防災・危機管理情報


知事定例記者会見(2017年2月2日)

平成29年2月2日(木)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約48分) ※MPEG4形式

  

1 平成29年当初予算編成 

●知事

 皆さまおはようございます。このたび私どもでさまざまな復興、これは[鳥取県]中部地震の復興もありますし、[平成29年1月23日の]雪害を乗り越えていくという意味もあります。そうしたことに加えて、プラスに変えるようなそんな復興をしていかなければならないと思っています。そういう思いを込めまして、今、[平成29年度当初]予算編成の最終段階へと入ってまいりました。考えかたとしては、東京都さんでは「メリー」と「ハリー」というそういうキャラクターを使われたわけでありますが、メリハリをつける以上にお金がなかなかない中で、復興をぜひやり遂げていかなければならない。復興、そして幸福を作る意味での福興ということでございます。たぶんこれも鳥取県流に言えば、鳥取県の予算はやりくり予算でありまして、槍と栗のキャラクター、ヤーリー梨[中国原産の鴨梨(ヤーリー)]という私ども梨の産地でありますので、「ヤーリーくん」とそれから「クーリーちゃん」、やるぞというヤーリー、そして、ヤーという、やるぞというかけ声のヤーリー、そして、クールに賢く上手にお金を節約しながら事業をやり遂げていく、そんなクーリーちゃん、この二人を鳥取の今回の予算のキャラクターかなと思っております。やりくり予算をやりながら復興を遂げ、そして幸せを作っていく、そんな復興につなげていきたいと思っております。

 

小池[百合子 東京都]知事は、職員の方から提案があったというお話がありましたが、私の方でちょっとこの考えかたを申し上げまして、[鳥取県観光交流局]まんが王国官房の方でこういう絵を描いていただきました。鳥取県はまんが王国でありまして、こういうキャラクターですね、さっと1日ぐらいでデザインしちゃうというそういう県でございます。まんが王国につきましてはこのたび2月4日に総務大臣の表彰[平成28年度ふるさとづくり大賞地方自治体表彰]を受けられるということになりました。長年の境港[市]やあるいは北栄[町]、さらには、最近は岩美[町]等々、聖地巡礼のメッカにもなり始めているし、それから、[株式会社]グッドスマイルカンパニーという誘致企業にもつながったり、[米子-]香港[国際定期]便ができたり、そんな具体的な成果もあったまんが王国であります。私ども鳥取としては、鳥取県はやりくり予算、ヤーリーとクーリーが復興の応援に駆けつけてくれた、そんな予算を組ませていただきたいと思っております。

 

具体的には総額ベースで、恐らくちょっと今、最終集計中でありますが、3,490億円台ぐらいを目指して、最終集計をしているところであります。おおよそのことで言えば、昨年[平成28年]と比べて若干増えるぐらい、わずかに増えるぐらいということになろうかと思います。ただ、やりくりをせざるを得ない事情があります。1つには一般財源が、鳥取県のような地方の場合は地方税があまり伸びませんので、絞られたかたちで[地方]交付税が絞られる。そんなようなことで一般財源の確保が難しい中、新年度[平成29年度]は676億円の公債費、借金返しを組まざるを得ないことです。それで、676億円は、これは当面の借金返しのピークになります。ですから、新年度[平成29年度]はここを何とかしのがなければならないというところであります。そういう中でも意欲的にやるべきことはやらなければならない。震災からの復興であるとか、そうしたことをやり遂げていかなければなりませんし、併せて地方創生のリーディング役をしっかりと果たしていく、そのためにおうちで子育てサポート事業、これに1億円を計上しようと考えております。これは在宅の保育に対しまして3万円を支援しようというものでありまして、市町村と半分ずつというのを基本にして支援を組むというものであります。鳥取県としても全国に先駆けた制度を打ち出したいと考えております。

 

