●知事
日本時間で昨晩[5月24日夜]、[ドナルド・]トランプ[アメリカ]大統領の新しい声明、北朝鮮に向けた書簡が発表をされました。いろいろと最近、風雲急を告げているような感覚もございまして、北朝鮮側では中国と度重ねて直接面談をしたり、それから段階的にもこうした核放棄を進めることと合わせてその新しい米朝関係[をつくる]というメッセージを出し続けていた一方で、アメリカ側は[ジョン・ロバート]ボルトンさん[大統領補佐官]の考え方等々もあるのかもしれませんが、まずは核を放棄してそれから対応するという姿勢であり、最近は北朝鮮側からあまり友好的でないメッセージも出されているところでありました。そういう中、米韓の首脳会談が[5月]22日になされ、米朝協議のお膳立てをしている、そういう詰めを行っているようにもうかがわれるところがございましたが、日本時間で昨晩[5月24日夜]、このトランプ大統領の書簡が明らかにされたわけであります。
6月12日のこの北朝鮮とアメリカとの会談が中止になったこと、それについて北朝鮮側の友好的でない最近の態度についてトランプ大統領の方で懸念をされ、アメリカとして、アメリカの安全のために変な妥協はしないというそうしたことを繰り返し、もし軌道修正をするのであればそれについて電話でも手紙でも今後も聞きますよという、そうしたスタンスを示されたわけです。今朝[5月25日]になりまして、北朝鮮の金桂冠(キム・ゲガン)第1外務次官がアメリカに対して時間と機会を与えるというようなメッセージを出し、この米朝協議、中止になったのは、これは世界的には損失であるというような立場を示しつつも今後にも含みを持たせるという状況でありました。
韓国は最近、北朝鮮との融和政策にかなりのめりこんだ感じがあり、青瓦台(せいがだい)[韓国大統領府]は朝から混乱をしているというようにもメッセージとして受け取れるところがあります。私どもとしては、1つには拉致被害者問題にこれが影響を与えるかどうか見極めなければならないというふうに思っております。基本的にはまだ戦術的なお互いのやり取りの段階ではないかなと思われますし、今後どういうふうに展開するのかを冷静に見極めていくということかなと思います。実は今朝方[5月25日]、政府の足達[雅英]拉致被害者支援室長のほうに当方から状況を聞いております。国としてのスタンスは変わらないとして、今後も米韓両政府と連携しながら拉致被害者の救出に当たっていくというそういう考え方を示しました。また、[拉致被害者松本京子さんの兄]松本孟さんとも連絡を取り合っていまして、松本孟さんは比較的冷静に受け止めておられて、これ、中止ということでありますから、全てが終わったということではないというふうに考えておられまして、今後もしっかりと拉致被害者救出に向けて動いていくことを期待したいと、こういうような主旨でございました。私どもとしてもまずは情報収集、今後もさせていただきながら、この北朝鮮の動向を見極めつつ、地元としては急転直下、どういうふうに動くかということも不透明なところもございますので、今後急展開することもありえるかもしれないということで、来週の月曜日[5月28日]、米子市と実務レベルで話し合いをさせていただき、今後、情報[連携]を密にして動向を見極めていこうということであるとか、やりかけになっています、もし事態が動いてご帰国ということになった場合の受け入れ体制の詳細設計、こうしたところを仕上げながらという考え方で米子市との協議をさせていただくのかなというふうに考えております。いずれにいたしましても、まだ神経質な展開が続くと思います。今後の動向を見極めていかなければなりません。
●知事
先般は原子力発電所3号機につきまして迫谷[章 中国電力]副社長が来庁をされ、この稼動の前提となる[新規制基準]適合性審査「申請」に入りたいとそういう申し入れがきました。稼動の申し入れは松江市、島根県あるいは県内の2市[米子市、境港市]、さらに島根県側の周辺[自治体]にも申し入れがなされたところであります。私どもとして、今、概要説明が完全に仕上がっていないという段階で次のステージに入ったということがございまして、当惑を覚えるというのが関係2市[米子市、境港市]や本県の状況ということではありますけれども、さはさりながら今後どういうふうにこの中[国]電[力]側の申し入れに対応していくか、その方針を考える必要もございます。日程の調整をさせていただきましたが、[5月28日]月曜日の朝に米子市内で[伊木隆司]米子市・[中村勝治]境港市両市長とこのことで協議をさせていただきたいと思います。[原子力安全対策]プロジェクトチームの首長による話し合いということになりますが、この話し合いの場で今後の対応方針どういうふうにするのか、両市長の率直な考え方もお伺いをして、私ども県のほうの考え方のすりあわせをしていかなければいけないと思いますし、また、両市と県とで設置をしております[島根原子力発電所3号機に係る共同]検証チーム、この取り扱いについても話し合わなければならないのかなというふうに思います。
検証チームは、これだいぶ検証を進めてきておりますので、そのフォローアップをしながら新しい適合性審査の申し立ての中に入っているようなそういう項目、新規設備等々分析をしていく、いわば実務の部隊として私は存続してやっていけばいいんじゃないかと思いますが、これ、両市との共同設置でありますので両市長の考え方も[5月28日]月曜日にお伺いをいたしたいと思います。気になりますのは、米子市で実は[6月24日に]市議会議員選挙があるわけですね、ですから、特に米子市長さんが今後の進め方、スケジュール感についてどういうお考えをお持ちなのかなというところはよく留意をしなければいけないだろうと思います。ただ、中国電力の方には、こうして安全協定[島根原子力発電所に係る鳥取県民の安全確保等に関する協定]に基づく申し入れもあったわけでありますから、説明責任を果たすことを求めることも必要でありますし、その辺の交通整理を[5月28日]月曜日にさせていただければと思います。
また、6月補正[予算]の予算編成にこれから入ろうとしておりますけれども、モニタリングポストについて6,000万円ほどかけて、これ国の交付金を活用してということになると思いますが、機能の充実を図る必要もあるなど、私どもとしてもやっていくべきことは3号機の稼動の有無に係わらずございますので、そうしたことは進めてまいりたいと思います。
