防災・危機管理情報


知事定例記者会見(2017年1月20日)

平成29年1月20日(金)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約59分) ※MPEG4形式

  

1 市町村長との行政懇談会 

●知事

 皆さまおはようございます。先般は市町村長とともにいろんな話し合いをさせていただきまして、特に鳥取県中部地震、あるいは来年度[平成29年度]予算編成も見据えながら地方創生対策、特に子育て政策を話し合ったところであります。子育てにつきましては、在宅保育を全国で初めて鳥取で挑戦しようということに全ての市町村の賛同が得られた状況でありまして、ぜひ、これ、今度は議会の方に提案をして実現をしてまいりたいと思います。あと、もう一つの鳥取県中部地震対策でございますが、市町村長さんの方からもぜひ今回のことを検証していこうと、また、今、問題点となること、これをいろいろと補っていく必要があるのではないかという話し合いがありました。そういう中で、住宅については基金を積み戻すべきではないかということもございまして、これは新年度[平成29年度]、今の被災市町が落ち着いたところで、平成30年度からの積み増しを念頭に、話し合いを新年度[平成29年度]まとめていきたいと思います。基本的には一部損壊なども、今後恒久制度化することも視野に、話し合いをすることになるのではないかと思います。そんなような方向性での議論が多かったと思います。

あと、もう1つ大切なことは、今回被災をしたわけでありますが、この復旧・復興対策を速やかに進めること、それと合わせて検証や防災に役立てていくことであります。今回、市や町、被災したところもそうした検証をしようと自らアンケート調査をしている等の報告もございまして、一定程度被災直後の慌ただしさから抜け始めているのではないかなと思われます。したがいまして、この度そうした検証作業に着手することにいたしたいと思います。これはいくつかのステージがありまして、今後段階を追って進めていくことになると思いますが、その検証の進める、まず市町村とよく問題意識をすり合わせる意味で、防災危機管理研究会を今月[1月]中に招集をしまして、これは実務レベルでありますが、検討作業、検証作業に入ることにいたしたいと思いますし、これと平行して市町村向けであるとか、あるいは福祉施設や病院、そうしたあるいは産業界等事業者などアンケート調査を今月[1月]中にスタートをさせていきたいと思います。それで大所高所からの議論をする必要があります。




2 鳥取県中部地震の検証と今後の取組 

●知事

そこで市町村長さんとも話し合ったその方向性を考えてみますと、鳥取県中部地震を乗り越える防災対策会議を設置をして、市町村あるいは産業界、事業者、また福祉関係者など含めて今後の防災対策を話し合うこと、検証作業を進めること、これに舵を切らせていただければと思います。2月[定例]県議会が始まりますので、2月県議会の前に、この鳥取県中部地震を乗り越える防災対策会議を設置をしまして、話し合い、検証作業をそうした大所高所のレベルでも始めたいと思います。そういう中で、議論の中で出てきました、例えば外国人の避難対策であるとか、情報提供、また、障がい者等災害弱者に対する対応策、あるいはさまざまな防災の基盤づくり、こうしたことなどがあろうかと思います。

そういうことと実は、今、連動しまして鳥取県としてあいサポート条例、障がいを知り、共に生きるという考え方を基にしまして、障がい者が暮らしやすい地域づくりの基本条例を作ろうとしていますが、これがかなりその災害弱者対策とオーバーラップしてくると思われます。従いまして、この検討と合わせて[鳥取県]防災[及び]危機管理[に関する]基本条例、こちらの改正作業も始める必要があるだろうと思います。これらをセットにして2月県議会でも早ければと思っていましたが、そういう防災の根本問題と連動してくることになってきましたので、6月県議会以降の提出を目指して、防災危機管理基本条例とあいサポート条例とそれをセットで提案をすることを目指したいと思います。この作業でございますが、アンケート調査なども進めながら、今、実務上浮かび上がった課題も実務レベルの会議であぶりだしてくる、その中でまずそうした基本条例に書いていくべきこと、これを検証していく必要がある。年度の頭ぐらいですね、新年度[平成29年度]にその辺をよく議論をしまして、できれば6月[定例]県議会に、まずはその条例の提案をする。

それで、そのことと並行して出水期までに防災のマニュアルの一部を直していかなければいけないと思います。その防災マニュアルの一部の改正、そうした一つの塊を梅雨時くらいには共通理解を得て、市町村と一緒にまとめていければと思います。それで、最終的にはこうした鳥取県中部地震を乗り越える防災対策会議との検討を進めながら地域防災計画の練り直しに進んでいくわけでありまして、この地域防災計画は、秋以降、年度末[平成29年度]までに改定していけるように準備をしていきたいと考えております。こうしたことをいろいろと今後スケジュールを組みまして、この間の市町村長との行政懇談会を踏まえて検証作業に直ちに入らせていただきたいと思います。




