防災・危機管理情報


知事定例記者会見(2020年11月11日)

令和2年11月11日(水)午前10時~
 災害対策本部室(第2庁舎3階)

(報告事項)


(質疑事項)

  

録画配信 知事記者会見動画(約75分) ※MPEG4形式

  

1 米国大統領選挙、グリーン社会への転換など 

●知事

 皆様、おはようございます。世界は、今、注目しておりますのは、アメリカ[合衆国]の[2020年アメリカ合衆国]大統領選挙の行方でございます。今、[ジョセフ・ロビンソン]バイデン[ジュニア]候補が当選確実というふうにメディアが報じているところでありますが、トランプ大統領はこれに反発をしているという構図の中、株[価]のほうは今、上がってきているというようなことになってきております。いずれにいたしましても、世界はその後を見つめているのだろうというふうに思います。


 基本的には混乱なくトランジション、政権移行が行われるように願いたいと思いますし、私自身もアメリカで民主主義を、調査をしてきたこともある関係から申し上げれば、非常に現状は残念な状況でありまして、選挙だとか民主主義の正当性にいたずらに疑念を差し挟むことは民主主義の母国としてアメリカの在り方、世界に対してはあまりいい状況ではないのではないかなというふうに思います。


 やはり、選挙の勝者、敗者というふうに2つに区分して見る見方というのを持っておられる関係者がおられるのだろうというふうには思いますが、選挙はどちらが勝っても本当の勝者は住民、国民、有権者でありまして、それが民主主義であります。そういう意味で、そうした基本をはずさずに円滑なトランジションが行われることを願いたいというふうに思います。


 ただ、これでまず1つは世界の経済の動向を見ていかなければなりません。併せて、政策変更についても敏感でなければならないと思います。恐らくパリ協定、これ、11月4日にアメリカは離脱をしたわけでありますが、この間、バイデン候補はパリ協定の復帰を公約として掲げておられました。恐らく大きな政策転換が今後行われるだろうということになろうかと思います。地球全体で進む温暖化などの状況を考えれば、これは是認できることだと思いますし、我が国も菅[義偉内閣]総理[大臣]自らグリーン社会への転換というのを[令和2年度]第3次補正予算の1つの柱として、昨日[11月10日]、お話をされたところであります。


 こういう意味で、本県でもSDGs[持続可能な開発目標]等々、今、行っていることを加速をしていく必要があると思いますが、来週、SDGsのネットワーク会議、これは若い方々や企業なども入ってみんなでこういうSDGs、これを進めていこうという、そういう初めてのネットワーク会議になりますが、これをぜひ皮切りとして、県を挙げた取組にしていき、世界の流れを受けてやってまいりたいと思います。


 また、経済動向も気になるところでございます。県内の企業など、我々のほうでも調査をしておりますが、非常に関心を持っておられるというのが事実であります。特に米中関係がどうなるかについての注目が高かったり、産業構造がどういうふうに変わっていくのだろうか、こうしたことへの関心も高く、流れによっては本県産業にもプラスの影響もあり得るでしょうし、為替[相場]なども注意して見ていかなければならないわけでありまして、マイナスの影響もないわけではないと。為替のほうは一旦[1ドル]103円とか円高に転じたものが、今、また円安のほうに振れたりして市場は日々動いておりますけども、よくよく注視をしながら、これから年明けに向けてフォローアップをしていかなければならないだろうと思います。県としても、そうした産業政策のほうも機敏に情勢変革に対応できるようにアンテナを張り、また、商工団体、農業団体等々の意見を十分に聞きながら舵取りをしていく必要があると考えております。





2 政府の2020年度第3次補正予算、政府への要請活動、全国知事会議など 

●知事

 そういう意味で、第3次補正予算が編成をされる重要な今、タイミングになってまいりました。菅[義偉内閣]総理[大臣]が昨日[11月11日]、閣議でそうした指示を出されたわけであり、今、その規模感も含めて様々な議論が戦わされるようになってまいりました。私も昨日(11月11日)は、日本海沿岸地帯振興連盟の世話人として、急きょ富山県知事の代理を務めさせていただくような形になりましたが、日本海側の思いを関係先にぶつけてきたところでございますが、今週から来週にかけまして、こうした様々な動きが鳥取県としても参画して出て行くことになります。