また、先般は漁船が沈没をしまして、私どもの目玉であります蟹の漁船が海に沈んでしまったという悲しい事件がございました。いろんな要因が考えられて、まだその分析はされつつありますけれども、1つには新しい機能性のある船を作っていかなければならないということです。それで、これについてはもちろん国の事業を活用した新造船の支援事業は組みますけれども、それとあわせて県単独としても、この支援を行おうと、具体的には2,000万円の予算を計上して10分の4の支援を行う。これはリース事業でありますので年々のリースのうちということになりますが、私ども県とそれから市町村で2対1の割合で、県としても厚めに支援を行う。これによって船の機能を上げていくということを1つ考えたいと思っております。また、併せてライフジャケット[救命胴衣]、これも着用されないかたちでご遺体が見つかっているということがございますが、やはり漁船の上での作業として、通常我々がその客船に乗り込んだときのライフジャケットのようなかたちでは、なかなか作業がしにくいという現実があるということです。そこでこうベルトのようなかたちで普段は装着をしておいて、これがいざというとき膨らむというようなもの、あるいはこれをクロスをさせて体に紐を巻きつけたようなかたちで、それがいざというとき膨らむような格好、こういう現在の最先端のライフジャケットがあります。

 

それでこういうライフジャケットの購入支援を行う。あるいは私どもとして1つ考えられるかなと思っていますのは、漁船の方で緊急通報ができるような無線のシステムというものを導入するその支援であるとか、こうしたかたちで船の丸ごとの建造にいたる前でも、できるだけ即効性があるようなそういう対策というものも計上してまいりたいと考えております。また、これから地方創生を進めていく上でも人材のマッチングということが非常に大事になってきます。そこで県立のハローワークを作る。その設立準備室を庁内に4月から設置をしたいと思いますし、できれば夏ごろから県立ハローワークを動かしていきたい。全国でもこれも初めての取り組みになろうかと思います。こうした関係で1億3,000万円ほど費用を計上してはどうだろうかと考えております。

 

また、地方創生としては観光というものも大事な要素になりますが、大山[開山]1300年祭が目の前に迫ってきます。この度はその大山[開山]1300年祭に向けた料理の品評会が開かれたところでございますけども、この大山[開山]1300年祭、例えばたたらの活用とか、あるいは自然の活用だとか、こうしたことなど1億円ぐらいの経費を見込んでいるところでございます。併せて、この大山1300年祭でも当然絡んできて取り組んでいくわけでありますが、全県的な取り組みテーマとしても、観光で例えば星取県、星空が非常にきれいだと、これ平成23、4年くらいだか、全国調査でも鳥取県が1番、鳥取市が1番きれいな星空だというのが全国データでも出たことがありますし、[鳥取市]佐治[町]の[さじ]アストロパークだとか、[鳥取]砂丘だとか、大山だとか、各地でそういう美しい星を眺められるスポットもあり、香港などでも話題になり始めています。

 

 ですから、そういう星空と親しめるような鳥取ということも旅のテーマとして出していけないだろうか。あるいは鉄道の旅、「鳥鉄」、バードの鉄道ということで撮影の鉄道に引っかけまして鳥鉄の旅ということも売りだせないだろうか、こうしたことなど、鳥鉄や星空の星取県で合せて5,000万円くらいのプロモーション経費を考えてみてはどうだろうか。その他にもサイクリングであるとか、今、体験型の観光、コトを買う観光に移り始めていますので、そうした方面にも注力をしていけないだろうかと考えております。こういうようにいろいろと積極的な展開をしながらも、片方でさまざまな財源のやりくりなどを考えていきたいと思います。


2 県営発電所へのPFI(コンセッション方式)導入 

●知事

具体的なこととしては財源の調達方法として行[政改]革債といわれます行財政改革を進めることで、それで起債、地方債というものを発行する、今、低利でありますのでこれを活用することが考えられます。これで22億円ほどは調達できないだろうか、片方で行革をしながら起債ができるという制度を活用する。

 

また、これは中長期的な課題になりますが、中長期的なやりくりとして県の組織や行政のスリム化を片方で図りながら、いろんな果実を手元に収めるという意味で、コンセッション方式というPFI[公共施設等の整備・運営について施設の所有権を公的機関に残したまま運営を民間事業者が行うもの]の形態が注目をされているところであります。このコンセッション方式などPFIの検討を[県営]水力発電所などについてやってみてはどうだろうか。2,800万円を計上しまして、まずは風力だとか、太陽光だとか、いろいろと含めた、その資源エネルギーによる発電、これは県の企業局でやっています。このPFIに馴染むかどうかの検証をし、さらに続けて有望なものにつきまして、具体的にPFIに移行させていくことを検討する。これは平成29年度にやってはどうだろうか。それで1つの想定できるような流れとしては単価が有利な発電が出来る機関というものが設定がございます。それで、その期間の中であれば所有権とか、そういう権限関係は県に留保しながら、その使用権、これを言わば販売するようなかたちで民間組織の方でやってもらうコンセッション、これに馴染めるような収益がある程度上がりそうなものとして水力発電は1つ有望なところになり得るのかなと思います。

