●知事
皆さま、おはようございます。今年一年、皆さまに大変にお世話になりましたこと、まずもって御礼を申し上げたいと思います。また、県民の皆さまにおかれましても平成28年、さまざまな分野でご奮闘されました。ぜひこれからまた年末年始の休みに入るかと思いますけれども、ご家族やご親族とゆったりとした時を過ごしていただければと思います。
今年を振り返ってみますと、株の相場では、「申年は騒ぐ」と言うそうでありますが、その相場自体も激変をしたと思います。なかなか円高傾向、また株安傾向というものが一時期ございましたけれども、世界情勢が一変をしてきている状況になったと思います。特に[ドナルド・]トランプ候補が当選をするという中で、非常に相場が変わってきたわけでありまして、年末に向けてもなお株高傾向というものが続いていますし、円安傾向というものが続いています。年明け以降、経済の激変は国際情勢の変化と合わせて動いていくだろうと思われます。新たな年にはヨーロッパの選挙等々もあり、その辺を注目していかなければなりません。今日は、[バラク・]オバマ大統領とそして私ども日本の安倍[晋三 内閣]総理[大臣]が会談をされ、また、アリゾナの方で献花をするということだと思います。これから、世界の恒久平和に向けまして力を合わせていくこと、これを、期待をするものであり、それが経済や人々の幸福とつながっていく新しい年の幕開けになればというふうに願うところであります。
●知事
こういうような経済や世界の情勢と合わせまして、本県の場合は10月21日に鳥取県中部地震が発生をいたしました。マグニチュード6.6という規模の地震でございまして、倉吉[市]、それから北栄、湯梨浜、三朝、琴浦[町]、鳥取市など多くのところで被害が出ているわけであります。昨日[12月26日]までの集計で1万4,400棟を超える家屋被害があり、人身については負傷23名という状況でございます。
これについて、県民の皆さまが力を合わせてこの難局を乗り越えようと、その姿が目立った年ともなったのではないかと思います。倉吉市内、例えば宮川町二丁目であるとか、円谷町であるとか、また大原であるとか、さまざまなところで地域が力を合わせてお年寄りを誘導したり、あるいは防災グッズ、こういうものを用意をしたり、ブルーシートを張る、そういう作業を技術者を集めて自らやって見せたり、こうしたことが鳥取らしいことになったと思いますし、また、移住者のかたも活躍をされた場となりました。湯梨浜町の松崎におきまして、こちらのほうでは移住されたかたがた、森[哲也]さんとか、中森[圭二郎]さんとかいろいろとおられますけども、そうしたかたがたが安全な場所への避難誘導などに力を発揮されたことは記憶に新しいところであります。
今回の震災は非常に厳しい被害をもたらしてはありますけども、こういう人々が力を合わせて乗り越えていこうというこの鳥取らしい絆と元気が新年以降の地域づくり、復興の本格化につながるのではないかと期待をいたしたいと思います。また、全国各地からも支援の輪を広げていただき、多くのご協力やご支援を賜ることができました。比較的今年は熊本[県]で4月に2度の大きな地震があるなど災害の多い年でありました。台風被害で岩手[県]や北海道などもございました。爪あとが深く残されている状況の中で、鳥取の方では比較的早期にスピード感を持った復旧が進められてきているところであります。これもひとえに県外の皆さま、自治体、あるいは国からも御支援をいただきましたけれども、そのお陰ではないかというふうに感謝を申し上げたいと思います。現在、災害の、国による査定が進められている真っ最中でありまして、国土交通省関係は終わってまいりましたし、農林[水産省]関係も農道や林道などが終わり、今、農地などの最後の部分を明日[12月28日]までかけて査定をしようということになっております。また、来年1月には文[部]科[学]省などの本格的な査定も入るということでありますけれども、我々の方で緊急に準備をしてきた災害復旧事業、100%近いレベルで認められつつございます。これもこのたび閣議決定をされました[国の]第3次補正予算(案)、ここに盛り込まれた災害復旧経費の計上とあいまって、3次補正は来月成立すると見込まれますが、そうしたところで道筋がつき、しっかりとした復興につながるのではないかと期待をしたいと思います。
昨日には倉吉[市]のボランティアセンターもまちかどステーションから市の社会福祉協議会に引っ越しまして、従来どおりボランティア活動、年末年始等の休みは挟みますけれども、続けられるということでありますが、体制が変わりつつありますし、また、災害対策本部も年内閉じられるということになってきました。お正月まで避難者が避難生活を続けるのではないかというような危惧を持ちながら、できるだけ早くお一人お一人に寄り添って避難後の次の生活設計をご支援しようというふうに動いてまいりましたけれども、市、町と力を合わせてやった結果、お正月は皆さまそれぞれのご自宅等々で迎えられることになり、避難所での正月ということはなくなった結果でございまして、これについては胸をなでおろしているところでございます。
三朝町では、実は今もって2世帯3名ですかね、まだ避難生活といいますか、避難勧告が出ています。この避難勧告の対象箇所、これ三朝町の三朝と牧にありますけれども、実は土砂崩落等の危険性があるということで町の方で避難勧告をされておられます。これが県の方の応急復旧のところまでは終わりまして、今日[12月27日]、町の方と点検をしているところでありまして、うまくいけば避難[勧告]解除ということになるのではないかと思います。そうなりますと避難勧告も避難所もないという状態になりまして、一区切りというのが年内間に合う感が出てきているところであります。復旧工事で皆さまからいろいろとご指導ご意見をいただいていたのが[倉吉]未来中心でございます。
