防災・危機管理情報


知事定例記者会見(2018年5月9日)

平成30年5月9日(水)午前10時~
 県政記者室(県庁3階)

録画配信 知事記者会見動画(約85分) ※MPEG4形式

  

1 GW各地の状況など 

●知事


 皆さん、おはようございます。連休は結構人もにぎわいまして、県内では行楽客、どうも昨年[平成29年]を上回る勘定だったと思われます。[鳥取]砂丘でも[鳥取砂丘情報館]サンドパル[とっとり]をはじめとして客数が伸びた傾向が出ましたし、また、水木しげるロードでも2割増しぐらい、さらに震災[鳥取県中部地震]で被害を受けました白壁土蔵群も2割程度お客さんが伸びた状況でございました。[5月]3日、4日には県内どこの旅館、ホテルも満室になる、さらに飛行機の搭乗率も好調で伸びていたと、このようなことがございまして、いろいろと観光としてはかなり成果が上がったのかなと思います。昨日[5月8日]もJTBの観光関係者等々とお話もさせていただきましたけれども、ぜひこれからこうした鳥取の魅力を訴えかけてまいりたいと思います。


 ただ、一方で天候不順もございまして、大山町の[大字]前におきまして土砂崩れによる県道[赤碕大山線]の通行止めが発生をいたしております。実は現場の天候等がまだ思わしくないところもございまして、十分な調査、まだできておらないところでございますが、状況としては法面が崩壊した形になりまして、過去もここ、土砂崩れなどがあった、いわば常襲地帯でもありますけれども、相当程度復旧に時間がかかったという過去の状況もございます。今回もこれからよく調査をしてみなければなりませんが、ざっと見て1年程度は完全復旧にはかかるのではないかとも思われる現場の状況であります。ただ、ちょうど大山[開山]1300年祭もこれから本格化をする時期でもありますので、できるだけ片側交互通行をまずはできるようにH鋼を打ち込みまして、これ以上の土砂が道路方面に流れないようにして、片側だけ開放するというようなことを当面目指すことにいたしたいと思います。夏頃を目標に応急復旧を進めていく、そういう作業にこれからかかってまいりたいと思います。


 また、心配されますのは5月5日に行方不明になりました、境港の高校でありますけども、学校の教諭が行方不明になっているという状況が続いております。今朝も警察のヘリが現地に向かいましたけれど、まだ天候が思わしくないところもありまして、十分空からの捜索ができない中で地上での捜索活動が続けられています。5月5日から今日で9日でございますので、3日を超えて4日目に入ってきているわけでありまして、ぜひ無事で発見されますように県としても[消防]防災ヘリ[コプター]も待機させながら応援をしてまいる所存でございます。





2 北朝鮮情勢 

●知事

 夕べ[5月4日]、大変びっくりするようなニュースが飛び込んで来ました。中朝首脳会談が開催をされていたということでありまして、[中国]遼寧省大連におきまして会談が持たれたということでございました。さらに現地時間、アメリカ時間で夕べということになりますが、[5月]8日には米中[首脳]電話会談が開催をされ、アメリカ側が、アメリカ時間で昨日[5月8日]明らかにしたところでは、今朝[5月9日の朝]報道されましたけれども、ポンペオ国務長官が北朝鮮に行っているということが明らかになってまいりました。これは米朝首脳会談のその内容について話し合うというようなことでございますが、トランプ大統領はツイッターの中で、この米朝[首脳]会談、良い結果をもたらせるんじゃないかという期待感を述べているところでございます。そういうような中ではありますけども、この中朝の会談の結果としては、伝えられているところでは核放棄につきまして、非核化に条件が付けられるということを北朝鮮側が言っているということでありまして、段階的、同時並行的に進めていかなければいけないという、こういうことを言っています。


 ただ、片方で、アメリカのトランプ大統領、アメリカ時間で昨日[5月8日]ということでありますが、日本では今朝方[5月9日の朝]報道されましたけれども、これもイランの核合意[イランと欧米など6カ国が2015年に締結した核合意]から撤退をするという表明をし、最大の経済制裁に入るということを言っています。実はこれ、イランの核放棄を条件にして、それで経済制裁の解除という、オバマ政権時代の合意があったわけでありますが、国際社会の反発を顧みずに今回、アメリカがイラン核合意の放棄に踏み切ったということであります。北朝鮮の方も実は昨日[5月8日]中朝会談の中でこういう話をしたということは明らかになりましたが、これはどちらかというと段階的に経済制裁と核放棄等を双方がやっていくということでありまして、このイランの話とどうも結びつかないわけでありまして、簡単には米朝間の合意が得られるとはかぎらない、そんな空気も感じられるところであります。ただ、水面下でさまざまな交渉のカードが切られているようでございますし、北朝鮮が2度にわたって短時間にこうした中朝間の首脳会談を行うというのは異例でございますので、北朝鮮側のいわば焦りであるのかもしれません。


 こういう東アジアの情勢が不透明感を増し風雲急を告げている中で、昨日[5月8日]李克強(リー・クーチアン)[中国]首相が中国から来日をしました。また、文在寅(ムン・ジェイン)[韓国]大統領も訪日をすることになり、今日[5月9日]これから日中韓の首脳会談が開催をされることになります。中国の首脳それから韓国の首脳、来日は平成23年以来という7年ぶりのことでございまして、大変に久方ぶりに日本の土を踏むということであります。ぜひ安倍[晋三 内閣]総理[大臣]におかれましては拉致問題の解決も含めて東アジアの懸案解決に向けて、また、私どもも中国や韓国との交流事業活発に行っていますが、そうした交流、経済協力そうしたものの促進を日中韓の間で新しいステージを開いていただければというふうに思います。


 非核化の大きな課題でありますけども、日本の方では拉致問題の解決ということもありますし、中距離以下のミサイルの問題もあるわけであります。そうしたことを包括的にこれからアメリカとかも絡みながら話し合いが持たれるシーズンでありまして、非常に重要なタイミングでの日中韓の協議ではないかと思います。ぜひ実り多い成果を期待したいと思います。





3 日中知事省長フォーラム 

●知事

 地方団体としてはそうした東アジアの新しい時代を開いていくための交流の架け橋になっていくという役割が地方政府ベースではあるだろうと思います。そういう意味で李克強(リー・クーチアン)首相はこの度北海道に入られることになりました。それで、私も北海道に参りますが[5月]10日、11日と[第3回]日中知事省長フォーラムを開催することになり、そこに李克強(リー・クーチアン)首相も出席をするということになりました。このような日中韓の知事省長のフォーラム、これに首脳が出席するというのは非常に異例のことでございまして、この辺に中国側も日本との交流を促進しようという意思が読み取れるのではないかなというふうに思います。私自身も以前[第2回]日中知事フォーラム[平成26年10月28日]に参加したこともございますが、そのとき中国側の対外交流のトップであった李小林(リー・シャオリン)[中国人民対外友好協会会長]さん、これは、李先念(リ・シエンニエン)[元国家主席]さんの娘でございます。李小林(リー・シャオリン)がやはり議長役として今回も来られるということでございますし、本県の交流先である[中国]河北省の[人民政府]省長[である]許勤(シュー・チン)さんでございますけども、その方もお見えになる、このようなことで大掛かりな日中間の知事会議が開催となります。私も出席させていただき、こうした重要なタイミングでの日本と中国との交流促進に我々も河北省・吉林省と姉妹提携を結んでおります。そうした関係性を生かしながら地域としての貢献もさせていただきたいと思います。


