1 第48回衆議院議院総選挙結果への所感、憲法改正への議論
●知事
皆さま、おはようございます。先週末[10月22日]、衆議院議員総選挙が執行をされました。新たな政権の枠組み、このたびまた与党、自民党、公明党が圧勝をしまして、政権が継続する方向性となりました。今、報道されているところでは現在の閣僚も再任されるのではないか、11月1日に特別国会を開催をして首班指名が行われるのではないか、こういうような報道がなされているところでございます。本県におきましても石破茂代議士、また赤沢亮正代議士が再選を果たされたところであります。ぜひふるさと鳥取県のために、またひと働きしていただくようお祈りを申し上げたいと思いますし、石破代議士におかれましては、自民党の中でも総裁選挙に出馬するというふうに言われている代議士でありまして、これからさらに上を目指されること、地元としてもご期待を申し上げるところであります。
今回の新政権発足ということになるわけでございますけども、いろいろと課題も多い中だろうと思います。外のことで言えば、北朝鮮の情勢緊迫化があり、これが投票行動にも影響したのではないかと思われる点もございます。また、地方で果たして経済の活性化が本当に実現できたのかどうか、また地方創生というかけ声はかけていただいておりますけれども、ただその内実がどれほど達成できているのか、地方分権なども盛り込んで憲法の改正をするなど、地方が輝いてこの国を成り立たせる、そういう道筋がまだ十分ではないのではないか、こんなような思いも中央から離れた鳥取からは感じられるところであります。ぜひ、新たな政権の枠組みの中におきまして、私ども地方の方にも配慮をしてもらう、新しい国のかたちを目指して、消費税[率]引き上げが恐らく確定をするでしょうから、その中で地方の一般財源を確保して持続可能なかたちで地方創生や地方分権が前進するように、大いに鉈を振るっていただければというふうに思います。
また、今回の選挙の結果、自民党、公明党に加えて希望[の党]や[日本]維新[の会]も考えれば[日本国]憲法改正につきまして協議に応じる勢力が強まったと思われます。したがいまして、早晩憲法改正の論議がスタートをすることになるのではないかと思います。それで、こういうような中でいろいろと憲法改正のテーマはあると思いますが、私ども地方の立場からすると[第]92条に書かれています地方自治の本旨という言葉のみで現在の地方自治の理念が語られているわけでありますが、あまりにも内容が現在の民主主義、市民社会の実相から離れているのではないかと思います。少なくとも地方というのは、今、三権、行政、これは内閣に至るものでありますが、それから立法、国会のところ、また、裁判所の司法、この三権と言われていますが、それと合わせてよく言われるメディアなどの言論権の議論もございますけれども、地方行政も国民であり住民であるということであれば、この住民がイコール国民であり、4つ目のいわば国民の樹立する権力、手にしている権力として地方を通したそうした参画、あるいはもちろん責任の分担なども含めまして地方自治をもう一度根本から考えるいい機会ではないかなと思います。
憲法の中に[第]92条を初めとして各条文において地方自治、地方分権を書き込んでいくべきではないだろうか、そして、その延長線上に参議院の合区問題、これは都道府県という地方自治のユニット、国民の重要な国政参画の道筋、これが閉ざされている合区問題、これにつきましてもおのずからそうした憲法改正などの議論が貢献し得るのではないだろうか、解消に向かうのではないだろうか、合区の解消問題にも私どもとしては大いに期待申し上げたいところであります。いずれ始まるそうした憲法の議論の中でも地方自治、地方分権もぜひ俎上に上げていただければというふうに考えております。
また、今回の選挙の情勢を見てみますと、必ずしも自民党が完全勝利をしたというわけではないのではないかという実相も見えてくるわけであります。本県で言えば比例代表選挙で自民党さんは[得票率を]3%ほど減らしたわけでございますが、片方で希望の党が20%ぐらい、それから立憲民主党が15%とっていまして、合わせますと自民党を上回る、そういうことが本県の投票行動にも現れています。全国をとってみましても自民党の比例代表、全国集計してみると33%であります。それで、これに対し立憲民主党が20%、また、希望の党が17%でありまして、合計するとやはり自民党を上回るわけであります。これは一体じゃあ、どういうことかというと、実は共産党さんが、よく希望の党が現有議席を減らした57から50に減らしたということが取り上げられますが、共産党は9議席現有議席を減らしていまして、元の議席数からするとかなり大幅にダウンしているかたちになっています。