●知事
高速道路につきまして先般、広島[市]の方に参りまして[川﨑茂信 国土交通省]中国地方整備局長と意見の交換もさせていただき、特に鳥取西道路についての一括早期併用に理解を求めました、要請活動させていただきました。そのやりとりとも関連しながら最近動いているかなと思うんですが、[5月]23日には、[鳥取市]松原というところがございますけども、この鳥取市松原における法面対策としてアンカーボルトを打ち込むという工法変更をしようということで国[土]交[通]省のほうの方針変更がございまして、有識者の了解も得られたということになりました。このような新しい要素もありますので、ぜひ国のほうには、実は私の方でいろいろと強調させていただいたのは、以前名和インター[チェンジ]が早期開業したときに地元で交通量が一気に増えて、いろいろと振動や騒音につきまして苦情も出た、対策工事も必要になったということなどをお話を申し上げたわけであり、そういうことは理解できるという趣旨の発言もございました。
ただ、国交省側としては、今しばらく検討の時間をくれということでございまして、国交省の中で改めて協議したいという趣旨だと受け取りました。さらにその際、県内のハイウェイ整備につきまして申し入れをさせていただきましたが、今日[5月25日]から、山陰近畿自動車道の南北道路と通知をされていますが、福部インターからこっち側[県庁側]ですね、山陰道や鳥取道に結節をさせていく、そのルートづくりに向けたアンケート調査が始まることになりました。今日[5月25日]から夏にかけてアンケートをされるということでありますが、実は広島[市]でも国交省側に申し上げたんですが、以前地元のほうであり方検討会みたいなことをさせていただいて研究成果もあるということを申し上げております。地元のそうした知見も改めて国交省側にお示しをさせていくことも含めて、こうしたルート設定について協力を鳥取市と一緒になり、行ってまいりたいと思います。
また、来週の[5月]29日には全国高速道路建設協議会が東京で開催されます。石井[啓一]国[土]交[通]大臣も出席されると伺っておりますけども、鳥取県の道路整備の必要性についての考え方を会議の場で私からもプレゼンテーションをさせていただくことにいたしております。これからそうした要請活動等精力的に行い、1日も早い高速交通の結節を求めてまいりたいと思います。
●知事
こういう中、観光の需要が拡大をしてくるわけでございますが、民泊につきましては、かねて私どもとしての条例[制定をする]以前での規制のあり方を検討してきたところでありますが、パブリックコメントや常任委員会での議会の考え方等々も伺いまして、今日[5月25日]、民泊のプロジェクトチームを開催して、最終的な運営要綱やガイドラインを確定させたいと思います。
常任委員会でも懸念が出ていたのは市町村との情報共有をしっかり図らなければならないのではないかということでありまして、事前の確認申請を出してもらおうと思います。事業者側から事前の確認申請が出てきた段階で市町村と情報共有を図ることを運営要綱の中にも明記してまいりたいと思います。そして、例えば本人が居住していないマンション等であれば、平日以外の営業とするとか、そうした規制を強化をする一方で、民泊といっても農泊などの交流型、こうしたものはむしろ手続き的にも簡素なものとしていく、こうしたメリハリをつけた運用をこれからやっていくことにさせていただきたいと思います。6月15日にいよいよ動き出します[住宅宿泊事業法の施行]ので、それに向けて事業者の方などにも事前に周知しなければいけませんので、今日[5月25日]にでも発効[民泊適正運営要綱及びガイドラインの決定]をさせてまいりたいと思います。
現在まで相談窓口に寄せられている件数は41件ございますが、制度内容の問い合わせなども含まれておりまして、実際の開設にかかわるような相談は29件で、現実に、ここにこういうふうに開設したいという、申し出のものは3件にまだとどまっております。いずれにいたしましても我々の方でもまずこうした形で、条例ではないですけれども、行政指導の段階でのシステムをつくらせていただきまして、スタートすると。今後必要が生じてくれば、条例等も今後の視野に入れさせていただくと、こういう考え方でやってまいりたいと思います。
●知事
安倍[晋三]首相がロシアへ旅立たれました。[日露]首脳会談を行うことになります。そして[5月]26日に日本とロシアの交流の年がスタートする記念行事が始まります。私どもはDBSクルーズフェリーがあり、その1つの大きな窓口になり得ると思っています。これまでいろいろと交渉等の末、明日[5月26日]モスクワのボリショイ劇場で出発式を行って、国際自動車ラリーを開始をすると。これトヨタ[自動車]さんやマツダ[株式会社]さんなど、日本のメーカーさんも協力されていると伺っています。ロシアの広い国土を横断し、そして9月に予定されますウラジオストクでの東方経済フォーラムに合流をし、その後、DBSクルーズフェリーに乗って、9月14、15、16日の3日間にわたりまして鳥取県内に逗留(とうりゅう)するという予定が組まれています。その後、9月の下旬にゴールをするということであります。これはDBSクルーズフェリーをアピールする絶好の機会でもあり、我々もワーキングチームをつくりまして、その受け入れについて議論させていただきたいと思います。
また、6月補正もございますので、こうしたことも含めた海外からのインバウンド観光対策に必要な経費を上積みし、新しい事業を組んでまいりたいというふうに考えております。県内での関係行事でありますとか、それからいろいろと写真での交流とか、SNSを使った発信だとか、こうしたタイミングを捉えて、ロシア、引いては世界に向けて鳥取、山陰をアピールする機会、DBSクルーズフェリーという有力な交通手段が動いていることをアピールさせていただきたいと思います。
○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者
はい。各社質問をお願いします。
○日本海新聞 今岡浩明 記者