 

実は、そうした有利な単価を適用するためにある程度リニューアルをしながらやっていくということは条件としてあります。それで、そういう意味では小鹿第一発電所とか、小鹿第二発電所とか、つく米発電所、こうしたところはコンセッション方式の可能性は見込み得るのではないかと、今、考えております。それで、これを進めることで早ければ平成31年度中にコンセッションの移行ということ、契約ということ、こういうことに踏み切っていって、単価の十分なうちに実際操業を始めてもらうということも可能ではないかなと思います。ただ、そのための調査が法律的なことも含めて必要でありまして、平成29年度中にPFIの可能性検討、それから具体的なこうした発電所を絞り込んだようなかたちでのコンセッション等の具体的な手法の検討を新年度[平成29年度]にやってみてはどうだろうかと思います。

 

 これによりまして、財源を例えば販売価格、例えば、30億[円]、40億[円]、50億[円]で売れましたとなれば、そのお金が県側に入るわけですね、それと併せて、そこに充てていた人員を別の方に振り向けることで、県組織のスリム化にも、効率化にもつながり得る、こんなようなコンセッションの方式のメリットというのもあると思います。まだ、なかなか全国でもこうした発電所の自治体のコンセッションへの移行というのは、まだどこも、今現在ではできていないところでございますが、私どもはこの検討に入らせていただいてはどうだろうかなと思っております。



3 平成29年当初予算における公共事業 

●知事

 復興として中部地震を念頭に事業を考えていかなければいけないところでごさいますし、県内の道路等のインフラ、強靭化も図っていかなければなりません。新年度[平成29年度]は公共事業関係500億[円]を見込もうと、これ災害公共などもありますので膨らんでくるわけであります。その中でも言わばハイウェイネットワークの直轄の道路事業関係等で300億を見込むところでありまして、今年度[平成28年度]当初[予算]が230億[円]でありますから、だいたい3割増しぐらい増えるようなことで強めに見込めるのではないかと思います。鳥取西道路の完成が迫ることなど、こうした事業費を計上して進捗を図ること、これが県土の強靭化にもつながると考えております。



4 鳥取県中部地震からの復興に向けて  

●知事

併せて住宅の被害対策が必要でありますが、まず、2月補正[予算]で住宅修繕支援の促進事業を組ませていただこうと思います。結局人手が足らないという悩みがありまして、先般も[鳥取県中部地震]復興会議[WG]を開いて、関係者のかたがたと率直な意見交換をしました。その折、瓦工[事]業組合さんの方からもご意見がありましたが、県外業者をやっぱりある程度手伝ってもらうネットワークを自分たちでも用意するから、何らかこれを促進支援してくれないだろうかというような意見も上がりました。具体的には雪解け後の3月ごろから6[月]ぐらいかもしれませんが、今、組合と話をしていますけども、延べ2,000人の県外の職人さんに入ってもらうことを計画したいということであります。それで、そのかたがたのこちらにやって来られる、その言わば出張する経費、これの3分の1程度、お一人1日3,000円という積算で支援をしてみようかと、それで、これで職人さんを集めて組合の方でも県外の組合と連携をして修繕を前倒ししたいということであります。これで、2月補正[予算]で600万円の計上をいたしたいと考えております。

 

 また、4月からは体制の強化を図ろうと、具体的には倉吉に新たに中部地震復興本部事務局を設けさせていただき、今ちょっと詰めていますが、5人程度でも専任職員を置いて、これに全庁的な兼務をかける等々でその復興のエンジンをさらに新年度かけていきたいと思います。そうして新年度[平成29年度]中に、おおむねその復興の道筋をつけて、住宅の修繕も含めてほぼ片がついたというようなかたちに前倒しをしながら新年度[平成29年度]できないだろうかと、そんなように体制を組んでいきたいと考えております。また、住宅につきましては瓦とか非構造部材だとか、その耐震強化が大事になってきました。そこで3分の1程度ないし4分の1程度ですね、その工種に従いまして支援をする新しい制度、耐震シェルターという考え方も含めまして、住宅向けにも新年度[平成29年度]新事業を計上してまいりたいと考えております。また、その他にもこうした防災関係、例えば人材の育成だとか、そうしたことなど組まさせていただきたいと思います。