 国への要望活動ももちろんございますし、中国地方知事会、関西広域連合、さらには官邸におきます全国知事会議など、重要なシーズンをこれから1週間、約1週間かけて迎えることになります。鳥取県、私自身もコロナ対策などで、要の役割も果たさせていただいておりまして、全国知事会議では[菅]総理のほうに、ぜひコロナ問題の解決、それと併せまして、国・地方協議の場に分科会のような、そういう濃密な協議ができる地方の参画の機会というものを、ぜひ検討していただきたいと、こういうことも申し上げる必要があると思っています。


 中国地方知事会も開催をされますが、今のこの第3波の状況をにらんで、コロナについて共同行動していくということを申し合わせる必要もあるのではないかと思っております。今そうしたことなど、関係の都道府県といろいろと協議をしながら、方向性の取りまとめをしているというのが現状でございます。また、[全国]自治体病院[開設者]協議会も東京[都]のほうで開催をされることになり、関係の国会議員、あるいは省庁のほうに要請活動もさせていただきますが、今の新型コロナの大変な状況の中で、安易に地域医療構想の見直しの期限を切って、自治体病院の再編を急ぐというのはナンセンスであると。タイミングがおかしいというようなことは申し上げていくことになろうかと思います。





3 鳥取県令和2年11月補正予算 

●知事

 このようなことがこれからこの12月に向けまして、私どもとしても重点的に取り組んでいかなければいけない行動になってこようかと思います。そういう中、[鳥取県令和2年]11月補正予算の編成作業いよいよ大詰めになってまいりました。現状の編成状況の経過を申し上げれば、総額ベースでは60億円台の半ばぐらいまで積み上がってきそうであります。64億円は超えてくるのではないかと思われます。こういう60億円台半ば、64億円を超えるような水準になろうかと思いますが、やはり大きいのは新型コロナの対策であります。例えば病院ですね、鳥取県は積極的に病床を確保して新型コロナを迎え打つ体制を整えているわけでありますが、大都市と違いまして感染を抑え込んでいるほうの県でございます。


 そういう意味から空床部分のベットの補償をして病院経営に影響与えないように、協力した病院の確保を図る必要がある。こういうような関係だけでも35億円ぐらいお金を用意しなければいけないと見込まれています。そのほかにも主幹の病院について、医療体制を整備するための機器整備などのお金等々もございまして、こういうようなことなどと加えて、例えば衛生関係に企業が整えていく、お店等が整えていく。こういうような補助制度を鳥取県独自につくっていますが、これを1億円積み増していく必要があるとか、融資制度の拡充であるとか、様々な経費がかかろうかと思います。


 また、これ以外では鳥取港で西浜航路と言われますが、千代川からではない、入ってくる航路の活用をやはりやらざるを得ない、今、台風などがやってきますと、毎年のように航路の閉塞ということが起こっております。ですから、これを浚渫するなどの対策を取る。1億円ぐらい経費も、今、緊急に必要ではないだろうか。こんなようなことなど様々な経費を、今、精査をしている段階であります。例えば貸切バスにつきましても、これを私どものほうで応援をすると。やはり今バス事業者、非常に厳しい状況もあります。そういうことなどをいろいろと、今、精査をしているというような段階であります。





4 新型コロナウイルス感染第3波に向けた対策強化 

●知事

 こういう中、やはり私たち今向き合わなければならないのは新型コロナの対策でありますが、昨日[11月10日]の感染状況を見ますと、隣の兵庫県が60人という新規の陽性者であります。これは8月から数えて約3か月ぶりのことなんです。御注目いただきたいのは、大阪[府]も200[人]を超える水準になりましたけど、その数字はやはり3か月ぶりの高い水準になっています。東京のほうもやはり3か月ぶりの高い水準ということでありますし、愛知[県]もそうですね、129[人]かなんかもこれも3か月ぶり。こういうふうに実は3か月ぶりにまた増えてきているところが大都市部を中心に増えているように見えますが、これと同じような形で、鳥取県も今7、8月の辺りの第2波をくらったときから3か月ぶりの高みに、今きているというところであります。


