1 台風・豪雨による災害への対応、被災地域への支援状況
●知事
皆さん、おはようございます。只今も九州地方、大雨が続いており、懸命の救出活動も始まっております。大変に痛ましい状況でございまして、お見舞いを申し上げたいと思いますし、また、鳥取県といたしましても、現在、消防庁などとも話し合っていますが、私どもでもいつでも出動できるように態勢は整えているところであります。なお、ヘリコプターにつきましては、中国地方全般をむしろバックサイド[後方]で見るという鳥取県の役割を与えられまして、今朝[7月6日]からそちらの方の任務で私どもの方は当たっているところであり、その他の県が九州の方にヘリコプターを出すというような状況になってまいりました。このたび、島根[県]の豪雨もございまして、私どもで実は救援用に物資を用意したり、あるいは人を、準備を始めていたりしておりましたので、いつでも即応体制で臨んでまいりたいと思います。今回の集中豪雨につきましては、これはもともと台風3号のことがあったわけでありますが、梅雨前線の南下に伴いまして、さらに被害が急速に大きくなっていったということであります。
それで、私どもも台風対策で気象庁を交えて協議をさせていただきましたが、台風3号はコンパクトな台風でありまして、それが行き過ぎることになるだろうけれども、むしろその後の梅雨前線の南下について警戒しておいた方がいいというような協議をしていたところでありました。鳥取県内でも、実は智頭[町]でかなり集中豪雨的な雨が降りました。それで国道53号が通行止めになったり、また、鉄道でも影響が出たりということになりました。国道53号の現場につきましては、昨日[7月5日]、私も行ってまいりましたが、前の豪雨のときに土砂が崩落をしまして、それがトンネルに流れ込むなどして全面通行止めになりました。それで、土留め(どどめ)工と言いますけども、治山用のダムがございます。土砂が落ちてくるのを受け止めるダムが満杯になっていましたので、これをあらかたまたもう1回ポケットを空けていました。ちょうど今回は上から落ちてきたものがそのポケットで止まりまして、乗り越える手前のところで終わっていたものでありますから、それで下の方の影響、通行止めにはなりましたけれども、土砂の直接的な流出ということまでには至らなかったところであります。
途中で土砂が落ちてきたときの[対応は]実はワイヤーを張りまして、ワイヤセンサと言うんですが、それが感知をして緊急通報が県庁の方にも来ましたし、また、国[土]交[通]省の方でも大事をとって通行止めをそれに先がけてやっていたりしておられまして、そんな意味で今回は切り抜けられたということでありました。これ、またポケットをもう一度さらいまして、次落ちてきたとき耐えられるようにするのと合わせまして治山事業を国に、今、申請をしています。調整も最終段階に入ってまいりましたので、この国の了解が取れ次第、さらにもう1つ、この治山用のダム、土留め工をしまして、それでその他の周辺対策も行って万全を図ってまいりたいと思います。
昨日[7月5日]は朝、島根県の溝口[善兵衛]知事に、私も電話をさせていただきまして、ヘリコプターの提供であるとか、それから朝方から県庁職員を3名、リエゾン[災害対策現地情報連絡員]で島根県の対策本部の方に張りつけさせてもらうというようなことなど話し合ったところです。私どものヘリ[コプター]につきましては、昨日[7月5日]、[島根県]益田[市]で4名、浜田[市]で3名、それぞれ午前と午後、救出活動に当たったところでございました。先ほどこの記者会見の前に、溝口知事からも状況について電話の報告がありましたが、床上2棟、床下2棟、軽傷1名ということで孤立世帯などもありましたけれども、また土砂災害箇所も多く発生していますが、人命にはあまり関わらない、そういう中で収束したのではないかと、こんなお話をいただいたところでございました。いずれにいたしましても、今、九州で状況は進行中でありまして、我々としても即応体制をとってまいりたいと思います。
●知事
また、こういう気候変動の関係でアワヨトウが大量発生しています。これは実は中国から飛んでくるものなんですが、蛾の一種でございまして、幼虫のときに葉っぱを食べつくしてしまうという、かなり強力な青虫がいるという感じですか、そういう蛾でございます。実は、大山乳業[農業協同組合]さんの関係する飼料作物への影響が大きいわけでございます。こんなに大量発生するということは時々あるんですけども、今年[平成29年]の場合はこれまで少雨傾向にあったこと、少雨高温ということが災いをしまして、大量発生に結びついたのではないかと思われます。これ、緊急に状況調査をしてきたところでございます。今までの集計ではトウモロコシで111ヘクタール、また、イタリアンという牧草でございますけども、こちらの方で151ヘクタール、これが合せますと大体こういう飼料用関係の2割ほどの被害面積ということが出てきました。ですから、これ緊急に対策をとらなくてはけないと考えておりまして、私も一昨日ぐらいからですかね、今週に入りまして関係部局に指示をさせていただいて、今検討しているんですけれども、大山乳業さんと最終調整が必要でありますが、結論からいいますと、予備費を使いまして対策をとらせていただこうと考えております。
1つは防除であります。防除剤によりましてこういう蛾の発生を抑えるということ、それからその他にも植え替えをしてもう一度種を撒くということ、こうした経費などが見込まれます。これにつきまして大山乳業さんなどと協調しながら対策をとろうと考えておりまして、早ければ来週にも予備費を執行して、このアワヨトウ対策を行いたいと思います。
●知事
また、こういう昆虫類でも、今、全国的に脅威になっていますのはヒアリでございます。このヒアリにつきましては最初に[兵庫県]尼崎[市]で出まして、その後、神戸[港]であるとか、また名古屋港、さらには大阪[港]でも見つかりました。そのなかには女王アリも確認をされていまして大阪とか尼崎で採取されたもののなかに女王アリもありまして、大量繁殖の危険もあるのではないかと今警戒しているところであります。
