●知事
皆様、おはようございます。いよいよ来週、鳥取県でも[令和2年6月定例鳥取]県議会開会ということになります。新型コロナ対策を初めとした諸議案につきまして県民の代表者の御意見を仰ぐこととなります。今日[6月3日]も新型コロナをめぐる状況というのは、変わりはないところでもあり、昨日[6月2日]は東京のほうで「東京アラート」というものが発出されたということになりました。まだ感染症のウイルスはこの日本に留まっていることは間違いないわけでありまして、警戒を怠らず、その片方で地域の発展の歩みを止めたままにしておくわけにもならず、そこのバランスがこれから戦略的に求められるということになるのではないかと考えております。
●知事
そういうような観点で申しますと、実は鳥取県は移住定住を、促進をしておりましたが、昨年度[令和元年度]の移住定住の数、これが2,169[人]というふうに過去最高の人数になりました。このことに象徴されますように、最近、鳥取[県]あるいは山陰を目指して住まいを求められるそういう方々が増加傾向にあったわけであります。新型コロナウイルスがもたらしたそういう価値観の変化というのはいろいろこれから出てこようかと思いますが、前向きなことも地域としては考えられるのではないだろうか。昨日[6月2日]は鳥取大学、それから[鳥取]環境大学を初めとした県内の高等教育機関と協定を結び、県内の学生定着等を目指す協定を結びましたけれども、そうしたことなども含めてこれから年度の進展に向けまして我々としても少しずつ、少しずつ対策を広げていければというふうに考えているところであります。
3 新型コロナウイルス感染リスクの評価、鳥取県版新型コロナ警報
●知事
そういうような調整を取りながら、片方で感染のリスクに備える、また、もう片方では経済社会活動というものをやっていく、こうしたことの調和を取るために、1つにはガイドライン[指針]というような手法が設けられますが、もう1つ我々としてぜひこの機会に制定しておきたいと考えておりますのがリスク評価でございます。鳥取県として新しいそうしたリスクを評価をして、それと対策を連動させていく、そういう指標を設けていければと思います。今週に入りまして専門家チームを、発足をさせました。いろいろと御意見を伺いながら、こうした評価基準というもののあり方を話し合ってまいりました。
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ここにまいりまして一定の方向性が出たと思います。ですから、とりあえず暫定版を、制定をさせていただきまして、これからの対策の指針といたしてはどうだろうか。それが県民の皆様や企業、あるいは医療機関に取りましても行動を起こす目安という役割も果たすと思います。いわば県民みんなでこのコロナとの戦いを遂行していき、同時に自らの経済や社会、そうした活動を続けていくための一つのバロメーターを設けておく必要があるんではないかということであります。今日[6月3日]、このあと、[新型コロナウイルス感染症]対策本部を県としても開催をさせていただき、こうした暫定版の制定を決めていきたいと思いますし、運用を開始したいというふうに考えております。
これ、各県でも、今、同じような取組もなされ始めていますが、鳥取県独自の点もいろいろございます。私どもとしては鳥取県版新型コロナ警報というものとして定めさせていただきたいと思います。その警報のみならず、警報の前段階で注意報、さらには警報の中でも医療崩壊の可能性をきたすのではないか、そういう警戒心を持って臨むべき段階になったときには特別警報を、発令をする、いわば県民の皆様にもなじみの深い気象庁が発表するような注意報、警報、特別警報、こうしたワーディング[言葉]でやってはどうかなということで考えさせていただきました。
ただ、これを制定することを検討してきたわけでありますが、難しいのは私どもは非常に規模の小さな団体でございまして、昨日[6月2日]、東京では34名発生とかいうことで、メルクマール[指標]も20人とかいいます。また、前週に比べての増加率、減少率ということを言われたり、また、経路不明の患者さんの発生数、これを率にしまして50%と言ってみたりする、これが他県のやり方なんだろうと思うんですが、私どもは正直申し上げて、今まで全部総計しても3名の患者さんしか出ておりません。それが急にそのパーセンテージを上げるとかいうわけにもいかず、また、たった1人の発生だったとしたら、経路不明かどうかということが50%とかいう指標もナンセンスなわけですね。県民の皆様の感覚としても鳥取県はどちらかというと清浄地域、感染症がまだ発生していない地域というふうに御覧になっています。
ですから、そうした県民感情だとか、それから我々のような小規模団体でできる指標づくり、それを考える必要があったという難しさがありました。また、私自身ちょっと違和感がこれまでの対策でございますのは、[新型インフルエンザ等対策特別措置法]24条9項とか、45条といったようなそういう休業要請、協力要請というのがございます。これが新型コロナ対策として国の[新型コロナウイルス感染症]緊急事態宣言と連動しながら行われたというのが全国の実務でございました。ただ、これがあらゆる業種に及んでいくんですね。その及んでいく業種が基本的には国が政令で定めたそういう施設として定められるもの、それは必ずしも新型インフルエンザのときのようなことを想定したものであって、新型コロナではないというものでもあるわけです。
実は前のスキーム[枠組み]そのまま使っていまして、それが、じゃあ、今の状況に見合うのかどうか、今よく国が4業種というのは飲食店全部ではなくて、接待を伴う飲食店という言い方をしたりしますし、それからライブハウスだとか、カラオケとか言いますが、全部十把一絡げに遊戯施設等として実は括ってあるので、そのほかにもいろんなものが出てくるわけですね、例えばボーリング場であるだとか、それからパチンコ店もそうであります。本当にクラスターが発生するかどうかとか、感染の状況とは必ずしも結果的には関わりがなかったかもしれない。可能性を遮断する上ではある程度役に立ったかもしれませんが、経済社会への影響を考えたときには、もう少し冷静な目でこれまでの対策を振り返ってもいいのではないだろうか、そういうように思えるところもございます。
そういう意味で、そもそも人々のあるいは企業の権利を制限するという観点の行為でありますので、ある程度抑制的に考えることも必要ではないかとも思われます。したがいまして、鳥取県では休業要請は、極力控えて運用をさせていただきました。そうしたことをこれからの対策の中でも1つ1つ丁寧に考えていくのかなということです。それから各地で行われていますこの種の、例えば患者数と連動させる対策の提示の仕方でありますが、大阪[府]だとかいろんな所そうでありますけども、ことごとくこういう営業自粛の関係の指標として使われている所があります。しかし、感染症対策であれば、本質は医療体制のことが正面きっての課題であるはずであります。そういう意味で保健所の応援をどうするかとか、医療体制の強化を行うとか、そうしたことに私たちとしてはこのメルクマール[指標]を使っていくべきなのではないかと思います。