よろしいでしょうか。月曜日に原発の問題について、米子それから境港市長と話し合いというお話でしたが、詳しい時間ですとか、場所等についてはいかがでしょうか。
●知事
大体固まってきていると思います、後ほどお知らせを[県政記者]クラブの方にさせていただきたいと思いますが、[5月28日]月曜日の[午前]9時台だと思います[午前9時から開催]。メンバーとしては中村境港市長と伊木米子市長と私の3人ということであります。率直な意見交換の場でありまして、それぞれこの間、聞いたばかりでありますから、聞いた上でそれぞれ市は市で状況の整理もされたと思いますし、私どもも考え方の整理を始めたところでございますが、まずはロジスティック[論理立て]といいますか、スケジューリング[順序立て]をしていかなければいけないこともあります。中国電力にどういうことを求めていくのかとか、それから先ほど申しましたような検証チームを使った検証のあり方、その可能性、そうしたことであるとか、ちょっと[米子市、境港市]両市とすりあわせをした上で県は県、両市は両市でそれぞれに中国電力との関係づくりを考えていかなきゃいけないと思っています。両市長とも、私も報道で聞いた限りなんですが、県と歩調を合せながらやっていくんだというお話をされたと伺っておりまして、やはり3人で話し合うことから始める必要があるというふうに考えております。
○日本海新聞 今岡浩明 記者
場所は米子。
●知事
米子市内です、はい。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
重ねてよろしいでしょうか。かねてから知事は6月県議会での申請を認めるかどうかというのにはこだわらないというお話をされてこられたと思うんですけれども、先ほど米子市議選のお話もあったと思うんですが、そういったものを含めて6月議会にこだわらないというお話だったのか、それとも6月だけにこだわらず、6月・9月と2回とかというのも念頭においたような話だったのか、どちらに。
●知事
これも繰り返して申し上げていますけども、私たちは周辺地域として、もし、万が一の場合には影響を受け得るという所であります。他方で地元市、立地[自治体]のほうであれば核燃料税、あるいは立地[自治体]の交付金[電源三法による交付金]、いろいろとメリットといいますか、片方でそういうインセンティブにもなり得るような環境整備の仕組みというのは出来ているわけですね。我々の所[周辺自治体]は適用がないわけであります。ですから、私たちは安全のことのみに関心があるわけです。したがいまして、何も急いでないということを申し上げているわけです。先般、迫谷副社長もおっしゃっていましたし、これも報道でインタビューを見ただけですけど、清水[希茂 中国電力]社長もおっしゃっていました。向こうも、中国電力側もいつという、そういうスケジュールを持ちあわせてはいないと、決めているわけではないということで、別に出口戦略をしているわけではないと両者ともおっしゃっていました。
私どもも実は一緒でありまして、出口はいつまでということを考える必要はないと思っています。むしろ両市との協議の中で、できれば両市と県と1つのまとまりとなって答えを出していくというのがいいのかなと思っていますので、両市とも協議をしながらまとまったときに、そこでまとまった答えを出すと。それが可となるか否となるとか、そこはよくわかりませんけれど、両市と協調しながらやっていくというスケジュール感だけですね。ですから、そういう意味で6月がどうしたとか、9月がどうしたとか、7月や8月とか、そういう目線で考えてはいないということです。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
ということは、今度、両市長と会われてお話をされるときも、その、じゃあ、出口はいつかというところを決めるわけではなくって、そこについては自然体というか、その協議をしながら、という格好になるということでしょうか。
●知事
そこがいろいろと御社のお話とやりとりしていて、ときどき違和感を覚えるんですが、うち、別に出口、何も関係ないんですね。出口を決める必要は全くなくて、まとまったときにお返しをするということでございます。それ以上のことはありません。ただ、それに向けていろいろと、今後、例えばお話を聞いていくということになるとしても、例えば住民説明であるとか、あるいは顧問団[鳥取県原子力安全顧問]の取り扱いであるとか、我々もそういうのがございますので、そうしたものを中国電力側にどういう形で求めていくのか、その辺やっぱりスケジュール感もある程度持ちながら、これから折衝していくことになると思うんですね。ですから、今はまだ中国電力に、いつ、どこに来いということは何も話をしてないんですけども、これからまずは3者[県、米子市、境港市]で話をして、持って来られた以上、ちょっと中身も聞かなきゃいけないってことで多分そうならざるを得ないと思うんですが、そうした設定などをどうするのか、この辺を話し合っていくということですね。それで、そこの場で何日に決定をしましょうということを話し合うつもりは一切ありません。
○日本海新聞 今岡浩明 記者
逆に話の流れ次第によっては6月議会で、あと各県市ですね、の6月議会でまとまるということもあり得るというお考えでしょうか。
●知事
それはちょっとやってみないとわからないことだと思います。ですから、さっきから申し上げておりますが、別に出口戦略というものを議論する必要はなくて、我々としては出口を出たら回答しますという、そういう姿勢でないといけないと思います。何か、日にちが決まっていてその日にちに向けてとにかく検証したということだと形式に堕する可能性がありますよね。やっぱり中身として皆さんの比較的コンセンサスが得られる形のところで回答案を最後は考えていくということになりますので、そこをまとめていく作業は若干日にちがかかるものだろうと思います。だから、6月に仕上がるかどうかっていうのはちょっとわからないですね。それで、そういう中、さっきちょっと懸念を申し上げましたのは、米子市はちょっと市議会議員選挙を控えていますから米子市がどういう考え方でいらっしゃるのかというのは、私は関心を持っているということですよね。