 これ決して偶然ではないと思うんですね。なかなか科学的にこれを立証しようと思うと大変なこともあるんでしょう。ですから、学者さんの世界で第3波と考えて今、立ち上がらなければならない、体制を強化しなければならないのだと思います。そういう意味で、私も所属する[新型コロナウイルス感染症対策]分科会でも緊急提言を出させていただきましたが、これからを見据えた感染対策の強化を図る必要があるのではないかと思います。新型コロナ第3波対策強化プランというものをこのたび、今日[11月11日]の対策本部にもかけさせていただいて、これを推進していくことをこの秋冬対策としてやっていきたいというふうに思います。


 まず、感染者の多い世代、例えば大学生とかそうした若い世代にも響くような、やはりこうした感染対策のPRということをやらなければいけないのではないかということであります。そういう意味で県内の鳥取大学とか、[鳥取]環境大学だとか、鳥[取]短[期大学]とかありますが、そうした大学などとも連携をして、それぞれの大学で実は学生の予防のための生活指導などをやっておられますし、保健センターみたいな取組もあるわけですね。こうしたところと連携をしながら、あるいはSNSなど県としても発信できるツールを使って第3波が来ていますよ、今、注意しなきゃいけませんよということを分かりやすく、この若い方々にも知っていただく、そういう啓発を強化する必要があるのではないかと思います。


 また、一種の危機管理でありますが、このたびも龍谷大学で大学内のクラスター発生が報道されています。こういうように大学で感染者が発生した場合になかなか自分たちでツールがあるとは限りません。鳥取大学さんなんか自分のところでPCR検査もできる能力がございますが、そういう大学ばかりでもないわけであります。ですから、保健所と提携をさせていただいてPCR検査などを集中実施をしたりするような、そういう危機管理対策、こういうことも整えていく、また話し合って連携を強めていく必要があるだろうということであります。


 また、クラスターをはじめとして、店舗などにおける安全対策、衛生対策というものを徹底していく必要があるのではないだろうか。一定のエリアで例えばクラスターが発生をするというようなことがあったとします。そういうことが例えば山口県とかいろんなところで最近も報告をされているわけでありますが、そういうエリアでクラスターが発生したような場合、個々の店舗でいきますとクラスター構成しないかもしれませんけれども、やはりそういうところの地域ができたような場合、臨時のPCRセンターを設置をするということをこれからはやっていきたいと思います。これも今、各保健所と話を始めたところであります。


 それから安心・観光・飲食エリア、これ協定を結んで始めておりまして、そうした相互監視や、あるいは定期的な行政サイドによる見回り等も重要だと思うんですね。また、協賛企業と連携をしながら、さらには認証企業や店舗になっていただく、そういうクラスター予防対策を、強化をしていく必要があると思います。これから年末に向けまして店舗もいろいろとお客様も増える時期だと思いますが、そうしたところの点検なども、そうした店舗やまちと協力をしながら、その年末のピークシーズンに向けてやっていく必要があるのではないかということであります。これも2番目の柱として対策強化を図っていきたいと思います。


 それから3番目[感染拡大防止に向けた科学的アプローチの強化]としまして科学的アプローチをもっと強めてもいいのではないだろうか、例えば昨日[11月10日]ですか、専門家の[鳥取大学医学部]景山[誠二]先生のほうから対策本部の席上でPCR検査のデータというのも活用できないかというお話がありました。私どもも例えば特異的に非常にPCRの強めに出る人もいるんですね。その後、やはり最近の例でも次に感染を広げておられるということがあります。これはその人が悪いということではありません。恐らくウイルス量が高まるわけでありまして、ウイルスの状況というのが実はいろんなウイルスが入ってくる、いろんな経路で入ってくる可能性がありますけども、やはり注意すべき状況というのもそこからあぶり出せるのではないか。逆にいえば、そのウイルス量が低いと思われることもPCR検査では実は分かるわけですね。