この[倉吉]未来中心につきましては、昨日アトリウムの復旧の方法につきます全国的な権威のかたも来ていただいての[倉吉未来中心改修工法妥当性検討]委員会を開催をしたところでございます。その結果、できるだけ早くこれを開館させなければならないという中で、県側の方で今構想していることについては方針の了解が得られたわけでありますけれども、こういう鉄骨のところを括るように鉄筋コンクリートでの柱がつくってあります。その内部の部分にも影響が見られるということから工法的にはやはり厳しい状況を乗り越えるだけの工事が必要だろうということになりました。1月の中旬ごろを目指してその最終的な工法を固めさせていただければと思います。昨日[12月26日]の結果をもとに1月中旬までに工法を固めてそれから工事にかかることになりますが、その工事は、3カ月ぐらいは見込まれるのではないかと思われます。したがいまして、新年度[平成29年度]入ってゴールデンウィークにかかるかかからないかぐらいまで工事が続けられることになります。
ただ、県民の皆さまやあるいは社会生活への影響、コンベンション機能の影響がないように、そこを配慮しながらこの工事にかかるということでなければならないと思います。これまで小ホールは1月中に開館を再開しようというように努めてまいりました。大ホールにつきましても、天井等の改修、これが2月中に終わるのではないかと見込まれます。アトリウムの開館と併せて大ホールの開館を検討していましたけど、ここを切り離すことで行かざるを得ないのではないかと思います。ですから、アトリウム部分は新年度[平成29年度]送りになりますが、大ホールも含めた基本的な機能の回復は今年度[平成28年度]中に行う、そういう分離したオープンを考えていく必要があると思います。これで今、最終的に方針を詰めるように、今、関係部局の方には申し上げているところでございます。今しばらくご不便をおかけしますけれども、県民の皆さまやコンベンション関係者のかたがたには状況が状況でございますので、ご理解をいただければと思います。
住宅につきまして、これが大きな課題として1つ残るところになります。住宅の復旧に向けて昨日、国の方の新しい追加の考え方が出されました。倉吉市につきまして[被災者]生活再建支援制度の適用となります。これによりまして県の方の市町村と共同で行う、あるいは県単独で行う支援と加えまして国の方の生活再建支援、この制度適用がなされます。都道府県会館の方でこの事務をやってもらっていますけれども、全壊や大規模半壊など所要の支援が国の基金、これは国と都道府県で、共同で積み増している基金でありますけども、こちらの方からの支援が確定をすることになりました。それは全壊が1つでありますけども、半壊が140[件]を超えるという状態になりまして、6万人に満たない倉吉市ではこの生活再建支援の対象となるということが見込まれる結果となった故であります。これによりまして北栄町については国の制度適用がございましたけれども、倉吉市も適用対象に加えられることになります。こういうことなども含めまして住宅修繕に県民の皆さまが向かっていきやすいように環境を整えてまいりたいと思います。
倉吉市側と今、擁壁につきまして、住宅と関わりのあることについては対象を考えようという協議をしておりまして、また、三朝町も同様の考え方でいらっしゃいます。こうしたところとよくまた詰めてまいりまして県としても折半のかたちで応援をすることにしたいと思います。また、お店の方の支援、これも大切なポイントになるわけであります。これにつきましてはすでに100件ほど、私どもの方で経営革新の一環で震災からの復旧、復興枠というものを新設をしまして200万円以下の県単独の助成制度をするという、全国でもあまり例のないことを、今回倉吉市に断層が走ったことを念頭に作らせていただいたところでありますが、すでにそうしたかたちでいろいろと要請がきておりまして、これで1億円ぐらい今、申請の方がきています。
また、融資につきましても当面の無利子、そして、無保証料という制度でありますが、この保証承諾と言われます融資の前段階までいっているところで、すでに45億円の融資の申し込みがきています。極めて早いスピードで関係の店舗さんの方でこうした再建に向けた動きが年内にもう始まってきたということではないかと思います。また、農業関係でも、先般も[山本有二]農林水産大臣と面談をさせていただきました。その中で畜舎等も含めた個人施設について何らか国の対応をということで今協議をその後させていただいております。国との協議の状況にもよりますが、県としても怠ることなく必要な支援をJAやあるいは地元の市町村等とも協議をしながら進めてまいりたいと思います。
●知事
こうしたかたちで、今、震災に対する復旧、復興が本格化しようとしておりますが、明日をもって役所の方は通常であれば閉じることになります。しかしながら、果たしてそのままでいいのかということもあり、これ中部総合事務所を通じまして今、地元の市、町や商工団体、JA等と相談をしておりまして、この木曜日[12月29日]、金曜日[12月30日]は少なくとも、そうした震災対応のための特別臨時相談所を県の総合事務所、中部に設けさせていただき、市や町、あるいは商工会議所等と連携しながらご相談に応じていきたいと思います。
