防災・危機管理情報


知事定例記者会見(2020年11月4日)

令和2年11月4日(水)午前10時~
 災害対策本部室(第2庁舎3階)

録画配信 知事記者会見動画(約61分) ※MPEG4形式

  

1 立皇嗣の礼、米国大統領選挙 

●知事

 皆様おはようございます。いよいよ11月の8日、立皇嗣の礼が挙行されるに至りました。この御慶事を寿ぎ、私どものところには令和に入りまして、最初の地方皇室行事といっていい、私どもの[鳥取市]布勢の大会のほうに緑を盛んにしようとお訪ねをいただきました秋篠宮殿下御夫妻、立皇嗣の礼をお迎えをされるということになります。私どもも、これまでそうした緑化関係では都市緑化フェアを含めまして、こうした地域の緑の祭典に相次いでお越しいただくなど、お力をいただいているところでございますし、また、私どもの福祉、障がい者福祉や、また、手話の普及など様々なお力をいただいているところであります。


 新しい国の形、令和の時代をつくっていく中で、この新型コロナ[ウイルス感染症の流行]を乗り越えていけるような、そういう国民の統合の象徴のような形で、今回の立皇嗣の礼が挙行されることを心からお祝いを申し上げたいというふうに思います。


 他方で、今、世界中が大きな渦に巻き込まれているところでございますが、1つは新型コロナ[ウイルス感染症]ということであり、もう1つは政治の季節ということでございます。現在、アメリカ[合衆国]におきまして、投票が締め切られ[2020年アメリカ合衆国]大統領選挙、それから上下両院の[アメリカ合衆国連邦議会]選挙につきまして、連邦の投票行動いよいよ明らかになってくることとなります。開票作業が昨日[11月3日]から、進み始めているところでありますが、全米で一番早いところは、もちろん開票がたった5人[選挙人の人数]ですけど、終わったという報道がありましたけれども、今各州でそうした動きが行われております。


 私ども鳥取県はバーモント州と交流をしていますが、今の速報ではバーモント州は民主党[員の][ジョセフ・ロビンソン・]バイデン[ジュニア]候補の大統領選挙人が当選するという報道になりました。他方で、ウェストバージニア[州]やケンタッキー[州]は、これは共和党トランプ候補のほうが取ったという報道になっています。また、優勢状況につきましては、フロリダとかオハイオはバイデンのほうが優勢ではないか、こういう報道がなされているところでございますが、他方でトランプ優勢というところもございまして、まだ予断を許さないこれからの状況が見守られるところでございます。


 私ども日本という国、それから鳥取県もこうした政治に大きな影響を受ける可能性があります。私自身一番懸念をしておりますのが、アメリカの分断というものにつながらないことをまず第一に願いたいと思います。私自身もアメリカで仕事をしていた時期もございますが、また、調査研究もしたこともございました。そういう中で私なりの論考を書いてアメリカの民主主義を語ったこともありますし、[ウィリアム・ジェファーソン・]クリントン[元大統領]さんの第2期目のときですかね、の予備選挙などを取材調査旅行をさせていただきながらまとめたということもございました。


 やはりアメリカのデモクラシー[民主主義]というのは全米に自由と平等そういう活力をもたらすものであり、世界に向けては正義であったり、民主主義というそういう重要な舞台になっているところであります。ただ、最近の選挙戦の状況を拝見をさせていただきますと、残念ながら今までのところはこの選挙を通じて暴動が起きるのではないだろうか、こういうネガティブな報道が先行しているところであります。やはり民主主義というのは政策の主張に従って正々堂々と戦いといっても、戦ではなく言論の世界で決着をつけるものであり、そこで決まったことにアメリカの伝統としてはノーサイドを掲げて、その後アメリカ合衆国全体が1つになって、世界をリードする存在足り得ると、こういう伝統があるわけであります。これが揺らぐことにならないかどうかというのを一番懸念をするわけであります。


 また、私どもとしても注意しなければならないのは、産業界等々に少なからず影響を与えるのではないかということであります。例えばバイデン候補が仮に大統領選挙勝つということになれば、恐らく自動車産業あるいはエネルギーの形というのは変わってくる、SDGs[持続可能な開発目標]を含めましてパリ協定の問題もありますが、大きな変革がやってくる可能性があります。


 アメリカの大統領選挙の特徴としては、大きく振れるという特徴がありまして、政権奪還というタイミングでは極端に政策の変更が行われるというのが過去のアメリカ政治史の語るところであります。トランプ大統領が当選なさったときも、例えばイランの問題であるとか、パリ協定の問題であるとか、そうしたものが全て塗り替えられるというところからスタートをしていったものであります。今回も同じ轍を踏まないとは限らない、むしろそれがアメリカの政治状態、政治の状態ではないかと思われるところもあります。


 そうなりますと、自動車部品産業であるとか、電子機器産業など鳥取県の産業にも大きく影響してくる可能性もあるわけであります。また、恐らく環境指向が、バイデン候補が勝利をすれば高まるでしょうから、そういう意味ではSDGsや再エネ100[再エネ100宣言RE Action][使用電力を100%再生可能エネルギーに転換を目指す枠組み]という、そういう鳥取県が掲げる運動にとりましては後押しともなり、逆にプレッシャーともなるところだろうと思います。これは日本という国家全体でも言えることではないかと思います。