実はこうしたヒアリの発生という報告が出てから、鳥取県としても境港が貿易港になりますので、境港での状況調査をしたりしておりますが、今のところ県内で異常はございません。ただ、全国的にも、もう一度対策を強めようということもございまして、本日[7月6日]境港で関係者集まっての対策の会議をして、それで改めての点検作業をしようではないかということにいたしております。また、来週にも、これについては薬剤の入手をするとか、それから粘着によります捕獲の罠でありますとか、そうしたものを来週にも配備をして対策を強化をしようということにいたしております。
●知事
また、防災関係でございますが、原子力安全対策の関係で今[島根原子力発電所]2号機の審査が進んでいるなかで、報道によりますと、断層の長さについて原子力規制委員会の方で再検討を今中国電力[株式会社]側に求めている。それの取り扱いについて報道が出始めているところでございます。そのような状況もございまして、この断層の長さだとか、その影響について専門家を増強しようと考えておりまして、原子力安全顧問に鳥取大学の香川[敬生]先生を追加任命させていただいてそうした地震学のお立場から我々としても審査できる体制をとって備えていこうというふうに考えております。
また、一部報道で人形峠[環境技術センター]について、この核関係の物質の取り扱いに不適切があったのではないか、これは大洗[研究開発センター]の関連のことでありますが、そうした記事が今朝出ております。これについては先般もご報告をさせていただきましたが、私どもの方で調査に入らせていただきました。その結果、平成29年3月のところで一定の対策をとっていることなどを確認したところであり、プルトニウムなど大洗の方で、今回問題になった物質は扱っていないということの調査をしたところであります。ただ、本日[7月6日]報道もございましたので、改めて人形峠サイトの方にその主旨、いったいどういう状況なのかということについて改めて速やかに問い合わせるように指示をしたところでございます。
●知事
鳥取県中部地震の関係につきまして、今、懸命の復興活動が進められているところでございます。そういうなかで非常に憂慮しておりますのは、一部不心得な事業者がいるということでございまして、これにつきましては、このたび指示の措置[特定商取引法違反の訪問販売事業者に対する指示処分]をとらせていただきました。これは倉吉屋根工房という業者でございますが、もともと三重県から今回の地震を機に入ってきまして、それで屋根の修理を素早くやるというようなそういう謳い文句で活動されている事業者でありますが、適正な契約文書の交付など手続きを取っていなかったということで、私どもの方で消費生活センターの権限において、このたび行政措置を取らせていただいたところでございます。これ、いろんなかたちで住民の皆さま、被災者に関わってきていることが分かっておりまして、センターの方にも相次いで相談もあったわけで今回の動きとなりました。
これについては、被災者の皆さまの方でもいろんな話が来るとは思うんですけども、これはおかしいなというときにはクーリングオフという制度があります。8日間はいわばキャンセルが無条件にできる、訪問販売でありますので、この業者の形態はですね。そういうクーリングオフということがあることをぜひご認識いただきたいのと、また8日を過ぎても場合によっては法的な対応も考えられるものでもありますので、消費生活センターでありますとか、それから市町村の消費者相談窓口、あるいは県の関係部局等にまたお問い合わせをいただければありがたいというふうに存じます。こういうようなことにつきましても、今後も監視の目を見張らていただきたいと思います。
そういうなか、三徳山におきましては岩盤の調査などを進めておられましたけども、専門家の方の見方として、これが直ちに崩落するとかいう状況ではないのではないかということとなりました。ただ、向こう2、3年ぐらいは今の現行の迂回ルート、これを使っていこうということになりました。この三徳山ではこういうような震災を跳ね返そうということで、このたび指定を受けました蔵王権現立像の公開を行うこととなさいました。ぜひ、また多くのかたがたにも元気な三徳山、歴史的ないろんな魅力のある三徳山というものをご覧いただければありがたいなというふうに思う次第でございます。
●知事
観光につきましては、観光のデータが出てきまして入込客数、それから外国人の宿泊客数1,000万[人]とか10万[人]のレベルでほぼ横ばいというのが昨年[平成28年]の状況ということが明らかになりました。[鳥取県]中部地震がございまして、正直例えば外国人宿泊客は韓国のかたが急減をしたということなどを跳ね返して、香港のお客さまで補ったというようなことがございました。そういうようなことで観光振興もしっかりとやっていかなければならないのだろうと思います。
●知事
このたび、「山の日」大会推進課を作らせていただきました。8月10、11[日]、来年[平成30年]実施をするということになりますが、まずは栃木県の那須で開かれる大会に、私どもも参加をし、引き継ぎを受けるということになるわけでございます。これからスピーディーに準備を立ち上げていかなければなりませんが、来月[8月]にでも実行委員会や諸組織を立ち上げていく、それから9月17、18[日]に山ガールサミットが行われます。それで、この山ガールサミットをこの山の日のプレイベントとさせていただいて、それで、全国のかたがたに山の日を知っていただくきっかけができればと思います。
また、市町村を巡り歩くようなリレーイベント、これも山の日というこうした自然を大切にする鳥取県らしいことになろうかなと思いますが、市町村を渡り歩きながら山の日の大切さ、山を愛する心、そうしたものを育んでいく、そんな向こう1年にしていければというふうに考えているところでございます。また、外国人観光客につきましては、このたび国土交通省の方で「訪日誘客支援空港」に指定をされました。この指定を活用しまして、これから米子空港ビル[株式会社]さんなど関係者とも早急に話をしていきたいと思いますが、施設整備として空港施設の改良拡張ということをする応援も得られる可能性が出てきましたので、その辺について早急に取りまとめをしてまいりたいと思います。
●知事