そういう意味で鳥取県としては国の想定や他県よりも厳しい基準ということを1つ考え方として求めさせていただき、専門家の皆様の意見に基づきまして、この適用については総合的に判断をしていきますと、状況に応じて、それを、前倒しをしていく、それは注意報や警報等の発令自体を前倒しをする。さらには対策をその枠の中でも前倒しをして、執行していく、そういうことは柔軟にやっていくべきではないだろうか。また、活動制限、これについては全業種対象とするようなリスト作りをして、まず対策を考えるということではなくて、現実の感染状況とか、我が国におけるクラスター発生状況だとか、そうしたものを念頭において臨機応変に必要性が高いものからやっていくと、そういうような考え方ではどうだろうか。また、活動制限ということだけではなくて、医療体制の強化、保健所体制の強化、福祉へのてこ入れ、こうしたことを発動していく基準としてはどうかということであります。
具体的には警報としては、これは10万人に1人という割合で[新規の陽性患者が]発生をするということになった場合、すなわち本県の場合でいいますと、55万人余りの人口でありますので、全県で6人、1週当たり発生をすると、こういう基準でやってみてはどうかということであります。ちなみに4月に国が緊急事態宣言を発令したとき、あのときの基準が10万人当たり5人というものであります。本県としてはかなり低いレベルでその発動基準というものを設定したほうがいいのではないかということであります。ただ、本県の特性としては東部、中部、西部が横に長いわけですね、ほぼ東部、中部、西部はそれぞれ同心円状になっていまして、経済社会的な活動の単位でもあります。
ですから、そうした東部、中部、西部ごとに対策を考えることのあっていいし、そこでの発生状況でやはりメルクマールを作る必要もあるだろうと、そこで同じように10万人ということでいきますと、東部が23万人ぐらいですかね、20万人余り、それを超える部分でありますので3人、それから中部が10万人をちょっと超えるぐらい、ですから、それを超えるぐらいでありますので2人、それから西部ではやはり20万人強の世界でありますので3人、こういうようにそれぞれの地域である程度発生が起こったときは、この警報レベルとして警戒態勢を強化をする、自粛を要請をする、そうした判断基準にしてはどうだろうかということです。
状況に応じまして、それぞれの地域ごと、あるいは全県でということをさらに考えていくということだと思います。あと、それの手前で県民の皆様に注意していただくレベル、これでは1人発生した時点でもう注意を呼びかける、それから学校等であればその発生した患者さんのいる学校、そういう所では学校休業するなど一定の対策を始めたり、医療的には疫学調査のてこ入れをするとか、それから施設内感染が起きないように地域の医療機関や福祉等にその準備を、徹底をしていく。まだいったんは病床が減っていますので、その病床のレベルをもう一度上げていく、そういう準備体制を医療機関のほうに要請をしていく、そういうようなことを法律ではない、特別措置法ではないレベルで協力を呼びかけていく。これを注意報レベルとして、その前段階に設定してはどうかということです。
警報レベルのときでも、例えば病床が50%を超える稼働率になった、それから人工呼吸器の使用の稼働率、これも50%を超えた、いずれかが発生したような場合、特別警報として医療崩壊の危険に備えることを考えるべきではないだろうか、それを警報の1カテゴリーとして考えてはどうかということであります。活動制限でありますが、注意報レベルでは言わば予防的対策を取っていただくということの呼びかけとして、警報レベルのときには発生施設に関係するような所や3密の場所、そういう所には行かないでください。また、状況に応じて不要不急な外出自粛というのを広く要請をしていく、そういうのを警報レベルで考える。また、特別警報レベルですと、これ以上医療機関に負担をかけると医療崩壊招きかねないものですから、今、大都市でやっていたような8割削減というような、そういう強度の自粛要請、外出自粛というのをお願いをしていく。また、比較的規模の大きなイベント等から順次警報や特別警報のレベルで制限をしていったり、必要性があると認められる業態、それから施設について自粛要請、協力要請を行っていくと、また、学校につきましては警報レベルでは休業や分散登校、こういうものをやっていくと、特別警報になりますと全県的にも休業ということを一斉に考えるタイミングに入るんではないだろうか。また、医療体制の強化、これ鳥取県の独自の部分でありますが、疫学調査のてこ入れとか、[発熱・帰国者・接触者]相談センターのてこ入れとかを万全の体制でやっていく、それから医療福祉の関係でも院内感染、施設内感染、これの予防を図ったり、また、必要物資を送り込んだり、特に医療崩壊の危険が迫る特別警報では病床だとか、あるいは人工呼吸器などの増強を緊急に行ったり、さらには例えば施設内感染、福祉施設で起こるような場合等を想定して人材を送り込む、こういうことなどもやっていくべきではないだろうか。
言わば、こうした対策に必要なものとしては警報レベルでは[新型インフルエンザ等対策]特別措置法24条9項というレベルの措置を行っていくようなイメージ、また、特別警報が出るようなときは、これは政府に緊急事態宣言の適用を我々としてもしっかり要求しなきゃいけない段階になると思います。そういう特別の措置が国のほうでも取られるということになれば、45条の特別措置法の強制力も一定程度伴う措置、こちらのほうに移行していくということになろうかと思います。こんなような形で鳥取県版の新型コロナ警報というのを設けさせていただき、分かりやすく県民の皆様や企業等とも共有をして対策を進めていければと思います。
●知事
また、感染防止の体制を構築をするというようなことから、今、戦略的サーベイランス[調査監視]の実施班、先般専門家チームの皆様にお願いをしたりしました。また、感染防止の指導班、これは感染制御専門家チーム員という皆様に基本的にはお願いをしていこうと思いますが、医療機関とか、社会福祉施設、こういう所と指導関係を行っていくと、さらにこうした中でも最近問題になっていますのは福祉施設内での施設内感染であります。こちらのほうがやはりこれからの1つの大きなテーマ、院内感染を加えたテーマになると思われますので、社会福祉団体と協議をさせていただいた結果として、社会福祉施設の新型コロナウイルス感染予防協議会というものを、発足をさせようと。ここで平時からの予防の指導を行ったり、関係団体との情報共有を行ったり、ここに関係団体も入っていただきまして、これからの対策というものを考えていこうと。こういうことで素早く流行をサーベイランスで探知をしまして、感染防御ということを、これ平時からも行っていき、その緊急時にもその対策を強化していくと、そういう礎にいたしたいと思います。