 トランプ候補が勝てば、恐らくは米中関係等々国際情勢にさらに緊張感が加速する可能性もないわけではない。これがやはり我が県の経済産業にも影響を与え得るのではないだろうか。現状はアメリカの株は、今、急騰しているところでありまして、経済に直ちに悪影響を及ぼすということにはならないかもしれませんし、その辺はよく見守っていきたいと思いますが、私どももよく情報を注視をしていく必要があり、それに応じて今後、臨機応変な県の産業政策、あるいは様々な交流政策等をとっていく必要があるのではないかと考えているところであります。





2 鳥取県令和2年11月補正予算における新型コロナウイルス感染症対策など 

●知事

 そういうような中、もう1つの大きな課題ということになりますのは[新型]コロナ[ウイルス]のことだろうと思います。そういう新型コロナも含めまして県の予算作り、それから国への要望等を強めていく必要があります。現在、県のほうで予算編成作業、11月補正をやり始めているところでございます。その状況を今、積上げていきますと、結構大きな規模になるかもしれない、今のところ60億を超えてくる勢いでございます。その主たる要因となりますのは、医療環境整備を行う新型コロナ対策、その医療環境整備自体で40億円という大台に乗ってくる補正が必要になってくるのではないか。具体的には空床補償であるとか、陰圧室の整備であるとか、動線の確保等々、様々な施設整備、設備整備等も必要になりますし、ソフト面でのてこ入れも必要になるというふうに考えられます。


 また、いろんなところに影響が出るわけでありまして、暮らし、特に生活弱者対策として生活福祉金の貸付事業というのもありますが、これも8億円ほど補正増していかなければならないのではないだろうか。また、経済関係でもこのアメリカをめぐる国際情勢も変転してくるなど、不透明感が今、強まるというふうに思われますが、もう500億[円]融資枠を積み増しをして、2,000億[円]という設定を年度末に向けて組んでおく必要があるのではないか、これに伴う予算増も想定をしなければなりません。例えば、信用補償の補償料関係で2億5,000万[円]のてこ入れをさらにするとか、そういうようなことなど、産業関係もあるところでございます。こういうことなど積上げていきますと、その他の諸事業も含めて60億[円]は超えてくる規模の11月補正予算になるのではないかと考えられます。





3 政府への要請活動 

●知事

 これと平行して、私どもでも年末に向けまして、新年度予算編成を睨んだ政府への要請活動をテンポアップしていく時期になりました。この11月、来週から、そうしたことが相次いで東京[都]等でも行わなければいけません。私自身も日本海沿岸地帯振興連盟という日本海の国土軸、これを目指す道府県の集まりがございます。これに出席をさせていただき、河村[建夫]会長をはじめ、国会議員の議員連盟の皆様と共同して日本海について新しい国土軸を形成していく。これは高速道路あるいは山陰新幹線をはじめとしたそうした交通基盤、さらにはエネルギー政策、メタンハイドレート等もございます。こうしたものを新型コロナのアフターの世界を見越して、私たちは要請をしていかなければならないと思います。


 これはやはり新型コロナを通じまして、東京一極集中というものが健康とか命に関わる問題として捉え始められていて、そうした移住の圧力が今ようやく強まってきている、地方創生も本格段階に入り始めているんではないかと考えられることであります。現実にも7月、8月東京圏では1,500人、500人といったレベルでそれぞれ転出[者]のほうが転入[者]を上回る形になりました。

実はちょうど同じ時期に鳥取県のほうも数十人というレベルではありますが、同じ7月、8月は転入超過になっている時期であります。いまだかつてないことが今この国で起こり始めていて、太平洋ベルトだけでない国家像というものを我々は考えていかなければならないのではないか、そういう意味で私たちの共通課題に基づく主張を展開してまいりたいと思います。知事の中では私がそうした唯一出席をする形になるものでありますので、そうすると日本海全体の期待を担って発言をしていく必要があると考えております。





4 デジタルトランスフォーメーション県庁推進ワーキングチーム、温室効果ガス削減戦略会議 

●知事

 また、行財政改革を進めていく上でデジタルトランスフォーメーション(ICT を活用した変革)について戦略的に進める必要があり、今日[11月4日]そのワーキングを発足をさせることにいたしました。また、明日[11月5日]におきましては、このSDGsということを今、進めているところでございますが、特にこういう地球温暖化対策、そういう温室効果ガスをゼロに向けて取り組んでいく、そういう庁内のプロジェクトを、明日[11月5日]スタートをさせることにいたしたいと思います。こういうことなど様々県としての対応も取ってまいりたいと思います。





5 新型コロナ診療・検査等支援体制など 

●知事

 そういう中で新型コロナ[ウイルス]が1つの今の焦点になっているところでございますけれども、本県11月の1日から新しい体制へと移行することといたしました。現在3日間終わりまして、その間の状況を踏まえて、今後の課題に向けてさらに体制の強化を図っていくこととすることといたします。今のところ254の医療機関が参画をしている状況でございまして、これさらに増やしていくということで関係者と話をさせていただいています。これどのぐらいかといいますと、大体8割、77%の医療機関でありまして、全国的に見て御協力いただいた医療機関は多い状況になりました。