 そういう場合にはそういう感染の連鎖というのが比較的広がりにくいわけであります。そういうのは経験的に我々も分かっていまして、こういうふうなデータも活用できないかというのが例えばあるわけですね。それ以外にも専門家の皆さんと一緒になりまして様々なデータを活用して感染状況というものの傾向を分析することをふだんからもできないだろうか、モニタリングをやっていくということを考えられないだろうか、また、我々も50例を超えたところでまだまだ全国的には低い水準ですけども、遺伝子解析、これ今、感染研のほうに持っていって、調べていただいております。ただ自前でも早めにこういうことはできるところもありますので、鳥取大学さんなどと協力をしながら、そういう遺伝子解析を独自にさらにやってみる、そういうこともこれから第3波対策として強化できないだろうか。こういうように科学的アプローチというものも新たな視点として強化できないだろうかということであります。


 それから4点目[医療・検査体制の充実・強化]として、医療検査体制を、充実をしてくと。今こういう診察検査医療機関というものを、御協力をいただきながら増やしているところでありますし、それからこうした診療所さんたちが非常に不安に思っていること、これに対応した私どもでの予算措置なども考える必要があるだろうというふうに思います。例えば診査機器の充実であるとか、患者さんの移送体制とかそうしたものなど予算措置を考える。それから検査能力、これも従来2,800検体を目指すというふうに申し上げていましたが、現状、本県今4,500検体まで来ております。これをさらに5,000検体を目指すところまで持っていきたい、この辺も第3波対策として、一層の充実を図る必要があるのではないかというところであります。


 また、ECMO[体外式模型人口肺]でありますけども、これも今、増やしてきているところでありまして、かつては、第1波の頃は2台しか稼働できていませんでした。それが今、3病院5台まで増やしてきておりまして、その使えるスタッフも研修をしてつくり上げてきている状況であります。これをさらに4病院11台に今年度中に持っていこうと。これも予算措置をした上でECMOの状況も増やして備えていこうということでございます。


 それから外国人が入ってくることがこれからだんだん増えてくるだろうと。やはりオリパラ[東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック協議大会]ということが目の前に今迫りつつあります。もう9か月もすればございますけれども、その前からキャンプを張るというようなこともあり得るわけでありまして、いろいろなことで外国人の行き来が始まるだろうと。入国制限措置を政府は、今、順次緩和をしてきているわけでありまして、それ自体経済社会活動との両立を図ろうという国全体の流れとして否定するものでは決してございません。むしろ、それをできるだけの能力をやはり国全体もそうですし、地域としても高めていく必要があるだろうと。我々は検査体制の充実等を求めているところでございますが、この外国人につきまして入国した際の支援体制、それから相談窓口等々を考えていく必要があるのではないかということであります。


 若干話を少し深めさせていただければ、先ほどの4番目の医療検査体制でありますが、この11月でかかりつけ医などの身近な医療機関のほうに受診相談センター、看護協会さんも紹介していただいたり、これ以外にもちろん従来の保健所の接触者等の相談センターが生きていますけども、これも機関を今、順次増やしてきています。今272[医療機関]まできました。80%を超えて81%まできています。これまたさらに増やしていこうと。


 ただ、こうしたお医者さんとお話をしますと、やはり感染リスクに対する非常にセンシティブ[敏感]なお気持ちが強いわけであります。出てくる御要望を考えますと、休業せざるを得ないような状況に医療従事者の感染で追い込まれてしまうようなこともあるんじゃないだろうか、その場合には休業日数に応じて支援金をお出ししてはどうだろうか。これは[鳥取県令和2年]11月補正で組み込ませていただきたいと思います。また、労災給付があるわけですが、これに上乗せの補償保険料を払っているんですね。お医者さんとか看護師さんは国がそれを助成する制度があるんだそうです。


