●知事
今、私どもも11月の県議会を控えまして、その予算編成作業、本格化させてきたところであります。そうした中で、国のほうでも新年度[平成31年度]に向けまして予算編成作業も進み、税とかあるいは財政制度、あるいはそのほかの諸制度につきましてさまざまな議論が本格化をしているところであり、国会のほうでも外国人[労働者受け入れ]のことなど議論が深まり始めたところでございます。本県の場合、このたび11月に県議会を開催させていただくわけでありますけれども、現在、特に[平成30年]台風[第]24号関係の[災害からの復旧の]追加の予算なども必要でございますし、そのほかの諸課題も含めまして、今、とりまとめに入ってきたところでございます。大体、多分予算規模的には19億[円]台~20億[円]ぐらい、19、20億[円]ぐらいのところになろうかなというところで今、最終調整をしておりますが、そのうちの多くは台風24号関係ということになろうかと思います。
台風24号の関係につきましては、例えばしっかり守る農林基盤交付金といったような事業を使いまして、今、農地災害など[の災害復旧に要する経費]がかなり認められてきております。従来の予算でも足りないところがございまして、大体9億円強ぐらいの補正[予算]は必要かなというところでありますし、また、市町村では結構今回、災害が多発しておりますので、その測量・設計等そうした委託業務ですね、そういうところの費用についても[補助]対象としてほしいという声が上がってきております。それも我々のほうで[補助]対象とする方向で予算を新たに調整してみようかと、制度改正してみようかという方向で、今、考えているところであります。それで、この台風24号災害につきましては、私どものほうでぜひ激甚災害、あるいは局地激甚災害、この適用を、お願いをしたいというふうに申し上げてきたところでございますけれども、特に農林関係、こちらのほうの災害が琴浦町ですとか、倉吉市ですとか、あるいは日南町等々各地でかなり広がっております。先週[の知事記者会見で]も申し上げましたけれども、ここ10年で一番厳しい災害という状況になってきております。
ただ、台風21号等々[の被害の程度の]認識が少し国のほうで弱かったような気がいたしまして、精力的に台風24号災害の甚大な被害ということについて、[吉川貴盛]農林[水産]大臣等々に直接要望もしてまいりました。このたび政府のほうで、今朝、方針を取りまとめられて、この台風24号の農林災害について、激甚災害、本激といいますけども、全国的な災害として指定される方向となりましたことは大いに歓迎をさせていただきたいと思いますし、政府の関係者に心から感謝を申し上げたいと思います。これで市町村等、私たちもそうですが、かなり財政負担が広がり始める感じがありましたけれども、その財政負担の緩和ができるのではないかというふうに非常に力付けられているところであります。ざっと計算してみますと負担ベースで1億[円]~2億[円]ぐらいは減るんではないかというふうに見込まれます。今後、[災害]査定等がしっかりなされていかないとわかりませんけれども、市町村にとりまして非常に大きな後押しになるのではないかなと思います。
例えば林道なども災害復旧[経費の]8割程度が国の負担ということだったんですが、これが9割強に引き上げられますし、同じような形で農業関係の被害についても国の補填率が上がります。公共土木施設についてはもともと補填率が高い適用が本県は受けられますので、大きな影響はないかと思われましたけれども、農林のほうは、この激甚災害の適用がありますとかなり負担感が変わってまいりますので、これについては大いに歓迎をさせていただきたいと思います。いずれにいたしましても、この11月県議会に追加で農地災害対策等々、追加で計上させていただきまして、しっかりと早めの災害復旧が実現できるように我々としても全力を挙げてまいりたいと思います。
また、11月の補正予算の中で、例えば中部療育園の建設整備ということですね。今ある建物[元倉吉市立河北中学校管理教室棟]を利用するわけでありますが、その整備事業で1億円強等が計上されることになると思います。
また、あわせまして400万円追加計上をして風しんの予防対策、これを全国のトップレベルまで強化をしようかと思います。私ども子育て王国を頑張ってつくっていこうと関係者と一丸となっているところでございます。そういう中、風しんが妊産婦さんそして子どもさんに影響を与え得るという状況でございますので、これ、国のほうの制度利用に加えて、私たちとしても独自の支援を追加して行い、こうした風しんの流行に対処していきたいというふうに思います。具体的には対象者の要件を、拡大をしようということでございます。これは妊婦さんの同居しておられるかた、また、妊娠を希望しておられるかたの配偶者や同居しているかた、こうしたところまで対象を、拡大をすることにしてはどうかということであります。
また、あわせまして30[歳]代~50[歳]代の男性がこの風しんについて免疫がない世代ではないだろうか。こうしたことが蔓延を助長しているということが言われております。そこで、この30代[歳]~50[歳]代の男性についての無料検査、これを追加実施するということにいたしたいと思います。こういうようなことで経費を総合しますと400万円ほど追加予算が必要になりますので、これを11月補正予算の中で計上してまいりたいと思います。
また、これは税制の県の独自の税制の改正でございますけども、自動車税や自動車取得税についての障がい者関連の減免制度がございます。これが、私が就任する前の県政の決定事項としてあったわけでありますが、かなり障がい者やご家族には厳しい内容のものがございます。それで、これを、再度点検をさせていただきまして全国的に見ても一番障がい者家族のほうに有利な制度として使いやすくさせていただいてはどうかということです。