 これも[鳥取県]医師会、またそれぞれの診療所様などの大変大きなバックアップをいただいたことでありまして、感謝を申し上げたいと思います。そのときお互いに話し合ったことを実現していく意味で、やはり幾つか仕掛けが必要だろうと、その1つは今までは大病院、感染症指定病院や協力病院が中心でございました。ただ、これからは、まずはプライマリ・ケア[総合性と受診のしやすさを特徴とするヘルスケアサービス]として診療、診断をしてもらったり、検査をしてもらう、その拠点がこの77%に至りますこういう診療所、たくさんの診療機関になります。まだ始まったばっかりでいろいろ戸惑いもございますし、特に厚労省のほうの体制がまだ十分整備されてないんですね。例えばG-MIS[新型コロナウイルス感染症医療機関等情報支援システム]といわれる陽性者が発生したときに、入力をして報告をするシステムがございますが、これがそうした診療所にIDを振ることが、厚[生]労[働]省の作業追いついていません。


 したがいまして、当面、そうはいっても毎日、陽性患者を把握していかなければいけませんので、そういうものを把握することも必要になります。事程左様な[それくらい]様々な報告等に関する業務がありますし、それぞれの診療所の抱える悩みもあるわけでございます。具体的にこの陽性患者さんどうやってこれから入院処遇していくかっていうことは保健所さんが主体になりますけれども、様々御相談ごとを受け付けるようなコールセンター的な役割を果たすところが必要だろうと、そういう意味で診療所支援センターを県庁の本庁舎の中にあります新型コロナ[ウイルス]対策本部の中に設置をさせていただきまして、今日[11月4日]からその診療所支援センターを動かせていただき、様々な御相談等に応じていこうということであります。


 先ほど申しましたように、陽性者の対応等は、やはりこれは保健所のほうが個別にやることになりますが、このセンターのほうにまずは言っていただいて全然問題ありませんので、そうしたことも対応してまいろうと思いますし、それから様々、例えば慰労金であるとか、また、衛生対策等支援制度がございます。そうしたものをコーディネートして、それぞれの診療所にフィットした形で展開をしていくお手伝いをする。


 また、1日から試行錯誤で今始めていて、どうも厚労省のそのID付与が間に合ってないことなど、混乱があるところでありますが、医療機関のほうでのオンラインの報告、これをサポートしていく。それからオンライン環境がないお医者さん、割とお歳を召したお医者さんがお一人でやっているような診療所等もございます。そうしたところなどでの報告の、陽性者が出ましたよ、それからその翌日ぐらいに、今、集計しようとしていますが、その検査件数がこんな形ですよと。今までPCR検査を全部基本的には県の衛生環境研究所にまとめてやっておりましたが、それぞれの診療所で、簡易検査キットでやっていくようになるのが主流になります。


 そうしたものの状況をやはり集計していかなければなりません。当面G‐MISというそういうシステムがそれぞれの診療所で使えないという全国の状況がございますので、当面はファックス等を活用して集めていくことになろうかと思いますが、こういうのも診療所支援センターのほうでそのお手伝いをしていくということになろうかと思います。


 また、医師会等々一緒につくっております新型コロナウイルス対策医療関係者協議会、これもこうした秋冬の間ですね、並行して動かしながら、医師会のほうでいろんな問題がクローズアップされてきた、そういうものをこれから運用のほうで、じゃあ、こんな手を打とうとか、機動的にやっていかなければなりません。そういうような意味で、継続的に課題を処理していく意味で、この協議会というのも並行して動かしていこうということであります。


 また、11月の1日から国境管理が変わってきました。それによりまして、さらには今後オリンピック、パラリンピックを目指しながら、政府のほうでもこの国境管理を緩めていく方向になるんだろうと思います。私どもとしては、基本的にはまずは国境でしっかりと水際防いでいただくというのが基本であるということを申し上げておりますが、ただ、それでは経済社会回らないということもありますので、結局こうした地方のほうにもやってくる外国人がこれから増えてくると、例えば県内でもベトナム系の研修生とか、そうした者など動きが出始めているところでございます。このベトナム系の研修生に象徴されるように、結構語学の問題があるわけです。今どうやって現場で我々がやっているかといいますと、大きなことが起こりますと緊急体制を組んでまいりましたが、個別の例えば日々の健康観察なんかをしなきゃいけないんですね。


 具体的には何やっているかといいますと、ラインに登録していただいてそこで登録してもらうというやり方が1つあります。ただ、全国を通じてみますと、これの登録しているのは2割強でありまして、2、3割です。大抵の人は外国人、これ[ライン登録を]やらないんですよね。ですから、あんまり実は普及していないという現実があります。依拠に[これまでに基づいて]どうなのかといいますと、保健所が電話をかけまくるという世界になるわけです。毎日電話で連絡をとらなきゃいけないと。そのために語学の問題が生じてくるわけですね。発熱ありますかということをどうやってコミュケーションとるか、現在鳥取県では三者つないでの、そうした通訳システムを委託事業でやっていまして、これを活用しながら連絡をとるということをまずやっています。


