●知事
皆様、おはようございます。現在、沖縄県に台風9号が最も接近をしている状況となりました。この台風は9月の2日夜半ぐらいから9月3日にかけまして鳥取県に最も近くなるのではないかと、今のところは予想されているわけであります。その時分でもかなり強い台風の領域に入るわけであります。暴風域がかかるかどうかは微妙かと思いますが、ただ、強い風が吹くことは恐らく覚悟しなければいけないのではないでしょうか。そういう意味で、今、梨の季節でございまして、ちょうどたわわに実った梨棚、こういうものの管理など御注意をいただければというふうに思います。これに引き続きまして、次の台風のたまごも太平洋にございまして、これが今週末から来週にかけまして日本列島、西日本にやってくるのではないかという予報も、予測も世界では見られるようになってきているところでございます。当分こうした災害関係の注意が必要かと思います。県民の皆様には御留意をいただければと思います。
●知事
そういう意味で、福祉施設、バックウォーター[現象]が発生をするところ、これの点検を進めてまいりましたが、77箇所の社会福祉施設につきまして、その点検を昨日までに終えたところでございます。早く逃げる、そういうことも重要でございます。その逃げ方としても垂直避難もありますし、あらかじめ安全なところに場所を移しておいていただく、避難スイッチということを考える、こういうことなども重要だと専門家も指摘していまして、個別に具体の施設にも入りながらの指導をしていただいたところでございます。
●知事
また、安全対策としては、原子力安全の関係で安定ヨウ素剤の配布、これが9月の27日から1週間余りかけまして、米子市、境港市で集中的に事前説明伴って行われることとなります。実は今年初めて8月の第2、第4火曜日には米子の保健所のほうでその受付けをやって配布をするということをこの集中的な事前説明配布期間と別に設定をしたところでございます。いろいろと各般にわたります安全対策を図っていかなければなりません。
●知事
そういうようなことも見据えながら、特に新型コロナ[ウイルス]という安心・安全の喫緊の課題にいわば挑むために、この9月の議会をいよいよ召集をすることとなります。11日から開会をすることにさせていただきますが、そこには18億3,500万円の予算を提出をさせていただこうと思います。そのうち、4億9,000万円は医療関係、あるいは感染防止対策、こうしたことの費用でございまして、2億5,000万円、経済社会の再生に向けた費用を計上することといたしております。
●知事
また、これらのほかにも条例でありますとか、また議会と個別に御相談をするようなことも用意をさせていただいております。例えば、長年の懸案でございまして、私が就任する前からのことでありますが、旧鳥取少年自然の家の跡地がございます。これはかねて[県立]美術館問題と関係性もあり、鳥取市あるいは地元と協議を進めてきたことでございました。実は3月の末に地元のほうからこの跡地の活用についての要請がございました。そこで、松保の地域づくり協議会のほうへ6月に県のほうから説明にお伺いをさせていただきました。そのとき説明し協議をした幾つかのいろんな考え方の中で、特に焦点になってきたのが、遊歩道を、これを[とっとり]出合いの森から接続しながら造る、それから、多目的の広場を設置をするといった活用案でございました。このたび、8月の30日にそのことにつきまして松保地区のほうから、この遊歩道整備等の計画を進めていくべきだという要請書をいただいたところでございます。この問題は私、就任以前から深く根ざしていることであり、度々この記者会見でも申し上げておりますが、県として襟を正し誠意を尽くして、これからの話合い、またやるべきことの実行に当たっていきたいと申し上げてきたところでございますが、こういう形で地元の考え方も示されたところでございます。鳥取市の御当局とも当然御相談もさせていただきながら、これを前に進めることに取りかかるステージを上に上げることにすべきではないかと考えております。
まずは、実地の測量等から入らなければいけないわけでありますが、これについては特段の予算が必要なわけではなく、既存の予算を活用しながら対応可能でございますが、事柄が事柄でございますので、議会が始まりましたら、この議会側のほうにも今の進捗状況について御説明をし、御了承をいただきながら地元あるいは鳥取市と協議しつつ、そういう測量等に入っていくのが筋道ではないかと考えております。
なお、もちろんのこと旧美術館通りと言われるその道路整備につきましても、鳥取県のほうで全面的に負担をしながら、残り事業について検討すべきであるという認識は変わっておりません。こうしたことなどこれから真摯に対応していきたい。こういうようなことのスタートも9月の県議会とともに始めることになろうかと思っております。
●知事
予算のほうは様々な予算がありますが、今、喫緊の課題になっていますのが、紅葉シーズンを迎えるに当たりまして、大山の周遊道路、周回道路の所のナラ枯れでございます。これについては1,000万円の予算を計上をし、大体それに相当する伐倒駆除と言われる手法を使いまして、緊急対策をこの9月の予算の中で計上をさせていただきたいと考えております。
また、[小惑星探査機]はやぶさ2がいよいよ地球に帰ってくるというスケジュールになってきます。このはやぶさ2につきましても、岡山大学の研究施設、三朝[町]にございますが、ここがその担い手になる見込みでございまして、こうした研究施設と協力をしながら、300万円シンポジウム等の予算も計上させていただこうと考えております。このほかにも所要の経費をいろいろと入れていきますが、先ほど申しましたように新型コロナ[ウイルス]対策関連がその多くを占めるということになるところでございます。
7 安倍首相の辞意表明、政府の新型コロナウイルス対策
●知事
この新型コロナウイルス関係では安倍[晋三内閣]総理[大臣]が辞任表明に当たりまして、この考え方新しい方向性を述べられたところでございます。安倍総理にはこの新型コロナ[ウイルス]をはじめ、大変に多くの事業を手がけていただき、地方創生あるいは経済の復調、それから子育て、また鳥取県の中部地震などの災害対策、非常にリーダーシップ取っていただきました。このことに改めて感謝を申し上げたいと思います。その最後のときに示された幾つかのポイントがありますが、ほぼ全国知事会のこれまでの要望してきたことを踏襲しておられるような感じがいたしまして、地方に対する聞く姿勢を示していただいたものとして評価できようかと思います。
ただ、中には今後の進展に注意しなければいけないものもございまして、これから我々も関係者とよく話合いをしながら対応策を考えていく、あるいは県独自の考え方というものも必要になってくるのではないか、こういうように考えております。また、西村[康稔経済再生]担当大臣が9月の上旬に[新型コロナウイルス感染症対策]分科会を開催するというふうに記者会見でおっしゃっておられます。具体的な日程はまだ私ども確たること分かる立場ではございませんが、ただその準備をする必要があると思いまして、今、全国知事会でも残された論点につきまして各都道府県の考え方を、今、集計を始めたところでございます。
●知事