 特に私の方には中国側の方から、[鳥取県]中部地震の経験等踏まえた災害対策についてレポートをするように求められていまして、私の方からそうした中国でも災害が多いわけでありますが、そうした災害対策についてコメントをする機会も設けさせていただいております。また、河北省の省長とも二地域間会談も予定をさせていただきまして、この機会これから東アジアが大きく変動する機会でありますが、未来に向けたまずは第一歩という形で臨ませていただこうと思います。





4 地震からの復興 

●知事

 島根[県]西部[を震源とする]地震からひと月ということになりました。この連休の明ける時に、先方[島根県]の方から連絡がありまして、これから先は島根県の中でやっていくというお話がございまして、私どものほうの人員派遣等の協力については、これからも待機をさせていただきますが、いったん様子見をするということになろうかと思います。これまで86名の人員を送り込ませていただきました。ぜひ、一日も早い復旧復興に道筋がつくよう、本県としても今後も協力を惜しまずやってまいりたいと思います。


 また、私どもでも[鳥取県]中部地震がございましたけれども、これについてこの連休期間も含めて商店街の中での中核施設をつくるという議論がございまして、その関係者と度重ねてお会いもさせていただいております。その中で私も担当者の方に申し上げまして、いろいろと調整もするようにさせていただきましたけれども、先般、東京のほうに経済産業省の助成を求める、そういう要請活動もさせていただいた上で、倉吉市と協調しながら我々も商店街にかかわる助成をさせていただこうというように思います。これについては倉吉市とのマッチングファンド[市民・企業・行政等が資源を持ち合い、共同で寄付や補助金といった資金を提供しあう制度]によりまして倉吉市側と同程度助成をするとともに、そのほか、例えば食のみやこの販路拡大等々いろんな事業もあろうかと思います。そうした県側の助成措置も付加しながら、この鳥取県の中部地震、この復興の1つシンボルとして応援をしてまいりたいと考えているところでございます。





5 民泊に係るパブリックコメント結果 

●知事

 それから民泊につきましてこの連休まで、私どものほうでパブリックコメントをさせていただきました。昨日[5月8日]で締め切らせていただいたところでございますが、民泊事業の県の骨子案について、おおむね肯定的なご意見をいただいておりまして、ただ、いろんな懸念だとか、県民の皆様、関係者の皆様の考え方は読み取らせていただきました。合計で7件の意見が寄せられましたけれども、主な意見としてはやはりごみ出しとか、それから近所迷惑になるようなこと、そうしたことに対する対策を求めるということが大きくありました。また、一方で農業の新たな活性化として、こうした民泊を活用できないか、その活用する場合にはできるだけ参画しやすいような環境づくりを求めると、こうした声も寄せられたところでございます。


 こうした考え方を入れて、我々の方で6月15日が[住宅民泊事業法の]法律施行でありますので、その前に県としての方針を固めさせていただきたいと思っております。今後検討会を開催したり、[県]議会の常任委員会等にも協議をさせていただいた上で確定をしていくということになろうかと思いますが、おおむねの方針は大体了承が得られているのかなと思いますけれども、若干修正をしながら出していくということかなと思います。1つはそういうごみのことだとか、いろいろと不安の声もやはりあるということでございますので、この民泊、住宅宿泊事業という法律に基づく届出があります。それで、その届出に際して我々行政側の事前確認を求める、そういう手続きを設定してはどうかと考えております。具体的には届出書に書いてもらうようなこと、それからそうしたごみ出しのことだとか、それから騒音対策とか、そうしたことなども含め、また、いろいろな懸念事項等もございますけども、そういうものについての一連の対策等も求めた上で、そうしたことを事前確認の届出をしていただくと、それで、事前確認の申し出の中でその届出書の内容を審査をさせていただいて、それで、我々の方でそれを確認をさせていただくと。それで、確認の上で届出をしてもらうと、それで、届出を受けて我々の方で[届出を]受理したら、その事業者番号[届出番号]であるとか、そうしたものをお知らせして、その事業者番号[届出番号]等掲示をしながら営業を始めてもらうと。ですから、事前に我々行政指導としての縛りをつけさせていただき、審査をさせていただくというのを付加するのが適当かなと判断をいたしました。


 その事前確認の中で我々の方で審査をしたり、その後の事業運営の指針となる基準として事業者が遵守すべき事項、ガイドラインを設定させていただこうと思います。お一人当たり3.3平米とか、そうした面積等の要件、さらにはごみ出しについては事業者が責任を持って行うこと、それから宿泊者の安全が図られるようなことであるとか、それから行政側への定期的な報告の義務づけであるとか、そうしたガイドラインを設定させていただき、それを事業者には届出の際にきちんと確立をしてもらい、その後事業運営でも遵守してもらうと、こういう一連のスキームで我々のところでは始めてはどうだろうかということです。そのガイドラインの中に書いていくことになろうかと思いますが、これも重ねてこれまで申し上げてきたようなスキームでありますけども、農山[漁]村との交流型の民泊とその他の民泊をまず分けさせていただき、それで、その他の民泊の中の本人、事業者が居住していないタイプについては、住居専用地域や学校周辺では平日以外の営業とするということなど制限を厳しくさせてもらう、また調査、立ち入り調査等も厳しくさせてもらうと、こういうようなスキームを考えているところであります。これを、今後有識者の会議にかけて、我々としては発効させていきたいと思います。そういう形で6月15日、法律の施行日を迎えることにいたしたいと考えております。





6 移住人口の増加、米子香港便好調、海外からの誘客 

●知事

 このたび、昨年[平成29年度]の移住状況がまとまってまいりました。速報値ベースでまだ確定値ではありませんけども、2,127名、昨年度[平成29年度]移住をしたという集計になりました。私ども鳥取県としては[過去]最多人数ということになります。その前年度[平成28年度]が2,022人でございましたので、それを上回る規模になっておりまして、ここ3年分足し上げますと6,101人でありまして、当初の目標はクリアをしてきていますし、修正した[平成27年度~31年度の5年間での]目標8,000人も見えてきているというような形になってきております。ぜひ、こうした地方創生をこれからさらに加速させ、充実させていかなければならないと思います。


