●知事
皆さん、おはようございます。昨日[5月10日]までだんだんと世界の情勢が変わってきました。文在寅(ムン・ジェイン)[韓国]大統領が新たに宣誓をされまして、韓国で新しい政権の枠組みが誕生しました。また、それに遡りましてフランスでも大統領選挙があり、エマニュエル・マクロン大統領が誕生するということになりました。39歳という史上最年少ということになり、ナポレオン3世を抜くんだそうでありますが、そういう新しい政府ができたわけであります。フランスの方につきましては、EU[欧州連合]との関係がいろいろと懸念をされていたわけでございます。それもあの[マリーヌ・]ル・ペン候補が一時力を持っていたということでありまして、反EUあるいはフランスファーストとでもいうべき、そういう自国主義の波というものにマクロン候補がストップをかけたというかたちになりました。
また、文在寅(ムンジェイン)候補については、これは保守系の洪[準杓](ホン・ジュンピョ)候補やまた安哲秀(アン・チョルス)中道の候補とも戦うというかたちでございましたが、中道とそれから保守を足し算するとそちらの方が上回る格好にはなりますが、韓国の大統領選では票差としてはついたかたちで文在寅(ムン・ジェイン)候補が勝利を制したというかたちになりました。それぞれいろいろとこれからどのように動き出すのかその状況を見極めなければならないわけでありますが、いずれにいたしましても、今、経済にも影響してくるということになります。今日[5月11日]の状況からしますと円安で114円というふうにふれているわけでありまして、韓国の大統領選挙の後、日本の方にどういう風が吹くかというそういう懸念もありましたが、とりあえずは落ち着いたかたちで動き始めているのかなとも思います。
また、昨日[5月10日]、李洛淵(イ・ナギョン)氏が首相候補として指名されるという発表がありました。秘書室長やまた国家情報院の方につきましては、北朝鮮との関係性の強い人がなられることになりましたけれども、議会の同意が必要な首相候補として李洛淵(イ・ナギョン)氏が指名をされたことは日本との関係については一つの安心材料と言いますか、期待の持てる材料になるのかなと思います。私自身も李洛淵(イ・ナギョン)さんは、今、全羅南道(チョルラナムド)の知事をされておられるわけでありますが、その関係で東京ですとか、それから韓国で行われました日韓知事会議の席で親しくお話もさせていただきました。私自身は非常に日本に対する理解も深い知事が韓国におられることに感銘を受けましたし、日本語の能力もそれは卓越したものでございまして、特派員として東京で生活されたこともあり、知日派の知事というふうに思っておりました。意外にもそのかたが首相候補として指名されるという報道があり、昨日[5月10日]、ここに文在寅(ムン・ジェイン)大統領の日本政策の一端を見たような気がいたしました。
私どもは江原道(カンウォンド)、崔文洵(チェ・ムンスン)知事と友好関係も結んでおり、平昌(ピョンチャン)オリンピックも開かれることが東アジアの新しい絆を生み出し、観光や経済、文化、スポーツの交流を生み出す原動力になるのではないかというふうにも思っていたところでありますが、崔文洵(チェ・ムンスン)知事と同じ、ともに民主党の大統領が誕生することは決してこの流れに悪い影響はないのではないかというふうにも期待しているところでございます。フランスのことも含めて、早速今朝がたも韓国の大統領と[ドナルド・]トランプ[合衆国]大統領は電話会談を行ったという報道が流れました。日本の安倍[晋三 内閣]総理[大臣]も文在寅(ムンジェイン)大統領と今日[5月11日]にでも電話会談をするのではないかというふうにも言われているところであります。どちらかというと、今、文在寅(ムン・ジェイン)さんは、日本との関係が冷え込むのではないかという、そういう懸念を持たれながら選挙戦が戦われていたわけでありますけども、昨日[5月10日]の韓国国会での演説などからも最初にワシントン[D.C]に行くと、それから北京や東京にも行く、また条件が整えばという留保付での平壌(ピョンヤン)訪問という、そういうかたちで安全保障対策に全力を挙げるという言い方をしておられました。
