●知事
皆さん、おはようございます。このたび、秋篠宮眞子内親王殿下がご婚約の運びという報道が出ております。まだ公式な発表はなされておられませんけれども、昨年[平成28年]10月29、30[日]と私どもがまだ被災間もないころ、余震が続いているような時期ではありましたけれども、鳥取県中部地震に思いを寄せていただき、また、障がい者の芸術文化活動に親しくお声がけをいただきましたこと、私どもとしてもつい昨日のように思い出されるところであります。その折にも中部地震に対しまして、その被災の状況を、非常に親身に身を乗り出して耳を傾けながら聞いてくださったこと、そして、例えば学校が早く再開したことは良かったですね、とか、それから、さまざまな被災者の思いに応えながらお声がけをしていただきました。
障がい者の皆さんも大変に感激をされておられました。例えば、[障害者支援施設]もみの木園の方で足立[伸一]さんや表敷[功]さんに声をかけていただき、その創作活動をつぶさにご覧になったのみならず、また建物の外に待っておられました障がい者のかたに、お一人おひとり手を握りしめながら歩かれたこと、大変にありがたく、我々も恐縮をいたした次第であります。ぜひ、お幸せになっていただきたい、県民の皆さまとともにお祈りを申し上げたいと思います。そういう意味で昨今、[天皇陛下の]ご退位につきましていろいろと政府レベルでも検討が進み、閣議決定もなされまして、法案が出ていくというようなことになるわけでございますけども、こういう動きの中でやはり女性のご皇族のあり方なども含めて、速やかにご議論がなされても良いのではないかとも思われます。私どもはそうした眞子内親王殿下にも大変なご慈愛を頂戴をしたこともございまして、今後のいろんなことにつきましてもご配慮をなされること、政府等にも望みたいところでございます。
●知事
また、昨今、国際情勢もいろいろと変転をしております。今日[5月18日]も[ドナルド・]トランプさんのショックによりまして、円相場が110円台をつけるなどの朝となっているところでございます。また、北朝鮮が5月14日にミサイルを発射をしました。これは、我々日本海を臨む地にありまして、憤りに耐えないところであり、国際社会でぜひこうしたものを克服していただきたいと思います。国[際]連[合]における協議もなされたところでございますけれども、さまざまなかたちで我々も対応していかなければならないわけであり、今、ちょうど国民保護計画の見直しもしているところでありまして、最終場にはなりますが、こうした課題も含めて、今、最終的なとりまとめをしようとしているところでございます。
また、TPP[環太平洋戦略的経済連携協定]につきましてもニュージーランドの[ビル・イングリッシュ]首相がお見えになっておられますが、TPPはアメリカ抜きでまずは11カ国で始めようという動きが加速するのではないかとも思われます。こうしたことで農業者を初めとした国内の状況に影響がないように、政府としても万全な措置をとっていただく必要もあるのではないかと思われます。
●知事
安全・安心ということで世界的にも課題になっていますのはサイバーセキュリティのことであります。WannaCry(ワナクライ)という新しいランサムウェア[コンピュータウイルス]が世界中を跳梁跋扈しておりまして、日本でも[株式会社]日立[製作所]のようなあの大手の企業さんでもその被害が見られたところであります。実は鳥取県としては5月13日に私どもの方で実はこうしたサイバーセキュリティを強化していたところでございまして、そのサイバーセキュリティ会社の方から連絡がございまして、週末も緊急対応をしておりました。週明けにも、[セキュリティ]パッチと言われますが、プログラム上の弱い部分、これに対する対策を完了いたしまして、鳥取県としてはそうしたことがないことを確認もしたところでございます。ただ、不用意にメールの添付ファイルを開くとか、また、今回の場合はメールにリンク先が表示されている、そのリンク先に行くことで結局パソコンの操作を乗っ取られてしまうということもあるわけであります。今回のWannaCry(ワナクライ)の特徴としては横展開していくという、そういうものがありまして、これが世界中に被害を拡散したものにもなってきております。そういうウイルスの特性であるとか、対策につきましても、今週庁内の方に徹底をしているところでありますし、市町村の方にも呼びかけをしております。
また、この度ホームページ上にもこうしたWannaCry(ワナクライ)に対する対策を県民の皆さま、ホームページの閲覧者の皆さまに呼びかける、そういうサイトの特設をさせていただきまして対策の強化を図っているところであります。その究極の姿として[5月]21日、この週末にネットワークの完全分離を県庁システムは整えることにさせていただきます。これは、片方でマイナンバー制度が導入をされて県の行政情報についてのセキュリティレベルを上げなければならないこともございます。そこでインターネットの接続について完全に県庁の行政情報を扱うネットワーク庁内システムと分離をしてしまう。ですから、庁内で使うパソコンについてはインターネットに直接アクセスすることはできなくするということであります。これにより完全にそういうウイルス攻撃等々から遮断されたシステムになりますので、そうした1つの究極の対策として[5月]21日にこれを発効させたいと思います。
どうやって、いわば世間のインターネット情報にアクセスするかということでありますが、それは庁内のLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)に繋がっているパソコンの方からはそのインターネットの方のサイトを見るためには、一端仮想でそれを見るというかたちにするわけです。あたかもインターネット上の情報にアクセスしているように見えなくもないですけれども、ただ実体はこちらのパソコンを操作することでインターネット上の操作も行われる、並行してですね、そこに出てくる画面をこちらの画面の方で県庁のLANの方のパソコンでは見ることもできるようにすると、それによって実質上、インターネットの情報への閲覧ということも可能にはなります。もちろんシステムが完全に切れていますので、できることできないこと今後出てきますけれども、そういう意味で、こういう今回WannaCry(ワナクライ)で出てきたような、そういうサイバーセキュリティ対策、この課題にもこの週末からランクを上げた対処をすることにいたすところでございます。