 ただ、これまでも緊急に必要になるような大掛かりな場合には、県庁職員の中でその語学ができる人ピックアップしたり、国際交流財団絡みでそうした人材をお願いをして一時的に雇ったりっていうことをしてまいりました。これから秋冬、しかもこうした国境管理が緩んできて、外国人のフォローアップ事業等が数を増してくるかもしれない。政府のほうにはワンストップで政府、国としてやったほうが効率的でないかということは要望しているんですけど、それを待っているばかりでも、らちが明かないということがありますので、このたび、こうした外国人入国者の健康観察だとか、陽性者との通訳支援等、どうやって、やっていくかどうか、これ、総務部の行財政改革局のほうをヘッドクオーター[司令塔]にしまして、国際交流関係とか、保健福祉関係等も入りましてワーキンググループをつくって早急に体制づくりを進めることとさせていただきたいと思います。


 11月から我々もスタートしましたが、これと併せてこうした政府のほうでの国境の管理を変えていくということも複合的に11月1日から始まってきておりますので、こういうことに備えていく必要があるだろうということでございます。先ほど申しましたように、11月補正予算の中でもこういうことで必要になった経費などは積極計上していって、秋、冬の備えを進めてまいりたいと思います。


コロナ診療・検査等支援体制(PDF)


6 日立金属の構造改革の影響 

●知事

 懸念されますのは経済のことであります。日立金属[株式会社]さんが日立のほうから売却をされるという報道が始まって以来、私どもフォローアップを続けているところでありますが、このたび具体的な内容について示され始めたところであります。本県の中にも日立金属さんの直接のものとして100名程度の方、それから日立フェライト[電子株式会社]さんのほうで200名程度の方が働いておられます。私どもとしてもそうした意味で雇用の確保、あるいは拠点性の継続につきまして会社側のほうに働きかけを申し上げていく必要があるかなと思います。





7 全日空等の出向社員の受入れ 

●知事

 ちなみに佐賀県のほうでは大規模な事業所の閉鎖ということが報道されるようになってきておりまして、これも新型コロナが引き金を引いたということもあるのだろうというふうに思います。ただ、他方で若干県内の動向が戻り始めていて、日[本]銀[行]の山陰支店さんも情報修正をしているところでありますが、県内で立地をしている企業さんでも、例えばオムロン[株式会社]さんであるとか、そうした全国につながる会社のほうでも落ち着きを取り戻し始めておられると、決算の数字的にも戻し始めているというような状況も出てきておりますし、例えば土産物の食品産業とか、いろいろと様子も変わり始めているところであります。十分フォローアップをしていかなければいけませんが、こういう経済産業支援のワンストップサービス、既に2万5,000件の御相談を受けるに至っております。今後もそういうフォローアップを強めていく必要があるかなと思います。


 そういう中、一部で報道がされているところでありますけれども、全日本空輸さん[を傘下にもつANAホールディングス]、全日空さんが社員さんを出向させるような形で、一時的に他の事業所のほうに人を振り向けるという構想が示されたところでございます。実は私どもは9月頃から全日空さんと接触をしていたところでございます。具体的には、今、県立のハローワークがございますが、ここでは、今、積極的にこういう関係人口づくりということもございまして副業も含めた就職斡旋支援ということを進めているところであります。この鳥取県の独自の取組、県立ハローワークの独自の取組が全日空側のほうでも十分御認識いただいたことが御縁になりまして、全日空さんとの交渉が始まっていっております。


 現在、複数の事業所さんでこうした全日空の人材について御関心を持っていただき、今月、しかるべきときにそういうマッチングに至れば、それを我々も斡旋の支援をしていこうというようにさせていただいているところでございます。併せまして、私ども県職員、この県庁という職場もあります。例えば観光ですとか、それから交通政策でありますとか、また、交流等々も含めまして全日空さんが抱えている人材というのは私どもの組織の中でも活用させていただけるんではないだろうか、こういう観点でその協議も始めているところであります。


 今、具体的なイメージとしては併任をかけまして、併任の県庁職員として全日空の方に期間を限った派遣をしていただく、そういうやり方で協定を結んで全日空社員の受入れを一部若干名としてはどうだろうかという提案を先方のほうにはさせていただいているところでございます。実は、本県では[株式会社]山陰合同銀行さんとか、ダイキン工業[株式会社]さんとこうした併任、そして協定を結ぶ形での職員への受入れということをこれまでもやってきております。そうした実績もございますので、こうしたことも視野に入るだろうか、先方と、今、話をしております。


 どうもやはり個別の社員さんの実状なども踏まえてミクロのマッチングをしていくということがなければなりませんので、実現するかどうかということはありますけれども、私どもとしてはやはり新型コロナ[ウイルス]で非常に厳しい我が国の産業界、特にこうした交通関係等の状況がある中、私どもの観光産業やあるいはビジネスの回復のためにも全日空の路線というのはなくてはならないソフトインフラだと思っております。そういう意味で私どもも貢献できるのであれば貢献をしていくべきではないだろうか。


 また、地元の産業界、それから県庁の行政サービスのレベルアップという観点でも常に訓練をされてしかも様々な経験を積んだそうした全日空の社員というのは私どもとしてもメリットがあるんではないだろうか、言わばwin-winの形でこの難局を乗り切り、共に同じ船に乗ってこぎ出していくという値打ちがあるのではないだろうか、こんなように考えているところでございます。