当初言われていたような北朝鮮の方をむしろ重視をしてということではどうもなく、従来からの韓米同盟、また日韓の未来志向の交流ということに期待感も出てきているところであります。そういう流れでございまして、この連休後、相次いで新しい国際的な枠組みも立ち上がりました。早速、本日[5月11日]庁内で観光交流や経済、産業など、これからどういうような国際情勢への対応をするのかその話し合いの会議[国際経済変動対策チーム連絡会議]を本日[5月11日]県庁の方でも持たせていただき、めまぐるしくこれから変わっていくかもしれないそういう国際情勢に備えていく必要があるだろうと思います。
経済関係でいいますと、企業向けにはこうした国際情勢の激動に対応する補助政策やまた融資制度も持っております。こういうものをまた県内企業にも活用していただいて、新しい枠組みに備えていただくのも1つあろうと思います。
2 GW中の観光客数の動向と今後の観光客誘致の取り組み
●知事
また、観光関係等でもいろいろと今後動きを考えていかなければなりません。この連休中も実はいろいろと観光客の動きもございました。結論から申しますと鳥取県中部地震で風評被害の懸念がありましたけれども、それが払拭されたと言っていいような堅調さを見せたのではないかなと思います。もちろん観光地によって、あるいは交通手段によって少しデコボコはありますけれども、回復基調、上昇基調ともいえる状況かなと思います。
JRでいえば、[特急]やくもが対前年97%であったものの、[特急]スーパーはくとや[特急]スーパーいなばは4%、6%という伸びであったり、また、[特急]スーパーおきにつきましても、これは2割を超える対前年度増でございまして、堅調であったっていうことがありますし、また、航空便も数字は今ございませんけれども、対前年というかたちでは米子鳥取共に堅調であったようでございます。[とっとり]花回廊は対前年3割以上伸びておりますし、連休期間が若干短めでありましたので、それを考えますとそれぞれに数字的には良かったのではないかなというふうにも思います。
そういう中で、非常に象徴的だったのは韓国からのお客さんが多かったことであります。5月5日は、日本はこどもの日ですが韓国もこどもの日でありまして、ちょうどその日にコスタ・ビクトリア号が来航しました。これは江原道の支援によって実現しているクルーズ船だったわけでありますが、2千人満船の状態で韓国のお客さま中心に来航されました。DBSクルーズフェリーもこの連休期間の間につきましては400人を超えるという乗船でございまして、記録的な多さになっていました。また、エアソウルについては先月[搭乗率]80.9%という状況でございました。実はこの連休の前に本県からエアソウルの方に担当者を派遣をしまして、今後の方策について話し合いをしてきたところでございまして、例えばアウトバウンド[外国に向かう便]の日本人観光客向けの対策とか、若年層向けの対策ですとか、インバウンド[自国に入ってくる便]についてはそうした強化を図る必要があるんではないかということを話し合ったりしまして、これから具体的な方策をとっていかなければなりません。
そんなようなことに加えて、もちろん[米子]香港便も、これアジア全体を含めて東南アジアも含めてトランジット[一時他国の空港に立ち寄ること]もあり得る路線でありますが、この香港便も75%と、最高の搭乗率であったわけでございまして、こうした国際情勢の関係を一度このタイミング連休明けで話し合っておく必要があるのではないかなと思われます。そんな意味で、今日[5月11日]庁内会議を開催をすることにし、韓国大統領選後の本県の戦略について共有を図っていきたいと思います。
また、こうした観光関係では、10月16日に[クルーズ客船]「ぱしふぃっくびいなす」が鳥取港に来航することとなりました。これ招致活動が実ったわけでありまして、深澤[義彦鳥取]市長を初め、関係者とも協力をしながら、こうした鳥取港へのクルーズ客船の来航というものを呼びかけてきたところであります。まずは1つ実現をするということで今後につなげていければと考えております。
●知事
連休も明けまして、これから6月、来月の県議会に向けて準備も始めていく必要がありますし、喫緊の課題への対処も本格化させていかなければなりません。6月の補正予算の編成作業に入ろうとしておりまして、今、私の方でも関係部局の方に指示をして、調整をお願いをしている項目が幾つか出てきております。例えば、雪害対策についてでございますが、これについては国[土]交[通]省や市町村も交えて、今、対策を練っているところでございます。これは雪の時期までに、まずは一通りのものを作っていかなければなりません。実は、これ県だけでできないこともございまして、国交省の絡みもありますので、その辺、協調しながら進めていかなければいけません。そういうなか、まずは県としてできることについて[平成30年度]当初予算に加えてやるべきことを今、話し合っているところであります。今週は9日~12日まで各市町村を回りまして、この雪害対策のご意見をそれぞれの市町村役場の方からお聞きをして歩いているところでございます。
