●知事
皆さん、おはようございます。このたび、世界中の注目を集めましたアメリカ[合衆国]の中間選挙が執行されました。[ドナルド・]トランプ[アメリカ合衆国大統領]政権に対しまして下院の多数派は民主党という審判をアメリカの国民が下したわけでございます。上院のほうは他方、共和党側が健闘しまして過半数の確保ということになり、また、[州]知事選挙におきましても共和党の善戦ということも言われていますが、共和党から民主党のほうに替わったニューメキシコ州など、民主党のほうに少し針が振れたという結果だったかなというふうに思います。これからどういうふうに世界の情勢、特に我が国、本県にかかわることとして経済動向などが影響してくるのか、この辺は注意すべき状況になってきたのかなというふうに思います。
私どもで言うと、例えば自動車の部品産業が数多く立地し始めている状況がございましたり、さらに農産物等々、私どもも[アメリカと同じで]和牛や乳牛などそうした農家も多いところであります。この辺がまだ不分明でございますけれども、アメリカの政治が変わることだけは間違いなかろうかと思います。日本時間の今朝[11月8日朝]早くトランプ大統領の記者会見というようなことになったわけでありますけども、その中で日本に対しては貿易について不公正な状況が続いていると、安倍[晋三 内閣]総理[大臣]にはそのことを常に言っている、こういうトランプ大統領の表現がありました。これからどういうふうに動いてくるかはまだわかりませんけれども、下院と上院がねじれることによりまして予算の執行、予算の成立することは難しくなります。アメリカの場合、議会が予算案を書くという仕組みでありまして、それに対して大統領は教書でこういう予算を作れというような方向性を示すものでありますが、そういうような中でありますので、なかなか内政については今後、例えばいろいろと社会保障の問題とか、さまざまなことで挑戦しようとしているトランプ政権でありますけども、いろいろと不協和音が出てくる可能性が強まったと思います。
他方で、大統領のほうに権限移入をしている通商外交のほうにつきまして、これについては包括委任、通商政策でやっていますので議会側から大統領に授権されているという状況があります。ですから、恐らくアメリカと中国との関係なども含めまして、これから国際経済について波風が立つ方向に向かうのではないかという懸念も今回の[中間]選挙で感じたところであります。本県としては、今日[11月8日]国際経済変動対策会議というのを召集させていただこうと思います。まずは庁内でこうした状況の分析をして、今後、アメリカを発信点にしてどういうふうに経済変動が襲いかかってくる可能性があるのか、我々としてどういう対策を考える必要があるのか、この辺のまずは情報共有を図ることといたしたいと思います。それで、合わせてこの国際経済変動対策会議の中で私たちとして、TPP11[協定](環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)が12月発効しますし、また、日EU・EPA(経済連携協定)、これも[早ければ]来年[平成31年]2月発効ということが迫ってきています。こんなようなタイムスケジュールが見えてきた中で、国に対してどういう働きかけをしていくのか、我々としてどういうことを考えていくのか、この辺が1つの焦点になってこようかと思います。
私どもとしてはそういう国際情勢を踏まえて国のほうに要請活動をする必要があるだろうと思います。こうした要請活動をどういうふうにするのか、ちょっと庁内で今日[11月8日][国際経済変動対策]会議をさせていただきたいと思いますし、また、今後11月補正[予算]以降、対策としてどういうことを考えていくのか、この辺も盛り込んでいくべき事項を考えなければなりません。例えば、11月補正[予算]の中で、今、検討をしようかといい始めておりますのが、農業用ハウス、鳥取型の低コストハウスの導入促進を図っていくと。国の方でもこういうTPP対策なども出てきておりますので、そういうのも活用しながら、2億円余りそうした事業をさらに追加していく等々、県内の農家等の声も出てきていますので、考えていく必要があるのかなと思っております。そんなようなことをまずはやっていく必要があるのかなというふうに思います。
●知事
[免震オイル]ダンパーにつきましては、[鳥取県立]中央病院[新病院]で取り外しがなされまして、[カヤバシステムマシナリー株式会社の]三重[県]の工場のほうに運び、そこで検査を、一時検査をしたところでございます。その結果がこちらのほうに入ってきたわけでありますけども、5本のうちの1本は[国土交通]大臣認定基準への不適合であったということでありました。また、4本は、大臣認定基準は満たしているけれども、KYB[株式会社]として考えている社内の[自主]基準、これは満足していないと、そういう意味で社内基準不適合ということでございました。結果5本とも不適合であって正常な出荷としてこちらに持ってこられて設置したというものではなかったということであります。
改めてこうした体制に、やはり企業として安全に対する責任を果たしてないのではないかと、そういう憤りも感じるところでありますし、今後適切にそれを調整した上で設置をしていただきたいと思います。今のタイムスケジュールでは12月14日まで[に基準を満たした20本すべての免震オイルダンパー]の納入ということについて遅れをきたすものではないと考えられます。そういう意味でスケジュール上の問題はないのかなと思いますけども、そもそもどうしてそういうものが出荷されて設置をされたのかということについては改めて疑問を強く持った次第でございます。そういうようなことの状況もございますので、私どもとして改めてこういうダンパー問題について、県立中央病院については今、1つの方向性が出ましたが、まだ、日本赤十字[社]の[鳥取赤十字]病院、それから西伯病院についてはまだ調整が必要でございます。
そうした意味で県庁でも、このダンパー問題[対応]の相談窓口というのを本日[11月8日]設置をさせていただいて、なかなか今回5本出して5本とも不適合ということでありますので、実は実態として我々としても憂慮(ゆうりょ)すべきものがあるのかなというふうにも思われますので、この辺について体制もさらに強化した上で、残り2病院とも調整をしながら連帯して相手方と交渉に当たっていく体制をとらせていただきたいと思います。
●知事