5 1月23日の大雪による被害等への対応  

●知事

また、雪の方につきましては、昨日[2月1日]道路でどういう状況があったのかの分析、集計が始まりました。まずは昨日[2月1日]の成果を踏まえて当面ホットラインのようなネットワークをきちんと情報共有を確保することが大切だと思います。また、新年度[平成29年度]向けに、今年200万[円]ほど予備費でやらせていただいて調査をして、それで、例えばその雪捨て場の問題がどうしてもあるんですね、それで、その雪を持っていく場所を整備をするとか、一定程度やっぱりハード事業も[国道]373号で必要になるかなというふうにも思っていまして、調査しながら、新年度[平成29年度]の対応をしていきたいと思います。[2月]補正予算と予備費で合わせて雪関係だけで4億円ぐらいの補正が必要かなと睨んでおります。

 

 本日[2月2日]は上京しまして農業被害について、農林[水産]省の幹部の方に支援を要請をしたいと考えております。また、これからさまざまな事業を展開していくわけでありますが、とりあえずは外国の関係でトランプ政権の予算教書が[2月]6日に示されることになり、[2月]10日にはこの度安倍[晋三 内閣]総理[大臣]との会談が実現をすることになります。こうした関係につきまして融資制度とそれから当初予算でも融資制度とそれから補助制度。さらにはこういう経済の激動に対応できるようなコンサルティングするような組織を計上して予算としてもつくってまいりたいと考えております。



6 当面の予定 

●知事

また、ロシアの方とのコミュニケーションも深まるでしょう。こちらの方でも安倍総理の会談も予定をされると思いますが、そういうことで前進されることになるでしょう。それでこれについては来週ですね、ロシアの方で、モスクワの方でメッセ(モスクワ食品見本市「プロドエキスポ」)がございますが、それに本県等からDBSフェリーの活用を見込みながら10の会社が出展をすることにさせていただきました。これ以外にも貨物の促進なども組んでいけるかと思います。また、平昌(ピョンチャン)[冬季]オリンピック[・パラリンピック]が迫ってくるわけでございます。それで来週は、平昌(ピョンチャン)におきましてプレのイベントが始まります。それで、これにも本県も参加をさせていただき世界中に鳥取県をアピールをさせていただきたいと思います。それで併せて平昌(ピョンチャン)オリンピックに行くときに、DBSフェリーを使うようなそういう旅行商品の造成支援等も組ませていただき、予算の中に加えていこうと考えております。

 

 今週末に向けまして、今やっているジビエのフェア(とっとりジビエフェア)を東京で行っていますが、こちらの方でありますとか、また週末土曜日ジオパークのイベント(ジオパークフェア)を有楽町で行います。私もこうしたところに出かけまして、鳥取の元気、それから観光の魅力や食の魅力をアピールしてまいりたいと考えております。これから、今、[県]議会側ともいろいろと調整をしながら予算を最終的に取りまとめまして、新年度[平成29年度]復興、そして幸福を興す福興へと向かってまいりたいと考えております。私の方からは以上でございます。



7 県営発電所へのPFI導入 

○朝日新聞 柳川迅 記者

 

 では、各社質問をお願いします。

 

○日本経済新聞 舩越純一 記者

 

 PFIを活用したコンセッション方式の話について聞かせてください。水力発電所を小鹿一、二とつく米という話をされまして、まずここを選ばれた理由というのをお聞かせ願いたいのと、あとコンセッションでやる場合ですと、金融機関が関連してくるんですが、県内の金融機関に限るのかと、条件等を今考えているところがあったらそれを教えてください。

 

●知事

 

 実は先ほどのは、例えば想定できる1つのパターンとして申し上げたわけでありまして、今、まずは[平成29年度]当初予算に企業局関係で2,800万円計上して、だいたい[ 平成29年]4、5月ぐらいですかね、[平成29]年度の当初に広く発電所のPFI適合性の分析をして、そのあと夏ごろから年度末にかけまして具体的な方式、例えばコンセッション方式だとか、どの発電所をやるだとか、これの調査をやっていきたいと考えております。ですから、今現在で、最終的にここに何をやるというふうに正直決められる状況ではないわけでありまして、ただ意味がわかんないと思いますので、想定例として申し上げました。なぜ、そこが想定可能だろうかということでありますけども、コンセッション方式というのは、要は販売でありますので、その利用権を得た側で対価を払う、それに見合うだけの収益をある程度見込めなければちょっと成り立たないわけですね、特に発電所は収益施設でありますので、これについて私どもで追い銭を払うというのは県民の理解を得られないわけであります。

