知事定例記者会見(2018年1月4日)

平成30年1月4日(木)午前10時30分~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約53分) ※MPEG4形式

  

1 新年にあたって 

●知事

 皆さま、明けましておめでとうございます。今年[平成30年]も皆さまにとりまして、また、鳥取県にとりまして良き年となり、願わくば災害のない年となることを祈っている次第でございます。今年[平成30年]早々から、明けまして、私も皇居の方にまいりまして、天皇陛下30年という節目を迎えられる、その新年祝賀の儀に参内をさせていただきました。この国と人々の幸せを祈るという天皇陛下のお言葉に、平成も30年、平成時代の終わりを迎えようとするなかで、私たちは力を合わせて日本をそして鳥取県を豊かに、また、安心できるふるさとにしていかなければならない、そのように誓ったところでございました。



2 鳥取県中部地震からの福興 

●知事

 今日[1月4日]から私ども県庁も仕事始めと相成ったわけであります。一つ我々がやり残してきているのが、やはり震災対策のことだろうと思います。昨年[平成29年]は年末まで県民の皆さま力を合わせ、そして私ども鳥取県、あるいは市や町、企業や関係団体など、精力的に震災の復興に歩んでまいりました。若干の公共事業はやり残しがありますけれども、今年度[平成29年度]中には終わると思われます。文化財の絡んだ住宅、[倉吉]白壁土蔵群などは平成31年ぐらいまで持ち越すかと思われますが、しかしながら、今、ブルーシートの方は10%程度まで落ちてきておりまして、特に現住家屋、住んでおられるところには5%程度というように空撮では見込まれるところであり、工場などでも復旧、さらには拡張の動きも出てきています。宝製菓[株式会社]さんであるとか、[株式会社]新興螺子さんであるとか、あるいは[株式会社]明治製作所やまた尾池工業[株式会社]さんなど、多くのところで単に復興するだけでなくて、さらに業容の拡大をしようと、県の制度も活用して動いてくださったところでございまして、これらの工場は今年[平成30年]それぞれに拡張後、あるいは新規立地後オープンをするということになると見込まれています。

 また、農業の方でも昨年[平成29年]はスイカ、あるいはラッキョウであるとか、またハウスの二十世紀梨など、過去最高単価を記録するに至りました。震災で傷ついた農業の基盤、これを建て直し、それは選果場を直すとか、ハウスを直すとか、それから私たちの心も上に向けましてやってきた成果が出てきたところであります。ただ、こうした中でもまちの姿は変わってきております。確かに人々は活発にこのお正月も家族の絆を深められたり、地域での活動もなされたところでございますけれども、ただ、まちには空き家であるとか、さらには除却をされたのちに残った更地ができたとか、まちの姿が変わってきています。そうしたことを考えますと、今年[平成30年]は震災後へのふるさとづくり、震災後へのふるさとづくりが私たちのテーマとなるのだと思います。


 ぜひ被災地のかたがたと力を合わせて、そこを完遂していかなければならない、やり遂げていかなければならないと思います。具体的には、例えば家屋の復旧等がどうしてもできないご事情がある、それには市や町が、今、状況調査を行っているところでございますけれども、市町村役場の方からお話をいただいておりますのは、建築が分かる専門家をそうしたお宅の方に派遣をして、相談に乗ってもらうということがあるとありがたい、なかなか市町村では手が回らない、そういうお話も聞こえてきました。こうしたことの対策を例えば新年度[平成30年度]予算等々でも組んでいく必要があるのかなと思います。また、合わせまして、まちの姿が変わりつつあるということでありまして、例えば倉吉で言えばナショナル[会館]の跡地をまた再開発と言いますか、手を入れていこうということがあったり、[旧]ホテイ堂を市役所に使おうというようなことがあったり、そういう動きが出てきているわけでありますけども、震災後のまちをどういうビジョンでどういうふうに作っていくのか、この辺は市町村もそろそろ動かなければならないところだろうと思います。我々としてもそうした計画づくりだとか、まちなかでのNPO[特定非営利活動法人]や地域団体などの活動、これをサポートすることも新年度[平成30年度]に向けての予算テーマになってくるのかなと思います。こうしたことなども含めましてさまざま取り組みをしていかなければなりません。





