第2回講師研修会 の振り返り
第2回講師研修会は、小学校5校、中学校6校を会場に、エキスパート教員等の優れた授業を参観し、研究協議を行いました。
参加者は、第1回講師研修会で学んだ「信頼関係づくりの視点」と「教科指導の視点」を意識しながら授業を参観しました。参観後、授業者によるミニ講義を行い、「信頼関係づくり」と「授業づくり」について学びを深めました。
○浦安小学校 令和元年10月2日(水)授業者 谷岡裕子 教諭
【公開学習】1年 国語「おはなしをよもう」
登場人物の言動から、物語の内容を想像する学習でした。児童は、登場人物の気持ちを、叙述をもとに考えたり、友達の考えを聞いたりして学びを深めていきました。発問の工夫やテンポの良さ、子どもたち一人一人に丁寧に寄り添う姿の大切さなど学ぶべきことが多い授業でした。
【ふり返りシートより抜粋】
- 子どもたち一人一人を認め、居場所をつくる授業づくり、教室づくりをするために、一人一人に声をかけることや、授業の中で全員が「できた」と思える活動の工夫をすることが必要であることを学んだ。
- 谷岡先生が、子どもの肩を軽く「トントン」とたたき、子どもを励まし、認めておられるのを見て自分も取り入れたいと思った。
○大栄中学校 令和元年10月15日(火)授業者 妻由 愛 教諭
【公開学習】1年 保健体育 球技「ソフトボール」
「ソフトボール」の基本的な技能を発展させて,仲間と連携しゲームが展開できるようにすることをねらった授業でした。生徒は、チームで声をかけ合ったり話し合ったりしながら、どこへ送球するのが良いかを考え意欲的に活動しました。適切な支援をするためには、教師が生徒一人一人の状況を把握することが大切であると感じる授業でした。
【ふり返りシートより抜粋】
- 生徒が書いたワークシートの内容を大切にして授業づくりをすること、教師があまりしゃべらず、生徒の活動時間を確保することの大切さを学んだ。
- 常に教師の「本気」を伝え、「目を見て話す」「小さな声を必ず拾う」ことを意識した授業づくり、学級経営をしていきたいと感じた。
○湯梨浜中学校 令和元年10月17日(木)授業者 山下 有司 教諭
【公開学習】3年 数学 「図形と相似」
図形の相似比を活用して、対応する線分の長さや角度の大きさを求める学習でした。生徒は、既習の内容を基に自分なりの考えを持ち、グループで自分の考えを伝え合い、学びを深めました。ねらいに迫る発問の工夫、ICTの活用等、生徒が主体的に取り組むための工夫が多く見られた授業でした。
【ふり返りシートより抜粋】
- 生徒の実態に合わせ、ねらいと活動内容に一貫性をもたせた授業づくりを行っていくことの大切さを学びました。
- 教師が説明や解説をしすぎず、生徒が主体的に学習に取り組む時間を十分確保できる授業づくりに努めたいと感じた。
○東中学校 令和元年10月18日(金)授業者 山根 晃治 教諭
【公開学習】1年 英語 「Program 6 由紀のイギリス旅行」
教科書を読んでその内容を理解し、3人の登場人物の会話を、ジェスチャーを交えて音読する学習でした。生徒は、正しい発音を意識しながら英語でのやり取りを楽しんでいました。生徒が積極的にやり取りできるようにするための工夫や自力で発言できるようにするための発問の工夫がある授業でした。
【ふり返りシートより抜粋】
- 教師自身がモデルとなって英語を使う姿(会話を拾う、発言を繰り返す、聞き返すなど)を見せることの大切さを学んだ。
- 生徒に自信を持たせるために、生徒の姿をよく見て、できたことや良いところをしっかりほめることが大切だと感じた。
○西中学校 令和元年10月18日(金)授業者 小谷 孝 教諭
【公開学習】2年 理科 「天気の変化『地球をめぐる水』」
地球上の水が姿を変えながら循環していることを、自分の言葉で説明する学習でした。生徒は、自分が水になったと想定し、水の循環を体験することで、水の変化に気づき、その気づきをグループで図にまとめ理解を深めていました。生徒の興味・関心を引き出したり、理解を深めたりするためにICTを効果的に活用した授業でした。
【ふり返りシートより抜粋】
- 生徒に興味・関心を持たせる授業にするために、わかりやすい指示、プレゼンテーション、ワークシートの活用などの工夫が大切なことを学んだ。
- 体験を取り入れたり、課題設定を工夫したりして、生徒にとって参加度100%になるような授業づくりが大切だと分かった。
○河北小学校 令和元年10月29日(火)授業者 矢田 憲子 教諭
【公開学習】5年 自立活動 「漢字の覚え方を工夫しよう」
漢字のパーツを意識して、覚え方を考えたり、手や指先をコントロールする力を身に付けたりする自立活動の学習でした。児童は、補助具を使って点つなぎのプリントに取り組んだり、漢字の覚え方を自分で考えたりしながら学習を進めました。児童の実態に合わせて、活動内容が設定されており、児童が目的意識をもって意欲的に取り組むことができる授業でした。
【ふり返りシートより抜粋】
- 「させたいこと」を確実にさせるためにサンドイッチ方式(「ほめる」→「させる」→「ほめる」)を実践に取り入れ、児童に力をつけていきたい。
- 矢田先生のように、引き出し(声かけの言葉や教材など)を増やし、児童の実態に合った支援ができるようになりたい。