そうしたとりまとめも見ながらということになりますが、例えば、積雪関係で苦労する除雪の事業者、そうしたかたがたの実務的なご意見も聞いてまいりました。そうしたところで、非常に意見が強いのは、1つはもっとカメラを設置してもらいたいということですね、今回、結局2回にわたりまして大渋滞の発生に至ってしまったわけであります。平成22、3年のころよりは時間的には短くなったり、当然、改善も見られるわけではありますが、それでも県民生活に支障があるような渋滞が発生してしまったわけであります。やはりどんな積雪状況かというのを把握するのは大事だということがございまして、カメラの設置、これ市町村側も含めてご意見の強いところでございます。県内総ざらいをしてみますと、例えば、例の[国道]373[号]という、県管理の国道でストップをしたところでありますと、もう4カ所ほどは必要ではないかと、今ももちろん設置しているんですけども、追加設置箇所があるということであります。こういうのを全県的にさらっていきますと、トータルで99カ所、監視カメラ[とっとり雪みちナビカメラ]の増設を考える必要があるかなと思っております。
それで、それに伴う7千万[円]余りの予算を検討してはどうだろうか、これが1つのアイデアでございます。また、373号でありますけども、あそこは非常に除雪の難しい車幅といいますか道路幅の問題があったり、それから道路の形状の問題とか、家屋が連坦していて対策の取りにくい部分などもございます。そこで、まず、今年[平成29年]の積雪シーズンが始まる前にできることを考えたときに、抜本的にはまた平成30年目指してというものも順次やっていくわけでありますが、まず、第1次的なこととして、[智頭町]郷原のところと、それから智頭の集落の中の京橋のところ、そこのところは、実は家屋の連坦のことだとか、それから土手があることなどで単純な消雪っていうのは、やりにくいんですね。消雪で水を流してしまうと家の方に水が流れてしまうことになったり、また、川の方に落ちればいいですけど、川の方に落ちないような土手の形状になっていたり、そういう問題のある箇所がありまして、実は消雪については調査をさらに進めながら一部やり変えも含めて、今、検討をしておるわけでありますが、どうしても平成30年ぐらいまでは少なくとも時間がかかっていきそうなものです。それで、当面平成29年度の間ということで、その郷原と智頭のところは地熱を利用した特殊な消雪工をしてはどうだろうか。それでこれを2カ所にわたりまして、今年度[平成29年度]のできる事業としてやってみてはどうだろうかということであります。また、事業者の方から、除雪の関係者から、やはり技術者の不足が言われるわけであります。それで、これについては、今、我々日野郡の方では県道と町道、国道の関係も含めまして、共同除雪をしている関係で人材の育成プログラムをしています。それでこの人材育成のプログラムを、全県展開をすると。これも6月補正[予算]として考えてみてはどうだろうか。こんなようなことなど、まずは当面できることをやっていってはどうだろうかということです。
例えば373のことで言えば、除雪をしようとして、ガードレールが雪を除雪したときのストッパーになってしまう。それで拡幅にも限度が出てしまうんですね。ですから、このガードレールをガードパイプに直す。そうすると雪が川の方に落ちる、道路外の方に落ちていくということになりまして、拡幅がよりやりやすくなると。道路が狭いもんですから、その行き違いでこの間はどうしても大渋滞を起こす、そこに根本的な問題としては国交省さんが上の鳥取[自動車]道を止めたもので、373という、あまり道路規格のよくない道路の方に誘導してしまったと。これが問題なんですけどね。本来であれば[国道]29号、[国道]53号、あるいは[国道]9号も含めて規格のいい道路で大型トラックを流していくべきなんですけど、大型トラックが下に流れ込んできてしまったときに、十分連絡が取り合えてなかったものですから、こちらの方でトラックが行き交えるような状態でない段階で入ってきてしまった。
