●知事
今、[ドナルド・]トランプ[アメリカ合衆国]大統領は日本を発って、韓国で昨日[11月7日]から文在寅[ムン・ジェイン]大統領との会談に臨んでいるところであります。国際情勢がどんどんと大きく変転していく中、APEC[アジア太平洋経済協力会議]の閣僚会合もスタートをしました。これから、どういうように展開していくかということ、1つは北朝鮮の課題であろうかと思いますが、この度のトランプ大統領が松本孟さんにも面談をされ、その手を固く取り、そして、その会議[拉致被害者家族との面会]に臨まれる家族と意見交換をされたことは大変に大きなモーメント[契機]ではなかったかなというふうに思います。ぜひ、こうした拉致問題の解決も含めまして、これから北朝鮮の課題、これが進展することを望みたいと思います。
また、かなり心配する向きもあったわけでありますが、日米のEPA[経済連携協定]につきましては、基本的には今後の日米間の経済協議に委ねられる方向でございまして、今回大きく動くことはなかった一方で、APECが開催されているベトナムにおきまして、11月11日にTPP11、米国抜きでのTPP[環太平洋経済連携協定]について原則、概ね大枠の合意がなされるのではないかと、こういう報道があります。また、今月[11月]に入りまして、政府側の方からEU[欧州連合]とのEPAにつきましてその影響といいますか、関連する動き等につきましての見込みが示されたわけでありまして、農林[水産]省の示した中によりますと、牛乳の生産関係でありますとか、それから、牛や豚肉のことなど、影響されると見込まれる、そういう領域があることが分かってきたわけであります。農林[水産]省は直ちに大きなダメージがあることはないだろうけれども、中長期的に相応の対策が必要だと言っているわけであります。
政府の方には、こういうTPP、EPAの協議でありますが、今回のEUのことで言えば、94%日本側で関税撤廃、EU側では99%の撤廃という、こういう見込み数値が示されています。これは、農業関係は約9割でございますが、工業関係は100%解除されるという日本側の見込みでありまして、農業関係に一応の配慮はしたんだろうとは思いますけれども、ただ、そうは言っても影響がある分野がある以上は、政府は対策を取る必要があると思います。例えば、マルキン事業[経営安定対策事業]といわれるような肉の生産者、畜産関係者が安心して生産を続けられるような仕組みでありますとか、そうしたことを補正予算も議論され始めていますので、ぜひ政府として速やかに正面から取り上げる必要があるのではないかなというふうに考えております。
●知事
また、災害関係でございますが、今、被害の集計をし、対策を順次、進めているところでございますが、台風18号災害、台風21号災害、かなりダメージがありました。21号については、例えば鳥取港の漁港の岸壁のところ、これはこの度のカニの解禁には間に合うかたちで応急的な補修はできたわけでありますが、[台風]18号、21号の影響で、最近、集計が整ってきたことで言えば、例えば鳥取港でありますが、21号の台風で7万立方メートル余りの砂が入り込んだ、要は港湾が埋まったということですね。それで、[台風]18号で既に7万立方メートルぐらい砂が埋まったことがございまして、合計だと14[万立方メートル]ということになります。それだけ大きな影響があったようでございまして、今、国と協議しているところでございますけれども、今々入る、すぐに入る船がございますので、その船が入る航路のところを優先的にまずはかき出す。そして、またこれから冬場は波の荒い時期がありまして、またどうしても砂が入り込みますので、そういう波がおさまったのちに本格的な除去作業ということで対応することにしようかと、今、協議しているところでございます。
ざっと5、6億円ぐらいかかるのではないかなと思われますが、これは[平成29年度]9月補正で措置した予算の中で対応可能ではないかと思っております。また、この度の[台風]21号は風が結構ございまして、波浪災害が西部を中心に発生をしました。特に[米子市]皆生のところ、富益工区等でございます。ここでは実は潜堤にした方が景観上いいということで潜堤にして波浪対策を進めてきた部分がございます。その潜堤でやっていたところが逆に浜崖と言いますけども、海岸の砂浜が削られてぐっとこう落ちるような形状になってしまう、つまり砂が持っていかれているというようなことがございます。それで、これはちょっとこれからまた協議が必要でございますけども、国の直轄事業部分でございますので、今のこの潜堤を顕在化させて波の上で防ぐような、そういう離岸堤の形に変えていく、そういう本格的な工事をしたり、それから、サンドリサイクル等の養浜事業を進めてもらうなどが緊急には必要になってくるのではないだろうかと思います。