 ただ、片方で、国の方でも人口統計の推計値なども出しているところであり、総務省の方でもこれからの地方自治のあり方として単なるサービス・プロバイダー[サービスを提供するもの]ではなくて、プラットフォーム・ビルダー[施策の環境整備・基盤づくりをするもの]としての役割を求めるレポートが出てきたりしております。私どもは、実は日野郡で広域連携をし、県も入った形で県や市町村の垣根を越えた共同事業[鳥取県日野郡ふるさと広域連携協約を活用した取り組み]を行っている、ほかよりも一回り先を行っている行政スタイルをつくり始めています。おそらく国の言っているプラットフォーム・ビルダーというのはこういうことだろうかなと思いますが、人口規模はどうしても小さくなる自治体が出てきますので、そうしたことも併用しながら、片方で移住者を呼び込んでいったりして、新しいふるさとの姿というのをつくり出していこうと、こういうことではないかなと思います。


 これに向けまして、民間の皆様、藤縄[匡伸 鳥取商工会議所]会頭がトップでありますけども、[「来んさいな 住んでみないや とっとり」]県民会議を来週[5月17日]開催をしたり、さらに「とっとり創生若手タスクフォース」を今年度[平成30年度]も立ち上げることにしようと思います。若手タスクフォースでは未来型のオフィスをつくったり、それから出会いの場を設定をするとか、働きたい、住みたいふるさとづくりだとか、そうしたことに提言をいただこうと考えております。


 また、若い県民の皆様の地方創生への提言の場として、地方創生の若手の皆様の会議[とっとり創生若者円卓会議]、これもつくることにいたしたいと思いますが、その方々の募集も今日[5月9日]からスタートをさせていただきたいと思います。


 観光はそうした地方創生の1つの目玉になろうかと思いますが、4月はエアソウルが79.2%の搭乗率であり、香港航空が72.9%の搭乗率でありまして、それぞれ好調でありました。エアソウルは5,500人を超える[5,531人]韓国人が乗り込まれまして過去最高を記録しましたし、日本から向こうに渡る方も800人規模[858人]で、これも倍増というようなことでございました。


 香港航空のほうは桜のタイミング等もございますので、[4月]前半は好調だったんですげと、好調は[4月後半は]少し伸び悩んだ形はございましたが、それでも72.9%であり、5月、6月も予約がそこそこ入ってきております。ただこうしたことでインバウンド観光を今後も開拓をしていかなければならないわけでありまして、エアソウル、韓国方面ではSNS[などを利用した]のキャンペーンをやるとか、[レンタカーを借りたエアソウル利用旅行者に]クオカードの配布によってガソリン代を支援しましょうというようなキャンペーンをやるとか、こういうことを企画したところでございますし、また、香港からはSKYYER(スカイヤー)という向こうの報道関係[旅行ガイドブック出版社]が今日[5月9日]からこちら[鳥取県側]に入って取材活動をしたり、また、向こうの[香港での発行部数]第2位の新聞[Apple Daily] のほうに、今週[5月11日]鳥取の広告を打つというようなことを今やったりしております。その他の国でもシンガポールのお客様が今こちらに来ているところですが、新たにシンガポールの旅行会社[メガトップトラベル]のファムトリップ[県内現地視察]を招請いたしましたし、また、フィリピンのHISが来週[5月15日、16日]こちらでファムトリップをやるということでありまして、そういう新しい市場にも、今、乗り込もうとしております。タイの方からも、市場拡大に向けまして、やはりブロガー招致をこの1週間[5 月8日~11日]でやるというようなことにさせていただいております。そんなようなことなど海外からの誘客活動にも力を入れてまいりたいと考えております。





7 水力発電所へのコンセッション導入 

●知事

 それから地方創生を進めていく上でやはり我々の体力をきちんとしていかなければならないわけでありますが、官民共同でやっていく手法というのが大切になります。5月7日には政府の方の、PPP/PFIの支援プログラム[地域プラットフォーム形成支援事業]に鳥取県が選定されました。プラットフォームづくりの支援が得られるということになりました。こういうような環境も生かしながらでありますけども、本県では全国に先駆けまして水力発電所のコンセッション、PFI、こうした民間活力の導入を調査してきたところでございます。その結果として試算を今集計をしたところでございまして、このコンセッション方式を導入をして、これから改修をする事業がございます。具体的には今、試算が仕上がったのは舂米(つくよね)のサイト[舂米発電所]、それから小鹿第一、小鹿第二のサイト[小鹿第一・第二発電所]、その3つのサイトでありますが、これらをその改修と合わせて事業経営まで含めて出す。すなわちコンセッション方式を導入した場合、県の直営でやったケースと比較をしますと24億~49億円メリットがあると、県の方の経費の節約になるという試算結果がこのたび得られました。


 これに大体半分ぐらいが建設関係でありました。半分ぐらいが運営費ということになるんですけども、こういうようなことでコンセッション方式が、有利性があるというふうに認められると思います。[5月]14日にこれは庁内のほうで、我々の中でこの検証結果を[平成30年度第1回県有施設・資産有効活用戦略会議で]テーブルに載せるということになりますけれども、コンセッション方式導入に鳥取県としては踏み切ることで決定をしていこうということになります。このことと併せて、今、日野川をどうするかというのが残る課題で残されていますが、少なくとも、舂米(つくよね)、それから小鹿第一、第二についてコンセッションに持ち込むという試算がまとまりましたので、その試算に基づいて、私どもでは全国に先駆けた水力発電所の民間活力導入に入っていきたいと思っております。





8 産業振興 

●知事

 それから、県内の産業立地の関係では尾池工業グループで倉吉のサイト[尾池パックマテリアル株式会社]をつくっておられました。これは震災復興関連なんですが、地震で被害を受けられる一方でラインを復活させると同時にフィルム蒸着[食品包装用蒸着フィルム]のそうした技術を生かして事業拡大をしようと。どうせ直すのであれば、むしろラインを強化して、拠点性を高めるということでありまして、私どもでもそれを応援をさせていただきました。このたび[5月16日]オープンをすることになったところでございまして、私どもとしても雇用の見込みもあるということで応援をしてまいりたいと思います。

 片方で雇用の状況としては[3月の]有効求人倍率が1.58倍となり、また、正社員の有効求人倍率も0.95倍と若干停滞感も出てきております。今後、中小企業のてこ入れであるとか、こうした新たな産業立地、活力の導入、そうしたものも含めまして、私どもとしてもしっかりと体制を取ってまいりたいと思います。



9 障がい者の工賃向上の取り組み 

●知事

 倉吉[市]の方では障がい者の方の雇用の場、共同作業所[地域はたらくセンター]を新たに開設することになりました。今、東部、西部には出来ていましたけども、中部では初めてということになります。これは具体的には[社会福祉法人]慶光会さんという法人とタイアップをしながら開設をするということでございまして、ペットフードづくりであるとか、100円ショップ関連の梱包であるとかそうした作業を幾つかの作業場が合同で行うと。それによってある程度ロットの高い、大きなロットの受注をすることが可能になると、これで工賃を上げていこうという試みでございます。こういうことで障がいのある方の働く場、生きがいづくり、これにも鳥取県として先陣を切ってまいりたいというふうに考えているところでございます。