3 平成30年の県政運営に向けて 

●知事

 あわせまして今年は私にとりましてもまた県議会の議員さんも皆そうでありますが、4年の任期の締めくくりに向かう大切な仕上げの年ということにもなります。ですから、県民の皆さまと果たしたお約束、これをやり遂げながら更に結果も出していかなければなりません。今、私どもの方でもそうした約束事項、公約に当たるもの、その実現に向けて動いておりますけれども、大体9割方は方向性がついてきたと思われますが、まだというところもあります。


 新年度[平成30年度]に予算の編成のなかで総仕上げをしていくそのための対策はきっちりと計上していかなければならないのだと思います。そういう県民の皆さまとのお約束のなかでも1つございますのは、財政を健全なまま次の任期へと引き継ぐというこのことであります。その意味で財政誘導目標300億[円]の基金を確保し、借金の総額は減らし、そして毎年の黒字プライマリーバランスを維持する。これを新年度予算のなかで盛り込んでいかなければならないわけでありますが、正直、相当厳しい作業となろうかと思います。ただ、ここは県庁の知恵も総動員しながら不要不急な事務の整理等も含めてやり遂げたいと考えています。そういう意味でさまざまな政策、震災後へのふるさとづくり等の課題にチャレンジをすることと、財政を健全なまま4年目の任期を終えていくということ、この2羽のうさぎ、二兎をあえて追う、それをこれからの予算編成のなかでやってまいりたいと思います。





4 TPP11、EPAへの対応 

●知事

 財政の枠組みにつきましては、年末までの予算編成が国で進みました。その状況を見て考えていかなければなりません。例えば、1つこれから正味の課題になるかと思われますが、TPP11[アメリカを除く環太平洋戦略的経済連携協定]や、あるいはEPA[経済連携協定]であります。国際情勢も変転をしてきています。今現在の状況からしますと、世界的にはどちらかというと経済は安定し、緩やかな拡大、ぬるま湯的でありますけども、適度な成長という言葉もあてられています。現に年初のニューヨーク市場も相場が上がりましたし、また、今朝の状況でも日本の株価も堅調に上がってきているということがあり、経済への期待が高まっているようにも思われます。しかしながら、その足腰は決して豊かではないのかもしれません。そうした意味で産業活動をしっかりとやり、そのための雇用の充実も図っていく。これは世界のなかの日本、日本のなかの鳥取県として考えていかなければなりません。


 そういうなか、焦点があたるのがやはり農林水産業の行方でありまして、TPP11やEPAがどうなるか、これは今年[平成30年]調印へと向かうことになります。そういうなかで政府の方も動きだしてきているわけでございます。現状ではイギリスもTPP11に加盟することを検討していると、この年初の報道でも出始めているところでありまして、世界的にはこうした経済の新しい枠組みへ向かっているかと思われ、我々としても農林水産業を犠牲にしてはやってはいけないということを申し上げてきておりますが、その果実をとりながら、こうした世界的な流れについてはある程度は受け入れていかなければならいのかなとも思われます。


 今、国の方の資産でも1,000億[円]を軽く超えて2,000億[円]台くらいまでかという影響額がでてきております。私の方では農林[水産]省の方に参りまして、県の方で説明会やってくれということをお願いをしてまいりました。昨年[平成29年]末に[谷合正明]農林[水産]副大臣から直接電話もいただきまして、1月10日にそうした農林水産業関係での影響や対策について、鳥取県での説明会をやるということでこの度まとまりまして、そこでどういう国の政策があるのか、我々もそうですし、農業者も聞いていかなければならないところだと思います。そういうなかで3,100億[円]レベルでの国の農林水産業対策TPP11等の対策がでてきているところであります。これを鳥取県内で引き比べてみますと、ざっとちょっとまだ荒々ではありますけど、70億[円]とか、そういうレベルで我々の方も対策を盛り込めるかもしれません。


 こういうなか、米の減反政策が終わることになります。米の方は今鳥取県の農業再生協議会が開催をされまして、これで新しいシーズンに向けての米の生産目標が決まってまいりました。総計で6万8,000tレベルになろうかということでございまして、JAいなばでは2万6,000t、JA西部で2万4,000t、さらに1万8,000t JA鳥取中央の方でという今の試算でございます。国の方の実は見込みが6万4,000tレベルでありまして、これを上回る強気のかたちでとりまとめが行われたということであります。こうした情勢を捉えて、我々の方でも適切に対策を打っていかなければなりません。お米で言えば「プリンセスかおり」が昨年[平成29年]デビューをいたしました。まだ品種登録の手続き中でありまして、米の独特の制約から、お米を販売する袋に「プリンセスかおり」とまだ書けないわけでありまして、なかなか販売としてはまだ本格的には来シーズンからということになろうかと思います。


