の関係ですが、かなりこう昨年も、昨年度に、前年度に比べても多くなったと思うんですが、この要因みたいなものを知事はどのように分析をしておられますでしょうか。

 

 

●知事

 

 やはり鳥取県がわりと丁寧にこの移住対策を進めてきたことではないかと思いますし、また、世の中としてこういう移住に向かうモチベーションが生まれてきた、全体として国全体として生まれてきたというのも地方創生の効果としてあるのではないかと思います。実は岡山[県]だとか島根[県]だとかも含めてこの地域というのは割合移住についてフレンドリーな地域だというふうに全国の皆さまからも見られているようでございまして、たぶん他所の地域も上がってきているじゃないかなというふうに思います。鳥取県でも特にそうした伸びの著しいところは移住の受け入れ体制だとか、相談体制等がしっかりしている地域がやはり伸びが著しいというふうに思います。そういうことを実は鳥取県も半分交付金等で協力しながら、またノウハウも共有しながら進めてきたその成果でないかなと思っております。

 

 

○テレビ朝日 後藤龍彦 記者

 

 ほかにありますか。




15 本県における地震の影響について 

○日本海新聞 井上昌之 記者

 

 すいません、DBSとアシアナの関係が2割くらい減ってきているということでしたけども、なかなか今こういう大災害があった中で外国向けにどんどん来てくださいとアピールしづらい環境にはあると思うんですけども、やはりこれも地元の死活問題でもございますし、今後どういうふうに、何と言いますか、誘客に努めていかれるかみたいなことがあれば。

 

 

●知事

 

 はい。これは我々としてもやっかいな課題ではあるんですが、東日本大震災のときは、もう皆無に近いぐらいですね、やっぱり韓国からのお客さんが落っこちてしまったということがありました。今回はそれほどでは今のところないんですけれども、ここは十分丁寧にフォローして、今後の商品造成等を進めていければというふうに考えております。鳥取県もこれまで韓国でのPRが進んできて、認知度が高まっていますので、完全に旧に戻るということにはおそらくないとは思いますけれども。ただ、ぜひ日本を元気づける意味でも日本へのツーリズムを楽しんでくださいということが必要かなと思っています。この度[4月]22日に、山陰の広域の観光機構[山陰インバウンド機構(仮称)]が立ち上がる、インバウンドの機構が立ち上がる、これを機会に両県でこうしたアシアナ[航空米子ソウル便への影響への]対策、DBS[クルーズフェリーへの影響への]対策を進めていきたいと思いますし、また、溝口[善兵衛島根県]知事を初め島根県の皆さんや機構とも話し合っていきたいと思います。

 

 

○テレビ朝日 後藤龍彦 記者

 

 ほかにありますでしょうか。




16 平成28年熊本地震への対応 

○日本海新聞 北尾雄一 記者

 

 すいません、避難者、仮に避難者が来られた場合の一時金の30万円の支援などの制度を今日作られるということなんですけども、その後、先日の会議でも問い合わせがあったという事例がありましたけども、その後具体的にそういうような問い合わせですとか、動きみたいなものは把握しておられますでしょうか。

 

 

●知事

 

 現在、私ども方でこのスキーム[仕組み]を適用する必要があると、もうすでに1件、鳥取県の東部に広域避難されて来られるかたが1世帯がいらっしゃいます。さらに次のところがどうなるかというのは分かりませんけれども、ただ、そうしたことをお考えになる事情というのは、ご家族によってはおわりだろと思いますので我々としてやはりホスピタリティとして受け入れ対策を東日本大震災と同様にとらせていただきたいと思います。




17 災害等緊急対策資金について 

○読売新聞 高山智仁 記者

 

 それと、緊急融資の方ですけれども、年初には雪不足でも同様のスキームでやっておられたかと思うんですけれども、その際は事業者の方から要請があったというふうに記憶しておるんですが、今回もそういうようなもうすでに資金繰りが厳しいといったような声だとかあるんでしょうか。

 

 

●知事

 

 今回雪不足のときのように無利子[での緊急融資]対応までは今のところは考えておりませんで、通常の災害対応ということにいたしたいと思います。ただ、今後ですね、どういうふうに事態が展開するか読めません。サプライチェーンの断絶が深刻になってくるようなことになれば、それはさらなる追加支援ということも検討しなければいけないかもしれません。今、我々の方では各事業者さんに聞き取りをいたしました。例えば卸しの事業者さんだとか、それから製造業の事業者さんだとかですね、また、DBSやアシアナの動向も調査をさせていただきまして、やはりそういう災害対応の資金が必要だろうというふうに判断をいたしたところでございます。

 

 

○日本海新聞 井上昌之 記者

 

 今後知事が熊本の方に入られるようなお考えというのはないですか。

 

 

●知事

 

 それはまた検討させていただきたいと思っております。ただ、今これから[熊本県]益城町への鳥取県としての重点支援先ができましたので、その流れの中で検討させていただきたいと思っています。






18 衆参同日選について 

○時事通信 平野実季 記者

 

 すません、直接は関係がないと思うんですけども、衆参同日選が行われかもしれないということが今まで報道でありましたけども、実際、今熊本地震など起きてこの県の職員を派遣したりしていく中で、実際選挙をとかも自治体がいろいろと関わる部分だと思うんですけども、知事としては今回、何て言うんですか、仮に今衆参同日選が見送りになるかもしれないという報道もありますけども、そういった点についてちょっと思うところがありましたらお願いします。

 

 

●知事

 

 これは選挙をどうするかは、これは総理[大臣]の解散権に係ることでありますし、また、これは国全体で国民の審判を仰ぐような事態があるかどうかということだと思います。ですから、私の方で特にコメントすることは正直ございません。ただ、例えばこういうことの中で、震災等の中で消費税をどう扱うかとか、従来国民の審判を仰いだことを変える必要があって、選挙で信を問う必要があるとか、そうしたご判断は政治の中枢の中であり得るかもしれません。ただ、それは震災の状況とまた別な話だろうと思っております。それで、このことについて、東日本大震災や阪神大震災のときで言えば、地震が極端に被害を与えたような場合ですね、過去もその地域に限って選挙の期日をずらすということをやってきております。ですから、震災で選挙をするとかしないとかいうことはむしろそういう期日設定の特例などで補われるものではないかなと思っております。

 

○テレビ朝日 後藤龍彦 記者

 

 ほかにありますでしょうか。なければ終わります。ありがとうございました。

 

●知事

 

 どうもありがとうございました。



  

 ※広報課編集
  [ ]については、広報課で補足説明しています。

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