10 当面の動き 

●知事

 これから、まだ初夏のいい季節が続いていくわけでございますけれども、スポーツの面でも、先般、東京オリパラ[オリンピック・パラリンピック]の招致活動、関係者とテーブルを持ちまして話し合いを深めさせていただきました。そうした中、山﨑[優子]選手が、ろうのサッカー[第4回アジア太平洋ろう者サッカー選手権大会]で5点を上げるという大変すばらしい活躍をしました。14歳の方でいらっしゃいますけども、将来有望な選手ではないかと思います。このご来訪が、今日[5月9日]ことになっているところであり、また、関西ワールドマスターズゲームズ[第2回ワールドマスターズゲームズ2021関西]、これも3年後の5月の開催でだんだんと迫ってまいりました。このたび、来週[5月15日][鳥取県]実行委員会[総会]を開催させていただき準備を進めていこうと思います。従来と違っているのは、世界組織の方から要請がありまして、インドアのアーチェリー種目も鳥取で開催をしてくれと要請がございまして、従来屋外のアーチェリー競技だけを想定しておりましたが、インドアのアーチェリーも鳥取市、また競技団体と連携をしながら受け入れていきたいと思います。そうしたことなど実行委員会で話し合いをさせていただこうと思います。


 5月に入りまして星取県の関連として天体望遠鏡の貸出事業を[5月1日から]開始をさせていただきました。早速それを生かして、[5月]12日に県立博物館のところで、イベント[春の星を見る会]をやろうと、また、[5月]18日[以降]にも予定をされるということになります。また、大山[開山]1300年祭もいよいよ本格化を迎えようということになりますが、まずは[5月]13日に地元の青年団体[鳥取県西部中小企業青年中央会]が中心になりまして[第3回]お地蔵様フェスティバルをやることになりますし、日本郵便[株式会社中国支社、大山寺]さんと協力をして5月14日に大山の記念切手が発売ということになります。ぜひこれからしっかり鳥取のにぎわいをつくってまいりたいと思います。連休も終わりましてそれぞれお仕事、勉強も始まったと思います。麻疹の流行が沖縄、愛知県で伝えられていまして100名を数えるということになりました。幸い本県では今まだそうした報告はございませんけれども、ぜひお体にも注意をしていただきたいと思います。私の方からは以上でございます。





11 島根原子力発電所3号機への対応 

○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者


 はい、各社質問お願いします。


○日本海新聞 今岡浩明 記者


 島根原発3号機のことでお伺いをしたんですけども、連休を挟んで知事も含めて県の関係者現地視察などもなさいましたが、現場も見られていろいろ新たな質問事項なども出てきているというふうに伺っておりますが、今後の、今後中国電力さんとの説明って言いましょうか、中国電力さんからの説明のあり方ですとか、今後の進め方をどういうふうに考えていらっしゃるのかというのを伺いたいと思います。


●知事


 私どもとしては安全協定に基づきましてあちら[中国電力]側の説明は聞いていくという方針を米子[市]、境港[市]と確認をいたしております。そうした中で私自身は連休の前半[4月28日]になりますけども、休みの日ではございましたが松江[市]の島根原[子力]発[電所]3号機の中に入らせていただき、その原子炉格納庫の中を見させていただきました。また、同様に5月2日に[鳥取県]原子力安全顧問の先生方にも現地視察をしていただいたところでございます。私どもではそうした専門家の知見なども入れながら、今までどういうことが島根原発3号機で安全対策として施されてきているのか、その実効性はありやなしや、福島原[子力]発[電所]等も事故がございましたので、そうしたことも念頭に置くとどういう状況、どういうふうに考えればよいのか、この辺を検証しなければなりません。今、米子、境港両市と一緒に職員レベルで共同検証チーム[島根原発3号機に係る共同検証チーム会議]をもちまして、子細にわたるヒアリングをしたり、現地調査をするということにしてきております。


 これは島根県や松江市がかつて通ってきた道筋なんだろうと思いますけども、それを我々周辺地域としても初めてそういう機会も中国電力側との間で設定をし、今、その説明を聞いているというところでございます。今後のスケジュール感については特にそれ以上のことはございませんけれども、今、我々としては説明を受けるということであります。それで、私自身は島根原発サイトに参りましたときに迫谷[章]副社長も来られていましたけれども、私の方からは、これは島根3号機の稼動の問題とは関係がないという前提で来ていますよということを念も押させていただいておりますし、周辺地域ではそうした安全に対する懸念というのは今もあるんだというようなことを表明させていただいているところでございます。


 中国電力側からは、これは特に決まったスケジュールで、3号機の稼動について決まったスケジュールというのはないし、今、誠実に住民の方も含めて説明させてもらいたいということを先方はその場でおっしゃっておられました。我々としては丁寧にそうした検証作業ということを、今、進めているところでございます。


○日本海新聞 今岡浩明 記者


 今、出ました住民への説明という点では、何かその説明会の日程は県側として聞いていらっしゃるのか。

●知事


 今、先方と[米子・境港]両市も交えて話し合いもしているんですけども、原子力安全対策の協議会がございますし、そうした場なども活用しながら住民の方に3号機とはこういうものだという説明を聞いていただけるような機会を設定するとか、アイデアを今、調整をしているところであります。中国電力は私もサイトに参りました時にそうしたようなことも話し合い、具体的なことではないですけど、住民への説明を求めるということも申し上げましたけども、あちらはそこも含めて誠実にやっていきたいという主旨だったというふうに受け止めております。


○山陰中央新報 原田准吏 記者


 関連してですけれども、米子市の安対協が10日にあって、境港市が11日にあって、それから検証チームもきのう視察が終わって、これからまた再度聞き取りなんかもあると思うんですけども、でも、こうやって県がまとめているものがいろいろと入ってきている中で、今、現時点での中電の姿勢というか、丁寧にやってもらっているというふうにお感じなのか、やはりまだまだ当初の不信感みたいなものがあるのかどうかというのを教えてください。


●知事


 中[国]電[力]は中電として真摯に説明をしようという態度はあると思います。そこは私も訪問をさせていただいたり、今、おっしゃいましたけど、安[全]対[策]協[議会]とかも含めて、日程調整に向こうも応じているという状況でございますので、そこは真摯に対応しているということは受け止めております。ただ、説明責任は向こうにございますので、住民の方も含めたしっかりとした説明を求めていく、この姿勢は、我々は堅持してまいりたいと思っております。


