●知事
2月の[定例]県議会も終了しまして、新年度[平成30年度]に向けて鳥取県も舵を切ることとなります。この平成29年度も、もうすぐ終わりということになってくるわけでありますが、新年度[平成30年度]に入りますと議会の皆さまともいろいろお話もさせていただきましたが、私たちの任期の最後の年度ということに事実上なります。そういう意味で、これから仕上げに向けていくという年が始まろうとしていると思っております。現在までのところ、[元気プロジェクト チャレンジ70(政策項目)」という平井の方で設定した目標、これ、県庁にも協力していただいて、公約実現に向けて進めておりますが、現在まで[70項目のうち]74%については達成ないし達成の目途がたっているところでございます。[70項目のうち]97%は順調に推移しているというような状況でございますが、残り、任期ということになりますので、新年度[平成30年度]はこうしたこと、総括しながらさらに前へ進めていく県政とする必要があると思っています。
今日[3月28日]、国の方では新年度[平成30年度]の予算が成立をするという報道でございます。[一般会計総額約]97兆7,000億[円]の国予算でありまして、我々としても例えば高速道路の整備であるとか、また、港湾の整備推進であるとか、さらには交付税の確保等、これから働きかけを政府の方にもしていかなければならないと思います。年度が明けましたら、そういう活動もスタートをすることになるかなと思っています。また、鳥取県の方でも3,386億円の予算が成立をしたわけでございまして、その中身作り、着実な執行を進めていく必要があります。来週になりますと本格稼動ということで年度が始まりますが、4月2日には、例えば鳥取市と共同をしまして[第30回全国]「みどりの愛護」のつどいの実施本部を立ち上げ、この[県庁本]庁舎の7階に設置をしますが、そうした各種の事業、予算の遂行に動いていきたいと思いますし、例えば倉吉[市]に置きます新しい県立のハローワーク、これもパープルタウンの方に設置をするなど本格的に新年度[平成30年度]がスタートをするということになります。
私たちの方では、職員の採用であるとか、人事異動もなされるところでございますが、職員の方は新規採用70名ということになります。女性の採用は40%になります。そういう意味で全国的にも男女共同参画の進んだかたちとなるのかなと思っています。[職員の採用は]経験者採用なども進めていますが、例えば全国組織の全[国]農[業協同組合連合会]の職員であったかたがこちらの方に入庁してもらいまして、これからTPP11(米国を除く環太平洋パートナーシップ協定)等の課題もございますけども、販路開拓などに汗をかいていただこうというようなことを考えていたり、あるいは皆さまのお仲間であった新聞記者さんで、その会社の方から、新聞社からこちらに移られて入庁されるというかたも出てきたり、いろいろとバラエティーにとんだ人材が登用されることになろうかと思います。
異動の方も例年並みの異動規模ということになりますけれども、869人の異動の[うち]32人が人事、鳥取市への派遣ということでございますが、その869人の中では例えば女性の登用では東京本部の方に初めて部長級の女性を登用するとか、さらに、星空環境推進幹、星空環境推進室長というポストを設けまして、[鳥取県]星空保全条例の4月実施を推進していくということにいたしております。また、大山[開山]1300年[祭]の体制強化のために女性の事務局長を西部に設置をするといったようなこともございまして、さまざまな人材登用を図らせていただいております。女性の登用も実は[昨年]鳥取県、東京都を抜いて全国1[位]になっていたところでありますが、今回の異動の結果、警察を含めても20%の大台に乗ることになります。多分全国トップクラスのはずではないかなと思いますが、まだ、これ、国の統計が出ていません。ちなみに警察を除いたところで22.2%の女性の課長[級]以上ということでございまして、さらに係長[級]以上でも3割を超えていますし、部長級では去年[平成29年]と変わらないパーセンテージでありますけれども、これも多分全国トップの維持ではないかなというふうに思われます。このようなかたちで今回、4月1日にはこの県庁の方も装いを人の面でも一新していくということになろうかと思います。
2 鳥取市への保健所事務等の移管、東部地域の行政に係る連携強化
●知事
こうした機会に、特にこれから強化を考えていかなければならないのは、やはり先ほどもちょっと申し上げましたが、保健所等が鳥取市の方に移管をされるということに伴いまして、全国のモデルとなるような地方自治の姿を作っていかなければならないことだと思っています。昨日[3月27日]、当選されました深澤[義彦]市長と引継書の交付を行わせていただき、市長の方からも県と十分協力をし、まわりの町の事情もきちんと踏まえながらやっていくという決意を表明されたところであります。私と深澤市長との間ではこうした了解もあり、問題なく進むのではないかと期待をいたしておりますが、ただ、制度自体は半永久的にこれから進むわけでございますので、私たちの時代に将来に向けた制度をきちんと作っておかなければなりません。
それで、これについてだいぶ鳥取市とやり取りをしておりますが、4月3日に県市の連携協議会を設置しようと、その連携協議会設置をするためのスタートアップ会議を4月3日に開催をしようということとなりました。それで、このスタートアップ会議で了承されれば、県市の連携協議会を設置をすることになりますが、このメンバーとして首長会議をまず作ると、それで、首長会議は私たち、深澤市長と私と合わせて4町も入っていこうと、それで今、呼びかけていますが、若桜町さんは副町長になりますが、あとは町長さんが出席されるということでありまして、非常に特徴あるかたちでの組織ができるのではないかと思います。それで、そのもとに幹事会を設定してはどうだろうかと考えておりまして、私ども統轄監や向こうの副市長さん、それから幹部のそれぞれの皆さんも入っていただきまして、こういう保健所等の業務の連携を進める。そして、福祉保健系統と生活環境系統の部会も作りまして、実務的にはちょうど鳥取県と鳥取市と部局がそうしたかたちで対応関係ができますので、福祉保健と生活環境の部会を設置をして、周辺の4町のことも円滑に行われる、あるいは危機管理のこともできる、こんなような体制を作っていければと思っています。
私どものところでは、やはりお医者さんの数とか、看護師さんの資格がある保健師さんの数とか限界がございまして、それを県と市でそれぞれ一揃いずつセットするのは同じ東部のなかでは将来的には難しいだろうと思いますし、何より住民のかたのサービス低下を招きかねないことになります。従いまして、一括して設置をするために市の方に4町分も含めて委託をして、それに県からも人材を出して協力をしていくと、いわば市と県との間のハイブリッド行政をやろうということでありまして、両者にまたがるブリッジを市役所のなかに作っていくということであります。ただ、そこのときに4町のいろんな意見や事情が反映されないといけませんので、あえてこういう連携協議会を県と市との間で結びました連携協約に基づきましてセットしようというものでございます。