 

 そこで収益上がりそうなところを考えるわけでありますが、発電につきましては、今、単価の優遇制度が再生可能エネルギーについて設けられているわけです。それで水力発電は年中これ風が止まろうが風が吹こうが関係なく発電ができる。日が照ろうが日が照るまいが発電できるということで、定常的な発電で経営としてはやりやすいものになるはずだと思います。それから、単価のことを考えますと、今、実はもう開設してかなり時期が経ってきていますので、それぞれ手を入れていくわけですね、手を入れて、新たにオープンをさせるときに、やはり単価上の優遇措置が取れると。それで、この辺の状況を考えますと、当面、今そういうことで採算をある程度見込みやすいところを考えると、小鹿第一、小鹿第二、それからつく米というところが、今の工期の関係、そういうリニューアル工事の工期の関係で、対象としては見込みやすくなるのかなと、こんなように考えているところです。それで、これは我々もちょっと専門家の知見も入れて最終的に見てみないと何とも言えませんが、こうしたところでは、コンセッションというものも馴染得るのではないだろうか。ただ、コンセッションにするためには今おっしゃたように、どういう相手側の条件を考えるかとか、それから契約する際の、例えば地元の経営資源の活用だとか、そういうものをどういうふうに組み込むかだとか、いろいろとちょっと議論しなきゃいけない課題もございまして、新年度いっぱいその辺を詰めた上でコンセッションの手を挙げていただいて、契約へと持ち込んでいくと、いずれそういうふうに向かっていきたいと思っております。





8 冬期道路交通確保対策会議 

○NHK 木庭尚文 記者

 

 昨日の大雪の検討会議の件なんですけれども、取材をしている中で情報共有のあり方なんかに課題があるというふうに意見も出ていましたけども、正直に申し上げると、そんなところまで情報共有全然できてなかったのかというような印象をかなり受けたんですけれども、その点についてのご所見と、あと、知事が前回の会見のときにおっしゃっていた、県や国も含めて、広域的な道路管理のあり方だとか、交通の流し方とかというところまでは全然踏み込めないような内容でしたけれども、その後について、どうしたらいいかとかいうところについてのお考えをお聞かせください。

 

●知事

 

 昨日[平成29年2月1日の会議]は、まず第1回目でありまして、まずは今回の原因分析でそれぞれのお考えが述べられたということだと思います。今、県サイドの中で職員とも話をしておりますのは、できれば年度内に、今おっしゃったような、木庭さんがおっしゃったような、具体的な対策というものをまとめられないだろうかと、中間的なものになるかもしれませんが、それに向けて議論を一つ一つほどきながらまとめていく必要があるだろうと思います。我々としては、例えば広域的な迂回、昨日もその話が出たようでありますけど、せっかく電光掲示板とかもあるわけですから、こっちに行ったら、もう、とても今通れませんから早めにこっちに回ってくださいというような誘導であるとか、警察の方でもその雪の状況に応じて交通誘導していただいたり、また、場合によっては検問のようなかたちでチェーンの装着等をチェックしていただくとか、そういうようなことをいろいろと当面でもできるような考えられる措置というのはあると思っています。まずは昨日決まったところは情報共有を強化しようというところまででありまして、ここから先は今後議論を深めていかなければいけないと思います。

 

 警察とのお話では、代表電話だけですと鳴りっぱなしで一向にかからないということですね。それで、私どもは前の琴浦大山のところで起きた大渋滞のときから、そのときも実は経験していまして、何度倉吉河川国道に電話してもかからない。それでその後、情報共有を図るような連絡体制を作り、人の相互派遣ということも始めたわけでありますが、警察さんとの間でそれがまだできてなかったというのが昨日見えたんだと思います。それで、警察の幹部のかたとホットラインをということで共有できるそういうパイプを作ろうじゃないかと。これはすぐにでもできることだと思いますし、警察にも動いていただかなきゃならないので、そこのところは1つのポイントになろうかと思います。町や県、それから国道事務所、また警察、こうしたところが有機的にそれぞれの役割を果たしながら動けるように、情報共有の基盤を作るというのはまず第一歩だろうと思います。これは速やかにできることだと思いますので、昨日の会議を受けて踏み出していけると思います。その後につきましてまた繰り返しこうした会議を持ちまして議論をまとめていくように我々も主張してまいりたいと思います。