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これと併せまして、新しい県民生活推進協議会という、企業、商工団体だとか、業界団体だとか、そうしたところや専門家にも入っていただいた協議会を金曜日に発足をさせたいと思います。こうしたところで、ガイドライン[指針]の作成をさらに進めたり、さらにそうしたお店にみんなで行きましょうという運動を起こしたり、そうした対策をさらに推進をしてまいりたいというふうに思います。
5 福祉分野における新型コロナウイルス感染防止対策
●知事
また、先ほど申し上げました福祉施設についてでございますけども、1つは最近オンラインでの面会につきまして、非常に困難な時期が続いています。ですから、その面会についてオンライン面会というものを導入する、そういう施設を応援できないだろうか。これはもちろん施設の中でも使えますけども、家にいながらにしておじいちゃん、おばあちゃんにお会いしたり、あるいは障がい者の方とコミュニケーションをとったりいうことも可能になるかと思います。
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こういうものに、このたび6月補正[予算]で4,300万円用意をさせていただきました。また、感染症対策でこう個室にパーテーションしたり、ゾーニングをしまして個室化をすると、そういうようなことに向けまして、この新しい生活様式としてやっていこうという高齢者団体、高齢者施設や障害者施設、そうした所でも1億円、7,500万円といったレベルでの支援策を考えているところでございます。
●知事
また、マスクにつきまして、今、大分暑くなってきまして熱中症のほうも、実は今年度入りまして7名、7件の熱中症の搬送事案がございました。5月の下旬にも2件、農作業中などでそういう熱中症の方が発生をしています。どうしてもマスクをつけますと体温が上がります。それから呼吸も難しくなるということもあります。ですから、この機会に県民の皆様にもマスクのつけ方とあわせて外し方、これも心得として持っていただければなというふうに思います。感染症予防のためにマスクをつけるわけでありますから、3密と言われるような所、人ごみに行くというような所、人と話す、直接話すというようなときには、やはりマスクというのはエチケットとしてやっておくべきでございますし、仮になければ咳エチケット、袖で受けるということもあろうかと思いますが、そのことをぜひ頭に置いていただきたいと。
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また、運動をしたり、いろんな作業すると、暑い中ということもございますが、ソーシャルディスタンス、2メーター、1メーター以上、2メーターが望ましいということでありますが、適宜そういう距離をとっていただいてマスクを外す、それから休憩や水分補給などもしっかりやっていただく。特に高齢者の方には御注意いただきたいということです。また、外すということでありますが、充分な距離が確保できていればマスク外せるわけでありまして、田畑に行くようなとき、まず周りに人がいませんのでマスクを外していただいて結構でありますし、ウォーキングだとか、自転車だとか、あるいは子供たちも含めたスポーツだとか、そうしたときには外すほうがむしろいいというふうにも言われるようになってきました。
また、2歳未満のお子様については様々な論文等も出ておりますけども、マスクの着用が返って安全でないという評価もあります。例えば、ちっちゃい子は無意識に、ここ[顔]に手が行ってしまいます。何かつけていますと、そうすると鼻や口に触ること自体が、指で接触しているものを体内へ送り込んでしまう、ウイルス感染の危険があるということであります。ですから、2歳未満の子供さんについては、実はマスクを無理につけることはないですよと、こういうことなどがございます。ぜひ、こうしたことに御注意をいただければと思います。
なお、県のほうで今供給をしておりますささえあいマスクは1万8,000枚に達しました。さらに、最近はそれを上回る寄付が集まっていくようになりました。鳥取県らしい、循環型のマスク、高齢者とか障がい者の皆さんとか、あるいは基礎疾患がある方だとか、大変喜んでいただけております。こういうことは、ぜひこれからも提供させていただきたいと思いますし、また、販売のマスク、これはマスクの購入券を用意をさせていただいております。これにつきましては第2回という券片がございますが、このチケットについては6月15日から使用可能ということになります。また、その2回目もまた使っていただけたらと思いますし、1回目2回目、両方持って行っていただければそれぞれに使えますので。いずれ1回目も2回目もそのチケットは7月いっぱい使用可能ということになります。ぜひそういう意味で御活用をいただければというふうに思います。
7 新型コロナウイルス感染症による県内企業への影響と対策
●知事
また、経済関係では最近まだ厳しい状況がございます。残念ながら、例えばマグロの魚醤(ぎょしょう)などで非常に注目を集めたこともございました[株式会社]丸綜さんが、自己破産の申請をされたところであります。県のほうのサポートチームで入りまして、雇用の問題などを、お支えをしていければという準備をさせていただいたところであります。この丸綜さんの場合は、実は昨年末からいろいろと資金繰り等の課題を抱えておられたというふうにもお聞きをしておりますが、この新型コロナの状況で最終判断なさったということではないかと拝察をいたしております。
そのほかにも例えば電気部品産業とか、それから食品関係、それからさらには縫製関係で厳しい状況にあるという、そういう分析の会社も出てきているところでありまして、我々としては精一杯支えていきたいと思いますし、その関連会社も含めまして、例えば業態転換なども考えたり、そういうようなことやあるいはやはり仕事をどうしようかと、根本問題に向かう企業さん等も含めましてサポートチームで支えをしていきたいと思います。これからしばらくそういう厳しい状況は続いていくと思います。
そういう中、国のほうでも家賃補助も始まるということもあったり、持続化給付金等々も活用できる体制を県としても用意をさせていただき、相談窓口も作ってまいります。県のほうでこのたび新しく作ります、お店を応援する事業、これ20万円まで各個店に出し、それのネットワークで例えば商品券を発行するとか、そういう事業を支えるものがスタートをします。また、30%を超えるような売上げ減の会社に対しましても、固定費等を支援をする10万円の助成制度を幅広く、これもスタートをさせるということになります。本日そのコールセンターを、開設をすることにいたしまして、来週から申請の受付を始め、できるだけ早く支援が届くようにさせていただきたいと思います。