○山陰中央新報 原田准吏 記者


 また、その検証チームの中でいろいろと聞き取りがあるかと思うんですけども、まだ疑問に思われている点、それから今後まだこういう点を検証しないといけないという点はどんなところがあると思われますか。


●知事


 そこは、今、検証作業中でありまして、何とも言えないところかと思います。恐らくまだ対策工事が必要なことがいろいろとあると思うんです。例えば、[私が視察に]行ったときもまだベント[通気孔]ができているわけではございませんので、要はベントで抜くということはできるにしても、それをさらにレベルを上げていくというようなこと等々含めて、以前あちらを訪れたときよりは、例えば緊急時の発電とか進展が見られるところは感じましたけども、ただ、これで必要十分かというところはちょっとまだ検証尽くせてないというところだと思います。いずれにいたしましても我々としては真摯な説明を中国電力に求めていくというところだと思っています。


○中国新聞 小畑浩 記者


 関連なんですけれども、今、審査への申請とは切り離した概要説明というステージだと思われるんですけども、その概要説明というもの、そのステージは、今、知事としてはどの段階まできているのか、かなり進んできたという考えなのか、まだまだ長いのかっていうその辺の考え等も、これからまだ必要なものっていうのはどんなものがあるのかというのをお聞きできればと思います。
 

●知事

 これについてはやっぱり専門家の方がどのように見られるか、[原子力安全]顧問がようやくやっと[視察に]入ったところですのでその状況を見たり、また、米子境港両市とで一緒になって検証作業していますのでその作業の進展を見てみないと、これで終わったとか十分だとかそういうことの言えるタイミングではまだないと思います。正直私もまだ十分な報告を、詳細を受けているわけではございませんで、そういう検証チームやあるいは[原子力安全]顧問の考え方等も今後はいずれは聞いていくのかなというふうに思いますけども、ただ、まだその段階ではないということです。
 

○日本海新聞 今岡浩明 記者


 同じような質問になるかもしれませんが、そのいずれというのはどのくらい時間がかかるというようなイメージ。
 

●知事


 それはちょっと我々もタイミングをきっているわけではございませんで、正直まだスケジュールがあるわけではありません。これについて当然ながら我々の立場は安全を第一義に考えていて、周辺[自治体]に対する影響がないようにしてもらうことをどうやって担保するかに興味がありまして、中電さんとか、立地[自治体]では若干違うかもしれませんね。我々は何も急いでいませんので、きちんとお話も聞かせていただき説明を受けるということでありまして、特にいつまでにやらなければいけないというスケジュールはもっているわけではありません。


○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者


 それと関連させてもらいたいんですけども、知事が一応現在の任期が来年4月と半ばでありますけども、自分の任期中に今の任期中にこの問題は何らかの方向性はつけたいとか、そういうお考えはありますか。
 

●知事


 ありません。先ほど申しましたようにスケジュールありきの話じゃないと思うんですね。だから、多分電力会社は電力会社の事情があると思うんです。あちらは例えば経営体でありますので決算の間に何をやるかとか、それから中期的な計画等も多分持っているんでしょ、向こうは。ただ、私どもはそういうものがあるわけではなくて、安全に対するチェック、これにつきるわけですね。ですから、特に急いでいるわけでもなく、まして任期中に仕上げなきゃいけないという感覚は一切ございません。


○毎日新聞 園部仁史 記者


 それに関連してなんですけども、原発で米子市は、来月は市議選があると思うんですけども、事前報告を受けるときに、まず鳥取・境港が先にやってそれで米子は後にやるとかいう考えもあるのか、それとも米子、境港、鳥取県で一緒に事前報告を受けましょうとか、同じタイミングで受けるというそういう考え方もあるんですか。


●知事


 これ実は安全協定というのがございまして、そこに、仮に[新規制基準]適合性審査を受けるときは事前に我々のところに協議しなければいけないという仕組みになっています。それで、これは事前に我々のところへということでありますので、その立地[自治体]とうちと文言に違いがあるわけではありません。ですから、立地[自治体]に対してそういう事前の申し立てということをされるのであれば、我々周辺[自治体]側でも同じタイミングでなければおかしいだろうと、それは周辺[自治体]に対して軽視したことになるんじゃないかと、こういうように考えることになろうかと思います、仮定の議論なんでよくわかりませんけれども。そういうことでありますので鳥取県と境港市だけ協議を受けながら米子[市]が協議を受けないということには論理的にならないというふうに思います。


○毎日新聞 園部仁史 記者


 米子市では市議選の後に事前報告の判断を考えたいとか、そういう感じになったら鳥取県としても10月とかその辺になることもあり得るんですかね。


●知事


 ちょっと整理をしますと、タイムラインとして仮に一部施設変更を伴うような大きな事業をしようということになった場合、これが適合性審査の申し立てとほぼ同義になります。それで、これをしようとすると今協定上、事前に我々のほうにそのことについて協議をしなきゃいけないとなっているわけです。それで、これについてこの我々のほうでは意見を出す権限をもっているわけですね。それで、この意見に対して向こうはきちんと対応しなければいけなということが書いてあるわけです。その意見を出すというのは、これは事前報告のタイミングよりも論理的には後になりまして、どれほど論理的に後になるかというのはわからない。ただ、我々も実は誠実に答えを出しなさいというのも片方でありまして、それで誠実にやはり対応していくということでありまして、それ以上のことはないですね。それで、市議選云々でどうなるかっていうのは全く仮定の議論なんで、さっぱり我々も見通しているわけではありません。


○中国新聞 小畑浩 記者


 また関連で、以前にも聞かれたりとかされたとは思うんですが、確認なんですが、概要説明という今、ステージの段階にあるんですが、その途中に中電さんから審査に向けた申し入れっていうのを、申し入れを受けるということはあり得るとお考えかどうか、お聞きしたいと思います。


●知事


 これ、論理的な話でいうと、申し入れるというのは申し入れなので、あちらの単独の行為なんですよね。ですから、それは向こうの方のタイミングになってしまうというのが、これは協定上の実情だと思っています。


ただ、再三申し上げているように、やはり周辺を軽く見ているんじゃないかという、そういう懸念といいますか、反発に近い感情というのは、実は周辺地域に残っているわけですね。それで、今まで島根原発3号機について、実は説明にもなかなか応じてくれないという中で、今回説明ということにようやく入ったということでありまして、やはりきちんと説明を尽くすというのが本来のあり方ではないかなと思います。ただ、そこは向こうがどう出てくるかっていうのは我々もちょっと正直わからないところです。


○山陰中央新報 原田准吏 記者


 その話に関連しますと、米子市長と境港市長がどうも16日に原発の視察に行かれるそうなんですけれども、その16日の前にそういうものがあると、やはり先ほどのその周辺を軽く見ているっていうふうにやはりお感じになられるということですか。


