●知事
皆さまおはようございます。いよいよカニのシーズンが始まりまして、昨日[11月7日]は本県でも初水揚げがございました。状況としてはどちらかというと小ぶりなカニが多かったこと、また、漁獲量の関係もございまして、初日としては前年[平成27年]を若干割り込むようなかたちにはなっていますけれども、また単価としては、親ガニもズワイ[ガニ]もそれぞれ伸びているということでありました。特に皆さんにとりまして明るいインパクトのあるニュースとなりましたのは、[株式会社]中村商店さんが競り合いまして130万円で「(特選とっとり松葉がに)五輝星」を落札をされたことでございます。私ども今回地元の関係者としては、鳥取県中部地震からの復興への道筋としてカニというのは1つのキラーコンテンツ[集客する力のある魅力的な情報]になり得るというふうに考えてきたところでありまして、そのカニのシーズンの幕開けにインパクトを全国の皆さまに与えることができたと思います。鳥取が元気に頑張っていること、そのメッセージが伝わったと思いますし、[インター]ネットなどでも鳥取にカニを食べに行きたという声がだいぶ出ておりまして、そういう意味で風評被害の払拭という私どもが目指していたところにも寄与するのではないかなと思います。いずれにせよ、昨日[11月7日]は浜の皆さまの熱い情熱とそれから志が大変に花開いた1日だったというふうに思います。そして漁をされている皆さまも含めまして関係者の皆さまに感謝を申し上げ、今年[平成28年]の大漁とご無事をお祈りを申し上げたいと思います。
●知事
震災の関係でございますが、今のところの数字としては怪我をされたかた21名、それから住宅被害が1万802[件]という数字でございます。一部損壊が1万797[件]に昨日[11月7日]の段階で増えているわけでありますが、り災証明の申請等でいきますと1万2,000[件]近くございますので、まだ増える可能性はあるのかなというふう思っております。これに対しまして私どもとして、いろいろな観点で手を打っていかなければなりません。そういう意味で今までは初動で比較的早く全体の対策を進めてくることができましたが、その手を緩めることなく1日も早く被災されたかたがたが安心できるように、また、ふるさとの活力が戻って来るように全力を尽くしてまいりたいと思います。
1つにはり災証明の発給でございますが、湯梨浜町で始まったわけでありますけども、前提としての住宅の家屋被害調査、これを進めていかなければなりません。今のところの関係市町村、見込みを集計いたしますと琴浦町が明日[11月9日]終了するであろうと、それで来週から罹災証明の手続きに入れるのではないかというふうに、見通しを持たれておられます。また、北栄町や湯梨浜町もこの週末までに全体の一次調査を終えることができるのではないだろうか、そういうかたちになってまいりました。北栄町も来週からのり災証明書交付を目指しておられまして、湯梨浜[町]がすでに交付していますし、これら3町はそういう意味で次のステージへと来週から向かい始めることになります。三朝町は、今はまだ見通しが十分ついていないということでありますが、着々と調査が進められております。倉吉[市]がかなり件数が多いもんですから、時間的にはこうした町と比べますと今のところ時間がかかりそうだという状況でございます。
一次調査が終わってくるところはある程度手がすいてくるといいますか、人手に工夫できる余地が出てくる、つまり我々2週間~3週間を目途に130人ほどの派遣を組み込んでやってきておりましたけれども、大方1週間余りで、町の方については目途がつき始めているということでありまして、そうしたところのいわば人員を倉吉[市]の方に回すなどして、テコ入れを今後図っていくのかなと思いますが、また状況を見ながら関係市町村と調整をしてまいりたいと思います。また、県営住宅への入居については始まったところでございますけれども、全体として中部だけで180[戸]ぐらい住居を確保できるのかな。さらに県全体でいえば200[戸]を超える数が確保できるのかなと考えておりますし、一部は報道されていますが倉吉[市]でまたスポーツセンターですか、そういうところを活用するというアイデアが出ているようでございますが、それが出ればまた100戸くらい数が乗るということかもしれません。
ただ、いずれにせよ、ある程度長期化されるかたもいらっしゃるということでありますと、こうした住宅を確保し、その情報をいろんなかたがたに咀嚼していただきまして、今後の対応を取っていかなければいけないと思います。そういう意味で仮設住宅自体を建設するかどうかが1つの焦点になりますが、今週中にはそのあたり市町のご意向が、これがまず第一でございまして、市町の住宅に対する考えかた、これを取りまとめてそのあたりの方針を決めたいと思います。ただ、その他の住宅の確保がある程度進んできたという現実もございますので、このあたりも踏まえて市町の方のご判断をいただくことにしたいというふうに思っております。
ただ、ポイントはそれぞれの被災者の皆さま、特に避難所に入っておられるかたがこれからどうされたいのかということだと思います。ただ、できることとできないことと、残念ながらいろいろとあるわけでございまして、例えば家が片付けば帰りたいというかたであれば、家の片付けの方を、今、ボランティアもだいたい100名余りで推移してきておりますので、そうしたところで対処していくのかなと思いますし、また、そういう別の住宅への入居を考えられるのであれば、そちらの方を斡旋をするということにもなりましょうし、屋根の修理など、終われば帰るんだというようなかたもいらっしゃるかもしれません。いろんなご事情があると思います。