今、帰省ラッシュに入り始めておりまして、ご親戚や家族が、あるいはお仲間が帰ってきます。多分家のお片づけであるとか、それから今後どうしようかという話し合いもなされようかと思います。そういう年末の時期に役所の方が閉めているということではいかんのかなと思います。従いまして、特別臨時相談窓口[鳥取県中部地震年末相談会]を開設して[12月]29日に中部総合事務所の方にはオープンをさせていただきたいと思います。今、関係機関とどういうふうに連帯するかということを最終的に詰めているところでございますが、年内いっぱい金融機関も対応されましょうし、連携を図りながら被災者、被災地のご不安、悩みに応えてまいりたいと思います。また、併せまして[12月]29日につきましては、これは生活困窮で年末いろいろご心配があるかたがた、また、若いかたがたや女性も含めまして就職相談などされるかたがたもいらっしゃろうかと思います。この県庁の県民室並びに東、中、西にございます若者仕事ぷらざや、それからミドル[・シニア・]レディーズ仕事ぷらざ、こちらの方で相談を受けつけさせていただくという体制を取ろうと考えております。
●知事
また、そうしたさまざまな事件や災害があった年でありますが、[12月]14日の日には残念ながら[沖合底びき網漁船]大福丸が境港松江市沖の海中に没するという大変な事故がございました。亡くなられたかたがたに対し、ご冥福をお祈り申し上げますとともに、まだ見つかっていないかた、いち早くご家族のもとに戻られることをお祈りして止みません。県としても引き続き現地での応援体制を取っているところでございますが、なかなか手がかりの方がつかめない状況になってきています。ただ、そういう中で、こうした残念な事故がないようにしなければなりません。21日の日に山本[有二]農[林]水[産]大臣と話し合いをさせていただき、石破[茂]代議士、あるいは舞立[昇治]参議院議員もご同席願ってご相談させていただきました。その中で私どもの方から強調したのは、代船建造と言われる新しい船、なかなか船が老朽化しますと船の使い勝手が悪くなったり、安全性等で限界が出てくることもございます。ですから、そうしたことをやはり私どもの看板漁業でもあります蟹の沖合い底引き[網]漁船について、これが速やかに進むように応援を、お願いを申し上げたいと訴えさせていただきました。
これについては国の方でもご検討なさると思いますが、ぜひ県としても新年度[平成29年度]予算で対応を考える必要があると思います。また、ライフジャケットの着用を初めとした安全対策の徹底等も必要であります。国の方にこの点も申し上げまして、なかなか漁労という海の作業ですね、海の作業につきましてどうしてもライフジャケットが作業の機能性の点で厳しいものがあるということも申し上げたところ、新しい機能性のあるようなライフジャケットも出てきているということでございまして、例えばこうしたライフジャケットの設置支援など県としても考える必要があろうかと思います。できるだけこうした対策を打ちながら、自然の中で海とともに生きていける、そういう鳥取県のあり方をさらに高めていく必要があると思います。
●知事
昨日[12月26日]は大麻事件で検挙をされました被告人につきまして判決が下りました。大変残念な状況を惹起することになり、私どもとしては改めて襟を正して再発防止をしてまいりたいと思います。先の12月議会では、これについて鳥取県独自にこうした大麻栽培というものを認めないという条例[鳥取県薬物の濫用の防止に関する条例の一部を改正する条例]が全会一致で可決成立することとなりました。改めて薬物乱用防止の誓いを立てさせていただき、これも今回の条例の状況、制定の意義やその背景なども含めまして、年明け緊急にしっかりと広報、PRもさせていただき、薬物乱用防止についての先進県として私どもスタートをもう一度切り直したいと考えているところでございます。
●知事
子どもにつきましても、これも残念な事件が片方でありました。岩美町におきまして連続した乳児の死体遺棄事件ということがありました。殺人については立件されないということで裁判は終結したわけでございますけれども、こうしたことの背景を考えなければなりません。これについて望まない妊娠ということがあったのかなということがありまして、県として、この事件のあと、特別の検証委員会[鳥取県児童虐待死亡事案検証委員会]を作らせていただきました。これ年明けにも引き続いて検証委員会での分析を、専門家も交えてお願いをさせていただこうと思います。今、取りあえずできることとして、例えばスーパーマーケットにおきます相談窓口案内等を取りあえず始めたことはありますけれども、この対策も考えていかなければなりません。
●知事
ただ、片方で出生率等々ですね、最近パフォーマンスも鳥取県もよくなってきている状況であります。これについて[とっとり型の]保育のあり方研究会を、設置をしました。明日[12月28日]委員会の方から私の方に報告書をいただけるということになっておりますが、その内容について報道等でも私も拝見させていただいているところです。1歳というところを1つの区切りにして、在宅保育の支援をまずは始める必要があるんではないかということ。これは祖父母に預かっていただいている、そういうご世帯も含めまして対象と考えるべきではないかということ。また、自然保育、これも1週間6時間というようなところも基準を作ってみてはどうだろうか等々内容が盛り込まれたところでございます。早速に当初予算編成、年明けに本格化しますので、こうしたところでも議論をしてまいりたいと思います。
●知事