昨日[11月7日]は[平成30年度第6回原子力安全対策PT会議に]中国電力を呼びまして、私どもとして、米子市、境港市と一緒に事情を、聴取をさせていただいたところであります。そこで我々としても申し述べた考え方がございますが、そういうものをまとめて、できれば今週中にも、文案を固めて中国電力に要請書、申入書を発出する方向で、今、[米子・境港]両市と調整を始めております。中身としては昨日[11月7日]いろいろと3人で話した内容を包括するような形になろうかと思いますが、まず、今回のような事態[島根原子力発電所3号機の申請書について9月4日の審査会合で補正が必要と指摘を受けたこと、また10月30日の島根原子力発電所2号機の審査会合前のヒアリングにおいて審査説明資料が受理されなかったこと]というのは遺憾であるということ、それから住民、地域に対する説明責任を果たすべきであるということ、それから3つ目として原子力安全協定、これについては改めてその改定ということを申し入れる、こうした3つのポイントで文案を取りまとめることになるんじゃないかなというふうに考えております、今、調整を始めたところでありますが、できれば今週中に発出をさせていただき、私どもとしての態度表明をさせていただければというふうに考えております。
●知事
昨日[11月7日]は鳥取港の市場が大いに沸きました。全国の報道、全国紙やテレビ局でも報道されたところもありまして、驚きと鳥取[県]のカニのすばらしさそれをアピールする1つの大きなきっかけになったかなというふうに思います。そういう意味で市場関係者にも感謝申し上げたいと思います。今回の200万円という[史上最高]値がついたカニは重さが1.28キロもございまして、14.6センチという甲羅のなかなかの大物でありまして私も姿を拝見しましたが、美しいそういうフォルムもありますし、大変にカニとしての高級感、五輝星(いつきぼし)にふさわしいものだなというふうに拝見をさせていただき、皆さんと喜びを共にしたところであります。
こういうようなことで恐らく日本一というよりは世界一の値段がついたのかなというふうにも思われますので、今月[11月]24日に東京の恵比寿ガーデンプレイスにおきまして、「蟹取県 世界一カニサマ蟹謝(かにしゃ)祭」という、そういうイベントをしようかなと、今、関係者と話を始めたわけでございます。そこで鳥取[県]のカニを食べていただいたりしながら今、調整中でありますけども、可能であればその200万円のカニ様にも東京のほうにお出ましをいただきまして、その200万円の鳥取[県]のカニっていうのを首都圏の皆さんにも見ていただくというのはいかがかなというふうに考えております。こんなようなことなどでしっかりとこの鳥取のカニシーズン始まりましたので、全国の皆様や世界の皆様にもアピールさせていただければなと思います。ネットなどで拝見していますと、海外でもこれが配信をされていまして、日本人はカニを200万円で買うらしいと、こういうあらぬ誤解が広がっているかもしれませんが、それぐらいの衝撃を持って世界に伝わったかなというふうに思っております。
今回こういうような状況でありますが、我々としてもアピールをしていきたいと考えておりまして、今週末[11月10日、11日]には[ジェイアール]名古屋タカシマヤにおきまして鳥取[県]のカニのフェア[「食のみやこ鳥取県フェア松葉がに即売会」及び「ウェルカニキャンペーン」PR]をさせていただくことにいたしておりますし、順次、東京、大阪でも来週[11月14日~18日]、これ[日本橋]三越[本店地下1階吉川水産]とか、それから[11月14日、17日には]大丸松坂屋[高槻店]とか、そうしたところで鳥取[県]のカニのフェスタを展開してまいりたいと考えております。蟹取県のすばらしさをアピールしまして、できれば蟹(買いに)来てもらうと、買いに来てもらうということを目論んで我々としてもアピールをさせていただきたいと考えております。
●知事
我々として、今回、昨日[11月7日]国のほうで[第197回]国会で[第1次]補正予算が成立いたしました。9,300億[円]余りの予算でありますが、その中に[平成30年]台風[第]24号災害などは入ってはいないんですが、それ以外の[平成30年]7月豪雨の災害なども入っておりまして歓迎したいというふうに思います。今回の補正予算の中で組み込まれていることでありますけども、学校のエアコン、この事業も緊急計上されています。県立の学校もございます。それで、大概我々としてはそれ、手配は行き届いているんですが、特別支援学校等、我々としてもさらに追加をして設置をしていきたいと思っておりまして、これも1億円余り計上して11月の補正[予算]の中に盛り込んでまいりたいと考えております。
国のほうにいろいろとこれから予算等要望していかなければなりませんが、来週の11月13日には山陰近畿[自動車]道の決起集会を東京のほうで京都府や兵庫県とともに開催をさせていただき、国会議員や政府関係者に大いに働きかけをさせていただきたいと思います。また、明日[11月9日]は全国知事会議が首相官邸で開催をされることになります。私もぜひとも[安倍晋三 内閣]総理[大臣]のほうに地方分権について訴えかけをさせていただきたいと思います。
一つ懸念しておりますのは、厚生労働省が、これ都道府県の問題というよりはほかの市長会、町村会のほうの話のニュアンスが強いわけではございますけれども、育児休業を延長せんがために保育所にだめもとで申請をして、それで、拒絶されると、それが棄却されるといいますか、申し込みがだめだということになって初めて、それで育[児]休[業]ということになると。それで、こんなようなことがあるもんですから、いわばゴーストで架空の、架空とはいいませんけども、実態は望んでいないのに、この保育所申請をしてくるということになっております。これについて厚生労働省は議論をちょっとすり替えているんじゃないかと私たちは思っているんですけども、保育所のほうの、その優先順位でそういう保護者のところは高順位で落とすようにするというふうなことをいうんですが、これは現場の負担を増すばかりで何の解決にもならないわけですね。それで、結局、保育所に入りたくて申請しているんじゃなくて、育休を延長したくてやっている、そういうようなことであれば、本来、育[児]休[業]制度のほうをいじればいい話でございまして、現場のほうにまたそこで拒否したの、何だのという、そういう手間をつくらせるだけでありまして、制度欠陥を何ら認めようとしていないわけであります。それで、これが今ちょっと報道でも、何か当たり前のようにまかり通ったように報道されていますが、ほんとにこんなのが解決策なのかというふうに地方側は思っているわけですね。