●知事
また、[鳥取県]犯罪のないまちづくり[推進]条例に基づきまして、その推進計画を改定をすることにいたします。これ、昨日[5月17日]ですかね、協議会[鳥取県犯罪のないまちづくり協議会]の方からの答申が出てまいりまして、それに基づき、これまでのパブリックコメントなどの声等も反映した上でということになります。目標としては刑法犯認知件数3,000件以下を今後も維持していくと、こうしたことを1つの究極の目標として数値的にも掲げ、最近の傾向として、例えば特殊詐欺被害が広がっていますので、こういう特殊詐欺被害[対策]をやる。それから防犯カメラの活用やその適正な運用、さらには万引き防止対策、こうした最近の課題に即応したようなかたちで鳥取県犯罪のないまちづくり推進条例に基づく推進計画を、改定をすることにいたしたいと思います。
●知事
観光やこれからの方向性を考えていく上で大きなテーマは、1つは大山があろうかと思います。大山[開山]1300年祭に向けまして、今、地域を挙げた取り組みを進めておるところでありますが、いよいよその端緒が開かれることになります。5月20、21日と[皆生・大山]SEA TO SUMMIT[2017]が大山、それから美保湾等で開催をされる時期にあわせまして5月20日には大山のシンポジウム[歴史シンポジウム「大山と出雲」]をする。そして、[5月]21日の日に、これはお山の方になりますが、開白法要、1300年祭を始めるというスタートの法要を挙行をされることになりました。これは、また島根、鳥取両県に跨ります社寺縁座の協力も得ながらされるということになり、私も出席をいたしますが、溝口[善兵衛島根県]知事も参列をされるというかたちで、開白法要が厳かに行われることになります。いよいよ大山1300年祭、来年[平成30年]に向けまして、そのスタートの火ぶたが切られるということになります。また、5月24日の日には御幸行列が、これも久方ぶりに執り行われるということになります。
●知事
それで、これに併せて、関連して星空につきましても、来週[5月27日]やはり大山の星空を眺めようという、そういうイベントが開催をされたり、実は新月の日には、5月26日に[鳥取]砂丘でもヨガを楽しみながら、その星空を眺めるという会も催されます。
[5月]27日が大山ということになりますが、この星空につきましては、昨日[5月17日]、星取県の会議[星取県推進会議]が開催をされました。これは[鳥取市]さじアストロパークの香西[洋樹]台長を初め、学術関係のかたがたや、あるいは大手の望遠鏡メーカーの[株式会社]ビクセンの新妻[和重]社長、さらには地域の観光関係者、あるいは星空ビジネスをされているかたがた、そういうかたがたを交えながら議論がスタートされたわけであります。いろんなご議論が登場をいたしましたので、これを今後フォローアップしていかなければなりません。例えば、かねて条例の検討をやってみようかというようなことで、この辺を議論始めていたところでありますが、昨日[5月17日]の星取県の推進会議のなかでは、ぜひ、そういう、ある意味とがった条例というものをやるのが全国に対するアピールとして必要ではないだろうかと新妻社長の方からご意見が出たり、日南町のように最近、星空を絡めながら観光ツアーを組み始めている、こちらはホタルのような夜の素材もございまして、地域の方からはぜひ、地域指定のようなかたちででも、そういう条例に期待したいという声も上がりました。
従いまして、議会側とこの条例制定に向けて協議を始めるべきかなと思います。今後いろんなご意見が出てくるでしょうから、それによって中身を考えたり、もちろんこうした条例について、可否も含めた、そういうご議論もありましょうから、その辺も含めた検討をいよいよ本格化させる必要があるかなと思います。いろんな市町村であるとか、有識者のご意見も我々県としてもさまざま集めていく必要があると思いますし、また、昨日[5月17日]この条例の議論の火ぶたを切られた牧浦[健泰]さんという若手経済人のかた、このかたからも積極推進の声が上がりましたが、そういう経済界の皆さまなど、こういう事業に期待をされるかたがたのご意見も聞いていく必要があるかなと思います。
条例の中身で考えなければならないのは、1つはやはり星空というものを大切にする地域というのを鳥取県と言えども、広いものでありますから、そのなかで、特別の地域というものを地元の考え方も踏まえたなかで定めていく、そういうところではある程度の規制というものを受け入れながらやっていただくという、地域指定による星空保全というのが1つあろうかと思います。また、2つ目には全県的にも取り組んでもいいようなことがあるのではないかということでありまして、サーチライトのように空高くを照らすことが非常に星空を阻害する、しかも広範囲に阻害することになります。これを規制をすることを改めて県としても問題提起してもいいのではないかと思います。先ごろは鳥取砂丘につきましてそういうご議論が急遽浮上しまして、結局サーチライトを止めたというようなことも最近もございました。今後に向けて1つの地域づくりの考え方として、その辺も改めて議論してもというふうに思うところであります。
また、昨日専門家の先生の方からお話がございましたが、街灯等もできるだけこう上に光源が逃げないように、下の方を照らすようなものがよいのではないだろうか。そうした配慮というものも、公共施設等で行っていくこと、こんなこともあってもいいのではないかなと思います。実は鳥取県自体も、今、LED化も含めて5%以上、上に光源として漏れないように、街灯の規制を我々自身も自主的にやっているところでありまして、こうしたことを条例上も展開をして、広く市町村も含めて協力していただくということもあるのかもしれません。こういうように全県的に取り組めることもあるのではないかというのが2つ目であります。