和田工区と言われる、県が管理している部分につきましては、そういうような大きな被害状況ではないわけでありまして、ただ、サンドリサイクル、この活用などで対応が必要かなと思われます。こうしたことなど国の方に要望する必要があるのかなと思います。今、[11月]13日に国土交通省を要請活動に訪れることにしておりまして、[高速道路]ミッシングリンクの解消などと併せまして、こうした台風被害、他にも土砂崩れ箇所、道路の傷んだところなどもございまして、そうした対策を国に求めてまいりたいと思います。国の方でも、今、補正予算を議論しようかと、安倍[晋三内閣]総理[大臣]が提起していまして、そういう中にこういう災害対策、こういうことも盛り込んで緊急的な対策を進めていただけると我々としてはありがたいわけでありまして、要請活動を強めたいと思います。
合わせて海の方に入ってしまったごみ、こういうごみの除去でございますが、これも鳥取港を初めとしてそうした除去作業、皆生等々ですね、そういうのをだいたい1億[円]ぐらいかけて、これも災害関連として対策をとっていきたいと思います。これもうまくいけば今月[11月]中にそうした一連の台風で出てきたようなごみの状況、終了させることができるのではないかなと考えているところでございます。
●知事
昨日[11月7日]、星取県の推進会議を行いました。また、この度ですね、星空を保全するための条例案[鳥取県美しい星空が見える環境の保全と活用に関する条例]につきまして私どもで議論をしてきたこと、これを県民のアンケートを作りまして対策を考えてきたところであります。それの結果ですね、今1つ取りまとめをさせていただきまして、ペーパーとしても同じものを配布させていただきたいと思いますが、タイトルとしては一連の結果ですね、いくつか問題点が出てきました。それは罰則で強制力を持った条例にしようという構想でございますけども、そのサンクション[罰]の程度をどうするかという、そういう課題があったと思います。また、地域のなかでいろいろと折り合いをつける必要がございまして、地域によって、ぜひ星空保全を強力に進めたいという地域もあれば、県内では一般的な規制だけでいいんじゃないかというようなところもございます。
そういう意味で、鳥取県星空保全条例案を今度の11月議会に提出をさせていただきたいと思います。これは鳥取県の星取県としての美しい星空を次世代に続けていけるように、引き継いでいけるように守っていこうと、そういうための条例でございます。あわせて、せっかくこの美しい星空がありますのでこれを教育に活かしたり、ふるさとの自然のすばらしさ、これを県民みんなで共有していくための活用、また学習、啓発等も含めて条例のなかに盛り込んでいこうと考えております。それで、全県的にはサーチライトでありますとか、レーザー光線のようなかたちになりますと、ビームが伸びるわけです。それで、これを上向きに照射をするというようなことなどが特に星空景観を害するといわれています。これにつきましては全県で一律に使用禁止をするということにいたしたいと思います。
ただ、災害対策などサーチライトで照らして、それで災害状況を把握しながら夜間でも工事をしたり、また人命救助を行ったり等々がございます。そういう人命に係わるような安全の確保など、そういう必要性の高いものは一部除外をしますけれども、基本的には上向きで照らし出すようなサーチライト投光器、これについては対象物を照射する、そういうことだけで上に向かせるそういう照射の仕方というのを、禁止をしましょうということであります。それであと、星空保全地域を指定をする、その星空保全地域につきましては、これは地元の自治体とも協議をした上で指定をしていく、ここは例えば一般の照明であっても上向きというもののパーセンテージを5%以内に抑えるとか、そういうように光束、光の束の制限をかけることにするわけであります。さらにそれぞれの地域の特性に応じまして全県的なこういう星空保全地域についての照明基準というのを作りたいと思いますが、その照明基準につきましても、それぞれの地域の実情に応じまして強化をすること、これも話し合って決めていくというようなことを考えたいということであります。それで、これについては一番大きなものは屋外照明ですね、例えば駐車場を照らすような明かりなどいろいろございます。それで、そういうものについては下向きを基本とするということでお願いをする。そんな照明基準でございます。
ただ、すでに建っている建物であるとか、それから住宅につきましては、これは経過措置ということも含めて対象除外ということにするものでございます。また、星空環境を活用しましてそれで環境教育であるとか、観察会、こういうものを推進していく、こうしたこともこの星空保全条例に盛り込みたいと考えております。1つ若干焦点になっていました罰則につきましては、これは行政罰に当たります過ち料、過料に留めることにしたいと思います。過料は5万円以下であります。正直な話を申し上げまして、何かこう取締って、だれかを捕まえることが目的ではなくて、星空を守ることが目的であります。従いまして、そのルールをみだりに乱していく、そういうことを最終的には強制力をもって防止をするという観点でございますので、過料、過料程度に留めさせていただきたいと思います。