 しかし、皆さんクリニックに行かれますと、入口で会計をしてくれる方が窓口にいらっしゃいます。ああいう方々も患者さんに接するわけですよね。ここは対象になっていないということで、医師会などからも御意見をいただきました。そこでその部分は県が独自に支援をしようというふうに考えます。それから国の配布の対象外になっている防護具があるんですね。例えば意外ですけどN95のマスク[アメリカ合衆国労働安全衛生研究所(NIOSH)の規格をクリアし、認可された微粒子用マスク]、ちょうどこのオウムの形みたいなあれですね、それとかキャップとかこういうものは国が支給しないということになっていまして、県のほうでこれも診療所さんなどに支給できるよう、これは整えていきましょうと。


 こういうところを手厚くすることでこのやっていただける医療機関の皆さんにより安全な環境を確保をして、そして経営上の不安を取り除いて、さらにこうした医療機関が増えていくことで、本県大分高めに来ていると思います、81%というのは。これをさらに高めていくことで住民の皆様の安心体制も確保できるというふうに考えております。


 また、外国人、先週も記者会見のときにちょっと御意見もございましたが、我々も実は今までもレッスンをしておりまして、実例でかなりこの外国対策、火事場の底力で切り抜けてきたところがあります。それをシステマチック[組織的]にやらないかということでこの間協議もしてまいりました。相談窓口、これ、国際交流財団にそういう語学に対応できる相談窓口を、設置をしていただいています。ここでプライマリー[基本的]な相談、第一次相談を受けてもらって、それを保健所等とつないでいただくということを考えてはどうだろうか。


 こういう相談体制を外国人や県内在住の外国人のサポートとして開設をさせていただきたいということであります。これについて、もし時間外というときには、今、受診相談センター等がございますが、今もやっていますが、三者通訳という、そういうICT[情報通信技術]を活用した通訳で対応していってはどうだろうかと、こういうことでございます。ここで仮にこの人、陽性者と接触したという場合には早速、接触者等相談センターのほうを通じで支援をやっていく。こういうことで早めに外国人のフォローアップができるようにならないかということです。また、こうした保健所の機能も強化しなければいけませんので、通訳者を事前に登録しておいて手配をする。それからあらかじめ様々な、我々も外国人に対応したことがありますが、そのときに例えばお医者さん、病院で対応するためのこのシートをつくったりしたわけです。


 そういうグッズをあらかじめきちんと作成をしておいて多言語化しておこうと。また、夜間休日等も含めて、こういう国際交流財団も応援をしてもらったり、テレビ電話通訳を活用したり、こうしたことで保健所が健康観察とか、それから病院への送致だとかそうしたことなどが円滑にできる体制強化を図っておこうということでございます。


新型コロナ第3波対策強化プラン(PDF)
かかりつけ医等による発熱外来体制の強化(PDF)
新型コロナ対策に係る外国人サポート体制(PDF)


5 感染警戒地域の見直し、新型コロナウイルス感染症入院患者のペットの受入など 

●知事

 それから今、第3波に入ってきます。これから、こう急速に多分拡大してくる可能性もありますし、今現段階でも大分第1波の頃とは様子が変わっています。実は私ども、感染警戒地域というのを県民の皆様の御参考にということで公表させていただいておりますが、この感染警戒地域につきましては、実は第1波の終わった後につくったものであります。第1波は大分水準が低かったんですね、件数の。第2波後で大分その件数の水準が上がりまして、ちょっと実態に即してないところもあるのかなと。我々、割と早めにこれスタートさせましたが、その後、[政府の新型コロナウイルス感染症対策]分科会でステージ[感染状況の区分]1、2、3、4というのができたり、それから各県も同様の制度で、こうしたいわば県外に出かけるときの警戒水準というものを設定したりしている動きがございますが、大抵はこの2.5から上というところでやっている県が大半でございます。


 今、そういう意味でちょっとやや、最初第1波のときの運用をちょっと下敷きにしていましたので第2波以降の水準に合わせて、基本的にはこの[人口10万人当たりの直近1週間の新規感染者数が]2.5[人]以上のところで警戒していただく、各県がやっているのを並びにしながら7.5[人]以上のところにさらに重要度が増す、厳重感染警戒地域という設定も加えてやってみてはどうだろうか。こういうような形で県民の皆様にもより実態に即して分かりやすい形で感染に警戒すべき地域の目安というものを、お知らせをさせていただいてはどうだろうかと考えているところでございます。