●知事


 それちょっと、それはちょっと米子[子]、境港市、両市長とお話をしたときね、一緒に原発見にいこうと言っていましたので、今、日程調整をされているんじゃないかと思いますが、当然ながらその周辺[自治体]への説明責任は、今、向こうが申し入れて説明を聞いてくれと言っているわけですから、その[説明]責任は、中国電力側がまず果たされるのが礼儀ではないかなと思います。そこのところ、どういうことなのかよくわかりません。


 報道ではいろいろ書いている新聞社もあるもんですから、我々も若干懸念しているんですけど、ちょっとそこのタイミングがどうなのかはよくわかりません。ただ、再三向こうにも伝えてはいますけれども、やはり周辺は立地と同等に扱ってもらいたいと、それで、このことは強く今後も訴えていくことになろうかと思います。


○山陰中央新報 原田准吏 記者


 少なくとも、だから、知事の心情としてはその視察とか、その概要説明とか全て終わった後に申し入れがあって然るべきだという考えでよろしいですか。そこは、


●知事


 礼儀としてはですね、礼儀としてはやはり説明を尽くすべきだろうと思いますが、じゃあ、その視察さえすれば後は何でも向こうはやっていいのかっていうと、それには若干反発心を覚えますね。だから、どういうふうに向こうが出てくるのかを今後見ていかなきゃいけないということだと思っています。





12 東京オリパラ キャンプ誘致の現状 

○日本海テレビ 前田俊博 記者


 知事、すみません。違う話ですけども、東京オリンピック・パラリンピックのキャンプ誘致の推進会が開かれまして、新しい動きというか、フランスの自転車競技のお話がありましたけれども、対応が難しいという話も一部出ていますけども、その辺、今、現状どういう感じでしょうか。


●知事


 昨年[平成29年]皆さんも取材されたと思うんですが、[ヴァンソン・]ジャケさんという方が、こちらに来られまして、向こうの責任者の方でいらっしゃいました。それで、我々としても鳥取の状況、トラック競技、それからロード競技の用意もあると、それで、向こうからはBMXですね、の競技施設もあればキャンプということは非常に考えやすいという話もあり、それで、こちらでもその作業に入っていたわけでございます。ただ、ジャケさんが実は解任されまして、そのちょっと後、こちらでも向こうに出かけていって協議もさせていただいたわけでありますが、しばらくいろんなやりとりをしている中で、フランスの事情ということがあるんだろうと思うんですが、ツール・ド・フランスという非常に大きな大会があります。これフランスに限らず各国の有力選手が行かれるロード競技であります。それで、いわば国民的行事といいますか、大きな行事ですが、たまたま東京オリンピックはこのツール・ド・フランスの直後になるんですね。


 そういうようなタイムスケジュールであって、フランスの方からそうしたロード選手をこちらにキャンプに送る暇がもともとないんじゃないかということが出てきたわけです。向こうでもツール・ド・フランスの日程が設定されてくる中でということだと思います。それから、トラック競技について、フランスはもともとパリオリンピックを、誘致をしていまして、向こうには[静岡県]伊豆[市]のベロドロームみたいな木製のトラックの非常に質感の高いものがあります。それで、実はジャケさんは別にトラック競技も鳥取[県]の施設でも十分だというお話はされていたんですけども、どこで練習するかといった場合にフランス国内で練習するという選択肢が今、出てきているわけですね。実は伊豆以外にその同じようなレベルの高いものっていうのはないわけでありまして、だから、ほかで合宿するんだったら別に鳥取[県]でも一緒だという判断があったんだと思うんですけど、そこはどうもそういうわけにはいかなくなってきたということのようでありまして、そうするとトラック、それからロードについてはフランス国内での練習ということで東京オリンピックに入ってくるというスケジュールに変わってきているんだと思うんですね。


 それで、そういう中で私どもの自転車連盟との協議の中で、BMXだけ入ってくるという流れでは、ちょっと地元としてメリットが少ないという議論がございまして、競技団体[鳥取県自転車競技連盟]としては別の受け入れ国を探したいというふうに意向が変わったということでございます。先日そうした最近の動きを受けて話し合いをさせていただいたところでございまして、今後また視点を変えながらやっていくということかと思います。ただ、片方でホッケーではニュージーランドの、私もお会いしました[イアン・]フランシスさんという方からメールが入ってきて、早めに日本でもキャンプをやりたい、鳥取[県]での受け入れの可能性はあるのかと、こういう照会が連休直前にやってきたりしておりまして、そういうことなど、別のほうもしっかり固めながら、自転車については競技団体のほうでも別の対象国を探してみたいと、こういうことになってきたということです。


○日本海テレビ 前田俊博 記者


 フォローは、代わりになる受け入れ、目途というのはあるんですか、自転車に関して。


●知事


 特にどこかの国に変えようということで今動いているわけではなくて、そういう長い協議の中でフランス以外を探そうというのが現時点だと思います。





13 移住者数増加の要因 

○山陰中央新報 原田准吏 記者


 別件ですけども、移住者の昨年度の数字か出たかと思うんですけれども、これは毎年度のように過去最多を更新していって、その実績が非常に上がっているなという感じがするんですけれども、改めてになるんですが、毎年こう実績上がっていっている要因っていうのはどういうところにあるかっていうのをよろしくお願いします。


●知事


 これはやはり市町村と県と地元の街ですね、具体的な集落、あるいは住民組織とが噛み合ってきているということがあるんではないかなと思います。やはり受け入れが好調な地域というのは、もちろん海がきれいとかいうこといろいろありますけども、そういうもともとの地域の魅力に加えて、やっぱり受け入れ体制として、例えば相談相手がいらっしゃるとか、それから提供される住宅のリフォームも含めてきちんと面倒も見てくれるとか、その辺鳥取県のきめ細かい市町村と協調した移住受け入れ対策が評価をされてきているということだと思います。


 ただ、片方で、我が国の全体では移住の活発化と伴って地域間の競争が激化しているのも片方でございまして、島根県さんとか、岡山県さん、広島県さんなど中国地方でも顕著に受け入れが伸びているところもできてきているわけでございます。私どもでもそうした中でしっかりと今後もPRをしたり、それから市町村と協議しながら空き家対策等をやっていったり、そうしたことを展開していかなければならないのだと思います。確かに昨年度2,127人と過去最高を記録しましたけれども、今後別に楽観できる状況ではないだろうと。しっかりと努力をして、目標達成に向けて頑張っていく必要があると思います。


○山陰中央新報 原田准吏 記者


 これだけこう移住者の方が増えていくと、やはり住む場所だったり、家だったりとかというのを、例えば空き家にしてもいい物からどんどんどんどん売れていって、もう良くないものばかり残っていく状況もあるかと思うんですけども、そもそも受け入れをしていく上でのその課題っていうのはどのところがあるんでしょうか。