実はいろいろと調査をしてアンケートの中で出てきたことでございますが、星取県という名前についてはアンケート調査で9割以上のかたが知っているという大変認知度も高くなっています。そして、約4分の3の人が、鳥取県の星空はきれいだというふうに考えております。自分のところが星空がきれいだ、これが、いわば鳥取県民のプライドになり始めているわけでありまして、守るべき価値が出てきている表れではないかなと思います。それで、これからどうしたらいいかということにつきましては、不要な照明を消すとか、それから照明の向きの制限をするとか、だいたい半分ぐらいの人がそうしたことをやった方がいい、さらに4割ぐらいのかたが星空がすばらしいということ、そうしたことなど行政としてもPRすべきだと、こういうように言っておられたわけでございます。
罰則につきましては約半分のかたが罰則を設けることに賛成をされていました。反対されていたのは3割程度でございまして、おおむねそうしたかたちで強制力を持った方がいいと。ただ、じゃあ、どういう具体的なサンクションということかということにつきましては一番多かった答えが実は過料、過料程度ということでありまして罰則のいわゆる罰金といわれるものなどではなくて、行政罰といわれるそういう過料という範囲内がよいのではないかという答えが2割ちょっとなんですけど、一番多かったわけであります。かなりこれ答えとしては分散していましたが、あえて言えば過料が多かった。また、議会とも今まで議論も進めてきておりますけれども、罰金という程度は重すぎるんではないかというご議論もございますので、県民のコンセンサス、最大公約数を取っていくという意味では過料ということで、私どもは条例提案に向かいたいと思います。最終的にはこれ議会でご議決をいただくということでありまして、そちらの方での公明正大なご議論をこれからお願いしてまいりたいと思います。
それから併せまして、予算も合わせて出していく必要があるかなと思います。想定しておりますのは[平成30年]4月から施行する、3カ月程度周知期間をおきまして4月施行ぐらいを目指そうかと思います。その場合に4月を目指して、例えば環境教育としての星空教育、こうしたことやあるいは観察会などでも使っていただけるようなパンフレットを製作をするとか、それから星がきれいですよという、そういうPRをしっかりやっていくとか、あるいはイベントなどでこういう星取県を記念しまして星空保全条例というのを作っていきますよというような、そういう規制の中身を周知していく、そういうPRイベントやPRリーフレット等もあろうかと思います。大したお金かけるわけではありませんが、そうした準備経費をこれから議論したいと思いますけども、[平成29年度]11月議会に合わせて提出をしてまいりたいと思います。そういうなか、これはタレントの篠原ともえさんがみずから作られたイメージデザインでありまして、これを星取県の基本的なこれからのPRにおける、そういうメインデザインにさせていただきたいと思います。ここにちょっと小さくトモエシノハラと書いてありまして、篠原さんらしいちょっとパステル調のかわいらしい図柄でありまして、こういう青い鳥が描かれている、幸せのシンボルのようなところ、そこに「CATCH the STAR星取県」というそういうイメージをつけようということでございまして、あっちこっちに満天の星が見える、月が見える、そういうイメージを作っていただきました。
それで、これをちょっともとにしまして、実際にはポスター、あるいは先ほど申しましたいろんなリーフレット等ではこうしたロゴを作らせていただきまして、これを今後の私どもの星取県のアピールにさせていただきたいと思います。これから例えばこうした星空を守っている地域という、私どもの姿勢を広く国内外のかたがたに知っていただく、そんな場であるとか、あるいはこの星空というものを1つ題材にしながら自然豊かな地域として私たちが観光を発信していく、そんな意味でもこういうモチーフを活用させていただきたいと考えております。
●知事
今、[クリストファー・]サミューダ会長、それから[ネルソン・]クリス[・ストークス]副会長、[ガース・]ゲイル副会長等が県内を巡視されていまして、ジャマイカのオリンピック協会等による視察で見てもらっているところであります。昨日[11月7日]は米子[市]の[鳥取県営]東山[水泳場]のプール等もご覧いただきました。これは国際基準にも満たしていて、非常に満足したと、こういうお話でありまして、サミューダ会長の印象としてはMore than expectation、期待以上であるということでございます。その視察を交えながら今協議を進めているところでございますが、それに基づいて今日[11月8日]調印の運びとなりました。具体的には先週申し上げたことから、まだ若干話が進んでおります。今日[11月8日]締結をいたしますのは、オリンピックとパラリンピックの両方につきまして、ジャマイカチームのキャンプ地として鳥取県が受け入れる、そういう内容になります。