具体的にはこの障がい者のご家族とか、常時介護をされているかたですね。こうしたかたがたが通学とか、通勤とかそうしたことについて自動車を使うというような場合が対象になるというふうになっていたんですけども、これに私ども文化芸術活動の推進計画を全国で初めて障がい者の計画をつくらせていただきました。こういう文化活動やあるいはスポーツ活動、そうした障がい者のかたの社会参画に資するような、そういう活動に自動車を使うというところまで対象範囲を広げてはいかがかと考えております。また、よく使い勝手が悪いとか、大変煩瑣(はんさ)になっているということでこれは申請者のほうもそうですし、実は行政担当者のほうも苦慮しておりましたのが、これは回数制限があるんですね、[通院などのために自動車を]週3回以上使うとか、そういうようなことが入っていたわけでありますけども、こうした回数制限を撤廃をいたしまして、自動車税であれば4万5,000円までということでの減免を認めるというように、制度自体も簡素化し、障がい者やそのご家族、常時介護されておられるかたに有利な形で改正をしてはどうだろうかと考えております。前の県政はいろいろご議論はあったんだろうとは思いますけれども、今、障害者差別解消法もできて本県の中でもあいサポート運動も進み、例えば[鳥取市]布勢[のコカ・コーラボトラーズジャパンスポーツパーク]に総合的な障がい者のスポーツ拠点をつくるとか、また、障がい者の文化芸術活動を今県も後押しをして多くのかたがたが参加するようになってきているという現状からしますと、いささか十数年前の議論ということでは時代遅れになってきているのかなと思います。したがいまして、そういうふうに障がい者のための自動車税、自動車取得税の減免ということを認めてまいりたいと思います。
また他方で国の全体としては消費税[10%への増税]に絡めて自動車の車体課税[の見直し]等々の議論が始まっていることについては、非常に憂慮しているところであります。このこうした障がい者減免などは本当に[金]額的にはそんなに大きなものではございませんけれども、すべからくそうした一律の税の削減ということになりますと自動車税や自動車取得税、あるいは軽油引取税等の自動車関連税も含めまして東京・大阪等の大都市部よりも地方部のほうが税収は大きいわけですね、1人当たり。ですから、消費税、あるいはもっと極端に言えば法人課税とは全く逆の現象が起きていまして、地方に行けばむしろこうした活用ベースが広いというところを狙い撃ちするかのように減額をしていく。それで他方で消費税、都市部のほうに増える税収を増やしていくということになりますので、税源偏在が広がる可能性が非常に強いわけでございます。こうした制度改正についてはこれからフォローしていかなければなりませんが、地方の財政状況、税源状況に十分配慮をして検討していただく必要があるのではないか、このように考えております。
あわせまして鳥取市と共同しながら鳥取西道路の開通がもう目前に迫ってきました。そのときに素通りされる観光地にならないように、私たちとしてもキャンペーンを県市共同でやっていく必要があるんではないかと思います。こうした関連の予算も1,000万円11月補正[予算]の中で計上させていただきたいと考えております。
●知事
政府のほうでもさまざまな制度改正や予算獲得競争が始まっております。このたび私どもとして、[県]議会の関係者、あるいは市町村の関係者等々とも一緒になり、岡山[県]の人にも参画をいただきながら米子自動車道の4車線化に向けた[総]決起大会を開催する運びとなりました。この米子[自動車]道の4車線化につきましては国のほうで今こういう有料高速道路の[暫定2車線で優先的に4車線化の]検討を進めることになってまいりまして、これ、先ごろ、その例示として幾つかのそうした対象箇所の要件を示した研究会[社会資本整備審議会道路分科会]がございました。そこの中で積雪があって急こう配なところ、あるいはその並行する現道との関係で4車線化が必要になるところ、こういうものが示されておりまして、これはそこに決めたというわけではないですが、地図上の例示としては鳥取県内の米子道の所で2カ所、それが急こう配、積雪ということでございまして、また、現道と並行して走っている関係でのものが1カ所、合計3カ所示されていました。こうした国の検討状況からしますと米子道も十分俎上(そじょう)に載り得るというふうに考えております。全線ということで一気にいく[4車線化が進む]というものではないかもしれませんが、現在、江府インター[チェンジ]付近で工事がなされていますけれども、こうしたことに加えて、例えば三平山(みひらやま)トンネル[岡山県真庭市-日野郡江府町]付近だとか、そうした他の箇所についてもこうした4車線化を取り上げていただけるように関係者と一緒に政府、国会議員等に働きかけをしてまいりたいと考えております。
また、地方分権については先般、私も[全国]知事会の代表として地方[公共]団体の問題意識を安倍[晋三 内閣]総理[大臣]に直接首相官邸でお話する機会を得ました。そのときにも強調させていただいたんですが、例えば放課後児童クラブがございます。それで、この放課後児童クラブについてはどんな山の中であっても、どんなに子どもが少なくても2人支援員を置かなければならないというふうになっています。ただ、今、支援員の資格要件そう単純ではございませんで、これをそうした学校等で集めるのは大変でございます。それで、支援員を置けなければ放課後児童クラブという対象になってこないということでありまして、これは子どもたちの居場所を失うということに現実なっているわけであります。そういうようなことから我々地方[公共]団体側としては、これは今、従うべき基準として2人置かなければならないというように国が示していますけれども、これを参酌(さんしゃく)すべき基準、これは2人が標準形であるけれども、事情によっては変えてもいいですよと、地方で判断してくださいという分権を強化すべきではないかと、このように総理のほうに申し上げました。総理は先週金曜日[11月9日]の全国知事会議の席上で、私の発言には結構前向きに答えてくださいまして、そういうものは地方に任せてもいいと私は思いますよと、結構、総理も明言をされていました。従来、厚生労働省は非常に頑なでございまして、ここのところについては、ガードは固かったわけでありますが、総理もああいうふうにおっしゃっておられますし、やはりこうした問題をもう一度地方分権改革の中で、言質を政府内でも取りつけていただく必要があるんではないか、このように思います。
これを月曜日[11月19日]、地方分権改革の有識者会議がございますので、私自身も改めてこうした趣旨を申し上げて、これから詰めに入ると思うんですけれども、最終盤に向けてしっかりとやっていただきたいと思います。このほかにも地方側で提示しているのは、例えば保育園入園を断られて、それで初めて育児休業の延長ということを認められるとか、そういう制度の不合理などもございます。あるいは[地域公共]交通の問題などもございます。多岐にわたりまして改善をしていかないといけないわけでありますし、[地方]分権は有力なツールになると思いますので、月曜日[11月19日]そうした主張を改めて政府のほうにさせていただこうと考えております。