○成徳小学校 令和元年11月14日(木)授業者 中波 優子 教諭
【公開学習】4年 算数 「がい数とその計算」
四捨五入の意味から、「以上」「未満」「以下」を使って概数の範囲を表す学習でした。児童は、数直線を使いながら、どのように概数を表せばよいかを学習しました。学習のねらいに迫る発問や、間違いを大切にする授業の進め方で、児童が意欲的に取り組むことのできるよう工夫された授業でした。
【ふり返りシートより抜粋】
- 子どもたちの人間性を育てていくために、算数の学習を通して、間違いを受け入れ、共有し、みんなで考えていける学級にしていきたい。
- 自分が担任している低学年は、まだまだ自分の考えをうまく伝えることができない。だからこそ友達と学習する意義があると感じた。友達とかかわることで、児童が理解を深めていけるような授業づくりをしていきたい。
○東伯中学校 令和元年11月14日(木)授業者 田村 公顕 教諭
【公開学習】1年 社会 「ヨーロッパ州」
ヨーロッパ諸国が、EUとしてまとまることになった要因を資料に基づき考察し理解を深めていきました。生徒は、「今日の課題」に対する自分の予想を立て、全体で共有した後、資料を基にグループ学習を進めました。授業の流れが明確で、生徒が見通しをもって取り組むことができていました。また、本時のねらいに迫る課題が設定されていたため、生徒が意欲的に取り組むことができる授業でした。
【ふり返りシートより抜粋】
- グループでの学習において、自分が考えたことを人に伝える、そして、聞いたことを自分の考えに生かすことの大切さを学んだ。
- 自分が大切にされているという思いを生徒にもたせることが自己肯定感を育むことにつながるということを学んだ。
- 「小さなできる」を積み重ねて「みんなができる」という授業につなげたい。
○羽合小学校 令和元年11月18日(月)授業者 由井 祥栄 教諭
【公開学習】3年 音楽 「いろいろな音のひびきをかんじとろう」
金管楽器の音色の違いや旋律に関心をもちながら聴き、その面白さを感じとる「鑑賞」の学習でした。児童は、ホルンとトランペットの音色の特徴を言葉や体を使って表現することで、音色の特徴をとらえていました。鑑賞のポイントを示すことで音楽的要素を仕組み、曲想の特徴などを意識しながら聴くことができるように工夫された授業でした。
【ふり返りシートより抜粋】
- 教材研究がいかに大切かを学んだ。単元を見通して授業を組み立てることや、1時間の授業の中で子どもがどんな反応をするかを考えながら教材研究をしたい。
- 児童に寄り添った支援や声かけについて学ぶことができた。
- 音楽的要素、曲想など、押さえるべきポイントをしっかり押さえられた授業だったので、授業づくりの参考になった。
○北条中学校 令和元年11月19日(火)授業者 中尾 智則 教諭
【公開学習】2年 国語 「平家物語」
古文を音読し、古典の世界に触れる学習でした。生徒は、「侍は本当にかっこいいか?」という問いに対して、自分の立場を決めて、なぜそう考えたのか、根拠を基に、友達と伝え合いました。単元を通して身に付けさせたい力が意識された授業でした。
- 単元を通して生徒と学んでいくことを共有することの大切さや、視覚的な教材がいかに有効かについて学んだ。
- 単元構成を考える段階で、ゴールを決めてそこに到達するためにどんな手順を踏んで1時間を考えるか、ということが大切だと感じた。
- 生徒が興味関心を持てるような授業づくりに取り組んでいきたい。
○羽合小学校 令和元年12月3日(月)授業者 平井 さゆり 教諭
【公開学習】5年 外国語 「What do you have on Monday?(学校生活・教科・職業)」
夢を叶える時間割を紹介しながら、友達と積極的にコミュニケーションを図ろうとする学習でした。児童は、夢を叶えるための時間割を紹介し合うことを通して、自分の本当の気持ちを伝え合いました。児童の「伝えたい」「聞きたい」という気持ちを大切にした授業で、児童が主体的に取り組んでいました。
【ふり返りシートより抜粋】
- クラスルームイングリッシュにあふれていて、児童が楽しそうに学んでいた。
- 児童を困らせないようにする支援が多くあったので、真似したい。
- 児童が取り組んでみたいと思える課題設定、安心感をもって学べる工夫があったので、学校でもぜひ実践したい。
本研修会は、「中部版スクラム教育」事業(「中スク」と略す)の取組です。
◆10月2日(水)から12月2日(月)にかけて、11会場(午後開催)で実施します。
実施要項.pdf(2019年9月18日 10時15分 更新 54KB
◆各会場の開催要項は、開催の2週間前には以下の一覧に加えて掲載します。各自が確認し、
必要な準備をしてください。
◆追加で参加を希望する場合は、開催日の2日前までに、学校長、地教委を通して中部教育
局へ連絡してください。
●充実した研修とするためには、次のことが大切です。
(1)「自分ならどのような授業をするか」、自分なりの授業の構想を描いておくこと。
(2)「研修を通して何を学びたいか」、目的意識を明確にしておくこと。
研修会一覧
※「中部版スクラム教育事業」とは、中部地区の5市町教育委員会、小学校長会、中学校長会、高等学校課、中部教育局がスクラムを組み、中部地区の教育課題解決に向けて取り組む事業です。