 ただ、年末段階で結構話題になっておりまして、引き合いもあるわけでありますが、売るものがないという状態であります。ですから、新年度[平成30年度]、こうした生産を軌道に乗せていかなければならないわけでありますし、今現在、実証試験的に作りました「プリンセスかおり」を売っていくということになりますが、これ、この正月から東京のアンテナショップ[とっとり・おかやま新橋館]でそうした販売を開始をするということになります。また、畜産関係ではクラスター事業[畜産競争力強化対策整備事業]として大規模な酪農や和牛の生産の基地を作っていこうと。これ国の方のこの度の予算も活用できる見込みができてきておりますので、ぜひ後押しをしていくことになろうかと思いますが、今、有望な隆福也や元花江といった種雄牛の候補もできてきておりまして、白鵬85の3や百合白清2に次ぐそうした生産に向かえればと思います。


 現状では非常に東京市場も含めて評価が高まっており、昨年[平成29年]いっぱいでの和子牛のセリ市場での状況からしますと、全国でも第3位の高値の市場が鳥取県の市場ということになりそうです。和牛王国の復活に向けて確かな足掛かりを得た昨年[平成29年]の成果を今年[平成30年]に、さらに活かしていかなければならないわけでありますが、例えば鳥取で生産した牛を他県の群馬等でもその子牛が、白鵬85の3とかの子牛が出てきているわけでありますが、驚異的なBMS[牛脂肪交雑基準]値でありまして、BMS12とか、そういうのが各地でも出て話題になってきているわけでございます。こういうようななかで、鳥取のお肉に対する需要をさらに高めていくわけでありますが、残念ながらうちは、生産力はそんなに宮崎や鹿児島ほど大きくありません。ですから、戦略的には高級店での食材活用などで、まずは勝負していくということかなと思います。


 1月6日から東京のシェ・イノであるとか、ひらまつレゼルヴ、あるいはメゾンドタカとか、そうした有名店におきまして10店舗で鳥取のレストランフェアをやろうと考えており、こういうなかで鳥取の和牛、これを味わっていただく、そんなことを例えばやってみようということに、今、乗り出してきているところであります。こうしたことなど、戦略的に農林水産業の対策も取っていかなければなりません。この他のさまざまなことも含めて考えていきますと、今、補正予算、国は2兆7,000億[円]計上したところでありまして、1月22日から国会が始まると見込まれます。この度の衆議院総選挙の結果なども踏まえれば比較的早く、この2兆7,000億円の補正予算が成立する可能性もあります。ですから、今日[1月4日]から私ども県庁としての[平成30年度]当初予算やその他の補正予算等の編成作業に入ったところでございますけれども、こうしたなかで臨時議会の招集も含めて、できるだけ早くこうした対策が、実効性が上がるようにしていく必要があるだろうと思います。実はこの2兆7,000億[円]の国の補正予算に絡んでは鳥取県内の台風災害などへの経費も含まれるわけでありまして、私どもとしては河川の水位計の設置、あるいは流木対策等を早期に実施をする必要がありますし、災害復旧の被災箇所、これの復旧関係の予算なども計上していかなければなりません。従って、できるだけ速やかにやはり補正予算を我々も成立させる必要があります。ですから、1月22日の国会開会、その後の国会の審議等もある程度念頭に置きながら、2月大体後半~末頃とされます2月[県]議会の開会の前に、臨時[県]議会を招集をすることも視野に入れなければならないのかなと考えております。今後、議会を初め関係者ともよく協議もしていかなければなりませんが、そうした災害復旧や農林水産業対策などを踏まえますと、できるだけ早い対策を実行していく必要があると考えております。