●知事
昨日[11月14日]、[平成29年度の]会計監査の指摘や注意事項の報告をいただきました。その前[平成28年度の監査]に比べますと、41件だったものが72件とかなり増えた形になっていますが、よくよく当日[11月14日]も話を伺っていますと、監査側で基準を変えた関係がございまして、従来「注意事項」にしていたものを「指摘[事項]」のほうに振り分けたことがあったこともありまして、数が増えた格好になっています。それで、お話を伺っていますと、これは働き方改革とも共通するところがあるなと思いました。監査委員のご指摘を生かせていただいて、例えば県庁の仕事のやり方やシステムを変えることなどで対処できるところをやっていくのがいいんじゃないかということです。例えば収入調定という、細かい話で申し訳ないですが、例えば道路占用料とかそういう調定ということの収入がこれだけありますよというのを年度の初めに認定をするわけであります。それで、これが漏れていましたよというお話がございました。それで、これなどはシステムの中で、例えば財産の台帳でこういうふうになっていますよというのがあれば、自動的にシステム上、調定できるようにしてしまえば[もれが]全てさっと消えてしまうわけですね、そういう監査で指摘を受けるようなことはなくなってしまうと。
それで、これは働き方改革にも通じますので、速やかにそういうように変えたらどうだろうかと。だから、新年度[平成31年度]からそういうシステム上の修正をして、年度の当初から適用していくとか、そういうことも可能ではないかというふうに思います。また、いくつか数の多いものがございましたけれども、例えば日付も遡っているというお話もございました。これは仕事が若干ずれ込んできますと、4月1日の日付でやるべきことがその後の日付にこうずれ込んでくるということなんですが、実はかつてこう文書上ですね、仕事をしていた時代は遡って日付を打つというのは往々にしてあったことであります。そうしないと会計の辻褄(つじつま)が合わなくなるわけですね。年度を通じての契約であれば、4月1日に契約しておかないとサービスを受けることもできなくなってしまう。もちろん対価の支払いにも根拠としていかがということになるわけです。これは前の年度のうちに作業してしまえばいいことであります。そこで、これ今ちょっと仕事のやり方を変えられないかというふうに庁内で議論し始めていただいているんですが、2月の県議会が始まって[新年度当初]予算を提出するわけでありますが、[新年度当初]予算を提出すればルーティンワークについては、ある程度固まっているわけでありまして、そのルーティンワークについては予算の議決がなければそこでまた全部取り消しますけれども、仕事だけは先に始めておいてもらうというやり方ができるんではないだろうか。大体年度末、年度初めで3,400件契約しなきゃいけないんですね。これはやっぱりあまりにも数が多すぎるわけでありまして、それを平準化して、ちゃんと1年間仕事をし続けた人が、わかっている人がいるうちに始末をしといてもらおうというほうが合理的ではないだろうか。それで、そのために予算の配当手続きというのがあるんですが、そういうものを仮に前倒しでしてしまって後で議決がなければ取り消しますよという形にして作業を進めてしまうと。そうするとあそこであったような日付遡りみたいなことは消えてくるのではないかなというふうに思います。
そういうことだとか、また、数が多かったのは、実は公益的な事業をやっているところについては予定価格調書というのを作らなくてもいいですよというところを、そこの解釈をちょっと誤って公益的なところをかなり広めに出したんじゃないかということを昨日[11月14日]、ご指摘があったんですね。これ、実はどういうことかというと、例えば動物愛護の団体のほうに動物愛護の仕事を委託しているわけでありまして、いわゆる随意契約で毎年やっているようなところであります。それについては実はこういう[金]額でやりましょうという取り決めがあって、それを提示した上でそれで契約をしているわけでございます。そうすると、お互いの了解がありますので、本来、予定価格調書というのは、いらないわけでございます。現に指定管理制度を導入しているところなどはそうして運用をしていまして、予定価格調書はいらないわけです。それをそうしたそれに準ずるようなところにも、うちの会計規則で広げてあげればそこのところの不整合というのもなくなる。これも会計規則の改正でできることでありまして、これについては、実は既に手当て済みになっておりまして、現時点では違法性ということというか、会計規則違反は発生しないようになっています。
それで、41件から72[件]に増えたということでしたが、こうしたことなどをやるだけでも40件を下回るようなことに数としてはなりますので、従来よりも減った形で指摘事項というものを抑えることができます。もちろんこうした不整合などを起こさないようにいろいろと手当てをしていかなければなりませんが、このような工夫をして、働き方改革のプロジェクトチームのほうに取りまとめをさせて、早速、今年度末[平成30年度末]の仕事から修正をかけてまいりたいというふうに思います。
●知事
また、[鳥取]砂丘につきまして[鳥取]砂丘再生会議というのがございましたけれども、これを、バージョンアップをして、今そこで活動している[鳥取砂丘]アクティビティ協会さんとか、それから[鳥取]商工会議所さんとかも入った形での新生の会議[鳥取砂丘未来会議]を来週[11月]20日に発足をさせたいというふうに思います。これは[深澤義彦]鳥取市長さんと一緒にそちらのほうに出向かせていただきまして、早速、実行に移させていただきたいというふうに思います。
●知事
また、海外への誘客でございますけども、香港につきましては向こうから「MeetHK」(ミート香港)という、そういう[香港の大手旅行情報]サイトに広告を打っていく、その準備として香港のかたがたに来ていただく、そういう事業を今進め始めたところでありますし、また、チケット[飛行機搭乗券]上でもAR[拡張現実]で見ていただけるような世界的に珍しいそういう広報を、これも香港航空さんとのタイアップ事業として今後やっていこうということにいたしております。