3 復旧復興に向けた取組の状況 

●知事

現在の復旧・復興の活動状況でありますが、災害査定を受けたわけでありますが、だいたい98%、99%というレベルで県のものについては、ほぼ認められたかたちでございます。市町村もおおむね認められたかたちになっています。今月[1月]末までに40%程度、作業を進めさせていただけるんではないかと、そういう見込みになってきていまして、例えば[国道]313[号](北条湯原道路)であるとか、事業にどんどん入っていくということになろうかと思います。そういうなか、[倉吉]未来中心につきましては小ホールの開業を[1月]27日に行うことになりましたが、この日無料のコンサート弦楽四重奏をこけら落しとしてやろうではないか。今、[鳥取県]文化振興財団と協議をしているところであります。このようにして一歩一歩、復旧・復興を、地震の対応ということを進めさせていただきたいと思います。

これと連動することとしまして、中山間地の振興の基本条例(鳥取県みんなで取り組む中山間地域振興条例)、これの改正は今進めてまいりましたが、1月16日にパブリックコメントが終了しました。幾つかご議論が寄せられまして、特に中山間地対策のうちの防災関係、中部地震がございましたので、これについてのご意見が数多く寄せられたところでもございました。これらを踏まえて、最終的な案文を固めていきたいと思います。新しい条例の枠組みとしては、まず第一にはこういう地震という災害があったことを踏まえまして、安全で暮らしていける、そういう防災に強い、災害に強い中山間地づくり、これが一つの柱になろうかと思います。見守り活動であるとか、共助であるとか、消防団を初めとした消防防災体制づくりであるとか、そうしたことを基本条例の中で書いていきたいと思います。それと併せて移住定住対策ですね、これも焦眉の課題になってきたところでございますし、中山間地の担い手、今後の振興の担い手、それについての対策。こうしたことも基本条例の中で書いていくことにいたしたいと思います。昨日[1月19日]常任委員会の方にもおおむねの考え方を示したところでありまして、最終の案文を固めてこれは2月県議会に提出をしてまいりたいと思います。




4 学校の耐震化、避難所としての防災力強化 

●知事

学校関係では、給食について倉吉独自で今、給食センターが動けないところ、これを直しているわけでありますが、3月にも改修が終了する見込みにはなっていますが、いろいろ東宝ストアさんだとか、ご協力を得ながら給食の充実を今図っておられます。差額の半分の1,000万[円]は県の方で負担をさせていただこうというふうにオファーをさせていただいているところでございますが、こういう学校の安全対策も重要な課題です。例えば、天井等の非構造材の対策等々の改修も必要になります。これにつきましては新年度[平成29年度]の予算の中でも1億2,000万[円]ぐらいになるかなと思いますが、そういう学校の非構造材などの耐震対策、これを強化をしていきたいと思います。また、約1億円ぐらいかけて、県立の学校の体育館、これで避難所に指定されているところの洋式トイレ化であるとか、また小中学校の方のそうした施設整備の支援であるとか、またWi-Fi[無線LANの規格のひとつ]環境、これを整えることなど避難所として活用される場合の学校の防災力強化、これもする必要があるだろうと思います。先般、[鳥取県]総合教育会議を開催しまして、こうした方向性についてご了解が得られたところでございます。



5 トランプ米新大統領の就任と県内企業等への影響と対応 

●知事

いよいよ今日[1月20日]という日づけでアメリカで新しい大統領が誕生をします。[バラク・]オバマ大統領から[ドナルド・]トランプ新大統領に引き継がれるイノギュレーション・セレモニー、就任式が開催をされることになります。今、首都ワシントン[D.C]ではその準備が進められているところであります。オバマ大統領はある意味、理想を高く掲げながら、もともと人権派の弁護士であったこと、活動家であったこと、その言わば生い立ちを色濃く出したそういう8年間であったんではないかなと思います。私自身もオバマ大統領と同じ年でありまして、大統領が去られるということに一方ならぬ感慨を覚えるものでございます。これからどうされるかにも注目が集まりますが、例えば、人の尊厳に係わることや、あるいは報道機関に係わること等々、場合によっては声を挙げていくということを言いながら、この度去られたところでございました。グッドラック、幸運を祈るというのを最後の言葉にされましたけれども、アメリカがよき方向に向かうことを私たちとしても願うものであります。