○日本海テレビ 前田俊博 記者
知事、安全協定の事前申し入れの勉強会と事前報告とちょっとその辺のところでの捉え方があって、その辺の部分、米子市、境港市と県とも話し合っていく中で、1つ大きな捉え方としては意見を出すっていう形であれなんですけど、回答という、その辺のところ意見なのか、どの辺のレベルまでの何というか、中国電力さんに返す内容ですね、その辺のところがちょっと位置づけみたいなところを解釈として教えてもらえますか。
●知事
我々は平成23年に福島[第一原子力発電所]事故後に、こちらに中国電力が来られたとき、申し入れをさせていただいて安全協定の協議をさせてもらいたいと、それで向こうは結局応じてくださったんですけど、そのときから実は交渉はしているわけです。我々は当然ながら立地[自治体]の協定がありますからそれと同じものをつくってくださいというのが出発点です。ただ、中国電力には中国電力の考え方があって両者が合意しない限りは協定というのは結び得ないわけでありますから、合意点っていうのを探りながらも我々としては立地[自治体]と同じものをつくりたいと、それでそのぎりぎりの交渉をしていったわけです。そういう中、両者いろいろとやりとりをさせていただきましたが、事前報告に対する意見という書き方にはなっているけれども、これは尊重するんですよと意見を。それで、それについては信義誠実にその意見を取り扱うということが実は書かれているわけです。
これは実質的な内容としては鳥取県周辺が、ノーと言ったら前に進むというようなものではないよということをも言っているわけです。これはお互いのニュアンスのやり取りなので、そういうようなことのやり取りの中で、だから、我々は実質的な事前協議というふうに我々は見ていると。それで、ただ、文言が正確には違う文言が使ってあるもんですから、それについてはその後も実は2度、3度、文書のやり取りもしていますが、立地[自治体]と同等に扱いますよという回答が寄せられてきていますし、この間、迫谷副社長お見えになったときも、平井の方の言葉は重く受け止めた上で立地と同じように真摯に対応していくということもおっしゃっておられましたので、その実質はあまり大きくは異ならないはずだと思っています。ただ、今後どういうふうに運用されるかが大事でありまして、運用がどういうふうにされるかは我々も注目していかなければいけないですし、もともと同じ文言を求めていますから、そういう協定の拡大といいますか、前進について、我々としてはねばり強く中国電力側にも今後求めていくというものであります。
○日本海テレビ 前田俊博 記者
すみません。立場によっての違いとか、齟齬、それぞれの見方があると思うんですけども、やはり安全協定の中では意見という形では中国電力、形になっているんだけども、周辺であり、鳥取県側としては限りなく回答というか、態度表明に近い形でのやっぱり捉え方としてということでよろしいですか、若干曖昧なところがあって。
●知事
そうですね。だから、立地[自治体]の場合は合意というものがあるわけでありますが、それと同じようなものであるというふうに我々は解釈して運用すべきだと思っています。それで、中国電力はそれを否定はしていないんですね。むしろ同じように扱いますという回答を今まで寄せてきていると。それで、ここから先は信頼関係の問題になってくるんですけど、我々としてはそうした信頼関係を大切にした運用をしてもらわないと困りますよと再三申し上げているところです。
○日本海テレビ 前田俊博 記者
鳥取県という捉え方だけでは困るという感じですよね。今のお立場としてね、このままではね。
●知事
つまり、全く立地[自治体]と周辺[自治体]では重みが違いますよと言えば我々はおかしいだろうと言いに行かなければいけないですね。ただ、向こうはそういう言い方は実はしていなくて、少なくとも我々周辺に対して立地と同じように扱いますよと言っています。
○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者
すみません。その安全協定に関してなんですけれども、関連する質問なんですけれども、22日、立地自治体として申し入れを受けた松江市の松浦市長が立地自治体の意向が最優先されると、この問題に関して。それから船頭が多くても困ると。受け取りようによっては周辺自治体が求めている立地自治体並みの協定改定を否定するとも受け取れる発言されたんですけれども、それに関してはどのような所感ですか。
●知事
これも繰り返し申し上げていますが、立地自治体がやはり大きな影響を受けることは福島事故の現実でもあるわけでありまして、帰宅できないという状況が周辺以上に長く続く蓋然性が高い。それで、むしろまるで接収されたかのように今後は緩衝地帯的になるかもしれない。そういう立地の厳しさというのは、我々は同じ山陰に住んでいる、行政を預かっている身として、そこは理解しているわけであります。ただ、その上で周辺[自治体]も影響を受け得るわけでありますから、周辺[自治体]の発言権、考え方というのも尊重されなければならない。それで、それは住民の命やあるいは暮らしの重さというのは、一人一人は変わらないわけですから同じような重さで考えてもらいたい、それが我々の気持ちであります。それで、最後は結局、中国電力がどう判断するかなんですね。意見のやり取りなり何なりということがあって、そうした手続きが立地[自治体]側でも進み、周辺[自治体]側でも進んで、仮に正反対の話が出てきた場合にどうするかは、最後は契約の相手方である向こうさんの問題、中国電力側の問題になるわけですね。そこで中国電力側の見識なり、理解が試されるということだと思います。
だから、松浦[正敬 松江]市長がおっしゃっているような立地[自治体]の考えというのは尊重されなければならないということを私は、否定はしていないんですね。立地[自治体]の大変さも理解をした上でやはり周辺[自治体]の意見というのもまとめていただく必要があるだろうと、それで、溝口[善兵衛 島根県]知事は多分それと同じようなお考えを再三おっしゃっているんだと思うんです。それで、この間の[5月]22日の[島根原発3号機の新規制基準適合審査申請の事前了解の申し入れ]ときも、溝口知事は立地[自治体]そして周辺の考え方をまとめた上でこれについて答えを出していかなければいけないというふうにおっしゃっていまして、周辺[自治体]という言葉を非常に重く使っておられました。そのお考えというのが我々としても非常に心強いというふうに考えております。