その中で1つ我々として気になっているのは、新型コロナのウイルスの陽性が確認をされた後の対処につきまして、いわゆる[感染症法の]指定感染症として2類相当、実際には2類と1類とのその間のような形だと思いますが、それが現状の新型コロナ[ウイルス]の対策になっています。幾つもの項目がありまして、ここにちょっと抜粋を出させていただきましたが、これまでの現場の実務を考えますと、慎重に取り扱っていただきたいことがあるのではないか。そういう意味で鳥取県として仮に国の方針が変わったとしても、ここは方針を堅持しなければならない部分もあるんではないかというふうに思われることがあります。
多分、政府のほうの関心事は大都市部でありまして、大都市部では保健所が非常に多くの仕事を抱え込まざるを得なくなっていたり、それから入院の状況につきましても病床が満杯になるんではないか、それが医療崩壊につながるんじゃないかというところに関心、焦点があるわけでございますが、御案内のように、実は都道府県によってその感染状況まちまちでございまして、大都市であればその辺に配慮をしながら基準の見直しということはあり得るのかもしれませんが、そこは地域性があるのではないかということであります。例えば入院勧告、それから入院するような措置、それからまた無症状の方の対応ということがございます。これが結局大都市部では無症状の人まで病院に入れろという誤解があるんじゃないか、入院勧告しろということに実はなるんじゃないか。だから、そこを外せということをおっしゃっておられるようでありまして、政府もそこを念頭に置いた改正を考えておられるのかなと最近のちょっと報道を見ていると感じるところであります。
しかし、実はこの新型コロナ[ウイルス]はまだ新しい病気でありますし、治療法が完全に確立されたわけではありません。まして患者さん、陽性者というのは今後どう展開するかというのは予測もつかないわけであります。そこで一番いい手法というのは、右のほうに本県の対応というのがありますが、本県はいろいろ話し合ってこうしているわけであります。症状があるかどうかだとか、その程度、例えば軽症者であるかということを問わず、全ての陽性を示した方にはまず入院をしていただくと、何をしているかといいますと、そこで例えば肺のCTスキャンをしたりして、その状況を病院だからこそできるような分析をするわけであります。それによって治療方針を立てて、また患者さんにも説明をしながらさせていただくと。
これで、今のところは病床がたくさんありますので、現実には退院、しっかりと治していただいて陰性になって退院していただくというやり方をしていて、実は大きな問題は生じているわけではないわけであります。大都市では結局これとは逆に、病院に入院することすらできずに在宅で待機をしているという人がいるわけですね。だから、この2つの地域を一緒くたにしてしまうことは結局こうやって頑張っておる地域の感染を広げることになりかねないわけでありまして、全国一律にやるのが適当かどうかというのは疑問があります。また見直しの方法によっては入院費、これ今、公費負担していますので、その公費の対象外となりますと自己負担が発生をしてしまう、この自己負担を嫌って、もう病院に行かないということになってしまいますと、結局[新型コロナウイルス感染症の]感染を広げることがあり得るわけであります。
やはり当面は、まだワクチンとか治療法の確立とか、それがまだ不十分である状況であり、世界中がまだパンデミックと闘っているときでありますので、今一気にこれを5類感染症、この右側にありますが、こういう2類の次には多分5類になってしまうんですね。5類相当ということにしてしまうとこうしたことが全部なくなってしまいますので、それはまだ今、地域によってあり得るかもしれませんが、そこは各地域の実情に応じた対応が取れるようにするのが本当なんではないかなというふうに思います。また、疑似症という方、これは陽性を示しているわけではないわけでありますけれども、発熱があったり、あるいは濃厚接触であったりしまして、この人やっぱりそうじゃないかなという人はいるわけですね。そういうような方について本県でも一部受け入れた例はございます。ただ、都会地で何が問題になっているかといいますと、都会地の場合はPCR検査して、何日か経たないと結果が出ないわけですね。その結果が出るまでの間、疑似症患者として扱って、入院等の隔離の措置を取る必要が生じるということであります。
ただ、本県は行政検査きっちりやっていますので、その能力を上げているわけです。正直申し上げて、基本的に当日判明をします。[検査]件数[が]多いときは翌日に回すものもありますが、ただ、機械を回すだけでありますので、実は結果が出るわけですよね。ですから判定はつくわけです。そういう意味で疑似症患者、この都会のような疑似症患者の対応というのは実はないんですね。島根県さんもそうだと思いますが、大抵のケースはむしろ都会のように何日もPCR検査を待たないと陽性が分からないというようなことは起きていないんです。これは多分東京[都]の感覚でまとめられるもんですから、ごちゃまぜになっているんではないかなというふうに思います。
ですから、これもだからそれらの地域の特性に応じてやるとか、疑似症患者の中の扱いですね、こういうケースについてはこう扱うということを何か丁寧に方針をつくるというのが多分妥当なんではないかなと思います。あと、懸念されますのは、実は感染症法によりまして報告をお医者さんから受けて、これで感染状況を把握するわけであります。現在、新型コロナ[ウイルス]は、お医者さんは全て直ちに保健所のほうに通報されまして、これが集計されて国全体での統計になってくる、感染症の状況を見ようということになるわけですが、これ[感染症法に基づく分類]が5類に仮になったとしますと、1週間以内ということになります。また1週間以内にお医者さんが全て届けるということとか、それか、全てのクリニックや病院を対象とせずに、このお医者さんだけ報告してくださいというやり方をする。
今のインフルエンザなんかそうなんですが、あれは定点観測といいまして、特定のクリニック等の数だけ数えて、それがこれぐらいになったんで警報を出しましょうとかということをやっているわけです。そのようになりますと全数把握にもいかなくなってしまうわけですね。これに落とすということになりますと、もう感染を把握することはリアルタイムでは難しくなったり、全数を把握できなくなってしまうということになるわけであります。蔓延だとかクラスターの原因になり得るわけでありまして、本来やるべきなのは直ちに接触者だとか、その感染経路になりそうな所を把握をして、PCR検査をローラーでかけて、怪しい[感染が疑われる]人については外出自粛だとか、そういうことも含めてやっていく、また患者さんを隔離をする、そうしたことをやらないとほんとの意味の感染症対策はできないわけですよね。
だから、単純に今、通常報道されているように、2類から5類相当へ落とそうと。風邪程度のものだからというようなお話なわけが伝わってくるわけでありますけども、スウェーデンのように集団免疫ということを目標とするような国の政策転換がない限りは、やはり単純にはこれ緩めることはできないんではないだろうか。ぜひ地方側と協議をしていただきたいというふうに思います。
新型コロナウイルス陽性者確認時の対応について(PDF)
9 新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行に備えた検査体制の拡充
●知事
また同じく総理のほうで示されたことの中に、この検査体制の抜本的拡充ということがありまして、これは大歓迎でございます。1日平均20万件対応できるように、抗原の簡易検査キット、これを活用しながら一般のクリニックでもできるような体制をつくろうというようなことでございます。