トランプ新大統領はこの度就任演説を20分ほど行うのではないか、こういう報道になっていまして、その中で、雇用、あるいは貿易、また移民対策、インフラ整備といった項目に触れるという報道が出ているところでございます。どういうような方向性になるかわかりませんが、早速大統領令も発令するということも言われていまして、これからのアメリカ、そして、アメリカに反響が広がるでしょうから、世界の動向に注目をしていかなければなりません。また、イギリスでは[テリーザ・]メイ首相がハードなタイプでのEU離脱、これをブレグジット[英国にEU離脱を指す造語]として表明されたわけでございます。これも少なからずヨーロッパのあり方、世界経済のあり方に影響を与えると思われます。

今、トランプさん初め、欧米の動きが大きく世界中で報道されていますが、アジアに振り返ってみますと隣の国でサムスン[電子]の副会長の起訴は見送られたものの、起訴というか、逮捕は見送られたものの、その疑惑についていろいろとパク・クネ大統領含めて議論がなされている。それで、大統領選挙が行われることは疑いないところであります。また、習近平体制、これが引き継がれるんでありましょうが、ステージが次に移ることになる。今年[平成29年]は大きく激動する年になります。これの、特にトランプ新大統領の影響はいろいろと今も言われているわけでありまして、今日[1月20日]も115円に円相場が若干戻すなか、株が少し高まって始まっていますけれども、いろいろと神経質な展開が最近進んできていることは疑いないわけです。

そこで、県内の企業さんのいろんな考え方も我々の方でちょっと聞かせていただいているんですが、一つはTPP[協定]のこと、これは農業関係者が注目をしているわけであります。TPPが例えポシャったとしても返って厳しい日米間のFTA[自由貿易協定]に話が発展するのではないか、この辺の懸念を持っておられるかたが少なからずいらっしゃる。これは条約の問題がありますので、我々としても政府の方に申し上げるべきこと、今後も言っていく必要があるというのがあろうかと思います。併せてNAFTA[北米自由貿易協定]、この扱いがおそらくいの一番にやり玉に上がりかねないわけでありまして、既にこの度就任する予定となりました商務長官もNAFTAの再交渉を明言をされています。それで、日本の自動車業界も数多くメキシコに今生産拠点を持っていまして、それで部品産業が中心の本県もこれと関わる企業さんが多く立地しているところであります。そこで直ちに影響はないのではないかと言っているところ、これはアメリカにも拠点が既にあるところであるとか、メキシコ経由であっても、アメリカ経由であっても、どうあっても自分の部品が出ていけるところなどはそういう言い方をされますが、既にメキシコの増産に向けて部品を輸出することを目指していた企業さんの中には、今そうしたメーカー側の要請で部品の製造を一旦中止しているところも出始めています。ですから、こうしたNAFTAの取り扱いというのは、本県経済にも影響する可能性があります。そしてヨーロッパの動向、あるいは韓国や中国の動向、そうした国際的な対応力というものを、ある程度こう我々としても考えなければならないのではないかと思います。

そこで国際経済変動対策事業というのをこの度作らせていただこうと思います。国際経済変動対策事業で、1つには融資を、これ低利の融資として組ませていただく制度融資を作らせていただこうと。その制度融資のスタートをする準備に入りました。今、金融機関とも話し合いを始めておりまして、早ければ来週から、[年]1.4%台の低利融資と、それからあと[年]0.2~0.6%台ぐらいでの低保証料での適用という制度融資枠を設けようと思います。具体的には10億円の枠を設定して3月31日までの融資枠として設定したいと思いますし、新年度[平成29年度]もこれを引き継いでいくような予算を計上していく必要があるかなと思っています。かなり長いスパンで、今年[平成29年]はそうした国際的な経済変動というものが見込まれるわけでありまして、ある程度本県としても余力を持った対応をする必要があるだろうと思います。

また、販路拡大等々、そうした生産やご商売のやり方を再構築していく研究事業と言いますか、そういうモデル事業を、これも900万円、こうした対応として今年度[平成28年度]キープをしてみたいと思います。また、これも新年度、また予算の中で議論して、どういう助成制度などを設けて新年度[平成29年度]対策に当たるかということも検討してみたいと思います。トランプ新政権誕生にあたりまして今後見込まれる国際経済変動、これに対応する事業をスタートさせて、県内企業の応援を今後フォローアップとしてやってまいりたいと思います。




6 国際定期航路の搭乗状況 

●知事

こういう海外の関係では、航空便で今香港と旧正月の中国の方は春節前の若干客足が鈍る時期でございまして、今59%ほど1月はということでございますが、2月また取り戻すのではないかと言われています。私どもでありがたいのはエアソウルの便が好調を取り戻してきたことでございまして、1月はおそらく4,100人は超えてくるのではないか、これは1月としては史上最多になると思います。これで70%台の半ばから後半にかけての搭乗率になるのではないか。