また、危機管理としては、やはり新型インフルエンザ等々保健所が一緒になってやらなきゃいけないことがあります。それで、[県]中部、西部と東部で例えば新型インフルエンザであれば、どこにどう飛んでいくかわからないわけであります。ですから、今の危機管理体制としては県と市が分かれた格好になっていますけれども、これもジョイントして行動できるようにしなければいけませんし、また、人材としても例えば米子市なり何なりでなんか課題が発生した場合に、東部から応援に行くというようなことも、これは市と県との境界を破りながら動かなければならないわけでありまして、そういう限られた人材の動員なども含めていきますと、やはりそういった危機管理体制などはジョイントでやっていかなければならない、ただ、そこで住民の皆さまにご不便やご心配をおかけすることはあってはならないことでありますので、そうした危機管理関係でも連帯をこれから作っていく必要があります。
こんなようなことを4月1日から動かすために早速にそうした協議会設置を考えております。また、併せまして鳥取市政がリニューアルされますので、この機会に県と市のそれぞれ抱える懸案について率直に話し合う機会を深澤市長との間でセットさせていただこうと考えております。
●知事
昨日[3月27日]は森友[学園]問題で大変国会が大揺れになりました。これは行政に対する信頼を損なうものだと、非常に厳しい議論が国会でも飛び出したところでありまして、私どもも同じ行政でありますので、他山の石としなければならないところかと思います。鳥取県の場合は幸いにいたしまして、現在完全な形での電子決裁システムを導入しておりますので、システム上、決裁文書は保存されますし、そこに改ざんを加えることはできない構造になっています。
ですから、同じような問題は、発生はしないんですけれども、ただ、[旧]優生保護[法に係る]資料の保存とか、そうしたことでも課題を感じているところでございまして、新年度[平成30年度]に入りましたら公文書適正管理推進チームというものを設置しようと思います。この公文書適正管理推進チームにおきまして、現在の公文書管理の状況をちょっと庁内横断的に再度把握をしたりして、それで、今後改善すべき点がないかどうか、それがあれば改善を加えていく、実行していくということをやっていく必要があるかなと思っています。例えば、現在公文書管理につきましては、本県では文書管理主任が各所属にございまして、そこで公文書管理の適正化を図るという仕組みになっていますが、庁内、課のなかの、所属のなかの問題でございますので、普通のルーティンワークのなかに入ってしまいます。そこで例えばITであれば、IT監査ということを情報政策課の方で全庁的に回っていくわけでありますけども、この公文書管理につきましても、そうした意味で文書監査っていうのを創設してはどうだろうか。
具体的には政策法務課など、そういう文書管理の担当部局がございますので、そうしたところで庁内の第三者的目線で、我々の内部規律としての文書監査体制というのを創設をするというのが、例えばあるかなと思います。それで併せて今、働き方改革も進めていますので、無駄なペーパーワークをいっぱいやっていたりというようなこともありましょうし、昔ながらに何でもかんでも決裁上げたりいうようなことに行き過ぎてないか、あるいは余計な書類を民間の皆さんに要求してはいないかとか、そんなこともありますので、働き方改革のそうしたチームを、こういう文書についてきちんと見ていくようなことがあっていいのではないかと思います。また、保存年限も、今、公文書館に引き継げば永久に保存されていきますが、30年の保存年限というのが内部的にはセットされていますが、それに対象となるのが何か、あるいは30年よりもっと長い期間を設定すべきものはないか等々、そういう保存年限のあり方なども、この際、総点検をしてはどうだろうかと思います。例えば[旧]優生保護法の問題で課題が全国的に出ていますけども、こういう個人の人権にかかわるようなこと、これが歴史公文書として公文書館に引き継がれることが望ましいんだろうと思うんですけど、現在のちょっと運用要綱では許認可だとか、補助金に絡むものは引き継がれる可能性がございますが、そうでないものは引き継がれないかもしれません。
そういうようなことはちょっと曖昧なところがございまして、こうしたところを再度見直すこと、あるいは文書保存のやり方、合理化できるところは合理化したり、そうした言わばメリハリのついた文書管理というものを再度徹底していく、そうしたために公文書適正管理推進チームというのを設置させていただいて、新年度[平成30年度]動かせていただこうかなと思います。
●知事
また、今申し上げました[旧]優生保護法の関連でありますけども、昨日[3月27日]与党への説明で厚生労働省がようやく全国調査を行うということを明言をしました。私どもは既に県庁のなかの書類ひっくり返しまして、公文書館や庁内の調査を終えたところでございますけれども、現在相談窓口をセットして、さらにワーキングチームを設置しまして調査を進める、対策を考えるということをやっております。
今までのところ、実は具体的なご相談は承っているわけではございません。ですが、私どもとしてもさらに一歩進めていく必要があるのかなと。国は今ようやく腰を上げたところでございますけれども、やはり被害者の視点に立って物事を考えていかなければなりません。従いまして、現在指示をしておりますのは、市町村と協力をしながら、かなり前のことに実はなっておりますので、県内に住んでおられるかどうか、ご存命かどうかということも含めて、その辺の情報は市町村に、きれいに辿れるかどうか分かりませんが、市町村と協力していけば、私どもの方で行政長としての照会権限もございますので、そうした住民情報等も含めて調査を我々としてもやる必要がさらに一歩を進めてあるのではないだろうかと思います。
そうして、今ここで相談窓口を立てて、被害に遭われたかたのご相談を受けて、それで対策を寄り添いながらやっていこうということにさせていただいていますが、こちらから出向いてでもそうした被害者救済、被害者のご相談に預からせていただくと。それで当方としてでき得ること、それをまたご相談をさせていただきながら、我々としても真摯に検討させていただく、そうしたステップに進ませていただこうかなと思います。全国でまだあまりやってないことかもしれませんけれども、国は多分調査というのはどういう調査されるのか分かりませんが、私どもは今、一旦庁内調査を終えていますので、私どもなりに真摯に被害に向き合うというようなことにさせていただければと思います。
●知事
