今まで倉吉梨生産部、倉吉市果実組合ともに、鳥取県のナシ新品種である「新甘泉」に焦点を当てた現地指導会が行われていませんでした。そこで、倉吉普及所が主催して“新甘泉研究会”を立ち上げ「新甘泉」の栽培管理方法を基礎から学んでいくこととしました。その会の1回目の取組みとして12月18日に園芸試験場でせん定講習会を開催しました。
普及所による司会進行 専門技術員によるせん定講習
出席した生産者やJA職員から、「新甘泉」の短果枝の維持年数や、成らせる場所、予備枝の更新などについて質問が積極的に出されました。初めて開催した会としては出席者も多く、盛り上がりました。「新甘泉」の栽培に強い関心があることがうかがえる会でした。引き続き「新甘泉」を中心とした学習会を開催し、新甘泉に対する理解を深めてもらう予定です。
倉吉梨生産部の新甘泉は、出荷量がようやく7,000ケース(10kg)を越えてきたところ。まとまった新植で推進していきたい情勢。このたび、倉吉梨生産部が倉吉市で第1号となる新甘泉ジョイント栽培に取り組むこととなり、300本、20aの定植作業を完了した。
一気に定植作業を終了
倉吉農業改良普及所では、有望な鳥取県オリジナル品種「新甘泉」を、早期成園化・作業省力化が図れる「樹体ジョイント仕立て栽培」と組み合わせ栽培する方法(以下、「新甘泉ジョイント仕立て栽培」)を推進しており、各種研修会の開催をはじめ技術支援を行っています。管内では「新甘泉ジョイント仕立て栽培」への機運が高まっているところであり、平成28年12月20日(火)には、「新甘泉ジョイント仕立てせん定研修会」と「新品種ジョイント仕立て視察研修会」を開催しました。
「せん定研修会」には倉吉農業改良普及所管内の生産者17名が出席し、管内で「新甘泉ジョイント仕立て栽培」を導入している3園でせん定の研修を行いました。慣行の仕立てに比べ樹形が単純であり、初心者にも取り組みやすいとの声があがりました。(写真1)
「視察研修会」には生産者10名が出席し、県東部の「新甘泉ニューモデル園」を中心に3園を視察しました。3園とも栽培管理に特徴があり、参加者は刺激を受けている様子でした。(写真2)
写真1 せん定の実演(せん定研修会にて)
写真2 園主と意見交換(視察研修会にて)