5 商工業の振興 

●知事

 また、震災後へのふるさとづくりを考えた場合の生業として、商工業などの職場のこともあるわけであります。年末、我が国を代表する[地域]未来牽引型の企業として43社が本県からも選ばれました。私どもの計画[鳥取県地域未来投資促進計画]新制度等の活用、これらが効いてきているのだろうと思います。ただ、最近は人手不足が課題になってきています。こうした人手不足等にも対応していくために、やはり人材育成を考えていかなければなりません。職業能力開発総合大学校が今年[平成30年]いよいよ4月に鳥取県に一部機能移転をすることになります。また、これと関連しますダイキン工業[株式会社]さんのダイキンアレスという研修所も今年[平成30年]第2期のオープンでありまして、我々として人材育成の、我が国のなかの1つのセンターを成す、そういう時代を開こうとしているわけであります。



6 働き方改革の推進 

●知事

 そういうなか、私どもとしても県立のハローワークを東部や中部にも開設をして、人手不足対策あるいは若者や女性の働く環境づくり、働き方改革などに結びつけていきたいと思いますし、新年度[平成30年度]に働き方改革のワンストップサービスのセンターを県庁の方にも設置をする等、対策も強化していければと思います。年末、内閣府の方で明らかにしました女性の活躍ということでは、鳥取県庁は全国で最も高い18%を超える女性管理職ということでありまして、2位の東京ですとか、3位の京都を大きく引き離しています。部次長級も然りでございます。県庁自体の働き方改革も進めていかなければなりません。そういう意味で、年末は[鳥取県庁]カイゼン運動の発表や表彰も行いましたけれども、そうした恵沢を作っていかなければならず、この意味でシステム改革を全庁的に行ってきたこと、これは税務システムを除きましてはかなり動き出すことになります。そうしたことも1つ我々のツールとしながら、より一層そうした働き方改革を進めていく必要があろうかなと思います。



7 観光・インバウンド振興 

●知事

 そういうようなことで、商工業関係等の強化を図っていくことになりますが、併せて観光も重要な節目になります。大山[開山]1300年祭や[第3回]「山の日」[記念]全国大会等が本県で開催をされるのと合わせまして、JRのディスネーションキャンペーンやJTBの日本の旬など、大型のキャンペーンもちょうどフォーカスしてくださるのが今年[平成30年]になります。全国や世界に売っていく絶好の機会であろうかと思います。そういうなか、クルーズ客船の方も昨年[平成29年]は[境港へ]61回寄港をしましたけれども、今年[平成30年]も40回は見込めるんではないかと思われます。そのなかでも注目をされるのは大型のクルーズ客船でありまして、昨年[平成29年]は8回でございましたけれども、おそらく今年[平成30年]はその倍以上のレベルになるだろうと。今数えてみても18ぐらいはあるのかなというような概算を持っているところでありますが、大型客船の来航も増えてくる、そういう年になります。


 そのなかで中野岸壁の係留施設を今年度[平成30年度]いっぱいぐらいでオープンをする。これにより大型客船2隻が同時着岸できる、そういう機能性の高い客船の基地になるということになります。また、竹内南地区の工事も今年[平成30年]、来年[平成31年]と本格化するわけでございまして、ターミナルビルなどにもかかってくる。そういうふうに港の未来の姿が見えてくるのもこの時期だろうと思います。また、鉄路でも「天地」(あめつち)や[若桜鉄道]「昭和」の運行が始まるなど、そうした素材を一気に我々としても売り込んでいく、そんな年なんではないかなと思います。県庁挙げてこうした一連の観光の魅力の訴え掛け、これを進めていければと思います。





8 星空保全条例の施行に向けて 

●知事

 これと関連して、[鳥取県]星空保全条例が年末に制定をされたわけであり、今日[1月4日]そのための県庁のエンジンとなります[星取県推進]特命チームを任命することになりました。早速、市町村の方と話し合いをして具体的に、例えば星空保全地区として、強化地域になりたいというそういうところと相談を始める必要があります。我々としても予算上も新年度[平成30年度]、4月からこれ施行でありますけども、そうした星空保全地区での照明を制限をする、それに伴う機器整備、助成制度等促進策も予算計上をしていく必要性があるだろうと思います。