また3つ目としては、この星空を守る運動展開とか、また教育であります、環境教育という観点、天体教育という観点、こうしたものをせっかくこういう星空に恵まれる地域でありますので、それを教育等、子どもたちの成長や夢を育むという意味でも展開を考えていいのではないか。こういうようなさまざまなことが議論としては想定されるのかなと思います。いずれにいたしましても、条例検討のスタートを昨日[5月17日]の会議の結果も踏まえて進めてみてはどうかなというふうに考えております。
それで、併せまして昨日[5月17日]もいろんな議論が提起をされました。例えばサイエンスキャンプということをおっしゃった先生がいらっしゃいましたが、せっかくこの星空というものもあるので、別に天体だけに限らなくて結構だろうと思いますが、夜はこう天体を見てもらって、またものづくりであるとか、いろんなサイエンス体験、そういうものをしてもらうような、そういうサイエンスキャンプなんかどうだろうかと、こういうお話がございました。あるいはモニターツアーをやってみてはどうかという旅行事業者や観光関係者のご意見があったりしました。こうした諸々のこと、いろいろと可能なものを取り上げていく必要があると思いますし、また、対外的にも星取県ということで、これ豊かな自然のアピールとしてという、その辺が一番ポイントになろうかと思いますが、そんなキャンペーンも含めて[平成29年度]当初予算でまだ盛り込み切れてないこともあったと思います。そういうものについて、[平成29年度]6月補正予算でも提案を考えてみるべきかなと考えております。当初の観光予算に比べると規模はそんなに大きくはならないんですが、1,000万~1,500万[円]ぐらいの規模での予算組みというのも、昨日[5月17日]の結果を踏まえて検討する必要があるかなと考えております。
●知事
また、これから航空路線のことでも、全日[本]空[輸株式会社]さん等々搭乗率がまとまってきております。鳥取[砂丘コナン]空港、米子[鬼太郎]空港とも過去最大レベルということになりました。しかし、あまり大きくはないですけども、目標数値に鳥取空港は届いていなかったことが今年度[平成29年度]中に予想されます政策コンテスト、これ羽田[空港]の便の枠を争うコンテストになります。これが実施されるかどうかも含めて、まだ未定ではありますが、実施されるとしたら今年[平成29年]チャレンジしていかなきゃならないわけでありまして、この辺に向けてのテコ入れも必要かなと思います。楽天[トラベル]とか、じゃらん[net]とか、るるぶ[トラベル]とか、そうしたネット上で予約されるということも多いわけでありますが、そういうところでのキャンペーンであるとか、また、但馬地域も含めて活用していただけるような対策など、これまでも予算繰りもしておりますけども、対策の強化も一部6月補正[予算]に向けてしていく必要があるかなと考えております。
●知事
また、地方創生についてでございますが、この度、教育関係で[東京]23区の方での大学定員抑制ということなど新しい方針も示されつつありますけれども、地域としてもしっかりと展開をしていかなければならないと思います。そういう意味でこの週末[5月]20日に、将来世代を育てながら、こうした地方創生を進めていこうという有志の知事13人によります知事同盟[日本創生のための将来世代応援知事同盟サミットin とくしま]が徳島県で開催をされることになります。それで、私自身も出席をさせていただこうと思いますが、山本[幸三]地方創生大臣もご列席賜るということになりました。私自身も、パネリスト的に山本大臣も交えた討議に参加をさせていただこうと思います。やはり働き方改革等々も含めて、新しい地域の姿というものを作り、子育てがしやすい、暮らしやすい、そういうところに移住定住を引き込んでいく、こんな循環を作っていかなければならないと思います。同士の皆さんと一緒になりまして、この辺の議論を深めていければというふうに考えているところでございます。
こういうなかでふるさと納税も議論をされるわけでありますけども、これについては私どもの方でも、かねてから過剰なものにならないように自制をしながら進めてまいりましたので、先ごろ総務省が示した基準に引っかかるものではありません。県内の市町村では、県とは違って少しはみ出している自治体もありますので、そういうところでは順次、見直しが行われているようでございます。こうしたことは私自身は1つの方向性としてよいのではないかと思っております。こんな意味で、また事業構想大学院大学等が中心になりまして、昨年も研究会をやっておられましたけれども、私の方でもそれに参加をさせていただき、ふるさと納税のあり方について、今後問題提起をしたり、いい意味でこれを活用していく、そういう方向性が議論できればなというふうに考えております。
●知事
こういう地方レベルでのことということで地域の意思表示というものの大切なプロセスが選挙制度なのだろうと思います。今、閣議決定がされ、国会の方に提出されましたのが衆議院の区割り法案であります。ぜひ、国全体でこうした国民代表のあり方、国会が中心となって議論を深めていただければと思います。
今回の法案自体は、[小選挙区]0増6減の案でございまして、さらに比例代表について、0増4減でございます。ただこれは暫定的なものという要素が入っているわけであります。それは10年に1度の国勢調査の本格調査によりまして改定もあるわけでありますが、今回は要計表と言われる簡易調査の方でございます。その本格調査がまた5年後というレベルであって、そのタイミングではまた、区割りの考え方が変わるわけでありまして、アダムズ方式によります都道府県への比例配分、これに基づいた区割りということになります。今回のことも、もしアダムズ方式が導入をされていれば、7増13減、あるいは1増5減というふうに小選挙区や比例代表ではもっとドラスティック[思い切った]な区割り改定になっていたはずであります。私は、このアダムズ方式というのは衆議院の選挙制度としては、十分考え得るものではないかなと思います。それで、アダムズ方式は比例代表、比例的に配分をする中で、そういう地域の特性というものが一定程度反映されるように配慮するやり方での比例配分であります。