今まで進めてまいりましたホームショッピング、テレビショッピングとか、それからSNSなども活用した、あるいはメディアを活用したいろんなキャンペーン事業、これが実を結び始めていまして、予約状況を見ますとカニや温泉というものをベースにした予約が比較的好調に入るようになってきました。ほぼ震災の影響は取れ始めてきているのかなというように関係者も見ておられます。ぜひこうしたさまざまな海外とのパイプ作りということを強化をしていく必要があり、片方で国際経済変動に備えていく必要があります。




7 国内空路の夏ダイヤ設定 

●知事

飛行機のことで言いますと、昨日[1月19日]は国内便につきまして新年度[平成29年度]の夏ダイヤの公表がございました。私どもは今、全日[本]空[輸株式会社]さんということなんですが、米子便と鳥取便それぞれ5便と6便ずつということであります。それで、実は先般篠辺[修]社長とも直接面談をして、もちろん震災対策ということもあり、ぜひテコ入れをしていただきたいということも申し上げておったところであります。米子便については季節的には7、8、9月が機材繰りとの関係と伺っておりますけども、5便化されることになるんですが、山陰で初めてボーイング787[型機]が就航することになりました。335席の提供ができるわけでありまして、これとほかの機材も含めて9%提供座席が増えるというふうに言われているところであります。今までの傾向としては山陰では東京出雲便の方が少し提供座席が多めだったんですけども、これになりますとほぼ匹敵というか、若干超えるかもしれません。出雲便がどういう機材を組むのか分かりませんので、ただ、従来の出雲便は水準としてはこれで超えてくるぐらいになるところであります。こうなりますと観光対策も強化しなければなりません。そこで今、新年度[平成29年度]予算の中で検討しようとしていますが、首都圏からの航空路線を使った誘客キャンペーン、これネット上での販売の支援等が中心になると思いますが、それを今回の[ボーイング]787[型機]投入に併せて組んでいく必要があるかなと思います。

また、全日空の方にも、787を山陰に投入するということなど、ぜひ震災の復興ということもあり、キャンペーンを全日空側でも組んでいただけないかということを申し上げていきたいと思います。料金設定につきましても多分篠辺社長の方のご配慮だと思いますが、8,900円とか、9,000円台のようなかたちで、旅割75で安めの設定を今回してもらうことができました。全日空さんもそういう意味で新年度[平成29年度]のダイヤに山陰、そして鳥取県にご配慮はあったのかなと思われます。もっともっとそうした航空便を活用されて便数増や提供座席増が実現していくように我々としても全力を挙げてまいりたいと思います。




8 蟹取県ウェルカニキャンペーンの反響 

●知事

蟹取県ウェルカニキャンペーンでありますが、今のところ昨年よりも3割程度上回るようなかたちで応募がきているところでございます。そういうようなことが評価されたんだと思いますが、日本全体でのそのプロモーションの企画のコンテスト(第26回日本プロモーション企画コンテスト)で、本県が地域プロモーションの特別賞(地域キャンペーン特別賞)を受賞することとなりました。蟹取県キャンペーンがそういうかたちで評価をされたところでございます。2月9日に他部門と併せてグランプリを決める表彰式があるというふうに伺っておりますけれども、私どもの、あまり大きなお金をかけない中でもできるだけ効果のあるキャンペーンを、知恵を出してやっていこうということのご評価をいただけたことに感謝を申し上げたいと思います。ぜひ、一旦地震で観光需要がしぼみかけたところでありますので、盛り返して取り戻していく、そういう弾みになればというふうに考えております。



9 和子牛初競値が平均価格が全国史上最高値に 

●知事

食のみやこ鳥取県として旗を掲げてやってまいりましたけれども、和牛王国を復活しようと、昨日[1月19日]は朗報が届きました。本県の和子牛のセリ市場におきまして平均102万円という高値となりました。これは全国のそうした和子牛の市場で史上初めての100万円越えでございます。最近全国的にも和牛、和子牛の価格が上がり始めていたところでありますが、本県の鳥取和牛がその最高値ということで、歴史を塗り替えたわけであります。全国のそういう和牛関係者にも非常に衝撃的な競りに昨日[1月19日]はなったところでございました。原因としては、「百合白清2」、あるいは「白鵬85の3」という本県のスーパー種雄牛が全国で評価をされまして、買いつけに来るかたがたが殺到したという熱気があったと思います。ぜひこれを和牛王国復活、鳥取和牛のブランド力アップにつなげていきたいと思います。