実は野党の中で投票行動が立憲民主党の方に結構シフトしている。それで結果からいきますと、いろいろと議論が続いていますけども、旧民主党、民進党の勢力に基づくかたがた、無所属も含めまして実は数をふやしているということであります。これはおそらく自民党中心として自公の連立与党政権が継続するわけではありますけども、そのことについては消極的な評価によってもたらされていて、それで、どちらかというと今の安倍政権のやりかたに対して有権者はあまり好感していないという面もあるのではないだろうか。これは政治不信ということなんだろうと思いますが、諸問題が選挙中も取りざたされたわけでありまして、こうしたことから今の政権側には襟を正す必要があるという厳しい有権者の選択もこの投票行動の背後にあると見るべきであります。
したがいまして、ぜひ新しい政権で、先ほど申し上げましたような地方の問題を総ざらえするようなそういう力強い政策を望みたいと思いますけれども、国民の声に対しては謙虚に、正直に誠実に対応する必要があります。とりわけ中央一極集中でなく、地方の実情というものに対する目線を大切にしていただく必要があるのではないか、私どもは今回の選挙結果からそのように考えております。ぜひ、また首班指名どうなるかということは当日にならねばわからないのだろうと思いますが、現政権が継続するのであれば、そこの辺をぜひ考慮に入れて新しい政権運営を進めていただければと思います。
●知事
台風21号が大きな被害を列島各地にもたらしました。和歌山県の紀の川市であるとか、あるいは関東の方でも[群馬県]安中[市]であるとか。そういうところで土砂崩れの被害がありました。さらには[滋賀県]大津市で学校の損壊があったり、人命にも関わるような被害も各地で出ました。非常に厳しい台風でありましたけれども、超大型で非常に強い勢力でありましたゆえに、本県でも台風18号とは違って風の被害が目立ちましたし、さらに、やはり万遍なく雨が降り続けるという状況がございまして、広範囲にわたりまして農業被害等が広がった状況であります。お怪我をなさいましたかたが2名いらっしゃって、一部損壊の家屋がこれは倉吉市と北栄町で発生をし、2件ございました。また、鳥取市や倉吉市など9件の床下浸水が発生をしました。前回の台風18号よりは水の被害若干少なめにはなりましたけれども、それでもかなり大きな被害があったところであろうかと思います。
また、農業関係で、今、被害の調査中でありますけれども、梨の落果被害、あるいは柿が枝ごと落ちる被害、さらにはブロッコリーが水に浸かってしまって滞水の被害、ネギも倒伏等などがございます。それから山地の中では林道で6路線で今のところ被害が認められておりまして、これ被害の実相を今調査中でございます。そういうようなことに加えまして、若桜町の吉川の豚舎を初めとした畜舎、あるいはビニールハウスで風による被害が数件認められているところでございます。そのほか農地災害など、どういう状況かということを今調査中でありますし、ため池の状況なども再確認をしておりますが、おそらくざっと見て4,000、5,000万[円]くらいの被害にはなるのではないだろうか、今、集計を急いでいるところでございます。
今のところ判明しております農業被害、これは落果被害などでございますが、そのベースで1,700万円、今、集計ができている分、固まった分もございます。それで、これに積み上がっていくようなかたちになろうかと思います。実は一昨日、月曜日[10月23日]ですね、日吉津のイオンさんで壁が剥がれるという被害がございまして、お見舞いを兼ねまして拝見させていただき、イオン日吉津[店]の皆さまとお話をさせていただきました。その折に[鳥取県]中部地震のことがございまして、中部地震のときでもやったような、落ちた梨をイオンで販売するということにつきまして話し合いをさせていただきました。イオンの皆さまもこうしたかたちの地域貢献、ぜひ協力したいということでありまして、今回、落下した王秋梨、今、総数はまだ集計できておりませんけれども、この王秋梨を[10月]27日からイオンの方で販売されるという方向で、今、急いで作業にかかっているところでございます。