それで、また、もちろんパラリンピック、そんなに人数はいないはずでありますが、サミューダ会長はもともとジャマイカパラリンピック協会の会長をされていたんですね。それがこの度ジャマイカオリンピック協会の会長選挙で、ジャマイカオリンピック協会の会長に就任されたというかたでいらっしゃいまして、私も以前ジャマイカに行ったときは、パラリンピック協会の会長でいらっしゃいました。そのときに私も実はサミューダさんにパラリンピックも考えたらどうだと、ぜひ考えてほしいというふうに働きかけをさせていただいたんですが、あのときのサミューダさんの回答は、パラリンピックについては鳥取のことは、今は考えてないということでした。しかし、来日されるに当たりまして、そういうパラリンピック関係者ともお話をしながらこちらに来られたと伺っておりまして、ご覧いただいた感じでは私どもバリアフリーの対策を[鳥取市]布勢の[鳥取県立布勢総合運動公園(コカ・コーラウエストスポーツパーク)]運動競技場などしっかりできていまして、それこそ全国大会にも通用する競技場になっています。
そういうパラリンピック仕様ということに安心をされたのだと思いますが、パラリンピックについても協定内容に加えてほしいというお話がありまして、私どもとしてはこれを受け入れたいと思っております。また派遣の期間でありますけども、キャンプおおむね3週間以内で受け入れ期間としようと。もちろんこれマキシマム[最大]でありますので、全員の選手が最初から来るわけではないわけであります。早めの選手がいますので、3週間程度そうしたトレーニング期間として設定して、その中で派遣をすると。こういうふうな[包括]協定を今日[11月8日]結ぶことになりました。今後、関係者、私どもの県内の競技団体等もあります。また、地域のかたがたもいらっしゃいます。しっかりと話し合いを今後も進めて、2020年[東京オリンピック・パラリンピック]に向けて受け入れ体制を取ってまいりたいと思います。
●知事
今日[11月8日]はこれからベトナム[ハノイ・イノバイ国際空港]から初めてのチャーターフライトが米子鬼太郎空港に到着をします。これについてだいたい140人ぐらい向こうからお客さま今日来るようでありまして、当方からも160人ぐらい、これ、総合チャーターでありますので、鳥取、山陰のかたが乗られるということになりまして、まずまずの集客状況ではないかなと思います。ぜひ、こうしたことを成功させて、県内の新しい顧客ターゲットとしてベトナムのかたがたがご来日いただき、ご来訪いただけるように、我々としてもそのきっかけにしてまいりたいと思います。
また、台湾遠東航空でありますが、当初の見込みと違いまして、これ、台湾側も航空会社もちょっと戸惑っていたようでありますが、結局米子鬼太郎空港で今月[11月]10日にまず第1便が来て、18日に第2便が来て、そのあと26日に第3便が来る、こういうかたちで、これは向こうからのインバウンドチャーターで来ることになりました。今のところ集客は順調でありまして、満席に近い便も見込まれるんではないかと、こういうことでありまして、[山口県]宇部との共作になりますが、一緒に作るツアーがまずは売れ行きもよかったのかな、今後につながる結果になればというふうに考えているところでございます。こうしたことなど、海外と交流を深めてまいりたいと思いますが、先般は韓国の方にまいりまして、エアソウル[米子ソウル便]の販売促進のキャンペーンをさせていただきました。この冬場の間に一定の集客量が見込まれれば、今後につながるということにもなるわけでございます。
それで、そういうなかで例えば、ロッテ観光という韓国の大手観光会社さんに訪れたときは、さらに増便させるようなチャーター便を独自にロッテ観光としても設定したいとか、そういう具体的な話も出てきておりまして、我々としてもそうしたことを促進をしていければというふうに思います。[平成29年度]11月県議会にも、そもそもロットが広がってしまいましたので、そういうロットが広がったこととか、あるいはテレビショッピングなど、韓国での販売促進、あるいは台湾や香港のことも含めましてそうした促進の経費の拡充をいたしたいと考えております。また香港からのメディア[FAM]ツアー[を11月]11日から受け入れさせていただくなど、香港向けにもPR活動をしっかりとしてまいりたいと思います。
●知事
