標本調査においては、対象全体からどのような方法でどのくらいの数を抽出して調べるのかにより、結果の精度が左右されます。逆に言えば、結果に求める精度によって、抽出すべき数も決まってきます。
具体例として、無作為抽出による県民意識調査を行い、ある選択肢を選ぶ県民の割合を知りたいとします。このとき、調査結果から得られた割合は、県民の一部だけを抽出することで生じる誤差(標本誤差)を含んでいますが、これをどの程度の大きさまで許容するのかによって、必要な標本サイズが決まります。慣例的によく用いられるのは、標本誤差が95%の確からしさで±5%の範囲に収まるという精度(調査結果から得られた割合が50%だったとすれば、県民を全数調査したとしても95%の確からしさで結果は45%~55%になるだろう、という精度)ですが、この場合には384人という標本サイズが必要です。より厳しく、95%の確からしさで±3%の精度を求める場合だと、1,066人という標本サイズが必要です。男女別や地域別などで結果を見たい場合は、その内訳ごとに上記の標本サイズを確保しなければなりません。(以上は単純無作為抽出法を想定していますが、無作為抽出の方法には様々な種類があり、それによっても必要な標本サイズは違ってきます。)
なお、実際の標本調査にあたっては、抽出した全ての調査客体から回答が得られるとは限りませんので、標本誤差に加え、予測される回答率なども考慮しつつ、どのくらいの数の対象を抽出すべきか検討することになります。
標本調査については、以下のサイトなども参考になります。