柿につきましては落果被害、南部町等で認められるところでございますが、果樹共済等を適用するなどで何とかしのいでいく、あるいは西条柿であればあんぽ柿にして加工していくなどの対策を取っていくのかなと思いますし、また、先般、東郷の梨園を拝見に上がりましたが、やはり中部地震のときと同じようにお菓子の加工場の方で引き取ってもらうと、そういうことで、今、話を進めているところもございまして、それぞれ対策を取っていく必要があろうかと思います。そういう中、ブロッコリーの被害を今、集計中でございますが、ざっとしたところでおおよそ80haぐらいの滞水被害に広がる可能性があると見ております。こういうことに対策を取る必要があるのではなかろうか。
また、賀露港におきまして漁船が大波に揺られたわけであります。さらに当時の情勢を分析してみますと、高潮の被害はないんですけども、高潮傾向でございまして、ですから、普段の喫水線と違ったところに海面が上がっていました。それで、防舷材がうまく、完全には利ききれなかったところもあったようです。それで、防舷材が破損をしたわけでありますし、11月6日から我々の主力のズワイガニ漁が始まるところでございます。従いまして、例えば防舷材10基程度、もうこの際一気に強化をすると、これタイヤをぶら下げるような、そういうような格好で対策を取るわけです。さらに高潮なども考えれば少し高めのところにタイヤをセットする、そういう工夫も必要なのではないだろうか。今、その辺を検討させておるところでございます。そういう港の防舷材の設置であるとか、これズワイガニ漁に間に合わせなければいけませんし、またブロッコリーなど農業被害対策、こうしたことを兼ね合わせて1,000万円、今、できれば今日中にでも予備費を執行させていただいて、ただちに作業にかかれるように体制を取りたいと思います。
その1,000万[円]の予備費に加えまして商工対策でありますけども、ざっと見てキャンセルが3,000件くらい今回ございました。それで、また中には事業所の破損ということも発生したところもございます。今、商工団体などと一緒にその対策も含めて被害の調査を継続中でございますけれども、台風18号のときと同様の週末の来襲で観光関係の運転資金に対する影響も少なくないというふうに見込まれますことから、緊急融資対策を台風18号と同様に今回台風21号につきましても取らせていただこうと考えております。具体的には[年]1.43%の利率の緊急融資がございますが、これに保証料の支援をさせていただくのと併せて、市町村の協力があるのであれば、1.43%の利子を無利子まで引き下げられるように、市町村と折半をして利子支援をすると、こういう18号対策で取らせていただいた商工支援[災害等緊急対策資金]を今回の台風21号につきましても発動いたしたいと思います。今、手続きを急いでおりますけれども、今週中には何とかこの緊急融資を発動させたいと考えております。こうしたことなど、今後もよく被害状況をフォローさせていただきますが、台風21号対策を取ってまいりたいと思います。
●知事
また台風18号につきましては、農地災害であるとか、土地改良、林道などにつきまして、国全体で激甚災害の指定がなされました。これ既に予算は組み立てて可決をいただいておりますが、本県の、あるいは市町村の負担が軽減されるという効果がありましょうし、災害対策が加速されること、大いに歓迎したいと思います。
また、雪の季節がそろそろ迫ってまいります。北海道や富士山ではこの台風で雪が降りました。この豪雪対策は今日[10月25日]関係者の会議[鳥取県除雪対策協議会]を、開催をすることとなりました。今シーズンは除雪体制222台に強化をしたり、また、除雪の重点区域、これをランキングした上で幹線道路、さらにそれへのアクセス道や病院へのアクセス道などを1種、2種に区分をしながら優先度を付けて除雪をしようと。それで、さらには、例えば5cmとか、5~10cmとかいうように従来の除雪基準よりも深堀りといいますか、強化をして、それで除雪をするという基準に改めていこうと、広域迂回等も含めてやっていこうと。この辺を今日話し合うことにいたしておりまして、雪のシーズンに備えてまいりたいと思います。
●知事
北朝鮮につきましては、この度、中国の共産党[第19回党代表]大会終了したわけでありますが、今度はいずれトランプ大統領が来日し、さらには中国に行きといった外遊活動をされる、米韓の合同演習等の話もあるわけでありまして、警戒すべき期間が続いていると見ております。それで、警戒連絡体制、特別の体制は11月末まで、10月末から延長したいと思います。