●知事


 やはり住居のところが非常にまだボトルネックがあるんですね。実はその市町村さんはそれぞれやっぱり移住に熱心な所では、そうした空き家をリサーチをされたりもしているんですけども、なかなかそのマッチングが整わないと。別に売れ残った所が悪い所というわけではなくて、どちらかというと供給が追いついていないという状況があるということだろうと思います。ですから、ここがほぐれてくれば、なお環境としては受け入れやすくなるということだと思っております。この辺、市町村や宅建業界等とも協調しながら、これからも促進策を強化してまいりたいと思います。


○山陰中央新報 原田准吏 記者


 もう1点、こうやって受け入れは非常に好調だとは思うんですけれども、一方で、じゃ、そこにそのまま住み続けるかどうかというのとはまたちょっと別の問題なのかなと思うんですが、その辺の実態というのは何か検証。


●知事


 これは、実態は把握してきておりますけども、正直10年ぐらい我々こういう移住対策をやってきましたが、当初はやっぱりそのあと離れる方が目立っていました。それで、今そういう移住後の定着率は従来よりも高まってきています。ですから、その辺は受け入れの対策ということが移住者の気持ちにフィットし始めているということではないかなと思います。これ引っ越して来られて、それでまたもう1回引っ越さなきゃいけないというのは、人生の転機をつくられた移住者の方にも大変酷でありますし、地元としても損失もあるわけでありますので、やはり納得していただいて、さらに住み続けられるような環境づくり、これ、例えば農業だったら農地の問題であるとか、それから生業、職業のことなども含めて、総合的にアプローチしていかないとなかなか解決できない課題でありますけども、少しずつそういうものは噛み合ってきているということかなと思っています。


○山陰中央新報 原田准吏 記者


 定着率っていうのはどれぐらいになるんですか。


●知事


 今の2,127[人]に対応するところまでまだデータないと思いますが、ちょっと前のものであれば定着率は高まってきている数字もございますので、後ほどちょっと整理をさせていただきたいと思います。


○日本海新聞 今岡浩明 記者


 併せて伺いたいんですが、ここ近年移住者の数自体はふえているんですが、残念ながらその人口減少は止まらないという現状があると思います。それで、改めてこの状況をどういうふうに分析していらっしゃるかということ、それから子どもの数もなかなか上向かないという状況もあるかと思いますが、そのあたりのこととちょっと合わせてどういうふうに現状を分析して、それから、今後の対策、どういうふうに臨んでいかれるのかということを伺いたいと思います。


●知事


 我々のところの課題は、やはり大学等で外に出て行って、その人たちが帰ってくること、これが厳しいという現状があるということ、それから、要は若い世代のウエイトが低まってきていますので、ですから、子どもをもうけて育てるという世代の[人口]不足、出生率自体は高まってきていますけども、概して、傾向としては、ただ問題はその絶対数がないということ、それから出会いの場等の問題、こういうところだというふうに我々分析しております。それで、その職業選択として地元を選んでもらう、帰ってきてもらうということについては今日[5月9日]、明日[5月10日]、明後日[5月11日]、鳥取[市]、倉吉[市]、米子[市]で就職フェア[とっとり就職フェア]をやりますけども、そうしたことで大学生に、地元あるいは故郷、その就職先というのはこんなに魅力があるものがあるんだなということを知っていただく、これをやっていくことがあります。あと、私どもではインターンシップで、有償インターンシップも含めて、今年[平成30年]強化をさせていただいていますけども、この今、キャラバンを連休前から始めておりまして、こうしたインターンシップというのがありますよっていうことの今、周知を図り始めているところでございます。


 それで、若い方々に故郷の魅力というのを、発信をしていただく、そういうSNSを使った事業[若者広聴レンジャー事業]も今年度[平成30年度]新たに取り組ませていただいているところでございます。実はこういうことを、年々拡充をしてまいりまして、最近の傾向として、直近ベースで平成30年4月のことで言えば、大学生が戻ってくる、その傾向が強まっています、最近の統計では。そういうことで今やっている方向性に大きな間違いはないんだろうと思いますけども、ただ、一人一人のことなので地道にこうしたことを広げていかなければならないのだなというふうに認識させていただいております。また、出生[年]のことについてですけども、これについては倉吉[市]に、連休前[4月28日]に出会いの場の「えんトリー」を開所させていただきましたけれども、こうした出会いの場づくりなどが1つは大切なポイントになろうかと思いますし、鳥取県が評価されている子育て施策、これも国のほうが、これから国を挙げて幼児教育の無償化拡充などを図っていこうとしていますので、そうしたこと等をまた活用させてもらいながら、さらに住んで、育てて、住みやすいと、そういう地域を目指して強化を図っていく必要があると思っております。


 このようなことをやはり処方箋としては地道に打っていかなければならないのだと思います。実は国の方で人口推計をこの春改めましたけれども、そこの状況では私どものところではかつて予想されていた人口減の幅は狭まってきています。ですから、移住者が増える、それから、また出生数も増加傾向に、出生率も増加傾向になっていることなども評価をされた上で国の方の推計も改まってきているわけでありまして、先がちょっと長いトンネルではありますけども、しっかりと対策を取って積み上げていきたいと思います。


○日本海新聞 今岡浩明 記者


 今、言われました、今年の4月ベースでの地元出身大学生が帰ってくる、帰ってきた率の数字っていうのは新しいものはまとまって、


●知事


 ええ、あります。ちょっとこれ、じゃ、後ほどまた提供させていただきたいと思います。特に女子学生ですね、女子学生において顕著にそういう傾向が見られてきています。





14 水力発電所へのコンセッションの導入 

○中国新聞 小畑浩 記者


 別の話なんですが、PFI、PPPの件で水力発電所の3サイトで民間活用のところにコンセッション方式ということなんですけれども、具体的にこれに移行する時期などのスケジュール感っていうのは何かありますでしょうか。


●知事


 これはちょっと段階を追ってやっていかなければなりませんので、まずはサウンディング[調査]から始めて、していくことになりますが、ちょっと何年かかけてということになろうかと思います。ちょっと今後のスケジュール感ですね、後ほど、担当部局の方からお話をさせていただきたいと思いますが、まずは事業者の皆様にこの、こういう事業可能性のあるものとして周知をしていく、そういう中で手を挙げていっていただく、我々しては条件づけとして地元も入るような形のジョイントベンチャー[共同企業体]的な形をしていただく必要があるのかなと思っていますが、そうしたことも含めてちょっと制度設計をつくっていかなければなりません。ですから、今年度[平成30年度]いっぱいはまだそうした準備段階が続きます。それで、そうしたことの上で具体的な提案を受けてその中で採択をしていくということになってこようかと思います。


 あと、ちょっとやっかいなのは同時並行で進めていますが、日野川の評価がまだ終わっていません。日野川の水力発電所の評価がこの夏ぐらいまでかかるかなと思いますけども、これを加えた形にするかどうかでちょっとスキームが若干変わり得るところでありまして、当面はまずはコンセッションに踏み切ることは少なくても3つサイトで有利性が確認されましたのでやることにした上でその対象範囲をどこまでにするのか、この夏ごろまでにその辺を目論見を確立してそれで具体的なコンセッションの募集への手順に進んでいければと思っています。