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そういう中、地域経済変動対策資金、これについても強化をさせていただくことを決めることといたしました。金融機関等と話し合いまして、枠は400億[円]から800億[円]、400億[円]増えるということを[令和2年度]当初予算の中に盛り込みましたが、それと併せまして、借換えの対象資金、これを強力に強化をするということにしようと。具体的には経営体質強化資金などの借換えも認めようと。これらは実はリーマンショックだとか、東日本大震災だとか、その中で厳しい状況にあった企業の資金だったんですね。それをさらに有利な無利子で保証料なしの資金へと組替えていくと。こういうことで、今のこのコロナの状況を乗り切っていただくようにさせていただいてはどうかというふうに考えております。
●知事
このようなことなど、いろいろと企業の厳しい状況が続くわけでございます。本県でも4月の16日~5月の14日まで、およそ一月にわたりまして緊急事態宣言が発令をされました。それにより県民の皆様や企業等にも大変な御協力をいただいたわけであり、御不便をおかけしたわけでございます。私自身もいろいろと考えるところがございましたけれども、約一月間、緊急事態宣言で御不便を県民の皆様におかけをしたということで、その痛みを分かち合う意味で一月分の報酬を返上したいと思います。これ、急遽ではありますが、可能であれば6月県議会に関連の議案を上程させていただきたい、そのことを今後議会側のほうにも申し上げてまいりたいと思います。
●知事
以上のような新型コロナの対策がございますが、それ以外にも鳥取県として今回予算を用意をさせていただいているものがございます。この6月県議会に提出をさせていただきますのは、1つは青谷上寺地遺跡の展示ガイダンス施設でございます。この設計にいよいよ着手をするということでございます。まずは3,000万[円]余り計上させていただき、債務負担[行為]も打ちまして1億円くらいの規模に最終的にはなりますが、展示設計なども含めてやっていこうということでございます。ここには重要文化財の非常に弥生の博物館と言われるくらい、たくさんの出土品がございます。これを展示することはもちろんのことでして、テレビ等でもいろいろ報道されていますが、ヤポネシア人、日本列島人という考え方がDNA解析の中で生まれてきています。その重要な研究フィールドが青谷上寺地遺跡でありまして、そういう全国での研究成果、それを踏まえたこのヤポネシア人の復元模型、こういうものも上半身になるかと思いますが、そういうものを展示することなども含めてやっていってはどうだろうかと。
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この[山陰道 青谷羽合道路]青谷のインターを出て少し西の方に行った所で、入った所がこの展示ガイタンス施設として予定をさせていただきたいと思います。駐車場なども大型バス用にも用意をさせていただき、ここでこうした様々出土品などと出会うことができる。ここは古代の山陰道があったり、それからかつての田んぼの跡があったり、港の跡があったり非常に多様な弥生の遺跡群でございます。そういうものを順次ゾーニング[区分け]をしながら開放していくということであります。まず、令和5年度を目指して、展示ガイダンス施設の公開をし、今から10年くらいかけてグランドオープンへ持っていこうと、こういうことであります。
●知事
また、鳥取県は2050年のカーボンゼロ、これを目指す宣言をさせていただきました。6月に入りましてその電気の使用量を削減する、いわばラリーを県民の家庭の中でこれからコンテスト的に6月1日~年末まで始めさせていただくことにいたしております。そういうような様々なこの省資源、省エネルギーそうした対策としてカーボンを下げていく、CO2削減に向けてやはり冷暖房費を削減する効果もあるような、住宅の省エネ住宅、これの強化をやろうということを呼びかけています。実は、集合してなかなか研修はできにくい時代でありましたが、オンライン的な研修といいますか、説明会をやることをしましたところ、想定以上に、200名以上集まった、そういう関心の高い分野だというふうに我々考えています。
これは国の今、省エネ基準が大体、この断熱性能で言いますと0.87程度でございます。これではありますけども、欧米はもう既に、右のほうのオレンジのゾーンに入ってきますけれども、例えばフランスであれば0.36くらいとか、そういうように高い断熱性能、省エネ性能というのを持っているところでございます。そうしますと、今ほとんど省エネ住宅として基準どおり建ててもあまり冷暖房の削減にはつながらないんですが、それを欧米並みに鳥取県独自に引き上げていこうと。これによりまして30%~70%ですね、冷暖房費を下げることができる。これは住まわれる人にもメリットがありますし、それから、建築屋さんにも新しい住宅のあり方としてセールスにもなるということであります。これは県としても10万円~50万円まで支援を行っていくということであります。
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この支援の制度を7月1日からスタートをさせることといたしました。シンボルマークも、右上端にございますように、ネスト[NE-ST]としてこういうシンボルマークもこのたび制定をさせていただき、普及を図っていければというふうに考えております。こんなような様々な対策も取りながら、これからも鳥取県政、進めていくことになるというふうに思います。
11 #We love鳥取キャンペーン Part2など
●知事
そういう中、今、いろんな観光含みの動きも出てきているところであります。なかなか大変でありまして、まずは県内の観光誘客から始めると。県民の皆様向けには6月の6日、この週末から6月の30日まで、We love鳥取キャンペーンの第2弾をさせていただこうと。第1弾では3,000名を超える応募がございまして、あちこち観光地やおいしいお店を発信をしていただきました。
第2弾のほうでは宿泊施設、それから観光施設など、3,000円まで2分の1の助成を行うことになり、既に登録施設が50以上集まってきております。ぜひこういうものも活用していただきまして、県内の観光地の盛り上げに県民の皆様もまた御協力をいただければというふうに思うわけであります。そういう中、6月の20日に三朝[町]におきましてラドンの熱氣浴施設、すーはー温泉が誕生することとなります。また、6月の12日~14日にかけましては、[鳥取]大丸あるいはパープルタウン、それから[米子]しんまち天満屋の屋上などを活用しまして天体観測会を行う。さらにまた6月15日以降は星空の言わばコンテストをいろんな方に参加してやっていただく。これを夏に向けてスタートをさせることになります。御不自由、御不便の中からのスタートということにはなりますが、一歩一歩そうしたにぎわいを感染症対策と調和させていきたいと思います。