また、先般、集会を開催しましたが、松本京子さんが拉致をされて40年目、[10月]21日の日に迎えたところであります。政府に対してその際強く要望いたしましたが、一日も早い解決を望んでいるところであり、今後もこうした活動を続けてまいりたいと思います。
●知事
一部で報道されたところでありますけれども、現在、交渉中のところでございますので、2点ほど申し上げる、現況を申し上げる必要があるかなと思います。1つはエアソウルの増便でございますが、これかねてエアソウルの柳光熙(リュ・グァンヒ)[代表取締役]社長初め皆さんに、私の方からも搭乗率の状況によって増便を考えてもらいたいということを申し上げてまいりました。実は今まだ関係機関の調整が終了しておりません。ですから、現在調整過程にはありますけれども、調整が整えば週5便に増便をする。これは12月23日から3月24日までの期間付きでありますが、現在の週3便から週5便への増便をしようという方向で今調整を行っています。関係機関の了解が得られればこれが正式にゴーサインが出るということになろうかなと期待をいたしております。今、エアソウル側と話をしていますのは、具体的には今のダイヤがございますけれども、それよりも若干早いタイミングになりますが、今、火、金、日[曜日]と飛んでいます。それでこれに木、土[曜日]を加えると。それで月、水[曜日]は飛ばないわけでありますが、もう山陰にとっては非常に画期的なことでありまして、ほぼデイリー[毎日]に近いかたちで旅行が楽しめる、出張ができる、そういうようになります。
今は11時に米子[鬼太郎空港]に来て12時に飛ぶ金曜日のパターンと、それと火、日[曜日]が2時に来て3時に飛び立つですかね、そういうパターンでやっていますけれども、新しいその増便の部分ですね、この木、土[曜日]につきましては8時半に仁川国際空港を飛んで10時に鳥取県の米子鬼太郎空港に着陸をすると、それで11時に飛び立ちまして12時40分に仁川国際空港に帰る、こういうパターンであります。特にインバウンドのお客さんに取りまして、早めにこちらに来て、それで帰り飛び立つ時は11時ですから、チェックアウトのことを考えれば、まあまあのタイミング、もちろんそのほかの曜日はもっと遅いタイミングで仁川に帰るわけでございまして、インバウンドのお客様にとって使いやすいダイヤになるのではないかなと期待をしています。A321の機材でありまして195人乗りになろうかと思います。これが実現すればさらに山陰の世界への窓が大きく開かれることになります。
それで、どうしてこういうことになってきたということでありますが、昨シーズン、冬場でありますけども、米子ソウル便、私どもでエアソウルに変わったことでPRを強化をしました。それで、韓国の方でもお客さんが米子への目が大分向きました。特に冬場温泉に入って蟹などのおいしい物を食べてゆっくりすると、そういうイメージで山陰を捉えていただくことにかなり去年[平成28年]うまくいきまして、それで搭乗率はエアソウルの運行便の中でも上位を保っていたわけであります。それで、この冬場に増便をするというのはエアソウルの戦略上も考えられるんではないかと、こういうことに傾いてきたわけでありまして、今回、エアソウル側も了解してきているという状況でございます。今度[10月29日]、エアソウル就航1周年の記念行事を米子鬼太郎空港等で行うわけでありまして、この時、柳光熙(リュ・グァンヒ)社長も自ら来県されます。また、江原道の行政副知事の宋錫斗(ソン・ソクドゥ)副知事もこちらに来られることになりました。ぜひ、その機会にエアソウル側とも今後の戦略を話し合いたいと思います。
また、このちょうど冬場は平昌オリンピックのシーズンでもございますので、アウトバウンドの際にこの米子鬼太郎空港便を活用してもらうというようなことなど、キャンペーンも私どもも協力できるのではないかと考えております。さらに11月2日にソウルに私もまいりまして、それで、旅行会社等に向けてプロモーション活動をさせていただこうと思います。また、あわせまして、これについてテレビショッピングの強化を、この冬場から強化をしていくとか、それからすぐにでもSNSを活用しまして増便が決まれば、冬の山陰の魅力をさらに強力に発信をしていくこと、そうしたことをいろいろと今後展開をしていきまして、搭乗率が実際に確保できて、この一時的に今、5便化ということまでは決まる方向になりますけれども、これが仮に飛んだとして、その後も継続できるかどうかというのは、この冬場の搭乗率にかかってくるでしょうから、その辺は就航が決まれば私ども戦略的に仕掛けていく必要があると考えております。