美しい自然環境を守り育てていく、それは鳥取県ならではの使命かなと思います。そんな意味で4月1日に[鳥取県]星空保全条例がいよいよ施行されることになります。現在まで地元でのいろんな協議であるとか、それから県の方の星空推進の会議の議論であるとか、そうしたことや景観審議会等も手続きを踏んでまいりまして、来週入って4月1日ですね、いよいよ鳥取市佐治町で星空保全区域の認定、設置が行われる運びとなりました。また、今、日南町さんも具体的に全町指定に向けて、町内でのさまざまな話し合いを進めておられますけども、むしろ後押しするご意見、積極的なご意見が目立っていると伺っております。その他の地域でもいろいろと動きも出てきておりまして、4月入りましたらいよいよ条例が施行されますので、佐治のように重点的な区域も含めて、県としても応援をし、星空環境教育などを積極的に進めてまいりたいと思います。
●知事
また、併せまして、これエリザハンミョウが砂丘に生息しているわけでございますけれども、これ調査のなかで減少しているというデータも出てきました。そこでちょっとしばらく前、私も関係部局の方に指示をしていた面もあるんですけども、なかなかちょっと今までそういう囲いとかしたことがないので、担当部局でもちょっといろいろ逡巡(しゅんじゅん)な向きがあったようなことでありますけども、今、有識者のかたとか意見交換も行いまして、これから環境省の許可を取らなきゃいけない、[国立公園]特別保護地区ではありますが、その環境省の承認が取れ次第、100m×35m[程度]の範囲内に立ち入られないようにロープを設置して囲いをし、それでここではエリザハンミョウが生息していますので守りましょうというふうに呼びかける。そうした措置を取らせていただこうと思います。
そして、あと併せて、これ、実はその巣穴があるところ以外で除草活動を我々やっているんですね、それで、餌場のところになり得るところについては、除草活動をしないようなことをする。それによってエリザハンミョウの生息を保護する。そんなようなことも含めて対策が必要ではないかというふうに考えております。これは有識者のかたにも入っていただいたり、今、砂丘を利用してアクティビティをやっておられるかたであるとか、そうしたかたがたにも参画をいただきながら、エリザハンミョウの生息保全チームを設置して、対策を当面取る必要があるというふうに思います。
これ自体は実はレッドデータブックに登載されている虫ではないんですけども、全国的に実は生息が減ってきているという状況があったり、安部公房さんの「砂の女」もハンミョウを取りに行った人が穴に取り込まれるという物語でございまして、そんな意味で砂丘の1つのシンボリックなものかなということもございます。そうしたことを我々としても真摯にやっていく必要があるのかなと思います。
●知事
働き方改革や産業政策でありますが、今日[3月28日]はこの後、[株式会社]城洋(じょうよう)さんという会社の進出の調印式をさせていただくことにいたしておりますが、今年度[平成29年度]はこれで終わりでありますけれども、[県外からの県内進出と]県内企業の拡張が合計で40件ということになりました。そのうち6件が[鳥取県]中部地震の復興関係で応援をした拡張企業でございます。こういうようなことで雇用の場の拡大等を図っている一方で、働き方改革を進めなければなりません。4月に入りますと、[とっとり]働き方改革支援センターを庁内に設置をし、県立のハローワークもその支部として動くことにいたしたいと思います。このセンターでありますが、社会[保険]労務士会とタイアップをしまして専門家の派遣なども進めていくことにいたしております。
県庁職員の働き方改革をこの1年間、進めてまいりました。[鳥取県]中部地震がありまして、昨年度[平成28年度]は超過勤務が増えたこともあり、もう一度原点に立ち返って各所属を回るような働き方を変えるチームも動いたりしまして、今のところ、31万時間レベルになっています。目標は40万[時間]を切ることでありましたので、それはもう、今年度[平成29年度]末、達成の見込みになりました。また、規制改革会議を設置をして、それによる、規制改革による行革効果を出そうということでありましたが、これも30.9%の達成率になりまして、実は、ちょっと、設定していた3割、これを前倒しで達成できたかたちになりました。そのなかには、電子申請を実現する、特にクレジットカード払い、この活用などもございまして、新年度[平成30年度]、そうしたことが大幅にふえるというようなかたちになってまいりました。ぜひ、こうした県庁のなかの働き方改革等も進めてまいりたいと思います。
●知事
この週末、3月29日に[クルーズ船]マジェスティック・プリンセス号が寄港します。これが今シーズン最初のクルーズ船の寄港となります。もう1隻、本当はあったんですけども、それはちょっと天候の関係で来られなくなったわけでありまして、今回のマジェスティック・プリンセス[号]、これ、初寄港でございますが、初めてこの船が鳥取県境港にやって来ることになります。4,300人乗りの大きな船舶でございますが、これを皮切りにして、またクルーズシーズンが始まるということになります。
ウェルカニキャンペーン、これも最近、ここ数年やってきましたが、去年[平成29年]まで、2万人が最高だったんですけど、今年[平成30年]は3万人を超える応募がございまして、去年[平成29年]より5割増しということになりました。ぜひ、これから春爛漫の鳥取県、多くのかたがた、国内外のかたがたに訪れていただければと思います。
ちょうど桜も咲き始めました。例年よりも早いペースで鳥取市などでの開花宣言が出たところでございまして、この週末からも倉吉の春まつり、米子の桜まつり、それが始まり本番を迎えることになりますが、米子桜まつりはこの週末からさくら船という船を浮かべてやることになっておりまして、ぜひ多くのかたがたに山陰の春を楽しんでいただければありがたいというふうに思います。私のほうからは以上でございます。
○日本海テレビ 前田俊博 記者
では各社、質疑があれば、質問あればよろしくお願いします。
○日本海新聞 今岡浩明 記者
よろしいでしょうか、先ほど新年度からの新しい組織体制などについてご説明ありましたが、改めて、県民目線で住民の皆さんに、こういったことが新しく始まるとこういった面で便利になりますというようなことがありましたら、ちょっとわかりやすく何点か事例を説明していただきたいと。
●知事
はい。例えば先ほど申しましたように、働き方改革、これを進めていく先頭に鳥取県も立ちたいと思いますが、4月には倉吉のパープルタウンでハローワークが県立でスタートします。今、鳥取市の方はまだ準備中ではありますけども、こうしたことがスタートをし、働き方改革支援センターも設置をされます。ぜひ、企業のかたも含めてご相談ごとなど受け付けたいと思いますのでよろしくお願いを申し上げたいと思います。また、子育て応援やパートナー探しでもえんトリーという事業の使い勝手をもっとよくしてほしいというお話もございまして、大分受託の団体とも調整させていただいたんですが、4月1日から向こう半年間はキャンペーンとして20代のかたは1万円、2年間で1万円の会費を5,000円に減額するというキャンペーンを始めます。中部に待たれておりました、えんトリーの中部センターも、ちょっと来月の初めではちょっと間に合いませんで、半ばぐらいになるかもしれませんが、それも週3回開設するようなペースで始めたいと思っております。