8 被災者住宅再建支援制度の見直し 

●知事

 それから話はちょっと変わりますけれども、国のほうでこのたび閣議決定がなされまして法律改正案が提示をされました。かねて鳥取県も要望し、全国知事会でも共同要望をさせていただいていた地震や台風等の被災者支援、住宅再建支援でございます。これにつきましては国のほうが改正案を閣議決定したわけでありますが、従来の半壊というのは支援金はなかった国の制度でありました。これにつきましては、中規模半壊30%以上の損害率のところについては、建設するという場合は100万円、補修の場合は50万円を限度として国制度を適用しましょうという、大ざっぱに言いますと、そういう改正案が、今、閣議決定されたところであります。これが今期の国会の中で審議をされる運びとなってまいりました。実は、これは以前からも検討されていた案でございまして、私どもも市町村と協議を今日まで重ねてきているところであります。


 幾つかの選択肢があったんですが、その選択肢が、今、一定の方向に絞られてきました。考え方としては、現状、鳥取県は国を上回る支援制度を持っています。現状のこの国の上回る支援制度はそのまま維持をしていく。その中で国の今回の制度改正分を適用したものを活用させていただいて、住宅支援の末端ベース、被災者ベースでは同じアウトプットになるようにしてはどうだろうか、こういう基本コンセプトでいこうということであります。


 この際、幾つか、例えば申請手続の問題だとか、対象の細かい範囲とかその辺は若干の見直しをすることといたしたいと思いますが、これによりまして、中規模半壊、国は新しい制度で[新しく]建設[すると]100万円ですが、補修は50万円となっているところを、私どもは100万円まで対象とすることにさせていただきたいと思います。国のほうの適用分というものはお金に色はついていませんので、その分は除いたような形で支援させていただいてはどうだろうか。


 また、その余のとこでありますが、半壊については100万円、[住宅の損壊割合が]20%以上のところですね、これは堅持させていただき、一部損壊、これが本県の最大の特徴でありますけども、全て対象に値すると。10%以上は30万円まで、5%以上は5万円、5%未満は2万円の定額、こういうような助成体系をやろうと。若干ちょっと従来と細かい違いがあるところもありますけども、こういうような形でこの際、整理をしてみてはどうだろうかというふうに考えております。


 具体的には、この住宅再建支援制度については、県と市町村の[鳥取県被災者住宅再建等支援制度運営]協議会がございまして、これを11月議会の前に開催をする。それまでに最終的な細かい調整をして、適用してはどうだろうかと、こういうように考えているところでございます。


鳥取県被災者住宅再建支援制度の見直し案(PDF)


9 豚熱、鳥インフルエンザの感染状況と鳥取県の対応 

●知事

 それから、このたび、動物のほうでも病気の広がりが見えてきたところであります。具体的には、豚熱がこのたび和歌山県、それから大阪で見つかった猪の陽性ということが出てきました。実は、豚熱については今ワクチンを打つというように変わっているんですね。そのルールとしては隣接の県でそうした野生の種も含めまして陽性が見つかるということになりましたら、28日以内にワクチン接種を開始をすると、48日以内に完了すると、こういう制度に変わりました。今、私どもとしてもこのように迫ってきて動いてきております。


 これから寒くなってきますと、これもまた拡がる可能性がございますので、特に今、大阪のほうで見つかったところからは六甲山塊につながっている山なもんですから、そうしたところを気にしなきゃいけないだろうと。ですから、いつ兵庫県の中に実際の陽性が入ってくるか分らんということだと思います。また、鳥インフルエンザのほうも、今、渡り鳥の季節になってきました。本県内では幸い、これ、モニターしているんですけども、まだ見つかっていませんが、北海道でこのたび、高病原性のものが見つかりました。実は韓国でも見つかっています。本県は朝鮮半島ルートとシベリアからのルートと2通りございます。どちらでもこうした鳥インフルエンザの伝播があるかもしれないということであります。したがいまして、人間のほうの新型コロナもございますけれども、こちらについても体制をこの際、立ち上げておく必要があるだろうと、出てきたと思われます。具体的には豚熱は、いずれはワクチンを接種しなければならない。ですから、家畜保健所のほうで3か所ございますが、そこでチームを組んで、ワクチン接種をできるような体制を整えておくことといたしたいと思います。





10 全日本ろうあ連盟創立70周年記念映画「咲む」の鳥取県での上映 

●知事

 また、この鳥インフルエンザも含めまして、20余りの養豚場、それから養鶏場80余りございますが、それらのウイルス侵入防止に向けて予備費も活用した消石灰の配布に踏み切っていく必要があるのではないか、このように考えています。最終的には農場を守ることが最終防衛線でありますので、そこをきっちりとまずは固めるところから入っていくのかなと思います。今週末にこうした対策本部を、専門家を交えて開催をさせていただきたいと思います。


 厄介なのはいよいよ豚熱が迫ってきたわけでありますが、この鳥インフルと豚熱が同時発生しますと、これ、ちょっと今の家畜衛生の体制ではもたないということになります。もちろん自衛隊の応援とか、他県の応援とかを仰ぐことをやっていくことにならざるを得ないというふうに思いますけれども、県庁の中でもどういうふうに体制が組めるのか、この辺も今後の話合いの焦点になろうかと思っております。