障がい者については[神奈川県]相模原[市]の事件などもあり、その対策を、これも年を跨いで研究、検討させていただいているところでございますが、障がい者対策については、今年はいろいろと話題もあり、成果もあった年ではないかなと思います。1つにはあいサポート運動が全国に伝播をしていきました。春には岡山県、また夏には和歌山県、そして先般は北海道の登別市の方にも波及をしまして、それぞれが加わっていただいたわけであります。また、[第27回]日本パラ陸上[競技選手権大会]が4月末から5月の頭、ここ布勢[総合運動公園(コカ・コーラウエストスポーツパーク)]で行われることとなりまして、大阪以外での地方都市の最初の開催ということになり、パラリンピックの前哨戦となったところでございます。また、恒例となってきました[全国高校生]手話パフォーマンス甲子園に続きまして、多くの県知事が参加をする知事連盟によります[東京オリンピック・パラリンピックに向けた]障がい者アートフェスタ[2016]が開催をされました。眞子内親王殿下もお見えになられまして、被災地へのご支援のお言葉とともに、障がい者に対して温かい視線とお言葉を頂戴をしたところでございました。こうした今年[平成28年]の成果も踏まえながら、また震災における障がい者の状況、この総括もしながらあいサポート条例、障がいを知りともに生きるということを理念とした障がい者が暮らしやすい地域づくりの基本条例をできれば2月の県議会に提出をさせていただきたいと考えております。
●知事
交通ネットワークについては、いろんな動きもございましたが、1つは山陰新幹線にもつながるかと言われた北陸新幹線ルートが、京都の方へ小浜から直接入るルートで決着を先般しました。これについては、国土交通省の方にも先般伺いましたけれども、国交省の方としては、山陰新幹線構想も含めて新年度に予算を計上したいということでありました。これをしっかりと我々山陰地域としてもフォローしていく必要があると思いますし、高速化に向けた具体的な手法の検討も別途進めていく必要があろうかと思います。道路につきましては、浦富のインターチェンジまでつながるということになり、山陰海岸ジオパークの1つの背骨になったんではないかと思われます。この道路ネットワークについて、残された課題としての鳥取西道路は平成30年開通の目途がたったわけでありますが、もう1つ、県内の山陰道のまだ十分でなかったカ所、これは北条道路と呼ばれますはわいインターから大栄東伯インターに至る間でございます。
これについて、本日[12月27日]ですね、鳥取県の[第150回]都市計画審議会の開催する運びとなりました。我々の方で諮問させていただく基本的な方針は、精査の結果、都市計画変更を認めるべきであるという、そういう提案をいたします。これが仮に認められれば、この後、国の方に協議をすることになります。それで、国[土]交[通]省は当事者の方でありますので当然ながらいろいろとご覧になって精査をされた上で、都市計画審議会の方の手続きを持ってきておられるわけでありますから、年度内のこの北条道路に向けた整備環境が整うこと、年度内にそうした整備環境が整っていくことの方向性が今日にも出るのではないかと思われます。審議会の審議次第でございますけども、その状況を私どもとしても注目させていただきたいと思いますし、説明責任も果たしてまいりたいと思います。併せまして6kmあまりに及びます北条倉吉道路につきましても、この都市計画審議会の方に提出をさせていただきます。Tの字になりまして、接続をして、岡山方面から来るネットワークと、それから東西をつらぬく山陰道のネットワーク、これが結節されるというかたちでの都市計画決定を考えていきたいと思っております。
●知事
国の方の予算97兆4,547億円の予算案が出来ました。62兆にも及びます地方側の一般財源62兆803億[円]となりまして、確保されたことは一定程度評価できると思いますが、そういう中、交付税については、本県にとりまして厳しい状況ではないかと思います。そうしたことで交付税で20億[円]前後ぐらい、ざっと見て減るかなという感触を持っておりますし、また、地方税の伸びが法人関係税等で都会値のように望めません。その状況が見えておりまして、それも含めますと一般財源ベースで当初編成では30億[円]前後減るのではないかなと思われます。そういう中、災害復旧、復興ということなど、財政需要も一時的に高まる見込みでありますし、借金返しの公債費が、これがピークを迎えるのが新年度というふうに財政推計をおいております。従いまして、当初予算編成は厳しくなろうかと思いますが、これを年明け、精力的に一気にやってしまいたいと考えております。
●知事
今年、そういう一方で考えてみますと、9月に香港航空がやってきて、世界に向けて開かれた年になりました。それ以後、非常に顕著に鳥取の観光地におきまして外国人の方の姿が増えております。ソウル便については苦戦を、[10月]21日に地震があって[10月]23日にアシアナ[航空]からエアソウルに切り替わったという最悪なタイミングと言っていい状況でありましたので厳しさはありましたけれども、今、50%台ぐらいに持ち直し始めておりまして、また、年明け以降もセールスを図っていこうとしております。そういう中、震災の観光風評被害を払しょくすべく、私も含めて、あちこちにキャンペーンに行ったり、メディアで訴えかけをさせていただいたりしているところであります。