県民の皆様の御協力をお願い申し上げたいと思いますし、コロナ禍の中にありましてもしっかりと生活や自然などを楽しんでいただければと思います。そして、くれぐれも健康御留意をいただければと思います。私からは以上です。
○NHK 小山晋士 記者
NHKの小山です。冒頭の新型コロナ警報なんですが、暫定版ということですけど、まず名称なんですが東京のほうでは東京アラート、大阪のほうでは大阪モデルと命名していますけど、ネーミングとしては特にこれで変更ないのかということと、象徴的なことでレインボーブリッジだとか、通天閣に色をつけるというのがありますが、そういうことは何かお考えがあるんでしょうか、お願いします。
●知事
私は鳥取県らしく地味に正しく対策を取っていけばいいんじゃないかなと思います。正直申し上げて何か映像になるようなパフォーマンスをすることがコロナ対策なのかなという感覚もございまして、むしろ、県民の皆様に浸透しやすいような地道な対策がいいんじゃないかなという感覚で提示させていただきました。そういう意味で皆さんに馴染みのあるような、子供たちからお年寄りまで分かりやすい言葉で注意報から特別警報までの段階づけといたしたところでございます。ただ、これ暫定版としておりますのは、これから[令和2年6月定例鳥取]県議会も始まりますし、県民の皆様のいろんな御意見もあろうかと思いますし、もちろん有識者の方々、今日[6月3日]、[新型コロナウイルス感染症]対策本部を開かせていただきますし、実は[鳥取大学医学部の]景山[誠二]先生初め、先生方には相談も重ねてきた結果ではあるんですけども、いろいろ有識者の観点等からの御意見も出てくるだろうと思います。
また、国も今、接待を伴う飲食やあるいはカラオケ、それからライブハウス等につきましてガイドラインを精緻のものを作ろうとされていますので、そうした状況も見なきゃいけないかもしれません。ですから、今月[6月]いっぱいは暫定版とさせていただき、様々な御意見を踏まえた上で最終版、確定版として発行させていくと。ただ、もう対策を始めたいと思いますので、暫定版で運用させていただくと、こういう方式をとりたいということであります。その中で、小山さん[NHK鳥取放送局 小山晋士 記者]おっしゃるような、いろんな御意見があれば、それには十分耳を傾けていきたいと思いますし、できるだけ実のある対策になるように取組んでまいりたいと思います。
○日本海新聞 岡宏由紀 記者
すいません。日本海新聞の岡ですけど、関連してなんですけど、このたびの暫定版の新型コロナ警報で、国の想定が他県よりも厳しい基準となっているんですが、ということは国の想定とか、他県の基準というのはちょっと甘いなという御認識があるんでしょうか。
●知事
この辺はちょっと県民感情というか、県民の皆様の御認識というものを考える必要があるかなと思います。というのは、例えば、前回[令和2年4月]の緊急事態宣言のときの国の基準でいいますと、10万人[あたり]で[新規感染者数]5人ということになりますと、私ども[鳥取県での換算]ですと20人以上にはなると思います。そういうようなことが果たして基準としてどうかなと、ちょっと多すぎるというふうに皆さん思われるんじゃないかと思うんですね。そもそも私どもは[新型コロナウイルスの感染者が]発生していない県にほぼ等しいと思われるところがございまして、そうであれば、1人発生しただけでも、やはりみんなで備えていこうという気持ちに多分県民の皆さんはなるんじゃないかなと思いますね。そういう、県民の皆様の思いということを表現すると、注意報というものをまず設定するのかなということです。
また、この6人レベルで警報や特別警報というのも、これもやや早めかもしれませんけれども、ただ、早めに備えておくほうが私どもとしては医療体制づくり等でも必要なんではないだろうか。もちろんそれまでに私どもは今、[新型コロナウイルス感染症入院協力医療機関の病床]322床だとか、[軽症者等の滞在施設]700室だとかいろいろなものを確保したり、PCR検査の体制も強化するということもやってきているわけでございまして、その辺は大丈夫なのかもしれませんが、ただ、小さな県ですので、言わば他県のようにさらに次、この病院、この病院と増やしていけない事情があります。ですから、早めに備えるということが大切でありまして、早期にローラーをかけて[しらみつぶしに]PCR検査をして、感染の連鎖を早めに食い止める、こういうような戦略を取ったほうが賢いんではないだろうか。
ですから、本当に医療崩壊が迫ってからやるよりも、その手前の段階で動いたほうがいいんではないか、そういうような趣旨であります。ですから、多分大都市型と私どものように発生がまだ少ない地方型とではアプローチが違うんではないかなと思います。国はどちらかというと、東京[都]とか大阪[府]を見て対策を作っていますけども、私どもはそうしたこととは、言わば一線を画していかないと、県民の皆様が安心するような対策につながらないんではないかと考えております。
13 鳥取県版新型コロナ警報と社会・経済活動への影響
○時事通信 今泉悠 記者
すいません。時事通信の今泉です。関連してなんですけれども、他県よりも厳しい基準ということで、それが社会経済活動についてはより少ない人数で行動が制限されるかもしれないという、安心にはつながるかもしれませんけれども、活動する上では、これが逆に大きなリスクになるんじゃないかと。なかなかその事業者が再開したりとか、イベントを計画というのがしづらくなるんではないかということがちょっと懸念されると思うんですけども、その点についてのお考えと、厳しい基準を設けたほうがいいというのは、これは専門家も、そういう意見ということでよろしいんでしょうか。
●知事
これについては、専門の先生方とも相談した上で、県民感情も考えれば、この程度のメルクマール[指標]かなと。もちろんこれについては、今後も柔軟に改変するという前提でございます。1つ今のお話ですけども、活動制限について何から何まで制限するのがいいのかどうかというのは抑制的に考えるべきではないかというのをセットにしております。ですから、ほかの県だと、例えばこの基準を満たせばもう飲食店から、あるいは百貨店からみんなこう制限していきますよというようなことを紐付けするわけですね。私ども敢えてそれはしないことにしようということであります。本当であのクラスターが発生をしたとか、そこは感染ルートを封じ込める上ではここが重要だとか、そういうのを見たり、また、現実にこれから恐らく一月二月経ってまた大規模な感染が起こってくるということかもしれませんが、それまでの間に新しい県民生活推進運動なんかを展開して、例えば劇場でもどこでも、これは安心かなというような、そういうような体制が取れるようになってくる。そうすると、活動制限に踏み込む必要があるかどうかということになってくると思うんですね。ですから、我々としては、むしろ早めに医療体制も含めて備えていく。そういう基準として作らせていただいて、活動制限については真に必要なものをよく見極めてお願いをしていくと、こういうようなことであります。この基準に達するとそういう可能性が出てくるということをあらかじめお教えをするというか、公表しておくことが、そうした事業者の皆様の言わば予防にもなりますので、つまり事前の計画づくりだとか、そういう意味で予定を立てることも可能になりますので、この辺の線は引かせていただくにしても、本当に発動するかどうかというのは、効果のあるところでやっていきたいということも併せて表明をしていくということであります。