普通の車は生活道路として使う分には行き違い可能な除雪はできていたんですけども、その辺の問題があります。従いまして、それが根本的な問題、それを解決しなきゃいけないんですけども、とりあえずできる課題として、国道373については例えばそういうような重点的な対策を追加して取るということを考えてはどうかということであります。また、[鳥取県]:防災[及び]危機管理[に関する]条例やあるいはあいサポート条例[県民みんなで進める障がい者が暮らしやすい社会づくり条例]の提案を6月議会に出すわけでありますが、これについても条例を出すだけでなくて、中身としてやはりこういう条例の精神を踏まえた具体的な政策としての予算も検討するように今申し上げておりまして、今、その練り上げを進めようとしているところであります。例えば、防災危機管理条例で言えば、この度パブリックコメントを終えましたけれども、パブリックコメントで、私どもの方で今回新たに出した支え愛避難所であるとか、それから災害時支え愛活動であるとか、こうした鳥取らしい避難やそれから災害時の助け合い、こういうものをさらに応援する、あるいはその環境づくりをする、そうしたことについては非常に積極的・肯定的なご意見が見られました。
そういうこともございますので、例えば支え愛マップ作り、さらには支え[愛]マップに基づいた支え愛避難所、こうしたことで対策を捉えるところ、地域をモデル的に指定してモデル事業をしてはどうだろうか。マップ作りから始まりまして、一部避難対策の装備も含めて支援をするような、そんなスキームを考えてみてはどうだろうかということがあります。また、支援が必要な人たちへの対策を総合的に講ずるように、これ防災危機管理条例の中で帰結しようとしていますが、福祉避難所の対策も含めて[鳥取県]防災・危機管理[対策]交付金を拡充をするとか、そうしたこともあっていいのではないだろうか。また、あいサポート条例の関係で言えば、この間も視覚障がい者のかたからご意見がございまして、視覚障害者センターというものがあってもいいはずだと、聴覚障がい者につきましては手話言語条例のこともありまして整備をされてきたり、あるいは盲ろう[者]のセンターもできたりしたんですが、視覚障がい者のご要請に応えるようなそういうセンターがないだろうか、今、[社会福祉法人鳥取県]ライトハウスが西部の方にありまして、これが一定の機能を果たしているんですけども、もう一歩拡充してそういうセンター化していくということもあっていいのではないだろうか。こんなことも、あいサポート条例との関係で新たに県として設置を応援して作っていくということもあるだろうと。
障害者差別解消法の中でも規定されていますが、配慮義務というのが出てくるわけであります。事業者の皆さんは障がい者に配慮して、より行動しやすい、またそこで過ごしやすいような対策を取るべきであると。これは努力義務的なことなんですけども、そうしたものが入ってきています。それで、あいサポート条例の精神に照らして、そういう企業や団体の取り組みを支援するという意味で補助金制度を作ってもいいのではないだろうか、例えば食堂・レストランを経営しておられる、そこで点字のメニューを作る、そういう点字メニューなどを作るといったようなそういう情報アクセス、情報コミュニケーション保障、そうした考え方のソフト事業を当然されることは考えられようかと思います。それで、こういうようなところがあちらこちらにやはり出てきて、障がいに優しいまちづくりというのが初めて進むという面があるんではないかと思います。
ですから、そうした対策を応援するような配慮対策って言いますか、障がいを知り、ともに生きるような、そういう事業者の活動を支援をする、そんな補助制度も作ってもいいんではないだろうか。こういうように単に条例だけでなくて、対策を取るその予算を併せて検討するように、今、急遽指示をしているところでございます。また、安全安心という観点では、例えば河川について鳥取らしく地域で支え合うということも含めたハード・ソフトでの河川防災対策というのがあっていいだろうと。そういう意味での協議会を来週17日に天神川流域で、それから18、19[日]とまた東部、西部も含めて順次作っていこうかということにいたしております。
●知事