また、外国からの訪日客誘致という観点では[香港航空米子]香港[国際定期]便がこのたび81.2%の搭乗率になりました。また、[エアソウル]米子ソウル[国際定期]便も少し上向いてきたというような状況でございます。このこうしたディスティネーションを確立していく意味で、香港の方につきましてはこのたびSONY香港さんを招請しまして、写真などで向こうでアピールをする、そういうかたがたに県内を見て歩いていただきました。また、現在も続いていますが、「GO OUT」という韓国の体験とか、野外、自然系のメディアを招致をしまして、現在取材をしていただいたりしているところでございます。こういうようなことなどに加えまして、新しい誘客先としてフィリピンにつきまして、明日[7月7日]からフィリピンの旅行博[Travel Madness Expo 2017]に初めて鳥取県としても出展をさせていただくこととなりました。
また、さらに来週[7月10日の週]ですけども、ベトナムの旅行イベント[Feel JAPAN in Vietnam 2017]にも出させていただくということになったところでございます。再来週になりますけども、ベトナムの旅行イベントに出させていただき、海の日の連休明けからベトナム人のかたのツアーコンダクターと言いますか、専門家を鳥取県庁の方に来ていただきまして、ツアー造成に向けて活躍していただこうということにいたしたところでございます。こういうことなどを通じまして、さまざま招致活動を行っていければと思います。
●知事
それで、外国の関係では、アメリカのバーモント州と友好提携をしたり、今やはり日米関係も重要ということもございます。来週には、これはロードアイランドという州で行われます全米知事会に知事会を代表しまして、滋賀県の三日月知事と一緒に出席をさせていただくこととなりました。向こうで[テリー・]マコーリフ全米知事会長、さらには[ブライアン・]サンドバル次期全米知事会長などと協議をさせていただき、日米の知事交流などを話し合い、それとともに、日本の地方自治や状況につきましてさまざまな出席者にアピールをしていこうということでございます。併せまして、この度就任をされましたバーモント州の[フィル・]スコット知事、それから元知事の[ジェームス・]ダグラス元知事とも一緒に友好交流の協議をさせていただき、今後のバーモント州との交流につきまして強化を話し合ってまいりたいと考えております。
●知事
また、香港におきましては、明日[7月7日]から香港のコーンヒルのイオンスタイル[コーンヒル店]におきまして、鳥取のスイカの即売など、そういう展示販売等を行うことといたしたところでございます。やはり食のみやこということを活かして国内外に情報を発信していかなければなりません。
実は、私どものトリピーは誕生日、ちょうど20年前の7月でございます。20年前に[山陰・]夢みなと博[覧会]を契機に誕生したわけでありまして、この8日にはトリピーの二十歳のお誕生日を記念するイベントを夢みなとタワーで行うことにいたしました。この機会に、またトリピーのとっ鶏年バージョンを作らせていただきました。「にわトリピー」ちゃんでございます。鳥取は、いろいろとおいしい鳥取の素材もございますけども、鶏肉も実は隠れた名品でございまして、このにわトリピーにこの鳥取の鶏肉、これを売り込んでいただこうということで任命をさせていただいたわけであります。
このとっとり年のキャンペーンでありますが、今、例えば市場、マーケットの方では、大きなところでは大山どりさんとか、それからまた米久おいしい鶏[株式会社]さんのようにかなり大がかりに鳥取の鶏を販売しておられる業者さんもございますし、さらに鳥取地どりピヨ、これも非常に好評でございまして京都などの料亭、あるいは東京のレストランなどでもお引き合いが出てきている人気商品になってまいりました。また、大江ノ郷[自然牧場]さんに代表されますような高品質の卵、安全安心な卵ということもあります。ですから、まだ鳥取というとあんまりチキン、鶏のイメージがないようでありますけども、今年はとっ鶏年でありますので、もうこうなったら鳥取のチキンを売り込もうと、「とっとRichキン」(とっとりチキン)でございます。豊潤でおいしいとっとRichキンをぜひ全国の皆さまにご賞味いただきたいと思います。にわトリピーがこれからいろんなところに参りますので、どうかお引き回しいただきますようお願いを申し上げたいと思います。
キャンペーンとしても今月[7月]から秋にかけまして、もうすでに例えばフランスレストランフェア[ダイナースクラブ フランスレストランウィーク2017]、先般私も行ってまいりましたが、そこでシェフの皆さんなどにこのとっとRichキンを使っていただく、そういうことでご了解いただけるようなところも出てきました。また、県内、あるいは東京方面等々でそうしたキャンペーンをさせていただきたいと思います。この夏、秋とですね、重点的にこのとっとRichキン、鳥取のチキンを売り込んでいければというふうに考えているところでございます。
●知事
今、鳥取県もさまざまな環境の素晴らしさということを訴えているところでございますが、本日[7月6日]は、[株式会社]山陰合同銀行さんと提携をしまして私どもの県内の伯耆町丸山におきます[とっとり]共生の森につきまして[森林保全・管理協定の]調印をさせていただくこととなりました。また、そうした企業さんとの提携では[有限会社]福田建機さんとまた明日[7月7日]、[とっとりの森「カーボンオフセット」パートナー協定を]提携させていただくなど民間の皆さんと一緒になりまして今後も鳥取県を盛り上げていきたいと思います。鳥取の地方創生、いろいろと御評価もいただけるようになってまいりました。
このたび厚[生]労[働]省で発表されました女性の就労状況、いわゆるM字カーブでありますが、M字の底が浅いのは、それが47都道府県で鳥取県というデータが公表をされたところであります。また12年連続4月1日現在での待機児童ゼロが続いてきたり、それから、さまざま地域おこしの事例も出てきました。
このたび、山本幸三[内閣特命担当]大臣が鳥取県を急きょ、ご訪問くださり、視察をいただくこととなりました。[7月8日]土曜日に例えば、智頭の新田サドベリースクールであるとか、また、鹿野の歴史を活かした、伝統的な町並みを活かした地域おこしでありますとか、ジビエの振興でありますとか、また、鳥取[砂丘コナン]空港を今、空の駅化をしていますが、これも地方創生の事業で採択をされています。そういう空の駅事業でありますとか、また、大江ノ郷、このとっとRichキンでこのたびまたキャンペーンをしていこうかと考えておりますが、こういう地場振興、こんなことをご覧いただくことにいたしております。