15 日中知事省長フォーラム参加の意義 

○時事通信社 今泉悠 記者


 時事通信の今泉と申します。日中知事省長フォーラムについて、冒頭、発言がありましたが改めてこれに参加するにあたっての鳥取県としての目標であるとか、狙いを教えていただけますでしょうか。


●知事


 私どもとしては、やはりこういうふうに東アジアが大きな多分歴史的な断面を迎えているのかもしれません。それで、その中でいわばいろんなことの組み替えが起こる可能性がある。その時に鳥取県の戦略としては日本海側に位置していて東京から遠いわけでありますけども、ただ、そちらがかつでは弥生の遺跡では妻木晩田という、これは吉野ヶ里を越える日本最大の遺跡であります。それはあるというのは実は大陸との往来があるからですね。それで、青谷上寺地遺跡は遺跡のデパートといわれていますが、これもやはりそうした大陸からの渡来を示すような痕跡がございます。考ええてみますと、東アジアが経済の中心になってきた場合に、そのアジアとの近さの方がより有利性があるはずです。東京はアジアには遠いです、アメリカに若干近いかもしれませんけれども。ですから、パラダイムシフトを起こしてこうした地域としてアジア側と結びつけていくことで、私たちの経済やそれから文化等々、県民生活の向上を目指せるのではないだろうか。


 これ、実は対岸諸国もそうなんですね。ですから、我々としては吉林省と昨年末に姉妹締結[友好県省協定の締結]をさせていただきました。また古い友人として古井喜實先生という鳥取県[出身]の法務大臣をされた方がいらっしゃいますが、この方が日中友好の立役者でLT貿易[1962年の「日中長期総合貿易に関する覚書」に基づく正式国交樹立前の貿易]の時代からその中心人物であった方です。中国ではよく知られたこの日中友好の功労者でございます。こうしたことの御縁で河北省と我々姉妹締結も古くさせていただいております。それで、こうしたようなことで交流を今後促進をして、多分中国政府もそういう方針に転じてくるじゃないかと思います。それで、こういう中でいろいろと経済交流も含めたメリットを出していけないだろうかということです。それで、私どもではこの知事省長フォーラムとあわせて中国にも実はミッションを別途送っておりまして、具体的には中国の吉林省の自動車産業、これと我々のほうでのいろんな部品工場等との連携ができないだろか、特に航路がございまして、境港とロシアを結ぶ航路があるんですが、これをザルビノに寄港させることによって、吉林省の出口になるんですね。そうすると一帯一路に結びついてくるわけです。それでこういうようなポジションを実は今もう確保しつつございまして、それを生かしていければ我々も表玄関になり、中国の東北地方が表玄関になるということも夢ではないのではないだろうか。これから時代が転換していく中でそういうチャンスを広げていけないだろうか、この辺もぜひ視野に入れていければと思います。本県としてはそれに絡んでGTI、グレーター図們イニシアチブという国連開発計画のプロジェクトがございまして、その地方政府会議をこの7月にホスト[主催]することにしております。こうした場なども活用して日中間の交流のまさに玄関口に我々がなっていくと、そういうことも中長期的な目標として目指していければというふうに思います。


○時事通信社 今泉悠 記者


 関連してなんですけども、東アジアが大きな歴史的な節目を迎えているということなんですが、今回李克強(リー・クーチアン)首相も参加されるというのはそういった意味で参加されるとみているのか、今回の参加をどう評価されますか。


●知事


 実は私ども平成26年ですかね、北京におきまして日中知事省長フォーラムを開催をしました。それで、そのときは李小林(リ・シャオリン)さんが向こうの議長をされて省長が集まり、さらに唐家セン(タン・ジャーシュアン)[中日友好協定会長]さん等、あちらの要人ともそのときお会いをしております。ただ、当時の雰囲気は正直申し上げて日中間のいろんなこう当時の外交的環境の中で行ったということもありまして、友好を強めようということは我々感じました。正直私どもも地方で要人と会った後ですね、多分指示が出たんじゃないかと思ったくらいですね、地方政府同士の交流を促進しようということを会議の席上で向こうがわりと打ち出したところでありました。ただ、中国と日本とのそうした地域間交流も結構、中央政府の意向が中国の場合は非常に色濃く反映します。


 それで今回の日中の知事省長フォーラムは具体的には中国側の提案によるものでありまして、それで李克強(リー・クーチアン)首相がそこに出席をし、中国側が我が方に持ちかけて札幌で行うということになったという経緯は、私どもとしては今まではない会議の持ち方になっていまして、そこは中国側がこういう日中間の首脳会談をやるのとあわせて日本と中国の草の根の交流、それも確立をしていくべきだというふうに習近平(シー・ジンピン)新体制の中で判断しているんではないかなというふうに私は感じています。ですからこれについては今後の将来展望を考えれば、重要なポイントになってくるんではないかなと思っています。


○時事通信社 今泉悠 記者


 今、その前向きになっているということで期待をしているところですか。


●知事

 はい。





16 災害救助法改正 

○時事通信社 今泉悠 記者


 最後、1つだけ、きのう政府が災害救助法改正案を閣議決定しまして、それで、これは大規模災害の時とか、避難所、大規模災害の時に避難所運営だったりとか、仮設住宅の整備などについてその権限を都道府県から政令指定都市に移すというものなんですが、全国知事会ではこれ反対している中で閣議決定がされたということで、これについての受け止めをお願いします。



●知事


 これは今後多分全国知事会の中でも協議をしていかなきゃならないのかなと思います。先般も鈴木[英敬]三重県知事が担当なんですけど、鈴木知事さんとか、上田[清司]知事会長等々こうしたことについても話し合いをしたところでありますが、今回こうした決定が出たことを受けて[全国]知事会として今後どう対応していくのか、話し合いがまずは必要じゃないかなと思います。ちょっと今回の閣議決定が癖玉になっていまして、それは地元のその包括する道府県の同意の下で権限移譲を行うと、こういうふうに書いてあるんですね。それはそこまでちょっと多分我々も予想していた範囲内でなかったじゃないかなと思います。ですから、要はその包括道府県が合意しない限りは発効しないという権限移譲であるようでありまして、それをどう考えるかというのはちょっと微妙な部分もあるのかなと思います。いずれにいたしましても、本県は指定都市を持っていないわけでありまして、その指定都市の所在の道府県の意向というものを確認をしながら、全国知事会として対応方針を考えていくというふうになるだろうと思っています。



○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者


 他、ございませんか。ありがとうございました。



●知事


 どうもありがとうございました。




  

 ※広報課編集
  [ ]については、広報課で補足説明しています。


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