シンガポールにつきまして、シンガポールのSONYがあります。ここは現地でカメラなどを販売して、店舗網などもしっかりあるわけであります。こことのタイアップ企画なんですけども、旅行会社のほうで出すことではあるんですが、[SONYシンガポールでの商品]お買い上げの後の抽選会があって、それで5組様を鳥取[県]に招待するという、そういうプレゼント企画をやることになりまして、それにあわせてシンガポールの各地で、あるいはメディアで鳥取[県]の観光PRをやっていくということになりました。これから年末[平成30年末]に向けての企画でございまして、ぜひシンガポールでも鳥取[県]の観光の魅力が伝わるように展開を図ってまいりたいと思います。
●知事
また、青谷上寺地遺跡につきましては、この[11月]17日に篠田[謙一]先生、国立[科学]博物館の先生[副館長]でございますけども、こちらのほうにお越しをいただきまして、青谷人の状況、研究状況についての中間報告会をしていただくことになりました。これまでDNAの分析等が進められてきまして、渡来系の人たちが多数ここにいたということがわかってきています。今の私たちは渡来系の人たちと縄文系の人たちが混ざり合うような形で今の私たち日本人がある。ヤポネシア[日本列島]の源流をたどる、そういう意味では青谷の存在というのは非常に大きな意味合いが今後出てくると思われます。こういう研究の報告成果とあわせまして、先般、港ではないかと思われる構造が発見をされました。杭を打ち込みまして、そして横にこう板を渡しまして護岸をつくるわけであります。こういう構造があるということがわかってきている。これも現地での説明会もさせていただこうということでございます。さまざまな意味で、この鳥取県が実は大陸と日本とを結ぶ一つの結節点になっていて、今の日本人の源流の重要なポイントになっていたんではないか、こんな期待が膨らんでくるわけでありまして、青谷上寺地遺跡の実相に迫るヤポネシア、日本人の実相に迫っていくと、そんなような研究がこれからも進んでいくと思います。ぜひ私どもとしても応援をしてまいりたいと思います。
●知事
あわせまして[鳥取]県立美術館につきましてはPFIが今後の焦点になってくるわけでありますが、来週の[11月]20日に、このPFIに向けた審査会、これ、最終的には事業者選定まで進んでいくわけでありますが、これを発足させることになりました。ここには県外の有識者、例えば前の国立[新美術館]の館長でいらっしゃって[元]文化庁長官の林田[英樹]先生とか、それからまた鳥取大学におられてPFIの権威であった光多[長温]先生であるとか、また前の神奈川県立[近代]美術館の[山梨俊夫]館長さんであるとか、そうした県外の有識者のかたも入っていただいて、今後詰めていこうということであります。それで、早速実施方針と呼ばれます、どういうふうに美術館というものを考えていくかということの素案などを議論してもらって、審査会の後ですね、その委員の意見を聞きながら民間へのサウンディング[市場調査]ということに入っていくことになります。今年度[平成30年度]いっぱいでそういう実施方針をまとめようということで、今、教育委員会のほうで具体的な作業を始めることになります。我々知事部局としてもその状況をしっかりフォローをさせていただき、議論が実り多いものになって将来そういう美術の殿堂というものがいい形で誕生するように、私たちも応援体制を組んでまいりたいと思います。
●知事
来週は就職のフェア[とっとり就職フェア2018・秋]が行われることになりまして、今年度 [平成30年度]最後のチャンスということですが、[県]中部から始まり、西部、東部と[11月]19、20、21[日]と、来週順次行っていくことになります。
●知事
また、今週末[11月17、18日]は[とっとり]バーガーフェスタ[2018]が開催をされることになります。神奈川[県]から沖縄[県]まで18の団体が味を競い合う、そういうことになり、これが一旦ちょっと天候で繰り延べになりました[当初10月7、8日の予定を台風第25号の接近により延期した]けれども、多くのかたがたのご来場も仰ぎながら、おいしいハンバーガーをほおばり、大山のすばらしさというのを感じていただければと思います。大山[開山]1300年祭のいわば実質上の締めくくりになるような形になってまいりました。ぜひ、多くのかたがたに紅葉が深まってきております大山、味わっていただきたいと思います。私の方からは以上であります。
○テレビ朝日 後藤龍彦 記者
各社、質問がありましたらお願いします。
○日本海新聞 今岡浩明 記者
よろしいでしょうか。先ほど風しんの予防対策に言及されましたが、まず、確認させていただきたいんですが、県の制度としてはワクチンの接種対象の拡大とそれから検査のほうの対象者の拡大ということでよろしいんでしょうか。
●知事
そうですね、[ワクチンの]接種対象を、同居をされているかた、それから妊娠を考えておられるかたと同居されているかた等まで広げていくと。また、無料検査について30[歳]代~50[歳]代の男性まで広げていってはどうだろうかと、こういうような腹案で、今、最終調整をさせていただいております。これができれば、例えば全国的にも割りと踏み込んでやっているのが、東京[都]とか徳島[県]とか、そういう例があるんですけども、そういうところのいいとこ取りをしたような形で、全国でも一番風しん対策としては強めの対策になろうかと思います。
○日本海新聞 今岡浩明 記者
関連してですけども、県内で風しんの感染者、今年は確かまだ2名ということで例年並みで推移していると思うんですが、それでもやはり予防対策が必要だというお考えなんでしょうか。
●知事
これにつきましては、結局、子どもさんですね、生まれてくる子どもたちへの影響などもございます。全国的には流行しておりまして、日本はどちらかというと汚染国に海外からは捉えられています。ですから、私どもとしてもしっかりとした対策をとっておく必要があると思いますし、そういうことに備えていきたいという声も寄せられているところであります。ただ、この風しん対策は市町村との共同事業に、予防接種ですので、その市町村との共同事業としての実施というようなことでありまして、そういう市町村へのご理解も今後得ていきたいと思います。
○山陰中央新報 原田准吏 記者