対極がドント方式でありまして、ドント方式であるとその小さな地域は切り捨てられるという方向になってしまいます。従いまして、アダムズ方式が採用されているということは、十分評価できるのではないかと思います。ただ、それでもそれだけ大きなドラスティックな変化があって、おそらく大きなまた波紋が広がる可能性があります。そういう意味で衆議院と対置して参議院の方は、やはり都道府県代表というのをしっかりと担保できるような制度が設計されなければなりません。ここにきて報道で、与党自由民主党の方では年内に憲法改正案をまとめるというご議論が出始めております。関心があるのは地方分権のところ、これはまだ章立てはありますけども、中身があまりにも抽象的すぎて、制度的保障に至ってないのではないかと思われます。
また、都道府県代表ということが我が国の民主主義の発展の歴史からして担保されなければならないのではないか、それにつながるような議論というものが臨まれるのではないかなというふうに思います。衆議院の区割りの議論が開始をされますが、ぜひそうした観点も今後は含めながら国民代表についての議論が広がり、コンセンサス[意見の一致]がこの国で得られることを期待申し上げております。地方創生と併せて行政のシステムも変えていかなければなりません。
●知事
来週の5月22日には規制改革会議を鳥取県としても立ち上げることにいたします。これは住民の皆さま、民間の皆さまの観点から県が持っているような規制について見直しをするということであり、これは働き方改革にも同時につながってき得るものだと思います。すなわち役所の規制が緩和されるというのは、役所の仕事も緩和されるということでありまして、一石二鳥なのではないかなと思います。いろんなアイデアが出てくると思うんですが、私たちから見てもどうかなと思われるのも、もちろん今でもあるわけでありまして、例えば葬儀屋さん、セレモニーホールなどで、立て看板で何々家ご葬儀と出ます。あれも実は何々家が変わる度に道路占用許可を取らなきゃいけないわけですね。でも、ここに出すということさえ決まっていれば、道路占用許可を包括的に年間を通じて与えるとか、いろんなやり方はあるんではないかなと思います。このように規制のやり方というのを見直していくことで企業さんや住民の皆さまには負担が取れますし、また、働き方改革にもつながって行政の効率化にもなる、そんな意味でこの改革会議を推進して、しっかりと我々も謙虚にフォローしていくことが大切だと考えております。県庁の働き方改革は、今、具体的に、この仕事を改革しようというのをそれぞれの所属に号令をかけて進めております。4月段階の数字が出てきましたが、4月ひと月では対前年13%減、3万時間の減と超過勤務がなりました。ぜひこうしたことを今後も積極的、効率的に展開していければと考えております。
●知事
これからいろいろと諸行事等もございますが、初夏の日差しらしく暖かい、新緑もまぶしい季節となってまいりました。いよいよ大山1300年祭ということもございますけれども、そういう意味でいろいろとこれから我々としてもホスピタリティ[もてなし]を上げて[トワイライトエクスプレス]瑞風、あるいは海外のお客さん等々をお迎えをしていければと思います。
●知事
そういう中、健康管理の面では[細菌性]赤痢の患者さんが発生をしました。今、県庁の[インターネット]サイトの方をご覧いただいても出ておりますが、相談窓口も作りましてご案内をいたしております。体調にご異変があった場合等々ご連絡を賜ればというふうに思います。海外のそうした感染地域に行かれることもあろうかと思いますが、生水は煮沸をする必要がある、あるいは生物等々に気をつける、手洗い等々、これも必要であります。そうしたことが赤痢の一般的な対処方針でございまして、こうしたことも含めたご案内を差し上げているところであります。くれぐれもご健康にもご留意いただければと思います。私の方からは以上です。
○中国新聞 小畑浩 記者
各社で質問ありますでしょうか。
○日本海新聞 今岡浩明 記者
よろしいでしょうか。今せっかく出ましたので赤痢についてなんですけれども、昨日、一昨日、その前ですか、県から発表がありましたが、その際にはその患者の勤め先ですとかは出なかったというふうに理解しているんですけれども、翌日になって勤務先から食品関係に従事していたのでということで注意を呼びかける案内が出ました。それで、これについてなんですけれども、なかなかこの手の発表ですからプライバシーのこともあって、県の方はあまり情報出されないんですけれども、特に今回のようなその食品扱っているとかいう場合については、やはり併せて注意をきちんと呼びかける必要があったのではないかなというふうに思うんですが、その辺は赤痢のその潜伏期間との兼ね合いなんかもあって、もう、安全だというふうに判断されたのかもしれませんけれども、そのあたりの経緯ですとか、あるいは今後の考え方などありましたら教えていただきたいと思います。
●知事
せっかくご指摘もありましたので、私もちょっと今回の発表の仕方等々の経緯は確認をさせていただき、必要な改善があればさせていただきたいと思います。今回のケースにつきましては、今お話もありましたように、あるお店での従業員のかたでございまして、そういう意味でお店側も呼びかけが始まったということであります。もちろん、食中毒のようなケースであれば、私どもそれはお店も含めて発表させていただく、これは若干厳しい措置になりますけども、今回はご病気ということであり、今もおっしゃったようなプライバシーの問題も配慮したということなのかもしれません。ちょっとその公表のやり方については改めて確認をいたしたいと思います。今、潜伏期間もあり安全と判断しているのではないかということでありますが、私ども保健衛生サイドとしては、まだ終息はしておりません。まだフォローをさせていただいておりまして、例えば接触があったかた等の調査を続けております。現在進行中のものであります。ただこれについていろいろとお店の方も配慮をされて呼びかけもされているところでございまして、いずれは終息すべきときには終息できるのではないかとは思いますが、まだ安全宣言を出している段階ではございません。非常に重大な関心を持って、今調査にあたっているというところであります。
14 働き方改革の実績評価(4月の時間外勤務実績を受けて)