これは本県に当てはめて計算をしてみますと、新型インフル[エンザ]のみを念頭に置いた検査というのは恐らく1日1,000件程度と見込まれまして、そのうちの500件は、接触者などを医科学調査の結果、検査する必要があるというもの、それからコロナ[ウイルス]の疑いがあると考えられて調査をするもの、恐らく半々ぐらいあるでしょうと。それと併せてインフルエンザ流行時、発熱する患者さんが増えてきますが、需要増ということが1,800ぐらいあるんではないか。そうしますと、接触者調査の500件とそのほかにも2,300件という想定されるだろうということであります。実はこれ足し算しますと2,800件になるんですが、今、本県で見込んでいるのは700件、行政検査の能力があると。これに民間で2,000件、今お願いをしているところでありまして2,700件、今回の予算、9月補正の中に1,500万円かけましてアールゼロ[株式会社R0]という民間会社、鳥取大学系のベンチャーですが、そこで日に100件程度、行政検査ができるようなPCR検査機導入を今計上させていただいています。これで合わせますと800件足す2,000件の2,800件でありまして、ほぼこれに対応できるような状況にはなるんだろうと見込まれます。
さらに、抗原の簡易検査キット、これを導入したり、今、鼻で[検体を]採っていますけども、それを唾液で検体を採るということなども含めて迅速化することなどが進んでくると、恐らくこの今民間に頼んでいるPCR検査、これがそちらのほうに差し替わってきてもよいんではないかと思いますし、そのほうが恐らく妥当であろうかと思います。こんなようなことで、政府の新しい方針を睨んでこういう新たな検査体制の確立、特にインフルが流行ってきますと、頭の中で想像してみると、インフルエンザとそれから新型コロナ[ウイルス]と両方同時に検査をするようなクリニックというのが想定されるようになってくるじゃないか。そうなるとその体制づくりどうするのか、このインフルエンザとの同時流行対策ですね、これを考えなきゃいけない。先ほどの医療体制だとか、疫学調査等々の体制の取り方のことも含めまして、来週月曜日に医師会関係者と協議の場をつくろうと医療体制協議会を開催しようということにさせていただきたいと思います。
また、病床確保計画に基づいて、今、フェーズごと[に]今やっていますが、最終的には313床確保するんですが、第1フェーズでも152床、今、確保見込みがたっているところを161床まで増やす目途もたちました。なお、重症者につきましては、40床の第1フェーズは変わらず、これで大体本県の重症者対応できます。最終的には47床まで第3フェーズで引き上げる形を考えています。また、インフルエンザとそれと新型コロナ[ウイルスの感染の流行]が同時にやってきたような場合、その場合を想定した対応を啓発やPR経費などで1,500万確保しようというふうに考えております。
新型コロナウイルスに係る『検査体制の抜本的拡充』への対応について(PDF)
10 とっとり新型コロナ対策安心登録システムの拡充
●知事
それから、お店などで、もしそこに行かれた方が[新型コロナウイルス感染症を]発症したというような場合の通知が行くようなシステム、従来、鳥取新型コロナ対策安心登録システムというのをQRコードでイベントについて始めておりました。このたびLINEの中に、今日からそうしたサービスを入れようということになりました。これでさらにお店とかでも幅広くこれが使えるようになるわけであります。具体的にはこういうお店やイベント開催者のほうでQRコードを発行する、そういう申請をしてもらいました。それを入り口に貼っておく。また利用者のほう、お客さんのほうでは、まずはLINEの公式アカウント鳥取県新型コロナ対策パーソナルサポートという、そういうサイトにお友達登録をしていただくと。このQRコードを、これを読み取ることにしますと、万が一関係の人で発症者が出たということになりますと、このパーソナルサポートからLINEで連絡が届くと、こういうようなものでございます。
これがその状況でありますが、こういう形でLINEですが、どんどんコミュニケーションが続いていくわけでありますが、QRコードを読み込む、そうするとこういうふうにQRコードが出てくる。仮に発症者が出てきたら鳥取県から通知が行くと、こういうような形を今日から運用開始をすることに致したところでございます。
とっとり新型コロナ対策安心登録システム(PDF)
11 社会福祉施設の新型コロナウイルス感染予防対策、クラスター対策等条例の施行
●知事
こういうことなどをやり、さらには社会福祉施設、これがクラスター対策[が]急がれるわけでございますが、今2,100余りの施設につきまして点検作業を8月いっぱいで終えることができてきております。研修をしたり、それから29の施設のほうに見に行ったりということで進めて参りました。こうしたクラスター対策等、今後も進めていく必要がありますが、本日からいよいよクラスター対策条例が発効することになります。これ決して強権的な制度ではなくて、県民の皆様や事業者と一緒になりましてクラスター対策を進めようというものでございまして、御理解をいただきながら適正な運用を図ってまいりたいと思います。
●知事
また、今回予算の中に入れさせていただきましたが、まだ全国でもあまり例がないことではあろうかと思いますけども、高校生や特別支援学校につきまして、県として1,000万円の予算を組みまして、県内あるいは近隣地域、例えば岡山[県]のほうに行く、本当は東京[都]とか沖縄[県]とか行こうと思っていたけど、ちょっと感染状況のこともあったり、保護者の御理解等もあったり、何より健康のことを考えて、そのキャンセルというのが今、急速に出てきているわけですね。これは全国で課題になっています。これも甲子園の野球だとか、インターハイ、あるいは文化部の活動と一緒でありまして、高校最大の思い出づくりが修学旅行であり、積立金なんかもやっていたわけですよね、これが全てなくなってしまう、単なるキャンセルでいいのかという問題意識であります。
そこで子供たち、生徒の大切な修学旅行というものを別の形で用意できないだろうか、県内、あるいは近隣ということで修学旅行を組むと。近隣とか県内ですので、例えば全学一斉に行こうとしたのを小分けにしてバスで出かけるということもできるようになります。また、宿泊なんかもそれなりの宿泊施設もあってマナー教室をやろうと思えばできないこともないですし、また、意外に知らなかったそうした出会い、地元の魅力との出会いもあり、それが鳥取県に対する愛着形成にもなれば就職して[県外に出てしまって]もまた帰って来ていただくという、そういうインセンティブ[動機]も働くんではないだろうか。
このように県内とか、近郊に変えていただいた場合、県内宿泊であれば1泊5,000円、1人当たり助成しましょうと、それから、日帰りでも3,000円、助成しましょうと。キャンセル料はかかってしまうのかもしれません。しかし、そういうものを補いながら、むしろ別の形の単なるキャンセルではない思い出をプレゼントしようと、こういう事業を始めようということになりました。
コロナに打ち克て!県内等修学旅行支援(PDF)
13 第7回全国高校生手話パフォーマンス甲子園、日本博を契機とした障がい者の文化芸術フェスティバルin中国・四国の開催
●知事