こんなようなことなど、子育て対策等でも新しい政策も出てくるところでございます。新年度教育関係でも学校現場に先生方のサポーターのような、そういうかたがたにも入っていただくように、県内各市町村等で学校現場で任命をさせていただいたり、部活の支援なども強化をしたり、子どもたちが成長をしていく応援をなお一層深めてまいりたいと思います。そうした活躍の場としてはスポーツ等では新年度[平成30年度]ですね、ワールドカデッドチャレンジという卓球の世界大会、あるいはスポーツクライミングのアジア選手権等が開催されるなど、いろいろと東京オリンピックに向けて、本格的に国際舞台に向けて鳥取県が乗り出していく、そういう最初の年度になろうかというふうに思います。
産業面でも中小企業の経営者向けに、経営革新制度というのをやっておりますが、この補助制度に働き方改革の新しいメニューを投入をしたり、また、県での就職を応援をする未来人材育成基金に農林水産業も加えまして、そうした学生さんの支援、合わせて有償によるインターンシップ事業、これ、2週間以上だいたい一月ぐらいまでになろうかと思いますけど、夏場になろうかと思います。そういう新しい、そうした有償のインターンシップ事業なども始め、移住・定住の応援、特に若い層に帰ってきていただく、そういう対策を強化してまいりたいと思います。
また、新年度[平成30年度]はいよいよ県立中央病院がリニューアルオープンをされる年であり、また、併せて[鳥取]赤十字[病院]の方も5月にグランドオープンすることになります。こうしたことなどをもとにして医療の高度化、特に東部での病病連携により県立中央病院は500床ベースになりますので、飛躍的に治療力を高めていこうと、急性期医療への対応を強めていけるのではないかと思っておりまして、この度、運航を開始しましたドクターヘリと合わせて命を守る、そうした面での強化も図ってまいりたいと思います。その他、農林水産業であるとか、さまざまな活力、観光も含めて呼び起こしていきたいと思いますし、安心づくりというのも進めてまいりたいと思います。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
公文書の適正管理推進チーム設置のことなんですけれども、県としては、今、電子決裁システム導入しているということで、森友問題のような書き換えをするというようなことはできないような仕組みにはなっているかと思うんですが、そういった意味では、先ほど優生保護のことが課題だというふうにおっしゃられたんですけど、それ以外に、今、何か具体的に課題として見えてきているものというのはあるんでしょうか。
●知事
ですから、[旧]優生保護[法]の問題でちょっとクローズアップされていますが、電子決裁導入前の文書はそういうデータベース上に保存されているわけではございませんので、そうしたことの保存年限や仕分けの問題があります。これ、従来から基準がありまして、それに則って本県運用しているんですけども、ただ、その結果、[旧]優生保護[法]のことで言えば、3名の方はちょっとお名前等が分からない状態になっている。実は国の方とのいろんな、照らし合わせてみますと、本県の方が資料が残っている場合もあるんですが、国の方での統計資料として1人とかこういうふうに数字が入っている年で、こちらに対応する資料がないという年もありまして、年度によっては破棄した可能性もあると、本県、割と残している方かなと思いますが、それでもそういう課題もある、それが起こる原因があるということですね。ですから、そういう意味で、今の文書の適正管理をもう一度見直してみる必要もあるのかなと、そういう意味で30年という年限、最長年限が適当なのかどうかとか、また、そういうところに仕分けをしていくのはどういう文書を仕分けしていくかということ、それで、どうしても基準自体は若干曖昧なところもあったりしますので、そういうものを具体的に、要はこれは残そう、これは残さなくていいよというメリハリをきちんとしていかないと、長い年月経つと消えていってしまうということになりかねないと。
今回の森友問題は本当に短期的な文書、ちょっと我々からするとちょっと考えにくいんですけど、契約が終わったら破棄してしまうとか、本当にそういう管理をしているのかなという感じがするぐらいちょっと我々からするとちょっと考えられないような管理をされているので、我々とちょっとレベルが違う話だと思うんですが、ただ、古い文書の保存などは再点検をして、基準の作り直しなどをしていかなければならないかなと思っています。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
やはり契機としては今回の森友問題というのがあったことを契機にして、もう一回、質は違うのかもしれませんけども、県庁的には公文書のあり方、管理のあり方というものを考えてみようということでしょうか。
●知事
そうですね。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
それと、政策法務課が第三者的に全庁を見回るというようなお話もあったかと思うんですが、それをされる意味というのをもう一度改めてお願いします。
●知事
例えば、ITであれば何か余計なシステムを作っていないかとか、ちょっと不適切な運用していないかとかということで、実は会計監査のようにIT監査をしているんです。それで、ITはこういうバーチャルな世界でありますけども、リアルな世界で残っている文書、これの方については、今、各所属の文書管理主任に任されているというようなかたちになっていまして、今回の森友問題で言えば、結局、国有財産の担当部局、それから近畿財務局のところで、ちょっとよく分かりませんけども、全員ではなくてある人間たちがそれに係わっていたということでありまして、そこで改ざんが実行されたんでしょうということだと思うんです。それで、そういうことが、要は所属の中だけの対応だとできかねないわけであります。ですから、第三者、庁内の第三者が入ってきますよという仕組みを負荷しておく必要があるのかなと、実は、今も例えば[文書管理]主任研修だとか、係長の昇任研修だとか、そういうときに文書管理ということを必須項目としてやっているんですけども、ただ、研修は研修でありまして、現実に今回はある意味意図をもって改ざんされたわけですね、書き直しと最初言っていましたけれども。それで、そういう書き換えが意図を持ってなされるということはどうしても1つ所属の中で起こる話でありまして、所属を越えて監査をするという仕組みをやっぱり導入する必要があるんじゃないかな、これ、国もそうだと思うんですね。それで、国の方でも、今、学者さんの議論の中では文書の監査をやらなければいけないという議論も出ているように新聞記事などでは読ませていただいているんですけども、振り返ってみれば、私どももそういう意味で所属を越えて監査をする文書監査という、そういうオーディット(監査)を設ける必要があるかなと思います。
○日本海新聞 今岡浩明 記者
すみません。関連してなんですけども、データの保存という意味では、電子化をすればきちんと保てるということだと思うんですが、それに遡って、そもそもその文書を残す際に何らかの意図が加わる、要は文書を作る段階でその意図的に内容を変えるとかいうような余地というのは入らないんでしょうか。