○日本海テレビ 前田俊博 記者
先ほど知事の方から働き方改革について何度か言葉出ていますけども、先ほど出ていました4月段階の数字で3万時間減というか、対年、前年度13%減、これは知事としてどう評価されますか、幸先というか。
●知事
やはり、実は最前も申し上げましたけども、鳥取県、私就任してから大分カイゼン運動というトヨタ方式も導入をしたり、職員の皆さまの自発的なアイデア、それをさらに我が県の場合は本当に例えばシステム改革も含めて実現をしていく、横展開をしていくということをやってきまして、予算編成のやり方を改めるとか、ちょっと他所ではない動きもしているもんですから、ただドラスティックに減ったことは減ったんですね。それが若干、揺り戻しと言いますか、役所の常ではありますが、少し意識が緩むというか、元に戻る傾向があると、前例踏襲が役所の常なので、元に戻れば戻るほど、元を参照すれば参照するほど元に戻っていくということでありまして、そういうことが往々にして起こったわけでありますので、意識改革の警鐘が改めて徹底されたのかなというように思います。それから職場での取り組みも一定程度進んだとは思います。ただ、まだ端緒でありまして、今働き方を改めるための仕事の見直し隊[県庁仕事見直し隊]が全庁を、今、回っているところでありますし、それぞれに改革に向けて、働き方改革に向けて方針を出してもらい、実行してもらおうというこれからフォローアップが続きます。ですから、まだスタート段階なので一応機運は出てきたかなというのが正直なところでありますが、これからが正念場だと思っています。
15 プレミアムフライデーの働き方改革への位置づけ
○日本海テレビ 前田俊博 記者
来週1つ象徴的な働き方にも関係するプレミアムフライデー、4回目迎えますけれども、前回に比べて導入されていますけど県としては、そのレミアムフライデーを働き方改革の中の位置づけとして県民にも働き方をアピールする格好の場ではあると思うんですけども、その位置づけとして働き改革の中でプレミアムフライデーというのはどう捉えておられますか。
●知事
これは国が旗を振ってやっておられるところでありますし、経済効果も一部のお店では確かに生まれている面もあると思います。ですから、そういう意味で県としてはポジティブに対処してまいりたいと思いますが、働き方改革でプレミアムフライデーを一斉にとにかく[午後]3時になったら帰りなさいというところまでは現実に公務の性格上ですね、難しい面もあります。ただ、私どもとしては帰ることができる職員は、あるいは帰る必要がある職員は帰宅できる環境づくりが大切でありまして、それはまた来週の働き方改革の一環としてプレミアムフライデーの前に再度徹底をさせていただきたいと思います。ちょっと目標のもの、数値がどうとかいうところまではまだ設定するのはいかがかなと思っていますが、その趣旨には賛同するものではありまして、1つの象徴としてやってまいりたいと思います。
正直申し上げてプレミアムフライデーだけ勤務時間が減ったからといってそれで解決するものでもなくて、おそらく根っこにある、特に学校の先生方よく言われますけども、忙しすぎるような体質になってないだろうか、そういう意味でぜい肉といっていいような仕事のやり方があるのであれば、そういうものを改めていくのが本来ではないかなと思っておりまして、そちらの地道なメスを入れていく作業ですね、やってまいりたいと思っております。
○日本海テレビ 前田俊博 記者
あと1つ、すみません。そういう鳥取県の場合はまだプレミアムフライデー、導入というかたちで動かれたのであれですけども、ほとんど県内の中小企業はまだ働き方ということでプレミアムフライデーをほとんど導入できてない現状の中で、県がそういう面でプレミアムフライデーをどうとるかって1つの象徴として働き方について1つのモデルというか促していくとこも出てくると思うんですけども、県内全域の県がどこまでということがあるんですけども、働き方の示し方というか促し方というか、いかがですか。
●知事
これについて、先ほど申しましたプレミアムフライデー、例えば金曜日の[午後]3時からお店を閉めるかというとなかなか逆にそうもいかないという事情もあって、金曜日の[午後]3時に閉めるというなんかたぶん日[本]経[済団体]連[合会]の考え方もあったのかもしれませんが、地方の実情としてそれがストレートに妥当するかというのは本当あるんだと思うんですよね。ただ、大切なのは先ほど申しましたように県内企業の規模の小さな企業さんでも、一人ひとりの社員のかたがたが家庭と仕事のワークライフバランスを両立できるようなそういう仕組みにもっていくことが大切であります。実は当初予算の中でもこの働き方改革、県内企業向けの事業も組んでおりまして、社会保険労務士さんにご協力いただきながら、そうした指導を行っていくとか、いろいろと今、組んでいるところであります。そうした意味ではこの度「来んさいな 住んでみないや とっとり」[県民]会議という民間のかたがた中心の会議がありまして、そこで出たご意見をさっそく実行してみてはと思っているんですが、5月22日に輝く女性活躍加速化とっとり会議というのがございます。
この輝く女性活躍加速化とっとり会議の中でいろいろこれ議論してもらおうと思っている1つに、イクボスとかイクメンということをよくいうんですけども、介護の課題が実は多いのではないかと。それで私もそうだなと思って、先般の、住んでみないやの会議の方で伺っていたんですけれども、家族の子育ての期間というのは実は短いんですよね。介護の方はむしろ中堅以上の年齢層になりますと出てくる課題なんですが、これはむしろ長くなったり、場合によっては介護負担が重くなるわけですね。ですから、こちらに取り組むこともやっぱり鳥取県のような少子高齢化が進んでいるところでは大切なのではないかなと思います。イクメンだけでなくてケアメン、イクボスだけでなくてケアボス、こういうセットでやはり企業の支援をしていくのが必要ではないだろうかと思います。例えば、今、イクボスだとか、イクメンの方で職場の相談や指導を行おうとしている事業をそういうケアメン、ケアボス、ケアボスというのは造語でありますけども、そういう介護もできるような職場だよと、そういう環境を整えますよという運動展開も併せて行う、そういうようにちょっと事業のやり方を変えた方がよいのではないかなと。この辺問題提起をして皆さんで議論をし、今後進めていってはどうかなと思います。