また、そういう高校生のための手話パフォーマンス甲子園が9月の27日に開催をされますし、この週末は[日本博を契機とした]障がい者の文化芸術フェスティバル[in]中国・四国ブロックを倉吉未来中心で行うことになります。いずれもこうしたリモート参加をやることにさせていただきました。例えば今週末、この障がい者の文化芸術フェスティバルを未来中心で行いますけれども、そこと、それから中四・四国各県を結びまして、みんなで障がい者や、あるいはそれぞれの知事交えてカウントダウンをやるとか、それぞれにメッセージを発するとか、そうしたことを1つのイベント的にも開会式の中でみんなの参加の機会というのをつくっていく。もちろんインターネット中継をすると。これによって障がい者の芸術文化というものが我が国あるいは世界中へと配信をされていくということになります。
全国高校生手話パフォーマンス甲子園・障がい者の文化芸術フェスティバル(PDF)
14 新型コロナウイルス感染対策を施した上での鳥の演劇祭13の開催
●知事
自由劇場の演劇も開会式の直後に未来中心で上演されるわけでありますが、こういうのも、障がい者の舞台芸術というのは非常に世界的に珍しい。フランスのナントでも評価されたところでありますが、そうしたものを発信する機会にもなるんではないかと思います。また、手話パフォーマンス甲子園も同様でございまして、開会式や閉会式の表彰等、各地の高校を結びまして実施をする。演技は動画、撮った動画をみんなで上映して見るということになりますが、その講評だとか感想なども現地からリアルタイムで生徒さんが参加をするというような形にして、こうした新型コロナ[ウイルス]で、災いではありますが、一転、それを活用させていただくような対応を取らせていただこうかと思います。こういうようなことは、実は鳥の劇場がやはり、鳥の演劇祭というのをこの9月12日から開催をするわけであります。これも私ども、かつてこの会場でもお話申し上げたように鳥取県が実は口火を切って、こういう演劇を含む文化活動、これが息を吹き返すような支援をやっていこうということを打ち出したわけであります。今回の鳥の演劇祭については、例えば屋外でのステージをやるとかいうことなんですが、10の作品を県外の劇団も3つ来られてやるということになります。そういう意味でこれを支援対象とさせていただいて、発表の機会を作らせていただこうということで、関係者でいろいろと知恵を出していただいて進めています。もちろんガイドラインを守る、それから先ほどの安心登録システムに登録をしていただく。それから従来は飲食を伴うようなそういうイベントも組まれていましたが、それは中止をするなど、新型コロナ[ウイルス]対応になっています。そういう中、参加される劇団、鳥の劇場も含めて、全員、PCR検査を事前に受けてもらうと。この事前にPCR検査を受けてもらうことを鳥取県としても全面的に支援をしていくと。もちろん自由診療というような形になるんだろうと思うんですけど、そういうものを経費的にも支援をしていくことで1つのこういう文化系のパフォーマンスの1つのモデルとして見ていただけるようになれば良いのではないかというふうに思います。新型コロナ[ウイルス]と共に芸術や文化が死絶えてしまった、衰退してしまうということにならないように鳥取県からもそういう挑戦を、応援をしてまいりたいと考えております。
15 新型コロナウイルスに関する差別的扱いや誹謗中傷から陽性者等を守る共同行動宣言
●知事
それから人権につきましては、これもこのたびのクラスター対策条例の中で規定をされていました。その規定を具現化しようということでこのたび話がまとまりました。鳥取県弁護士会、それから法務局や警察本部、こうした所で連携をしまして共同宣言を出すことにいたしました。来週の7日の日に共同宣言を行います。これによって例えば県のほうで設定をします人権尊重の社会づくり相談ネットワーク、これに弁護士会のほうでも協力をしていただくとか、弁護士会のほうでも無料の電話相談などで対応していただくとか、私どものほうで証拠保全的に画像を保存しますが、そういうものと連携をさせながら、例えば弁護士会のほうで訴訟など、そうした被害を受けられた方の支援活動を進めていただくとか、警察や、警察ではもちろんサイバー犯罪対策、また、法務局のほうでも人権救済の仕組みがございます。
今の現状、日本全国で課題になっていますのは、こうした患者様などに対する言われなき誹謗中傷でありますが、ハンセン病の悲劇、これをこの国で繰り返さないように地域としての実践活動も必要だというふうに考えております。そういう意味でこうした形を取らせていただくわけでありますが、弁護士会などと一緒に行動を県のほうで起こすというのは全国でも初めての取組ということになります。
新型コロナウイルスに関する差別的扱いや誹謗中傷から陽性者等を守る共同行動宣言(PDF)
16 ブランド総合研究所によるランキング、新ビジネスの支援など
●知事
このような様々コロナ[ウイルス]対策がございます。経済対策のほうで言いますと、1.26[倍]と若干有効求人倍率が上がりましたが、正社員のほうは0.91[倍]ということで、相変わらず1を切ったところでございます。そういうようなことでありますけども、考えてみますと、今、例えばブランド総研のほうで調査をされますと、この先、生き残る都道府県として鳥取県も44位から11位に急上昇したと。これは新型コロナ[ウイルス]に対する安心感があるからであります。
また、ストレスオフでも女性は1位になりましたのも同様な理由であったところであったり、また、SDGsでも、全国の47都道府県の1位にこのたびなったところでございます。結構、新型コロナ[ウイルス]を踏まえれば、鳥取県のほうでビジネスを行ったり、住んでいただくというチャンスは広げていくほうがいいのではないか、そういう意味から2,000万円ほどをかけまして、そうした新ビジネス、こちらでのオフィス開設なども応援する、そういう事業をこの補正予算の中で組ませていただきます。また、海外への物産展開などでも1,500万円の支援制度、こういうのも組むなどしてやっていこうということであります。
17 株式会社インフォメーション・ディベロプメント本社業務の一部移転
●知事
こういう中、[株式会社]インフォメーション・ディベロプメントというIT系の企業がございます。大手の企業を相手にして手広くビジネスを行っておられます東京の企業さんでありますが、このたびこういう新型コロナ禍で新しい会社づくりを進めていく観点から、米子市のほうに、これからだんだんと増やしていって最盛期に100人規模まで膨らませるような、本社の機能移転、一部機能移転をしようと、管理部門をこの鳥取県のほうに移転しようということになりまして、このたび、会社側として公表していただきました。我々も企業支援のスキームを使いまして応援をしてまいりたいと思います。
当面は40名の雇用増を図ろうということでございまして、こういう新型コロナ[ウイルス]の中で、地方移転を決断してくれて本県のほうにというのは初めてのケースになるのではないかと期待をいたしております。こういうようなことなどがあったり、そのほかにもいろいろと企業の展開が進むもの、なかなか厳しいもの、いろいろと濃淡がございますが、我々としても応援をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
●知事