 いよいよ鳥取県も賑やかなシーズンを迎えることになります。まず、全日本ろうあ連盟の「咲む(えむ)」という映画、これは、実は鳥取[県]を舞台にした映画でございます。江府町の役場であるとか、それから智頭[町]の板井原であるとか、また、若桜[町]も含めまして、そうしたそれぞれのロケ地がございまして、手話の聖地として鳥取県を対象地に選んでいただきました。実はこの早瀨[憲太郎]監督が手話パフォーマンス甲子園にも来られるわけでありまして、監督が県内を[手話]パフォーマンス甲子園でお見えになったときに、見て歩かれたことなどからイメージを膨らませまして、鳥取県をロケ地の1つに選んでいただいたということであります。


 いよいよ県内公演が鳥取聴覚者障がい者協会の主催等によりまして始まるわけでありますが、今週末に米子[市文化ホール]でその皮切りのイベントということになります。県内を巡ってまいりますので、ぜひお近くに来た際に、また多くの方々に御覧をいただければと思います。なお、会場の外のほうに本県の手話に関する取組など、そうした展示コーナーも設けまして、多くの方々にこういう障がい者との共生社会、それをつくっていくことの意義について御理解をいただくようにいたしたいと考えております。


全日本ろうあ連盟創立70周年記念映画「咲む(えむ)」鳥取初上映(PDF)


11 松葉がに漁の解禁、蟹取県ウェルカニキャンペーン 

● 知事


 また、11月の6日にはいよいよ松葉ガニ[漁]が解禁になります。6日、7日と初競りが行われるわけでありまして、私も7日の賀露[鳥取県漁業協同組合賀露支所]の初競りに立ち合わせていただくことにいたしているところであります。昨年は500万[円]という世界一のカニが誕生して日本中がびっくりしたわけでありますが、今年はちょっとコロナでなかなか相場がどこまで上がるかというと、いろんな課題があるかもしれませんが、ただ、大切なのは、今、やはりこうした高額にわたるような農林水産品がやはり価格においてちょっと弱含みであるということですね。ですから、しっかりと今シーズンは応援をしていかなきゃいけないんじゃないだろうか。そういうキャンペーンもやっていく。そこに新型コロナで飲食店などがくたびれを出されていますので、それの応援なども趣旨を絡めていってはどうだろうかという作戦であります。


 GoToEatキャンペーンも実行委員会のほうの差配によりまして、順調に今、スタートをされているところでございますが、これと連動させまして、[11月]6日の日、[松葉がに漁]解禁日から2月末まで食のみやこキャンペーン、SNSとか、あるいはレシートを集めるとか、そういうキャンペーンを行わせていただき、応援をすることにいたしていますが、それと観光も含まれるウェルカニキャンペーンを連動させていこうということであります。[お笑いコンビ]ガンバレルーヤの方、まひるさんは大山出身でありますので、応援をしていただくことになりました。今月こうした方々と一緒にプロモーションの機会を、今、設けようとしているところであります。また、カニが解禁になってから、例えば首都圏の百貨店のほうで鳥取県のカニのフェアをやる。それからJR名古屋高島屋でもそうしたフェアをやる。また、(スーパーマーケット)KOHYOをはじめとして、大阪圏、京阪神でもそうしたフェアを展開していこうと。


 また、鳥取のアンテナショップのほうでも、このカニをモチーフにした、牛肉も使いますが、そうした期間限定メニューの提供などのキャンペーンをやっていこうと。こういうことで、GoToEatを県外の皆様にも買っていただいて食べに来ていただくということも展開していければということであります。また、賀露でイベントを、今、計画をしたりしておりますが、県内でも美味しい 楽しい 行ってみ隊であるとか、また、様々な媒体を使いまして、県内の皆様にもこのカニをみんなでおいしく食べましょうというようなキャンペーンを、GoToEatあるいはGoToトラベルなども絡めて展開をして、このウェルカニキャンペーンをつくり上げてまいりたいと思います。私のほうからは以上です。


11月6日松葉がに漁解禁!蟹取県へウェルカニ♪(PDF)


12 全日空等の出向社員の鳥取県職員としての受入れ 

○朝日新聞 矢田文 記者


 では、各社さん質問がありましたらお願いします。


○日本海新聞 岡宏由紀 記者


 どうもすいません。日本海新聞の岡ですけど、全日空の社員の方の県職員への受入れっていうことを、さっきおっしゃられたんですけど、例えば観光とか交通政策の関係の部署の仕事に従事してもらうっていう話だったと思うんですけど、ちょっとこれを具体的にどういうような業務内容かっていうのを教えていただきたいのと、あと、人数なんですけど、大体何人ぐらいっていうことがあれば教えていただけたらと思います。


