●知事
皆様、おはようございます。日米首脳会談、その成果がまとまりまして、今朝方[4月19日午前7時過ぎ]その成果につきまして、日米両首脳から発表がございました。[アメリカ合衆国]フロリダ[州パームビーチ]に安倍[晋三 内閣]総理[大臣]夫妻出かけられ、向こうで[ドナルド・]トランプ[アメリカ合衆国]大統領を初め、アメリカの[トランプ政権の]幹部と話し合いをしたところでございます。いろんな話の結果が出てきておりますし、今後に向けていろいろと協議をしていかなければならない課題も見えてきたのではないかと思っております。まず、今回、1日目で主に話し合われました北朝鮮の問題につきまして、アメリカのトランプ大統領が我が国の拉致被害者につきまして、その救出を北朝鮮側に米朝協議[米朝首脳会談]の場で議題にすると明言をされました。今朝[4月19日の朝]の記者会見の中でも日本の重要な課題ということは認識していて、話をしていくということでございまして、大変にこれは我々にとりましても力強い言葉だなと思います。
これまで長年にわたりましてこの拉致問題の全面解決を求めてきたわけでありますが、ストックホルム合意[平成26年5月26日~28日に開催された日朝政府間協議で交わした拉致被害者に関する合意]も事実上反故(ほご)にされるなど、北朝鮮との交渉に日本政府がやってなかなか前に進まなかったというのが実情だと思います。北朝鮮にとりましてアメリカとの平和条約、朝鮮戦争の終結ということについては最大の関心事であり、それの一つの条件付けとして拉致被害者問題の解決、これが俎上(そじょう)に上がるということは、これ以上ない強力な交渉材料になるだろうと思われます。ぜひ、これを日本政府のほうでも十分に連携をとって結果を出す、実際の被害者の救出がなされる、それを実現していただく必要があります。これまで度重ねて話し合いをしたわけでありますけども、いろいろと反故にされてきたということでじくじたる思いが当方には残っております。
我々は政府、そして、国際社会に対しまして粘り強く働きかけをしてまいりました。その成果の上に今回の大きな前進があったのではないかと評価をしているところでございます。しかしながら、これからが本番でございます。我々はその交渉がどういうふうに展開をしていくのか見定めなければなりません。動向に注目をしてまいりたいと思いますし、また、あわせて必要に応じて日本政府、あるいは国際社会に今後も働きかけをしていくこと、これが必要であろうかと思います。実は鳥取県では松本京子さんという拉致被害者、政府の認定被害者がいらっしゃいます。また、それのみならず古都瑞子さんをはじめ、少なからず拉致ではないかというふうに疑われているそういう方々もいらっしゃいます。昭和52年10月21日にこつ然と姿がいなくなってしまった松本京子さんのその面影は結局[松本]三江お母様にもお会いすることもなく、今も[松本]孟さん[松本京子さんの兄]をはじめ関係者がご帰国を望んでおられるところでございます。この機会に一気に実現へ道筋をつけていただきたい、このように思います。
我々としてはこういうように事態も動いてき始めましたので、改めて地元の体制づくりをさせていただく必要があるかなと思います。明後日[4月21日]、松本京子さんの地元になります伊木[隆 米子]市長と話し会いをさせていただこうと思います。それに基づきましてこういう拉致被害者支援のスキーム[計画]を具体的に手順含めて確認をしていく、そうした実務者の会議も行う必要があるかなと思っていまして、今、これを[4月23日]月曜日にセットをさせていただいております。明後日[4月21日]、まず米子市のトップ伊木市長とそれから幹部の方と意見を交わさせていただき、基本的な方向性は、これまで前の野坂[康夫 米子]市政の中でも合意させていただいておりますので、そうした方針をぜひ米子市として、今後、事態が動いた場合にはとっていただきたいということ、それから、我々としてもこの拉致被害者の救出という完全解決、これを求めていくというメッセージを世の中に出していく、こうしたことで明後日[4月21日]会わせていただいてはどうかということになりました。夕方お時間が取れるということなので、そこで、米子市役所で会議をさせていただくことにいたしたところでございます。
実務者の協議も、今、呼びかけておりまして、警察も含めて県・市等集まった上で会議をするということにさせていただいております。実は鳥取県も、米子市もそうだと思いますが、拉致被害者が、もしご帰国というようなことがあった場合、東京に着かれたら、東京から連れて来なければいけないことも含めて対策の予算をとっております。また、[鳥取県]東京本部に拉致被害者救出に向けた担当室[拉致被害者対策調整室]、これを組織上も設置しておりまして、内閣府等々と緊密に連携するという体制も整えております。こうしたことで、今後臨機応変に対応できる体制を早急に構築をした上で、今後の動向を見守り、我々としてもこの解決を望むメッセージを出し続けていく、そういう重要の時期にさしかかったと考えております。
併せまして、今朝のトランプ、安倍[両首脳からの共同]記者会見で示されましたのは、日米間における貿易の協議を立ち上げるということでありまして、これ、日本側は茂木[敏充 内閣府特命担当]大臣[(経済財政政策)]がトップという表現を今日[4月19日]安倍さんがされていました。こうしたことで協議が開かれるわけでありますが、これも今回の対談を踏まえて今後新しい流れができるかもしれません。正直申し上げまして、鉄鋼ですとか、アルミニウムについて、これ通商[拡大]法232条に基づく関税がかけられていること、これについては何ら進展しなかったようであります。したがいまして、結局日本側として得るものはなく終わったのかなと思いますが、アメリカは[日米2国間]FTA[自由貿易協定の交渉]のことを持ち出すのではないかと言われていましたが、FTAをつくるという話までは、今日[4月19日]出てきていないという形でありまして、要は今後に向けて協議をするということで[通商拡大法]232条の問題、それからFTAないしTPP[環太平洋パートナーシップ協定]問題、これらも含めて今後の協議に委ねるということで終わったというふうに受け止めております。
今後の動向を見守らなければなりませんけれども、我々としてもこの結果を分析する必要があります。明日[4月20日]とりあえず庁内会議をさせていただき、今後こういう海外経済関係のプロジェクトチーム[国際経済変動対策チーム]を来週から立ち上げていくということにさせていただこうかなと思います。子細に見ていきますと、トランプさんは日本は自動車買ってくれない、関税障壁があるとおしゃっていますが、あまりそこがあるようには思えないんですけれども、ただ、いずれにいたしましてもそうした商工関係での障壁の問題が議論されるでありましょう。これはアメリカ側に既に工場を作っている企業なども県内にあるなど、プラスに作用する面もいろいろと出てくるのかもしれません。他方で懸念されますのは、トランプ大統領は今朝の会見でもTPPに戻るということはそれがやむを得ない場合はあるかもしれないけれども、FTAが利益があるというふうに言い切っておられまして、FTA二国間の交渉のほうを重視する考えを改めて示しています。それで、このFTAという中身が何かということでありますけども、実はTPPでもある程度FTAと同じようなことはかつて交渉されていました。しかし、例えばアメリカと韓国の間のFTAで見てみますと、牛肉や豚肉については関税ゼロということになっているわけですね。それで米については韓国とアメリカのFTAでも制限が残った形になっているなど、一定の分野については配慮はあるわけでありますが、牛・豚といったことは影響が大きい可能性があると。