[11月]10日は、東京の方で経済財政諮問会議がありますが、そこに私も参りまして地方税財源の確保等々訴えかけをさせていただきたいと思います。基金をいたずらに積んでいるんじゃないかなどの批判があるわけでありますが、それは全く見当違いな話であることなどを主張してまいりたいと思います。また、今週、東京の方で日本自治学会が開催されますが、その学会のかたがたから依頼がございまして、「憲法と地方自治」につきまして私も参加をさせていただき、パネリストとして主張させていただくことになりました。今、知事会の方でも条文案づくりをしているところでありますし、政権が新たになりまして、このなかでいよいよ、まずは与党内からかもしれませんけれども、憲法論議が具体化をするわけであります。そこで、ぜひ、[第]92条など、地方自治の憲法の記述を抜本的に強化をしてもらう、さらには合区というふうなことが起こらないような民主的な政治のあり方、日本らしい地方もがんばる、豊かになるなかで国全体が良くなっていく、そこに意見が民主プロセスの中で反映されていく、そういう仕組みづくりなど、思うところを述べさせていただきたいと考えております。
この週末は徳島[県三好市]で怪フォーラム[2017]という水木[しげる]先生ゆかりの地に、集まりましてイベントがなされ、全国からファンが集まられます。水木しげるロードがリニューアルオープンをすること、あるいは輝太郎柿がちょうどシーズンを迎えていることなど、アピールをしてまいりたいと思います。
○日本海新聞 今岡浩明 記者
はい、それでは質問がありましたら、各社、挙手をお願いします。
○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者
すみません。星空安全条例の件の罰則の件に関してなんですけれども、この条例そのものは、どちらかというと努力目標的なものだというふうに受け止めてはおったんですけれども、そこに罰則を設けられる意味というのが、ちょっとあまりにもきついんじゃないかなというような感じがするんですが、そのあたり知事はどのようにお考えでしょうか。
●知事
今、星空保全条例を我々として全国に先駆けて提出をさせていただこうと思います。これは県民参画アンケートでも出てきたわけでありますが、光の害、光害についてのPRをやってもらいたいと、半分近いかたがたが選択をされていました。やはり皆さん、実に7割5分の、4分の3のかたが自分が住んでいる所は、本当に星空がきれいだと、多分皆さんも、体感的に持っておられると思います。ただ、これもやはり努力しないと失われるものでありますし、また星空を楽しむ人たちがいる一方で、星空を阻害してしまう。そんな行為というものも規制がかけられてもいいんじゃないだろうか、だんだん世の中の意識も変わってくると思います。もう、東京や大阪ではできないことです。しかし、山陰だからこそ、今からなら間に合う、星空を次世代へ引き継いでいく、そういう運動を強固なものにしていったらどうだろうかということです。これ、私どもの方にも東部の青年団体の方から申し入れもありました。また、星取県推進会議で集まってみますと、やはり関係者のかたがた含めて昨日も議論ありましたが、条例を作ることについて賛同の声が寄せられているところでありますし、実は県外からも、こういう星空保全条例を作ろうということに対して評価する声もいただいています。やっぱり地域それぞれがその特徴を活かしてその大切な宝というものを守り育てていく、そういう努力が必要なのではないかと思います。
そのために規制もかけなければならない部分がございますけども、その規制は言わば規制というのは最低限のルールと思っていただいた方がいいかもしれません。守れないルールではなくて守れるルールです。それでその守れる可能性の高いルールではありますけども、それをみだりに破ってしまうことで将来に向けて大切な資産が失われてしまったり、今の瞬間の美しい星空を見ている人たちに対する阻害ということにもなるわけでありまして、やはり実効性の担保ということも必要だろうと、単にルールを書くだけであれば、それを守らない人も出るわけございまして、最終的にはそれを守ってもらう道筋は作る必要はあるだろうと。ただ、今おっしゃるように、何か短絡的に罰則を作るということはやめようということで、今回提案内容を詰めさせていただきました。
つまり、まずは指導をすると、それでさらには勧告をする、それで勧告をしてそれに従わない場合に初めてそういうサンクションが適用されると。それで、そのサンクションの内容もいわゆる前科がつくような罰金、罰則ではなくて、ルール違反ですよっていう、そういう行政罰、5万円以下の過料というものに抑制してはどうだろうかと、我々は、実は過料をかけることが目的ではなくて、守ってもらうことが目的なので、守ってもらうようなPR活動などを強めるわけでありますけども、最後どうしても程度として、これは許容しがたいということになってしまう場合に、そうしたサンクションの余地、可能性があるというかたちでの条例でないと一貫性がないのではないかと思います。