そういう中、和牛も非常に苦労しておりますが、このたびの9月[定例]県議会に鳥取県産和牛の保護及び振興に関する条例を提案をさせていただくことになりました。これは全国で初めて知的財産として県有種雄牛の遺伝資源を位置付けるものでございます。また、和牛振興の計画を、策定をしまして、ブランドづくりやこういう種雄牛造成ということをやっていこうという条例でございまして、全国的にもまだない条例分野かというふうに思います。今、非常に和牛の単価、末端単価が下がってきているところでありますが、他方で鳥取県のこういう遺伝資源に対する評価は高く、90万円、子牛で復活をし、連続して全国トップの競り場になっている、そういう実績もございます。ぜひともそうした意味で私どもとしても、この条例を提案をさせていただきまして、産業振興の突破口を開いていければというふうに考えているところでございます。
鳥取県産和牛の保護及び振興に関する条例(PDF)
19 蟹取県キャンペーン強化、「ことりっぷ」と連携した星取県SNSキャンペーン
●知事
いよいよこれから秋本番でございまして、紅ズワイも解禁となりました。蟹取県の本番ということでありますが、観光面も含めてそのPRを図る意味で、蟹取県のキャンペーンを今日からまた強化をさせていただきまして、SNSのキャンペーン、これを開始をさせていただきます。また、ことりっぷと協調しまして星を見てみようと、こういうキャンペーンを今月半ばからスタートをさせていただくことにいたしたり、また、シルバーウイークを前にガソリン代の補助、こういうものも始めて、近隣観光の促進を図って行こう、こんなことも考えております。味覚の秋、また本来であれば行楽の秋、ぜひそうした意味のたくましさをまた我々も感じたいと思いますし、つくり上げていければというふうに考えております。私のほうからは以上でございます。
○日本海テレビ 桑本隼行 記者
ありがとうございます。そうしましたら質疑応答に入らせていただきます。そうしましたら質問のある社さんは社名とお名前を発表の上、質問をお願いいたします。
〇日本海新聞 岡宏由紀 記者
すいません。日本海新聞の岡ですけど、旧美術館建設予定地の少年自然の家の跡地の件なんですが、これ、これまでにも様々な紆余曲折を経て、また今、再整備に向かうということになったんじゃないかなと思うんですけど、その辺りの知事の思いを一言いただけたらというのと、あと、多目的広場でここを整備されるということなんですけど、これ、もう少しちょっと具体的に、何に活用されるような多目的広場で整備されるのかっていうのと、あとは例えば周辺の施設とかと含めた総合的な整備計画にしていくのかとか、その辺りのことをちょっと聞かせていただけたらなと思います。
●知事
これにつきましては、まずもって長年にわたりまして、大変な御迷惑をかけてきていることに地元松保[地区]の皆様、そして鳥取市の皆様には県政として私のほうからもお詫びを申し上げ、今後も真摯に取り組んでいくことをお約束を申し上げたいと思います。これは以前の[片山善博]県政、私が就任する前の県政の積み残した課題ではありますけれども、これを何とか解決に導こうとこれまでも話合いを、展開をしてまいったところでありますが、このたび地元松保の皆様の御理解を得られる運びとなり、その真摯なお気持ちとして遊歩道等の整備、そうした跡地整備について具体化をという、そういうお話がこのたび要請書という形で出てきたわけであります。
これは大きなターニングポイント[転換点]でありますし、その御意思を私ども最大限尊重をして展開をしていかなければなりません。今お尋ねのありました具体の内容につきましては正直これから話合いを重ねながらやっていくことになりますが、まずは現状を把握しなければいけませんので、測量、これに既定の経費、既定の予算の中で速やかに取りかかるのがベストではないかなと考えております。そのために[鳥取]県議会にも御報告をしながら、鳥取市等とも協議をしながら、この軌道を元に戻していく、軌道修正をまずは始めることからいたしていきたいと思います。
その中でどういうような具体像ということになるのか、固めていくということになろうかと思います。今いただいているお話は隣にちょうど出合いの森があるもんですから、ああいうものと行き来ができるような遊歩道等、それから広場のようなもの、そうしたものを[整備して]ということでありまして、大規模な観光施設を造るとかいうのはむしろ地元の平穏な暮らしという意味ではあまり好まれていないわけであります。ですから、どちらかと言うと地元の方々が普段使いで使えるようなもの、それにちょうど湖山池も望めるような地形を生かしたそうした施設整備、この辺が本来のお考えのところではないかと思っております。よく真摯にお話合いをしてまいりたいと思います。
○山陰放送 日野彰紀 記者
BSSの日野です。安倍総理が辞任を表明された直後のお話を伺ったときには、自民党の総裁選について党員投票があるような形が望ましいのではないかと御発言なさっておりました。今日間もなく自民党の総務会では、どうも党員投票は行われない方向で話がまとまりそうだということであります。今どのようにお考えでしょうか。
●知事
その[自由民主党]総務会に先駆けて自[由]民[主]党の中でも党内の若手の方々が署名活動をされて100名余り集っていると伺っております。また、各地の[自由民主党]鳥取県[支部]連[合会]、それから島根県連も含めまして、地方レベルから党員投票求めるそういう決議や声が挙がっているとも報道で伺っているところであります。ですから、どう踏まえて総務会のほうで御判断されるかということではないかと思います。その自民党という自立的な組織の意思決定でありますので、私が口を挟むことではない、これは前回も申し上げたとおりであります。
ただ、恐らく多くの国民はやはり今新型コロナ[ウイルス感染症]などの大変な課題を抱えている中で、堂々たる政策論争それを聞きたいというように思っておられるでしょうし、また、党員・党友の皆さんそうした方々も投票権がありますので、お金も払った上で党員・党友になっておられるわけでありますから、その投票権の行使の機会ということもあると思います。私はやはり民主主義にとりまして、そういう大きな議論をするタイミングというのは重要ではないかと思うんですね。今のアメリカ[合衆国]を御覧いただければそうです。あれは完全な党内手続でありましたけれども、予備選挙ということが行われました。それによって候補者を選ぶという、その段階のことですら、様々な政策論争をして、最終的にはそれぞれの党の政権や綱領というものが定められてくる。これがやはり民主主義の1つの機能の仕方だと思うんですね。
そういう意味で単に話し合いだけで、とりあえずリーダーを決めればいいのかというと、それだけではなくて、実はそのリーダーを決めるということは政策を決める、そこに多くの方々が言わば参画をして、みんなのリーダーをつくるという意味もあるんだと思うんです。それが選挙であり、党員投票ということではないかと思います。そういう民主主義の常道からすれば、私はその党員投票という機会はあっていいんではないかと思っていますので、これからの党内論議に注目をしてまいりたいと思います。
22 とっとり新型コロナ対策安心登録システムの拡充
○毎日新聞 野原寛史 記者
毎日新聞の野原です。鳥取新型コロナ対策安心登録システムの件でお伺いします。こちらなんですけども、今後どの程度の規模まで広げていこうかというところがあればお伺いしたいんですけども、例えば県のほうでは以前、感染予防対策協賛店というステッカー配ったりしていましたけども、具体的にそういう所にはお願いしていくとか、何店規模まで広げるとか、今の知事のお考えがあればお聞かせください。