TPPでも関税引き下げが盛り込まれています。これよりも上回って関税がなくなるということも交渉に入ってくるのかもしれません。現に今朝のトランプ大統領の言いかたでは関税ゼロというのを言葉として言っていました。ゼロになりますと、今の牛・豚についての影響はさらに大きくなると思います。したがいまして、これらについて私どもとしてどういうふうに今後対処していく必要があるだろうかということです。政府に対して今後の貿易二国間協議について我々も意見を申し上げていかなければならないかもしれませんし、昨日[4月18日]も[鳥取市青谷町]いかり原でクラスター事業に基づく牛舎がオープンになりました。こういうようなことをもっと急いでやっていかなければならないのかもしれません。そんなようなことなど今後への影響も懸念される朝になったのかなというようにも思われます。いずれにいたしましても今回の日米協議というもの、首脳会談の結果を踏まえて拉致それから通商関係において注視をしてまいりたいと思います。
●知事
島根県西部[を震源とする]地震については、今なお被災の中で心を痛めておられる方々がいらっしゃり、1日も早い復興が望まれます。同じ山陰として私たちは兄弟として支援をしていきたいと思います。今週も、楫野[弘和 島根県大田]市長からお電話いただきました。お電話でお話し合いをさせていただきましたが、これから罹災証明、被害認定などにかかる必要があると、それについて鳥取県のほうに支援をしていただければというお話がありました。島根県のほうを通じて正式にお願いするということでございまして、今日[4月19日]までいろいろと話し合いもさせていただいております。
本日[4月19日]から倉吉市さんが同行調査[被害認定調査への同行支援]に2人派遣されることになります。また来週の[4月]23日以降、三朝町さんは[被害認定]調査に当たられる人たちの相談窓口、これに2人、23[日]、24[日]派遣をするということになります。また北栄町、湯梨浜町、琴浦町、これらの町も2人ずつ23日から家屋調査被害認定[住家の被害認定業務]に派遣することになりました。県のほうでも職員の災害応援隊であるとか、今後も人の派遣も含めていろいろと支援をしてまいりたいと思います。1日も早い復興、そして生活の再建にご援助申し上げられればというふうに思います。
併せまして、今回の島根県西部地震で1つ注目をされていることに流動型地滑りというものが起きたのではないかということがあります。先般、大分県[中津市]の耶馬渓(やばけい)[町]におきます土砂災害がございました。それとはちょっと別のタイプでありましょうが、地震の揺れに誘発をされまして、その緩い地盤、水分を多く含む地盤が崩れたということであります。鳥取県内にもそういう地盤のところは、島根県ほど数はないんですけど、あるという調査報告もございまして、これからイエロー区域[土砂災害警戒区域]、レッド区域[土砂災害特別警戒区域]、そうした土砂災害警戒区域等の調査を改めて梅雨時の前にやっておこうかというようにしておりまして、実は耶馬渓のことを念頭において火山性のその脆弱な土壌の所を重点調査をすることを考えておりましたが、島根県の西部の地震の結果を見まして、そうした流動型地滑りの危険箇所、こうした所も点検の対象に入れさせていただこうと思います。
●知事
島根原[子力]発[電所]について、このたび島根県の周辺市も説明を受け入れるということになりました。本県も両市[米子市・境港市]と話し合って受け入れることにさせていただいておりました。明日[4月20日]、[鳥取県]議会のほうでは全員協議会で島根原発3号機の状況について説明を聞くという機会を捉えておられると伺っております。それで、私ども執行部側としては明日[4月20日]ですね、原発のプロジェクトチーム[原子力安全対策プロジェクトチーム会議]、これをやることにいたしまして、両市長[伊木隆司米子市長・中村勝治境港市長]とテレビ会議方式で話し合うことにいたしております。
それで、まず話を聞いて、昨日[4月18日]立ち上げましたけれども、[島根原子力発電所3号機に係る]共同検証チームを立ち上げました。それで、両市と県とで実務レベルでちょっとその構造、3号機の構造というものについて我々も検証していくということを始めさせていただこうとしております。また、今後、[ゴールデンウィークの]連休も迫っていますけども、連休後も含めて、住民への説明の機会であるとか、それから私どもの顧問会議[鳥取県原子力安全顧問会議]への説明であるとか、そうしたこともするように中国電力[株式会社]側に申し入れをしているところでございます。
●知事
これから観光等でいろいろと打って出る必要がありますが、インバウンドのお客さまも含めて、その観光の受け皿をふやす必要がある、そういう意味で民泊がございます。それで、民泊法[住宅宿泊事業法]が6月15日に施行される前に、我々としては単に法律どおりではなくて、指導的なことにはなりますが、ガイドラインを用いた制限をかけていこうということを念頭に置いて関係者とも議論してまいりました。昨日[4月18日]、検討委員会[鳥取県における民泊の在り方検討会]でご意見を伺ったところでございまして、ここで出たご意見も踏まえながらガイドラインというものを最終的に調整したいと思います。具体的には農村漁村[農山漁村交流]型の民泊、それから家主等が実際に居住している場所での民泊、これについては年間180日以内とさせていただく。
他方で、いわば都市型のもの等でございますけども、家主が不在のところの都市型の民泊、これについては平日以外というふうに限定をすることを、住居専用地域、それから学校周辺地域についてはさせていただこうと、これは検討委員会の委員のほうでも強い意見が出されていまして、昨日[4月18日]も出されていました。単なる自粛っていうのではないんじゃないかというようなご意見もあったところでございまして、これ明確にガイドライン上は平日以外というふうに明記をさせていただくと、それで、そういうガイドラインを守ってくれということで今後指導していくというようなことでありまして、そういう民泊の運用要綱をつくって、それで、そのもとにガイドラインという基準を設定して、今後適正な運用というものを図っていきたいと思います。
