地域の食の特色は、スーパーマーケットや小売店の店頭に並ぶ商品からも感じることができます。
今回は「魚」に注目して「家計調査」(平成28から30年平均)の結果を基に、鳥取市の特色を探ってみたいと思います。
まず目を引くのが、1世帯当たりの生鮮魚介の購入数量が多いことです。年間購入金額は全国を下回っていますが、購入数量では、全国を大幅に上回り上位に入っています。
品目別では、「いわし」が年間購入金額・購入数量ともに平成21年から23年平均以降連続して一位を維持しています。
他の魚では、底引き網漁が解禁となったこの時期、店頭でよく目にする「かれい」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。「かれい」の年間購入金額は全国一位、購入数量は全国二位で、とても身近な存在であることが窺えます。
家庭の食卓において、刺身、焼魚、煮つけ、フライ、つみれなど様々な調理が可能なことが、根強い人気の理由と言えます。
また、豊富な漁場が近くにあり、新鮮な魚を安定して購入できることが考えられ、他にも、「かに」、「ちくわ」なども購入金額全国一位を飾るなど、食の豊かさは地域の魅力の一つです。
“じげのさかな”は素朴ではありますが、味わい深く、古くから人々に愛され親しまれています。地域の食生活の移り変わりを記録し、未来に伝えるのも統計の大きな役割です。
これからも、鳥取の魅力を広く紹介していきたいと思います。
本ページは、令和元年10月25日付「日本海新聞」掲載の同題コラム(鳥取県令和新時代創造本部統計課執筆)からの再録です。