それで、明日[7月7日]は[第29回]地方分権改革有識者会議に出席をさせていただくことになりました。これからの分権を考えたとき、まだ積み残しの課題はいろいろあると思っております。例えば、1つには、いわゆる従うべき基準というものがございます。これは規制緩和、地方分権で国の方の基準というものを廃止した格好になっているんですが、でも、従うべき基準には従わなきゃいけないということの運用がなされています。特にそれが福祉関係、厚[生]労[働]省関係などで目立つわけでありますが、保育施設であるとか、そうした運用の難しさ、ボトルネックにもなってきているわけであります。ですから、こういう従うべき基準というものを大幅に見直す必要がそろそろあるんではないだろうか、こんな問題提起がございます。
また地域交通の活性化につきましても国の方の権限いろいろとあるなかで、もっと地方の方の主体性が活かせるように地方への権限移譲など考えられるところがあるのではないだろうか、こうした分権の課題につきましても全国知事会としても、今後しっかりと提起をしてまいりたいと考えております。そういうようなことでいろいろと今後も地方創生や地方分権、大いに全国知事会でも、今月[7月]、議論する予定にしておりますけども、これから関係方面に呼びかけをしてまいりたいと思います。
●知事
7月に入りまして、日差しもだいぶ暑くなってきました。バカンスの季節到来ということだろうと思います。明日[7月7日]は白兎海岸、それから小沢見(こぞみ)の海開きであります。また、その後、例えば皆生であるとか、浦富であるとか、八橋など、順次オープンをしていきまして、15日までには県内の海水浴場がオープンをすることになります。ぜひ多くのかたがたにもお越しいただければと思います。また、この週末にも中部を元気にしようというイベント[鳥取県中部地震復興支援イベントがんばらいや中部]が倉吉で行われたり、また、土曜日には民芸を主体にしました鳥の劇場でのイベント[暮らしニッポンフォーラム]が著名人も集めて行われるところであります。16日、海の日の連休には皆生トライアスロンが開催をされますし、さらには東郷の水郷祭、これも行われることになります。ぜひ多くの皆さまに鳥取を満喫していただき、ご来県いただきますようお願いを申し上げたいと思います。私の方からは以上です。
○テレビ朝日 後藤龍彦 記者
では各社お願いします。
○日本海新聞 今岡浩明 記者
先ほど米子空港の訪日誘客支援空港の認定の話が出ましたが、特に香港便の方は初めて先月80%の搭乗率を超えるということで非常に好調のようですけれども、今回その誘客支援空港認定受けたということで増便ですとか、新規就航に国から補助が受けられたということでございますが、香港便、それからソウル便ですね、こちらの方の増便ですとか、あるいはその新規路線の改革ということについて、何かお考えがあるかどうか、お聞かせください。
●知事
今、決まったところでは[平成29年]11月にチャーターですけども、ベトナムの便[ベトナムと米子を結ぶチャーター便]が2往復することがあります。それから[米子]香港便や[米子]ソウル便について先ほど申し上げたとおりで、我々としては増便を狙いたいところでございますが、国の方には、まだ両方とも就航して間もないものでありますので、支援の対象としてもらうように呼びかけはしていこうというふうに、今計画をしているところでございます。また、今回の私どもの訪日誘客の拠点空港の特徴は、施設整備なども含めた支援型でございます。ですから、基盤としてもっと将来に向けて拡張していこうというタイプの、空港の拠点化でございます。ですから、例えばエプロンと呼ばれます、飛行機が入るスペース、これの確保、増設でありますとか、それから、空港ビルと今後話し合っていかなければなりませんが、待ち合いスペースですとか、旅客の動線に当たるようなところの手狭感を解消するとか、いろいろと考えるべき課題はあると思います。今、鳥取砂丘コナン空港につきましては空の駅化の事業も活用しまして、大幅なターミナル拡張に乗り出したところでありますが、米子鬼太郎空港も、やはり香港便も新たに就航して2つの国際便という、空港としてはまだ手狭感もございます。
それで、さらに私どもとしても、今、プログラムチャーター[一定期間内に連続的に運航するチャーター便]的なフライトの誘致を、鳥取砂丘コナン空港も含めてしているところでありまして、場合によっては今よりもかなり頻度も高くチャーターが今年度[平成29年度]来航する可能性もあるだろうと思っております。まずは指定を受けたところですので、関係者と早速協議をまとめさせていただきまして、国の方の助成を受けられるものもございますから、その計画を国に示して空港の充実を果たしてまいりたいと思います。
○NHK 吉村美智子 記者
すみません。アワヨトウという幼虫の対策なんですけれども、予備費で対応するということなんですが、だいたい幾らぐらいになるという概算はあるんでしょうか。また、対応する地域性は県内全体なのか、それとも大山乳業さんの地域だけなのかというところを知りたいです。
●知事
一部で報道されているところでは、中部での[被害の]ケースが出ていましたけども、実は空山(鳥取市)もそうかな、東部とかも含めて結構発生しているようでございまして、ですから全県対象と考えていただければと思います。ただ、それすべて牧草地系でありまして、本県は実は大山乳業に一本化している全国でも珍しい県でありまして、大山乳業さんといろいろとスキームを作らせていただいて、農家の皆さんが例えば飼料作りに、再生産に向えるとか、それから今回の被害でイタリアンのようなものですと、それだけでエサ代がまたかかるわけであったりするわけでありまして、そういう被害をどうやってみんなで負担を担い合っていくかと、この辺を話し合う必要があると思います。今までも、例えばブロッコリーであるとか、農業被害の対策事業もございますので、そういうスキームを念頭にして大山乳業さんと話し合ってみたいと思います。費用的にはせいぜい100万、数100万[円]のオーダー程度だろうと思いますが、ただ緊急を要することなので、予備費での対応とならざるを得ないと思っています。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