9 当初予算編成と基金残高の確保 

○山陰中央新報 原田准吏 記者

 

 当初予算の関係のことなんですけども、率直に、まず予算規模が前年より若干高くなるということなんですけれども、これについての受け止めというか、評価というか、いうところと、それから財政型調整基金が誘導目標で300億を下回らないようにということでやってこられたと思うんですが、今年はなかなかそれが厳しいっていうところもあったかと思うんですが、それが最終的にどうなったかっていうところをお願いします。

 

 

●知事

 

今、そこの大事な作業をしていまして何とも言えないところではあるんですが、300億は当初予算段階では切らざるを得ないかなと、それで恐らく270億円台ぐらいまでベースを、財政調整型基金を下げていかざるを得ないかなと思います。それで、これを年度中に何とか元に戻したり、また最終的には平成30年、31年予算の際ですね、そのときは元に戻るようにしなければいけないと思っています。あと、財政誘導目標での借金の減らしていく方は総体としては今回クリアできると思いますし、またプライマリーバランス[基礎的財政収支]につきましては、そうですね、10億程度は少なくとも確保できるかなと思いますが、最終的に今、そこの作業をしております。残念ながらその基金のところは、これは最後4年間の任期の最後の出口のところで最後に元に戻ればいい設計にはなっているんですけども、一時的には300億を割り込むということになりそうです。

 

それで、予算の今回非常にやっぱり苦労をしているんですね、それは冒頭申しましたように、東京都さんのように税収がどんどん入る団体であればメリハリ程度でいいのかも知れませんが、うちの場合財源が今回絞られてきています。それで、そういう中で財政の健全性を保ちつつ、復興需要に答えなければなりませんし、公債費、借金返しが新年度ピークになるという特殊事情もありまして、非常に組みづらい年だったということであります。ただ、その中で選択と集中を行うことによりまして、先ほど申しましたような子育てやあるいは観光、その他にも農林水産業や産業振興などいろいろと事業を意欲的に組ませていただきました。ですから、現在、我々がなすべき課題については、ここにあるようにヤーリー、やり切るというところまでは方向は出せるのかなというふうに思っています。ただ、かなり頭を使う必要があったので、クーリー、こういう知恵の方の支援も必要だったというところであります。

 

 

○日本海新聞 北尾雄一 記者

 

 やりくりという点では、今回財源の制約で見送らざるを得なかった事業ですとか、それからかなり既存事業の振り分けと言いますか、見直しというか、そのあたりも切り込まれたんでしょうか。

 

 

●知事

 

 既存事業につきましては、これも今、集計中、作業中でございまして、改善を進めて財源を捻出するために不要不急の事業の整理、スクラップアンドビルドを強化をさせていただきました。それから財源のために見送るということで、何かの事業が後送りになったかとかいえば、それは財源だけの問題ではないところです。正直申し上げて境港の水産市場などもほんとの当初のころから比べますと、少しずつ後ろに延びたかたちになり始めているところでありますが、これ結局、地盤の問題とかいろいろと工法上の課題などもあるところでございまして、そういうところが出てきている面はございますけども、財源の理由だけで見送るということはできるだけ避けようと。やり繰りをさせていただいたところであります。




10 鳥取県版ハローワーク 

○日本経済新聞 舩越純一 記者

 

 県立ハローワークの件について聞かせてください。知事会で兼ねてからずっと要望してきたものがようやく夏に向けて稼動するということなんですけども、知事としてどういったハローワーク運営をしていきたいかというものと、あとは既存の厚労省さんのハローワークとの連携等どういうふうに考えておられるかっていうところをちょっと聞かせてください。

 

 

●知事

 