実は、その地方分権改革の申請をこれでしている大阪市等の自治体全て我々も聞いてみましたけれども、これ、どこの自治体もこの厚[生]労[働]省案には賛成してないということであります。こういうようなことなど、いろいろとやっぱり[地方]分権については、これから消費税の引き上げの機会もあって、税財政の問題などもあります。我々地方[公共]団体側の問題意識というのを首相はじめ閣僚のほうに申し上げていく必要があるんじゃないかなというふうに思います。私ども鳥取県のほうで主張させていただいていることを結構[全国]知事会のほうでも取り上げていただきまして、例えば台風24号災害、こういうのでも補正予算をぜひ考えてくれと、これは知事会の要望の中に入れていただいたりしておりますし、また、税財政という観点で言えば、[地方]交付税の配分等も含めて一般財源がうちの県のように減るところもあるという現実を見つめて、ちゃんと一般財源総額が充実確保されるようなこと、こういうことを求める必要があろうかなと思っております。いろいろと役割分担をしながら、知事会全体で総理はじめ閣僚のほうに訴えかけをしていく場になろうかなというふうに考えております。
また、来週[11月12日]は中国地方知事会が開催をされます。この中国地方知事会の中で、7月豪雨等々、中国地方が被った大きな災害のフォローアップなど、知事同士で胸襟を開いて話し合いをさせていただきたいと考えております。また、同じ日[11月12日]に全国の経済同友会が米子に終結[全国経済同友会代表幹事円卓会議]をすることになっていまして、私もそういう経済団体の代表の皆さんに地域おこしの実態であるとか、地方のいろんな問題意識など訴えかけもさせていただきたいと考えております。
国民体育大会、今後、国民スポーツ大会になります。また、[全国]障がい者スポーツ大会につきまして、先の県議会で全会一致で要請が出ました。これを踏まえて、このたび、[11月]12日に溝口[善兵衛 島根県]知事と両県協議をさせていただくよう申し入れをさせていただきましたところ、やろうということになりまして、12日に溝口知事や体[育]協[会]関係者を交えて両県の話し合いをスタートすることになりました。私のほうからは、ぜひ両県の間のこうした国民スポーツ大会、障がい者スポーツ大会の協力開催に向けた連絡調整会議のようなものを設置をしてはいかがか、このことを呼びかけていこうかなというふうに思っております。それで、私ども鳥取県としても[11月]13日に鈴木[大地]スポーツ庁長官、それから[公益財団法人]日本スポーツ協会の伊藤[雅俊]会長さんのほうに私どものスポーツ大会、国民スポーツ大会、障がい者スポーツ大会、こうしたものの開催について要請をさせていただくことにいたしております。
●知事
私どものほうで、今、海外のチャーターフライトなどがやって来たりしておりますし、また、香港航空、それからアシアナの後継となるエアソウル[米子ソウル国際定期]便、これの6便化ということができました。これから11月補正の中で追加分を盛り込んでまいりたいと思いますが、戦略的に当たっていかなければならないと思います。台湾につきましては、11月11日~12月5日まで7回に分けまして、4日おきにチャーター便が[台湾]台北[桃園(とうえん)空港]から来て、鳥取[砂丘コナン]空港を往復することになります。11日にその受け入れのセレモニーもさせていただき、これから長丁場になりますが、チャーターの成功を期してまいりたいと思いますが、ちょうど台湾の地方選挙が引っかかるわけでありまして、特に後半の乗降状態がどうかなと、そういう懸念があるところでもございますが、できる限り集客を図って、今後に向けた成功例としていきたいというふうにみんなで協力一致していきたいと思います。
この台湾向けにはメディアのプレゼンス等が必要ではないかというお話もございまして、先般、台湾でお聞き取りをさせていただいたところでありまして、そうしたことや、あるいは台湾の旅行関係者にこちらのほうに改めて来ていただくような招致とかを11月補正を絡めて展開をしていくことにいたしたいと思います。
また、香港向けには「[蟹取県が]蟹取開始!」という全面広告を東方日報という香港の最大紙で打たせていただこうかと思いますし、また、香港航空のキャビンアテンダント[客室乗務員]による[鳥取県の観光地紹介]動画で鳥取[県の]紹介を、これをアップしてPRに役立てたり、いろんなことをこれから展開していくのかなと思います。
また、米子ソウル便につきましては、[韓国大手のインターネット検索サイト]NAVER(ネイバー)のやっぱり影響力が高いというふうに我々見ていまして、NAVERを通じた広報活動を、強化をしたり、また、テレビショッピング、ホームショッピングを今月[11月]実施したりいろいろとこちらのほうも展開を図ってまいりたいと思います。さまざま今、アイデアをまとめているところでございますが、既定の予算でできるところもございますし、足らざるところにつきましては11月補正予算の中で組み込んでまいりたいと思います。
その11月の県議会でAI、IoTを活用した新しいマーケティング開拓につきまして、私どもとして提案をしようかなと考えております。これは全国で県単位では初めてのことになりますけれども、このTouch&Pay(タッチアンドペイ)という、観光客向けの決済方式の社会実験を全県的に展開しようかなということであります。具体的には経済産業省と大手民間旅行会社が共同で開発するシステム等を使いましてやるわけでございますが、それを県内の旅館等に設置をする、旅行や観光施設に設置をする。そうすると、いわば手ぶらで決済ができる、観光ができるというものでございます。
具体的には[スマートフォンの]アプリでユーザー登録をするわけですね。このスマートフォンでユーザー登録をした方については、例えばホテルや旅館でチェックインしたり、決済をするときに指をこういうふうに当てるだけで手続きが終わってしまうと、決済も終わると。それから、各地歩いたときに、観光地のほうでも例えば観光施設などでこういうTouch&Payの社会実験の端末を置いておいて、それで決済ができると。なかなか大都市等では難しいかもしれませんが、こういう地方県であれば全県的に広域での社会実験も可能ではないかということで、このたび大手民間旅行会社んと協議が整ってまいりました。これを来年度[平成31年度]、実施することに向けて11月の県議会で債務負担行為というやり方でありますけども、[県]議会のほうに協議をさせていただこうと思います。それで、これに向けた研究会組織なども立ち上げて、今年度[平成30年度]できる限り準備をして、来年度[平成31年度]こうした社会実験を行なおうということを考えているところでございます。
●知事