○読売新聞 滝口憲洋 記者
すいません。読売新聞滝口です。関連してなんですけれども、この新型コロナ警報というのを発出するタイミングであったり、判断というのは、この新たに設けられた専門家チームでの判断ということになってくるんでしょうか。
●知事
それについては[新型コロナウイルス対策]専門家チームの御判断をいただくことにいたしたいと思います。国のほうでも[新型コロナウイルス対策]専門家会議だとか、[基本的対処方針等]諮問委員会というのがございます。それと同じようなことをできるように今回チームを発足させていただきました。
○山陰放送 日野彰紀 記者
BSSの日野です。県境をまたいだ観光での往来について、先週島根県とは始まったわけですけども、その後、岡山県とも話をしてみるというようなことでありましたけれども、岡山との観光往来についてはどのようになっておりますでしょうか。
●知事
岡山[県]の伊原木[隆太]知事と電話をさせていただきまして話し合いをいたしました。率直な意見交換をいたしましたが、今、6月1日から県間往来が解除されたところであります。ただ、観光については抑制的に考えていきましょうということで、中国5県が始まったところです。岡山県さんとしては、もう少し様子を見てみようと。私どももそれに全く異存がございませんので、様子を見た上でイメージとしては来週[6月]10日前後ぐらいから、もし可能であれば、可能な状況であれば6月18日までが今制限期間ですけど、1週間程度ぐらいテスト的に解除して、そのものを6月19日以降の体制づくりにつなげていくというような方向性で検討していきましょうということになりました。ですから、今週末に[岡山県との観光目的の往来自粛解除を]適用するということはこざいませんが、来週末の適用可能性については、それは来週、状況を見て判断しようと、こういう方向でございます。
16 ワールドマスターズゲームズ2021関西での感染予防対策
○山陰放送 日野彰紀 記者
すいません。ではもう1つ、昨日[6月2日]ワールドマスターズゲームズの鳥取県の実施本部が立ち上がりました。その中では、来年の5月の開催ということですけれども、スポーツツーリズムとして外国の方を初めとして県内を広く回ってもらおうという取組みを進めるということが確認されました。一方で、来年5月というタイミングの中で、そのコロナの対策、感染予防ということをどのように考えるのかという点が少し気がかりなんですけれども、ワールドマスターズゲームズでの感染予防についてはどのようにお考えでしょうか。
●知事
これにつきましては、例えば[オリンピックに]IOC[国際オリンピック委員会]があるように、ワールドマスターズゲームズにつきましても国際組織[国際マスターズゲームズ協会]がございます。そこで開催の可否について判断されると思いますし、日本側の関西ワールドマスターズゲームズにつきましても、共同代表制によって兵庫県[の井戸敏三]知事と経済界代表とで組織[公益財団法人ワールドマスターズゲームズ2021関西組織委員会]が作られています。こうした所で最終的には開催の可否、それから開催の仕方について判断をする時期がいずれくるんだろうというふうに思います。私自身は言わばその実動部隊としてやっていく立場でございますので、そうした判断を待つということにいたしたいと思いますが、仮に日本で実施される場合には世界中における[新型コロナウイルスの]感染の状況とか、あるいはワクチンの開発の状況とか、いろいろと総合的に判断の材料としていく必要があるのではないだろうか。
ですから、仮に実施されるとしても、一定の感染予防措置、対策措置というのは、それはもう避けられないんじゃないかなというふうに思います。まだ来年[2021年]のことでございますので、これからどういうタイミングで最終的な判断していくのか、国際組織もありますので、その協議を待ちたいと思いますが、感染対策については慎重な判断や、あるいは特別の措置というものも我々として考えていかなければいけないのではないかと思います。今後よく私どもなりにも、そうした問題意識は組織内でも伝えていきたいと思います。
○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者
TSK勝部です。平井知事が先ほどコロナ対策で県民に痛みをかけたので、1カ月間の報酬返上というふうにおっしゃったんですけど、ちょっと1カ月にされたっていう、ちょっと根拠もちょっとなかなかよく私は理解できないんですが、その辺りのちょっと真意をお聞かせ願いますでしょうか。
●知事
いろいろと私なりにも考えたところではあるんですけども、現実問題として一番本県としても歴史的な時間帯というのは4月の16日から5月の14日まで緊急事態宣言が発令をされたということであります。これが一月[には]若干欠けますけども、おおむね一月近くということがございました。この間やはり県民の皆様も本当に言わば身を削りながら外出を自粛をされることに御協力をいただきましたし、私どもは休業要請はしておりませんけれども、ただ、そういう中でも地域の保健衛生を考えて休業されるというようなお店や旅館等もありました。この状況は必ずしも今も収まっているわけではないですけども、ただ、その一月間という期間設定があったことを思えば私としても、それに相当する期間分、報酬でいうと一月分返上させていただきたいというのが私の純粋な気持ちです。
○時事通信 今泉悠 記者
すいません。時事通信の今泉です。関連してなんですけれども、ちょっとタイミングが違ったら申し訳ないんですが、いわゆるボーナスについてはどういう扱いになるのかということと、その他県の職員に同じような報酬の返上であるとか減額ということを考えていらっしゃるのかということ、あと、またちょっと話題が変わるんですけれども、9月入学が実質もう検討が終わるというか、入学が難しくなったっていうことで、それを受けてお考えをお聞かせください。
●知事