●知事
今、議論されているのは公文書、作成された公文書に手が加えられるということでありまして、ちょっと役所仕事で分かり難いかもしれませんけれども、要は決裁なわけですね、今回議論になっているのは。それで、その決裁というのは意思決定でありまして、許可を与える、与えないという意思決定、あるいは売却する、売却しない、そのためのその意思決定に関連するところで、その決裁が回っていくときに、その決裁を読んで判断する材料というものがつけられたかたちで決裁が回りますし、その決裁の理由が必ず添えられているんですね。これはちょっと1つの文書のステロタイプ(型にはまったやり方)がございます。こういうもののなかに、いざ今回で言えば、それは考慮してないというお話も昨日はだいぶ出ましたけども、ただ、佐川[宣寿元国税庁長官]さんは実は判断した当時の責任者ではありませんのでね、ただ、本当はよく分からないんだと思うんです。それで、ただ、その当時の責任者の人は、ついている情報を見た上で可か非か、この、つまりこの決裁の主文と言いますか、例えば許可を与える、売却する、これがいいかどうかを最終的に判断するということになります。その判断材料が実はついたかたちで回ってくるんですね。
だから、財務省はどう特殊な事例と言いたかったか、よく分りませんけども、特殊な事例と言いながら、それで、そこにいろんな事実を書き込んでいたというのは、そういう文書実務のあり方と非常に関連するわけですね。だから、その意思決定に際してそうしたものが付されてきて、それを込みで決裁がなされていると。だから、これが1つの塊であって情報としては保護しなければならないものだろうと思います。それで、実はその例えば異論、反論もいっぱいあったり、ああだ、こうだ、いろんな選択肢があったり、いろいろあるでしょうけども、ただ、そういうものでなく、最終的に決めるところっていうのを残すっていうのが公文書の作り方になります。ここでもこうやって口で話していますけど、いろんな議論っていうのはやっぱりあるわけですね。それで、そのなかでこの後々1つの歴史を形作ったりするようなものっていうのは最終的な意思決定のところは残るものですから、この最終的な意思決定のところを公文書管理の一番の中心としてやっているのが役所の実務であります。
ですから、大体そこを見ていけば、私も昔の文書をいろいろ、これまで役人生活で見てきましたけども、そこを辿っていくと結構決定的な話というのは大体見えてくるものでありますので、そこに実は公文書管理というのは焦点が当たっていると思います。
11 旧優生保護法による不妊手術問題に係る文書取扱への見解、今後の対応
○日本海新聞 北尾雄一 記者
優生保護法の資料がその後半のものが3件について残ってなかったということに関してなんですけども、これが当時のどう判断したのかが今一つ不明なところもあるんですけども、おそらくその審議会等の資料は5年という原則があって、これはおそらくカルテが5年ですので、そういったものを準用しているんじゃないかということを担当官もおっしゃっていましたが、知事はこの、今となってはというところもあるんですが、この優生保護法の関係の資料というのはどのように扱うべきだったと今、思っていらっしゃいますか。
●知事
そういう意味で公文書適正管理推進チームというのを作って、もう一度その保存年限の見直しをする必要があるかなと思うんですけども、今回は審議会の資料、議事録ということなんですが、実は審議されている内容自体が個人の権利、人権に大きく関わるものでありまして、こうしたタイプのものは、個人に関わるものは、例えば30年保存して公文書館に引き継ぐだとか、そういう評価をもう一度当てた方がいいんじゃないかなというふうに思います。結局、当時は審議会資料、いっぱい審議会回数開いてやっていますので、そこに特に議事録的なものっていうのは、公文書的な価値がどこまであるかよく分らないところがございまして、そのまんまポイッと捨ててしまうということはあり得るわけですよね。
ただ、今回課題になっていますように、こうした事象が出てきているわけでありまして、そこは将来のことを考えて、同じ審議会であってもこれは、あるいはこの回は残すべきじゃないかというようなことをやっぱりその時、その時で判断できる指針がなければいけないと思います。ちょっと現状はそこの面が不十分ではないかなと思っておりまして、そういう意味でちょっとこれ手間暇かかるので、全庁的にもう一度調査をして、その実態を踏まえながら再整理をしていくと、そんな意味でチームを設ける必要があるかなと思っています。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
今後のことも当然ありますが、当時の時代背景がなかなか違うんで一概に言えないかもしれませんが、知事は、これは残しとくべきだったものだとお思いになりますか。
●知事
私はそう思います。ただ、当時の担当者の判断は判断として、それは当時合理的に考えたんだろうと思います。それで、現実、ちょっと考えていただければなんですが、本県の場合は確かに3件失われているんですけど、それ以外は全部残っているんですよね。だから、同じ5年でやっていても、やっぱりこれは残そうと思って、多分別の基準で残しているんじゃないかと思いますが、そうした判断をしている例が圧倒的に多いわけでありますが、担当者によってちょっとそこ曖昧だと崩れてしまうわけですね。ですから、そこは過去も実は残すという判断をしてきたものもあったわけでありまして、その3件については出てきていないということです。それで、我々もその辺は、公文書の管理自体は当時、森友問題のようについ最近のものを捨てたというものではございませんので、特に問題になると当時は思ってなかったかもしれません。
ですから、そうした運用をした担当者がいたということなんだろうなと思うんですけども、ただ、我々は真摯に向き合うべきだと思っていますので、ちょっと市町村の協力を求めながら、先程申しましたように優生保護手術、強制不妊手術につきましては、市町村側とも協力をいただきながら、もう一歩ステップを進めさせていただいて、調べられる範囲のことは調べていきたいと思いますし、被害者のかたの実情をお伺いして、県としてもどういうことができるのか、考えていきたいなと思っています。例えば、今、全国で訴訟がなされていますし、県内でもその相談窓口が訴訟サイドの方で設けられたところでございます。それで私どもも宮城県の方の窓口とは連絡を取っていまして、もしということであれば、そうした訴訟へご参画いただくような、そういうお手伝いっていうこともあり得ようかと思っていますし、いろいろと私どもとしても成すべきことを謙虚に受け止めていきたいと思っています。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
細かいことなんですが、電子決裁のシステムが導入されたのは何年からか。
●知事
すみません、後でまた。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