昨日[11月7日]の議論でもそういう意味で罰則も含めてご理解いただいたわけでありますが、ただその罰則の程度については注意が必要だというお話があったわけでございます。最終的にはこういうふうなかたちで提出させていただきますと、鳥取県で先行事例でございますのは[日本一の]鳥取砂丘を守り育てる条例がございます。砂丘条例のときも同じような議論がありまして罰金付で私ども条例を提出しましたけれども、議会の方でそれは行政罰である過料に修正をされました。こういう前例もございまして現実には砂丘条例で過料を取った例はありませんけども、ただ違反行為が減っているそういうような効果は出ていますし、それからPR効果も出るわけですね。つまり、過料がかかる可能性がありますよとPRした方が実効性がある、そういう規制が出来るということでございまして、砂丘の経験も踏まえて同程度の対応にさせていただければと思っています。
○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者
すみません、ちょっとあと1つ、その砂丘条例の場合は、いわゆる観光地であり国立公園だと思うんですけれども、そこの景観が台無しにされたらいけないというものだったと思うんですけれども、それは特定の観光客とか、その地元の市民も対象にしている。実際に落書きなんかされたらものすごく景観が台無しになるというその実害というのがあったと思うんですけれども、その星空の保全条例のその罰則が目指すものというのは、どちらかというと罰則を犯してしまうとレーザー光線とか、サーチライトがどれだけ市民生活に影響を与えるものかちょっと分からないんですけれども、県民なり県を訪れる人たちの日常的な行動を制約することにつながらないかなというのは、懸念もちょっとあるとは思うんですけども、そのあたりどうでしょうか。
●知事
サーチライトやレーザー光線を日常的に使っている県民は正直いません。以前は、ある施設でやはりここにありますよっていうことを知らせるためにわざと上向きにしまして場所を示すようなことを夜空にやったこともありましたけども、多分勝部さんもお気づきだと思いますけど、最近なくなっています。やはりそういうことに対する批判の目っていうのもあるんだと思うんですね。それが顕在化したのは、以前鳥取市でイベントで上向きのサーチライトをやろうということになったわけでありますけども、それをやる・やらないで全国からもどちらかというと否定的な声が寄せられて、結局断念をしたということがございました。そのときも鳥取は鳥取らしく、上向きでサーチライトを照らすようなことではなくて星空をしっかりと守った方がいいんじゃないかと、そのとき我々は声をいただいたことがございました。
そんなような意味で全くその実例がなかったわけでもございませんし、議論も今までも我々も体験しているわけであります。ですから、今後の将来に向けて次世代に美しい星空を引き継いでいくというような観点で我々としても自らを律することがこのタイミングで必要ではないだろうかということです。ただ、そういう意味で過度な制限を住民の皆さんにかけるわけではなくて、今いろいろとご協力いただいていることをより一層強めていただくというような意味合いかなと思いますが、それが将来に向けて星空に対する意識を高め、守っていくことにつながると思っています。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
すみません、ちょっと同じような関係の質問になるかもしれませんが、星空を守るという美しい非常に美しい目的、これに対して多くの人が賛同するところではあるとは思うんですが、その方法として強制力を持って条例で縛って、先ほど知事の言葉でも強制力という言葉がありました。実効性という言葉もありましたけども、それによってその規制、その罰則の程度は弱めるにしても規制をするということについてのその若干のやっぱり違和感を持つかたもいらっしゃるじゃないかなと思うんです。それで、11月議会に提案するわけですが、このアンケート600人ほどのアンケートですし、知事はこの提案に当たって多くの県民の理解が得られそうだ、得られたとお思いでしょうか。もちろん最終的に判断するのは、それは議会ではあるんですけども、そのあたり教えていただけますでしょか。
●知事
これも若いかたがたが、鳥取の宝を考えるなかで何らかの条例規制、星空を守る条例が必要じゃないかというご議論があり、それを受けて私どもも検討を始めてきたわけでございます。今までいろいろとこの星空保全条例についても議論が、あちこちで上がっていて、報道もしていただいていまして、これについてはそういうものもあっていいかなというようなお考えが県民の最大公約数になり始めているかなと思います。そういうなかで、今回一応いろいろと中身も詰めた上で過度の規制にならないように、守っていただいてみんなで協力してやろうというような内容に限定をしてきたわけです。例えば全県的な規制はサーチライト、レーザービームのところに限らせていただきました。それで、また地元が盛り上がってもっともっと綺麗な星空をちゃんとみんなで守ろうよというところは星空保全地域になっていただいて、それで話し合いをしながら強めの規制というものを自らのルールとして受け入れてもらおうと、そういうやり方でございますので地域のいろんなかたがたの思いもフィット[適合]するんじゃないかなというふうに思っています。これで完全かどうかということは、それはいろいろあるでしょうし、やってみて不都合があれば見直さなきゃということが出て来るかもしれませんけれども、今までいろいろと議論をしたなかで、最大公約数的なところでまとめるとこういう内容になるのかなと思っておりまして、これから議会に提出をし、ご理解をいただけるように努力をしてまいりたいと思います。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