また、このたび鳥取県のほうでいろいろと支援をしてまいりまして、これが鳥取大学と企業さんとの間で[株式会社]イナバゴムさんという鳥取[市]のほうに工場があるわけでありますが、マウスピースで経口管を挿入しまして、要は胃カメラを飲むときに負担感がなくできる、そういうものを開発したわけでありますが、これ、岡山[市]の会社を経由して販売がなされるという実用化に向かうことになりました。県のほうでこうした医工連携で実施をする、こういう研究開発の支援をしてまいりましたけれども、こうやって全国展開される初めての例ということになるのかなと考えております。また、これにつきまして来週、具体的なお話を私どものほうにもしていただけることになりました。
●知事
これから秋本番を迎えるわけでございますけれども、ぜひ、カニもシーズンとしてやってまいりましたし、鳥取[県]のほうにまたお越しをいただければありがたいなというふうに思います。明日[11月9日]は私あるいは内田[博長]県[議]会議員と赤坂御所のほうの[秋の]園遊会のほうに出席をさせていただくことになりました。今の平成の御代としては最後の園遊会ということになります。両陛下におかれましては私どものほうに[第64回全国]植樹祭、それから[第31回]全国[豊かな]海づくり大会でお越しをいただくなど、たびたびお心を寄せていただいたことに感謝を申し上げたいと思います。また、最近相次いで御皇族もご来県いただいておりますけれども、そうした感謝の気持ちも私どものほうでもお伝えできればなというふうに思っているところであります。
今週末[11月11日]は天候不順で実施が延期をされていました大山の[秋の]たいまつ行列が行われることになります。また、米子城フェスタもこの週末[11月10日]行われます。大山[開山]1300年祭ちょうど紅葉がいい季節を迎え始めたときでありまして、お越しをいただければありがたいなというふうに思います。
●知事
インフルエンザが山陰でも猛威を振るい始めました。本県でも大正保育園(鳥取市)さんですか、そういう感染が認められたところが出てきております。くれぐれもうがい、手洗い等を励行していただく、あるいはインフルエンザの予防接種もございますので、健康管理に県民の皆様におかれましてはご注意を始めていただきたいと思います。私のほうからは以上です。
○テレビ朝日 後藤龍彦 記者
各社、質問がありましたらお願いします。
○日本海新聞 岡宏由紀 記者
知事が昨日中電さんとの聞き取り、中電の聞き取りのときにおっしゃられていたんですけど、安全協定の立地自治体並みの権限を持てるように改定を、今、申し入れていらっしゃると思うんですけど、その際に期限を設けられたと知事、おっしゃられました。その期限というのはその2号機の稼動の可否判断をする前か、それか3号機の稼動の可否判断をする前かどっちなんでしょうか。
●知事
我々[鳥取県]として、文書で明確に出させていただいたのは[島根原子力発電所]3号機の[申請の]際に出させていただきましたが、当然ながら、ちょっと昨日[11月7日]のちょっとお話が我々もちょっといろいろ戸惑うところもあるんですけども、3号機の申請書を補正していくのは[島根原子力発電所]2号機の[審査の]ほうが確定してからということをおっしゃっていたものですから、そうすると3号機が後になるのかなというようにも思えますし、そうなると2号機は先にいきますけれども、当然ながらそのときにまた我々[鳥取県]議会と話しをしたり、県民の皆様と改めて議論をするわけですね。それで、そういうタイミングで3号機の[申請]議論のときに噴出した問題というのは今も未解決のまま残っていますから、当然ながらそこに大きな関門があるというふうに中国電力としては捉えていただく必要が当然あると思います。
ただ、それまでであればいつでもいいということでもありませんので、私どもとしてもやはり意思を明確に今回の申し入れの機会にもはっきりと申し述べさせていただきたいと思いますし、できる限り早くこういうものはお互い共有をして、方向性を出すべきものだと考えております。昨日[11月7日]の段階ではこのことについては[中国電力島根原子力発電所原子力]本部長さんのほうでは、誠実に我々としてもご協議、検討させていただきたいと、こういう言い方されていたと思います。私どもとしてもその言葉を受け止めさせていただきながら、進展を強く望みたいと思います。
○日本海新聞 岡宏由紀 記者
今の審査状況ですと、2号機のほうが先に審査が終了するんじゃないかなと思うんですけど、そうであれば、2号機のその稼動可否判断される前に、一つその安全協定改定ということを実現すべきだと思うんですけど。
●知事
ここは、だから、申し上げた、前も申し上げたんですけども、実は3号機の[申請の]ときにどういうやり取りをしたかというと、3号機[稼働]の可否判断については、我々は結論を留保していますよと、それを安全協定の申し入れと合わせて留保していることを申し添えますよという言い方をしているわけであります。これが一つのかんぬきとして向こう[中国電力]には理解されていると思います。ですから、そのことを考えていただければ、2号機だろうが3号機だろうが、次にまた何らか可否判断を求めるというときにはこの問題は避けて通れませんよということはおわかりいただけているのではないかなと我々は思っていますけど、ちょっと向こうにも改めて今回私どもの意思は表示させていただきたいという趣旨です。
○日本海新聞 岡宏由紀 記者
あと、それと、昨日中電のほうに知事は住民に対して説明責任を果たす、果たしてほしいということを要請されたと思うんですけど、ただ、中国電力さんのほうは住民向けの説明会は開催しないということを明言されて、自治体向けの説明会とかで一般傍聴で住民の方に来てもらえればということだったんですけど、ちょっとそのあたりの対応というは不誠実な気がするんですけど、その点はどうでしょうか。
●知事
ちょっとそこは、ちょっと私のほうやり取りしていないので、正直わからないんですが、まだ決まってないんじゃないですか、あちらは。それで、うちがどんな文書を出すかも見ているんじゃないかと思うんですね。それで、私どもとしては住民や地域に対する説明責任を果たせという申し入れになろうかと思います。ちょっと今、お二人、[米子・境港]両市長と話をしなければいけませんが、それで、説明責任を果たしているかどうかは今後我々としてもウォッチしていきますよと、注視していきますよということだと思います。
○日本海新聞 岡宏由紀 記者
それは、形式としては例えば、何ですか、住民向け説明会を開催してほしいというような、そういうようなことなんでしょうか。
●知事
昨日、実は両市長と、両市長のほうから出た意見などを総合したところでは、説明責任は果たせと、こういうことではないかなと思います。多分、文言としては共同文書でありますので、そういう内容になろうかと思いますが、実際、住民の皆様に説明責任を果たしているかどうかは我々としては今後フォローアップしていくということだと思っています。
○日本海新聞 岡宏由紀 記者