細かい話ですが、対象は何人ぐらいになるんでしょうか。
●知事
そしたら、後でその風しんの状況等も含めて担当部局のほうから、今の案ということで、まだ決定ではないんですが、今の案について考え方の説明をご報告させていただきたいと思います。
○NHK 吉村美智子 記者
すみません。このタイミングでの対象の拡大というのは全国での流行を受けての対象拡大ということになるんですか。
●知事
そうですね。全国での流行を受けての拡大でございますし、また、やっぱり子育て王国としてのきちんとした責任を我々としても果たしていきたいということであります。もちろん病気のことでありますので、感染することはやむを得ない現実があると思いますけれども、それを予防したいという、そういう親御さんたち、あるいは同居されている方々のそういうお気持ちには少なくとも制度上は応えていきたいということであります。
○日本経済新聞 山本公啓 記者
ちなみに30~50代で免疫がじゃあ、足りなかったという場合の、その先の接種はご自由にどうぞということになるんですか。
●知事
そちらはそうですね。大体、実は無料検査は今も鳥取県のほうでも実施をさせていただいていますけども、そこに30[歳]代~50[歳]代というのを加えさせていただいているということですね。詳細、ちょっとまだ生煮えの部分がありますけども、また後刻、ご説明を申し上げます。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
すみません。自動車税の改正、自動車税に関する条例の改正についてお伺いしたんですけども、独自の拡充ということで、改めてその狙いと、それから、それによってどのような共生社会を目指していくかという思いを。
●知事
これ、実は県議会等でも少し議論があったところなんですが、例えば回数制限などをやったりしていたわけでありますけども、そうすると非常に申請手続きが煩瑣になりますし、現実ちょっとそこまで求めるかなというようなことを実務としてはやらざるを得ないところがありました。ですから、やはり対象者であれば回数制限ということを考えずに認めていくとか、より簡素化することで申請者側の利便にもなりますし、実は私どもの働き方改革といいますか、事務の合理化にもなると思います。この点は実は以前の県政の考え方でございまして、当時の議論ですけども、当時の議論としては障がい者減免ということを利用して、すごく立派な自動車を買ってそれを免除しているとか、そういうことはいかがかとこういう観点での県独自の実は規制をかけて大幅にこの障がい者減免について範囲を狭めたという沿革があります。ただ、これやってみて何年か今、なっているんですけども、ただ、正直、周囲の県、中国5県の中とかいろいろ比較してみますと、鳥取県だけ非常に厳しいという状況が続いていたところであります。
制度の趣旨としてはそういう、何といいますか、どっちかというとモラルハザード的にこれを利用してあまり関係ない人が自動車税を払わないでいると、しかも高級車を買っているとか、そういうことになるのを防止するという趣旨だと思うんです。そうであれば、自動車税でいえば4万5,000円という上限をかぶせて、それ以外のところはどちらかというと元に戻すような形で改善をするというふうにしたほうがいいのかなと、こういう判断であります。ちょっといろいろと庁内でもああだこうだ議論してきたわけでありますけども、このたび、そういうことでどちらかというと前の改正前の形に近いような形にしていこうと、それが全国的に見れば通常のやり方でもあって、一番有利なやり方にもなるということであります。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
元に戻すプラスその踏み込んだ部分というのは、障がい者芸術だとかスポーツなどでの送迎、送迎といいますか、した場合も対象と。
●知事
そうですね。そこらを対象として広げたいということですね。もともとは全国的にはまだ地方分権前の段階ですけど、そういう減免通達というのがあって地方税についてわりと全国一律で運用がなされていました。そこからはだんだん分権が進んで分かれてきているわけです。そのときの分権の税制の1つの例として、以前の県政がこの障がい者減免の縮小ということで踏み込んだんですね。だから、そこをちょっともう一度、今、それから数年経ちましたので、全体、全国の状況も見渡してみて再度改めさせていただきたいということであります。4万5,000円という上限をかぶせることで贅沢批判というものには対処できるのではないかと思っています。
○中国新聞 小畑浩 記者
すみません。よろしいですか。台風24号関係の話で激甚指定ということですけども、これはもう決まったということなのか、内定的なことなのかどちらでしょうか。
●知事
今日[11月15日]ですね、[山本順三 内閣府]防災[担当]大臣のほうから発表されたといふうに伺っております。したがいまして、我々としては、これは要望してきた側としては大歓迎だということです。どうしても台風24号災害ですね、地域性がありまして本県は結構甚大な被害がありました。それで同じようなことは他の地域でもあって、例えば高松[市]とか、栗林公園の木が倒れたとか、それから宮崎[県]だとか、静岡[県]とか何かちょっとバラバラなんですね。ですから、ちょっとわかりにくかったんだと思います。それで報道のほうの捉え方もあると思うんですけども、そうしたことで全国的に被害は広がったんですが、ちょっとそれをつなぎ合わせて見ていただけてなかったということがあったのかなと思います。それで、農林[水産]大臣に、我々としては10年間で最大の被害だということを強く申し上げまして、早速、[濱村進]農林[水産大臣]政務官がこちら[鳥取県]に来られて実情視察されたわけでありますが、そういうさまざまな動きの中で、今回、全国的な激甚災害としての指定がなされることになったのは、我々としては現場の声を聞いていただけたというふうに感謝申し上げたいということです。
○中国新聞 小畑浩 記者
この指定によって具体的にこの分野での改善というか、復旧がより進みやすいとか、期待できるというところがもしあれば挙げていただければと思います。
●知事