10 食のみやこ鳥取県の展開 

●知事 

折しも今、[1月]23日まで東京の日本橋三越[本店]で鳥取のセレクトのショップをやっているところでございますし、来月[2月]には新宿の伊勢丹の本店におきまして、これも鳥取のフェアをやろうということであります。こうした場を活用するなどしてPRをしっかりとしていきたいと思いますし、新年度[平成29年度]には、これまた予算もこれから検討することになりますけども、こういう大きな記録が出ましたので、新年度[平成29年度]いよいよ「百合白清2」や、あるいは「白鵬85の3」の子のその血の入った肉を、今言う、三越とか伊勢丹といったような有名デパートで高値で販売する。そうしたことを現実にもやってみる予算を組んでみたいと思います。勢いをぜひここで勝ち取って、また秋の和牛共進会(全国和牛能力共進会宮城大会)で、できればそれこそ優秀な成績を上げて鳥取和牛の名を高らしめていければと思います。

ジビエにつきましても、鳥取のジビエを強化をしようと、今[平成29年度当初]予算の議論の中でも始めたところでございますけれども、明日[1月21日]、明後日[1月22日]、新橋におきまして岡山県と共同でジビエのフェアをやり、倉吉農業高[等学]校も出ていって、鳥取のジビエの販売などをすることにしたいと思いますし、また、来週[1月24日]から東京の10のレストランで鳥取のジビエのフェアを初めたいと思います。今、ジビエ関係者の間でも鳥取のジビエの質がいいということが評価を集めてくるようになりました。これまでの関係者のご努力とか、あるいはその生産流通の改革をしまして、この評価が出てきたんではないかなと思っています。そんなようなことをこれからもしっかりとフォローアップをしてまいりたいと思います。



11 岡山県との両県知事会議 

●知事

来週ですね、岡山[県]の伊原木[隆太]知事と会議をすることになります。それで、本県の方で岡山[県]側と調整しまして倉吉で行うことにして、ぜひ、被災にあたりまして応援をいただいた岡山県知事もお越しをいただき実情を見ていただきながら会議をしたいと思います。倉吉の[梨]選果場、実は梨が落ちてしまった時、真庭市で購入していただくという支援を岡山[県]側からもしていただきました。そういう農家ががんばっている姿、それから、被災の状況を見ていただきたいと思います。また、併せまして、そうした防災協力体制を話し合うこと、それから[米子-]香港便など両県協調した観光誘客を図ること、また、有害鳥獣対策、こうしたさまざまな課題について話し合うことにしたいと思います。

交通関係でも、高速道路の4車線化等々、課題を話し合うことになりますが、鉄道についても両県にまたがる鉄道が[JR]伯備線や智頭急行といったことでございますが、こうした高速化について、これも岡山[県]側と一緒にその高速化の端緒を開けないかどうか、そうした話し合いもしてみたいと思います。この機会に両県またがるライオンズクラブの皆さんがやって来られまして、本県の方にご支援をいただけるということでありまして、伊原木知事にも立ち会っていただきながら、そういう義援金をいただくセレモニーをすることも計画をいたしております。




12 今後の日程 

●知事

また、関西の方にも今年は食の博覧会、食博がある年でございますし、これから万博のかけ声もかかってくるわけであります。経済界のかたがたとの話し合い等にも、本県からも私も出席をさせていただこうと考えておりますし、今日[1月20日]はこの後、京都の方に参りまして、京都の学長さんたち(京都府、滋賀県内の私立学校の学長)と鳥取の地域づくりについて話し合い、懇談をさせていただくことにいたしております。

また、先ほどの和牛の新記録も出たわけでありますが、「あまから手帖」という手帳の出版関係や門上先生、[トワイライトエクスプレス]瑞風のメニューのプロデュースをしている先生ですけど、こうしたかたがたにも鳥取の食、和牛の魅力などをアピールしたいと考えております。明日[1月21日]は、また川中香緒里選手に、先般のオリンピックでの労をねぎらいスポーツ顕彰を差し上げることにいたしたいと思っています。ようやく雪も戻ってまいりまして、スキー場のにぎわいも普段どおりになり始めました。多くのかたがたにも鳥取を楽しんでいただければと思っております。私からは以上です。




13 鳥取県中部地震の検証に関するアンケート 


○山陰中央新報 原田准吏 記者

 すみません。中部地震の関係のことなんですけれども、この度、検証するようなアンケート調査を実施されるということだったんですけども、どれぐらいの、具体的にはどれぐらいの規模で、例えばどんな項目のアンケートになるんでしょうか。それとこのアンケートの活かし方ですね、先ほど何か防災対策会議というような話もありましたが、その辺との関連性もお願いします。