これに伴って、今、当初予算でも組んでいるような、例えば男性の育児休業取得の中小企業支援がありますが、これも介護の方の休業支援も対象に加えた制度に組み替えていくとか、そういうように鳥取県独自のものでありますけども、働き方改革としてどうも子育ての方だけに目がいくようでありますけども、職場の実態としては介護の方のウェイトが高まってきているわけでありまして、そちらの対策がこれからクローズアップされなければならないなと考えております。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
すみません。選挙制度改革ですけれども、参議院の合区の解消というのが、なかなか議論が、道筋が見えない中で自民党の今回、今回というか、前回参議院の対象だった4県が次の対象になりそうな県と合同で動きを始めるような格好になりつつあるんですけれども、こういった動きに合せて知事の方でもそういった次に対象になりそうなところと併せて何かそういった運動展開をしていくというようなお考えはありますでしょうか。
●知事
これは、実は[全国]知事会でも私、溝口さんも手を挙げていましたけども、強力に問題提起しておりまして、一昨年[平成27年]、昨年[平成28年]と議論をいたしました。それで、今、憲法問題、それに行き着かない場合には国会法であるとか、公[職]選[挙]法の改正というそういう手法も含めて、知事会として提案をしていこうということにさせていただいております。恐らく7月の知事会が岩手県で開催されますが、そのときにその成果物を知事会全体で共有するということになるのではないかなと思っています。それで、個別の県としては我々としてその参議院の合区問題ということ、申し上げていますし、連帯をしてということであればそういう他の都道府県も含めて議論していこうということです。この知事会の我々が提起した問題意識が、今、ほかの6団体も広がり始めていまして、既に[全国]町村会から始まり、[全国]市長会や[全国]町村[議会]議長会にも[全国]都道府県[議会]議長会も含めて広がってきております。こういうような運動展開が、たぶん一つ我々地方側から出せることかなと思っています。
実はその知事会での昨年[平成28年]の議論の際にも申し上げたのは、私はこれ、4県[鳥取県・島根県・徳島県・高知県]だけの問題ではないですよと主張しておりまして、それで、実際に今は最高裁まで出ていませんけども、仮に合区を認めていくということになった場合、都道府県単位で選挙制度ということでがんばっているからこそ、3倍以内だとか、2倍ではない倍率の中で、ある程度裁量範囲というものが立法府に与えられていた感があるんですね、最高裁の方の見方としては。それで、ただそのたがが外れてしまって都道府県単位でなくてもいいということになりますと、これ、際限なく2倍以内にいってしまうんです。そうすると、半分の都道府県が対象になってしまうと。それで、こういうことを私の方でも主張をさせていただきました。これは結構、たぶん他の知事さんにも響いたんだと思うんですよね。それで、知事会自体のそうした議論の方向付けになったと思うんです。今後もこうしたことで、これは4県だけの問題ではないということは強力にアピールをしてまいりたいと思いますし、一番いいのはそうやって全国こぞって運動展開できるのが一番いいので、我々から声を上げながら、これは4県だけの問題ではないとして、他を巻き込んで展開していければと思っています。
○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者
すみません。その選挙制度の、参議院の選挙制度について、ちょっと追加で、知事のご認識をちょっとお伺いしたいんですけれども、憲法上、1票の価値、なるべく平等にすべきだということで、国民の代表であるべきだということで、今、いろいろ選挙区の合区なんかが出ているわけですけれども、過去に最高裁の判例でやはり、昭和58年だったと思うんですけれども、最高裁の判例で地域代表だというふうに確か明文化されていたと思うんですけれども、その知事ご自身はやっぱり憲法を改正しないとこの問題は解決しないとお考えなのか、そういったその実際の運用を積み重ねていけば、やがては地域代表っていうものが認知されて、国会法とか法制度の改正で都道府県代表というのがもう定着するとお考えなのか、どういうふうにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
●知事
これは、ちょっと微妙な言い方にはなるかと思いますが、実は2つ答えがあると思っています。1つには、今、昭和58年の大法廷判決の話がございました。その昭和58年の大法廷判決の結論があるわけでありますから、というか、現行憲法の枠内でも実は、今の選挙制度というのは妥当し得るわけですよね。それで、合区しなくても都道府県というものに選挙区としての位置付けを与える、そういう考え方ができる。ですから、憲法解釈さえ変われば、今のままいけるっていうのが1つであります。あと2つ目としては、これは最高裁が実は判例変更しているんです。それで、これは私も最高裁の判事だった人にかねて聞いたことがあるんですけども、やっぱり判例変更だというふうに認めておられました。ですから、昭和58年の大法廷判決から変わってきているんですね。これの結果として、今の最高裁の考えかたを追及していくと、先ほど申し上げたような論理によってもう2倍以内にまでいってしまう可能性もあり、仮に3倍以内だとしても、合区ということを認めるというのが今の最高裁でありまして、これは、実はその前の憲法解釈と違う解釈が前提になっているわけですよ。