昨日[4月18日]も再三議論がございましたけれども、規制が実行性がないというようなことであれば条例化ということも視野に考えるべきだということでございまして、その辺はそのまま受け止めさせていただき、まずは6月15日を迎えて適正な運用というものを現場ベースでできることをやっていきたいと思います。現在まで28件の相談がきております。いろんなパターンがございますけれども、そうしたところにこうしたガイドラインの遵守等を求めながら対応していくのかなというふうに思います。ガイドラインの中には、例えばごみ出しについては事業主が最終責任を持って行うことでありますとか、また、テラス等で騒がないとか、そうした周辺への配慮、こうしたことなども求めていくことにしてはどうかと思います。あるいは居室等の面積についても、その基準というものをガイドラインで設定をする等、一定の水準というものを求めてまいりたいと思います。こうした民泊運用要綱、その守るべき基準としてのガイドライン、これらについては連休を挟んで最終的に調整した上で、できれば6月15日施行でありますので、その前の早めの段階で最終確定をさせていきたいと思います。
●知事
国内外のお客様をお迎えをするために、星空のすばらしさを訴える必要があります。そこで[4月]24日の日に「『星取県』条例できま"スター"」というアピールを東京のほうでさせていただきたいと思います。この「条例できま"スター"」のイベントには我々の星取県スター大使になっていただいております篠原ともえさん(タレント)、それから宇宙飛行士の山崎[直子]さん、あと浅草キッド(お笑い芸人)、今ちょっとたけし軍団で話題になっていますけども、水道橋博士と、すみません、何だっけ、玉袋筋太郎。すみません、今ちょっと言葉に気をつけなきゃいけないなということでございます。玉袋筋太郎さん、そうした方々にも応援に来ていただきましてイベントをしようということでございます。
そこで条例の内容等につきまして環境省の[吉川圭子 大気生活環境]室長さんにもお越しをいただき、その概要についてコメント等いただいたり、議論させていただき、篠原さんや山崎さんから鳥取の星空のすばらしさやその保全することの重要性等、お話をしていただいたり、また、浅草キッドも交えながら、これから1つのコンテスト的なことをしようと思います。それは「流れ星に願いを#星取県チャレンジ」というチャレンジを始めてはどうかなということであります。ぺルセウス座など県民の皆様も非常に親しんでおられますが、全国の皆様はそんなに流星群で流れ星見たっていうこと、記憶はないかもしれません。それで、そうしたものを我々のホームページのほうにアップさせていただき、その流れ星が流れる間に願い事を言っていただくと。それで、その願い事、こんな願い事が言えましたっていうのをSNSにハッシュタグ付きで投稿していただくと、自動的に総集計しまして、最終的にはこんなにナイスな願い事ですねっていうようなことで、大賞であるとかいろいろとそういうのをコンテスト的にやったり、また投稿者に対しまして星取県グッズ、それのプレゼントキャンペーンも同時にその中でもさせていただいたり、そのようなことで鳥取の流れ星をホームページ上でも見ていただくというようなことをして、そこにほんとに短いフレーズでそれぞれの願い事、それをかけていただきたい、「流れ星に願いを#星取県チャレンジ」として多くの方々に参加してもらえればなと思いますが、それを現実にあそこで水道橋博士や玉袋筋太郎さんなども交えながらちょっとやってみると。結構難しいです。私も最後まで願い事を言えたことはあんまりないぐらいでございまして、そういうことの体験を星取県から始めてみて、多くの全国の方や海外の方も含めて参加してもらえればなというチャレンジであります。
●知事
また、ノルウェージャン・ジュエル[号]がこの週末初めて境港に来航します。これ、鳥取県の境港がファーストポート、最初の港になります。多国籍で来られると思います。ちょっとお客様の内容は今日現在よくわかりませんけれども、大型で結構自由な、わりとフランクな船旅が楽しめるというもので、結構人気のある船であります。こうしたものをまたこの週末お迎えをさせていただきたいと思います。
また、境港ではDBSクルーズフェリーがこの土曜日[4月21日]出港します。それで21日に出港する船で、初めて24日に[ロシアの]ザルビノ[港]に行っていただき、27日に境港に帰ってきていただく、これをDBSクルーズフェリーの[ロシアの]ウラジオストクから延伸をしまして、テスト輸送で荷物を輸入輸出やってみようという実験事業であります。これで中国への通路が開かれればというものであります。現実に言えば中国吉林省は自動車産業が盛んな所でありますが、そこに向けてディスプレイ[用パネル]、これを輸出をする。それから輸入では[農業用]トラクターを輸入をする。こういう荷が荷主さんとの間で今回できまして、そういうテスト輸送をやってみようというものであります。そうした成果をいろいろと作っていって、従来のウラジオストク、[韓国]東海(トンヘ)だけでなくて、中国がそういうターゲットに入ってくるようになれば、この環日本海航路というの、値打もまた一層上がってくるのではないかと思います。今回初めてそういうトライアル輸送に取り組んでみようということになりました。
●知事
また、産業面では[4月]23日に[株式会社]アサヒメッキさんと[工場増設に係る]調印式をしていただくことになりまして、11億円ほど投資をし、雇用を増やしていただくというものでありまして、先端的な技術というものでステンレスをいろんな色に発色させる、そういうような技術などの実証化もしていこうというものでございます。
また、[4月]23日にはいよいよ、国の政府機関の地方移転その一環として職業能力開発総合大学校の一部機能が鳥取県のほうに移転をすることになります。そのセレモニーをやることになりますが、まずは自動車部品関係、これは電装品とか、それから金属を使った部品ですね、金属部品、こうしたものをターゲットに研修プログラムを鳥取から開発していくと、もちろん全国向けのものでもありますが、実証研修プログラムというのも今後出てくることになりましょう。それで、その自動車関係をやれば次は航空機関係、さらにはメディカル[医療機器]というように、そうした高度な機能の産業、この研修プログラムをここから開発していくと、こういうことで今、大学校側と話を進めているところでございます。こういうようなことなど、産業雇用のほうで展開を図っていこうとしています。
●知事
また、来週[4月25日]は手話について、手話を広める知事の会の総会とあわせて手話[言語]フォーラムを東京のほうで開催をさせていただくことにいたしました。また、併せて、これから様々な福祉等の施策の展開を図っていくことになろうかと思います。
●知事