●知事


 先ほど申しましたように、ちょっと一部で報道がなされたものでありますから、この機会に御説明をしておく必要があるかなということで、今日[11月4日]お話を申し上げたところでありまして、現在、全てが交渉中とまずお考えをいただきたいと思います。私どもとしては、そうした有為な人材であるということもありますので、[鳥取]県庁でそのノウハウ経験を生かしていただく、そうした舞台はいろいろとあると思います。先ほど観光とか交通ということを例示させていただきましたが、恐らく若干名ぐらいしか話がまとまってもならないのかなと思います。実は[社員]全員を出向させるという話ではございませんで、限られた人数を全日空さん[等]が出向させるということでございまして、その中に私どもの鳥取県も選択肢としてありますよという交渉を、今しているというふうに御理解をいただきたいと思います。


 ですから実現しても数名程度ということかと思いますが、これは働いておられる御本人の問題等もいろいろと絡みますので、今日[11月4日]の段階では決まった枠の状況にはなっていないということであります。ただ、今月[11月]の上旬には一定の節目を考えておられるようでございますので、[11月]中旬以降、具体的な動きにつながればと思いますので、今そういう最終段階での調整を試みているところでございます。


○日本海新聞 岡宏由紀 記者


 すいません。協定を締結されるっていうのは具体的にいつ頃っていうめどはついておられるんでしょうか。


●知事


 この[相互の派遣]協定の締結は職員派遣が決まった、社員の出向が決まった段階で行いたいと思います。個別の職員の派遣に伴って、こういう協定で例えば処遇のことであるとか、もちろんお金の問題もありますので、そうしたことを決めていかなければならないということになります。そうしたことは実務上これまでも、[鳥取]県としても受入れてきた例もありますので、可能であろうと考えております。





13 全日空等の出向社員の鳥取県職員としての受入れ、他企業からの出向社員の受入れ 

○時事通信 今泉悠 記者


 すいません。時事通信の今泉です。関連してなんですけれども、その有為な人材であるっていうことなんですが、具体的に、今どういうところに期待されるのかっていうことと、あと、全日空に限らずほかの企業から同じような申出というか出向の受入れの話があった場合はどういう対応されるか教えていただければと思います。


●知事


 私どもの県立ハローワークも別に全日空に限らずそういう社員の斡旋、こういうことは進めているところであります。県庁としても、そういう私どもとしてもウィンウィンになり得る関係が見つかりそうであれば、今後も具体的に検討してまいりたいというふうに思います。今日(11月4日)段階では、実は全日空さん以外には、そうしたお話合いをさせていただいているところはないという実情でございます。全日空さんのほうが鳥取県に興味を持たれたというのも追い風になっているというふうに考えております。


○時事通信 今泉悠 記者


 すいません。どういったところに人材として期待されるか、例えば県庁職員だとここまでしかノウハウがないところに対して、例えば全日空の方だとここぐらいまで能力があるんじゃないかっていうそういうイメージっていうのはあるんでしょうか。


●知事


 例えば交通政策なんかを考えるとき、そういう具体的なノウハウはやはり[鳥取]県庁で育った職員だけでは把握し切れてないという実情があります。また、観光関係ではやはりおもてなしで満足度を高めるということが必要でありますが、この辺はシステマチックな研修を経て、全日空の方々は社員として活躍をされておられます。その辺は我々としても得がたいチャンスになり得るんではないかなというふうに考えております。





14 鳥取県内の全日空羽田便の便数回復に向けた働きかけ 

○NHK 本田美奈 記者


 NHKの本田です。ANAは収支改善のために国内線は、地方間の路線は一時的な欠航ではなくて、便数自体の削減もあり得るという認識を示していますが、ごめんなさい。鳥取県では羽田便について今後どのように働きかける御予定かどうか伺いたいです。減便から現状の5往復、あるいは6往復への回復する見通しっていうのは立っているのでしょうか教えてください。


●知事


 現状、[全日空の羽田-]米子便が4便化されました。また、期間限定ではありますが[全日空の羽田-]鳥取便も3便の日が今月[11月]は生まれることになりました。全日空側ともお話をさせていただいていますが、やはり乗客の動向、これが正直申し上げて全てというのが残念ながら今の航空業界の体力からしましてそれが限度だろうと思います。ですから、やはりそうした意味でのビジネス需要や観光需要というものを一定程度確保していくというのが1つ戦略になろうかと思いますし、鳥取県としてはその辺を対策を取りながら、全日空さんとの信頼関係を形成していく上でもこうした一時的な先方の体力温存の一助になればというふうに考えているところもございまして、我々としての誠意もこうした県立ハローワークやあるいは県庁のアイデア、県庁職員としての採用のアイデアなども含めて、先方と交渉しております。


 まだ正直6便化、それから5便化につきましては[羽田発着枠政策]コンテスト通りましたんで5便の資格はあるんですけども、実際にそれが運航されるかどうかについては今日(11月4日)段階では正直まだ見通しはつき得ないし、また、全日空さんも会社側としても全国を見渡しても同様の状況が続いていると思われます。何とかこの新型コロナ危機を乗り越えていくことが、今、重要でありまして、そういう意味で働きかけをする一方で信頼関係を保ちながら全日空の体力回復に貢献していくというのも重要なことだと考えております。