そこで、倉吉[市]、北栄[町]のとこ、特に倉吉[市]なんですね、今、避難者が多いのは。それで、倉吉[市]の避難者のかたがたに個別に県の住宅関係の職員とそれから市側と一緒になって丁寧に意向調査とカウンセリングと言いますか、ご相談に応じていくべきだろうというふうに考えておりまして、そのあたりの指示をさせていただいております。また、こうした住宅についての情報がまだよく分かりにくいということがあるかもしれません。そこで、ビラ、パンフレット等で住宅について個別に書いたようなチラシなどを用意しまして、それでよく周知を図っていく必要があるのかなというふうに考えております。
倉吉[市]の給食センターにつきましては11月4日から天井の撤去ということが始まっておりますが、今日[11月8日]、倉吉[市]の給食センターの清掃、後片付けをして次のステップへ向かおうという日になりました。ただ、これを改修してどうやって再開するのか、そこの目途は今日[11月8日]時点、倉吉[市]さんも立てておられない、できていないというところであります。子どもたちは11月に入りまして、お弁当を持ってくるという対応をしていますが、できれば温かいものも食べてもらうべきではないだろうか、できる範囲のことは考えていく必要があるのではないか、石田[耕太郎 倉吉]市長さんだとかにお話を申し上げたり、町の方等にも協力を呼びかけたりしてきたところでありますが、昨日[11月7日]、そうした給食についての話し合いをさせていただきまして、1市4町の協力の中で、例えば週1回お汁物、そうしたものを提供すると。
ですから、琴浦町はある程度能力はあるんですが、その他の町も協力して、だいたい1週間に1度ぐらいはそうした汁物を学校で食べられる、そんな体制を作ろうということになりました。来週の月曜日からそれをスタートするということで、調整が進められています。県としても先ごろ、専決で成立しました予算を活用してこの倉吉市の方での余分にかかる経費について支援をして、応援をしてまいりたいと思います。なかなか給食センターが再開しない限り、完全なかたちというのは正直望むべくもございませんけれども、できる範囲のことはやっていく、それが子どもたちへのいわば思いやりではないかなというふうに思いますので、そうした1市4町の協力、支援体制、これを県としてもサポートしてまいりたいと思います。
やはり、大分壊れてしまった関係でいろいろと再開が難しい状態になっているのが[鳥取県立]倉吉未来中心であります。一部でも報道されていますが、実は今、測量調査をしたり、それから専門家にも相次いで入ってもらったり、もともとはあれを建てたシーザー・ペリの関係の会社であるとか、建設関係の会社であるとか、そうした関係者も入って、今まで協議を続けてきております。また、昨日[11月7日]までまだまとまっておりませんので、今後も、どういう方針でいくのか話し合うことにしているところであります。ただ、今までに若干の状況は見えてきたところがございます。倉吉未来中心の大ホールの上の方にやっぱり損傷がありまして、これを直していかなければならない。また、倉吉未来中心全体の入り口の天井であるとか、それから鉄骨によります柱、これが鉄筋による柱とぶつかり合いまして損傷していること、こういうところを直していかなければならない。また、その他ももちろん空調であるとか、さまざま損傷箇所がございまして、これらを修正していかなければならないことになります。
特にそういう中で、まだ十分な分析と方針は出ておりませんが、時間がかかりそうなのはアトリウムのところ、これはどういうかたちで進めるかはありますが、いずれにせよ、高い足場を組まないといけません。それで、今の状態をある程度存置しながらやるとしても、そういう工事になりまして、それはかなり時間がかかることになるだろうと、越年という覚悟をしなきゃいけないと思います。また、未来中心の大ホールについてもそうでありますが、これも天井は皆さまご案内のように非常に高こうございます。これも足場を組んで作業するというタイプの工事になると思います。いずれにせよ、20m級の足場ということにはなると思いますので、そうなりますと、これもすぐすぐにオープンということにはなりません。ホール入口の天井等は直していけば当然直るわけでありますけども、そうしたところがやや時間がかかりそうなところです。そこで、今、県庁の事務方に私の方から指示をいたしておりますのは、ただ、県民生活に与える影響が大きいものですから、いくつかの対策が必要だろうと。そこで、まずは部分供用を、部分再開を目指すということを考えるように、今、指示をいたしております。
具体的には、例えば、観光のお客さまが残念がって帰られるのは[鳥取二十世紀]梨記念館であります。梨は今回の被災した農家の魂の部分でもございますし、我々としても梨の記念館にお客さまが来ていただくようにできるだけ早くしたいと思います。それで、梨の記念館につきましては、若干損傷はあったり、空調等そうしたところの損傷を直すということは必要になります。ただ、それは、アトリウムほど時間はかからないだろうと思われます。また、各種団体が入っている事務室であるとか、それから研修室等がございます。こうしたところも比較的損傷は軽微ということになります。また、未来中心の小ホールの方につきましては大ホールと違いまして、大ホールほどの損傷ではない、少なくとも足場を高く組み上げる、同じような難工事にはならないというふうに思われます。ですから、それらを部分供用するっていう可能性を考えるようにさせていただきたいと思います。
具体的には、例えば梨記念館の場合は駐車場側に実は通用口の出口があります。そちらから出入りをしていただくようにすればアトリウムを通らなくてもいいということになります。もちろん避難通路の確保等も必要でありますので、そのアトリウムの工事に係わるようなところ以外のところで上手に別の避難路を確保するっていうことはしなければいけないかもしれませんけれども、基本的な入口を別に設けてあげれば使えないことにはならないのではないだろうか。それで、そうするとアトリウムで例えば工事をしていますと、いろいろと問題も出ますので、アトリウム側のところを遮蔽をして、パーテーションをして、それでその向こう側の方の梨記念館をそれとは別の空間にして、部分供用を開始するというような可能性が考えられるのではないかと思っております。