例えば琴浦町とかはあちこちで土砂崩れによって農道がやられたり、農地災害が起こったりしています。こういうものでの復旧の、持ち出す一般財源、財源[負担]が緩和されます。これによりまして思いきってこういう災害対策に町村も向かいやすくなったというふうに思います。そんな意味で激甚災害をこうやって早めに出していただけというのは大変にありがたいと思います。
○日本海新聞 今岡浩明 記者
すみません。子育て関係でもう1点お伺いしたいんですけども、政府が来年10月から幼児教育保育の無償化に取り組むというふうにいっておりますけれども、実施まで1年切った段階ですけれども、なかなか具体像が見えてこないということで県を含めた行政関係ですとか、それから保育の現場のほうでも、今後の対応についてなかなか苦慮されているんじゃないかと思うんですけれども、政府の方針を巡って知事はどのように受け止めていらっしゃるんでしょうか。
●知事
私どもは子育て王国として保育料の無償化事業を中山間地で実施をしたり、都市部でも第3子以降の免除をしたり、そういうことを地域ぐるみで取り組んできました。それで、我々は国を挙げてこういう保育の経済的負担等の対策を政府がやるべきであると訴えかけてまいりました。今回、消費税の引き上げ等もこれあり、そこに踏み込んだ対策をとられることは我々が望んできたことでありまして、歓迎を申し上げたいと思います。ただ、それをやるためにはいろいろと準備も必要であります。特に今、全国市長会と政府との間で緊張感が高まっておりますのは負担問題でございまして、これについては、先般、中国地方知事会でも[湯﨑英彦]広島県知事などが発言もされておられました。結局1年間は国が見るけれども、その後は地方が見るということなのかなとも思えるもんでありまして、ただ、それは我々実は無償化を進めていくために大変な[多くの]一般財源を使ってきているわけですね。それで、今回、実は私どもですと中山間地とか第3子以降などをやってきましたが、第1子、第2子のほうにさらにそれが続いてくることになりますと、差引勘定をしますと本県であってもやはり追加の財源が必要になるということであります。ですから、こうした財源対策など、まだ未解決なところがありまして、そこを速やかにこの年末[平成30年末]の予算編成作業に向けて政府として現場の声を聞き決着させていかないと前に進まないんではないかということがあります。また、細かい手続きとか、申請とかさまざまな一連のものもございまして、もう既にタイムリミットに近づいているんじゃないかなと思いましてその辺の政府のオペレーションといいますか、今の進め方については若干の懸念を抱いております。
○日本海新聞 今岡浩明 記者
タイムリミットというのはその地方側の財源の負担の問題についてというところ。
●知事
タイムリミットは多分この年末[平成30年末]じゃないと予算編成作業だとか、市町村のシステム改修だとかいろんなこと含めて間に合わなくなってくると思いますね。ですから、この年末[平成30年末]までは1つの大きな山ではないかなと思います。
○共同通信社 仲野智揮 記者
ちょっと話変わるんですけど、障がい者雇用の水増し問題に関して厚労省を初めとして中央省庁は職員の処分を見送るという方針でまとまりつつあるんですけれども、そういった対応の妥当性について知事、どのように考えていらっしゃるかっていうことを。
●知事
私どもちょっと、私どもの自治体としては、当県としてはそういう水増しはなかったものですから、どういう状況だったのかなというのは正直わかり兼ねるので、その適否についてコメントをしにくいところであります。ただ、一般論で申し上げれば、本来その厚[生]労[働]省も含めて中央政府の省庁は各業界団体やあるいは[地方]自治体に対して指導していくべき立場であります。それで、その中に今回障がい者雇用というものを推進するということを掲げて、指導してきたその当局のほうが実は数字を単純に水増ししていたというのは、これは言語道断であると思います。処分が個々の職員としての多分法令の解釈を誤ったのかとか、あるいはそこに意図的なものがあったのかとか、いろんなことを総合しておっしゃっているんだと思いますけれども、ただ、そうした組織体質が中央省庁のほうにあったということは、猛省していただく必要はあるんじゃないかなと思います。私どもは、実はここ10年ほどかけてこの障がい者雇用率を上げてきました。教育委員会も含めてやってまいりました。それはなかなか大変だったんですね、例えばワークセンターという組織を設置して、その障がいに応じてそれぞれの個性を発揮しながら仕事ができる、そういう職場をつくってみたりとか、また、全国に先駆けて精神障がい等々も含めた職員採用を試みるとか、こういうようなことをいろいろとやった上で、本県は基準をクリアしてかなり全国平均より上がってきているところでありますが、そのとき、常々ちょっと疑問に思っていましたのは、全国が何か何もやってなくて何でそんなに上がるかなということでありました。今回からくりがよくわかりまして、国のほうの省庁でそうやって程度の軽い方々なども入れて水増しをしていたということでありまして、書類上の辻褄を合わせることよりも、やっぱり本当に障がい者のことを考えるのであれば、努力してだめであれば基準を下回っている。それに対してPDCAサイクルを回して頑張って対策をとっていくと、これをきちんとやるべきであったんだろうと思います。そういう意味で、処分は個々人の何といいますか、非違行為があったかどうかの判定が必要でありますので、ちょっとそれについてコメントはいたしかねますけども、ただ、一般論としては言語道断であり、猛省を促したいと思います。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
すみません。保育料無償化の関係で少し触れられたかもしれませんけど、ちょっと聞き漏らしておりまして、先般、森のようちえんについて、この無償化の対象外とする方針で最終調整しているという報道が一部でありましたけども、これについて知事は何か国のほう、県として国のほうでそういった方針を聞き取っていらっしゃるか、それからもし仮にそうであればこれに対する見解なり、今後の要請活動なりのご予定はございますでしょうか。
●知事
