統計調査には、対象となる人・モノなどの全てを実際に調べる「全数調査」と、対象の一部を抽出して調べる「標本調査」があります。前者は「悉皆調査」、後者は「抽出調査」や「サンプル調査」とも呼ばれます。例えば、よく知られている公的統計のうち、「国勢調査」は国内に住む全人口・世帯の属性を調べる全数調査ですが、「家計調査」は国内約9千世帯の家計収支を調べる標本調査です。
全数調査と標本調査には、それぞれメリットとデメリットがあります。全数調査の場合、対象の一部だけを抽出することによる誤差(標本誤差)が生じないというメリットがある一方、実施に多くのコスト・時間が必要というデメリットがあります。逆に標本調査の場合、コストを抑えられ、速報性に優れる反面、標本誤差が生じるのは避けられません。ただし、統計学の理論に基づけば、標本誤差の大きさは推定可能とされます。このため、公的統計、特に月次など周期の短いものの多くは標本調査として実施されています。
なお、標本誤差の大きさは、調べる対象を抽出する方法や抽出する数などによって決まります。公的統計の標本調査については、各調査を所管する省庁などのホームページに解説が掲載されていますので、ご利用の際はご確認ください。
標本調査については、以下のサイトなども参考になります。