実は全国の原発サイトの中でもこういう安全協定を結び、周辺も同じようにモニタリング等々の安全対策を重点的に行い、共同で避難訓練を行い、機能している所というのは他にないんですね。それで、山陰独特の、私はあるべき姿だと思っていますが、こういう新しいやり方はまだ始まったばかりでありまして、これからどう運用し、住民の安全・安心、そして地域を守っていくのか、そこの成否が一番大切だと思っています。単なるメンツ論だとか、あるいは何かこう形式的な法律構成等だけで私は動くべきではないと思っていまして、実質、安全や安心が担保されるシステムというものを私たちは一歩一歩追及していくということだと思っています。
○日本海テレビ 前田俊博 記者
知事、すみません。米子市、境港市と一緒に歩調を合わせて鳥取県側、わかるんですけども、一方で立地側といいますか島根県のほうで島根県の進め方というのがあって、先ほどの中で、じゃあ、今とは言いませんけど、少なからず遅くならない範囲なのかもしれませんけど、島根県との話し合いというものも、原発に対しての、その辺のことっていうのも全く関係なく鳥取県側で進めるというのはちょっとその辺のところすり合わせとはいいませんけれども、その辺のところは立地側との話し合いなのか、その辺の少なからずの立場が違っても、いうような情報共有なのか、その辺いかがですか。
●知事
そこは、まだ仮定の議論みたいなことできちんと今、画も描ききれてないところなんですけど、始まったばっかりのシステムでよそでもあまり例のないこと我々やっています。それで、例のないことの1つが、溝口知事の方で私ども鳥取県の周辺の意見、もちろん島根県内の雲南[市]や出雲[市]など[周辺自治体の]そうした意見も含めてということになりますが、そうした周辺[自治体]の意見を聞いた上で島根県として回答しますという覚書[島根原子力発電所周辺地域住民の安全確保等に関する覚書]もこれ別途結んであるんですね。それで、これが入っているところはよそはないと思います。それで、この場面で私たち周辺[自治体]と立地[自治体]との事実上のすり合わせということをしていくことになるんじゃないかなと思います。それで、これまでの状況、[島根原子力発電所]2号機の[新規制基準適合申請の]ときに回答したような例がございますよね、ああいうとき、我々が出した意見も入れながら島根県として回答されています。
ですから、そういう意味で調整機能を島根県知事も大変に難しい調整ではあるかと思いますが、その役を買って出ていただいているということではないかなというふうに思っています。我々が目指すところは、利害相反しているわけではなくて、安全をどう確保するかという点では基本的に一致をしているわけです。だからこそ今まで共同でやってこられましたし、よそにはないシステムをつくってこられたと思っています。ただ、その実質は運用によってできてきますので、これから3号機の議論が動いていく中でまた新しい運用の積み重ねというのが行われるだろうと思いまして、こうしたもの踏まえていって山陰型の安全の確保のシステムが出来上がってくればなと思っています。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
関連してなんですけども、昨日、関西広域連合の方で再稼動の判断を周辺自治体の意見も取り入れたようにというような話を国に要望していくということが決められたようですけれども、そうであれば島根原発の周辺、島根側も鳥取側も含めて連携してそういうような意見を国に対して求めるっていうような、関西は関西広域連合は関西広域連合であるんでしょうけれども、島根原発の周辺でもまとまって国に要望するっていうような考えもあるかと思うんですけども、その辺についてはどう思われますか。
●知事
それもお話はいろいろとこうして出でくるんですけど、実はご本人から聞いてないんですよね。それは[長岡秀人]出雲市長さんがおっしゃってこられたら考えますけども、まだそういうやりとりをしたことは実はなくて、ただ、同じことを言っているわけです。多分あちらも国に出しているんじゃないでしょうか。それで私どもは私どもで県としての要望書を、これは内閣府や経済産業省の方にお持ちをしてやはりシステムとして、周辺[自治体]の意見を反映したやり方をつくるべきだということを再三求めているところであります。ですから、多分あちらもされているんだと思うんですね。それで溝口知事も同じようなことを多分おっしゃって要請活動もされているんじゃないでしょうか。周辺の出雲市長さんとかあるいは安来[市]、雲南[市]そうした[周辺]地域でも同じようなことを考えられるのであれば、それを国に要請されればいいのではないかなと思いますし、一緒にやろうとおっしゃるのであれば我々もちょっとこちらの2市[米子市、境港市]と相談してみますけども、ただ、そうした打診がない、新聞紙上以外で打診がないもんですから、ちょっとわからないです。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
鳥取県側から呼びかけるっていうようなことはされないんでしょうか。少なくとも大きな塊で個別にやるのはもちろんそうなんですけども、大きな塊でやっていったほうがそれは気運っていうのは高まってくるのではないかと思うんですけども、その辺も含めて鳥取側から打診をされるようなことはないんでしょうか。
●知事
これは我々も直接国に求めたり、中国電力に求めたりしていまして、大きな不都合を感じているわけでは正直まだございませんで、ただ、多分要望出せばそれで聞いてくれるというもんではないんですね、むしろ戦略の問題だと思います。それで、関西広域連合の方はある意味影響力は単県[県単独でという]よりは大きいでしょうから、それで我々のほうで、そうした意見も申し上げてこの度もそれ取り入れていただきましたけども、こうしたことを積み重ねていくんだと思うんです。また、こうした仕組みづくりなども、私も全国知事会でもお話も申し上げておりまして、国への要請事項の中に一定程度、私がこうして主張していることも取り込んで書いていただいています。だから、ある意味みんなが言っているよという形をつくるっていうのは、政府を動かす要因にもなるかなというふうに思いますし、また、中国電力に対しても一定の効果もあるんではないかなと思います。要望のメンバー増やしたらそれで解決するっていうほど単純でもなかったですね。それで、我々もこれまで相当苦労してここまでやってきていますけども、それは出雲市長さんなりに、もしお考えがあるのであれば今後お伺いをさせていただきますが、あらゆるチャンネルを捉えて我々としても働きかけをしてまいりたいと思っています。