事務ベースでは、いろいろと国のほうの検討状況は私たちなりにもフォローさせていただいております。それで、我々のほうに聞こえてきているのはちょっと報道と若干違うかもしれませんけれども、ですから、何が正しいかよくわからないんですが、森のようちえんを一律に排除するということではなくて、認定を受けているようなものについて、それで保育に欠ける児童[保護者の労働等により家庭において必要な保育を受けることが困難な子ども]については無償化対象に加えると。ただ、その保育に欠ける児童と言えない場合には無償化対象にならないと。こんなような検討をしばらく前からされているんじゃないかなと思います。ただ、私どもはそれで実は満足しておりませんで、正直、森のようちえんは幼稚園的なところもあるわけですね。ですから、そういう意味で幼稚園であれば一律に保育に欠ける、欠けないにかかわらず支援ということになります。だから、ちょっとおかしいんじゃないかなと。
それで、危惧しておりますのは、これがきっかけとなって森のようちえんに入園させるのを見送って、経済的な問題もあって普通の幼稚園なりに行っていくというような、そういう傾向を助長する可能性があって、森のようちえんの経営基盤、これみんなカスカス[ぎりぎり]のとこでやっていますから、それを揺るがしかねないのではないかなというふうにも危惧をいたしております。そこで、自然の中で育んでいこうというそういう保育を追求する自治体連合をつくりました。それで、今回、阿部[守一]長野県知事が会長に選出されまして、私は副会長かなと思いますが、それで全国組織でいろんな団体が入って、市町村も入って発足をしました。最初の会合のときに私も訴えましたけども、今の無償化の議論の中で、この森のようちえんを対象とするように、私たちの連帯組織の中でも訴えかけをしていこうというふうに申し上げました。それで、これについては阿部会長のほうもご理解をされていまして、国への要請活動、これちょっとまだ日付的にはできてないようでありますけども、国への要請活動の中にこの森のようちえんの無償化ということも、全国、そうした組織として、全国組織として言っていこうというふうな方針になっております。
これは、ちょっと向こう[厚生労働省]側のいろんな論理があるんだと思うんですけども、ただ、我々としてはそもそも森のようちえんを保育園でもない、幼稚園でもないとしてらち外に置かれていること自体に違和感を覚えていまして、やはりそこに入園させたいという親御さんたちのそういう思いがあって、子どもたちもしっかり成長しているというエビデンス[根拠]も出ておりますので、国としては正面からこの森のようちえんを取り上げていただきたい、その結果として当然に無償化ということの対象に差別なく入れていただきたい、こういう思いを強く持っております。
○時事通信社 今泉悠 記者
会計監査についてなんですけれども、制度というか、その県のルールというのを法律的に合理的に現実に即した形でこう変えていこうという、そういう話だと思うんですが、このやり方については一義的には地方自治法の定めるところではないかなと思うんです。それで、そこで、もちろんその範囲内での県でルールを変えるということだとは思うんですが、逆にその自治法のほうに欠陥があったりとか、変えたらいいんじゃないかというようなところはありますでしょうか。
●知事
実はその地方自治法に財務という規定があるんですね。それで、それがまた政令とかも含めてかなり大部な体系があります。それに基づいて各[地方]自治体が会計規則をつくりまして、その配当や支出等をそういうのを定めています。ただ、これが正直、時代の変化に追い付いていないのではないかなというふうに思えるところがあります。例えば、今回遡りの問題などで指摘をいただきました。それで、今その前年度のうちにやってしまえるようにやっていこうということを、今ちょっと呼びかけさせていただこうと思っているんですけども、それで、こういうの[会計処理上の問題]はどうして起きてくるかというと、従来ですとこれ多分ね、どこの自治体もそうだと思うんですが、例えば1日、2日どうしても日付がずれますけど、要は4月1日に全部仕事できませんから、それで、契約など決裁は翌日になっても前日からもう契約ということで了解しながら仕事もしていますし、現に業者さんもサービスを提供したりする、そんなようなことで4月1日の日付でやるということであるわけですね。それは遡りということでやる実務が全国にあると思います。
ただ、それ法的にはぎりぎりいうと難しいということになるわけですね。それで、これが実は電算システム、庁内LANなどのシステムを導入しているもんですから、以前であれば決裁日付自体がずれていたんですね、4月1日で。ところが今、それが書類上そういうことはできなくなって、全て現実の何日の何時何分何秒にこれ決裁しましたというのが記録上残るわけです。そこで、従来ではちょっと見えなかったところが見えてきて、今回のような指摘になっているわけですね。本来、この年度初めで全部、例えば契約事務からなにからやってしまうというところが果たしてできるのかどうかっていうのは、もともと難しいところがありました。さらに、支出負担行為の仕組みとか、それから予定価格調書とかいろんな仕掛けが入っているわけです。これは会計の公正性を保つための1つのルールなんでしょうけども、ただ、例えば随意契約的なことだとか、民間[事業者]への[業務]委託がどんどん広がっていたりしている、そういうような現状からするとちょっと厳格すぎるところもあるわけですね。それで、実際はもう既に了解をしてそれも公正なやり方で了解した上でさらにもう1つ手続きを重ねるような形で予定価格調書をつくりなさいということになっていたりしているわけでございます。
この辺はある程度緩めていくこともできるんですね。それで、今回ちょっと今後の問題かなと思うのは外国との決済のやり方なども含めて、今の[地方]自治法の規定で果たして現在の実務にあっているかというのはほんとは見直していかなければならないと思います。特にこれから働き方改革等進めて、こういう事務作業は多くはAIなども導入したりしてロボット化したりしていく、そうなってきてどんどん機械の中で作業されてくるようになります。そうなると、いちいちこう文書のやり取りで見積書を取るとか、それから予定価格調書をどうするとか、こういうようなことを1つ1つ事務作業をやっていくということは現実に即さなくなってくるわけですね。ですから、そろそろこうした財務規則については見直しを考えてもいい時期じゃないかなというふうに思います。それで、私たちは便法的にそれを電算システム等とも調和的なやり方をやってみようということです。