そういう中、今、ウェルカニキャンペーンをやっておりますが、ぜひ遊びに来てください、カニがおいしいですよ、カニの名産地ですよというそうした訴えかけをするカニ動画を相次いで今封切りと言いますか、ネット上でアップし始めております。これは倉吉市出身の森[翔太]さんにお願いをしながらユニークな発信をしようということで始めさせていただきました。最初にカニ浮遊と言いますか、カニを浮かせましてホットプレートに持っていくという、スーパーの店員さんを撮影した動画、それからカニ拳という鳥取県独自の拳法があるというその大会を控えた高校生の動画などを相次いで、今、出させていただいているところであります。今の状況16万回以上ですね、県の方の動画チャンネルで再生されていますが、それ以上に実は番外編でどんどん今、拡散している状況でありまして、例えば海外系のサイトで16万回を超えて再生をしたとか、また、全国通じたようなインターネットサイトでも展開をされたりしまして、我々としてもこのタイミングで風評被害払拭やカニという漁の大切さ、そうしたことも含めて訴えかける材料になればと期待も申し上げているところであります。いずれにいたしましても来る年、ぜひ多くのかたがたにもご協力をいただきながら、復興を着実にスタートをさせ、そして県内産業の活性化や県民の幸せ、安心な暮らし、こういうものを作っていくことになればというふうに願うものであります。
●知事
1月3日にはまた青山剛昌先生をお迎えをして、[青山剛昌先生と]話そうDAY!というイベントが被災地北栄町で開催をされるわけであります。また、水木しげる先生関連のイベント等もあるわけでありますが、多くの皆さまにもご理解とご協力をいただきながら平成29年の幕開けを迎えたいと思います。年末年始いろいろとくたびれも出されるようなこともあるかもしれませんが、県民の皆さまには恙なく輝かしい新春をお迎えなさいますようお祈り申し上げまして、私からのメッセージとさせていただきます。以上です。
○毎日新聞 高嶋将之 記者
それでは各社から質問をお願いします。
○NHK 木庭尚文 記者
よろしいでしょうか。災害対策本部のことについてお伺いできればと思うんですけども、倉吉が閉じて残るは三朝だけとなっていますが、県のものについてはどういうタイミングで閉じるとか、その辺の見通しについてはどういうふうにお考えでしょうか。
●知事
今日[12月27日]、三朝町さんが何を見ておられるのかっていうことによると思います。ルール上は、すでに復興本部も作っておりますので、事実上移行し始めている状況にあるわけでありますが、ルール上は対策本部も終結して差し支えない状況になっています。ただ、私どもは三朝町が災害対策を続けられるのかどうか、復興に切り替わるのかどうか、これを見ているところでございまして、今日にでも現地入っていただきまして、先ほど申し上げました避難勧告の出ている場所、そこの安全確認がなされれば三朝町さんがそれ[避難勧告]を解除される可能性はあるだろうと思います。それで、避難勧告解除と併せて三朝町の本部体制が切り替われば私どももそこは切り替えていきたいと思っております。
○NHK 木庭尚文 記者
その場合は年内もあり得るというかたち。
●知事
そうですね、明日[12月28日]にでもまた年内の区切りとして災害復興本部等考える必要があるかなと思っています。
○日本海新聞 今岡浩明 記者
よろしいでしょうか。地震に関連してですが、先ほど説明されました中部の特別の相談窓口ですけども、これは相談体制、実際に相談を受けるのはどういったスタッフということになりますか。
●知事
それぞれの持ち場、持ち場がありまして、私ども県の方では例えば商工の復旧復興補助、こういうものをやったり、また住宅についてのご相談、補助金もございますし、それから生活相談などもあろうかと思います。実は、私どもの総合事務所のすぐ近くのところに中部の建設業協会がありまして、住宅修繕支援センター、これがそちらの方[中部建設業協会]にありまして、そこともできれば一体化あるいは連携ということでやろうと今練っているところでありまして、その辺固まったところできちんと広報しようと考えております。市や町もやっぱり年内は相談受け付けようという動きでございまして、こうしたところとも十分に連絡を取りながら進めていく必要があると思います。おそらく[12月]28日まで東京大阪等々仕事をされたお子さまたちが、あるいはご家族がふるさとへ帰ってくる、それで状況が状況ですからいろいろとお話合いなり、新年を迎える前に片付けなりをされるんではないかなと思います。そういうときに疑問が湧いてきたり、これからお金がかかることも当然ございますので、そうしたご相談などもあろうかと思うんです。我々としてはそれに応えていきたいと思いますし、金融機関さんも当然ながらそういう窓口業務などご配慮されるとも伺っておりまして、しっかりと円陣を組んで、被災地の悩みに応えていきたいと思います。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
すいません、関連してなんですが、1カ月のタイミングで中部総合事務所内によろず相談所、ワンストップで窓口を設けられたと思うんですが、あれが臨時でそのまま年内続くというイメージでしょうか。
●知事
それ[中部総合事務所の相談窓口]を分かりやすいかたちで活用しながら、分かりやすいかたちで開設をしようということであります。当地に不慣れなかたもたくさんいらっしゃいますので、分かりやすく、多分今の予定では明後日[12月29日]の9時に倉吉総合事務所の方に開設をしようとしております。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