○NHK 佐々木良介 記者
すみません。もし、原発の関連なんですけども、安全協定では申し入れの報告に対して意見ということになっていると思うんですが、今回のようなケースでいうとその意見っていうのは境港市とか米子市とまとまってということですけども、それはその中国電力が国に出そうとしているその審査の申請を認めるか、認めないか、みたいなそういう意見っていうか、そういう回答になるっていうことですか。
●知事
いや、[5月28日]月曜日はそこの回答案までいきません。実はちょっと混乱しているんですね、我々の方は。まだ今、概要説明を聞いていたところで、両市長さんにしてみれば視察に行かれたわけですね。視察に行ったら何か帰ってくるころに、[5月]22日に次の段階のを持っていきますよという話になっていて、一体どうしたらいいのかなという正直なとこだと思います。それで、私どももそういう戸惑いもあるわけでありまして、今まで実は概要説明を聞く体制をつくってきたんですけど、今後どういうふうにそういう体制で臨んでいくのかとか、そこを話し合うということであります。回答案はまだその後ですね。まずは、向こうは説明をしに来なければいけないはずでありまして、そういうのを我々が受けていくのかどうか、なかなか受けないっていう選択肢はないと思うんですけど、受けていくのであればどういうふうに今後スケジュール調整をしていくのか、その辺が[5月28日]月曜日だと思っています。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
先般から知事の方から混乱とか戸惑い、それから信頼関係がこれから大切になるという話も先ほどありましたけども、協定上、島根県とその文言は違うんだけども、実質は違ってはならないということなんですが、これまでのそうした事前報告に至るまでの経過の中で、知事が再三信頼関係という言葉を出されるのは、やはり積み上げてきた信頼関係が少し緩んでいるという認識があるのかということと、今後そのことが判断に与える影響等についてはどういうふうに思っていらっしゃいますか。
●知事
実は安全協定を結ぶ時も県民の皆さんの間にはいろんな戸惑いもありまして、賛成してくれた人たちが非常に多かったから、こうして安全協定結びましたけど、共産党などは反対をしたわけですね。どうして反対したか今でもよくわかんないんですが、今は安全協定を強化しろというのを条件に知らない間にこう運動されていますんで矛盾しているように思いますが、いずれにいたしましても、いろんな議論が実は安全協定を結ぶ時もあったわけです。その後、安全協定を結び、さまざまなやりとりを積み重ねてきまして、多分県民の皆さんの間にはこの安全協定に基づいて立地[自治体]と同じように中国電力が我々に向き合ってくれているという感覚を実は持ってくれ始めていたんじゃないかなと思います。それで、私もそういうふうに思っておりました。
ただ、最近どうもスケジュールありきで物事が動いているように多くの方々が御指摘をされるとこもありますし、結局やっぱり立地[自治体]と周辺[自治体]と取り扱いが違うんじゃないかと、こういう声、不信感も言われるようになっているのもまた事実なんですね。それで、これは多分最近のいろんな報道であるとか、それからさまざまな発表といいますか、スケジュールの発表とかいろんなことが影響しているんだと思いますが、こういう進め方っていうのは本当に周辺[自治体]を考えてくれているのかなという声が出ているのも事実であります。ですから、せっかくよそにはない安全協定を結んで信頼関係をつくりながら一緒になって安全っていうものを考えていこうという、そういう流れができていたわけでありますから、その基本をもう一度大切にしていただく必要があるんじゃないだろうか、信頼が揺らぎかけていると捉えられている向きもありますので、そういう信頼関係が崩れないようにきちんと真摯な対応を中国電力は今こそすべきではないかなというふうに申し上げたわけであります。
先般、迫谷副社長がお見えになったとき、こうした我々の懸念を受け止められた表情はされておられまして、真摯に対応していくという姿勢でいらっしゃいましたので、今後また配慮ある関係づくりをされるのではないかなと思っております。
○朝日新聞 横山翼 記者
話が変わるんですけど、鳥取西道路の関係でできた、広島の方で国交省の側に要望されたということで回答には時間をくれということだったということなんですけど、受け止めとしては前向きに受け止めてもらったというふうにお考えでしょうか。
●知事
それ以上の言葉はなかったのでちょっとよくわからないんですが、やりとりは地元の状況を御説明申し上げて浜村温泉のところ[鳥取西道路(浜村鹿野温泉インターチェンジから国道9号に至る県道)]、ここを[多くの車両が]通過すると。それで、ここに学校などの生活圏域があって、それを横切るわけでありますけども、最近の山陰道の使われ方は通過交通でトラックが走るケースが非常に増えているように思われます。割と規格は悪くない道路ではあるんですけども、ただ、名和のとき[名和淀江道路名和インターチェンジまでで部分供用した時]も、実は名和インター線[県道旧奈和西坪線]っていう道路をまずはつくった[改良した]わけです。それで、ある程度、規格の受け皿を用意しましたけど、それでも[多くの車両が流入したことで]振動や騒音という問題を指摘されたということもあったと。それは鳥取県の県民は皆、記憶しているもんですから、今回も一部だけの開業だけというよりは一体供用のほうが望ましいんじゃないかと、こういう声があるんですよということを丁寧に説明をしたんですね。