前段のほうにつきましては、これは私の一身上の問題と考えておりますので、一般職の公務員[鳥取県職員]の皆様等は影響させるつもりは微塵もございません。むしろ、そちらについてはまたそれぞれの身分保障もございまして、年々歳々の例えば人事院勧告や人事委員会勧告に基づく給与の決定のメカニズムというのが国も地方もございますので、そういう中で、言わばおのずから設定されてくるものだろうと思います。そのメカニズムは私にも影響しますが、それに加えてやはり一月分ということも我々、私としては心情的には返上させていただきたいということであります。
期末手当につきましては、これは別の体系でございまして、月数とあまり関係するものではございません。ですから、勤務の1年間の流れの中で言えばその一月分というのが1つの私としての返上の考え方となるべきでないかなと判断をしたところであります。ちなみに全国でもいろんなタイプの今回の報酬についての考え方が各[都道府県]県知事からも出されていまして、正直バラバラであります。私のような考え方をしている所も高知県とか山梨県も近いものがございますし、そうした県の考え方もあります。私は振り返ってみて一月というのがちょうど緊急事態宣言で御不便おかけした期間かなと思いますので、そういう意味で私もそういう結果的にはそういう選択をしたいというふうに考えております。あと9月入学[制度]につきましては、これは意見はもともと分かれていたところでありまして、私自身はこれ1つの検討課題というふうに考えておりました。
そういう意味で今回の[安倍晋三]総理[大臣]が見送りをされるという判断があったと報道されていますが、私は、それはそれで妥当ではないかと思います。私ども17人の知事で問題提起をしたことがありましたが、あれも9月入学というものを検討の俎上(そじょう)に載せるべきということを我々主張したところであり、併せて子供たちをめぐる課題につきまして問題提起をさせていただいたうちの1つでございました。そういう意味で各知事17人がそれに署名して提起をしたということであります。私自身も知事会の中にありまして、9月入学も含めた緊急提言を何回か取りまとめをさせていただきました。47人の知事の意見を最終的にまとめるに当たりまして、骨太の議論を政府ではやってもらいたいと、こういうようにまとめさせていただいところでございます。そういう意味で今回そうした一定の考慮の中で、もっと骨太の議論をこれからもやっていくという中で当面急々な導入は見送ると、こういう御趣旨だと思います。そういう意味では1つ地方側の意見も入れながら、政府でも検討された結果かなというふうに受け止めております。
○中国新聞 小畑浩 記者
中国新聞の小畑と申します。報酬の削減についてまたちょっとすいません。重ねてなんで、恐縮なんですけれども、まず、確認はこれ6月分ということなのかということと、あと、全国の首長さんたちの考えとしてはその身を切るであるとか、その財源の捻出に貢献するという考え方もあると思いますが、その辺の考えもあるのか、あと、一方で知事さんとかトップが報酬削減をするということで、報酬削減のその同調圧力というか、そういう連鎖が起こるという懸念の声も一部にはありますが、その辺はどうお考えかというのをお聞きしたいと思います。
●知事
これにつきましては、正直その財源でこれが、私ども[の6月補正予算]でいうと今回125億[円]の中でいって大きなウエートを占めるものだとは思いません。ただ、片方で収入を減らしてでも休業しておられる方々もいらっしゃる中でございますので、痛みを分かち合う必要はあるのかなと。その辺の痛みの分かち合い方には、確かに給与水準全体を年々歳々決めていくというメカニズムの中でできるという考え方もありますが、ただ、それ以上のものをやはり私としては感じなければいけないのではないかなと思っております。そういう意味で自らを律するという形でこういう方式を取らせていただこうと考えたところであります。実は今、言い始めたばかりでございまして、それを6月で可能であれば6月の報酬として上程できればと思いますが、議案の作成も含めてこれから取りかからせていただき、早ければ6月から6月の一月間とさせていただきたいと思います。
それから同調圧力というのは決して望んでいるわけではありません。むしろ県民の皆さんと一緒に地域のお店や観光地を盛り上げて、失われかけている所得を取り戻すということをこれから始めていかなければならないというふうに考えております。そういう意味で、先ほど申し上げましたが、一般職の皆さんにそれを公務員だからということで求める気持ちは微塵もないということであります。
○日本海新聞 岡宏由紀 記者
すいません。日本海新聞の岡ですけど、販売マスクの件でお尋ねしたいんですけど、先ほど1回目も2回目も購入できる締切りが7月いっぱいっておっしゃられたような気がしたんですけど、随分延ばされたなというような印象があるんですけど、その理由をちょっと教えていただきたいのと、あと価格については最近市場価格も随分値崩れが起きてきたんですけど、引き続き470円で販売されるのかっていうようなこともちょっとお聞きしたいんですが。
●知事
この事業自体は最終的に必ず[マスクが]買えるという機会を県民の皆様に持っていただくという事業でございますので、そういう意味では期間が延びるということは、それはむしろ皆さんの利益になるかなというふうに考えております。1回目、2回目というふうに一応券片は分かれていますが、それぞれ6月15日以降2回目も含めて7月いっぱい使えるという形で御理解をいただき、お店の空いているときにいつでもお買い求めいただければいいんじゃないかなと、そういう機会を提供するという観点で延ばさせていただいておりますし、それに併せてまた状況見て、[お店の]棚の状況とかを見まして購入、我々も仲介の購入をしていくということをやっていきたいと思います。
それから値段につきましては、これは470円で実は購入先との契約もございますので、ここまでむしろ当時の状況としては頑張っていただいたということであります。そうするとほかのマスクもあるじゃないかということでありまして、それ、どうぞ、そちらのマスクがお気に召したらほかのマスクをどうぞ買っていただければ結構であります。だから、買えない場合に必ず買えるというものを用意をしていくということでありますので、現在実は我々マーケットリサーチをしておりますが、結構売れているということになったようでございまして、私ども実は買う方買わない方半々くらいかなというような感覚で思っていたんですけども、かなりお買い求めの気持ちは強い、それは10枚単位で非常に買いやすいワンコイン[500円]でお釣りが来るということがよかったのかもしれません。そういう意味で市場性はあるので、むしろこれはもっともっと仕入れたいということをスーパーマーケットさんのほうからは伺っております。ですから、この価格設定については期間いっぱい据え置くことにさせていただき、もし万が一売れ残りがあっても備蓄マスクとして活用できると考えております。
○共同通信 遠矢直樹 記者