すみません、違う話なんですけど、大福丸の件で、国の方にも要望をされましたけれども、県としても何らかの予算に盛り込んでいきたいということなんですが、今現時点で何か具体的にこういうような格好でというのがもしありましたら教えていただけますでしょうか。
●知事
まずは国の出方を注視しなければいけないわけであります。本来、この代船建造については国の仕組みと連動しながら県とか、町、漁協、協力して例えば漁船リース事業だとかを展開をしてきたんですが、近年急速にそこの国の支援が我々からすると狭まっているんですね。それで、浜の活力再生プランであるとか、もうかる漁業(もうかる漁業創設支援事業)であるとか、いろいろと漁船に使える事業も出てきているんですけれども、以前のように建造がなかなか進みにくい状態になっていると。先般、国会議員も交えて率直な意見交換を東京でさせていただきましたけれども、全国の調整の状況もなかなか難しいようでありまして、一朝一夕に、一気に進められる環境には持っていきにくい、そういうようなことが読み取れたところであります。ただ、そうはいっても国としても支援を考えてもらいたいと、[山本有二農林水産]大臣にも直談判をさせていただいたところです。今、農林省の水産庁の方でもよくちょっと状況を聞かせてくれと、できる支援ということは当然今回の大福丸事件の深刻さから考える必要はあるだろうとそういう認識はもらっていまして、どうしても年を越えると思いますが、国の方の支援のあり方をまずは注視をする必要があると思います。ただ、私自身の考えかたとしては、国の方の一定の支援を得ながら、それで国がまったく支援をしないということになったとしても、今回のような事故が我が県のカニ漁全体にも影響しかねない事態だと思っています。従いまして漁業関係者ともよく話をしたり、それから全国の状況も調べてみなければいけませんが、鳥取県独自の支援も視野に入れながら新規の当初予算以降の検討をさせていただきたいと思います。
まずは、今例えば網代におきます漁船建造の話が今進みかけておりまして、これについては1隻国の支援の可能性が出てきているんじゃないかとかねて思っていたところです。ただ、それ以外にも、だいたい今のカニ漁に出ている漁船の半分ぐらいは年数が経ってきておりますので、以前それを順次年次更新をしていくという計画も作って進めていたんですけども、それが国の方の方針転換で、今、止まりかけてきてしまっていたと、これもう一度ネジを巻き戻して、そして県独自の支援もある程度視野に入れながら、スピード感もった代船健造に進んでいく必要があるだろうと思います。ただ、非常に漁業経営体からすると資金力を必要とする部分がございまして、簡単には、例えば1年、2年、3年というスパンではいかないのもまたこれ事実でございまして、よく関係者とも相談してまいりたいと思います。
○NHK 木庭尚文 記者
代船、船の更新に加えてライフジャケットの話はそれとはまた別個にやるという認識でいいんですか。
●知事
ライフジャケットについては機能性のいいものが出始めたということであります。どういうものか、我々としても調査をさせていただき、新年度予算の中で、漁業関係者にご利用いただきやすいような支援制度考える必要があると思っています。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
漁船の関係ですが、沖底は鳥取県にとっての基幹産業の1つであります。先ほど半分ほどまだ更新が進んでないということですが、これからまだまだ難しい課題はあるんですが、知事の気持ちとしては、残りの老化が進んだ船を何年かの間にはすべて新しい船、安全な船に変えたいと、そういうお気持ちでしょうか。
●知事
漁業関係者のご意向がまず第1だとは思いますけれども、以前はそういう計画を立てていた時期もあるんです。その後、国の制度変更が重なりましてどんどんスローダウンして今止まりかけているような状況なんですね。多分国全体の問題があって、国家的にこの問題に本来向かなきゃいけないと思っております。そこで水産庁や農林大臣の方、先般も訴えかけをさせていただいたんですが、少なくとも新年度予算で急に増枠をするとかいう状況には結局ならなかったです。その中で、限られた予算を沿岸漁業の比較的小さな船、それから沖底船のように中程度、若干大きめの船、これとの配分の比率などもいろいろあるようでございまして、このカニ漁に依存している鳥取県にはあまり有利性のない状況だと思うんですね。それで、この辺は我々ももう一度考え直す必要があるのかなと。それで国の方の制度の遅れを漁業の方に現場につけを回すのはいかがかなと思いますので、新年度の当初予算の中で考える必要があるかなと思います。それで、例えば5年とか10年とかそうした一定の期間の中に、集中的に更新を進めるようなそういう機動性のある事業立てを考える必要があるだろうと考えております。
まだ、漁業関係者と十分すりあわせができておりませんで、今、皆さん捜索活動を、事実上海の上で操業しながら続けておられたり、カニ漁も最盛期で今すぐに次のことという話もなかなかできにくい状況でございますし、ましてご家族の今お気持ちもありましょうから、今いまちょっと協議を固めるというときには至らないと思いますけども、年明け然るべきタイミングで、そうした漁船の更新計画を漁業関係者とともにまとめていく必要があると思っています。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
更新計画をまとめるとともに、国の事業に乗っかれるものはもちろん利用するとして、それに漏れたものであっても県独自に代船支援を行うということでしょうか。