先週の記者会見でいろいろと皆様の記者のほうからもご意見がございました。福祉保健課の仕事の進め方について私のほうから先週、調査をさせていただきますというふうに申し上げました。これについては行政監察を入れることにさせていただこうと思います。それで、仕事のやり方としてもっと改善できるのではないだろうか、また、上司の監督、それからチームとしてやる仕事、こういうもののやり方というものも、もっと工夫ができるのではないだろうか、ここはこうしとけばよかったという点も当然あるんではないだろうか、そうしたことで改めて先週のご意見も踏まえて調査をさせていただき、仕事の改善を進める職員チームも入って福祉保健課、まずは重点課として対策を始めるということにさせていただきたいと思います。
●知事
これから職員採用の季節に入ってまいりますが、新年度に向けては89名の募集をしようと、今年度[平成30年度]は88名の入庁者ということでございますけど、ほぼ同数程度でございますが、最近いろいろと人材獲得競争というものが企業間でも強まっているところであります。そこで鳥取県としても鳥取県庁職員、受験しやすいように、普通ですと一般教養として憲法だとか、そういういろんな法律だとか経済だとか、そういう仕組みの試験をやっていくわけでありますが、その一般教養試験を民間企業でやっているような、適性検査とおっしゃるそうですけども、そういう民間企業がやっているような試験を導入する、そういう枠を10人ほど、大学卒業者向けに作ってはどうだろうかと思います。
さらにエキスパート採用、経験者採用を5名作る。そして、情報発信や鳥取のブランド化、例えば星取県売り出してみようとか、そういう意欲のある方、そういう経験者も含めて募集をするという意味で1名ということ、あるいは手話コースで1名等々、バラエティもつけながら、そうした新たな県庁を担う担い手づくりに進んでいければというふうに考えているところでございます。
●知事
これからいよいよ連休も迫ってくるわけでございますが、大山のほうでも[4月]21日、星空のイベント[大山星空で遊ぶツアー]があるとか、また、氷ノ山等々、いろいろとこの季節のイベント等も予定をしております。ぜひお出かけをいただければというふうに思いますが、この週末ぐらい、28度とか、かなり温度も上がってくると予想をされております。特に農作業に当たられるご高齢の方など、水分補給、あるいは休息をしっかりと取っていただいたり、体調の異変に注意をしていただく必要があるかなと思います。熱中症に対する気遣いが必要になってくる季節となってまいりました。ぜひそうしたことも心がけていただき、初夏の気配を楽しんでいただければと思います。私の方からは以上です。
○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者
各社、質問お願いします。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
昨日、財務省の福田事務次官がセクハラ疑惑で辞任をしたんですが、これに関して同じ官僚出身として知事の受け止め、それから県として何かセクハラ防止対策みたいなことはどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
●知事
今、急速に展開していまして、皆さんも夜更かしされたかもしれませんけども、夜中の12時[4月19日午前0時]からテレビ朝日さんが記者会見をするのを何故かフジテレビが中継しているという、ちょうど訳のわからない状態でもございましたけども、いずれにいたしましても記者側の名乗りが出てきたと同時に、本人は辞職をされる。しかし、今、現在も[疑惑を]否定されているということであります。私はこの辺はやはり財務省の職員、特にそのトップを務めるということで、実は東京の霞が関の中ではいわば官僚の頂点のような存在の人がこうした不祥事を起こしたということ、慙愧(ざんき)に堪えないといいますか、憤りを感じるところでありますし、特に今、人権に対する認識が世界中で広がっています。このたびピューリッツァー賞を受賞したのも♯Me Tooのこと[ニューヨークタイムズ紙、ニューヨーカー誌によるセクシャル・ハラスメントの告発記事]でございました。ですから時代錯誤も甚だしいんではないだろうかというように思います。
今回、テレビ朝日の勇気ある女性職員がいろいろとこのことを止めさせようとして行動を起こし、録音をされたということであり、一部では報道倫理としてどうなのかというようなことも言われているようではありますけれども、私はこういう勇気ある行動が世界中で広がっている♯Me Tooのようなそういう運動[セクシャル・ハラスメントの告発運動]にも同視し得る部分があるんじゃないかなというふうに思います。ただ、事務次官、元か現か福田[淳一 財務事務]次官本人は、今、否定をされているということは、それは理解できないところであります。覚えていないとおっしゃる意味がよくわからないですね、それはやはりいわば事実を曲げてもそれで押し通せるというふうに思っておられるのかなと思います。
私も霞が関に身を置いた一人として今回の展開を見ていて思いますのは、記者の皆さんっていうのはいわば自分の人生かけて情報を取りにいくわけですね。そうした方々のそうした地位といいますか、立場を利用してそれを自らのいわば楽しみのためにセクハラに及ぶっていうのは、これは言語道断でありますし、人道にも劣るんではないかと思います。ただ、記者クラブと財務省との間のいろんな関係もこれまであったのかと思いますけども、そういうことが許されると錯覚をしていたのであれば、それは官僚世界の土壌が歪んでしまっていると言わざるを得ないだろうと思います。ですから、今回のことは速やかにまず事実を財務[省]側は認めるべきは認めるべきだろうと思います。それで、同じようなことが実は、今、霞が関で沸き起こっていて、文章のありやなしやとか、それを改ざんしたかどうかとか、いわばその行政の信頼全体を揺るがしかねない深刻な事態だと受け止めるべきであります。
私どもは住民の皆様と距離感も近い現場でありますので、こうしたことは許されないわけであります。したがいまして、我々としては普段から襟を正しているつもりでありますし、現実にああした問題が本当に、フィクション[作り話]のようなことでありまして、起こるんかなというぐらいに思うわけでありますけれども、ただ、セクハラ問題というのは、もう一度庁内でも綱紀粛正ということで考える必要があるだろうと思います。これについては、実はセクハラとかパワハラの防止要綱というのもございまして、それを改めてこの連休前に庁内でも確認させていただきたいと思いますし、今回は、実は役所の中と、微妙ではありますけど、役所の外との関係においてセクハラを起こしたケースであります。それで、こうしたことでもセクハラということ、パワハラということがないように、それも合わせて今回、記載する必要があるかなというふうにも思いながら見ておりました。このことについては[4月18日]夕べから今朝[4月19日の朝]にかけて事態が急展開しておりまして、県庁の中でも今後襟を正して、改めて襟を正すことにさせていただきたいと思っております。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