すいません。共同通信の遠矢です。ちょっと話が変わるんですが、厚労省のほうでは退院、コロナの感染者が退院する際に、2度のPCR検査をって、陰性であることを確認しなくても退院できるという指針を示されましたが、鳥取県としては今後どういうふうにされていくんでしょか。
●知事
これについては、言わば感染症法[感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律]の通達として5月29日に[厚生労働省から]出されました。その対応としては要は長く、2週間以上[病院に]おられる。3日間無症状ということ等が条件になっていますが、退院が可能ということになるということであります。これが退院基準という形で示されるわけでありますけれども、いろんな考え方本来あるんではないかなというふうに思いますし、正直違和感を感じる部分もあります。恐らく大都市部のような所では病床が逼迫していますので、長く病床にとどまっておられると感染可能性がないのであればむしろ退院をしていただいて自宅療養のほうに入っていただきたいというような圧力が多分かかるんだろうと思います。それから感染症の感染リスクということを考えた場合に、最近の論文では感染の可能性がないという論文も出てきているということで厚生労働省がこういう判断をされたという話でございます。
ただ、国民感情はどうかということです。陽性の判定がPCR[検査]で出るという中で、あるいは陽性か陰性か分からないという形で社会復帰することにいらぬ差別意識など呼び起こしたりしないだろうかと、こういう懸念が片方であるんじゃないかと思います。現実にも私どももそんなに多くはない患者さんを見守らせていただき、最終的には退院をしていただきましたが、ただ、中にはやはり御家族のお気持ちとしても完全に治ってから帰って来てもらいたいと、そういうお気持ちでいらっしゃるそういう事情も聞いたこともあります。多分日本国民の全体としてはまだそういうところであって、陽性でも感染しないんですよというところが理屈はあるかもしれませんがまだストーンと理解できていないんではないかなというふうに思います。
ですから、最低限国はその陽性でも感染リクスがない、こういう場合はもう何やっても大丈夫ですよというのであればそれをしっかり国民の皆さんに定着させるようにエビデンス[根拠]を示してやっていただく必要があると思いますが、それが一編の通達で私たちが退院させなさいということになってしまうと、今度現場の混乱というものが懸念されるのではないかなというふうに思います。この感染症[法]の規定自体は都道府県知事が退院させるというふうになっています。その退院させる基準として退院基準というのは示されているわけではありますが、旧の基準も当然ありますし、その経緯もあるわけでありますから、本県としてはある程度弾力的に運用するほうがよいのではないか。つまり、PCR検査とある程度絡めながら運用するというやり方を模索していくべきではないかと思います。適用は今後の患者さんということになりますので熟慮してまいりたいと思います。
○読売新聞 滝口憲洋 記者
すいません。読売新聞滝口です。少しまた話変わるんですけれども、移住者が昨年度2,169人ということでこれまで順調に伸びてきたかと思うんですけれども、これが今回のコロナの問題っていうのがどういうふうに今後影響していくか、また、県の計画というのも見直し迫られるのかどうかというお考えをお聞かせください。
●知事
今、私どもも、正直身動きが取れない状況でございまして往来ができないわけでございます。そういうわけで当初予定していた様々な移住相談の相談会やイベントというものができない状態が続いているところであり、そういう意味でいいますと、今年度が昨年度ほど移住者数が出るかというと、そこは正直難しいと言わざるを得ないと思います。ただ、傾向はどうなのかということですね。我々も実はオンラインでの相談会のようなことをやってみたり、また、先般はオンラインでの就職合同説明会というようなこともさせていただいたりということでありますが、そんなに何といいますか、熱気が冷めていないですね。どちらかというと、こういう[新型]コロナ[ウイルス]のような感染症があったときには、もう大都会住まいは自粛を求められたり、また、事業活動もできなくなったり、そういうような様々な不便がある。しかも、命と健康の危険にさらされる。
他方で鳥取県は県民の皆様も頑張られてまだ3名という感染者の数にとどまっている。その背景には大いなる自然があって、人が安心して住めるスペースとそれから支え合うネットワークがあるということですね。こういうものに対する魅力というのは若い人を中心に再び広がっていると思います。実は全国調査でもそういう移住を求める傾向というのは強まりつつあるという分析も出始めています。ですから、我々としては、今後ちょっと状況は見極わけなければいけませんが、どこかで反転攻勢をかけるタイミングを作って、こういう移住定住の受け皿として鳥取県を活用していただく、そういう方々に来ていただいて鳥取県の活性化にもつなげ、自らの人生の、健康でまた発展可能性のある人生というものを創造していただく、そういうお手伝いをぜひさせていただきたいと思います。ですから、これからまだ夏以降ということになろうかと思いますが、今後いろいろと戦略的にアプローチをしてまいりたいと思います。
○毎日新聞 野原寛史 記者
毎日新聞です。報酬の返上の件の関連でお伺いしたいんですけども、先ほど知事自身は報酬返額するけども、職員に関しては考えてないということでした。他方、他県の自治体とかでは国の一律給付金を基金の財源にするので寄付してほしいなんていうふうに呼びかけて波紋を呼んだりしていますけども、今後そうした職員に寄付をお願いするとか、何がしかの行動っていうのは何かお考えでしょか。
●知事
それについては微塵も考えておりません。ただ、県民の皆様全体として、やはり今やはり地元のお店や経済が弱っていることは事実でありまして、やはり地産地消型の応援ということをお店だとか、観光地だとか、あるいは農林水産物だとかそうしたところで意識を持っていただきたいなというそういう気持ちはあります。そういう意味で新しい県民生活の推進運動というものをこれから展開していくことといたしておりまして、今週の金曜日[6月5日]に商工団体や各種団体と一緒にそういう推進会議を立ち上げようと思いますが、そこでも議論をしていただきまして、そうした意味で可能であればみんなで地元を盛り上げる力になろうと、こういうことは訴えかけていければなと思います。もちろん県職員さんも県民のお一人でありますからそういう意味では参画をしていただく、協力していただくということはあるかもしれませんが、何か財源づくりのために県職員の負担を求めるというのは、私はちょっと自分のポリシーに合わないと考えております。
○日本海新聞 濱田匡史 記者
どうもありがとうございました。
●知事
はい。