●知事

 先般、市町村長さんと話し合いをした際ですね、検証作業に入ろうというご意見が多く出されました。私どもとしては、復旧・復興対策に影響がないように市町村長さんの考え方も聞きながらと思っていたんですが、言わばゴーサインが出たと思っています。従いまして本格的に検証作業に入る必要があるだろうと思います。アンケートは、アンケートのためのアンケートではないわけでありまして、私どもがこれから防災のマニュアルを改訂をするとか、防災危機管理基本条例の改正をするとか、そうしたこれから、今回の被災これも貴重なレッスンだと思います。これを活かすようなことを考えたいわけでありまして、反省すべきこととしてこういうことがあるのではないだろうか、それから改善すべき点、こうすればもっといい対策になるんではないかとか、その辺を、お伺いをする必要があるかなと思っています。

実は、先般も石田[耕太郎 倉吉]市長が自分たちとしてもアンケートを始めたということをおっしゃっていました。それで幾つも同じような調査をやってもしょうがないと思いますので、対象者としては市町村とか、それから事業者であるとか、福祉団体であるとか、関係者であるとかそういうところにいろんな状況を総合したお答えをいただくようなかたちでのアンケート調査にすべきかなと思っています。例えば避難所でのこういうところが不足していたのではないかというようなご指摘をいただくとか、それから例えば設備としてこんなものもやっぱり必要ではないだろうかとか、人材の問題も特に福祉避難所の設置では言われました。それで、これについては来週社会福祉士さんとか、介護福祉士さんだとか、そうした関係者とようやくその協定(災害時における要配慮者支援活動に関する協定)を結ぶことができることになりまして、一定程度補われると思いますけども、そうした実際の被災体験に基づく課題のあぶり出しをしたいということであります。

それでこのアンケートの調査と並行して実務レベル大切だと思うんですね、やっぱり実動部隊で見聞きされたこともございますし、また、現実に災害対策は人が動いて初めて進むものでありますので、その最前線の人たちの自己改革ということも重要でありますので、そういう実務レベルでの議論のスタートと併せてアンケート調査も始めたいと思っています。これは今月中にというふうに申し上げたわけでありますし、それで、ただそういうことを最終的に結論付けて、例えば産業会であればBCP[事業継続計画]の改訂っていうこともあると思います。それから福祉施設等であれば、これから実際福祉避難所を作るときにどうやったら協力できるかということもあると思いますし、そうしたそれぞれの関係者がこれを機会に対策を再検討して次に備えるということになるわけでありますが、その調整を図ったり、県全体の対策を取りまとめる、そういう意味で今回鳥取県中部地震を乗り越える防災対策会議を設置したいと思います。

それで、ここにアンケートの結果をフィードバックしまして、その結果に基づいた新しい条例の中身、それからマニュアルの中身、また地域防災計画や避難計画の中身、これにつなげていきたいと思います。また、これは県側でありますけども、市町村もその成果を持ち帰っていただいて、ご自身の計画作りやマニュアル作り、また企業さんもそうでありますし、福祉団体もそうでありましょうし、そうやって知見として共有するようなアンケートにしたいと思います。


○山陰中央新報 原田准吏 記者

 規模としては被災地の市町村だったりとか、事業所だったりとか、福祉施設だったりとか、結構事業所とか福祉施設だったら抽出するわけではなくて、全体的にこうやってしまうっていう感じなんですか。


●知事

 そうですね、そういうレベルであればある程度悉皆的に、別に被災市町村と言われるところに限らず、これ県全体の防災対策でありますので、それぞれのお考えも含めてお聞きをいたしたいと思います。ただ、例えば集落の中とかそういうところはもう倉吉だと倉吉市さんが始めたそうなんで、そういう意味での大規模な広範囲というとこまでやる必要もないのかなと、それは市町村が独自に今始められていますので、そこはそこでその結果を踏まえたお答えをいただくことでいいんではないかと思っています。





14 鳥取県防災及び危機管理に関する基本条例の改正 


○日本海新聞 北尾雄一 記者

 防災管理基本条例の改正ということも言われましたけど、現時点でどういった視点での改正が必要と見込まれるかということと、それから最終的にこういった条例、それから県の地域防災計画に結びつけていくわけですけども、どういったことを重視して検証作業をこれから進めて、どういう計画、実効性のある計画にしたいかという、その思いを改めて聞かせてくだい。