今のその内外の関係で含めて退職をしたりされるのは、例えば県の職員さんが被害者になった場合、それから逆に加害者になる場合を想定して、そういった場合の通報窓口だとか、そのあたり、どう考えられていかれるのか。
●知事
そうですね、そもそも、今、実はセクハラ、パワハラというのは基本、職員の中のお互いの上下関係とか、職場内の関係だとか、そうしたところでなかなか言い出せないものですから、実は各部局にその相談窓口を設けています。現実にも相談は来ます。いろいろ男女の問題なども絡みながらでございましょうし、先般、それで逮捕された職員もございまして、結局不起訴になっていますけども、そういうようなことなどもございますので、私どもとして、他山の石として考える必要がありますが、今までは基本、中の問題だけでありまして、多分、霞が関も含めて大体所属内での、庁内の規律の問題としてセクハラのことを書いているのではないかと思います。ただ、記者クラブはちょっと別の存在ですから、いわばいろいろと接触をする外部の方との関係においても力関係を利用してそうしたことがないように、それについてはやはり我々としても襟を正すべきかなと思います。それで、逆にそうした場合の相談窓口というのも庁内的には持つ必要があるかなと思いますので、一部手直しは必要かなと思っております。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
職員採用の話がありましたけれども、昨年度、手話のコースについて募集をされたけれども応募がなかったということがあって、また改めて今年度募集をされると思うんですが、これについて、募集をされる上で何か気をつける点とか、募集の仕方とかというのはどのようにされるのですか。
●知事
私もちょっと去年[平成30年度採用分について]、詳細まで実は把握していなかったんですけども、お聞きをしてみますと社会福祉の資格[社会福祉主事任用資格]というものを義務付けていたんですね。それはかえって障害になると思います。ですから、手話をある程度私はできますよという方で、そういう方がいろんな分野で、県庁でありますので、いろんな分野で活躍してもらうと。それで、手話のとびきりうまい人が庁内に1人、2人いてもいいわけでありますから、そういう意味での採用でありますので、それを人事当局のほうで社会福祉に限定したんだと思うんですけども、ちょっと行き過ぎだと思います。ですから、そこは今回[平成31年度]の採用の募集要項から外すことにいたしておりまして、そういう手話の技量は見させていただくとして、あとは面接ですとかそういう一般的なことでの資格にさせていただきたいと思っています。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
そうすると、その社会福祉というのを外すということは福祉保健部以外のところにも行く可能性があるということになるんですか。
●知事
本来、そういうものですよね。我々の職員採用は、例えば土木職で採用しても、いつの間にかまちづくり[担当]に行ったり、それから、元気づくり[担当]に行ったり、そういうようにキャリアライフとしてはいろんなコースをたどっていくものでありますので、ちょっと去年よくわからないですが、社会福祉の資格を義務付けたところがあったみたいで、そこは外すようにさせていただきたいと思います。
14 DBSクルーズフェリーのザルビノ延伸トライアル
○中国新聞 小畑浩 記者
DBSクルーズのザルビノへの延伸の件ですけれども、次にテストということで、始まるということですが、今後、どのくらいのペースで実際そこまでいくのか、あと、近い将来どういう、将来なり、その航路によってどんなことが起こることを期待されているかというのをお願いします。
●知事
これについては、今の計画とか、企業さんとの交渉もございますので、この状況も含めて担当部局から後ほど詳細、ご説明申し上げたいと思いますが、DBSクルーズフェリーは、実は私ども[ロシア]沿海地方[知事]、[韓国]江原道[知事]それから平井[伸治 鳥取県知事]も入りまして知事同士でのサミット[北東アジア地域国際交流・協力地方政府サミット]の中でこうした航路の開設を目指そうというふうに境港[市]で平成19年だったと思います、合意したんですね。その後そうした航路を模索をしている中で誕生した航路でありました。それで、当初から[ロシア]ポシェト[港]やザルビノ[港]というのも我々の範疇(はんちゅう)に入れておって、主旨としては中国の吉林省のほうにもつなげていきたいということで入れていたんですけども、なかなかちょっと採算性の問題があってウラジオ[ストク]以上に難しいところがございました。ただ、今回いろいろと船会社側にも働きかけたところでありますし、昨年末[平成29年末]に[中国]吉林省の長春に、私もとんぼ帰り的な出張をして吉林省との姉妹省県の調印式に臨んだわけです。そのとき吉林省の巴音朝魯(パインチャオル)書記をはじめ、向こうの幹部と率直な意見交換したんですが、今あるDBSクルーズフェリーをザルビノへ伸ばして、それで中国側とつなげるそういうルート設定について協力してほしいということを申し上げました。そんなようなことを、経過をたどりながら、現在ここに至っているわけでありまして、船社側もこれ事業としてやってみようということでテスト輸送に協力をし、また、これからちょっと実際動かしてみてどうなるかというのはあるんですけれども、ロシアやそれから中国の協力も得ながら、こうしたルートというものを、実効性を見てみようということです。
実は吉林省側も非常に期待をしていまして、話し合ったときにはぜひ、ちょっと向こうは唐突感があって驚いたような感じもありましたけども、ぜひそういうことは実現できたらいいので協力していきたいという話をしておられて、その後も協力的に動いてくださっています。1つ問題なのは荷主の数等もありまして、今回は輸入輸出1社ずつということになっておりますけども、さらにこうした荷もあるんではないかということでいろいろ提案ができれば通常の運航ルートに入ってくる可能性も開けてくるかもしれません。
それで、1回といわず何回かテストをしていきたい、今年そういうふうに考えています。それで、それとあわせて、これはやはりいろんな関税ですとか、規制のことがいろいろとございまして、それでその辺を解消していく上でGTI、グレーター・トマン・イニシアティブ[広域図們江開発計画]という国連計画の1つのプロジェクトがありますけども、その会議を[平成30年]7月に日本、鳥取県で開催することにいたしております。それで、そこでもこうしたルートの実効性等について報告をさせていただき、今回のテスト輸送の成果をそうした関係地域、関係国にも共有してもらうと。それで、そうやって一歩ずつではありますけども、日韓露までは実現しておりますが、さらには中まで含めた物流、人流のルート設定ができるように我々としては働きかけを今後も継続してまいりたいと思っています。
○読売新聞 田村勇雄 記者