というのは、要は電子決裁が導入をされた後の文書というのは、もう全てそのシステム上に管理をされているので、30年を超えようが超えまいが、ずっとそこに残っているっていう認識でいいんでしょうか。
●知事
いや、そこはやはり文書管理のシステムと関連していますので、完全に全部残るというものでは、もちろんデータベースのキャパシティもありますのでね、サーバーの容量の問題などもありますし、現実には一定のルールのなかで、そこはなくなっていくものであります。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
今、電子決裁、電子システム上残っているものについても同様に、その30年超えた場合に残すものと残さないものというのを分ける。
●知事
そうですね。ちょっと話がごっちゃになりましたけども、要は電子決裁しているので大丈夫だというのは森友問題というのは、もうここ数年の話です。当然ながら普通の文書でも保存年限、うちはあるものでございまして、それで、そういうものは電子の、電子的にファイルとして保存されているわけですね。それでそれに我々がアクセスして、ここは都合悪いんで、ここはちょっとデリート(削除)しましょうという操作ができない。従いまして、改ざんの可能性が本県の場合はないんですよということを申し上げております。ただ、森友問題のようなことでなくて優生保護のような話になりますと相当昔のことでありますので、仮にそれが電子データとして残っていた場合、そういう年限設定と比べてどうかというのはちょっと分かんないですね。まだそれほどのちょっと年限経っているわけじゃなくて、現実には平成10年代の半ばだったと思いますね、10、ちょっとまた後ほど、はい。
○山陰中央テレビ 安部大地 記者
文書適正推進チームに関して、これ現在具体的なところで新年度のいつから始動させて、保存の基準とかをいつまでに確立されるとかというお考えはあったりするんでしょうか。
●知事
ちょっと今、庁内で指示をしたばかりでありますので、まだそこは見えませんが、4月の第1週にチームを立ち上げたいと思います。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
今の議題とも絡みますし、ちょっと繰り返しになるかもしれませんが、昨日、昨日の佐川氏の証人喚問をニュースなどでご覧になって、どういうふうに知事としては思われたか、率直な感想をもう少し詳しく教えていただきたいのと、これで今後国会としてどういった役割をさらに期待されるか、そのあたりもお願いできますでしょうか。
●知事
昨日[3月27日]7の証人喚問、これ自体は国会として調査をされている国政調査のお話でありますので、私がコメントすべきものではないだろうということを、まず、お断りはさせていただきたいと思います。その上でちょっと印象を、感じたところとしては、やはり国政調査権の限界はあるだろうなということですね、特に刑事訴追の可能性があるということになりますと、この憲法上保障された陳述しない権利というのがあるもんですから、そこのところで証言、やり取りが十分できていないという結果に終わっているかなということ。それから政治家の関与についてだけは明確に否定されていて、非常にコントラストが目立ったなというような印象があります。それで、私は、本来その文書管理の問題自体はあるんですけども、ただそれ以前の問題として、あの価格設定の売却というのが適正だったのかどうかとか、それからどういうような経緯があったのか、それが文書管理の云々以上にほんとは大事なところだと思うんですが、そうした方面の解明などもこれから国会も進めていかなければならないのかなというふうに思います。
そういう意味で、はっきりしたこと、はっきり証言が出たことと出なかったこととのコントラストが、それがはっきりしていまして、そういう意味で今後を見守っていく必要があるかなというふうに思います。それで、私どもとしてはそれは他山の石として、ただ文書の適正管理というのは行政全体への信頼性にかかわるというような発言が昨日も相次いでいますので、それで我々も行政の一角である以上、適正管理の推進というのを再度徹底する必要があるかなというふうに感じました。
○毎日新聞 小野まなみ 記者
すみません。優生保護に関することなんですが、当初県としては、さっきも知事おっしゃったように被害者本人の現住所ですとか、ご存命であるとかっていうのが分からないということで、県の方からコンタクトを取ることはせずに相談を待つというようなスタンスだったかと思うんですけれども、その方針を変えられた理由というというのはどういうことでしょうか。
●知事
ちょっと担当者と私と齟齬があるかもしれませんが、私はやはり調査すべきだし、これは被害者がおられることなんですね。それで被害者に寄り添った対応を私どもも、県としても、本来一義的には国だと思います、正直申し上げて。それで国、あるいは世界がそうだったかもしれません、イギリスで始まったことでありますし。それでそういう[旧]優生保護[法]の仕組みというものがあったことは、基本的には国の責任だろうとは思うんですけども、ただ、県も現場でいるわけですし、それからこれについてやっぱりこうした被害者側から声が挙がっていることでありますので、私は被害の実態に真摯に向き合う必要があると思っていまして、国の方には調査をすることと、それから被害者の救済、これを先般も要望してまいりました。それで、そういうなかで、かねて指示をしておりました、まず、相談窓口を作るということと、それからワーキングチームを課を横断したかたちでセットをすること、それで調査や被害者に向き合うことをやってくれということを申し上げていまして、それで、まず相談窓口がセットされたんですが、相談に来た人以外は知らないというつもりは私はないです。
ちょっと担当者ともいろいろ話をするんですけど、ちょっとそこに担当者は担当者でちょっと引き気味なところがたぶんあるのかもしれません。ただ、県としてはそういうことはないって言っていただいて結構です。そういう意味で改めて今指示をしているところでありまして、市町村にもしかするとだいぶ古い記録なもんですから、その[被害者の]所在の、居られるどこに居られるかとかいろんな情報が市町村側にあるかもしれない。ですから、その辺は全国ではまだ調査してないかもしれませんけども、私どもとしては行政庁としての照会権限というのもあるわけでありますので、そうしたことも含めてもう一段調査のステップを上げて、今は相談窓口に来なければ[ならない]ということになっていますが、それは相手が分らないからでありまして、相手がここにおられるっていうことが分ればそちらに出向いてきちんとお話をするのが、私は礼儀だと思います。
それで、このような大きな人権問題ということが今日クローズアップされてるなかで、被害に遭われたかたがたに対しては国はもちろんですけど、県も真摯に向き合わなければならない。そのためにただ県庁で座って待っていればいいよというのは、私はちょっと性に合わないところがありまして、やはりそこはちゃんと調べに行くべきだと思います。今、担当部局の方でもそうした市町村への紹介などもやるステップにいきますというふうに、今、言っておりまして、ですから、我々としてはちょっと全国では若干踏みだしますけども、その市町村の協力を得ながら調査のステップを進めてまいりたいと思っています。