関連してですが、過去にこれほどの大きな被害が出たことがあるか、支援をしたことがあるかということと、それからその2割っていう結構な被害面積だと思うんですが、その辺の深刻度についてどういったお考えでしょうか。
●知事
詳細ですね、後ほど担当部局から皆さまにご説明を申し上げたいと思いますが、今、大山乳業さんと協調しながら調査をしているんですけども、先ほど申しましたような被害状況でかなり広範にわたっているということでありまして、今までにはあまりないような深刻な事態ではないかと思います。ただ、アワヨトウはこれまでも発生例はあります。最近もございます。ただ、今回多分雨が少ないことで、例えば田んぼに水がたくさんあるとか、そんな状況だと発生しにくいようなんですけども、そういう状況ではない気候だったもんですから、一気に繁殖してしまったということではないかなと思われます。水に弱いようなんですね。
○NHK 木庭尚文 記者
よろしいですか。ユーロのEPAが大枠で合意したというふうに報道されていますけれども、本県の鳥取の農業だとかの影響について、また今後の考えられる対策っていうのはどういうふうにお考えでしょうか。
●知事
日欧EPA[経済連携協定]につきましては、今日[7月6日]これから[ドナルド・]トゥスク[欧州連合]大統領やEU側と安倍[晋三内閣]総理[大臣]が話し合うということになっていますし、昨晩の時点で岸田[文雄]外務大臣が大筋合意したと公表をされました。私どもとしてはまず情報収集しなければいけませんが、結論から申し上げれば農業に影響がないように、これ政府の責任においてしっかり遮断してもらう必要があるだろうと。これは、政府に今日の結果いかんによるわけでありますけども、政府に求めてまいりたいと思います。それでこの内容で今、巷間報道されているところでしか我々まだ情報がないんでありますが、ソフトチーズについて[税率]29%余りのものを、これを15年で廃止をすると。ただ、どうも枠がかかっているようでありまして、低関税枠という枠のなかでじゃないかと思われるんですが、ちょっと報道がまだ錯綜していて我々もちょっと想像がつかないところもあります。それで、これについては、北海道を中心にチーズ生産があります。先ほど申し上げた大山乳業は、実は今、チーズ作っていません。ですから、直接の影響は大山乳業にはない、県内酪農にはないかもしれません。
しかし、北海道のチーズ生産が難しくなりますと、その分が生乳に流れ込みまして、割安な生乳が本州に入ってくる。こういう構図がよく言われるところであります。その影響が出ますと、大山乳業はどちらかというと、高付加価値高品質の牛乳であります。若干乳価高めに売っているんですよね。そうしたところに果たしてどれほどの影響があるか、つまりたちまち採算割れしてしまわないかということでございます。その辺に非常に懸念をしているところでありまして、やはりなんらかの遮断措置が必要ではないかなと思います。
また、材木につきましても、集成材の合板での関税撤廃が盛り込まれるのではないかということであります。県内のすべての業者がこの集成材を作っているわけではありませんけども、1社そういう企業さんもございます。この辺もどういう影響があるのか注視をしなければいけません。また、その他にも豚肉のこともございまして、この辺の懸念があるということですね。それで、片方で商工系や製品の関係でいきますと、日本酒については関税撤廃と言われていまして県内にもヨーロッパに売りに行っている企業さんもございますので、そういう意味ではメリットがある面もある。ワインについても、これ、相互に関税撤廃することになるわけでありますが、向こうに売りに行ければいいんですけども、どちらかというと入ってくる方が心配でありまして、本県のワインセラーは一応のブランドもあって、それで脅かされるかどうかっていうのは直ちには言えないかもしれませんが、やはりこの辺も注視する必要があったりします。
自動車につきましては、関税を7年で撤廃するということが出ています。この関税撤廃はいい方向に作用し得るところだろうと思いますし、特に本県の場合はヨーロッパの企業にも自動車部品を売っています。これが直ちに撤廃というような報道ぶりでございまして、これは県内の自動車部品製造業にとりましては、有利に作用し得るところだろうと思います。そのような意味で、メリットとデメリット両方あるわけでありますが、政府としてこれまで農業者に悪い影響を与えることはしないということを明言されていますので、その約束手形をしっかり切ってもらう必要がある、そこがポイントではないかと思っています。
○山陰放送 日野彰紀 記者
よろしいでしょうか。昨今の大雨など災害への対応があります。また、北朝鮮が度重なるミサイルの発射というような事態もあります。危機管理の部局については、大変その緊張状態が続いているんじゃないかと推察いたしますけれども、一方で、その負担もかなり重くなっているんじゃなかという見方もあるわけですけれども、県の即応が求められる体制について改めてお考えをお聞かせください。
●知事
最近そういう意味で災害、それから北朝鮮[におけるミサイル発射実験]など緊急対策が求められることが増えてきています。異常気象のせいもありますし、外国情勢のせいもあるだろうと思います。この辺は本県で直接コントロールできないことで、どうしても仕方のないところであります。ですから、我々としては、働き方改革を同時にやるんだろうと思っておりまして、防災系のことにつきましても、例えば、1つの部局が抱え込んでしまいますと、たちまち、うわ-っと超過勤務が膨らむことになります。ですから、それはこういう場合にはもうあっちの部局が出動しますよっていうように、全庁的に、こう染みわたるような対策が本来必要なんですね。それで、緊急時でありますので、それはやむを得ないこととして各部局でも考えていただく。特に、そういう意味で、実は鳥取県は県版のBCP[事業継続計画]を県庁内の組織として定立をさせていただいております。
ですから、本当に耐えきれないものになればBCPが働きまして、通常業務を止めてでも、そちらの業務にかかるという体制になっています。ですから、これをもう少し、何ていいますか、平準化をさらに強化して、対応力が失われないようにやるべきではないかなというふうに考えております。正直、北朝鮮の問題などは、そういう意味でも憤りは感じるところがあるわけでありますが、ただ、自信があったからといって、じゃ、何もしないっていう選択肢はまた県民のためには我々もないわけでありますので、今、できることを、知恵を絞ってやっていく、そういう今、働き方改革、防災関係も重点を置いて始めているところでございます。