 また、10月6日から環境省におきまして、星空の一斉調査[全国星空継続観察]が全国で始まります。ぜひ、星に興味を持っている子どもたちにも参加をしてもらってそうした星空観測をし、星空がきれいなことを確認をし、願わくばいい結果も出て鳥取県の星空の価値というものがいっそう全国に知っていただくチャンスにもなればというふうに考えております。2月5日にはそうした条例施行に向けたアピールの場[星取県の未来フェスティバル]をつくろうと考えており、山崎直子さんという宇宙飛行士にも来県していただきまして、子どもたちや関係者も交えて[鳥取県]星空保全条例の意義やその実行についてみんなで話し合い誓い合う、そんなことをしていく必要があると考えております。





9 医療環境の充実等 

●知事

 医療では鳥取県立中央病院がオープンをしますけれども、脳血管障害等難しい医療の[脳卒中]センターも開設をされます。さらに鳥取赤十字病院も5月にグランドオープンを見込んでいまして消化器センター等、こちらも得意医療分野をつくる、こうした2つの医療機関を結びながら病病連携で鳥取のがんに対する治癒力であるとか、そうしたことを高めていかなければなりません。ドクターヘリも恐らく3月までには投入できると思われます。新しいそうした医療の時代というものを、今年[平成30年]つくっていければと考えております。人づくりという意味でも、産業人材を考えていく中で、私どもの職業訓練施設を今後どうしていくのか、こうしたことの検討を始める、さらには学校の教育現場の活性化、働き方改革、こうしたことも進めていく必要がございます。ぜひ、諸々の課題に我々としても挑戦をしながら、この震災後へのふるさとづくり、その一念をしっかりとやり遂げてまいりたいと考えているところでございます。


 新しい年、県民の皆様にとりましてすばらしい一年となりますこと、心からご祈念を申し上げたいと思います。私の方からは以上です。





10 補正予算編成について 

○山陰中央新報 原田准吏 記者


 各社、質問よろしくお願いします。



○日本海新聞 北尾雄一 記者


 県の補正予算のことが出ましたので、そのことについてお伺いします。先ほど、国の予算成立と横睨みしながら災害復旧とか農水、そのあたりを盛り込んでいきたいということでした。農水関係だけでも70億レベルが盛り込めるということですけども、全体でどれぐらいの規模を、今の概算で結構ですが、どれぐらいの規模の予算を想定されているかをお願いします。



●知事


 ちょっとまだ、実は今日[1月4日]から予算作業に入るもんですから、まだそこまでは見込めていないんですが、農林水産関係も当初予算とそれから補正予算と両睨みでございますので、よく精査をしてみたいと思います。しかし、一定の規模に国の[補正予算]2兆7,000億関連だけでも、なるのではないかと見込まれますし、災害復旧関連も精査をしていけば、そこそこの規模にはなるんではないかなと思います。従いまして、早期にこれを実行性あらしめることが大切かなと思いまして、そうした予算の提案の時期について、これから慎重に考えてみたいと思っております。



○日本海新聞 北尾雄一 記者


 当初予算と併せてこれは14カ月予算というような格好で県としても打ち出していくかたちになるんですか。



●知事


 そうですね。仮に[平成30年]2月であれば14カ月ということになります。当初予算と1つのセットとして私どもの方でも打ち出させていただければというふうに考えております。数十億[円]は軽くいくと思いますが、100億[円]とかそういう大台に乗るかどうか、それはまだ精査が必要だと思います。





11 米子ソウル便の週5便化後の状況 

○山陰中央新報 原田准吏 記者


 年末から米子ソウル便が5便化をしまして、3月末までのとりあえずの限定的な運行だと思うんですけども、まだ10日ほどしか経っていませんが、現在までの搭乗率の状況だとか、それから今後の予約状況も含めた見通しなどを教えてください。



●知事


 詳細な数字につきましては、また、この後、ご報告を申し上げたいと思いますが、一定の手応えは出ていると思われます。特にアウトバウンドで旅行がしやすくなったこともありまして、日本側から向こうに行く、そういう弾丸ツアー的なかたちのツアーも組めますので、その辺の手応えは一定程度あったのかなと思います。あと、現在の予約の状況等々からしますと2月ですね、ちょうど韓国の方が休みの時期ということがございますけども、それに向けては一定の好調さも見られるということでありますが、1、2、3月、どれ程成果が出せるかどうかということがございますので、今月あちらのシンセゲ(新世界)という百貨店で鳥取の観光キャンペーンをやったり、また、来月[2月]の平昌オリンピックの時に、世界中のかたがたが集まられますけども、韓国のかたもたくさんいらっしゃいます。そこで鳥取県としてもそうした鳥取の魅力のPRをさせていただこうと計画をするなど、精力的に今、FAMツアー[旅行会社、メディア関係者等向けの視察ツアー]等も含めまして展開を始めようとしているところでございます。