●知事
そうですね。私どもの県の財政規模だと、全部いっぺんにというわけにはなかなかならない事情もあります。従いまして計画的に建造進めていくという、そういうスケジュールを考えながら、県独自も視野に入れざるを得ないだろうと思っています。ただ、筋道としては本来国が支援をしながら、これやってきたわけでありまして、それが急速に我々のサイドからすると萎んできている、そこを改善してもらうのが本来であろうかと思いますが、ただ、漁業の現状みますとそういう建前論ばかり言うべきときではないだろうと思っています。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
すみません、大麻の関係でお伺いしたいんですが、先ほど緊急に年明けにPRをしたいということでしたが、今非常に若年層にやはりこの大麻というのが手に入りやすいという懸念がなされていますが、その若年層ですとか、県内に、県民に向けてどのような広報を具体的に考えていらっしゃるのか教えてください。
●知事
今回ですね、こういう残念な事件がありまして、社会的にも注目を集めているときであります。それで、それについて智頭町もこれから上野被告人と協議をして現状復帰、元のという意味ですけども、現状復帰をするそういう話し合いをしようということを言っていたりしておりますし、また、私どもの方で全国的にも異例の条例[鳥取県薬物の濫用の防止に関する条例の一部を改正する条例]を成立させたということもあるわけであります。それでここに至る大麻の恐ろしさ、それが言わばこう、何ですかね、あんまりじわじわと音もなく浸透してくるというか、私どもでいったら過疎地の再生になるという言葉にやはり本当に深刻な状況を持っている地域が乗っかってしまったという反省もあるわけですね。ですから、こういうかたちで大麻があなたのすぐ近くにやって来ますよと。それをやはり撃退しましょうと、乗ってはいけませんよということをやっぱりアピールしていかなきゃいけないと思うんですね。今回の事件の反省がそういうとこに活きていかなければ、ほんとの意味の薬物乱用防止にはつながっていかないとい思います。条例が今月[12月]成立しましたので、新年入りまして県の広報等含めて緊急にそうした啓発活動、PR活動をしていきたと思っております。
○山陰放送 日野彰紀 記者
地震の被害に関しては、観光の風評被害対策として官公庁の鳥取応援プログラムも決まったわけです。これからもその観光面でのその本格的な復興についての見通しをお聞かせください。
●知事
はい。観光業者と最近いろいろとタイミング、タイミングで話をさせていただいておりますが、地震の後の目がうつろな状況ではだんだんなくなり始めていると思います。それで、県やあるいは市町などあげて、県民の皆さまと一体的にキャンペーンをしてきたその効果が出て来ていることへのある意味、安堵と感謝の気持ちも聞こえるようになってきました。現実にもキャンセルは12月に入って止まってきております。その代わり年末年始の予約、週末の予約などもある程度入り始めています。ただ、問題はその10月の末~11月に大きな損失を出してしまいました。さらになかなか言いづらいことでありますけども、それぞれ旅館さんなど直すべきところもあって当然ながらその復旧のための資金もいるわけですね。そういう意味で、この年明け以降、通常であれば閑散期のこの時期にお客様を呼び込むことができるかどうかが観光地再浮上への大きなステップになります。
その意味で期待感もこの1月以降のキャンペーンにおかれているところでございます。現実に1月10日~3月20日までこれをやることにしておりまして、今日[12月28日]まで観光業者の方からの申し込みを受けさせていただいているんです。その状況いずれ今日、明日[12月29日]にはまとまるわけでありますけども、かなりの手応えというふうに申し上げられようかと思います。また、三朝町や湯梨浜町で独自にクーポンを出すなどもされました。これについては即日ないし数日間の間に完売してしまうというぐらい人気が出まして、わりと世の中の関心が復旧、復興をやりながら懸命に今、被災地で観光を呼び戻そうとやっている、これに対する消費者サイド、マーケット側の理解がかなり強いなと思っております。ですから、うまくすればこれに乗っかって行けることが可能ではないだろうか。
また、我々の方では実はバスの支援、独自支援をしております。それで、これも今募集をしてきたところでありますけども、宿泊を伴うもので1,000台、それから日帰りで800台、合計1,800台申し込みがきております。これは想定以上に多い申し込みの状況でありまして、これもかなりある意味、観光地、これはお土産物屋さんも含めて効果も出てくるではないかなと期待をしています。年明けはこのバス支援と国の支援ももらいながらの、とっとり待っとりますキャンペーン、観光商品助成、これがセットで動きますので閑散期をむしろもう一度観光地の活力を再生させるそういうステップになればと思っています。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
すみません、未来中心のことなんですけれども、アトリウムがゴールデンウィーク前後になるということで、工事にその影響を、工事というか、大ホールとか小ホールが先に開館されて、それに影響が出ないようにというふうにおっしゃられたんですが、音の問題だったりとか、そういったところもあるかと思うんですが、実際は本当に影響が出ないようにできるんでしょうか。
●知事