○時事通信 滝野瀬雅史 記者
九州の豪雨についてなんですけれども、支援の準備があるという話でしたが具体的には、要請があったらということになるんでしょうけれども、どういった準備があるのかを教えてください。
●知事
これは、実は国全体のルールがありまして、昨日[7月5日]島根[県]の方にはいち早く出させていただきましたが、我々念頭にありましたのは中国地方のなかで、島根県を救援するのは鳥取県が第1順位の県であります。従いまして、もう発災と同時に我々動いたということであります。九州につきましては、今、政府全体が、調整に入って3,000人とか、4,000人規模で、部隊も向こうに入っているわけでありますが、そのなかで、実はヘリコプター出しますよっていうことも我々オファーはしたわけでありますが、むしろ近い県が九州にヘリコプターを出して、うちが後方支援として、中国地方まだ雨の状況もありますので、こちらの方を全部鳥取県が引き受けると、こういうような今、役割分担になりました。
また、物資などで想定される救援物資などが、実は島根県さんがご入用だったらいつでも出そうということで想定したものでございます。ですから、その手配のやりかけのものを今度動かせばいいということであります。もし、九州で必要になれば、それをたちまち動かしたいということがあります。消防なども救援隊が入り得るわけでありますが、これ今、消防庁が順序づけまして部隊を入れているということであります。あと、私ども関西広域連合に入っている関係で、関西広域連合からも、今、九州知事会の方にどういう支援ができるのかということも、調整をしているんですが、正直、まだそこの答えが出てきていないということです。ですから、人的な支援、それから、物的な支援につきまして、我々としても機動的に出せる体制を作ろうということで、その意味の準備をしているということですね。いつか号令というか依頼があったらすぐに出したいと思っています。
○時事通信 滝野瀬雅史 記者
中国地方のヘリコプターを出すっていうのは、先日の知事会で同意した関西広域連合との協定に基づいていうことでいいんでしょうか。
●知事
あれ[中国地方5県等ドクターヘリ広域連携に係る基本協定(6月5日締結)]とは別に防災ヘリの方です。救命救急の関係は防災ヘリとドクターヘリとありますが、ドクターヘリでなくて防災ヘリの方の今配備が必要です。といいますのも、今孤立している人、救援のためのヘリコプター、昨日[7月5日]も私ども[島根県]浜田[市]の金城で吊り上げて救助しました。ああいうことが今求められるわけでありまして、防災ヘリの方が必要です。
ですから、本当に耐えきれないものになればBCPが働きまして、通常業務を止めてでも、そちらの業務にかかるという体制になっています。ですから、これをもう少し、何ていいますか、平準化をさらに強化して、対応力が失われないようにやるべきではないかなというふうに考えております。正直、北朝鮮の問題などは、そういう意味でも憤りは感じるところがあるわけでありますが、ただ、地震があったからといって、じゃ、何もしないっていう選択肢はまた県民のためには我々もないわけでありますので、今、できることを、知恵を絞ってやっていく、そういう今、働き方改革、防災関係も重点を置いて始めているところでございます。
○中国新聞 小畑浩 記者
すみません。人形峠で不適切な物質の取り扱いがあったという話ですが、現段階で県としてどこまでの事情を把握されているか教えていただければと思います。
●知事
実は、私どもがこの間ヒアリングに入りまして、現地で調査をしたときに、以前いろいろな処理があったものについては、今回の茨城[日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター]の事案もあって、[平成]29年3月の段階で処置済みということで私どもも説明を聞いたり内容を見せてもらったりしています。今回報道で出ている分が、このすでに終わった話なのか、あるいはまだ続いているオンゴーイング[継続中]の話なのか、この辺を確認する必要があります。ですから、報道も出ましたので、その趣旨を確認をし、その内容を聞き取ろうとしているところであります。
○日本海新聞 今岡浩明 記者
よろしいでしょうか。待機児童の問題なんですけども、先日発表がありまして、本年度も年度当初ではゼロということでしたけれども、一方で小規模な保育施設が大変増えているというように聞いております。それで、その影響で保育士不足がより進んでいると、それで、特にもともとある市立保育所の方で子供の定員割れ、保育士さんがいないので子供が預かれないという、本末転倒名な状況も出ているというふうに伺っておりますが、ただ、県の方もどのくらい足りないとか、定数がどのくらいになっているのか把握してないというふうに聞いておりますが、この辺の現状について知事はどのように感じられますでしょうか。
●知事
今回もその年度当初の[県内の保育所等の]待機児童はゼロでありますが、別途我々の方で調べていて、潜在的な待機児童的な人数も確認しています。そういう潜在的な待機児童人数につきましては、前のシーズン[平成28年]が80人台であったのが、今シーズン、60人台になっていまして、今までもその保育士の確保対策、例えば私どもの[鳥取県]社[会福祉]協[議会]の方に作りました再就職の斡旋プログラムであるとか、いろいろと動かしていますし、また保育につきましては鳥[取]短[期大学]の方で奨学金を出させていただいたり、いろいろと、今やっていることにあわせまして、また今年度[平成29年度]から未来人材育成基金の対象にすることなど進めてきておりまして、こういうことがどういうふうに効いてくるかというのを見なければいけないと思っています。