12 国際チャーター便への対応 

○山陰中央新報 原田准吏 記者


 一方で、チャーター便なんですけども、鳥取空港と韓国の務安(ムアン)を結ぶチャーター便については、なかなか12月までに状況が思わしくなかったような感じなんですけども、これについてはどのように受け止められていますでしょうか。



●知事


 これは完全にインバウンドでございまして、向こうの旅行会社がチャーターしているものであります。我々としても魅力を売り込もうということでアピールもしてまいりましたけれども、まだ昨年中は飛んだり、飛ばなかったりということでした。それで、実はあちらの会社側の方でも体制をやり変えまして新しい集客体制を組んでフライトを目指しておられまして、今のところ2月の一定の時期に何度か飛ぶことはもう既に決まっておりますけども、その辺はまだまばらというか、そういうかたちにはなりそうです。ただ、曲がりなりにも鳥取空港で連続したかたちでこうして国際便を受け入れるというチャンスはもらえたと思っておりますし、今後のチャーター誘致等に活かすために、この務安(ムアン)の便の成果というものも総括をし、検証をし、今後につなげていかなければならないと思います。


 航空会社側は非常に意欲的でありましてこうした顧客開拓をして、ぜひ飛ばし続けていきたいと、少なくともこの3月までの間ですね、そういうことで今動いていますが、ただやはりご商売もありますので集客ができた時に飛ぶということになるやり方になろうかと思いますが、2月等既にその運行が確定しているものも出てきているという現状であります。



○山陰中央新報 原田准吏 記者


 県としては引き続きこのチャーター便の誘致に向けていろいろな取り組みをしていかれるんでしょうか。



●知事


 例えば、台湾等、今年[平成30年]は関係の強化を図りたいと思っています。[平成30年]11月に開かれます台中市の花博[2018台中国際花の博覧会]に私ども鳥取県も出展をさせていただいて、集客力のあるイベントで鳥取の魅力を訴えたい、特に自然系の美しさですね、そういうアピールの機会にもなればと思っています。そういうなかで台中市との友好関係というものを今年節目を作れるかどうか、先方ともよく協議をしてみたいと考えているわけでありますが、既に台湾の航空会社にそうしたチャーターフライトの可能性を打診を始めているところでございます。それは米子鬼太郎空港のみならず鳥取砂丘コナン空港も含めて我々としては考えているわけであります。ちょうど7月に鳥取砂丘コナン空港のターミナルビルがリニューアルされるわけでございまして、これにより、世界的にも知られるコナンの魅力、こういうものも打ち出していったり、さらに海とつながれることでそうした食べ物等の醍醐味、これも感じていただけるような、そういう空港ゾーンに変革できればなと思っておりますが、こんなこともプロモーションの一つのアイテムにはなるだろうと思っております。





13 大型クルーズ船の寄港見込み 

○日本海新聞 今岡浩明 記者


 よろしいですか。大型クルーズ船、昨年に比べて寄港の回数が倍増するのではないかという見立てでしたけれども、トータルの乗客というんですか、境にいらっしゃるお客さんの見込みの数というのはどのように考えておられますか。



●知事


 先ほど申しましたように、回数は61回から40回以上ぐらいだと思いますけども、減るは減るんですけども、実は去年はコスタ・ネオ・ロマンチカという船が多く入っていました。日本人客がわりと中心の船でございますけども、こちらの方の経営方針が改まりまして、太平洋周りの方が強化をされて日本海周りが減ることがございます。先般も三重県知事とお会いしたら、初めてコスタ・ネオ・ロマンチカが入るということを言っていまして、向こうの方に逆に、今、船が行くということに変わってきているわけです。その影響で回数が減っているんですけども、ただ、入ってくるのはノルウェージャン[・ジュエル]とか、最近また新しいところ入ってきていまして、新年も未だ入港したことがない大型客船の入港も、今、打診を受けているところであります。従いまして、乗客数レベルでいきますとさほど大きな影響、激減するとかいうことではなくて、むしろ堅調なかたちになるだろうと思われます。