オープンのままだと影響はどうしても出ます。ですから今、指示をしておりますのは遮蔽をして、工事箇所とそれから大ホールなどとの間仕切りを、仮設ですけども入れるということです。それで、また小ホールの方に新設の玄関を造ると。従来天井が落ちて入れないメインエントランス、あそこのところの入り口が基本的な出入口だったんですけども、そのサブとしてもう1つ出入り口を作ると。これによって間仕切りがあればそこを通って小ホールなり、大ホールなりへの導線が確保されるということになります。実は未来中心自体が非常に特殊な作りなっていまして今から考えるとなんであんな、当時、県の方であんなアトリウムみたいなものをわざわざ作ったのかということだと思うんですけども、アトリウムがない頭になっていただきますと、あそこには大ホール、小ホールのいわば公民館的部分、それから研修やセミナーに使えるセミナールーム等々の部分、そこに食堂が併設をされている、男女共同参画センターがある、そういう1つの建物のまとまりがあって、その反対側にはまた鳥取二十世紀梨記念館、今で言うなしっこ館、これが造られているわけですね。そのなしっこ館と例えば大ホール・小ホールは、実は建物がつながってないわけですね、それで、アトリウムがそれをつなげているという特殊な構造になっているんです。
ですから、それぞれの出入りができれば、実は館の基本的機能はアトリウム内で行われていたような、展示等のフリーマーケットのような、イベントを除けば基本できるわけです。ですから、アトリウムだけにあとは焦点が絞られてきましたので、未来中心の機能はほぼ全面的に今年度中に戻すことができると。ただアトリウムはああいう特殊な構造を入れてしまったものですから、これはちょっと切り離して1中旬以降3カ月ぐらいにはなると思います。ゴールデンウィーク前後と申しましたけれども、ちょっと時間がかかるわけでありまして、それはそれで工事を切り離して行うことは施設的には十分可能だとご理解いただけようかと思います。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
直すときに、同じように直して再び災害が起きた場合に、また同じような被害が出ることも懸念されるところであると思うんですが、どうされるんでしょうか。
●知事
もちろん、今考えている工法によれば同じことが起きないようにするための工事をするわけです。実は原因分析の過程で分かってきましたのは、1494ガルという倉吉での揺れがございました。これがかなり強いもので、818[ガル]の阪神大震災を上回る揺れであったことが分かってきています。それがアトリウムでは、1894ガルに達していたと。それで、共振と言われる現象が起きたんですね。0.4秒のところの揺れが強かったわけです、周期的には。それでその0.4秒の周期に反応するようにたまたま設計がなっていたんですね。ですから、アトリウムの鉄骨のところが極めて特に揺れたわけです。それで、そこのところがあるもんですから、今回の被害につながったわけであります。同じようなことが起きないような工法をどうしたらいいのか、これを年を跨いで最終的に詰めさせていただければと思っておりまして、来月の今頃[1月下旬]には工事に着手できるようにしようということであります。それで、その分析や方向性について、昨日専門家のご了解が得られたところでありまして、同じような地震による被害が生じないような再発防止レベルで整えていきたいと思っております。
○NHK 木庭尚文 記者
漁船の関係なんですけども、基本的に県がその代船の支援をしていくというのは、カニ漁などを行う沖合底引きの船を検討されているということでしょうか。
●知事
今、緊急整備的にはそうだと思っています。実はこれ本当に漁業の世界っていうのは難しいものでありまして、漁船っていうのはもの凄い投資なんですね。あとスケジュールの問題もあるんですね、その漁船建造っていうのは、うちだと福島造船さんっていう、島根県の方の造船所さんが多いんですけども、そうしたところで建造されるキャパシティの問題もありまして、一気にとにかく安くで上げられるというものではないんですね。それで、ですから、非常にその投資が最初に先行しますので、金融機関などの協力も得ながら進めていかないと代船建造は進まないということです。船の大きさにもよると思うんですね。沿岸の小さな船であればさほどの投資がなくてもできるわけでありますけども、それでも一定の投資が必要になる。それで今、国の方の助成制度はどちらかというと、この沿岸の小さな船向けにはある程度確保しやすい構造になっていまして、沖合底引きのようなレベルはちょっと数がでないような格好になっています。ですから、そうした国の方の助成制度の構造も、ちょっと分析をしながら対策を考える必要があると思うんですが、今回緊急に出てきたのは沖合底引きの代船建造が進まないという問題点でありまして、まずはここに対処する必要があると思っています。
○中国新聞 川崎崇史 記者
ちなみに、いわゆる新造船を新たに何か建設、その建設費に直接その支援を県としてするのか、それともその金融支援でよくあるような保証料であったり利息だったりという部分を支援するのか、どちらの、もしくは両方の、どういう考えで支援を考えられているんですかね、今後。
●知事
今までもそういう建造費の直接支援のやり方もあれば、リース料として、リースを組んでそのリース料に対する支援というやり方もありました。そこをどういうふうに組み合わせながら考えていくかということだと思っています。
○毎日新聞 高嶋将之 記者
ほか質問はよろしいでしょうか。では、これで終了させていただきます。