6 レーザー級クロアチア選手団の来県、東京オリンピックキャンプ誘致への動き
●知事
また、[セーリング・]クロアチア[チーム]が昨日[10月26日]、ヨゾ・ヤケリッチコーチがこちらに来られました。また、クロアチアのチームで練習しています世界選手権でトップを取ったこともございますキプロスの選手も同行されてきたわけでありますが、昨日[10月24日]、そのクロアチアのチームとお話を申し上げました。それで、非常にヨットのサイトとしてはいいという評価をいただきまして、今後、細部はどうするかということを今後いろいろと交渉していくことになりますけども、お互いの共通理解としては、キャンプ地などで境港をクロアチアチームで活用することについて検討するという方向性になりました。今後、当方の瀬川[和正]さんが11月にクロアチアを訪問することになります。それで、この時に、また改めてこちらの考え方もお示しをしながら協議をすることになろうかと思います。
2020年の東京オリンピックに向けまして2019年には世界選手権レーザー級が境港で開催をされます。また、毎年のように江ノ島におきまして、ちょっと台風被害が今回あったみたいですけど、ワールドカップ[江ノ島オリンピックウィーク]が開催されることも決まっていますので、日本に来られることは間違いないんですね。それでその際にどこか練習サイトをという時、この美保湾の美しさ、それから、受け入れ態勢の施設の良好な環境、こういうことについて非常に評価ももらいまして、クロアチアとして前向きに考えようという方向性が出ました。私どもとしては非常に歓迎すべき展開だなと思っておりまして、今後、先方と協議を進めてまいりたいと思います。
●知事
また、今、我々の方で、[株式会社]神戸製鋼[所]だとか、日産自動車[株式会社]が生産につきましてどう展開するのか非常に微妙な状況も出てきております。今、私ども商工部局の方に申し上げまして、今、調査を関係会社の方にさせていただいておりますけど、今のところ目立った影響は出ていませんが、注意深く見て考えていきたいと思っております。
そういう中、有限会社エイブル精機さんが和田浜工業団地におきまして、1億7,000万円ほどかけて工場拡張をする運びとなりました。鳥取県としても戦略的な事業として支援をしてまいりたいと思います。3名ほどは雇用できるのではないかとこういうお話もございます。今、ハイブリッド自動車であるとか、それからアイドリングストップの関係、こうした関連部品の生産が比較的好調だそうでありまして、そういう意味で地元の雇用も拡張するということも含めて事業の拡大に踏み切られることとなりました。11月に着工して3月に工場を稼働させていくとこういう方向性で今動いておられるところでございます。
●知事
今、いよいよ行楽シーズンを向かえ、味覚の秋も深まってまいるところでございます。そういう中で、この週末にかけましていろいろと行事等もあるわけでございます。明日[10月26日]は、これはあいおいニッセイ同和損害保険[株式会社]と協定を結ばせていただきまして、スポーツや環境につきましていろいろと今後支援をしてもらおうと、そういう協定を結ばせていただきます。それから、[株式会社]山陰合同銀行さんと明後日[10月27日]協定[障がい者の社会参画支援に関する包括提携協定]を結ばせていただきまして障がい者の雇用につきまして、合銀さんのご協力をいただくということも固まってまいりました。さらに、この木曜日[10月26日]には私どもの東京の本部の方で声かけをしてもらいまして、外国人の主要なかたがた旅行関係も含めて集まっていただいて、外国人のネットワーク鳥取県のファンクラブのようなかたち[首都圏在住外国人とのネットワークづくり懇談会]で開催することとなりました。八芳園においてやるわけでありますが、ニュージーランドの大使とか、それからまたジャマイカの大使を初めとして、在日の外国人のかたがた、どちらかというとアジア圏よりは英語圏、ヨーロッパ圏のかたがたが中心かと思いますが、そういうかたがたを中心としたネットワークをこの度立ち上げることにさせていただきました。