また、例えば団体事務室であるとか、研修室の方であれば倉吉の[市立]図書館側の方からの入口があります。それで、正面の未来中心の入口は天井が損傷したしたところでありますけども、そちらを通らずとも、そちら逆側の方から、図書館側の方から入ることが可能ではないか。それから、また小ホールにつきましても楽屋側の方の通用口もあるわけであります。こういうようなことをいろいろと工夫をさせていただいて、できれば今からもう1ヵ月前後ぐらい、年内のうちに部分供用をさせていただいて、県民の皆さま、あるいは観光客の皆さまにお使いいただけるように、まずはしてはどうだろうか。ちょっといろいろと事務的には課題もあるようなことも申してはおりますけども、今そこのところを至急調整するようにという話をしております。ですから、2段階で未来中心の供用を図っていくということを考えております。
また、未来中心が使えなったことで各種イベントができにくくなっているわけでありますが、単純なキャンセルでなくて、例えば、ハワイアロハホール(湯梨浜町)であるとか、それから三朝町や北栄町の役場の隣にもホールもございますし、それからカウベルホール(琴浦町)のようなところもございます。そのように今、供用できる、供用されているところ、使えるところ、こうしたところも斡旋をしながら、中部でのコンベンション機能を一定程度維持していくという道筋もあると思われますので、その辺は丁寧に、そうした可能性を使えなくなってしまった皆さまにもご案内をし、場合によっては斡旋をするということもあるのではないかなと思っております。
次に企業の課題がございます。企業につきましては、先の専決予算の中で緊急融資、無利子、無補償料の融資[頑張る企業を応援!特別金融支援事業]を設定をさせていただきました。こういうようなことで、関係者と言いますか、被災者のかた、事業を再開したいと願っておられるかたがた等々と話をしたり、先般も金融機関のトップのかたがたとも意見交換をしましたが、補助金のようなそういう返さなくていいお金、こちらの方の可能性をやはり皆さんおっしゃるところでございます。そこで、私どもとして、今、経営革新制度というのがございます。それで、この経営革新制度の仕組みを流用させていただきまして、このいわば震災から復興していくという意味の経営革新を図る、そういう事業者に経営革新のスキームを適用させていただく、ただ、もちろん復旧、復興までが限度ということにはなろうかと思いますが、そうした復旧復興枠を県版の経営革新制度の中で設定をさせていただいて、来週からでも受付を開始したいというふうに思います。
これによりまして、設備の改修等々も含めて、ある程度は助成対象の恩恵が出てくるということになろうかと思います。また、国の方の中小企業庁とも協定を結んでおりました関係で、あちらとも私も含めたいろんなチャネルで今日まで折衝もしてきましたけれども、1つには小規模事業者の販路開拓の助成金というものを活用できないだろうか、これ50万円までそうしたお金として、補助金として使えるということがございます。こうしたものも含めて、商工団体等と一緒になって関係の、被災されたかたがたにご案内申し上げたいと思います。今週いっぱいちょっとそうした準備もさせていただいて、来週からでも従来設定しておりました無利子、無補償料の融資以外にも、こうした補助金という応援のしくみを適用していきたいと思います。それで企業につきましては、[宮本聡]中小企業庁長官からもちょっと連絡がいただけたわけでありますが、よろず支援拠点というのをこれ商工団体に設置をしておりますけれども、倉吉にその支援拠点を今回の震災に鑑みて設置できるように、中小企業庁としても取り計らうということを伝えてきました。このあたりも地元の商工団体と一緒になりまして応援に回れることになろうかと思います。
風評被害対策につきましては、さまざまに今キャンペーン等を展開をしておりまして、連日のように報道もされていますが、観光事業者の皆さんが、全国を飛び回ってそうしたキャンペーンをされておられます。県としてもその誘客活動を支援してきているところでございます。ただ、やはり一定程度ダメージも大きいということもあり、今の状況を聞いてみますと、旅館さんの方でこうした安倍[晋三内閣]総理[大臣]への直訴から始まりましてキャンペーンをしてきたこともあって、キャンセルの方はやや止まってきつつあるということでありますが、先の予約や足元の予約が入ってこない、こういうのがだいたい大方聞いて歩く感じでは、旅館さんの方おっしゃいます。また観光施設の方もなかなか同じような状況があるということであります。
そこで私ども旅行会社等にもご相談申し上げて、今までに楽天[トラベル]さんが[鳥取応援]クーポン発行してくださったり、それに先立って[株式会社]JTBや[株式会社]日本旅行さんも同じようなクーポン、買い物券という発行をされたりしておられます。これ、ほんとに感謝に堪えないわけでありますが、そうした皆さまがたのご支援でそうした宿泊等への一定の支援も出始めたかなと思っています。あと、バスの団体客が帰って来ないということがありまして、それで、このバス旅行の助成をする必要があるのかな、そういう震災復興応援バスの助成制度を先の専決予算の中で新たに設定をさせていただきたいと思います。具体的には1台当たり6万円を設定しまして支援していこうと、こういうこともありますというようなPRもして、この際ぜひ来ていただければ現在、安全安心で非常に美しい、美味しいものがいっぱいある鳥取をご理解いただけるんではないかというふうに思っております。