もう1点、すみません。それからPR、その規制を設けることがPR効果になるというような趣旨のこともおっしゃいましたけども、あわせてその規制でこう縛るだけではなく、やはり星空を守る、それから光害防止へのその意識啓発が本当は一番重要じゃないかなと思うんですが、そこはこの条例でも盛り込むわけですけども、具体的にこのあたりはどのようなことをされていくことを考えられるか、教えてください。
●知事
これ、実は2段構えになっていまして、全県的にはそのサーチライトなどでありますので、ほんとでごく限られた事業者のかたぐらいではないかなと思います。昨日[11月7日]鳥取大学の先生からもご議論があったと、これは私もちょっと原案そのあたりちょっとよく分らなかったんですけど、一時的なイベントなんかどうするのかと。これも規制した方がいいんじゃないかっていうような話がありまして、どうも一時的なイベントだったらいいみたいな穴を開けていたみたいなんですが、そういうものも止めて基本もうこういうものはやらないと。鳥取市のイベントがまさにそうであったわけでありますけども、そういうことでルールとして設定をしてはどうかということでありまして、非常にシンプルでありますので、これはこれで守っていただきやすい可能性のあるものでありますし、全県的なPRということになろうかと思います。
あと、それぞれの地域での星空保全地域を作ってやるものにつきましては、その地域のなかでのローカルルールをつくろうというものでございますので、そのローカルルールについてはそれぞれの地域の市町村などと協力しながらルールを作りましたんで、みんなで守って星空を綺麗に保ちましょうと、こういう運動をしていただくということになろうかと思います。この辺ちょっと2段構えになりますけども、そういう制度になっていますよというPRも、今後5カ月いただければ、していただけるように啓発経費なども組んでまいりたいと思います。PRの効果ということであと1つ大事なのは、やはりこういう自然環境をきちんと守っているということが例えば観光だとかそうしたことでいきますと、値打ちというものが上がる効果があると思うんです。
実は鳥取砂丘条例を作ったときもそうだったんですけども、大分規制を設けることに対してご異論も正直当時ありました。当時の報道を見ていただいてもよくお分かりだと思います。ただ、尾瀬沼であるとか、非常に厳しい規制があるところだからこそ、その規制、こんなルールも守ってというのがあるからこそ、あそこはもう他にはない特別な自然があると、そういうように国内外の人に認知してもらえる効果があるわけです。それで、鳥取砂丘条例は直接的には落書きがきっかけになりましたけれども、そもそも砂丘というのは私たちの顔であって、大切で守らなければならない価値があると。それで、そういうことでこういう厳しい規制が設けられていますよというふうにアピールをしたんですね。それで、以後砂丘についてのそうした認識は県民の皆さんもとより県外のかたにも共有していただけるようになってきただろうと思います。
それで仮にこういう星空保全条例が出来たとして、県民の皆さまもこういうことになったなということはお分かりいただけるのとあわせて、また県外のかたにも、じゃあ、泊りがけで旅行に行くんだったら条例でも星空綺麗にしようと頑張っている鳥取に行ってみようかというかたが出てくるかもしれません。つまり規制というのが強化されるというのは、それは守っている姿勢それから守る県民運動というのが後に出来てきて、それでその地域の自然の価値をアピールする効果にもなるのではないかなと思います。そういう意味で、私はその条例をつくることが星取県でアピールをしていく上でも一つ大切なポイントに今後なってくればなと期待をいたしているところであります。なお、今回の規制内容は[鳥取県]景観[形成]条例で罰則をもって規制しているものよりは、行政罰になりますので、ゆるやかなものになります。ですから、どちらかというとその景観条例に上乗せをして、星空についてみんなでこんなルールをつくって守ろうよというふうに呼びかけているようなそういうイメージの条例になろうかと思います。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
すみません。そもそも論で申し訳ないんですけれども、そもそもなぜ罰則のところ、罰金という方針をまずは示されたのでしょうか。