 なお、今日[11月11日]またこの後、対策本部会議を開催をするわけでございますけども、今、鳥取市という県の東部地域で感染が続いて報告をされてきたところであります。今日[11月11日]、新たに入院される方がいらっしゃるわけでございますけども、実は入院のパーセンテージ、病床の占有率で警報に注意報から移行するというもの[鳥取県版新型コロナ警報]があります。基本的には50%以上の占有率が特別警報ということで行動制限が強化されるというような水準があり、その一歩手前で警報という水準を、設定をしておりますが、今日[11月11日]、新たな入院者が東部で出ることになりますと、今の警報水準に入ってくることになると見込まれます。今日[11月11日]の午後の対策本部で状況を踏まえて、注意報から警報への移行というのが視野に入ってこようかというふうに思います。


 また、本日[11月11日]から、初めてになりますけども、ペットがおられるということで[新型コロナウイルス感染による]入院だとか、あるいはホテルに行かれることを拒まれる方が他地域ではございます。そういうことがないように動物病院と連携をさせていただきまして受入れていただくという、そういう協議をこれまでもさせてきていただきました。これに基づきまして初めて今日[11月11日]から動物病院でのペットの受入れの事例が出ることになります。今後も安心して医療を受けられるように、我々としても患者さんの早期回復が図られるように万全を尽くしてまいりたいと思います。


感染警戒地域の見直しについて(PDF)


6 新型コロナウイルス感染拡大に伴う鳥取県内産業への影響 

●知事

 また、産業への影響ということがありますが、新型コロナに関連していろいろと業績のほうにも影響があったということもあり、日立金属[株式会社]さんのケース[約3,200人の従業員削減]が、今、懸念をされているところでもございます。私どもとしては会社側に拠点の継続、それから雇用への配慮を強く求めてまいることにいたしておりますが、政府のほうにも経済産業省、厚生労働省のほうにこうした雇用対策、日立金属等の懸念も生じてきているものでありますし、中小企業なども含めまして雇い止め等も、本県はまだ数は少ないですが、広がり始めているという状況を踏まえて要請活動もしていきたいと思います。


 逆に、自動車関連を中心としまして業況が戻ってきている企業も出てきているのもまた事実でございます。我々としても様々な支援手段を通じましてこうした産業、そして雇用の確保というのを図ってまいりたいと思います。





7 シャープ米子の高性能フェイスシールドの開発、インフォメーション・ディベロップメントの本社機能の一部移転 

●知事

 そういう中、シャープ米子[株式会社]さんがこのたび高性能のフェイスシールドを、開発をされまして11月の9日に発表をされて、シャープとして販売が開始されました。あれは、実はもともと液晶の技術を持っていたシャープ米子さんのそういう技術を生かして、あそこで実は組立てまで生産をされているものであります。一種の液晶からの業態転換、発展の一形態でございます。ぜひこうした新しい産業シーズというものを我々としても応援をしていきたいと思います。


 シャープ米子さんからは来週の16日に私どものほうにその新しい高性能のフェイスシールド、くもらないんですね、シールドが。そういう優れたものでございまして、こういうハイテクシールドを御寄贈いただけるということであり、感謝申し上げたいと思います。また、来週の16日に、[株式会社]インフォメーションディベロプメントさんと協定を結ぶ調印式の運びとなりました。私どももこうした動きを応援をしてまいりたいと思います。





8 航空関係業界への支援 

●知事

 それから航空につきましても、政府は[コロナ時代の航空・空港の経営基盤強化に向けた]支援[施策]のパッケージを示されました。私どももそれを横にらみしながら支援を強めさせていただきたいと思います。先週、一部でも報道されましたけれども、ANA[全日本空輸]の社員の受入れにつきまして、鳥取県としても今、動いて応援に回っているところでありまして、私も片野坂[ANA]ホールディング[株式会社代表取締役]社長さんと電話でお話もさせていただきました。今、ANA本社のほうで地方出向を受入れる方、それも具体的な行先を含めたエントリーをされているそうであります。