では、特に形式にはこだわられないというようなことでよろしいんでしょうか。
●知事
文言としてはですね。文言としては、そういう文言には、もう、昨日[11月7日]皆さん見ていたとおりでございますので、あれを取りまとめたような内容になろうかと思います。
○日本海新聞 岡宏由紀 記者
わかりました。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
改めてこのタイミングでその安全協定の改定を申し入れられるというのは、どういうような理由があるんでしょうか。
●知事
やはりこれについては注意喚起をしておく必要、これ、交渉ごとですので、正直、我々も全国で、[原子力発電所の]周辺[自治体]で初めて安全協定結びましたけれども、かなりの労力等がいる調整でございまして、今回も当然ながらそういうことでないかなというふうに思います。そういう意味で我々としてもやはりこれは折に触れてきちんと申し入れをしていくということが重要だと考えておりまして、今回のタイミングでもやはり申し述べておく必要があると、こう認識しております。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
先ほどの質問のちょっと関連で確認をしておきたいんですが、改定の時期については2号機の可否判断前というようなことを明記されることになるんでしょうか。
●知事
それはさっき申しましたけど、3号機[申請]のときに我々の考え方は表示していますので、それについて読んでいただければとは思うんでけどね、何を書いたかというと、要は[原子力発電所稼働の]可否判断は留保していますよと、それでそれをわざわざ申し添えるわけですよ。だから、それはもう今、向こう[中国電力]も状況がわかっていますからね、[鳥取県]議会でもやりとりしていますし、私どもともやりとりしていますから、それで、こういうことではこの問題は解決しないと前に進まんなということは、向こうは思っていると思いますので、それは、可否判断の留保は2号機でも、3号機でもやっていますから、それについてはあんまり議論の余地はないんじゃないかなとは思っているんですけど。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
知事としては2号機だろうが3号機だろうが同じ、同様の認識だということでよろしいですか。
●知事
結局、県民の皆さんと議論をしたり、[鳥取県]議会と議論したことを我々誠実に先方のほうに申し入れをしているというそういう立場であります。それで、そのとき強く出たのは原子力安全協定の問題でありました。ですから、これについては従来以上にトーンを強めようということでございましたので、一つ我々なりの策としてその可否判断を保留していることに、この問題を絡めさせていただいたということであります。それで、その機会というのはいろいろとございますので、向こうとしても解決の糸口を探らざるを得ないんじゃないかなというふうに我々は思っています。現実どう動くかは、これ、また交渉事でありますので、そういう意味で今回もあえてまた石を投げておくと、こういうことであります。
○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者
KYBのダンパーの件なんですけれども、1本が国の基準を下回っていて、それで、社内の要するに出荷基準みたいなものがあって、それはさらに国より厳しいものがあるということですか。
●知事
そうです。[プラス]16%だったですかね、国の基準(±15%)を上回っているのは1本ありました。ですから、これは国基準不適合というやつです。それであとは、それ以上は法的な問題にはならないのかもしれませんが、普通に会社から出荷されていれば、表へ出て行くはずのないものが残り4本だったということでありまして、それ、我々としては修正を求めたいと思います。
○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者
国の基準は、クリアはしているけれども、やっぱり彼らにとって、本来の製品ではないという。
●知事
そうですね、ちょっとそれ、すみません。具体の数字を後ほど担当部局から申し述べます。
○朝日新聞 横山翼 記者
関連なんですけれども、調整窓口を本日[11月8日]設置されるということですが、これどういった体制のものなのかというのと、このタイミングで設置されるのはどういう理由なんでしょうか。
●知事
我々県立中央病院については、もうみんな走りながらやっていますから、我々として1つ道筋はつけられたと思うんですけども、残る鳥取赤十字病院だとか、西伯病院を捨て置く趣旨ではございませんので、こういうようなことで今、話し合いのテーブルをつくりましたので、同じような形で先方[KYB株式会社、カヤバマシナリー株式会社]に要求していくと。それでちょっと懸念を強く持ったのは、結局5本、8本、7本というふうに分けて出す。それでもし何もなければそのまま返すということだったんですが、今、持って帰った5本が全部不適合だったもんで、事態としては決して軽視できないものではないかと、そういう意味で我々としても改めて体制を整えていこうと、こういう趣旨ではあります。それで、生活環境部が中心となりまして、県の中のそうした相談調整窓口というのを確立しておこうということで、今、指示をしております。
○朝日新聞 横山翼 記者
残りの中央病院のダンパーも仮に不適合というふうになったとしても時期には影響しないというふうに見ておられる。
●知事
そうですね。もしあれでしたら担当部局から図解でご説明したほうがいいのかもしれませんが、油が入っていて、こういう調整、何っていうんですかね、こうブレーキを踏んだときに油が、それが調整弁になりますよね、あんなようなイメージのものがありまして、それ、ですから結局この遮蔽する部分だとか、その修正していくことで、だから止まり過ぎないようにとか、動き過ぎないようにと、そこの修正をしていくことで、完全な製品になるわけですね。それで、多分そこの修正を怠ったんじゃないかと思うんですね、出荷時に。それで、そういう意味でこの修正をすれば完成品として基準内のものになり得る仕組みになっています、もともと。
ただ、それでも本当にここの部品が、例えば壊れていて、解体してみると壊れていてここはもう1回やり直さなきゃいけないんだったらそれは交換になりますけども、そうでなければ修正だけで済むのではないかと思われます。ちょっとそういう特殊な構造のものでありまして新品に換えればそれで一つ解決はするんですけど、そうすると一からつくり直すとまた時間がとってもかかるというものでありますから、今の我々に入ったのはもう新品同様のものが入っていますから、それで、新品のものを、不具合部分を修正して出荷すると。これ要は普通の出荷の仕方になると思うんですが、そういう形にしてもらおうということでありまして、これを繰り返していくんですね、一本一本について。それを一番長めに取っても12月14日が最終というスケジュールだったので、多分間に合うだろうと我々はみています。