 厚生労働省さんのハローワークは、それはそれで社会のセーフティネットの機能を果たしておられますし、地域としても大変に助かっている重要な機能、ファンクションだと思います。これについては評価をした上で、私どもさはさりながら地域の課題に対処し得るようなハローワークというのがあるんではないかということです。例えば今、有効求人倍率1.43、正規職員でも0.91という空前の領域に今来ているわけであります。有効求人倍率が上がってくるのは我々目指したことであってそれこそハローワークの機能も活かされて、こうやってマッチングも進んできているということはあるんですけども、逆に例えば建設事業者さんだとか、IT産業だとか、地場の企業で人間の確保が難しくなっていると。観光などもそうであります。それで、これが結局地域の成長のボトルネックになり始めているわけですね。それで厚労省さんのハローワークは産業政策ではなくて、どちらかというと社会的セーフティネットとしてのハローワークで伝統的に運営されていまして、仕事がないかたが来られてそれに相応しい仕事を何とか探すというところで機能しているんですけども、逆のベクトルですね、人がいない企業やお店、これに何とかこう良い人を探してくると、こちらの方はあまり得手ではないと思います。

 

 それで、それから誘致企業だとか、企業の新増設ですね、県内企業でも好調な企業さんで今具体的な増設案件なんかも我々も承っているわけでありますが、そのためにはやっぱり人を増やさなければいけないと、ロボット系の企業とかいろいろあるわけです。ですが、そこのマッチングということはやはり従来のハローワークでは難しい面があったり、情報の制約がむしろ国のハローワークにあると思います。加えまして女性の活躍の場だとか、それから働きにくい事情を持ったそういう若者たちとか、また、移住をしてこようということで移住に伴う職探しをされるかただとか、そういう地域の課題に応じた職のマッチングというところが、私どもの県立のハローワークでは国のハローワークを保管する意味でなし得る機能ではないかなと思っております。この辺をまずは設立準備室を[平成29年]4月に設置をして、関係方面ともよく調整をしたり、もちろん場所のセッティングやそれから情報の収集なども図った上で、できれば[平成29年]夏頃のオープンを目指したいと思っています。





11 予算編成におけるやりくり 

○日本海新聞 北尾雄一 記者

 

 ちょっと補足でお伺いします。財源不足をどう補ったかということですけど、先ほど基金を取り崩したということと、それから起債のこともおっしゃいましたが、その2点で大きく穴埋めしたということになりますでしょうか。

 

●知事

 

 その他にもいろいろ苦労もさせていただいているんですけども、おっしゃったように行革を進めることで財源を調達する、そういう仕組みが今地方財政の中にありまして、それを活用して22億とかですね、また基金を従来ですと300億に止めてあるところが270億円台ですから20、30億多めに取り崩す、こういうことなどで補っていくということにさせていただきました。どうしてもその交付税や税収の方の細りがあるもんですから、そこのところでちょっと期待するほどには財源が来ていない。ですから、島根県さんもちょっと当初予算をこないだ発表されたようでありますけども、1ポイント強ぐらいですかね、やっぱり減少されていますが、たぶん今年はどこの団体も組み難いじゃないかなと思います。それで、我々も自然体ではやっぱり減らざるを得ないようなその歳入の状況なんですけども、ただ、災害がありましたので今やらなくてはならないことは果断にやらなければいけないと。ですから、財源を補いながら昨年[平成28年度]当初[予算]ぐらいのレベルを何とか捻出をしたということですね。

 

○日本海新聞 北尾雄一 記者

 

 基金を取り崩したり、借金をしたりですとか、それからその中でも積極的に必要なものは計上されたということだと思うんですが、31年までにまた300億戻したりですとかしないといけないわけですが、来年度以降は、来年度といいますか、その次ですね、次年度以降への財政への影響ですとか、そのあたりは懸念されるところはありませんでしょうか。

 

●知事

 

 構造的には、先ほど676億の公債費、借金返しのお話を申し上げました。それで、これは新年度[平成29年度]がピークなので30年度、31年度と今までの行財政改革がようやく成果が現れて来て、これが少し下がり気味になると思います。それで、そこの相差の分は歳出圧力が減ることになり得るわけですね。それで、ただこれを埋めるほどにやっぱり社会保障の負担の増数などもあると思います。ですからやってみないと分からないですけども、良い要素と悪い要素いろいろありますが、やはり先ほどのPFIのお話も申し上げましたけれども、やれるだけの工夫もしながらやり繰りをつけて300億に戻す道筋を考えてみたいと思います。

 

○朝日新聞 柳川迅 記者

 

 他、質問はないでしょうか。それでは終わります。

 

●知事

 

 どうもありがとうございました。




  

 ※広報課編集
  [ ]については、広報課で補足説明しています。


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