それで、この現在の憲法解釈のままであると、この参議院の合区という問題は、根本的には解消され得ないのではないかと危惧しております。従いまして、憲法上何らかの答えを出すことも2つ目としては必要なのではないか、これは今、解釈が変遷したからであります。ですから、2つの考えかたがあり得るわけで、元の解釈に戻ればこれは何もしなくてもいいんです、本来。そういうこともありますし、かつてで言えば、5倍、6倍といった選挙区格差が許容されていたわけですよ、参議院の場合は。それが今3倍とか2倍とか言い始めていますけども、全然レベルが違ったわけですよね。昭和58年の判決の大切なところは、政治的、社会的実体として、都道府県を単位とする選挙区を組むことは合理性があると言っていたわけです。これは戦後の民主主義の定立の上におきまして、参議院に公選制を導入するとき、衆議院とは違った全国代表とそれから地域代表とを作ろうとした。それが半数改選なので通常の選挙と違って格差が広がりやすいわけであります。その際、都道府県には都道府県代表を原則として人口を加味した1人区が2人区、3人区、4人区となることを許容したということなんですが、それ完全な人口比例ではない、人口を加味した選挙制度としたと、これが最高裁の考え方なんですね、昭和58年当時は。
これが前提となればそれは立法権の裁量の範囲内として、そうした選挙制度を公職選挙法で立法することは可能であるし、許されると、違憲とは言えないとうのが当時の判断であります。ですから、都道府県の実態に着目している以上は、それを合区することではない選択肢をとることで合区しないという結果において、投票価値の格差が2倍、3倍、4倍、5倍と広がっていってもかまわない。それで、当時の合憲、違憲のメルクマール[指標]を5倍か6倍程度ではなかったかなと言われているですが、そういう範囲までは許容され得たということであり、私は、実は憲法観が正しいと思っています。ただ、残念ながら、その憲法観が今とられてなくて、衆議院の選挙訴訟に引っ張られたかたちで、衆議院の定数訴訟のロジック[論理]がそのまま参議院に持ち込まれ始めている。それで、実は、衆[議院]と参[議院]とは違った選挙制度のロジックがあり得るわけですよね。憲法は、実は投票価値平等にしろとは一切書いてないわけですよ。憲法14条で法の下の平等ということが書いてありますけども、投票制度については、国会が定める、法律で定めると書いてあるんです。それは、国会の裁量権を認めているということなんですよね。そういうようなことでありますので、本来であれば昭和58年の判決のままでいくのが本来ベストだと思うんですね。ただ、現実はその衆議院の選挙制度の判例がこう援用されてきて、それで今、参議院の方に都道府県単位ですら維持しなくてもいいとか言い始めていると。ですから、これを打破するためには、例えば地方自治の章[日本国憲法第8章]で、都道府県の役割というのを明確に規定する。それで、これを単位とする選挙制度というのも、国会が立法裁量としてとってもおかしくはないというような環境を作るのも1つだと思いますし、知事会の中で議論されているのは、端的に都道府県を代表する、そういう院が参議院だというふうに書いてしまえという議論もありまして、これは確かに明確にはなるんですけども、私は必ずしも都道府県代表と書かなくてもいいんじゃないかなと思っています。
いずれにせよ、そういうような憲法上の何らかの表現を入れておかないと、憲法解釈が変わらないんではないかと、今の最高裁は。そうすると、違憲立法審査権があって、その限りにおいて法律は無効ということになりますので、それはやはりリスクとしては回避せざるを得なくなる。そうすると、合区ということをせざるを得なくなるということになりますので、それを回避するためには、憲法上本来であればやはり何らかの改正は必要ではないかなと思いますし、それは日本の民主主義のあり方として十分議論に値することだと思っています。
○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者
短く質問しますが、やはり今回のこの合区の問題を解消するには、憲法改正という手法がベストであるというふうにお考えだということですか。
●知事
1つは、憲法解釈を元に戻せばなおります。それで2つ目には、憲法を改正をするのが最強の砦になると思います。
○NHK 木庭尚文 記者
よろしいですか。サイバーセキュリティ委託のことについてお伺いしたいんですけども、13日から県も対策を強化するということですけれども、各地の自治体なんかにも大量のメールが送られてきたりとかということが報告されていますけれども、県についてはそういう実態があったのかどうなのかというところを1点と、あと、県庁の行政ネットワークとインターネットを分離するということについては、これは今回のことが発端というよりも、前々から計画されてということでよろしいんですか。
●知事
現実には、今、私の方で申し上げられるのは結果において適正に保たれています。またちょっといろいろとセキュリティの問題がありますので、どこをどう申し上げていいのかというのはあるんですけども、結果において県のシステムは正常ですし、それから県内で日立にあったようなああいう事例は報告されてないというところであります。それで、それ以上の情報につきましてはちょっと精査をしながら速やかにご報告申し上げたいと思います。後者の方でございますけども、これについては今回のランサムウェア自体は珍しいことではなく前からありました。
乗っ取って身代金を要求するという、そういうマルウェア[コンピュータウイルス]でございまして、これ自体は当然今までもあって我々もそれを想定しながらネットワーク分離ということを究極の対策として考えてきたわけであります。ですから、これはちょっとだいぶん大掛かりで予算も必要なことでありますので、これまでも予算措置をしながらやってまいりました。それで、今回こういう事象も発生をしたことでありますので、5月21日からそれを正式に執行したいということであります。今、庁内では実は順次庁内パソコンの準備作業を進めているところでありまして、今週中にはそれは完了すれば5月21日のネットワーク分離は可能だと思います。
○NHK 木庭尚文 記者
あわせて、ネットワーク分離をしても各パソコン、県庁の職員のかたのパソコンでインターネットが見られるという一応何か仮想上でということで、
●知事
ええ。仮想上になります。
○NHK 木庭尚文 記者
そこでの仕事の効率が落ちるとかそういうものはないっていうふうにお考えでしょうか。