先ほど申し上げました前年度で作業をしようと思いますと、実際は予算配当というものがなされないと作業できないようになっているわけですが、システムというのはそういうもんですけど、それを予算配当は現実になされていなくても事務作業のために配当したような形で電算を動かしてしまうと、そういうようなことをやることで現実ちょっと他所(よそ)の県ではなかなかやりにくいかもしれませんけども、うちの県としてはそこはやってしまおうというようなことを今考えているわけです。これは現行の会計規則含めた財務規程の範囲内でできることでありますので、それを便法的にやろうと。ただ、現実はその前提として、もうそうした作業はできたり、事務の平準化ができたり、また、AI、ロボット化が進められるようなそういう財務規程にもう変えていかないと追いつかなくなって来ているというのは実情じゃないかなと思っています。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
すみません。淀江産業廃棄物処分場計画についてお伺いしたいんですが、先日、廃棄物審議会が開かれてこれまでの住民との調整状況が示されたところですけども、応じた住民さんに関しては事業者との間で平行線が続いていると、それから応じていただけない関係者だとか、それから開いてもちょっと混乱して流会になったという事例があったわけですけども、知事として現状どう、なかなか平行線の状況が続いているんですけど、どう現状を捉えているかということと、それから9月議会でいつまでにという時期については頭にはないというようなことをおっしゃっていましたけども、今のところ、例えば年度内にどのあたりまでの手続きが進むべきだとか、そのようなスケジュール感みたいなものっていうのはございますでしょうか。
●知事
まず、スケジュール感としては、それはあえて持っておりません。あえてというのは、これはもう条例に基づく手続きでございまして、事業者側とそれからその地域の皆さんとの間で話し合いをして、了解点に達せられればよし、了解点に達せられなければそれはもう通常の廃棄物処理法の手続きにいって、そこで環境への影響等を判断しましょうと、こういう仕組みであります。これを誠実に動かすのが大事でありまして、いつまでに決着ということを考えると、いわば手続きプロセスが歪むんじゃないかなと思いますので、あえてそこはスケジュール感を持っているわけではありません。このたびは、[鳥取県]廃棄物審議会のほうで、現在の状況を聞き取られて、それで一部についてはもう平行線ではないかというご指摘があったり、また、その他の分についてはなかなか難しいかもしれないけれども、もう1回調整をしてみてくれと、こういうようなお話でありました。
審議会のほうも客観的・中立的立場で、そういうふうに現状に即していろいろと考え方を出されると思います。鳥取県の県庁のほうは事務局でありますので、その客観的な見解をいわば体現していくのがベストでありまして、うちのほうでいつまでに決着して終わらせるというようなことを差し挟むのは控えるべきでないかなと考えております。現状ではそうした審議会の判断がありまして、私のほうではその審議会の判断を尊重すべき立場でありますので、審議会のお考えというものを中核に据えながら、今後も丁寧にプロセスを進めていくということに尽きると思っています。
○日本海新聞 北尾雄一 記者
従来から知事は議会でも県は2つの立場があって、1つはその規制行政として中立公正にプロセスを見守るといいますか、運営していくということと、一方で産業振興上、産業振興を進める上での環境整備としてこの施設の必要性というのもあると思うんですが、知事としてこの産業振興の面から、この施設というのは改めて必要性みたいなことについてはどのようにお考えになっているでしょうか。
●知事
そこも含めてちょっとあえて、今後、実は廃棄物審議会が絡みながら、もし今の条例手続きが終結すれば、その後は廃棄物処理法に基づいて審議会での審議を得ながら判断していくということなります。ですから、まだそこの立場もありますのでこれが必要とか、必要でないとかいうことを私のほうでまだ申し上げられる段階ではないと思っています。ただ、一般論で申し上げれば、廃棄物処理法の世界で、都道府県はそういう廃棄物処分ができる施設というのを確保していかなければいけないという立場がありまして、それは別にどこでなければならないということでありませんが、そういう一般的な責務を与えられているというのは事実です。それで、また片方で、それが環境に与える影響とか、そういうものについては排除していかなければならないと、そのようなことも含めて可否判断というものを中立的に行わなければならないという立場もございます。そういう意味で2つの立場がどうしても入り込んで体系ができているもんですから、なかなかちょっとものを言いづらいところがありますけども、今、現実は[(公財)鳥取県]環境[管理]事業センターのほうでこのプロジェクトを進めようとされて動いておられる。それに対して判定をしていくことを今後やっていくということになりますし、現在はそのセンターと住民との話し合いを促進をするということを条例で定められていますので、その話し合い促進ということを仕上げていくということではないかなと思っています。ちょっとそれ以上はちょっと今、私のほうで言えることはないのかなと思います。
○時事通信社 今泉悠 記者
すみません。来年の知事選についてなんですけれども、熟慮されてきたと思うんですが、今の進捗具合を教えていただければと思います。
●知事
昨日[11月14日]も農業団体のほうから、これ私たちの統一した考えだということでの、出馬しろという要請もいただき、その思いには私も非常に厳粛に受け止めて、ともに農業の振興を図ってきたパートナーとして感謝申し上げたいと思っています。また、同じようなことが最近も土地改良事業の連合のほうで土改連[鳥取県土地改良事業団体連合会]というところですね、やはり集会の中で会長のほうからお話があり、衆議一決(しゅぎいっけつ)[意見がまとまりきった]ということもありました。こうしたいろんなお声をいただいていること、大変に私も感謝をしながらそういう思いを受け止めて、今、慎重に熟慮を重ねているというところであります。そういう意味で、従来申し上げていることと変わったということまではないというふうに考えていただいて結構です。
○テレビ朝日 後藤龍彦 記者
ほかよろしいでしょうか。以上、なければ終わります。ありがとうございました。
●知事
どうもありがとうございました。