また、原子力安全対策につきましては連休前に中国電力[株式会社]の方から私どもの方に説明がありましたが、島根原子力発電所1号機の廃炉につきまして、その廃止計画の認可が下りたということであり、私どもの協定に基づきまして、安全協定上の意見が求められることとなりました。これについては来週5月16日に、原子力安全対策のプロジェクトチーム、このプロジェクトチームは新米子市長や境港市長も入るチームでございますが、これはテレビ会議方式で開催をすることにしようと考えております。これにつきましては先般、原子力安全規制庁の方に参りまして、説明責任を果たすように国には求めたところであります。従いまして、その後折衝してまいりましたけれども、中国電力の出席はもちろんでありますが、原子力規制庁もテレビ会議方式でこの会議、プロジェクトチーム会議に出席をし、この廃止計画の承認に至る考え方、そうしたことについて説明を国の方からも直接してもらうことにいたしたところでございます。こうしたようなことで、安全安心の対策ということもしっかりととっていかなければならないと思います。
●知事
また、地方創生関連では、今日[5月11日] [とっとり]元気づくり[推進]本部会議を立ち上げることにいたしておりますし、また、来週、地方創生チームの拡大会議を行うことにいたしております。さまざまな指標が出てまいりました。例えば移住では昨年度[平成28年度]2,022人の移住があったという、今のところの数字です。若干前後するかもしれませんが、2千人を超える規模ということになりまして本県としては過去最多ということになりました。ただ片方で、やはり社会減、自然減こうしたところでの厳しい基調というものは底流にあるわけでありまして一生懸命移住を増やしている、あるいは出生対策を行うということをやりますけれども、高齢者が多くなってくると亡くなるかたも多くなったり、また、若者の流出対策等々も必要になってくるという状況であります。
従いまして、今日[5月11日]からまた今年度[平成29年度]そうした地方創生対策をどう進めるか、話し合いを関係者交えて進めていくことになりますが、具体的な方針を決めたり、KPI[重要業績評価指標]と言われる数値目標の変動もさせていく必要があるかなと思います。例えば、数値目標では、移住者が5年間の間に6千人という、そういうKPIでございました。これが今3,900人レベルまで最初の2年度[平成]27年度、28年度で出来てきております。順調に今6千人に向けて達成しつつあるんですが、今の勢いをさらに確保していくという目標数値としては、これを8千人に上方修正してはどうだろうかということであります。また、この記者会見の際にもご指摘がございましたが、低所得対策等々、子どもの学習と居場所づくり、この子どもの居場所づくりについても15[カ所]という目標を持っておりましたが、すでに昨年度[平成28年度]までで14[カ所]まできました。これも30カ所に上方修正してはどうだろうか。そのほかにも新しい考え方として事業承継ということは、地域の活力維持のため、発展のためにやはりどうしても必要だということになってまいりました。この事業承継の指標も新たにこの5年間で30件という成約件数を計上してはどうだろうか。こんなように具体的な目標の新設や修正も含めて戦略を練り直していくということが必要ではないかなと思っております。
子どもの少子化対策等で、本県は保育料の無償化等を進めてまいりました。4月からは新しい制度として在宅育児世帯の支援制度をスタートをさせました。それも今8つの町で、その具体的な申請が上がってきているところでございます。さらに岩美町も追っかけてくると思われますので、9[町]今のところ出てきているということかもしれません。その第1号が日野町でございますので、この週末ですね、この在宅育児世帯支援事業[おうちで子育てサポート事業]のお披露目のイベントを日野町の図書館の方で行うこととなりました。いろいろと手を尽くしてこういう移住対策等々進めていく必要があると思います。
来週は、民間の皆さま、藤縄[匡伸 鳥取商工会議所]会頭がトップでありますけども、地方創生で移住を進める会議[「来んさいな住んでみないやとっとり」県民会議]も開催をされるわけでありますし、いろいろとこちらに来てくださいというプロモーションを強めていくことになります。ちょうど今も就職の案内のイベント[とっとり就職フェア2017]を県内3カ所でやっている真っ最中でございます。新しい事業としては、この夏以降、鳥取県版のワーキングホリデーをスタートさせようとしています。来週のこの会議の中でも議論することになるかと思いますが、300人程度はそうしたことで都会の方から来ていただく、それを各市町村でさまざまなプログラムで受け入れてく。こんなことを計画してみてはどうだろうかと考えておりまして、こんな話し合いもしていければというふうに考えております。