また、海外でも、香港航空の方は若干こう予約が上向き傾向になってきておりますが、心配なのはエアソウルの方が心配が強い。さらにDBSクルーズフェリーもキャンセルが出ております。エアソウルでいいますと、先月[10月]は49%と5割を割り込んでしまいました。それで、今月[11月]の予約状況は68%ぐらいですか、だいぶ戻しては来ているんですけども、ただ、やはりインバウンドに、地震に対する風評被害がかなり色濃く残っています。そこで、そうしたインバウンド観光をしていただくように韓国の旅行業者向けのいわばプロモーション制度、こういうことも作らせていただこうと思います。また、こちらに来てSNS等で旅館にお泊まりいただき、ホテルにお泊まりいただければ、ああ、安全安心で楽しいし、むしろ来て、ここに来ることで自分も応援になったかなという、そういう感じも持っていただけると思うんです。それで、そういうのをSNS等で発信していただく、こうしたことを簡単な気持ち程度の粗品で地域としても応えていく、こんなことも併せて補正予算の中で設定をさせていただきたいと思います。
さまざまなこうした風評被害対策、今後も展開してまいりたいと思いますし、官公庁等特別の支援制度を、これも強力に引き続き働きかけてまいりたいと思っております。今、その義援金等もだいぶ寄せられ始めています。ふるさと納税でいえば、県の方には3,300万[円]余り、今、寄せられていますが、その他にも企業からは寄付[金]とか義援金といった類もございます。もちろんこれで財政事情賄えるものでもございませんけれども、ただ、こうしたふるさと納税に併せていろんなメッセージを全国の皆さまから応援で送っていただいていることが本当に心強いところでございます。もうそういう中で、これは義援金でございますけども、[全国高校生]手話パフォーマンス甲子園に連続出場している[石川県立]田鶴浜高校も義援金をまとめて自分たちが出場した未来中心が壊れていることにショックを受けられまして、応援のメッセージも併せて送ってくださいました。また、東京都立中央ろう学校等、他の高校からも同様のメッセージいただいているところでございます。こうした全国の応援の輪が今、広がってきておりまして、昨日[11月7日]は全国知事会の方から、鈴木[栄敬]三重県知事が委員長であります防災対策委員会の方から松本[純 内閣府特命担当]大臣の方に要請活動をしていただきました。この中でふっこう割であるとか、そうしたことも含めた要請がなされました。また、関西広域連合でも議会の委員会が開催をされまして、関西広域連合議会でもそういう緊急決議をしようという動きになってきました。これ、来週の関西広域連合の議会にかけられることになると思われます。また、関西広域連合の委員会の方は私も奈良の委員会に出席をさせていただき、そのときに政府への要望事項を委員会としても関西広域連合の執行部として取りまとめているところです。
また、来週開催されます中国地方知事[会第2回]会議におきましても鳥取県のこうした震災の状況につきまして、それについての政府へのアピール、これも取りまとめていただけるというふうにお伺いをしているところでございます。いろいろ各方面でご協力の輪が広がっていることに感謝を申し上げたいと思います。
3 薬物濫用防止条例一部改正に係る県民参画電子アンケート
●知事
その他の点についてでございますが、1つは、大麻の事件がございました。これについては、今、大麻とかケシを鳥取県内では栽培を認めない、禁止をするということで先般、私どもの薬物取締条例、[鳥取県]薬物[の]濫用[の]防止[に関する]条例の計画の中で定めさせていただいて、これを条例化する手続きを、今、進めてまいったところでございます。それで[11月]10日くらいからになろうかと思いますが、こうした条例での禁止につきまして、パブリックコメントと言いますか、県民参画[電子]アンケートを実施をしまして、県民の皆さまのご意向も伺った上で最終判断をしようと考えております。
●知事
また、昨日[11月7日]、今日[11月8日]と[美術館整備基本構想]検討委員会や教育委員会が開催をされている県立美術館問題についてでありますが、お聞きするところによれば、4分の3の方が美術館建設に対してポジティブ、賛成の意を表されたということでございます。私としても非常に民意だというふうに受け止めて、今後教育委員会、検討委員会の最終的な報告、取りまとめをフォローしてまいりたいと思いますし、私ども執行部側では、いずれ財政フレーム等々、あるいは経営形態、例えばPFIというような可能性もあるわけでありまして、そうしたことも含めて執行部側で検討すべきことにも、そうした教育委員会の取りまとめを伺いながらフォローしてまいりたいと思っております。
●知事
いろいろと私どもの方で懸案も多いところではございますけれども、多くのかたがたのご支援をいただきながら、復興・復旧に向けまして一歩一歩、歩ませていただいていることに、改めて感謝を申し上げたいと申します。鳥取は今紅葉も美しい季節になってまいりました。この週末には、被災地倉吉[市]におきまして、ひなビタというそういうアニメの、アニメっていうか、ゲームのキャラクターをモチーフにしたお祭[くらよし紅葉まつり♪]もあえて開催をされるということになります。こうした鳥取の頑張りをぜひ全国の皆さまにも分かっていただきまして、むしろ鳥取の旅を楽しみ、カニを初めとした食をお楽しみいただければと思います。私の方からは以上です。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
すいません。風評対策のことでバス旅行の助成制度というお話がありましたが、もう少し具体的に1台当たり6万円ということでした。もう少し具体的なことが知りたいのと、これはあくまで県外と県内を結ぶバスだと思うんですけども、その辺も含めてもう少し具体的に教えてください。
●知事