15 山陰新幹線の整備に向けた動き 

○産経新聞 松田則章 記者


 産経新聞の松田です。新国土軸に絡んで山陰新幹線のことに言及されたと思うんですけれども、現段階ってどのくらいまでいっているんですか。


●知事


 正直申し上げて、今はまだ俎上に上げられる段階では国[土]交[通]省のほうも考えてないと思います。ただ、現実はちょっとその整備状況の遅れが、例えば[九州新幹線]長崎ルートなどで始まっているかと思うんですけども、基本的にはいわゆる整備新幹線と言われました北海道であるとか、北陸であるだとか、それから九州[新幹線]長崎ルートなどがめどがつき始めていると。その後にどういうふうに新幹線網を考えていくのか、これが遠からぬ日本のテーマになると思います。


 そういう意味で、今、大切なのは山陰というところの新幹線のニーズ、それから事業効果について多くの方々に御認識をいただく、なかんずく、国交省やJR、それを動かしていくような国会議員、こうしたところでの働きかけが重要であろうかと思います。日本海国土軸の話でいいますと、我々の山陰新幹線に限らず、例えば北陸新幹線の敦賀以南のルート、こうしたことやあるいは現在工事中である金沢敦賀間というところ、この辺も当然ながら働きかけの対象と日本海沿岸地帯振興連盟では考えております。





16 新型コロナウイルス感染症にかかる入国制限措置緩和への対応 

○時事通信 今泉悠 記者


 すません。時事通信今泉です。コロナの外国人入国者に関してなんですけれども、これは外国からの方がこれから増えてくるということを想定してということだと思うんですが、そもそも初めからやっておいてもいいことなのかなとも思うんですけれども、今までこれに、ここに行き着かなかったというのはどういう理由があるのかということと、あと、国際交流財団のほうでは現時点で倉吉の保健所と米子の保健所のほうで同時通訳っていうんですかね、電話の三者で18か国対応しているというふうに書いてあるんですけれども、それでは足りないということなんでしょうか、お願いいたします。


●知事


 これにつきましては先ほど申しましたように、今、18か国使えるという三者通訳のシステムを使いましてこれで対応しております。ただ、それはそのとき立ち上げて話をするわけでありますが、微妙なところまでなかなか突っ込めないという限界はあると思うんですね。やはり具体の患者さん、陽性者の方に即してやっぱり言わば地域としてフォローアップをしてお世話をしていくと、そういうためにはもっと濃密なサービスが必要だろうと。単にそのとき、言わばインターネット回線を通じて、通訳さえできればいいということでは陽性者のケアは十分にできるかというと必ずしもそうでないと。


 実は、これは我々経験しております。全体像なかなかちょっと言いにくいところもあるんですが、これまでも鳥取県でもこういう外国人の方で非常に切迫した状況も生まれたときもございます。ごく日常的な、例えばPCR検査を受けさせてください。じゃあ、ここで行ってください。陰性でした。このくらいであれば三者通訳でそう問題はない。ですから、多くはそれで対応できているということだと思います。ただ、最近、先般[政府の新型コロナウイルス感染症対策]分科会でも尾身[茂]先生がおっしゃっておられましたけども、全国を見渡して見て、最近なるべく早くクラスターを閉じなければいけないが、閉じにくいクラスターに外国人が絡む、そういうクラスターがあると、1つのカテゴリーを上げておられました。私どももそんなに多くの経験をしている県ではありませんけども、今までの外国人対応で大変に切迫したこともございました。


 そのときは何をやったかといいますと、[公益財団法人鳥取県]国際交流財団のほうで日頃からお付き合いをさせていただいている語学のできる方、こうした方を一時的にそうした[新型]コロナ[ウイルス感染症]対策の要員としてお願いをさせていただきまして、要は謝金を払いながら対応していただくと。こういう方が濃密にそういうところに関わっていただいたり、それから疫学調査という非常にこれも複雑な調査でありますが、そうしたものを関係者の間とやることにつきましても、そうした言わば知識や経験を得てさせていただきました。


 また、どうしても人数が足りないというような事態になるという場合には、[鳥取]県の職員に、3,000人くらい県職員いますのでその中にはいろんな語学能力を持った人間もいます。それを一時的に本来の所属から外しまして、そうした保健対応のほうに回ってもらうと。これである程度の要員確保を図っていくと、こういうようなことをやってきたんですね。ですから、今まで何もやってなかったということでは全然なくて、むしろそこで我々は一種の成功体験を積んでいます。その成功体験の末に、これから秋・冬、さらには今後さらに[東京]オリンピックを目指してだんだんと増えていくというような場合に、恒常的にやはり即応性のある対応というのをやはり考えておく必要があるんじゃないだろうか。そういうものをあらかじめ私どもとしても体制づくりをして、この秋・冬のシーズンさらに体制の強化を図っていこうと、こういうアイデアでございます。


 ですから、現状でもこれまでやってきたカズイスティックな若干そのときそのときに応じた即応的なやり方で対処していくことは一定程度可能だと思います。ただ、同時多発的にいろんなことが起こるようになった場合、やはりそれを乗り越えていける能力があるかというと、火事場の馬鹿力的にこれまでやってきましたが、そうではない備えておく体制づくりこれもやはりやっておきたいと、こういう考え方であります。


○朝日新聞 矢田文 記者


 各社さん、質問よろしいでしょか。なければ終わります。知事ありがとうございました。


●知事


 ありがとうございました。




  

 ※広報課編集
  [ ]については、広報課で補足説明しています。


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