詳細な人数等につきましてはまた担当部局から、ご指摘もございましたので、今岡さんの方にまたご報告させていただきたいと思いますけども、これにつきましては、私どもも不足感があるというところは施設の方から聞き取ってきておりますし、一定の対策もしてきたところであります。これいろいろなものが作用するわけでして、私どもの方で進めてきた保育園の無償化事業、これは保育士の増員圧力に繋がるわけですが、それとあわせて今年[平成29年]から、おうちでの保育応援しますという事業[おうちで子育てサポート事業]が始まりました。こういうことで、多様な子育て、地域でみんなで応援するということが、こういう保育士の配置にどういうふうに影響するのか、この辺も今年度[平成29年度]通じて見ていかなければいけないところだと思っています。いずれにいたしましても、おっしゃるように、不足感があることは事実ではありますし、ちょっと危ういバランスの上に本県の場合も立っていることは認識しておりまして、対策を今後も強化してまいりたいと思います。
○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者
すみません。先日のことなんですけれども、若桜鉄道の山田前社長が任期を1年残して退任されたということです。それで、県東部の公共交通のあり方についての計画もまとまるなかで、これから実行していこうと、具体策を練っていこうというなかで辞任されたということで、ある種、異例な事態であって、その計画そのものが実行できるのかという懸念する声もあるんですけれども、県としてこの退任されたことと、計画の実行についてどのように今後実行していかれるのかということをお聞きしたいです。
●知事
山田[和昭]前社長ご自身はいろいろな事情とか、ご自身の思いもあって後任にバトンを渡されようとされることになったのだと思います。ただ、それで地域交通の拡充に影響があってはいけないわけであります。実は、東部の交通体系の見直しにつきましては、若桜鉄道の場合、最大の課題は行き合いです。今だとこれがないもんですから、行ったり来たり、これを行き合うことにすれば観光列車であるとか、運行も可能になってきますし、利便性も高まる。それで、その施設整備にはどうしてもお金がかかります。それで、これをどうするかというのが、その地域交通を考える上で若桜鉄道では最大の課題でありました。それで、この点については今度社長に就任された小林[昌司 若桜]町長さんだとか、関係の皆さんも実はまったく認識は共有していますし、それで、私どもの方でも県としてもこうしたものを助成対象として採択してもらうように、私たちも国に働きかけをしているところでありまして、地域一丸となって今の計画実現に向かっていることには影響していないと思っています。
ですから、非常に山田[前]社長さんには新規軸を出していただいて、鉄道経営のあり方に言わばカスタマーサイド[顧客側]、あるいは観光その他の波及効果を広げていく手法につきまして、私たちに教えていただけたと思いますけども、その志をしっかり引き継いで本当の意味の持続可能な地域交通に成長するように我々としても全力を上げていかなければいけないと思っています。
○日本海テレビ 前田俊博 記者
すみません。先般、他の都道府県のことではありますが、都民ならず県民、国民関心もって大きく見られています都議選の結果なんですけども、いろんな意味でこれからの都道府県のあり方とか、国のあり方っていうのがみんないろんな見方をしていると思うんですけども、知事には直接的じゃないところもあると思うんですけども、どういう目で見ておられたのか、今回の結果をどう受け止めたられたかっていう、ちょっとそういう目でちょっと感想を伺えますか。
●知事
これはたぶん世界の潮流と私は通底するところがあると思っていまして、デモクラシー、民主主義のあり方について考えさせられる結果だったんじゃないかなと思っています。今回の選挙戦の結果、自民党が非常に大きく議席を減らして23議席、その議席の数からいうと公明党さんと並びまして公明党が言わば都議会第二党になったわけですね、同数ではありますが。それとあわせて実は民進党さんも7議席から5議席に議席を減らされています。公明党や共産党は実は議席を伸ばしていた方でございましてそこに都民ファーストが圧倒的な支持を得たという状況でございました。これが仮に国政であったとするとどういうことかというと、二大政党のそれぞれが見る影もないぐらい議席を減らしてしまうということです。それで、同じことが実はフランスで起きたわけですね。
フランスのこのたびの国会議員選挙では右派と左派とその両方が言わば二大政党勢力でありました。その場合、多数の党がグループを組みながらやっている形態でございまして、ドイツとかとはタイプが違うんですけども、そういうなかで、躍進をして皆さんが驚く結果を上げたのは共和国前進という政党でマクロン党でございます。従来の二大政党政治のどっちの勢力でもないものが躍進をしたわけですね。これと同じことを今回東京都民が突きつけたということではないかと思います。それは既存の政治体制に対する疑問符がついたということなのかなと思います。今国民ファーストと小池[百合子 東京都]知事が言ったから、どうだこうだとまた騒ぎが広がっているようにも見えますけれども、政治の潮流として大きな地殻変動をもたらすその現れかもしれないと見るべきではないかなと思います。
実は[アメリカでの]トランプ政権の誕生もそうでありまして、もともとは共和党でも民主党でもどちらでもないような[ドナルド・]トランプという大統領が就任をしたわけでありまして、それが共和党のチケット、投票に乗っかったのも大波乱の上でありまして、アウトサイダーと言われたわけですよね。それで、政治のインサイダーではなくてアウトサイダーがヘゲモニー[主導権]を握ったと、それで[エマニュエル・]マクロン[大統領]もそうでありました。ですから、そういうようなことが実は日本でも起きたんではないかなというふうに思っています。そこでやっぱり考えるべきなのはデモクラシーや民主主義のあり方として、基本に立つべきは国民、住民の声、それに寄り添ってその道具として政治家が身寄りしていくということではないかと思います。信頼感を失ってしまうと、こういうことが起こるという例なのではないかなというふうに思います。ですから、私ども鳥取県政としてもそういう意味で自戒の念も込めながら、我々が目指してきたパートナー県政、しっかりと県民地域とともに歩んでいく県政という姿が正当なイデオロギーことよりも大切なんではないかなと思っております。
○日本海テレビ 前田俊博 記者
デモクラシーというのがキーワードということで。
●知事