はい。ちょっと舌足らずだったかもしれません。おっしゃるように県外から送客をしていただくバス会社に対する支援、措置でございます。今、もちろんこれ、状況を見てということになりますが、最大1事業所当たり20台までぐらいを考えておりますけども、順次、送客をしていただくと。そういうことで、これは旅館のみならず観光地のお昼のランチとかも含めて、あるいは土産物屋も含めてそういう恩恵が出てこようかと思います。結局、正直に申し上げて、やっぱり足が止まる状況に今ございまして、旅行会社も大分協力はしていただいているんですけども、もう一歩踏み込んでいくためにはある程度、若干こう、セール的な部分も作っていかなきゃいけないというお話も伺っております。その辺は我々も非常に痛いほどよく分かるところでございます。私どももこういう状況の中でご送客いただいているところに、やはり私どもなりの協力もしていかなければいけないと思います。大体総計で、おそらく100台分ぐらいのお財布を用意しとけばいいかなと思っていますが、それも今回の専決補正の中で収まる話でございますので、1つ、そうしたバス支援を具体化したいと考えております。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
このバス会社というのは県内のバス会社にでしょうか、それとも県外も含めての。
●知事
県外からの送客が対象になります。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
じゃ、県内に事業所を持っているところという。
●知事
向こうで販売していればですけどね。具体的にどこかあるんですか。一畑さんのこと。ちょっとその辺はまた個別具体に、要は実質的に県外からのご送客をいただくという、そういうツアーのことです。
○中国新聞 川崎崇史 記者
カニのシーズンになると宿泊部分だけでなく、日帰りツアーもバスの方で組まれるみたいなんですけど、それも対象になる前提なんですか。
●知事
それも対象です。はい。
○読売新聞 岡田浩幸 記者
すみません。ツアーバスは現在も助成制度があると思うんですけど、それに上乗せするようなかたちなんですか。
●知事
それは、だから6万円という単価であればバス会社の方もある程度インパクトを持って鳥取県の本気度を分かっていただけるのではないかと思っています。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
未来中心のことでお伺いしたいんですが、先程、2段階で供用再開を図りたいというお考えを示されました。ただ、例えばなしっこ館の方、別のところに入り口を設けるということですが、バリアフリーのこととかも考えると、果たしてその年内の再開というのができるのかなという懸念もあるんですが、そのあたりはいかがお考えでしょうか。
●知事
これはまだちょっと、実は、この週末ぐらいから順次、精密検査をし始めていまして、その状況を踏まえて、今、検討を本格化させているところでありまして、正直、詳細までまだ十分詰めて、今日、お話しているわけではございません。ただ、県民の皆さま、それから、観光客の皆さまも、何の目途もなければ予定も立てられないところでありますので、我々としては[平成28]年内、今から1ヵ月ぐらいで何とか形にして、できるだけ早く部分供用したいということです。もちろん、例えば消防法の問題だとかいろいろございます。今のバリアフリー条例のことなどもございますし、その辺も手当てをしながら考えていくということになるだろうと思います。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
まだ、検査これからなんで、まだちょっとお答えを持ち合わせではないかもしれませんけども、アトリウムを含めた全体の再開というのは、知事としてはいつぐらいを目指したいと思うんですか。
●知事
うん、だからアトリウムのところが特に建築の専門家の議論がなかなか行きつ戻りつしているっていうところが実情だと思います。結局どれほどの構造的問題があるかということもあると思うんですが、そこまでいっていないというような状況にも見えるんですけども、ただ、精密な判断を仰がなければいけないわけです。それで一定程度補修をしていくということであれば足場を組んで、今、壊れているところ直せばいいということになったり、さすがにこう曲がっている筋交いのところとかああいうところを差し替えていくとか、ボルトをやり直すとかそういうのは当然あると思いますが、根っこから改めてということになるとこれ大変な時間かかるということです。ですから、数カ月は覚悟しなきゃいけないだろうと思いますので、[平成28]年内というわけには、年内という報道も一部ありましたけども、年内というわけにはちょっと今、ならない状況になりつつあると思います。ですからこれが長期化、ある程度長期化しそうだということになったもんですから、じゃあ、今、じゃあできることはないだろうかと、供用させていただいて使っていただけるように一部でもできないか、そこの検討を今本格化させております。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
改めてこの一部供用を目指される思いですね、この中部の中核的な文化施設、集客施設であるわけですが、やはり被災地で、ここが部分的にも再開を早くするということが、皆さんを勇気づけるということにもつながるというふうにお考えでしょうか。
●知事
そうですね、例えば旅館・ホテル業の皆さんからも同じようなお話をいただきます。できるだけ早く未来中心を再開してもらいたいと。ただ、もちろん安全が前提になりますから、なかなか全部いっぺんにというわけにはなかなかならないわけでありますが、観光に響くようなところ、それから今、実は団体事務室のところは自宅で仕事をされているかたとか、それから若干他所に移られているかたもいらっしゃるんですが、そういうご不便をおかけしているのもまた事実でありますし、ある程度の小ホールだとか、研修室などが帰ってくればある程度のコンベンション機能を、その周辺のアロハホール等といろんな施設と組み合わせて考えていけば可能になるかもしれません。そういうわけで、これは次善の策ということになるわけではありますが、私どもなりに誠意を持って県民の皆様や利用者の利便を回復していきたいと思います。
○山陰放送 日野彰紀 記者