それで、要するに日本海を使った船便での中国から入っていくルートになると思うんですが、今、日本ではまだ珍しいんでしょうかね、それ。そのルートにおける知事なりの、メリットというか、何かどういうところをアピールポイントにされるのかというのと、どういうニーズがあると考えられていますか。
●知事
実は、中国には一帯一路という構想があります。それで、我々が今、オブザーバー加盟しております国連開発計画UNDPのGTI、これも実はルート的に重なるんですね、中国側は我々が今ザルビノから[中国]琿春(こんしゅん)、さらには[中国]長春[市]というこういうルートへ乗せていこうということなんですけれども、それは中国政府も実は重点的にインフラストラクチャー[基盤]整備も含めて進めているところです。そういうような今流れになってきていまして、こちらのルートの可能性は以前よりも高まってきています。今まではずっと航海のほうに入りまして、ぐるっと回って[中国]大連等で荷揚げをして中国東北地域に持っていくわけですね。それで、今回の荷物も関係しているような自動車系の会社、これは長春に多く立地をしておりまして、これはかなりの規模であります。そこに例えば日本の特に鳥取県も含めてそういう自動車部品の輸送等が実現をしてくれば、一定のロット感が出てくるはずであります。そういう意味で、これから新しい時代を日本海という、このルート設定の中でつくっていくことができれば、タイムラインであるとか、コスト面においても優位性はあり得るわけです。ただ、今まで実はそのザルビノ航路というのは新潟県が挑戦して失敗しています。その後、あんまり運航されずに終わってしまっています。それで、また、韓国とザルビノの間の航路、[韓国]束草(ソクチョ)航路もできていましたけども、これも使われなくなってしまった。なぜかというと、なかなか採算性が難しい、荷物が集まらない。
DBSクルーズフェリーは、実は今、それなりに旅客も乗っていまして、ウラジオストクまでは行っているわけですね。それで、このベースのカーゴや、その旅客にプラスしてロシアにウラジオからザルビノに行って帰ってくるその油代やら人件費やらそのぐらいが中国との貿易のところで賄えれば、経費的にはペイできるっていうことになります。ですから、新潟から引っ張るとか従来やってきたそういうチャレンジよりはずっと現実的にやり得るだろうということであります。この辺を我々としては訴えかけて、今回のところに至っているところであります。それで、関係地域と話をしているのは、我々は首都からは遠い所かもしれないと、[ロシア]極東地域であったり、韓国の東海岸であったり、また、中国の東北部の辺境というような所かもしれない。しかし、私たちがこれから世界経済をつなげていく玄関口になれば、今のその中央一辺倒の経済構造、それぞれの国で変えていき得るのではないだろうか、そういう利害が一致しまして、我々がゲートウェイになろうということを話し合っているわけです。ですから、その1つの実験事業として、今回のザルビノ航路を位置づけていきたいと思っています。
○日本海新聞 今岡浩明 記者
民泊のことについて伺いたいと思います。ガイドラインのほう固まったということですけれど、ほぼ固まったと、
●知事
はい。これから。
○記者
ええ、素案というかね。
●知事
ちょっと昨日[4月18日]ガイドラインが出たみたいですけど、それはちょっと今、多分書き換えると思います。
○日本海新聞 今岡浩明 記者
それで、伺いたいのは今までの議論を聞いていたんですけれども、業者側からは、やはり都市部で旅館、ホテルの部屋が足りなくなっているのと、この鳥取県とでは現状が違うということで、非常に危惧する動きが強かったと思います。これから、どのぐらい実際に手を挙げてこられるところがあるのか、そこは見えないところではあるんですけれども、ある程度ガイドラインのほうで筋道をつけられた、そういう懸念を払拭できるような筋道がつけられたというふうに知事はお考えなのでしょうか。
●知事
これは、民泊法自体が実は賛否両論割れておりまして、今、今岡さんがおっしゃるように、宅[地]建[物取引]業者等は民泊解放しろという、片方で観光事業者、旅館さん等は、それは旅館業法があるのになんでだ、ということでございまして、2軸対立してきたわけですね。それで、そこの調整を取りながら民泊法がこのたび成立をしたいということなんですけども、ただ、それでも実はそれぞれの業界含めて意見の対立が解消されているわけではないですし、その懸念が民泊法で解消されたとも言い切れないわけです。ですから、我々も現場サイドで今回そういう旅館関係者等も含めて、検討委員会[鳥取県における民泊の在り方検討会]を開いたところ、さまざまな意見が出て、それをいわば盛り込んだ形で運用要綱と、それからガイドラインとでこれからしっかりとそこのコントロールをやってみようということにさせていただいたとこです。
実は問題構造としては、もともと旅館業法がございまして、簡易宿所、簡易なお宿としてちゃんと申請してもらって、そこのルールを守ってもらえば今でもいろんなことができるわけですよね。本来はそれをやるべきじゃないかということをお勧めする、それが1つあります。しかし、そこになかなか至れないけれども、小規模ながら私らが住んでいる家のあそこのとこ、スペースに泊まったらええがなと、それで、食事ぐらい自分らでも出すしというような、そういう家主同居型であるとか、それから特にそうした大きなホテル等がない中山間地等でそういう農山漁村の実情なんかも体験してもらう、そういう教育旅行に使えるとか、外国人のそういうジャパニーズテイストを楽しむ人たちに向けた宿であるとか、そうしたことで規模は小さいけれども成立するような、そういう宿もあるんじゃないだろうかということでございまして、そうしたことを探っていくことはできるのではないか。
実は県内の[検討会の]委員になっていただいた旅館業者の皆さん等も国全体の運動でありますので全面的に賛成っていうわけにはならないけれども、そうした、いわば田舎での宿泊等、どうせ宿がないところ、そういうところはむしろ地域振興でやってもらってもいいのかなと、そんなようなご意見もいただいているわけですね。そういうことをいろいろとまとめていきますと、カテゴリーとしては3分割して農山漁村の交流型とそれから家主同居型と、あとそれ以外、家主のいない都市型と、そういうことなりの規制の仕方というのを自主的にやってみようということでありまして、一応の結論にきのうまで至ったのかなと思っています。それを表現するような形で守っていただくべきガイドラインというのを、設定をし、我々が指導していく上で、こういうように申請のときは例えば事前説明やってくださいだとかいうことを審査基準にするとか、そういう運用要綱というのを我々のほうでも設けて、これからの適正化を図っていければと思います。