●知事
その辺はだから全く仮想ですからね、全くそこにアプローチするのと同じことがどこまでできるかというのは、それは当然あると思いますが、おおむね例えばインターネット上の情報を収集するとか、そういうことに支障はないようにそういう仮想でインターネットを閲覧できるというシステムを導入したわけであります。ですから、業務上の支障が生じることまでは想定できないとは思っています。
○時事通信 滝野瀬雅史 記者
すみません、昨日、総務部長に井上局長を起用する人事を発表をされましたが、起用の理由であったり期待されること等ありましたらお聞かせください。
●知事
井上[子育て王国推進]局長は、過去例えば国においては[地方]交付税の配分や制度づくりに携わっているなど、地方財政に精通しておられます。そういう意味で、今私ども300億[円]を切るような財政状況に一時的に基金がなっている、ちょっと危急の事態になっております。これなんとか乗り越えていく意味で伊澤[総務部長]さんが転出をされた後には新しい人材として井上局長に活躍してもらう必要があるのではないか、こういう趣旨で総務部長に起用させていただきました。人格的にも円満であり、識見もありその任に耐え得ると考えております。
○時事通信 滝野瀬雅史 記者
すみません、ちょうど出たので関連してなんですけども、先週の政府の経済財政諮問会議の方で一部の議員から地方自治体の財政調整型、財政調整基金について残高が積み上がっていることに対する問題視する発言が出ています。それで、財務省の方でもそういったことを踏まえて地方財政計画に反映して交付税を調整する方向で調整に入ったということが出ていますけれども、それに対する知事のお考えをお聞かせください。
●知事
これは立場が分かれるところだと思います。私どもの鳥取県の話を申し上げれば、基金が積み上がっているということはありません。どこをどういう統計を取られたのかよく分かりませんが、おそらくオールジャパンでの積み上げではないかと思います。確かに県内市町村でも若干こう最近増やしているところはあると思います。ただ、県はそれとは違います。現実にはなんとか基金を減らすまいと頑張っているというのが我々のところでございまして、総務省が考えておられる基準内のレベルであります。また、今回のたぶん基金のことというのは最近の税制改正等々がございまして、大都市部でやはり消費課税が膨らんだこと、それから法人税収が好調なこと、そういうことで急激に歳入がよくなってそれで積み上がっている面があるのではないかなと思います。ですから、地方財政はそれぞれの自治体の事情がありますので、それを足し算しながらとにかく地方財政がおかしいから交付税を改めるんだというのは暴論ではないかなと思っております。
それでまた現実には行財政改革は国が人員削減をほとんどできていないなかで、都道府県はしっかりとやっておりますし、私どものところでも給与の適正化であるとか、それから仕事の改革改善であるとかそうしたことも進めてきておって現実にも投資的経費が、地方財政全体でも一昔前から半減ぐらいにしているというのが実情であります。ですから、地方は切り詰めてきているということであって、そのなかで1つ1つの財政規模は小さいもんですから徳俵として基金を積むということがありますので、そこのちょっと意味合いの違いがあるわけですね。その辺に経済財政諮問会議の方で十分、的確な理解が得られてはないんでないかなとそういう懸念を持っています。これは今年度[平成29年度]の骨太の方針、そして新年度[平成30年度]に向けた地方財政対策、どこかから出てくるのか。それで、それから特に気になりますのは、平成30年[度]までは地方財政の一般財源総額を確保すると言っていますが、それが切れた後に向けた、たぶん財政当局側の仕掛けではないかなというふうに思います。ですから、我々地方側でも、改めてその基金の状況など、我々の足元ももう一度我々自身でも調査してみる必要があるんじゃないかなと思います。それで現実にはたぶん適正にやっているわけでありまして、あんまり問題がないとところに煙を立てられている面があるのではないかと思いますし、ある程度のことは、私どもの方でも当然ながら自助努力を今後続けるべきこともありますので、そういうことは粛々とやっていくと。そのなかで特に社会保障負担などが広がっている現時点において、地方一般財源総額が圧縮されているような暴挙に出ないように、国に対して6団体挙げて働きかけなければならないと思っております。
22 サイバーセキュリティー対策の導入スケジュール
○NHK 木庭尚文 記者
すみません、先ほどサイバーセキュリティのことでもう1点だけ、21日から完全に分離をインターネットと分離するということですけれども、これは今回の攻撃を受けて例えば早めに前倒しでやるとかいうことなんでしょうか。それとも通常どおりの予定と。
●知事
この頃を想定しながら今までも動いていました。ただ、こういう実際、攻撃もなされていますので、正直非常に手間がかかることでありますし、業務に支障はないとは申しますけども、当然ながら例えば外のインターネットを見ようとすると手続きは増えるわけですね。それはいわば遠隔操作でロボットを動かしているようなものですから、そういう意味で完全に一致するということでもない面もあります。ですから、そういうようなことでのいわば手間が増えるというか、負担は増える面がございまして決してこれやらんでいいものならやらなくていいだろうと思います。ただ、今回私どもの方で、例えばマイナンバー関連情報なども含めてセキュリティレベルを上げなければならないこと。ですから今回のように世界的なこういう攻撃がなされる現実、こんなことを考えれば、たいへんちょっと手間はかかるようになりますけれども、そこはあえてネットワーク分離に踏み切るということだと思っています。ですから、当然こういうことを想定しながらやってきておりますけれども、今この時期にそこをしっかりやり遂げていきたいということであります。
○中国新聞 小畑浩 記者
ほかに質問はありますでしょうか。なければこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。
●知事
ありがとうございました。