すみません。ふっこう割については知事会からも要望をされるということです。それから、この間石井大臣が見えたときもかなり強い要望が出ていたように感じました。ふっこう割についての展望はいかがでしょうか。
●知事
私としては、何らからのお答えがいずれ出てくると期待をいたしております。私自身はある意味、国の公務員出身でございますので、役所文学を読み解きたくなるわけですね、それで、前の実は国会でのやりとりのとき、安倍総理は情報の正確な発信ということのみのお話をされていました。実は国交省サイドからよく出てきた話というのは情報の正確な発信ということを繰り返されていました。それで、これ役所文学的にはその他は考えていないということにもなるわけですね。それで、ただ、石井大臣が来られたときにそこのトーンが改まったと私は受け止めたわけです。それで、情報の正確な発信ということは、それはそれとして大臣ご自身でその被害の状況などきちんと把握した上で大臣としてやれることをやっていきたいという言いかたに変わっていました。
だから、役所文学的には前に出たというふうにも読み取れるところです。もちろんそれがふっこう割を認めると言っているわけではないので、これで答えが出たことにはなっていないんですけども、ただ、ふっこう割に向けて一定の前進はあったというふうに受け止めました。もし、なんらのお答えもなければ、私はあの場で土下座してでもお願いしようと覚悟を決めて臨んでいたんですけれども、そういう前進がありましたので、そうであれば国の検討をぜひお願いしようという今気持ちです。ただ、これよくフォローするようにと、今、私ども事務方の方に申し上げていますし、大臣が来られたあと、官公庁サイドと私どもとこれは密接な今、被害状況等々のやり取りをしているところです。
○中国新聞 川崎崇史 記者
仮設住宅なんですけれども、基本的なその住宅の確保が市町村の方ですでに進んでいるというふうなお話も一方であったんですけれども、実際にその設置する可能性っていうのは低い感じなんでしょうかね。
●知事
結局、現場におられる市町ご当局のご判断が私は第一だと思っています。ですから、今我々として、とにかくやるべきことをやろうと。それで罹災証明等の手続きを進めて、この家はまた戻れる家かどうかということも分かるわけですよね。それで、また仮に戻れるとしても軽微なのかあるいは損傷が深いのかによって戻れる時期も変わってきます。それがざっと出てくる段階にもうなってきました。先程申しましたように、町については三朝[町]がまだはっきりと言えないと言っていますけども、今週末までに一次調査が目途が立ちそうだというふうになってきました。これはわりと強めの梃入れを県の方でした関係でそうなってきたわけです。それで、また、県営住宅を中心としましてさらに雇用促進住宅の団地を3団地確保できるというようにもなってきまして、また、市町村も市町村営住宅を持っておられます。そういうものも合せていけば先程申しましたように中部で180戸、さらに新しいアイデアがあれば+100があるかもしれないというようなことになってきまして、じゃ、これを市や町の当局でどう判断するか、これをぜひ聞いてみたいと思います。
私どもとしては、もしそれは仮設住宅を建設するということになれば早急に土地の手当てをしなきゃいけませんし、建設に早くかからなければ雪が降り始めますので、我々としてはなるべく早くそこの判断をしたいと思っています。それで、だいぶん罹災証明に向けた手続きも進んできているという、本県の災害対策の早さゆえに、そうした意味で早めにこの段階でそろそろ判断すべきかなあと思っています。各市町にきちんと文章も含めて紹介をしたいと思っています。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
すいません。関係なんですけども、震災を機に、県外の親戚などに身を寄せたりして人口の減少というか、そういったことの懸念というのもあるかと思うんですが、そういった何か、もうそこまでの動きは分からないかもしれませんけども、例えばその学校を長期で休んでいる子どもとか、そういったところで何かそういった県外流出につながり兼ねないような、何か動きというのは把握はしていらっしゃるんでしょうか。
●知事
そこはもちろん転居届が出れば分かるわけでありますが、必ずしもそれが出ずに市町村の役場が把握しにくいところで動いておられる可能性はあると思います。私自身は、発災後4日目[10月24日]ですか、[倉吉市立]明倫小学校が開校したときに小学校の方にお伺いしまして先生がたからお話を伺いますと、やっぱり登校していない子が十数名だかおられたと思います。その子たちは結局その学校から遠いところに身を寄せておられるということでありました。ですから、そういうご家族も中にはいらっしゃると私は推測しています。今回住宅支援の制度を月曜日[10月24日]に決めて、火曜日[10月25日]には予算組みをさせていただきまして、一部損壊も含めて方針を出しましたのは、それはやっぱりコミュニティ崩壊を私たちは何とか食い止めたいという思いがあるからです。早い段階で、ここでまた生活を始められますよと、それに対してもちろん全部ではないですけども、地域も熱く応援しますというメッセージも込めて再建支援制度、住宅の復旧支援制度を作らせていただき、予算もつくりました。そうしたことも含めて、また皆さま落ち着いてお戻りいただける、そういう環境を作っていくのが本来ではないかと思っております。もちろんいろんなご事情があって、他へ行かれるかたもいらっしゃるわけでありまして、その辺は当然ながら、それぞれのご意思で動かれるべきものだと思います。ただ、地元としてコミュニティで生活できなくなるような、そういう環境にはしたくないと。ですから、住宅の支援制度というものを早期に明確に宣言させていただいたところです。
○NHK 木庭尚文 記者
よろしいですか。企業立地の、企業誘致のことでちょっとお伺いしたいんですけども、今まで鳥取県は地震が少ないことを少し売りにしたところもあって、誘致をされてきたと思うんですけども、今回の地震でやっぱり鳥取にも地震があるんだということで、そこへの影響と今後の対策というところはどういうふうにお考えでしょうか。