また、この週末[10月28日、29日]は肉のフェスティバル[とっとり肉肉カーニバル2017]を[地場産プラザ]わったいなを会場として展開することになりましたし、また、大山において、昨年[平成28年]に引き続きまして環境の実験をしようと、大山環状道路がいよいよ紅葉で渋滞してしまうということでありますが、[10月]28日に通行止めにしまして、それで無料のバスでピストン輸送をするのと併せてエコカーの展示をするそういうイベントを博労座でやると、こんなようなことをこの週末計画をいたしているところでございます。ぜひですね、いろいろと紅葉もこれから色づいて来る季節でありますし、海外のかたも含めまして県内が賑わうように我々として努力をしてまいりたいと思います。私からは以上です。
○山陰放送 日野彰紀 記者
各社質問がありましたらお願いいたします。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
すみません、米子ソウル便の話ですけれども、今、調整中な部分があるという話でしたけれども、その協議の状況、多分防衛省との話などとは思うんですけど、その辺の協議状況を教えていただけますでしょうか。
●知事
これはそういう官庁筋の許可などがまだ終了していないところがございますので、手続きがまだ完了しておりません。従いまして、今、最終的に決定したということは申しわけないですが、今日[10月25日]の段階は申し上げられないということであります。ただ、航空会社、エアラインの方としては、兼ねて私どもの方から要請したこともあり、去年のこの冬場の実績が良かったことが、今、評価を改めてされまして今回初めて3便から5便へという増便が実現をすることとなりました。山陰にとりましてなかなかこのソウル便の運行に苦労していた時期もございましたけれども、こうやって便数が増えてデイリーではありませんけれども、あんまり不便なく行き来ができる状態になるということは、歴史を変えるようなことではないかなと我々としてはご期待を申し上げているところであります。
それで、エアソウル側はそういうような我々の思いも受けて決断をされたわけだと思います。ただ、どうしても航空関係は規制もございまして、いろいろ美保基地との調整も必要なこともございますし、まだ終了していないということでありますので、私どもとしては現在交渉中であるというのが今日の段階でございます。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
その許可の見通しっていうのはもう目途が立っている話なのか、まだまだ、まだ11月もありますけれども、まだまだこれからっていうような話なのか、どのような今段階にあるんでしょうか。
●知事
これはちょっと我々もよくわかりません。最近もやはりいろいろと行政手続きでちょっとイレギュラーことも起こるわけでありまして、台湾の遠東航空さんも鳥取砂丘コナン空港に着陸するはずだったんですけども、台湾政府側の許可が最終的には得られずに米子鬼太郎空港に変更する方向に今動いておりまして、これ、まだ手続き中でありますけども、なかなかちょっと、やっぱり航空業界はどうしても規制もありますし、米子鬼太郎空港の場合は防衛省と国交省の共管といいますか、基本的には防衛省の飛行場でありますし、それを共用しているというかたちでございますので、関係機関との調整がどうしても必要になります。現段階ではまだ終了しておりませんけれども、私どもとしては今、理解を得るべく、エアソウルにつきまして働きかけを防衛省といいますか、基地の方にも我々としての要請はさせていただいております。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
交渉で一番ネックとなることっていうのは何になるんでしょうか。
●知事
今までこれだけ頻繁に飛んだことはなかったということですかね。ですから、ちょっと前例がないということにはなると思います。また、元々は防衛省の基地でありますので、基地としての運用に支障があるかどうかも含めて審査の対象になるということです。ただ、私どもとしてはこういう民生利用がやはり基地の存続につきましても重要な役割を果たすわけでございますので、私どもとしてはそうした防衛省側の方でも従来の慣例を破る部分ありますが、理解していただくように今要請しているところでございます。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