●知事
食のみやこを作っていく意味で、明日[5月12日]、この世界では大手であります辻調理師専門学校さんと協定を結ぶことになりました。ガストロノミー[美食]という考え方でマニフェストを作り、これが内閣府のクールジャパンの事業に選定されている辻調理師専門学校と協定を結ぶことによりまして、県内の食材をレストラン等で使っていただいたり、また、ジビエ料理、これを開発し定着させていく、あるいは先程の[とっとり暮らし]ワーキングホリデーも含めましてその卒業生に県内の方に帰ってきていただく、こんなようなこともプロモーションなど協定を結んでいければと思います。また、本日[5月11日]は、[ヴィンテージ]トマトジュースを日南町の方で開発したもの[アイシャーラ2016]、そのお披露目ということになりました。いろんなかたちで、こうした食の振興を図っていければというふうに思います。
●知事
いよいよ第4回の[全国高校生]手話パフォーマンス甲子園の高校エントリーが始まります。7月の初めまで受付をさせていただいております。10月1日に今年[平成29年]の手話パフォーマス甲子園が開催されることとなります。ぜひ、ふるってご応募をいただき、鳥取という手話の聖地で全国から集まる仲間と交流をし、青春の思い出を作ったチャレンジ、これに向かってきていただければと思います。私の方からは以上であります。
○共同通信 副島衣緒里 記者
質問のある社はお願いします。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
移住者の数ですけれども、非常にこの地方創生の総合戦略作ってから好調だとは思うんですけれども、この好調に移住者が来ている要因について、知事はどのようにお考えでしょうか。
●知事
実は地方創生の以前から取り組んでいたことが多分要因だとは思います。私どもでは平成19年に人口が60万人を割り込んだことを契機として、県政の方針を180度転換し、移住対策をさせていただくようになりました。実はこの分野は、島根県さんとか、岡山県さんが先行してされていたことで、鳥取県はそれに対して消極的だったわけであります。ただ、それをひっくり返しまして、もちろんネットでのプロモーションであるとかから始めて、それが例えばお試し住宅であるとか、それから移住者向けの[住宅の]水回り等の改修支援であるとか、また移住者中心となった迎え入れ組織の応援とか、こうしたことをいろいろやるのと併せて都会地でのプロモーション活動も強化をしていきました。
それで、徐々に認知度は上がってきたんだと思うんですね。そうした状況の中で国が地方創生で東京一極集中の是正に本格的に乗り出し、メディアでも大々的にアピールされたということもありまして、注目の先が鳥取県にも向かってきたということだと思います。ですから、我々以外の県でも、もちろん好調なんだろうと思いますし、ただそういうなかで競争力というのを、一定程度以前から取り組んでいた関係で確保できているということではないかなと思います。我々、ずっとやってきて、東日本大震災あたりが、潮目が変わったときだと思っています。それまではなかなか移住といっても非常に例外的な感じで見られがちだったのではないかなと思いますが、移住ということが人生の選択として、ある意味クローズアップされてきたのが東日本大震災以降だったかなと思います。そのときに、地方創生がそれに拍車をかけるかたちで本県に今2,022人という移住者がやってこられるに至ったと思っております。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
昨年度は、後半で地震があったり、雪があったりして、多少その辺への影響も懸念されたかと思うんですが、昨年度に限ってはその辺はあまり影響がなかったということなんでしょうか。
●知事