○毎日新聞 小野まなみ 記者
仮にご本人ですとか、ご家族とコンタクトが取れた場合に県として独自の救済策をということは考えられていますか。
●知事
まず、お会いしてからだと思います。お会いした上でどういうことが課題になっているかとか、どういうことが行政側で必要と考えておられるか。その辺をお伺いをしながらだということだと思います。1つ、今、国会の方でも超党派で救済の法律を作るべきだという議論が進んでいまして、実は一般的な法律だけでいくとなかなか救済は難しいかもしれません。ですから、立法措置があって、そこで救済するのがたぶん一番いい仕上がりになると思います。ですから、それを我々も国に対して求めているんですけど、少なくとも今、訴訟が行なわれており、今日[3月28日]ですかね、地裁での公判日ということもあると思うんですけど、そういう流れに私どもの関係の被害を受けられたかたも加われるということもあると思うんですね、我々は、実は宮城県のそういう窓口とも連絡をとりあっております。そうしたことも含めた被害者の支援っていうことを、我々としてはしていく必要はあるかなと思いますし、前提なく被害者かたのお気持ちや考え方を聞いて見たいと思っています。
○中国新聞 小畑浩 記者
すみません。関連なんですけども、改めてにはなるんですけど、知事的には国の責任であるということなんですが、県としての責任、どういうところにあったとかいうところをお伺いしたいと思います。
●知事
私はその国全体でやったことであり、本県は他県とは違って全国でも極めて件数が少ない、だから抑制的に運用されていたというふうにも思えるわけでありますが、そういう県ではありますけども、しかし、そうした国全体の行政の執行のなかで動いたことについては誠に遺憾と考えております。従いまして、今、県庁を預かる立場として、被害を受けられたかたがたには真摯に向き合うこと、これを基本にやってまいりたいと思います。
○日本海新聞 今岡浩明 記者
よろしいでしょうか。全く違う質問なんですけども、先般、毎年恒例の県のイメージ調査の結果が公表されましたが、そのなかで気になった点があります。知事の奮闘もあって県の話題性など高まっているようには感じるんですけども、相変わらず鳥取砂丘に対する認知度が飛び抜けて高い、それで、一方で今年1300年の節目を迎えますが、大山の認知度がものすごく低いということで、一番には今年のイベント展開に向けて非常に心配なところであるということ、それからその他の観光地の認知度など向上に向けた対策、どのように考えていらっしゃるのかということを伺いたいと思います。
●知事
大山[開山]1300年祭をいよいよ本番実行する年になりました。それで、関係者のかたがたともだいぶ話し合いも進み、具体的な行事も5月の開創法要から始まりまして10月のフィナーレ的な米子市等で行われるイベントに繋がっていく、約半年間の流れが固まってまいりまして、そのなかには[第3回]「山の日」[記念全国]大会等々全国的な行事もございます。それで、私はぜひ、県民の皆さま山陰のかたがた、あるいは観光関係者などと一丸となりましてこの機会に大山や鳥取県、山陰に来ていただいたり、また、その認知度を高める、そういうモーメントになればな、機会になればなというふうに思います。それで、これについてはこれまでやってきたなかで[JR西日本の山陰]デスティネーションキャンペーンやあるいはJTBさんの日本の旬というキャンペーン期間も重ねていただきまして、全国の耳目を集め得る環境もできてきたと思います。
そういうなか、春日大社さんで鳥取県縁の安綱の刀が見つかるなど、そうした材料も活用しながら、我々の存在感、プレゼンスを高めていればと思います。実は、集客をたくさん持ってくるというのはたぶん出雲大社のようにはならないと当初から思っています。しかし、自然環境に対する関心が海外からの観光客も含めて高まってきており、大山や大山の周辺はそういう意味で非常に魅力的な潜在力があると思います。それで、そういうものをお伝えしていくことをしっかりとやっていけば、これをいわゆるレガシー(遺産)として今回砂丘は従来から鳥取の顔のようなイメージでありますけども、大山も一つの顔として認知をされるようになれば、今後長い意味での観光客の掘り起こしにつながってくるのではないかなと思っていまして、むしろここでどういうふうに全国や世界に向けてアピールしていくのか、それが大切なポイントじゃないかなというふうに思っています。
あと、大山1300年をやる意味としては、私たち自身が大山の素晴らしさ、その価値、歴史や関連する文化、食などに気付く必要がありますし、それを自分たちの魅力として考えて今後鳥取をアピールをしていく、そういう土台を作っていくことも大切だと思います。そんな意味で当初の計画にはございませんでしたが、大山1300年の記念式典も山の日の前に行なわせていただいて、大山の素晴らしさをみんなで共有するということもしっかりやっていきたいと思います。大山の、国立公園の整備事業とも合せて、1300年祭終わった後には、いろんなかたちでそのレガシー、遺産が残っていく、そういうことを目指してまいりたいと思っています。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
すみません。鳥取砂丘でのエリザハンミョウ保護についての話もありましたが、知事はこの激減した要因についてはどういうふうに分析されているでしょうか。2016年にポケモンGOの解放区宣言で多くの人が来ていただけるようになったんですけども、これの影響を指摘する声もありますが、そのあたりどうお考えでしょか。
●知事
実はその指摘されているかたともいろいろとお話を伺ったり、要因分析、これ実は相手が虫のことでありますし、それから、そんなにデータがたくさんあるわけじゃないんですね。最近のデータで減っているということが分かっているということであります。実はエリザハンミョウの生態なんですけども、オアシスそのものではなくて、オアシスからちょっとこちら手前側の方、そこにちょっとどろどろとした部分があります。水分が含まれていてどろどろとしたところ、それで、そこが生息地、ねぐらでありましてそこに3ミリほどの巣穴を掘ってあるわけですね。それで、そこに生息をしているというところでありまして実は今までも普段から[観光客などの人が]入れるところでございまして、ポケモンGO[の時]も確かに入りましたけども、こないだのあの大きなイベントのときは、そこにはモンスターを出現させないというオペレーションをしたりしていたところなんですけども、そういう踏査する、入っていくということ以外の要因もいろいろあるのかもしれないですね。