12 Touch&Pay(生体指紋認証による本人認証・決済サービス)の導入
○朝日新聞 横山翼 記者
あと、すみません。話がちょっと変わりますけれども、実証実験のTouch&Payなんですけれども、こちらは全県でやるのは日本初ということで、鳥取県でやる意味だったり、優位性っていうのはどこにあるんでしょうか。
●知事
実はここに至るまで、[鳥取県内の]旅館組合の関係者の皆さんと私どもとでちょっとどういうふうにしようかという意見調整などもやってきているんですが、やっぱり先進的な観光地として海外の人にもアピールできるような、そういう未来志向の観光地をつくっていきたいと。そういう考え方が旅館関係者等にもございまして、やってみたいというお話がありました。ですから、そういうような観点で、今、実はもうクレジットカードをさらに超え始めているんですね、アジアの中でも。ですから、そういう、もう手ぶらで決済できて今回、生体認証にかかわるようなことでやるわけです。非常に先進的なシステムなので、いわば旅をしやすい観光地として国内外にアピールできるんではないかという期待が関係者にございます。
○中国新聞 小畑浩 記者
Touch&Payの導入規模はどのぐらいを想定されているんでしょうか。
●知事
実はこれ、大手民間旅行会社さんが経済産業省と共同して作成するそういう端末システム、これを300台県内に配置をするということで今調整をしております。
○中国新聞 小畑浩 記者
県内全域という感じ。
●知事
県内全域ですね。はい。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
関連して、これに伴う予算を11月補正で債務負担行為の形で取るということでしたけど、新年度の実際には出るお金となりますけど、予算規模っていうのは県の負担分というのはどれくらいになるんですか。
●知事
先ほど申しましたように、実はこれTouch&Payの本体部分は経済産業省と大手民間旅行会社のほうで措置したものをこっちに持ち込み、我々は実験場を提供するということであります。ただ、そのときにやっぱりPRだとか、それからこれはちょっと我々の目論見ですけども、こういう先進的な観光地を印象づける意味でそれを海外のお客様にも利用していただくと。そのときに少しプレミアムクーポンをいわばつくって、例えば登録した人は500円のクーポン、旅館で使えるクーポンを差し上げますよと。これは、要はスマートフォンと連動していますからいろんなことが可能になるわけでありまして、そういう形でのいわばプロモーションですね、これを利用したプロモーションもしたいと考えております。そういう意味で、1千数百万程度で収まるんじゃないかと思います。むしろ国や大手民間旅行会社さんのほうでの負担部分で端末の配置などお金がかかるとこはやっていただくということです。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
その実証実験に合わせたそのキャンペーンとか、プロモーションでその相乗効果を図るという。
●知事
おっしゃるとおりです。そうですね。それで、端末は設置していただけますけど、その使い方もわかりませんし、そういう、いわば取扱説明的なこととか、そういうことも含めた何かキャンペーンをやらないといけません。そのキャンペーン経費というふうに考えていただければと思います。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
どちらかというとターゲットは海外からの誘客がターゲットになるんでしょうか。
●知事
どちらかというと海外誘客のほうにヒットするんではないかと思っています。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
そうなってくるとPRの仕方とかっていうのはどのように。
●知事
例えば空港とかでそのプロモーション[プレミアムクーポン]を配るとか、そこで登録していただければこの500円相当のクーポンゲットできますよと、こんなようなことでお誘いをするとか、そんなことになってこようかと思います。それで、言ってみるとお得だし、非常に先進的だしって印象を持ってもらえばインバウンド観光にも資するんじゃないかなと思います。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
やはり今、定期便が増便したり、海外からのお客さんが非常に増えているっていうことも背景にあるかとは思うんですけれども、その中でやはり決済の方法とかって、今、何か課題があったりするのは何でしょうか。
●知事
よく言われるのは例えば大山とか、結局やっぱり現金商売なわけですね、日本の場合は。今、消費税の引き上げに伴ってクレジットカードならペイバックしますよというようなことを言ったら、結構反発も出たりしますけど、やっぱり中小企業さん、一般の小店ではなかなかまだ浸透してないという実情があります。ただ、世界はだいぶ進行していましてクレジットカード当たり前な上に、さらに今はQRコードで決済をするということが急速に広まっております。ですから、私どもとしてもそれに対応していく、そういう絶好のチャンスかなというふうに捉えております。
○時事通信社 今泉悠 記者
明日官邸のほうで全国知事会議、そして、保育所の意図的な落選狙いについて、総理に伝えるということなんですが、これ知事会としておっしゃるのか、個人としておっしゃるのかということと、あと、厚労省のほうで議論のすり替えではないかというふうに知事おっしゃいましたが、知事としてはそもそもその育休の期間を定める育児介護休業法のほうでその期間を長く設定した方がいいというふうにお考えなのか、そのあたり教えていただきたいのと、あと、合わせて直接国に意見を述べられる機会なので、今、消費税増税に伴って経産省のほうで自動車税を減税してほしいっていう意見が出てきていますが、自動車税に関しては地方財源、とても大切なものだと思います。それで、鳥取県でも前年度30%ぐらい伸びていたと思うんですけども、そういうあたりで自動車税の減税についてどうお考えなのか、またそれを訴えるご予定はあるのかどうか教えてください。
●知事