いや、影響がなかったかというと、それはさすがにちょっとうそにもなるかもしれません。正直申し上げて、[鳥取県中部]地震があった直後は、移住の相談的な話はパタっと止みました。ただ、震災対策を鳥取県がいち早く克服していったことはやはり[効果が]あったと思います。信頼感というのは移住を検討されるかたには伝わったんではないかなと思います。相対的に見ますと、実は地震の心配ということであれば、他の地域の方がより深刻な心配があるわけでありまして、そういうなかでは、山陰というのは鳥取県中部地震という非常に厳しい事象はありましたけれども、それを差し引いて余りある魅力的なところにも映るというものだと思います。ですから、我々としてもぜひそうしたかたちで選択してくださるかたはしっかりと迎え入れてまいりたいと思っております。
○日本経済新聞 山本公啓 記者
ちなみに、移住にあたっての鳥取の良さといったら、知事はどういうところにあるだと見ておられますか。
●知事
やはり、ゆとりのある暮らしができるということではないかなと思います。ストレスが比較的少ない。よく通勤時間のことが言われます。これは全国で3番目に短いわけであります。また、自然へのアクセス、海も山もありますので、スキーと海水浴、両方射程に入るところ。それから、温泉地が比較的多いなど、保養という観点、伸び伸び過ごすという観点でもいいところがあるわけです。そういうような意味で、時というものを自分で支配できる、そんな可能性が1つの魅力ではないかなと思います。田舎でのんびり暮らしたいっていうのが、多分移住者の共通のパターンだと思うんですけども、そういうのんびりさというものが期待できるのがあると思います。
あともう1つ大切なのは、そうは言っても人生の決断でありますので、じゃあ、行ってみようかで行く旅行とは違って、住むっていうのは相当の覚悟と捨ててくるもの、いろんなそうした片方でマイナスを引き起こしながら決断するものでありまして、並大抵のことではありません。先ほどもお話申し上げましたとおり、実は私ども平成19年以来ですね、10年にわたって移住対策を進化させてきておりまして、他の地域にはない移住者向けの魅力というものが生れてきているわけですね。だからこそ、岩美町とか、それから倉吉市とか、鳥取市や米子市もそうでありますが、全国でも際立って魅力的なところとしてランキングされるのは、そうした政策アプローチがあるからでございます。
例えば、空き家がありますといって提供することでは終わらないんですね。空き家を直す、その費用を半分助成ありますよと。それで水周りなんか直せますよということがありますと住みやすいわけですね。またさらに大山町等々ではリフォームの提案まで地元の住民組織がやったりする、こうなってくると非常に直ぐにでもじゃ住めるかなということになってくるわけですね。それから移住されるかたからよくお伺いするのは、やっぱり子どもを預ける、子どもを育てるのにはとってもいいということであります。
それで子育て環境としても保育料の無償化事業や医療費助成、それから小人数学級等々都会ではちょっと考えられないような、その行政支援もある。こうしたことがさまざま加わって移住という重たい決断をされるに至るんだと思います。ですから、そうした自然なんかも含めたゆとりある暮らしというイメージに鳥取が合うということが1つがありますし、実際行って見ていろんな話を聞いてみると支援策も多いし、移住の受け入れの基盤も整っているんで、じゃ本気で考えてみようかということになりやすい政策アプローチがあると、この2つではないかと思っています。
○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者
すみません、話が変わりますが、雪害対策なんですけれど、これ県内で99カ所監視カメラを設置することが必要だと、そういうことが分かったと。これは今年度中に設置するために7千万円の予算を、補正予算を6月議会に提案するというふうな理解でよろしいですか。
●知事
はい。実際、今すでに百数十箇所あるんです。それでホームページ[とっとり雪みちナビ]を開けていただくとお分かりいただけると思うんですが、その[とっとり]雪みちナビというサイトからここの雪の状況はこうっていうのが見えるようになっているんですね。あれをもう一気に99カ所追加設置しようということであります。これまでのいろいろと積み上げもございますので、だいたいその程度の予算で設置、年内出来るんではないかなと。出来れば、雪の季節に間に合わせたいという思いであります。そうすると、この6月[県議会]で計上しないと間に合わないということであります。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