1つは、一番実はこれじゃないかなということでその指摘されるかたともちょっと意見交換をさせていただいているのは、雨が少なかったんですね、昨年[平成29年]少雨傾向がございまして通常の年の2分の1ぐらいでありましてそこの本来湿っているとこがカラカラに乾いてしまったというようなことがございました。その他にも雪がたくさん降った年でもあったりしていまして、どうもカラカラに乾くことは非常にこの虫にとってよくないのでそれが影響している可能性は高かろうというお話でございます。ただ、現実、今、減ってきているのは事実でありまして、やはりここでしっかりと保護していく必要があるタイミングにきたと思います。そこでそうした指摘されるかたがたにも入っていただいて、そういうエリザハンミョウ保全チームってなことで入っていただいて、そういう指導も受けながら、今までどうも担当者レベルではタブーだったんですけど、囲いをしたりしてイメージ的にちょっと入れない地域も作って砂丘を管理していくというスタイルを、今回初めて導入させていただいてはどうかなということです。
それで、関係部局にも申し上げているけど、例えば尾瀬沼とか、めったやたらとあっちこっち入れないようになっているわけです。それ、やっぱり生息環境を守るということになると、そういうエリアというのもやっぱり設定していく必要があるんじゃないだろかということを申し上げまして、それで今回いろんな議論があったんですけども、そうしたご指摘されるようなかたがたも含めてご了解、ご同意をいただいて100m×35[m]をまずは囲ってみようと、それから餌場となる草地が最近ボランティアにも手伝っていただいてだいぶん草を抜いているんですけども、それが逆に作用するとこもありますので、そちらの方の草取りの制限地域というものを設定しようとか、そういうことを新たに始めようということでありまして、将来に向けてこうした生息が確保されるようにしていきたいと思います。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
要因はさまざまあるんですけども、踏圧の影響も否定、複合的な要因の1つとして否定はされないということだと思うんですが、だからこそ立ち入り制限するということに、制限といいますか、囲いをするということになると思うんですけど、そうするとこの2016に宣言したときに県としてこの生態系の影響を十分に配慮した上でこういったPRをなさったのか、PR効果でその先ほどにイメージ調査でもこの上位に来るなど、非常にそっちの面での効果はもちろんあったとは思うんですが、生態系への配慮というのが十分だったのかという、このあたりの検証それから今後例えば囲うわけですけども、それ以外のところでも他の生物への生態系への影響を配慮して、例えばエリアを何か分けるとか、さらに普段からポケモンが出るエリアを制限してもらうとか、そのような次の対策みたいなことは何か検討される考えはありませんでしょうか。
●知事
それについては今回初めてのことですので、これをやってみてその効果を検証しながら、今後どういうオペレーションを砂丘全体にしていくのかであります。実は広大な砂丘のなかで100m×35[m]というのは極限られた地域です。それで、ですから、砂丘全体の観光とかに、利活用に大きく影響を与えることはまずあり得ないと思いますが、今までやったことがないことでありますので、若干現場で抵抗感があったのかなというふうにも思います。等圧については、実は虫たちの保護というのは最初にポケモン解放区宣言(鳥取砂丘スナホ・ゲーム解放区宣言)をするときにもその掟というのを作りまして、それで小さな虫も住んでいますので、それに迷惑かけないようにしましょうということも折込み、また、生態系に配慮してくださいというようなことも入れた上でその解放区宣言をしておりまして、その辺は我々としても、もしそうしたことで反するようなことがあればレンジャーなどもいますので適切にこう指導していくということもあるわけでありますが、ただ、ハンミョウの問題はなかなかちょっと顕在化しなかったところがありまして、今こうしたかたちで減少という数字が出てきましたので、これについては砂丘のシンボリックな生き物でもありますし、ちょっと要因のことの分析は、いろんなことをこれからやっていかないと分かんないところかもしれませんけども、そうした対策として考え得ることはやっていこうということになったところであります。他の生物等ももちろんいるわけでありますけど、ちょっと中長期的にそこはモニタリングをしながらやっていくことにいたしておりまして、今後も新しいビジターセンターが出来ますが、それを機会にまた利活用と保護との両立を図りながらやっていく、組織体制も考えていければと思っています。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
ポケモンGOの特別イベントまたやっていくかどうかっていうのはまだ分かりませんが、そういった今後大型イベント等に今回のことが何か影響を与える可能性はありますでしょうか。
●知事
ええ、だからやり方には当然今回のような措置は効いてくるわけでありまして、ここはもうとにかく入るなという地域を作ろうということになりますので、今までとは違ったことになろうかと思いますし、効果もそこは生まれてくるはずだと思います。実はポケモンGOのときもそうしたハンミョウの生息域は除いてモンスターを出現させるというオペレーションをしていまして、ですから[参加者の]大きな流れはちょっと別のところをぐるぐると回っています。ただ、それでも普段の倍ぐらいは入ったかなということでありますが、普段そんなにたくさん立ち入るところでありませんので、それでああしたかたちの激減までつながるかというのは、それはちょっと違う要因がいろいろあるんだろうと思います。それでいろいろ調べていくと、気象環境の問題等々もあるのではないかという話も出てきて、そこはちょっと正直分析しきれない面もあろうかと思います。ただ、ともかくやるべきことは始めた方がいいので、それでそのハンミョウの生息を守るそういう砂丘観光の関係者にも強力を呼びかける、そうした新しい動きを始めたいといことであります。
○NHK 佐々木良介 記者
すみません、よろしいですか。先日鳥取市長選挙、倉吉市長選が行われましたが、いずれも投票率が過去最低となりましたが、知事としては2つの選挙どういうふうに見られましたでしょうか。
●知事
それぞれの県民の大切な審判の機会であり、厳粛なご判断を有権者からいただいたというふうに思います。結果が整いましたので、私ども鳥取県としても市民の支持を受けて誕生した新しい市長、それからその行政というものもバックアップしてまいりたいと思います。住民の皆さまの政治への関心として投票率がございまして、それが下がるということは残念なことだと思います。今回は投票に行かずともという人たちが多かった表れかもしれませんけれども、ただ、全国的にその投票率の低下傾向は見られるわけでありまして、やはり有権者の皆さまに、しっかりと権利を行使していただく、そういう民主主義のあり方というのはこれからも追求していかなければいけないのだというふうに思います。ただ、投票率はどうあれ、今回圧倒的な支持を得て誕生した新しい深澤[鳥取]市政、石田[倉吉]市政応援をしてまいりたいと思います。
○日本海テレビ 前田俊博 記者
よろしいでしょうか。ではありがとうございました。
●知事
はい、どうもありがとうございました。