先方[国道交通省]は名和のことをあまりちょっと代替わりしていて知らなかったようでありまして、そういうことなら理解はできますと。ただ、これは関係諸方面との調整もあるということだと思いますけども、今、はい、わかりましたというわけにはちょっといかないので、また改めて関係方面とも調整しなきゃいけないという趣旨だと思いますが、今、少し時間をくださいと。今日は、ちょっと回答はできませんと、少し時間をくださいという言い方でありました。
○朝日新聞 横山翼 記者
それに絡んで、松原のほうの追加工事が一体供用に与える影響っていうのは、知事のほうではどういうふうに見積もられているんですか。
●知事
どういうふうになるかわかりませんが、私の単純な頭の計算からすると、当然ながら松原でアンカーボルトをこう打っていく、それはそれ相当の追加のタイムスケジュールが必要になるということじゃないかなと思うんですね。実は、松原の方は鳥取西インターから浜村鹿野温泉インターチェンジの間でありまして、こっちは先行開業するというふうに言っている所ですね。それで、ここに工期に影響するような話が出てきたのかなと思われますので、場合よっては一体供用という面もある方向での話じゃないかなと思います。ただ、ちょっとあちら[国土交通省]がどういう工期完了をされるかというのはちょっとよくわかりませんで、我々としては地元の考え方を申し上げさせていただいたところです。
○中国新聞 小畑浩 記者
すみません。話はまた別件になるんですけども、民泊の件で運営要綱ガイドラインを今日固めるということなんですが、改めてにはなるんですけども、全国の中には、中には倉敷市のように条例で規制するとかということもあるんですが、条例ではなくて運営要綱やガイドラインにするという、その考え方を改めてお聞きしたいんですね。それから全国でいろいろな対策の動きがある中で、この鳥取ならではのこのガイドライン運営要綱などの運営の特徴ですとか、もしかその民泊にかける期待ですか、そういったところもお聞きできればと思います。よろしくお願いします。
●知事
私自身も[一般社団法人 日本]ファームステイ協会の会合を、来週することにいたしていまして、上京してそこに行くことにいたしておりますが、今、新しい観光需要が特にオリンピックに向けてあると思われます。それは都会の豪奢なホテルに泊まるということだけでなくて、せっかく日本に行ったんだから[日本の人と]触れ合ってみたいとか、日本の文化や食、あるいは農業等そうした活動に体験の輪を広げたいと、こういう人たちも少なからずいますし、現にそういう旅行商品が成立し始めているわけです。そういう中で民泊というとやっぱり2通りあって、1つは資産運用型の民泊。都会地ではマンションがたくさん出来ていまして、多分飽和状態を通り越し始めていると思います。そういう中、資産運用として民泊で提供することで、宿泊料で収益を上げていこうという、そういう考え方の民泊もあるかと思うんですね。それと対峙して、例えば自分は今住んでいるので、せっかく住んでいるここに泊まってもらっておもてなしをしたいという、日本らしい交流を考えておられる所とか、中山間地で事実上使っていないような所を日本らしい宿泊先として活用してもらおうと。それを地域で応援をして交流型のお客さんを増やしていこうと、こういうところがあると思うんです。
資産運用型については、これはいろんな問題を惹起(じゃっき)する可能性がありますけども、それ以外については鳥取は宿泊のキャパシティはそんな多くなく、先般のポケモン[平成29年11月24~26日開催の「Pokemon Go Safari Zone in 鳥取砂丘」]のときもあっという間に満杯になってしまいまして、よその地域へスピルオーバーしていくわけですね、収容しきれなくて。そういうような土地柄でありますので、いざというとき[のために]泊まれる所[を増やす]というのはあり得るわけでありますし、そんなような意味で幅を広げていく支援も必要なのかなと思うんですね。だから、民泊について規制する一辺倒ではなくて、むしろ奨励していくといいますか、環境づくりを我々地域としても協力していく民泊もあるだろうと。それで、そこを使い分けながら、カテゴライズして対応しようというのが鳥取県の特徴であります。
片方で補助金も含めた予算措置もさせていただいていますし、細々した書類をつくるのはおじいちゃん、おばあちゃん[であり、]難しければ、窓口でも協力してやるようなことぐらいしてもいいんじゃないだろうか。こんなようなことで、今、動かそう[作成しよう]というのが今回の運営要綱及びガイドラインによるものであります。私は、実はもともと[民泊事例の多い]京都市の門川[大作]市長からもだいぶいろんな話を伺っていて、条例の必要性というのを感じていました。それで、庁内でも検討するようにというふうに言った時期もあるんですけども、我々のほうで調査をしてみますと京都[市]のような、例えば環境上のトラブル、それから騒音等のいざこざ、そうしたものが本県ではなかったです。ですから、今現在そういう差し迫った問題が生じているわけじゃないので、法律的な規制を持って対応するには至らないかもしれないと。そこで条例という手段は最終的には控えましたけれども、それに至る前提として、例えばお泊りデイサービスというか、ああいうことでやっているようなガイドラインによる指導というのもあるんじゃないだろうかと。
お泊りデイサービスは本県も全国紙で取り上げられて問題を指摘された県なんですけども、条例ではなくてガイドラインでやり[対応し]ましたけれども、それで弊害は除去されました。ですから、別に条例が必須ではないのかもしれません。そういう意味でまずは条例ではない仕組みでやってみようと。ただ、これから何年もこうしたことは続いていきますし、もし対応すべきことが出てきたり、具体的な弊害が生まれてくれば、法的規制ということも視野に入れつつ我々としてはスタートをしようということであります。
○毎日新聞 園部仁史 記者
すみません。旧優生保護法の関連で23日に審議会で例外の規定が適応、認められたと思うんですけども改めて知事の受け止め方と今後について具体的な考え方があれば教えていただきたいと。
●知事