先ほど、かつて危機的な状況もあったということで日韓関係が冷え込んだときに、乗客も減ってということが記憶にございますが、それは今度5便化が仮に実現するとすれば、改めてこのあたりどういう考えを持つか、それから地元に与える経済効果このあたりをどう見ていらっしゃるでしょうか、お聞かせください。
●知事
はい。今回[週]5便化すれば、山陰の窓は大きく開かれることになりますし、ほぼ普通どおりに、苦痛はあんまり感じることはなく、不便をあんまり感じることなく往来ができるようになる。[週]3便ですと、どしても週の半分未満でありますので旅行の日程が組み難いということがありますが、これ[週5便化になると]週末土日も飛んでいますし、木金も飛んでいますので、そういう意味では非常に使い勝手はいいダイヤになってくるはずでありまして、観光を初めとして、効果が期待できるのではないかなと思っております。かつて私も知事就任させていただいたころ、非常に韓国側と山陰との関係性が薄れた時代でございまして、引き継いだときにはもう休航の危機、運休の危機でございました。それで立ち上がって何とか反転させ、窓を閉ざすことのないように経済界の皆さんや地元のかたがた、また、さらには島根県の当時就任したばかりの溝口[善兵衛]知事にもご理解をいただいて山陰両県一丸となって存続活動をした時代がございました。それで、その後いろいろと知名度を、山陰の知名度を上げることに我々としては努力をしてきたわけでありまして、一定程度のそうした旅客の確保、知名度の向上はできてきたベースがあると思います。
そこにエアソウルになりましてLCC[格安航空会社による運航]化されてエアラインもかなり戦略的に誘客を仕掛けることも始まりました。こうしたことが相乗効果となって、エアソウルが飛び始めてみたら米子便が一番乗っているというような搭乗率になったわけでございました。それが今回[週]5便化という山陰の悲願に結びついただろうと思います。実は去年[平成28年]10月21日に震災[鳥取県中部地震]がございまして、風評被害で冬場に向けまして大きくお客さん[観光客]が減ってしまいましたけれども、そういうときに、実は外国人の観光客はあまり影響はなかったですね。それで、戻りも早かった。それであんまり風評被害ということについては影響が少ない、そういう意味で日本の場合は日本国内の報道が影響しますけども、外国はそのメディア圏が完全に異なりますので地震が起こったと一報が入っても、その後はあまり続かないわけでありますし、日本の国内であれば1日中、鳥取県中部地震の状況が終始報道された状況がございましたけれども、そういうことは海外ではなかった。ですから、風評被害などに対して比較的強いんですね。これが報道のパターンにもよるとは思うんですが、そういう意味で大切な観光客であり、我々としても産業振興の面でも海外のインバウンド客というものを確保していくことが重要だと思います。特に国全体で2020年に向けまして大きく海外からの訪日客を増やそうというふうになっていますし、現に関西国際空港なども新記録を出しているように訪日客のベースはどんどん上がってきています。
ただ、これが大都会あるいは九州や北海道、こうした特定の地域のみに偏っていまして、それを山陰のように、魅力としては優れたポテンシャルがあるけれども、まだ十分にお客様がお見えになっていない、そちらのほうに訪日客が回遊することで国全体としてキャパシティ[受入能力]も増えますし、それは山陰の活性化にも役立つわけであります。ですから、東京オリンピックを睨みながらこうした動きが出てきたことは我々としては歓迎したいと思いますし、将来に向けてさらにインバウンド[海外からの誘客]事業を増やしていく、そういう大きな誘因になればと期待をいたしております。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
エアソウルのほうもこれまでの県の誘致活動、増便の働きかけが実ったということですが、エアソウルが増便を決めた背景っていうのは、知事はどういうふうに見ていらっしゃるか。それからLCCで身軽になって増便もあるんですが、逆に撤退という可能性も下手すればなくはないわけですが、この対策みたいなことはどういうふうに考えていらっしゃいますか。
●知事