●知事

 これについては災害対策基本法など国の法律もあるわけでありますが、他方で個別の個人情報保護条例などもございます。先般の市町村長との行政懇談会で石田市長の方から問題意識が出されましたのは、例えば障がい者団体からのご意見があったことなども踏まえてだと思うんですが、どういうふうに個人情報の課題と整合性をとりながらがら、速やかに避難を進めたり、あるいは避難所やあるいは在宅で避難生活をされるかたもいらっしゃいますけども、情報伝達を図ったらいいか等々という意味で、要支援者の名簿を活用することは必要になるわけですね。それで、ここに個人情報も含まれております。それで、これをどう扱うかっていうのが今回現実に発災したあと倉吉で悩みだったと思われます。倉吉市さんは実は何もしなかったわけではなくて、市の職員などでそういう被災されたかたがたを現実に回っておられますし、ただ、そこに障がい者団体が協力してもらうとか、いろんなやり方がもっとほかにもあり得たのではないかということだと思うんです。

これは倉吉さんに限らず余所でもそうでありますし、実は全国通じて非常に難しい課題になってきています。この辺も、例えば防災危機管理基本条例中で可能な措置を市町村の方でとれるようにしてもらう、そういう促進策などを条例上盛り込むこと等も考えられようかと思います。それで、条例の書きかたによっては防災対策基本法などとの絡みで、そうした個人情報の開示などもやりやすくなる可能性もございます。この辺、非常にセンシティブ[慎重を要する]なイシュー[問題]なものですから、いろんなアンケートのご意見なども参考にしながら皆で話し合って本県全体としての方向性を出していくのかなと思います。やはり理想申し上げれば、今も実は本県の防災危機管理基本条例に書いてあるんですけども、そうした要支援の人たちに対して個別にこう避難誘導などができるような体制を作りたいわけでありますが、現実問題まだ個別支援計画というのができたところは4つしかなかったり、そういうように現場で非常に苦労もあるのも事実であります。ただせっかくこういう貴重な経験を県全体でやったわけでありますから、本県は全国をリードするようなかたちでそういう個別支援計画を全市町村で作るとか、そういうところにいけるような、何かこう手立てを、これは法的な問題があるもんですから、条例ということでもアプローチする必要があるのではないかなと思います。

それで、また外国人であるとか、障がい者のかたへの情報提供のあり方、これは一部あいサポート条例にも書かなきゃいけないこともありますし、防災の基本条例の方にも書かなければいけないと思います。そういうようなこと等々いろいろと今回のことを踏まえれば、避難所の設備のあり方等、条例事項も出てこようかと思っております。






15 地域防災計画の具体化に向けた取組 


○日本海新聞 北尾雄一 記者

 地域防災計画全体は最終的に、そこからさまざまな対策も進めていくわけですけども、文字だけではなくて実効性の担保というのが重要になると思いますが、どういう中身に変えて、中身と言いますか、思いのあるもの変えていきたいですか。


●知事

 これは、地域防災計画はかなり詳細に書かれますのでそれはマニュアル的になってまいりますから、市町村や現場ともよく詰めて、できるだけ実行可能なプラクティカル[実用的]な内容にしなければいけません。今までも書いてあることに基づいて対策は今回も一定程度は取れていると思いますが、さらにそのバージョン、レベルを上げていくことが大事だと思っています。それで、先般の市町村長さんのご意見でも多く出されましたが、併せて訓練とか、そうしたことを関係者、住民の皆さんも入っていただいてやることが大切だという声も多かったです。この辺の言わば防災文化というのを本県で作り上げていく。それとマニュアル的なものの中身作り、この両者がないと本当の意味で役に立つ防災対策にならないと思います。この辺は県民の皆さまのご理解を得ながら進めていければと思っています。




16 県立美術館の検討状況 


○山陰放送 日野彰紀 記者

 県立美術館について伺います。現在、教育委員会が県に意識調査をされていて、検討委員会の最終報告が来月の上旬にもまとまる見通しだと思います。具体的な建設地を含めた提案が2月の県議会に出るというかたちになるのでしょうか。


●知事

 これはまだ、今、教育委員会の方で[鳥取県美術館整備基本構想]検討委員会による調査検討が進められていまして、今、予断をもって何か申し上げられる時期ではございません。私としては今検討委員会そして教育委員会の取りまとめというものに注目していますし、これまでの非常に丁寧に審議をしてこられたこと、それから前の西尾[邑次]政権時代の県立美術館の議論に比べると、かなり県民の皆さまの意識やそれからご意見もかなり出たかたちで検討が進められていることからしますと、そうした教育委員会の考え方は執行部側としても最終的には尊重すべきものではないかと思っています。ただ、まだ現実が動いていませんので、今どうということは申し上げられないところであります。