ただ、まだ6月15日迎えていませんで、始まってないわけでありまして、スタートして不都合がもし出れば、それは謙虚に受け止めて、あとは法規制、これ条例も含めて今後も検討の射程には置いておきたいというふうに思っています。ちなみに今まで相談窓口に28件来られていまして、意欲的な方もいらっしゃいます。結局、中山間地の使っていない家のスペースなどを利用してやってみたいという方等々、やはり需要もあるようでございまして、中には都市の中でお店をやっているけれども、ここに人を泊めてもいいというようなことでのご相談であるとか、割と現実性のある相談もきていると思われまして、6月15日スタートする前に我々としても鳥取県型の運用というものを固めておきたいと思います。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
島根県西部を震源とした地震で島根県や大田市が一部損壊を支援制度に加えるという動きが今、出てきているんですけれども、鳥取県のほうでも一昨年の県中部地震で一部損壊を対象に加えられたと思うんですが、何かその島根県や大田市と意見交換をされたとかっていうのはあるんでしょうか。
●知事
これについては溝口知事や楫野市長と意見交換をしておりません。もっぱら震災からの復旧や生活再建に向けたサポート、これについてお話をしております。ただ、ご案内のように新聞社やテレビ局など報道圏が実は鳥取・島根[両県]は一体化している面がございまして、当方の先般の鳥取県中部地震のとき、どういう悩みを我々が持って、どういうふうに制度をつくっていったのか、その辺は、向こうは非常に克明に理解しておられると思います。鳥取県の地震の場合は後から考えますと非常に強い加速度で揺れる、ですから、その意味では強力だったわけでありますが、倒壊に至るようなキラーパルス[地震に伴う長周期パルス波]といわれる長めの周期が少なかった、ですから、倒れることはなかったけれども、ものすごい力で揺さぶられたもんで家の損壊は2万軒にわたって起こったと、このメカニズムは段々後になってわかってきたんですけど、それで、私自身も現場に入りまして、当初から、これはそのものすごい数が多いなと、しかし、もう頭の中で計算してみると損壊率30%とか、50%だとかそういうことでいうと、ひょっとすると国から始まってまた県のほうでもセットしているそういう住宅支援制度に引っかからないんじゃないかと思ったんですね。それで特に国のほうは[住宅の]倒壊の件数だとかを数えて、そこが一定の数に達しないと[被災者生活再建支援制度が]動かない仕組みになっていると。
それで、県のほうはそうじゃないんですけども、ただ、そういうようなことを考えると多分これではこの地震に対する救済にならないなというふうに思いました。それで、金曜日[平成28年10月21日]に地震があって月曜日[10月24日]の日には一部損壊を対象にするということで市町村と話し合い、それで火曜日[10月25日]には議会の了解も取り付けて補正予算までつくったということでございました。早めにこういうスキームも設定して、それで被災者の皆様の生活再建の道標にしてもらいたいと思ったから急いで初動で制度設計をつくったわけです。そのときいろんな議論が報道でもなされていまして、[島根県]大田[市]、島根[県]にも伝わっているだろうと思います。今後こうした被害認定をこれから[4月]23日以降本格化すると思うんですね、それで、そういうことも踏まえながら、あちらのほうで要請があれば鳥取県の考え方だとか、それから基金の仕組みだとか、基金の仕組みにもどうもご関心がおありのように報道でも伺っておりますので、そうしたことなど、今後我々もご相談に応じていきたいと思います。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
先ほどその意見交換をしたかどうかっていうのを聞いたのは、例えばまだ先ほどその国の制度に引っかかっていないということで、なかなか全てを国が見るっていうのはなかなか財政的にも厳しいっていう中で、こういう実情、山陰両県でこういう実情もあるわけで、またこの新たな動きとして国に何か財政的な支援とかを求めたり、何か新たな仕組みの構築を求めたりするようなこと、今後山陰両県としてやっていかれるお考えはありますでしょうか。
●知事
島根県さんも非常に今、復旧で忙しくされていまして、そこまでちょっと考えに至らないかもしれません。ですから、今後事態が落ち着いてきたら、共同での[国への]要望等のあり方も相談できるかもしれません。それで、現実に鳥取県は何しているかといいますと、そこのところ、国の制度設計をもっと柔軟に広げるべきだということを申し上げております。全国知事会でもこの議論を提起しましたら、熊本[県]の蒲島[郁夫]知事も同じ考え方で論陣を張ってくださいました。やっぱり震災を経験しますと結局この半壊か一部損壊かの間に大きな壁が今あるんですね、それで、その壁というものが住民の生活再建にゆがみを生じさせている面があるんじゃないかと思うんです。ですから、もっと実情に応じて救済すべきところにやっぱり支援が行くような仕組みを考えていかなければならないんではないだろうか、そういうように思います。
熊本[県]もそこの境界線で苦しんだわけですね、それで熊本[県]の場合は、被害認定、家屋の罹災証明を一時的にやるんですけども、1回の調査では住民が納得しない。だから、かなり多くのパーセンテージで第二次申請に向かうわけですね。これで第二次申請に向かうとこれまた膨大な手間になるわけです。一次申請の審査はわりと簡便にやりますけど、二次申請は詳細調査ですから、それでただでさえ忙しい被災地の職員の手が取られてしまうということになったわけです。私はそれを横で見ていましたので、それで早めに一部損壊の助成制度を打ち出せばそういう不合理な二次申請まで向かうような圧力は急減するだろうと踏んだわけです。現実どうなったかというと、熊本[県]と比べてくだされば二次申請は圧倒的に少ないですね。一次申請は大体終わってしまっている。だから、やっぱりそこ、制度の設計としてうちみたいに一部損壊に対して一定程度支援していくというほうがより住民の考え方にもフィットし、現実には震災対策の円滑化にもつながるんじゃないかなと思っておりまして、今後も国に対する働きかけといいますか、要望はさせていただきたいと思いますし、島根県さんもこれから制度を組まれるかどうかありますが、仮に同じような境遇でこれやっぱり国に訴えるべきだとなれば、共同で訴えかけしてまいりたいと思います。
○日本経済新聞 山本公啓 記者
1点だけ。冒頭おっしゃった海外経済のプロジェクトチームですか、これは今回の日米の交渉の話だけなのか、今後の全体的な話を議論するのか、スケージュール感と、どういった方をメンバーにするのか、それだけちょっと教えてもらえますか。
●知事