全国知事会議のやり方としてそれぞれの知事が手を挙げて指名されて発言するという形式でありまして、私から[地方]分権について意見を申し述べたいということです。今、[地方]分権問題で課題になっております、例えば学童保育の規制緩和の問題とかも含めまして何点か申し上げるのかなと。それで、その中にそうした今、実は市町村のほうでもざわついているところなんですけど、そういう保育所問題、こういうことも含めて総理に[地方]分権の推進を訴えかけると、そんなような趣旨になろうかなと思います。やってみないとわかりません、わかりませんが。また、それから自動車税についてはこれは地方の基幹財源でありますし、また、ご注意をぜひいただきたいのは法人課税とは違って、実は都市部、大都市部よりも地方部のほうに1人当たりの税収が多めに出るものでございます。ですから、消費税なんかよりももっと地方のほうに税源があるものでございます。これを取っ払って、それで都市部のほうに恩恵のある消費税のほうにシフトをするということは、これは税源配分の格差税制をさらに進めてしまうものになります。
ですから、こういう特殊な税目でございますし、特に鳥取県のような地方では[基幹]税目中の基幹税目になっています。ですから、我々の負担で大都市のほうに税収を回すということにもなるわけでありまして、地方税でそういうことを考えるのは得策なのかなというふうに思います。もちろん国としても保有課税、それから車体課税やあるいはそのほかの税目がございますけども、そうしたことでいろいろとされるのは、それは国の中の調整かもしれませんが、地方税をターゲットにするというのは正直違和感があります。それ、これは、実は[全国]知事会の中でも大分議論していまして、税財政の担当の委員長もいらっしゃいますので、多分中では役割分担をしながら、そういう地方税としての自動車税の確保、これについては訴えかけをすることになろうかと思います。
14 地域に飛び出す公務員を応援する首長連合サミット
○時事通信社 今泉悠 記者
来週の話になるんですけれども、岐阜県に知事行かれまして、地域に飛び出す公務員を応援する、あると思うんですけれども、このいわゆる飛び公ですが、この意義と、あと今回どういったことを訴えたいと思っているのか、それで、県内で例えば今考えていることがあれば教えていただければ。
●知事
はい。本県もそうなんですけど、特に地方のほうはそういう傾向顕著なんだと思うんですね、それで、我々公務員が例えば消防団活動をやったり、それから地域のボランティア活動であるとか、いろいろと社会の一員として機能するものがあります。こういうような形で公務以外での活動というのも促進していこうと。それが現場の方に飛び出す公務員を育てていくという我々の、首長連合の理念でございまして、そのためにいろいろとみんなで1つの共通ルールもつくりながら、そういういわば職務専念義務を外すようなこと、そういうことをさらに推進していこうということであります。また、国のほうにも制度改正を求めていこうということも議論もしています。今回みんなでこう話し合いもして、特に最近働き方改革のことが言われたり、それから兼業というスタイル、これがクローズアップされるようになってきました。ですから、公務員も1つのステレオタイプでいいんだろうかと、こういう思いを皆さんと共有をさせていただきながら、公務に当たるだけでない、人間としての社会で役立つ人々の1つの奉公として、それぞれの自治体が、役所が機能するようにならないかなというふうに考えております。その辺をテーマに話し合うことになります。それで、我々の手法としては、こういう意味で活動が顕著で模範となるところを顕彰しまして、そのよき例をまた対、横展開していこうということを具体的にやっていきたいと思っています。
○時事通信社 今泉悠 記者
県内の取り組み、こういうことを始めたいっていうのはありますか。
●知事
県内でもそういうボランティア休暇であるとか、職務[に]専念[する義務の免除]を県庁としては進めてきております。それで、こういうような事例をさらに使いやすくする、それからまた強化していく、この辺は他の自治体のお話も聞いて取り上げるところは我々でも取り上げてまいりたいと思います。
○NHK 吉村美智子 記者
次の知事選についてですが、まだ考え中だとおっしゃっておられましたが、今はどの程度、その気持ちは、どの程度、今、検討段階に固まりつつあるのかということを。
●知事
結論から言えば、今もって熟慮させていただいておりまして、これまで申し上げたことと今日[11月 8日]は変わりません。いずれにいたしましても県民の皆様の道具として働くべき立場でございますので、今までもいろんな方のご意見伺っていますけども、いろんなお話を聞き、自分として地域や県民の皆様のためにどうしたらいいのか、それは正直に誠実に考えてまいりたいと思います。まだその途上にあることを今日[11月 8日]の段階ではご報告申し上げたいと思います。
○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者
その関連でちょっと聞きたいんですけれども、その判断の時期、一応熟慮は現在されているとは思いますけれども、あまり判断の時期が今から言われることではないかもしれないですけれども、選挙になるのでそれなりに判断の時期というのは決まってくるというか、出てくると思いますし、進退について判断されるポイントというのは先ほど言われたかもしれませんけれども、改めてお聞かせ願えませんか。
●知事
はい。時期については特に決めたものもございません。ただ、最低限県民の皆様にご迷惑かけないような時期には判断しなければいけないだろうと、それは自ら自戒をさせていただいております。ポイントしては、私、繰り返し申し上げることになりますけれども、やっぱり県民の道具としての立場でありますので、私は自分の感性としては自分のためにこの仕事をしているとは思ってないわけであります。それで、県民の皆様が何を望んでおられるのか、地域がどう考えているのか、何を求めているのか、それを自分なりに今検証させていただいております。自分がやるのがいいのか、あるいは引くのがいいのか、自分がやるとしたら、じゃあ、次の4年間、この地域や県民の皆様の役に立てるだろうか、こういうことを今、リトマス試験紙にかけて考えていると、ほんとにそれが率直な状況であります。
○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者
ちょっとまとめて聞きますけれども、迷惑をかけない時期というのはいつごろをイメージされているのかとていうことと、それとあとちょっと質問若干変わりますけれども、平井知事が1期目の就任当初から一応連携の重要なパートナーと位置づけられていた溝口知事が今期限りで退任されるというふうなことがありました。この前、文章ではちょっとコメントは出されましたけれども、それ[に]対しての改めての所感をお聞かせください。