アンケートが今進められていますが、アンケートの期限もいずれやって来てその取りまとめを検討委員会の方でご評価されることになるだろと思います。それでその流れのなかで、2月県議会に具体的な案を提案をしていく、図っていくということは、それは十分あり得ると思います。そういう意味でこれからもう一月ぐらいだと思いますが、検討委員会、教育委員会での調査検討が非常に県立美術館実現に向けては重要な時期に入っているかなと思っています。




17 鳥取県中部地震に係る情報発信 


○時事通信 滝野瀬雅 記者

 すいません、地震から3カ月が経過するなかで、その風評被害が減少と同時に風化というのも同時進行で進んでいくと思うんですけれども、そのあたりについて今後の情報発信の方針、何かあれば伺いたいんですけども。


●知事

 これについては、非常に我々もドライブ[動き]の難しいところなんですけども、あんまり被害があるぞと言うと風評被害につながると。ですからそこは非常にドライブが難しいところではあるんですが、鳥取は元気ですということは、片方でやはり今後も申し上げていく必要があると思いますし、地元の観光関係者もそういう意識でございます。ただ、片方でやはり着々と復興・復旧対策を進めていかなければいけません。またこの災害という経験をマイナスだけでなくて、未来に向けて一つの教訓、レッスンとして私たちが咀嚼していかなければいけない、風化させないで。そのこともまた重要であります。鳥取県西部地震のときも、例えば[日野郡日野町]黒坂という集落、震源に近い集落がその後には全国でも表彰されるぐらい防災対策でコミュニティ挙げての取り組みがなされる地域になりました。また、まちづくりにおいてもやはり同じように表彰されるぐらい実は震災ダメージを受けたことが、それが地域の結束や地域づくりのモチベーションになったということがあります。

それで、こういう経験を我々もしていますので、今回もこの震災というものを言わば前向きに活かしていけるようなことも同時にやっていかなきゃいけないではないかなと思います。ただ、片方でいろいろと今後もご支援をいただかなければならないことがあります。例えば義援金を初めとしてやはり経済的にもご支援をいただくべきところもございますし、また、これを公的にもいただく必要もあります。その辺は今後も呼びかけをしていきたいと思います。例えば石浦関ですね、今[一月]場所まだ踏みとどまって頑張っておられます。それで石浦関もこういうことで協力しようというお立場を先般もおっしゃっていただきましたので、このように鳥取の震災復興にご理解あるかたがたのご協力もいただきながら、復興に対する支援の呼びかけというのも、非常に難しいオペレーションになりますけれども同時にやっていかなければいけないと思います。

また来週は東京の方に行きまして、政府の方に特別交付税を初めとした復興支援、これを強力にお願いをしていきたいと思います。併せてまた今後のプラスという意味での基盤作り、インフラストラクチャーの整備、防災対策の整備、港湾の整備等も呼びかけていきたいと思います。今、新年度[平成29年度]の予算を検討しているなかで、そういう風化ということをしないで震災と向き合っていく事業として指示をしておりますのは、1周年にあたります今年[平成29年]の10月21日に、その前後になるかもしれませんが各地の被災をされた地域のかたがたにも集っていただきまして鳥取県中部地震を考える防災や震災復興の集いをしてみてはどうだろうかと、今本県の事務方の方に私も指示をしているところでありまして、風化防止というのはちょっと息長くこれから進めていかなければいけないと思っています。




18 国際経済関係の変化への対応 


○日本海新聞 今岡浩明 記者

 よろしいでしょうか。国際経済関係で低利の制度融資を始められるということですが、先ほど自動車部品関係を例に挙げられましたが、他に影響がありそうなところ、どういった企業を想定していらっしゃるんでしょうか。


●知事

 自動車部品関係とか、あと、電子部品関係、そうしたところ等だと思っています。また、今回の国際経済変動対策事業としては、ヨーロッパやアジアのことも視野に入れた上で風呂敷を作っていこうというものであります。トランプ政権誕生を皮切りにして今年は国際的にも激動の年になるだろうと。それでその激動に備えていく必要があるのではないかと思います。そういうアジアのことになりますと、それ以外にも例えば素材メーカーであるとか、あるいはソフト的な商社系とかいろいろございますけども、そうしたところそれぞれにも活用いただけるかたちでの特別融資や補助制度というのを検討したいと思っています。


○日本海新聞 今岡浩明 記者

 じゃ、製造業に限らないということですか。


●知事

 そうですね。先ほどNAFTAの話を申し上げまして、分かりやすい話としては自動車工業でありますが、実は自動車以外にも例えば電気製品などもやはり同じようなことがございまして、同様のお話は聞こえてきています。


○朝日新聞 柳川迅 記者

 ほか、質問ないでしょうか。では終わります。


●知事

 はい。どうもありがとうございました。



  

 ※広報課編集
  [ ]については、広報課で補足説明しています。


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