 海外の方にはポートセールスもして、それで境港がこの東アジアの日本海を絡めながら回るクルーズの時に非常に寄り易いし、美しいところであって、魅力があることもアピールができているだろうと思っています。あと、国内での知名度もこの山陰の魅力を高めていかなければなりませんが、例えば瑞風が好調であったように、山陰側にも山陽側とかあるいは東日本や九州よりも倍率が高い瑞風のように、魅力を上手に打ち出していければ、国内のお客さんの心も掴めるのではないかなとも思います。


 今週末の1月6日の日には、上野公園で、あろうことかシャンシャンまつりというお祭りが開催をされるんだそうです。あちらは今、パンダのシャンシャンブームでありまして、すっかり便乗してアメ横も売れているということでありまして、「こんにちは!シャンシャンまつり」という祭りをするんだそうです。それで、これは鳥取県としてもほっておけないと、うちがしゃんしゃん祭りの本家でございますので、しゃんしゃん祭りにこちらも乗り込んでいこうと、それで、しゃんしゃん傘を、送呈をさせていただいたり、香香(しゃんしゃん)のシャンの字は香るという字なんですね。ですから、プリンセスかおりといううちのお米もございますので、それをしゃんしゃん傘とプリンセスかおりを上野動物公園の方にプレゼントしようということを考えているわけであります。


これも一つのアピール戦略でございまして、今、全国が注目しているかわいらしい香香(シャンシャン)と私ども鳥取県と重ねあわせていただいて、例えばしゃんしゃん祭りを見に行こうとか、鳥取に行ってみようという気持ちになっていただくチャンスになればというふうにも考えています。ですから、クルーズ船は国内向けと国外向けと両方あると思うんですけども、それぞれにやっぱり我々としてもプレゼンスを高めていけばと思いますが、国外向けには一定の最近成果も現れてきているところであり、コスタ・ネオ・ロマンチカのようにちょっと国内向けのクルーズ船でうちだけじゃないんですけど、他の港とセットなんで日本海側がちょっと売り込みきれていない面があるのなと思っていまして、もっとその辺のアピール戦略を考えていきたいと思っています。





14 鳥取駅南での不発弾発見への対応 

○日本海新聞 北尾雄一 記者


 昨年の暮れ、休みの間でしたけども、12月29日にJR鳥取駅の南側で不発弾が見つかるという騒ぎがありました。この際に鳥取県がトリピーメールの方で1時31分に現在のところ爆発の危険性はありませんとお知らせしているんですが、県警は最悪の事態も想定して規制を夕方まで爆発、爆弾の処理が終わるまで続けました。それで市民生活にも影響があったところなんですが、この県警と県とそれから市との間でこの情報のやり取りだとか、連携、ここは上手くいっていたのか非常にちょっと疑問が残るところなんですが、このあたりは知事はどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。



●知事


 詳細については、またうちの危機管理部局からクラブの方にもこの後ご報告をさせていただきと思いますが、私も実は逐一連絡を取っておりました。それで、我々の方には関係筋の方から、要は爆発するというのは最大の懸念事項でありますけども、そういうことに至らないのではないかという見込みも伝えられてきておりまして、そういうことを通常そうしたトリピーメールも活用しながら、安全情報それから危険情報を出しているところでありますので、その辺を発信をしたということでございますが、もちろん県警やそれから今回やっぱり鳥取市が全面に立っていますので鳥取市さんともよく協議をしながら進めておりました。

 県の方では、市の方で結局、例えば市の南庁舎やあるいは新聞社さんだとか、JR[鳥取駅]とか立ち入りが難しくなっているそういう状況の中で、避難場所の確保も難しいということでありまして、県の産業体育館ですね、駅南の産業体育館を市の避難所として使ってくださいということで、ご提供を申し上げたりしておりまして、このように市側とも緊密に連携を取っています。今後、そうした情報をどういうふうに出していくのか等々、今回の騒ぎも含めて検証はしていきたいと思いますし、より国、県、市、警察、消防などの連携を高められるように、今回の実証も生かしていきたいと思います。詳細につきまして、時間的な経緯やその辺、また担当部局の方からご報告申し上げたいと思います。