そうですね。それが歴史的には今、デモクラシー、民主主義のあり方が二大政党政治の概念からこう変化しつつあるんではないかなということですね。右対左というようなことで構図が作られてきたものが、どちらかというと国民対政治みたいな対抗軸になり始めている。それで、国民に近いと思われたマクロンであったり、トランプであったりが当選をするのと同じように、今回住民の方を、既存の政治勢力は結局自分たちの都合じゃないかというようなことが見方としてはあるんじゃないかと思うんですが、むしろそうではない自分たちに近いような存在と感じるところに1票を投じたということなんじゃないかなと思います。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
原子力安全顧問に香川先生を追加されるという話がありましたけど、改めてその狙いを少し詳しく教えていただきたいのと、今後のその安全審査の中でこの追加したことで、どういう役割をこの顧問の皆さんに期待されたいんでしょうか。
●知事
実は今までも西田[良平]先生が原子力安全顧問でいらっしゃいまして、西田先生とも相談もさせていただいてきたわけです。それで、今回[島根原子力発電所]2号炉の審査が大詰めに入ったのかなと思われるような新聞記事、報道も出るようになってきました。その中で、[宍道]断層の長さが急にクローズアップされてきているわけでありますが、それが果たして客観的に見て妥当なのかどうかっていうのを、我々のサイドで見なきゃいけないわけですね。それで、西田先生もそれはもちろん力量はあるんですけども、西田先生ご自身も香川先生なんかも入ってもらった方がそういう意味ではふさわしいんじゃないだろうか、能力が発揮されるんじゃないかとこういうことでございまして、今想定される論点に備えて香川先生を原子力安全顧問に加えようと考ええております。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
それとちょっと別件ですけども、にわトリピーの関連で、これから鳥取の地鶏、銘柄鶏をPRしていくということですけども、全国的には阿波尾鳥とか、名古屋コーチンとか、そういった有名なブランド鶏があるなかで、知事としてこの鳥取の鶏の潜在力、これをどう評価していらっしゃるかということと、その競争が激化するなかでどのようにこう知名度を上げていきたいと思われますでしょうか。
●知事
鳥取はその名のとおり、もともと鳥を取る鳥取部から発生した県であります。ですから、鶏は本物だと、もっと全国の皆さまにもアピールしたいと思います。実は最近のいろんな技術開発や関係者の努力によりまして鳥取地どりピヨも高評価が出てきました。それで生産の意欲も高まってきています。現実にも料亭の皆さんとかから大変に魅力のあるチキンだと、地鶏だというご評価をいただいていまして、その旨みであるとか、その特質に評価もいただいておりますが、いかんせん今もおっしゃいましたとおり、知名度がない。ですから鳥取県だからこそいい鶏が取れますと、そういうことで消費者の皆さんにも、今回のこのにわトリピーにも手伝っていただきながら、とっとRichキンを売り出していきたいなというふうに考えたところでございます。
現実にも、例えば地鶏のピヨはコラーゲン成分も豊かでして、そういう意味で美容や健康にもいいのではないかと、ブログに書かれた叶姉妹さんのようなそういうかたがたもいらっしゃったり、私どもも売り込みのチャンスがきたんじゃないかなというふうに思っています。あと、都市部に行きますと、気がつくのは意外に大山どりとか、そうした鳥取の鶏が売られていることで結構浸透しているんですね。それで、やっぱり鳥取県だから鶏作っとるわなというイメージが沸いてきている面もあるんじゃないかと思うんです。それで、また卵でも大江ノ郷が大ブレークで外国人観光客も含めて行列を作るという現象も起き始めました。そんな意味で鳥取の鶏の旬がやってきたと考えております。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
知事もいろんなところでいろんなものを食べられるんですけど、この鳥取の鶏というのは客観的に見ていかがでしょう、味は。
●知事
それはもう間違いなく美味しいと思います。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
職員採用試験の関係で4月に知事もこの場でおっしゃられたんですけれども、社会福祉枠の手話コースについて募集したんだけれども、応募者がなかったということなんですけども、再募集についての考え方について教えてください。
●知事
これは、今もおっしゃったとおり、社会福祉の職員採用のうちの試験として1つの手話コースという試験を作ったということであります。思いとしてはそういう手話の聖地になってきていますし、情報コミュニケーションを今回、あいサポート条例のなかでも機軸として書かせていました。ですから重点課題として手話に明るい職員がいてもいいんじゃないだろか。それは県庁の考え方としてそういう試験コースも作ったわけでありますが、おっしゃるように残念ながら応募者が今回はなかったところであります。これはまた関係者ともまたもちろん今後も話をしながらフォローアップしていきたいと思いますが、まだまだ認知度がなかったかもしれませんし、その試験の科目の構成のやり方の問題もあるかもしれませんし、研究していきたい、来年[平成31年度採用]に向けてということです。それで追加募集するかどうかですが、現実には社会福祉枠として職員採用がもう枠が固まっていますので、そのなかの試験科目としての手話コースでの採用でなくても、そのほかの当然ながら社会福祉全般に明るい人たち、そのなかでも手話に対する関心や興味、一定の技量を持ったかたがたも入っていますから、十分今の社会福祉枠採用で新年度[平成30年度採用]は良いのではないかと思っています。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
ということは、今年度は再募集はされずに来年度に向けてもう一度どういう要件にするかみたいなことを見直していく。
●知事
そうですね、おっしゃるとおりです。
○テレビ朝日 後藤龍彦 記者
他なければ終わりたいと思います。ありがとございました。
●知事
はい、ありがとうございました。