明日[4月20日]は県の幹部の庁内会議を招集して、それでどう分析したらいいのか、話し合ってみたいと思いますし、正直企業さん、鳥取県の場合、他県ほどそんなにたくさん海外と関係のある企業があるわけではなくて、そういうところを、ちょっとリサーチをするとか、個別に。それから農業団体等の意見を聞くとか、その辺の順を話し合ってみたいと思います。それ、ある程度準備をした上で来週[4月23日以降]そういうことを庁内のプロジェクトチームの海外経済の検討や実行部隊の中でそこを入れ込んでいこうと思います。現実には今、アメリカの話は協議を始めるという段階でありまして、多分想定してみますとこの農業のことがあるので牛や豚等関税ゼロみたいなことにすると大変ですよ、みたいなことをやっぱり国に言わなきゃいかんかなというのがあるんですけども、そういうことぐらいの現実の今の反応なのかなと思うんですけど、ただ、ヨーロッパのEPA[経済連携協定]、それからTPP11[米国を除く環太平洋パートナーシップ協定]は既に動いていますので、それでこちらの新しい自由貿易の時代に向けて商工業者の支援であるとか、それから農林水産業の体制づくり、こうしたところはきっちりやらなきゃいけないですね。ですから、そこの大きな今の時流の流れの中に、日米の問題というのも新しい視点も加えて庁内プロジェクトチーム等で進めていこうということです。それで本県としては1,200万円ほど企業の海外展開に向けた支援制度やあるいはセミナー等の啓発経費、こんなのを計上していまして、これをプロジェクトチームのほうでも話し合って、どういうふうに展開していこうかということを進めていきたいと思います。
○日本経済新聞 山本公啓 記者
やっぱり日韓の2国間における韓国側の不利益なんかもあるので、あれですかね、日米で2国間が成立した場合の不利益なんかもどんなことも出るのかっていうのを想定して話し合いもしましょうっていうことになるんでしょうか。
●知事
そうですね、結局トランプさんの今朝のあれ[日米首脳会議後の共同記者会見]聞いていると、TPP11への復帰はあまりそう大きな関心はないように思います、報道されていたほどには。どちらかというと関税ゼロということも目指してというようなことだとか、2国間バイラテラルなトリートメント[手当]のほうがいいという話を強調されていました。それで近いところでいえば米韓交渉のことがありまして韓国とアメリカとの間とTPP11の違いを調べてみますと、牛や豚の関税がゼロになっているというのは大きな違いなんですね。それで、ですから、果たしてアメリカが何を狙っているのか、その辺も見ながら日本政府には交渉に当たってもらわないと、茂木さんがいいわ、いいわで丸呑みされても困るというのもあるんじゃないかなと個人的には、今、思っています。その辺のことを米韓のFTAなども念頭に置きながら、ちょっと我々なりに検証してみる必要があるのかなと思っていまして、まずは庁内でちょっと分析作業を始めてみたいと思います。
○日本経済新聞 山本公啓 記者
あとメンバーは、どういうメンバーでやるんですか。
●知事
農林水産部や商工労働部等でございます。
○日本経済新聞 山本公啓 記者
そんなあれじゃない、大規模な会議でないですね。
●知事
明日[4月20日]はね。来週[4月23日以降]はプロジェクトチームなんで、かなり人数になると思います。
○日本経済新聞 山本公啓 記者
それで、これ繰り返しなりますけども、いろんな今後起こり得るであろう経済、海外経済の問題を恒常的に議論する場になるんですか。
●知事
そうですね。それは来週[4月23日以降]の分は。それで、明日[4月20日]は今日[4月19日]の記者会見が終わってちょっとこれから分析してみてどういうことに今後留意しながら、このプロジェクトチームを動かしたらいいのかっていうのを話し合ってみたいと思います。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
財務次官の問題でちょっと1件聞き忘れたんですが、国政に関する話なので、お答えは難しいのかもしれませんが、麻生大臣の任命責任については平井知事はどう思われますでしょうか。
●知事
これは麻生[太郎 財務]大臣自ら、あるいは安倍総理が考えられることだろうと思います。財務省については、今、佐川[宣寿]元理財局長の答弁の問題、それから加計問題についてもいろいろと絡みもあるかもしれませんし、まだ未解決のこともいろいろあるのかもしれません。だから、いつ麻生大臣のいわばけじめといいますか、そういうことを自らお考えになるのか、あるいは安倍総理がお考えになるのか、その辺ちょっと私としても今ちょっと推察、考えが及ばないところであります。ただ、少なくとも言えるのは、テレビ朝日の女性記者が勇気を持って行動を起こそうとしたことがありながら、それをいわば国政を愚弄(ぐろう)するような形で[福田淳一]財務[事務]次官が否定をし、さらにそれを財務省の組織の中で忖度するような形で、調査[方法]として女性記者に名乗り出なさいということを求めるなど、やはり今、国全体や世界が向かわなければならない人権に配慮した人間一人一人が尊重される社会に対する意識があまりにも欠けているというふうに言わざるを得ないのかなと思います。
それで、そういうことがありながら、ちょっと今の言動を見ていると、福田次官ご自身ことについては、これは麻生大臣とは違って直接的な立場でしょうから、もっと早くけじめをつけるなり、真実について語るべきなのかなというふうに思って見ております。麻生大臣のほうはどちらかというと任命責任の問題でありまして、個人の素行の問題とはちょっと違う面もあるかなと思いますが、ただ、いずれにせよ、国民の目線というものを謙虚に政権は受け止めるべきだと思います。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
それから社会的な常識を欠如した問題といいますと、新潟県の米山知事の問題も取りざたされているんですが、知事、知事会通して知らない仲ではないとは思うんですけども、これについてのなかなか論評に値しないかもしれませんが、所見がございましたら。
●知事
これもやはり米山[隆一 新潟県]知事のご自身の個人の生活に関わることでありまして、私のほうでコメントすべきものでないだろうと思います。ただ、やはり一定の職責を与えられている以上は、その私生活の全てというのはなかなか難しい面はありますけれども、ただ、世の中のルールというものに対して謙虚でなければならないだろうと思います。米山知事の昨日[4月18日]の会見、あるいは一昨日[4月17日]の会見拝見させていただきますと知事の職にあった以降も不適切な行動があったようでございまして、落選中のことはともかくとして職責にある間のことについては、公人としての自らの立場も十分にわきまえるべきであったんではないかなというふうに思います。ただ、米山知事は財務次官とは違って、非常に早いタイミングで、今週[4月15日]取材受けて、もう即退陣でありますので決断をされたのかなというふうに思っていまして、ご本人は責任を痛感されているように思っております。こうしたことはやはり襟を正すべきこととして自らを律す必要が公務員としてはあるんだろうなというふうに思います。
○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者
他にございますか。ないですね。ありがとうございました。
●知事
はい。どうもありがとうございました。