関連ですけど、この監視カメラの99カ所設置するのは何かしらのたぶん基準みたいなものがあるかと思うんですけど、どういった基準なんでしょうか。
●知事
結局、雪かきの委託業者さんなんかも、あそこどんな状況かというのは、見たいところがあるわけですね。今ももちろん設置をされていまして峠のところだとか、いろいろともうすでに可視的になっているところがあるんですけども、その他にもどうも吹き溜まりになりやすい場所であるとか、ちょっとこのカメラの状況ではこっちの状況は推測しにくいというそういう位置関係であるとか、その辺を全県的に精査をした結果今我々の目論見としては99カ所追加設置が必要かなと。これは、実は除雪業者のお話も聞いた上で箇所選定をさせていただきました。緊急性が高いところ、必要性が高いところというメルクマール[指標]であります。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
だいたいは県道の話なんですか。
●知事
これ県管理のものです。県管理国道も含めてですけどね、県道と県管理国道。
○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者
すみません、これ関連なんですけど、例えばその国管理の国道に関して、例えばカメラの増設を要望されるとかということはあるんですか。
●知事
これは、実は雪害の後[平成29年2月15日]ですね、[石井啓一]国[土]交[通]大臣も含めまして強く要請活動をさせていただいております。これは国土交通省の中国地方整備局の方にもお願いをしております。この辺はちょっと私の承認権がないので6月補正でどうということにはならないわけでありますが、例えば消雪等の必要な箇所もあるのではないかと思われたり、それから、今、迂回路の設定や除雪基準のことも含めて意思統一を図ろうとしています。中西部の方は倉吉の国道事務所[倉吉河川国道事務所]、それから東部の方は鳥取の事務所[鳥取河川国道事務所]の方が一応ヘッドになったかたちで、それで県や市町村も入って、今、話し合いの協議会[冬期道路交通確保対策会議]を作って議論を進めています。それで成案を得て対策を取っていくということになろうかと思います。また、当然ながらこれ雪の季節の前に組織的な体制も作っていきたいと思います。いろいろとお伺いしているんですけど、中国地方整備局や国交省の方でもこうした地元での必要性のあるところについては検討はしてくださっていると思っています。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
視覚障がい者センターの設置に対するその支援ということが、言及がありましたけども、これを設置することによる効果はどのようなことがあると思われますか。
●知事
今、実は皆生のプールの横のかつての[鳥取県西部]健康増進センターのところに入っていただくかたちで、これ社会福祉法人鳥取県ライトハウスや[公益社団法人鳥取県]視覚障害者福祉協会等の方で作っていただいている施設がございます。ここに、いわゆる点字図書館であるとか、それから声の友という情報誌、情報誌といっても音声で情報を出すやつですけどね、そういうものの発行であるとか、そうした事業は現在も視覚障がいの関係者の手によってなされています。それに県も助成してきているわけであります。ただ、例えば相談であるとか、相談支援であるとかそうしたことも含めて機能統合しながらセンターとして基盤を強固にしていくということが必要ではないかと。この辺が関係者の方からもご意見がございました。今回、あいサポート条例を制定しようとする際に、この視覚障がい者センターというのも検討の俎上に上げさせていただいて、予算化してみてはどうだろうかと思っています。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
これも本年度に開設予定ということでしょうか。
●知事
ええ、本年度開設という方向性で協議したいと思っていますが、まだ正直先ほどちょっとアイデアとして申し上げたんですけども、そうしたことを関係者とも意思疎通を図りながら、6月県議会に間に合えば予算提案していきたいということです。
○共同通信 副島衣緒里 記者
その他ありますでしょか。なければ以上で知事会見終わります。ありがとうございます。