やはり被害者に寄り添っていくのが我々の努めであると思います。そういう意味でそうした寄り添った対応をするために調査をする必要があり、市町村と共同してやっていこうとしたわけでありますが、この個人情報保護の規制が、やはりその際、市町村の積極的な協力をいただく弊害、バリアになってしまうところがございました。それで今回[5月23日に開催された 鳥取県]個人情報保護審議会で、救済という目的での[個人情報収集等の制限の]緩和をしてもらいましたので、これをもとに市町村と話し合う素地が出来たと思います。実は今までも下準備として市町村側との協議も始めておりましたので、今後そうした市町村との共同調査のステージに入っていくと思われます。我々としては、被害の実態がどうであるのか、また、今はまだ県内では救済の訴訟を提訴されたかたはいらっしゃいませんが、もしそれ[訴訟]に参加されるというのであれば、弁護士グループのほうにつながせていただき、その訴訟追行の環境づくりを支援していこうというふうにも考えておりまして、その端緒が開かれる可能性があるのではないかなというふうに思っております。また、その被害者の実情に寄り添うことで、我々行政サイドとしてなすべきことが見えてくれば、それに真摯に対応していくということも必要になるかもしれません。ただ、大切なのは被害者の人格や平穏な生活ということもございます。デリケートな問題を含んでおりますので、そこに十分配慮しながら我々としてもそうした調査や面談等に当たっていくということでまいりたいと思っております。こうした趣旨を十分徹底させながら、私どもでプロジェクトチーム[旧優生保護法に基づく不妊手術に関するワーキンググループ]をつくりましたので、そうした方向性で動いていきたいと思っています。
○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者
ほかは質問ございますか。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
すみません。日露関係のDBSを使ってそのラリーが来るという話があったんですけども、改めてこれに期待される点と、それからこのことが地域間の交流発展ですとか、それから航路の活用などに与えるインパクトについて改めて一言お願いします。
●知事
日本政府は非常にロシアとの経済交流等を推進しようと動いていまして、私ども兼ねてから、ロシアとの交流をやってきた地域からするとちょっと時代が変わったなというふうにも感じるくらい政府の方で私たちに関心を示してくるんですね。例えば7月にGTI[広域図們江開発計画]という国[際]連[合]の開発計画の地方会議を行いますけども、これを鳥取でやるに当たりまして政府の方でも出席しようというような動きがあります。これまででは考えられないくらい関心を寄せてきておりますのは、多分昨年[平成29年]のウラジオストクで開かれた東方経済フォーラムのときに私の方で安倍総理やそれから世耕[弘成]経済産業大臣など御臨席の中で鳥取[県]の取り組みついて発言をさせていただいたことで、あんまりこの国の上層部に十分認識がなかったところ、鳥取県が実はロシアの窓口になり得るということが認知をされてきたのかなというふうにも思います。それで我々がそのパイプ役を果たすことができるようになれば、そうした新しい経済や文化の玄関口として鳥取の発展の道筋というのも見えてくるかもしれないというふうに思っています。
実はこのたびの国際自動車ラリーでありますが、これは明らかにプーチン政権のお墨付きといいますか、肝いりのものだと思われます。それで、その[ウラジーミル・]プーチン大統領とそれから安倍総理が共同してこの事業を行っていこうということだと思います。それがDBSクルーズフェリーに光が当たったわけでありまして、そういう意味で今までにないチャンスが訪れたという面があるだろうと思います。これ、単なるラリーということでありますが、自動車会社も絡んでいますし、ロシアの中での報道も当然ながらあると思います。それで、ロシアから日本に国境を越えて来るのが境港という結節点になること、これを上手に我々としてメディアプレゼンス、情報発信ができればこれはロシアや世界の関係先にある程度インパクトを与えるものになり得るんではないかなと思います。だからこそ安倍総理それからプーチン大統領立会いの下で[5月22日]土曜日に出発をするということでありまして、非常に大きな意味があると思いますし、多分9月にウラジオストクで会合が開かれるとき、そこには多分、プーチン大統領や安倍総理の出席もあり得るわけでございまして、そういう国家的な両国間の共同行事としての色彩が出てくると思うんですね。そんな意味で我々としても地域としてしっかりと受け入れ、ああいうところならまた自動車で行ってみたいとか、あるいは自動車に乗らずとも旅もしてみたいというようなかたがた、またその中で鳥取県ということ認知が高まれば、沿海地方では鳥取の認知度は非常に高いですけど、モスクワなどロシア全体で鳥取への鳥取というところのステータスというものが向上するきっかけになると思っております。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
DBSは長らく積荷の確保が課題なってきているわけですけれども、これで認知度が向上すればその物流ルートとして存在感がより高まるということの受け止めでしょうか。それらか将来さらに一歩進んで増便みたいなこともやはり県は視野に入れて活動していかれるのか。
●知事
まだ経営が必ずしも安定していないといいますか、特に積荷のことで課題もあるDBSクルーズフェリーであります。ロシアでAPEC[アジア太平洋経済協力]開催をされたときは好調だったんですけども、終わった後は非常に積荷探しに苦労しているという状態です。今回[DBSクルーズフェリーには]自動車ごと乗りますので、ああいう定期貨物航路があるんだなということが広く認知されるきっかけになると思います。これで日本側での我々のポートセールスもあるいはロシア側でのポートセールスもやりやすくなるんではないかなと期待しております。
○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者
はい、他はございますか。ありがとうございました。
●知事
はい、どうもありがとうございました。