●知事
これは割とLINEにした、前は実はQRコードでこの夏[8月5日から]スタートしたんですが、今日[9月1日]からこのLINEとつなげることによりまして、より参加が得やすい形になったと思いますし、特に感染拡大の1つの要素になっているんではないかという若い方々の間での感染、こういう観点でいえばLINEの活用というのは効果が見込めるんではないかというふうに思っています。ちょっと数値目標までは、実は正直持ってないんですけれども、ただ、今までの経験からしますと協賛店のステッカーも急速に伸びて、あっという間に700件だとか、どのぐらいっていいますか、もっと増えているんじゃないかと思いますが、そういうようなことになってきていますし、やはりお店のほうもそうしたシステムを導入することが安心につながるという要素になりますので、少なくともその協賛店や認証店、そうした所では呼びかけはしてまいりたいと思いますし、そのほかの店舗さん等につきましても、私どもまた9月の3日頃、前後で実は順次そうした[鳥取県飲食]生活衛生同業組合、こういう飲食関係の皆さんや、あるいはお店等々に説明する機会を設けております。そういう所でもしっかりとPRをしたり、ホームページでも状況を、お伝えをしてまいりたいと思っております。
○毎日新聞 野原寛史 記者
ごめんなさい。ちなみに、ただ、一方ではこの登録をした場合、あそこでコロナ[ウイルス]が出たっていうのが簡単に広まってしまうんではないかというお店側の懸念もあるんじゃないかと思いますけども、そこに関してはどのようにお答えしていきますか。
●知事
これはその該当者のほうに通知が行くということでありまして、プライバシーの管理だとか、お店情報についてもそうした悪用がないように工夫をしてまいりたいというふうに思います。
23 新型コロナウイルス陽性者確認時の入院勧告等の運用見直し
○中国新聞 小畑浩 記者
すいません。中国新聞の小畑と申します。見づらいとこからすいません。感染症法上の入院勧告等の運用の見直しを国が検討することを受けて、鳥取県としては国の方針がどうであろうと現状の運用を続けていかれるというお話だったと思うんですけれども、気になるのはその入院が公費対象外になる可能性があると、そうなったときに国からの財源というのが当てにできないかもしれないという中でどのように予算措置をして、この自己負担が発生しないようにしていくのかというところを、入院、検査ですね、その辺りをお伺いしたいと思います。
●知事
これについてはまだ交渉の途上でありまして、今後どういうふうに展開をするかというのはまだ見込めないと思います。恐らく政権、新しい政権づくりとオーバーラップ[重なり合い]しながら詳細づくりが進むのではないかと思います。私自身は先ほど申しましたように、全国知事会のほうで今アンケート調査をこの件についてさせていただいておりまして、どういう項目、ここで丸をつけたところ、どういう項目に丸が必要かということを今、調査をかけているところであります。この丸が実際にこういうふうに、例えば入院勧告措置には必要だとか、こういうようなところが多分だいぶ出てくると思うんですね。恐らく大都市圏と地方部ではだいぶ見方が違うところでございまして、その辺は濃淡の差はあると思うんですが、段階的に対象としていくという落ちはあるんではないかと思うんです。
例えば今、分科会のほうではステージ1、2、3、4というふうに段階をつけているんですね。その段階に応じてこういうような感染症対策をしなさいというところと、これを絡めていけば良いのではないかというような個人的な感じも持っています。現実妥当な案を政府は作るのが一番いいわけでありまして、それに伴って財源措置も国全体で措置をされてきて、住んでいる地域によって感染症にかかりやすくなるとか、かかりにくいとか、そういうことにならないように初めてなると思うんですね。ですから、まずは国のほうに制度設計を我々としては真摯に求めていきたいと思いますし、私はこの鳥取県が今やっている、こういう運用については続けていけるように、それは国の動向も見ながらそれは最大限工夫してまいりたいと思いますし、財源が必要だということであれば、それも最終的には決断の対象にはなり得ると思います。
24 地方の実情と政府の新型コロナウイルス感染対策
○時事通信 今泉悠 記者
はい。すいません。時事通信の今泉です。今の話に関連してですが、新型コロナの対策を見ていくと、その大都市がこう中心となって対策がとられ、対策が練られ、地方の状況とこうマッチしないということがこれまで何度か起こっていると思うんですけれども、そもそもなぜこういうことが起きるんだとお考えでしょうか。
●知事
それは声が大きい人と、声が届かない人があるからだと思います。どうしてもメディアの問題もあると思うんですが、東京[都]の状況とか大阪[府]の状況は、これが[新型]コロナ[ウイルス感染]対策だと言わんばかりで、全部そのとおり発信されていくんですね。ただ、地方で、現場で何が起きているかっていうのは、どうしてもローカル[地方]のメディアの世界になりますから、全国ベースでは声が政権の中枢のほうに届きにくいっていうのはあると思います。それを埋める意味で、[政府の新型コロナウイルス感染症対策]分科会で私もなるべく地方の実情も含めて物を申し上げるようにいたしておりまして、今回のこのケースもそうだと思うんです。加藤[勝信厚生労働]大臣をはじめ関係者の皆様はとにかくこの[感染症法における指定感染症としての指定を]2類相当から5類に落としてしまうということをやみくもに考えているわけではないのではないかなと、最近の記者会見の状況なども拝見していると思える感じがいたします。
そうであれば地方と話し合っていただいて、妥当なこの政令の指定状況、政令による指定感染症の対策の指定、それを妥当な姿で地方と話し合ってつくっていただく。恐らく全部一律にやろうと思うと、うまくいかないんじゃないかと思います。[時事通信社鳥取支局]今泉[記者]さんおっしゃるように、その地域の特性に応じた感染症対策あるということを盛り込んでいただきたいと。最近、分科会でもこういう発言を私もするのを、尾身[茂]会長もくみ取っていただきまして、地方には地方のやり方がある、そういうペーパーにだんだんと変わってきています。この分野もそうした形で、現実的なアプローチをぜひ求めていきたいと思います。
25 新型コロナウイルス陽性者確認時の入院勧告等の運用見直し
○共同通信 遠矢直樹 記者
共同通信の遠矢です。ちょっと関連することなんですが、今後、知事会等で国のほうに申し入れをしていくんだと思うんですが、このコロナの見直しについて。仮にその見直しによっては入院勧告等の対応ができなくなるということになった場合に、県として独自にという話もありましたが、そうするとその法的根拠を失った状態でどこまでこう実効性を担保できるのかという疑問もあるんですけれども、その辺りどういうふうにお考えでしょうか。
●知事