●知事
私どももそうですし、実は熊本県もそうだったんですけども、わりといろんなご意見はもちろんありましたが、どちらかというと震災のリスクの低いところというふうに一般には言われていたわけでありまして、世の中に出回っているそうした資料を、例えば企業へのプロモーション活動の中で使わせていただいたりしておりました。そこはもちろん見直さなければいけないと思いますし、それはプロモーションを受ける方の企業さんもそういう目線でいらっしゃると思います。ただ、地震のことだけでなく、例えば最近の誘致の状況からすると水の存在とか、それから労働需給バランスのことであるとか、それから最近アクセスが、高速道路が開通して改善されてきていることだとか、港のことだとか、そうしたいろんな要素が組み合わさって企業というのは決断をされるわけであります。それで、地震のリスクというのは正直、日本の中、どこ行ってもあると言えばあるわけでございまして、そこは、企業さんはある意味ドライに考えておられると思います。ただ、私どもとしても、これはちょっと不適切になったかなというような資料やあるいはホームページの記載等は、もう既に削除、撤回をさせていただいております。
○共同通信 副島衣緖里 記者
すいません。1票の格差についてなんですけれども、今日の午後に名古屋の方で出る高裁の判決で、今回の一審の判決が全て揃うかと思うんですが、これまでの判決を見ますと、どちらかというと合区に関しては一定の評価をするという裁判所の判断が出ているかと思います。これは鳥取県として合区容認できないというような考えと逆行しているかと思うんですが、それについてのお考えはいかがでしょうか。
●知事
これは、私ちょっと次元が違う議論が混じっていると思っています。私の理解の方で申し上げれば、一連のこの裁判の中で注目されるべきは格差が違憲状態と判示したかどうか。それで、それ以外のところは実はほぼ皆さん揃っているんですね、どこの高裁も。それで、違憲状態になったかどうかというところで見解の違いが出ているわけです。それで、この違憲状態というところについて、これは1票の価値がそこの平等が損なわれているかどうかというときに、2対1の議論をしているかどうかなんですね。それで、2対1の議論ということを重視している裁判官は、今回違憲状態と言っています。ここにまだ実は前の最高裁の判断がございまして、最高裁の方で合区なども含めた制度改正をしろと求めていたんですね。これは判決の効力が及ばないところだと思いますが、傍論の中で述べていた部分だと思います。それで、これに対する答えを一定程度国会が出したことを考慮して、違憲状態ということはあえて言わないという判断がそれとは別の判断としてあったと思います。
それで、違憲状態が2倍以内というのがやはりメルクマールになってきているんですが、私はここに1つの危機感を持っていまして、これはむしろそちらの方が問題ではないかなと思うんです。と申しますのは、衆議院と参議院と別々のロジックに基づく代表論理というものが今まであったと思います。それが長く最高裁の中でも踏襲されてきて、衆議院はどちらかというと1票の価値というものを基にして選挙区割をしていく、あるいは定数配分をするということで中選挙区制の時代も小選挙区になってからもそういう判決がなされてきました。これに比べて参議院の方は都道府県代表という要素があるので、その点を別に考えて、それで、この衆議院よりもどちらかというと格差を容認してきたんですね。このロジックが、私が一番懸念したのは合区ということが始まったときに外れてしまうということです。つまり、単なる数合わせだけで選挙区を組むべきだという議論になってしまうんですね。つまり、都道府県代表という、いわば正当性があったからこそ、都道府県代表なので2倍以内よりも3倍とか5倍だとか別の基準で考え得るというところが外れてしまったのが結構今回、多数側の違憲状態判決になっているわけです。
それで、これはまさに都道府県を単位として選挙区を設けることを否定することにつながってくるわけですね、むしろそっちの方が問題ではないかなと思います。それで、最高裁の判断があったので国会もある程度それを斟酌したというところを評価しているというのは1つの経緯の中で、判決の流れの、時間的な流れの中で司法の側が提示していたことに立法側が応えましたよということで評価をしているにすぎなくて、一番大切な憲法的価値、選挙区の設定論理ということからしますと、むしろ違憲状態といった判決が合区はしても今まだなっていないのだから、違憲状態だということを言っているわけで、これは、要は都道府県という単位というのはもう既に選挙区として意味をなさないということになるわけです。そこを、実ははっきり書いた判決もありました。都道府県単位の選挙区はもう今となっては意味がないと言い切っている判決もあります。ただ、むしろそっちの方が問題であって、危惧されるところではないかなと思います。
名古屋高裁の判決が出れば出そろって、これから最高裁の判決になります。それで、その最高裁が果たしてこうしたさまざまな高裁判断、分かれた部分が違憲状態かどうかを中心にしてあるわけでありますし、また一部の判決の中には都道府県が選挙区として意味をなさないと言っている判決まで出てきていると。それを、じゃあ最高裁がいわば司法的な統制の中でどういう判断をするかが、これから注目されると思っています。
○共同通信 副島衣緖里 記者
例えば、今回の地震の中でもこれから国の支援が必要になったりする、そういう支えが必要だという中で合区された、合区になっている鳥取県としては国の代表が1人少ないというか、鳥取・島根になりますけど、地元を知る議員さんというのは少なくなっていて、地元からは声がやっぱり合区だと届かないというような声もあるんですが、それについては知事、どうお考えでしょうか。
●知事