○日本海新聞 北尾雄一 記者


 県がその安全性を確認して発信したということですけども、その出所というのが少し県民には不明ですし、それから一方で鳥取市は避難を呼びかけているということでやはりその避難すべきなのかどうなのかという住民さんにとってもやっぱりここで齟齬が生じたのかなと思いますので、そのあたりはどうでしょう、今後の検証なりにどう生かされますでしょうか。



●知事


 はい。先ほど申し上げましたように、今回の事象も総括をさせていただき、今後の情報のやり取り、共有や情報発信の仕方、それから今回避難所の設置であるとか、それからJR[西日本]さんも絡めて運行の停止等もございましたけれども、そうした公共交通機関との連携プレーなど、今後に向けて生かしていきたと思います。幸い今回は現実にもご確認をいただいたと思いますが、京都からも部隊が来まして爆発の危険がないということで引き取って帰ったわけでありますけども、言わば事なきを得る結果にはなりましたが、どういうように対処をするのが適切なのか、この辺はまた関係機関でもよく総括をしていく必要があり、県も含めて今後に生かしていきたいと思います。



○日本海新聞 今岡浩明 記者


 関連して、危機当局から説明させるということでしたが、どういうかたちでどういう内容のものが出てくるんでしょう。



●知事


 時間的な経緯、今のお話ではどうしてそういうトリピーメールが出たかということでありますので、その前に関係先の方から我々の最大のポイントは爆発の危険があるかどうかということでありまして、それについての情報を私どもなりにも得た上でという流れを見ていただく必要があるかなということです。ただ、それをどういうかたちで広報手段を使っていくのかとか、避難所の設営をしていくのかとか、もちろんだから爆発の危険はないかもしれせんけれども、安全のために避難してくれっていうことは当然あるわけでありまして、それ自体、僕は間違ったことだと思いません。ただ、その辺の無用な混乱が起きないようにというご趣旨だと思いますので、ちょっと今回の経緯等につきまして、また詳細後ほどご紹介申し上げたいと思います。



○日本海新聞 今岡浩明 記者


 今日、明日。



●知事


 今日でいいですよ。はい。





15 元横綱日馬富士関による暴行事件への対応等についての所感 

○朝日新聞 柳川迅 記者


 大相撲の話ですけれども、本日、元横綱日馬富士関に対する罰金50万円の略式命令が出たということですが、問題が発覚した11月半ば、知事は会見で厳正な対象を求める。あと貴ノ岩関に対しては十分配慮した扱いというのを相撲協会に求めるということをおっしゃっていましたが、あれから1カ月半経っていろいろ事態も経過というのは当初よりもずっと明らかになってきたわけですが、ちょっと改めてちょっとご所見も伺えれば。



●知事


 今回のこの略式の処分ということを踏まえて、相撲協会においてこうした暴力事件の再発防止にしっかりと取り組んでいただきたいと思います。本来この鳥取というのは非常に平穏なところでありますし、そういうなかで平穏な鳥取においてああいう事件が起こったということは誠に残念極まりないことでございます。そもそも大相撲というのは国技とも言われるわけでありまして、子どもたちも含めて尊敬されるスポーツでなければなりません。もともと神様とも関係するということでありまして、そういうなかから相撲という国技が生まれてきているわけであり、言わば清廉潔白、そして高潔な特別の競技だと思います。そういう国技の威信にかけても信頼を取り戻していただく必要があると思います。その一つの大きなきっかけになれば、今後に生かされることになればというふうに願うわけでございます。


 先般も申し上げましたけれども、貴ノ岩関が被害者でございますが、心身ともに傷を負っているというようにも伝えられているところでありまして、大変に心配をしております。鳥取城北高校の出身でもございましてこういうなかで、我々としても貴ノ岩関が今回の不幸な事件というものを乗り越えていけるように、相撲協会も配慮すべきではないかと考えておりましたが、年末にこの点については十両から下には落とさないという、そういう貴ノ岩関も守るべき対象の力士だというふうに認定をされたことは良しとしたい、是としたいと思います。これから貴ノ岩関におかれましてはいろいろと辛いことも多いと思いますが、ぜひ立派な力士としてさらに成長していただきたいと思います。



○山陰中央新報 原田准吏 記者


 他に質問ありますか。では会見を終わります。ありがとうございました。



●知事


 はい、どうもありがとうございました。




  

 ※広報課編集
  [ ]については、広報課で補足説明しています。

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