この辺は医療関係者、それから住民の皆様の御理解、御協力を得てやっていくことになろうと思います。と申しますのも、今も実は強制力はないわけですね。私たちは全国知事会でもこういう感染症法の権限につきまして、入院勧告にも担保措置が必要ではないかというふうに申し上げておりますが、残念ながらまだそれは実現していない。ですから、正直申し上げて現状においても強制力はないので、病院から出てしまったり、病院に行かないという方、これ現実に発生をしているのが全国の状況です。本県はこれまで関係者の皆さんの御理解と御協力は得られていますので、そういう例外ケースは発生していないところでありますので、今後も理解を得ながら基本的にはまず病院のほうでかかっていただいて、所定の検査、診断をし、そして一定期間ケアをしてもらった上で、例えば療養施設に移るというのが良いのではないかと思います。
最初から在宅で待たざるを得ないという状況がまるで当たり前かのように世間で報道されているのは違和感がありまして、本来そういうふうにならないように、医療施設のキャパシティを用意をしたり、段取りよく入院に回ってもらえるような保健所の体制を整える、それが本来の急務ではないかと思います。
○読売新聞 安恒勇気 記者
読売新聞の安恒です。知事が最初、福祉施設の風水害対策の観点から福祉施設の検査の話をされていましたけれども、これ77か所で具体的にどういう検査というか、どういう観点から検査されたっていうのと、あと、その77か所に、特に問題はなかったのかっていうのをお聞かせ願いたいなと。
●知事
この77か所をあぶり出すっていうのはまず大切なことでありまして、バックウォーター、今回の[令和2年7月豪雨で被災された熊本県の特別養護老人ホーム]千寿園ですね、熊本[県]であったようなことが残念ながら起こってしまう。我々もちょっと調査をしてみて、結構そうしたバックウォーターがあり得る箇所に福祉施設が現実に立地しているというのも目の当たりにした気がいたします。ただ、それを放置しておくがいいかどうか、やはりいざというときに逃げておいていただいて、ああいう千寿園のようなことにならないようにしていただくのが良いだろうと。専門家の先生方からもいろいろと?見[吉晴鳥取大学学長顧問]先生とか、お話をしていただいたりして、避難スイッチというふうに言うんですが、例えばこの川のこのデータがこうなったらあらかじめ別のこういう所にみんな引っ越しておきましょうと、こういうことを決めておこうということです。
これ、まだそういう意味で避難計画が全部出来上がったかというと、そういうわけでもまだなくて、そこの問題意識までは今持っていただいていると。77か所それぞれに対策をとっていただければいいのだと思います。実は本県は、今までもそういう水害対応や土砂災害対応で各地の各施設の避難計画はつくってもらっています。それを改正して実効性をさらに高めるという、その作業が今、必要でありまして、今、点検を終えてそちらの段階に移っているというふうに御理解いただけたらと思います。
○読売新聞 安恒勇気 記者
これまで防災というか、災害対策っていうのは、津波とか地震とか結構言われていましたけれども、最近では風水害に対しても体系立てた訓練とか対策っていうは言われ始めているんですけども、県としてと、あと、知事の今の風水害対策としてのお考えとかをちょっとお聞かせ願いたいな。
●知事
私どもは風水害、特に集中豪雨型の異常気象のようなこの雨については、平成19年から対策を強化し続けてきています。きっかけになりましたのは、若桜町、八頭町の所で起きました集中豪雨、それから琴浦町、大山町で起きました集中豪雨であります。役場では雨は降っていないのに、局地的に時間雨量100ミリというような強烈な雨が降り、そこで命を落としかけた、救助されて何とか一命をとりとめたという方もいらっしゃった。ですから、従来の災害対策では通用しかねなくなってきているというのを当時から考えていまして、県の職員をリエゾン[災害対策現地情報連絡員]で派遣しておくとか、そうしたことなどを、あるいはまた情報の共有、気象台だとかと共同しながらということをやってきました。
その後、土砂災害警戒情報が出せるデータづくり、メッシュづくり、それから先般[平成30年7月]の西日本豪雨のときは、30人レベルで土木職員を送り込んでおくとか、いろいろと本県独自のことを進めてまいりました。やはり初動が大切だと思いますし、さらにはこれから、この間の千寿園のようなことを見ますと、千寿園は決してそうした避難対策など通常ぬかっていたわけではなくて、ただ、あれほどの状況になるということまでは想定しきれなかった、それから水の回りが早かったということがあると分析されています。
そういう最悪の事態まで考えなきゃいけない時代に入ってきたんだなと。それが今回77か所の点検をしようという契機でございました。これはやはり今の状況、これから今年も今、台風9号、さらにその次の台風のたまご、これが特に心配されるかもしれません。決して遠い未来のことではなくて、今、起こるかもしれないということで関係者と危機感を共有をし、逃げることがまずは一番簡便で確実な方法ですから、これをソフト的にも始めること重視していきたいと思います。
○読売新聞 安恒勇気 記者
あと、今日防災の日なんですけれども、知事として防災の日というのは県民なり僕たちみんななり、どういうふうな日にすべきかとかっていう、というお考えってありますかね。
●知事
防災の日、政府においては統一訓練が行われています。関東大震災という強烈な災害の歴史など、我が国は深く歴史の中に刻み込んできました。本県でも例えば[昭和18年9月]鳥取地震や[昭和27年4月]鳥取大火、あるいは[平成12年10月鳥取県]西部地震、これが20周年で10月の6日を迎えますし、中部でも[平成28年10月鳥取県中部]地震があったりしましたが、それぞれの地域でタイミングを捉えて避難訓練や統一的な防災訓練を行ってきています。防災の日というタイミング、あるいはそうしたタイミングを別の様々設定を捉えて、ぜひ住民の皆様にも災害が苛烈化している強烈になってきていることを今一度、御認識いただきまして、例えば避難するときはこういうふうにしようねとか、家の中を点検してみると、うちはこれ2階へ逃げてもちょっと危ないかもしれないなということであれば、よそに逃げることを避難スイッチとして考えといていただくとか、こういうようなことなど話合いをすることが命を守る第一歩になると思います。ぜひ実践を求めたいと思います。
28 全国知事会新型コロナウイルス対策検証・戦略ワーキングチーム報告書の取りまとめ
○中国新聞 小畑浩 記者
すいません。中国新聞の小畑です。知事がチームリーダーを務められました全国知事会の新型コロナウイルス対策検証戦略ワーキングチームの報告書が昨日取りまとめとなりました。この報告書の取りまとめについて改めてどういった意義があるかということをおっしゃっていただければと思います。よろしくお願いします。
●知事
この取りまとめは6月[4日]の全国知事会[議]のときに第一波の経験をもう一度総括する必要があるだろうと。それを次の波に備えて戦略をみんなで作ろうと。また、政府のほうにも言うべきこと、これも考えていこうと、こういうことで実務家を中心にして[日本]医師会[常任理事]の釜萢[敏(かまやち さとし)]先生にも加わっていただきまして取りまとめをしてまいりました。関係者の皆様に感謝を申し上げたいと思います。昨日[8月31日]取りまとまったところで、クラスター[感染集団]の状況が割と克明に資料も含めて共有することができたと思います。このクラスター[の発生]を避けていくコツも見えてきたわけでありまして、言わば敵の弱点を突く戦略も書かせていただきました。