●知事
はい。もうちょっと具体的に言えば、迷惑はかけないというのは例えば統一地方選挙の直前で態度表明をすると混乱を招くと思います。ですから、そういうことは避けなければならないという時期だと考えております。また、溝口知事におかれましては、まだ正式に[島根]県議会で表明されるということではありますが、記者会見等でも心情を語られたというふうに伺っておるところでございます。一緒に就任をして[鳥取・島根]山陰両県をともに担おうと連絡、調整、コミュニケーションを密にしながらやってきたパートナーとしては、正直大変残念な気持ちもありますし、大きな心の穴が私にも空いたような気がいたします。溝口知事は非常に今まで山陰両県の首長として非常に山陰両県の一体性やその連携についてポジティブに考えておられた稀有の方ではないかなと思っています。
それで、たまたま私も感性は一緒でありまして、鳥取[県]と島根[県]とどっちが先にスタバ[スターバックスコーヒー]が出来ても結構ですし、その辺はどっちもどっちじゃないかと、それで、むしろ両県が協力しなければ、人口60万[人]70万[人]規模で、あっという間に全国から置いていかれてしまうというふうに思っていましたので、こういう溝口知事の登場は鳥取県にとっても非常にありがたいものでありました。ある意味、ぎくしゃくしがちな両県の関係でありましたけれども、例えば米子ソウル便が運休の危機にあったときも電話1本おかけを申し上げましたら、溝口知事が即座に了解をされて島根県の方も一緒にソウルに赴いていただき、運休というものをぎりぎりで食い止めることができました。山陰両県として実は過去はこういう航空便を争ったわけでありまして大変なしこりがあったんですけど、就任直後であったにもかかわりもせず、即断していただきましてそういうふうに危機を回避することができたことは大変印象に残っております。また、就任直後に両県知事で話し合う機会をいただいたとき、率直な話し合いをさせていただきました。溝口知事はある意味非常にさらな気持ちでこの世界に入られたわけでありますが、私はどちらかというと過去の経緯(いきさつ)を大分身にしみていたものでございますので、溝口知事のほうに両県の関係を改善しましょうということを申し上げたところ、溝口知事がぜひやりましょうというふうにおっしゃって、現実にも溝口知事のアイデアで両県の職員研修を合同で始めることになりました。
また、職員の交換ということも申し入れをさせていただきましたところ、幹部の方の、幹部職員でいずれ県政の中枢を担う人材をしっかり交換するんだと、こういうことも先方としても了解をされるなどして、大分時代が変わったなと思います。また、中海問題という積年の課題につきましてもそういう非常にピュアな心でこの問題にも向かっていただいたところでございまして、島根県として譲るべきとこも譲っていただきながら両県の中海会議開設にも至ったわけでありまして、恐らくこうしたことは溝口知事でなければできなかったことかなと思います。全国的にも珍しいのは原子力発電所問題で立地周辺が連帯して安全対策に当たっていることであります。それで、これで溝口知事のほうとまずは電話で話し合いをし、それから始まったことなんですけども、やはり地域のために安全対策として島根県だけでは解決できないということを十分に理解をされた上で動かれたことが、鳥取県が周辺でありながら安全協定を結ぶことも含めて対策を飛躍的に前進することができた大きな後押しをいただいたと思っております。
それで、両県のDMO設置は、これは溝口知事のほうからの提案がございました。それで、この提案は我々も望んでいたところでありまして、当時瀬戸内海のほうでDMOが出来るという動きがあった中で、我々としては何でこっちを入れないのかなと思っていたとき、じゃ、一緒にやりましょうというお話をいただいたもんですから、これについては早速、調整させていただいたのも最近の思い出としてございます。このような形で鳥取県としても溝口知事の業績に感謝を申し上げたいと思っています。
17 鳥取型低コストハウスによる施設園芸等推進事業予算
○日本経済新聞 山本公啓 記者
すみません。1点だけ、冒頭述べられた農業ハウスの導入の話がありましたけど、部局に細かいとこを伺いますけど、その規模が2億円というわけじゃないんですね。
●知事
今までも実はあります。当初予算もありまして追加規模という。
○日本経済新聞 山本公啓 記者
そういうことですね。はい。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
それから増原町長が先般、お亡くなりになられましたけど、平井知事も改めて知事から一言お願いできますでしょうか。
●知事
先般、増原町長のご自宅にお伺いをさせていただきまして、久しくご尊顔を拝するとともに、ご家族ともお話をする機会を、頂戴をいたしました。私もご遺体にありがとう、お疲れ様でしたということをお呼びかけさせていただきました。不思議なほどについこのあいだお会いしたときと同じお顔でございまして、急死ということの大きさを改めてまざまざと知らされた感じがいたしました。増原[聡 日南]町長は、実はまだ[日南町]職員の時代、課長補佐をされているようなときから私ども東京で仕事をしていましたけども、有名な人物でありました。非常にまちづくりに熱心な自治体職員としてモデルのような方でいらっしゃいまして、最初、私も総務部長でこちら[鳥取県]へ赴任して増原さんにお会いをしましたけれども、この方があの人なんだなというふうに思ったのを覚えております。それで、いつもパソコン等を片手に持ちながら、いわばITを駆使するというような当時では珍しいタイプの町職員でいらっしゃいまして、その後、町長になられたわけでございますが、先般の金融機関問題でも表れましたように、非常に信念もあるし、率直に町の将来を考えて語り行動のできる逸材だったと思います。鳥取県の自治行政としては大きな損失だというふうに大変に残念に感じております。
増原町長のすばらしかったのは、日南町というのは私自身鳥取県という自治体を担当していて常に感じているんですけども、決して財政面とか人口面だとか、存在感を発揮したり、あるいは町民の方、住民の方に納得していただけるような行政を展開するのは難しい自治体だと思います。ただ、その際にも決して愚痴を聞いたことがありませんし、常に前向きにアイデアを駆使してリードしようとされていたこと、これは敬服に値するというふうに思います。心よりご冥福をお祈り申し上げたいと思います。
○テレビ朝日 後藤龍彦 記者
ほかに質問ありますでしょうか。なければ終わります。ありがとうございました。
●知事
どうもありがとうございました。