LCCさんの場合は、どうしても営業利益を出さなければいけません。ですから、非常に乗客の動向に過敏に対応されるところがございます。ですから、我々としてはしっかりと搭乗客を確保していく、それがエアラインにとってもプラスになりますし、我々にとっては観光産業の資源として収入源が膨らむことになります。何が、山陰が評価されたかということですが、特に冬場なんですね、これ私もキャンペーンした後、若干意外にも思ったんですけれども、あちらのエアラインさんだとか、旅行関係者のお話をお伺いをすると、ちょっと皆さん不思議に思われるかもしれませんが、例えば富山[便]とかは冬場は休航するんですね、逆に。それで私ども今度増便するわけです。
それであちらの韓国なんかのイメージとしては富山[県]とかは寒いけども、山陰はあったかくて過ごしやすいと冬場でも。雪はあるけれども、雪のスキーは楽しめるけど、温泉でほっこりできる。冬場の行き先としては北陸よりも山陰が選ばれたと。それが去年の実相のようです。もちろん蟹であるとか、それから出雲大社や松江城、足立美術館、大山、砂丘などいろんな魅力もございまして、その辺が効果的に向こうで発信できたってことも当然あったとは思いますが、どちらかというと多分ソウルの人らからすると、少しあったかいぐらいが皮膚感覚があるのかもしれません。ですから、九州とかとはやっぱり違いますけれども、ただ、冬場のポテンシャルが意外にあったというのが、私どもが今回キャンペーンをしていて感じたところでございます。そういう意味で評価もいただいたからには冬場のいい観光地として世界からも認知されるように私どもも、他にも香港便等もございますが、努力をしてまいりたいと思います。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
それからもう1点ですね、4月以降もこれ続く可能性についてはどう見ていらっしゃるかということと、アウトバウンドの対策も鍵となると思うんですが、このあたりはいかがでしょうか。
●知事
その辺は両方ございまして、正直[平成29年]12月23日から[平成30年]3月24日までは[増便が]決まりましたが、その向こう側はまだ何も決まっていません。ただ、私どもとしては、かねてから増便を働きかけてきたということでございまして、継続できるように結果を出したいというところでありまして、今段階ではそれ以上のことは正直まだないところですね。そういう意味で、この柳光熙(リュ・グァンヒ)社長自らもお見えになる機会に、そうした今後の戦略についても話し合いをさせていただいて、私どもとしては努力をしていくのでさらなる継続をお願いしたいということを働きかけていきたいと思っております。
また、アウトバウンドにつきましては韓国[観光]公社っていう団体がございます。こちらのトップが近々鳥取に来られる機会がございます。あちらはあちらでそうしたいろんなプロモーション活動もございますので、その機会に今後の戦略の話し合いをさせていただきたいと思います。いずれにいたしましても、これは出張とかも含めて韓国に行くことは便利になりますので、山陰あるいは山陰に近いエリアのいろんなかたがたに利用していただけるように、我々としてもプロモーションはしていきたいと思っております。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
すみません。エアソウル側とこれまでに協議をする中で、搭乗率だとか、目標みたいなことについては何か県とエアソウル側のところで話し合いっていうのはしているんでしょうか。5便になってからも。
●知事
一般論としては、向こう[エアソウル側]は[搭乗率を]80%ぐらい確保してもらいたいってことはこれまでもおっしゃっているんですけども、ただ堅調に70%を超えたかたちになってきておりまして、その辺はあちらも本音ベースで評価してくださっているのではないかなと思っております。もちろん他の空港に乗り入れている[便の]搭乗率、関西とかいろいろありますけども、そういうところに比べるとまだまだ山陰は力不足ではあるところでありますが、ただ、営業戦略としてきちんと利益が出せる状況になれば、それは私どもも十分戦っていけるのではないかなと期待しているところであります。今後の戦略はまたエアソウルのトップも来られますので、改めて話し合いをさせていただこうと思っています。
○山陰放送 日野彰紀 記者
他にご質問などありませんか。では、ないようですので以上で終わらせていただきます。