私は同感ですね。やはり都道府県単位で物事を判断し動いているというのが我が国の行政システムであり、民主主義のあり方だと思います。今回の災害対策も県単位で動き、市町村と十分コミュニケーション取りながら何とかいち早く復旧復興を果たそうと今やっているわけです。ただ、こういうところで意思決定されるわけですね。意志決定の単位が我が国の場合やっぱり都道府県単位になっているわけです。それとは違った区域を作りますと、結局代表されるときにそれぞれの地域の意見がどっかで断ち切られてしまうことになります。ですから、私は都道府県単位の選挙区というものが、我が国の民主主義のユニットとして機能している面があると思いますので、それが失われてしまえば、こういう災害時等に大切な代表が何も発言してくれないということにもなり兼ねない危機的な状況だと思っています。
○朝日新聞 柳川迅 記者
企業誘致の話に戻りますけれども、今回の地震で鳥取県は災害、地震等の災害リスクが少ないということを謳ってきたわけですけれども、ある程度報道で、逆に鳥取県なぜこんなに地震が多いというふうな報道の仕方も一部ありまして、そこの点は、そういう報道になっていることについてはどう思われていますかね。
●知事
ここは言えば難しいことでありますが、学術的にも非常に見通しのつけづらいところだったんだろうと思います。私自身は、熊本もそうだったんですけど、災害リスクの少なさでいろんな企業誘致を極めて積極的にされてきたところでございます。私どももそうなんですし、熊本さんもそうだと思うんですが、東南海トラフが今の最大の焦点になっているわけですね、それで、この東南海地震との関係で言えばやはり距離があることは未だ事実ですし、そういう意味でリスクの度合いがどうなのかということは、本当はあるんだと思っています。ただ、やはり報道の流れとして、結局鳥取県中部で地震が起こったということがどちらかというと衝撃的に捉えられた報道でございまして、その後それを解説する人たちが次々に出てくるというようなことになり、何かこう、地震の銀座のようなそういうイメージができ上がってしまうことは、やや行き過ぎではないかなと正直思います。ただ、今この地震のメカニズムは、これからある程度時間をかけて学術的に検証されていくんだと思います。私はこういう立場ですので、その学術的な検証を踏まえて客観的に、いいだ悪いだでなく、必要な対策があれば取っていくというふうにするべき立場でありますので、その当否を申し上げることはいたしませんけれども、ただ、風評被害という現実も起こっていますので、冷静な目で被災地の地震についても受け止めていただきたいと思います。
○朝日新聞 柳川迅 記者
すいません。これまで地震等のリスクが少ないと言っていたのはある程度科学的知見を当然参照して謳っていたわけですけれども、やはりちょっと別の知見があるんじゃないかということで、そこはその表現については見直すと。ただ、リスク分散については依然生きていると、当然生きていると思いますので、そこのところはこれからも企業誘致に関してはPRしていくということでしょうか。
●知事
それはその通りです。結局リスクを何と、考えるかというのは、それは企業さんのお考えでありまして、最近リスク分散を適用した企業さんというのはどちらかというと東海地方だとかそうした地震に非常にセンシティブなところでございます。あちらで想定されている地震と私どもの内陸型の横ずれ断層型の地震とは規模とタイプが違いますので、ですから、そこは今後も誘致の支援としてはカウントしていくべきだと思っています。
○毎日新聞 高嶋将之 記者
住宅支援の関係なんですけれども、先程、県と倉吉市とか一緒になって避難者に個別に意向調査ですとかカウンセリングをされるというお話があったかと思いますが、これ、いつから、また具体的にどんなことをお伺いするのかということをお聞かせください。
●知事
これは、早急にするべきだと思っていまして、そういう指示をいたしておりますので、今週からでも回ることになると思います。結局、何なり災害対策のフェーズも進んできて、今、110数名まで避難者が減ってきました。ただ、実量としては逆に言えば避難者が固定されてきているという状況があります。そのコアのがたがたの本当の事情に沿ったかたちで、結局避難所におられるというのは住まいの問題があるからでございまして、その住まいの課題に一人ひとり応じてご相談申し上げるべきではないかと、こういうことを申し上げました。それで、今、私どもの方の住宅支援本部の方が県の方から人を出して、それで市側と一緒に回っていくということになります。だから、例えば家の状況がどうなのかと、私も何人か被災者のお話を直接も聞いているわけでありますけども、人によっては家が片付かないから帰れないとおっしゃったかたもいらっしゃいました。そうであれば、その家を片付ける算段がつけば帰られるということになります。それで、中にはやっぱり家が住み続けられるかどうかきちんと判定もしてもらいたいというお話もあります。
そういう意味で今回の罹災証明の手続きも進むわけでありますが、それでご満足いただけないかたがいらっしゃるのであれば、私どもの県の職員等でそこを見て親身にこういう状況ですというご説明を、検証した上でご説明をすることも可能だと思います。その上でやっぱりここはちょっと修理が必要だと言えば手配をする、そうするとこの手配で家が直れば帰れる。そうすると何カ月間はどこかにいなきゃいけない。その間の住宅はどうしましょうか。こうやって1つ1つ丁寧に方向付けをして差し上げないとなかなか被災者のかたもお忙しいですし、なかなかいろんな課題を背負い込んでおられますので、私どもの方で出かけていって単にこういう制度がありますよと避難所に紙を貼っておくだけではない、そういう丁寧な対応をしたいということです。
○毎日新聞 高嶋将之 記者
ありがとうございます。
○毎日新聞 高嶋将之 記者
他に質問、ございますでしょうか。ではこれで会見終了させていただきます。ありがとうございました。
●知事
どうもありがとうございました。