●知事
これは景観規制がございまして、これ全国的にそうですけど、景観規制自体は通常罰則を伴います。ですから罰金というようなことが最終的な担保手段として用意をするのが法制の通例でございます。ですから、罰金から我々も議論をスタートさせたわけであります。ただ、こうして県民的、皆さんで議論をしてもらっていろんなご意見が寄せられるなかで、これについては行政罰、過料程度で、要は罰金かけることが目的じゃあありませんので、実効性の担保という最小限のところでよいのではないだろうかと、議論を改めようと考えているところであります。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
兵庫県の景観の条例のなかの一部のところに、最初に県が示された50万円以下の罰金だとか、あと、サーチライトについては5万円以下の罰金とかっていうところが入っていた、その辺は最初は参考にされてそこから議論をスタートさせるっていう意味合いがあったんでしょうか。
●知事
というか、やっぱり景観条例も含めて景観規制に罰金がついていますので、それとの要は制度的な継続性って、やっぱり連接性からして必要かなと思っていました。兵庫県[景観の形成等に関する条例]は、非常に限られた地域での規制でありまして、うちでいうと保全区域を設定して特に、何ていいますかね、うちでいうと佐治天文台の周りくらいというような感じのところですよね。ですから、ちょっと意味合いが違うのかもしれません。我々は全県的な星空保全というものを呼びかける、そういう条例でございまして射程範囲は広いわけでありましてそうすると、どちらかというとサンクションは柔らかめでいいのかもしれません。ピンポイントでここを何とかしたいという条例ではないということですね。
○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者
すみません、ちょっと話が変わって恐縮ですけれども、米子市淀江町の産廃処分場の問題なんですけれども、米子市がいろいろ意見照会とか地元の自治会とかの意見も聞いているとは思うんですけれども、かなりちょっと紛糾しているというような状況になっています。この現状はどういうふうに。
●知事
これは今、条例[鳥取県廃棄物処理施設の設置に係る手続の適正化及び紛争の予防・調整等に関する条例]で手続きを順次進めているところでありまして、それを手続きとしてルールに従ってやっていくということかなと思っています。私どもは最終的には中立的な立場に立たなければならない県の立場もございまして、今、これから手続きが進んできたとき、例えば[鳥取県環境管理事業]センター側に説明を求める、あるいは資料の提出を求める。そういうことも含めてそこは第三者的にやっていきたいと思っていまして、今現在いろいろと議論があるということで受け止めております。現在進んでいるのは廃棄物[の処理及び清掃に関する]法[律]の手続きの前段階の鳥取県独自に設けている、産[業]廃[棄物処理]施設を立地させる前段階で地元と十分意思疎通を図りなさいという、そういう条例手続きがございまして、それを今進めているわけであります。センターの方は各集落を周りまして、理解を得る努力を多分されておられるわけでありましょうし、そういうことで、今こういう住民の集落への説明状況ですよっていうペーパー、書類も我々の方に提出していただいています。
そこで協議が整った場合にはそのまま次のステップにいきますけども、まだ協議中であると、意思としてまだ合致しているに至っていない場合には再度説明をしなさい、等々のサイクルを回す。それで、最終的には決着がつかなければ今度は、これ実は法律事項でありまして、廃掃法の手続きを進めなければなりませんので、次はこの廃掃法の段階に進むと。そこのなかで改めて廃掃法では環境に対する影響などを審査をすることになります。こういうようなことを今順次やっているわけでありまして、そういう手続きの今進行の最中というふうに受け止めております。
○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者
今現在その地元自治会なり、住民の大方の理解は得られているというふうに知事御自身はお考えですか。
●知事
これはセンターの申し立てている書類によれば、2つの集落以外は賛成していると。ただ、2つの集落については賛成と反対の2つの意見がありますと。こういうことでありまして、それはそういうことなのかなと思っていますけども、今後また手続きが進んでくるでしょうから、そのなかで県としても、これは第三者的にちゃんと取り組んでいく必要があると思っています。
○日本海新聞 今岡浩明 記者
そのほかに質問はありませんでしょうか。ないようでしたら、これで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
●知事
どうもありがとうございました。