また、議論の過程で人権問題、これをやはり我々として次の波に備えて、国も含めて訴えかけをしていこうというようになってきたり、また、これ別の作業で今後取りかかっていきますが、法律改正に向けても具体的な議論をこのワーキングチームの報告をまずはベースにして、今後も継続してつなげていこうというようになったところでございます。この中には報告書にも県境を越えた相互支援、あるいは保健所設置市との協力、国との連携ということも書かせていただいています。現実にこれを書きながら沖縄[県]への支援活動、これも進めさせていただきまして、今、15県から34人が合計で沖縄の看護救援に向かったというところでございます。
本県からも2人の看護師が行って、昨日活動を終了しました。台風の関係で[9月]3日にこちらに戻るということになりましたけれども、やはりこうした活動が非常に重要になってくるだろうと、これから秋さらに大きな波が来て、そこにインフルエンザが重なって来たときに、これまで以上の混乱が起きかねない。命の危険を生じかねない。ですから、そういう意味では1つのバイブル[重要な書物]のようなものは取りあえず作れたのかなと思います。この中に政府への要望もありますので、この9月、入りましたが順次厚労省とか内閣府とか、そうした所にも説明をして、私どもの考え方を申し述べ要望もさせていただきたい、こういうふうに考えております。これから大きな波に備える意味で夏の間に1つの取りまとめ、そこには至ったのかなというふうに思っておりますが、これを今後は生かしていかなければなりませんので、さらなる緊張感を持って47の.都道府県それぞれに取り組んでいくことを我々としても申し合わせてまいりたいと思います。
○日本海新聞 岡宏由紀 記者
すいません。日本海新聞の岡ですけど、安倍政権の政策評価についてお聞きしたいんですけど、安倍政権の看板政策というかそのテーマの1つに、主要テーマ1つに地方創生があったと思うんですけど、知事先日おっしゃられていたように、東京の一極集中なかなか解消できないものもあるし、現実に鳥取県での人口減少に歯止めがかかってない状況っていうものあるんですけど、そうした一連の政策に対して評価できる点と不足しているんではないかという点があったら、それをちょっとお聞かせいただけたらと思うんですが。
●知事
まず、その地方創生について評価できることは、地方創生というそういう政策課題を掲げたこと自体が評価に値すると思っています。これは我々も地域間格差とその前は呼んでいまして、そういう地域間の格差がやはり大都市部と地方部との間ではどんどん広がっていると。これ経済面もそうですし、特に人口減少に歯止めがかからない、地方に比べて東京圏は人口は増え続けると。こういうようなことであると地域の衰弱を招くことになるわけですね。また、東京[都]も過密の弊害というのが生まれてくるだろうと。今回の新型コロナ[ウイルスの感染]もそういう面があるんではないかというふうにおっしゃる方もいらっしゃいます。
こういうようなことをまずもって政策課題として掲げたこと自体は大きかったと思っています。現実にもその地方創生に向けた財政支援、それからふるさと納税の活用、こういうことがあり、一定のインパクトは与えたと思いますし、私どもも年々、今年度は難しいと思いますが、過去最多の移住者数を記録し続けてきていると、2,000人を超えるようになってきていると。これやはり国のほうの政策の後押しを活用させていただいたからにほかならないのだと思いますから、その意味では評価できると思います。ただ、評価できないところは、ただその[東京一極集中の]ダイナミズム[力強い動き]を止めることはできてなかったということですね。
どうしても東京[都]に集まってしまう。そうするとそれは恐らく産業とか雇用の問題も関わるところであります。本当は地方においても先端技術産業は成立し得るわけでありますし、特に人件費だとか、あるいは土地などの諸経費を考えますとコストベネフィット[費用に対する便益]は地方部のほうにあってもおかしくないと。これはIT系[企業]もそうだろうと思うんですね。例えばインドでそうしたソウフトウェア産業なんかが隆盛を極めますのも別にアメリカ[合衆国]にいなくても事業はできるということであります。ですから、そういうような様々産業構造の変化があるにも関わらず、そういう経済界の主流のところの意識を変えることができていない、その辺は課題があったと思います。
同じことは政府のあり方についても同じでありまして、中央省庁の地方分散という、地方移転ということが言われましたが、まともにできているのは文化庁くらいで、あとはあんまりその大きな変化になっていないと。本県でも[農業・食品産業技術総合研究機構 ]果樹研[究所]、梨の研究施設ですね、それから職業施設、職業人員の育成施設ですね、職業能力開発[総合]大学校という、これの一部移転は勝ち取ることはできましたけれども、ただ、これが構造変化を起こしているとはちょっと言えないところがあります。この辺は多くの地域で期待はずれに終わったんではないでしょうか。この分野も本来はでき得ることであろうかと思います。ですから、それはいま一度切り込んでいくチャンスもあるんだと思うんですが、このように経済とか、それから行政とか、そうしたところで本来、隗より始めるべきところがうまく動いてこなかったというのは残念ながら、現実にまだあるところでございまして、こうしたダイナミズムを変える力までは発揮できなかったというのは残念ながら評価できないところではないかと思います。
○時事通信 今泉悠 記者
すいません。時事通信の今泉です。ストレスオフのお話がありましたけれども、女性は全国で1位なんですが、一方男性のほうが全国41位ということで非常にこう順位が低いわけなんですが、なぜこういう結果になるのか、その受け止めを教えていただきたいのと、あと、知事は男性でいらっしゃるわけで知事のこのストレスというのは現状いかかでしょか。
●知事
実は、このたび初めて男性のストレスオフがランキング公表されたところでありまして、従来は女性のストレスオフのみでございました。恐らくちょっとこれ分析が必要でありまして、今回初回なもんですからまた私どもとしても拳拳服膺(けんけんふくよう)させていただきたいと思います。これまで女性のところで毎回[ランキングを]取っていたわけでありますが、子育て環境、子育て上のストレスとか、それから自然の問題等々が評価されているところに、今回は[新型]コロナ[ウイルス感染症に対する]不安がストレスオフのNO.1に貢献したという分析であります。男性のほうもどうなっているのかちょっとこれは見てみないと分かりませんけれども、いろいろとそのストレスの原因は確かにまだ残っているのかもしれませんので、客観的指標としてぜひ参考にさせていただいて、対策を講ずるべきテーマがあれば取りかかってまいりたいと思います。
私自身は今やっぱり新型コロナのこともありまして、なかなかストレスが抜けきれない日々を送っておりまして47人の知事の中でワーストに近いのかもしれません。ともかくそういう意味でストレスを感じるということはありますけれども、ただ、救われるのは時々夫婦で散歩をしたりというようなこともさせていただきますが、新型コロナの時代に息抜きができるスペースやタイミングというのは、実は鳥取[県]はあるのかもしれません。ですから、こうした新型コロナ[ウイルス]の中で、逆にストレスオフとして伸ばしていく余地というのはまだまだあるんじゃないかというのも感じているところであります。
○日本海テレビ 桑本隼行 記者
各社さん、よろしいでしょか。では終わらせていただきます。ありがとうございました。
●知事
どうもありがとうございました。