 昨日[11月11日]までに2名、鳥取県のほうに希望される方があったと伺っておりますが、今、民間を主体に募集をされているようでございます。私どものほうでは、実は20社を超える、そうした協力してもいいという企業さんが集まってきておりまして、今後も、これは1次募集、2次募集とだんだんANAの中でも募集が時を追って拡大されていくというふうに伺っております。そういう中で、鳥取県も応援をさせていただこうというものであります。


 それから鳥取砂丘コナン空港につきましては着陸料の45%減免を実施をしようと。実は、鳥取県はコンテスト形式での5便化について、実は4分の3の免除を従来からやっています。その上での45%免除でございまして、実質的に86%免除という水準になります。残りのものは支払い猶予という形でございまして、そういうようなことでフォローしていきたいと思います。また、既に空港のテナントさんへの使用料減免を、実施をしております。これも空[港]ビル[株式会社]さんと最後は精算をしていくことになろうかと思います。


 また、地域で頑張るお店応援事業という県の助成事業を通じまして、鳥取砂丘コナン空港で商品券を出すというようなことも、これまで応援をしてまいりました。こういうようなことなど、航空の支援を進めてまいりたいというふうに思います。


航空支援パッケージ(PDF)


9 収入証紙制度の廃止 

●知事

 それから国のほうで今、収入印紙をどうするかということで議論が挙がっていますが、地方自治体では収入証紙というのが認められていまして、これまでも広く行われてきました。本県の場合は昭和38年で制度化されたものを39年から実施をしているわけでありますが、実は本県ですね、この収入証紙は既に見直しを始めています。ちょっとここに記載がまだ間に合っていませんが、平成26年に収入証紙について、それを証紙でなくて現金でも納付できるように県の改正規則を改めまして、窓口で現金収納できるように改めてきております。そうやって住民の皆様の利便性に応えようとしてきたところであります。


 収入証紙は実はあまり馴染みがなくて、どこで売っているかわからんとか、わざわざ買いに行ってから貼って窓口に出さないけんのは面倒臭いとか、いろいろと住民の方の利便性からしますと、なくてもよいのなら、なくてもいいのでないかという発想で、実は河野[太郎行政改革・国家公務員制度担当]大臣の発言以前から私どもは収入証紙の廃止につきまして見直し検討を進めてまいりました。ですから、8月夏場に県民の皆さんにアンケート調査をしておりまして、その際に74%の方が回答としては収入証紙以外で納付したいというお答えでありました。収入証紙がいいと言っている方は6%でございました。残り2割の方はちょっと収入証紙制度自体よく分からないというような回答だったところであります。


 ですから、県民の皆様、ユーザーの利便性からしますと廃止の方向ということは十分あり得るのではないかということで、実は検討していた矢先でございます。このたび国としても電子申請の強化をしようという観点もございまして、印紙を廃止しようという動きになってきました。私どもとしてもそういうようなことでありますので、このたびの議会のほうに収入証紙条例、これを廃止する条例提案をさせていただこうと。具体的にはちょっと、これ県民の皆様への周知もありますので、来年度の半ばから現実には収入証紙というのをなくしてしまうと。それまでに例えばポスレジ[金銭のやりとりをした時点での販売情報を管理するシステムを搭載したレジ]とか、そうした体制整備も図りながらやっていきたいというふうに思います。


 これによりまして、例えば免許申請だとかいろんなものがあるんですね。運転免許もありますが、例えば職業関係なんかもあったりします、衛生関係とか。そうしたものに証紙を貼っているものをこの証紙がなくなって、例えばクレジットカード収納などに認めていけば電子申請の幅が広がりますので、利便性も高まるんではないかというふうに思います。そういうようなことの様々な改革等もこれから手がけてやってまいりたいというふうに考えております。


収入証紙制度の廃止(PDF)


10 第5次男女共同参画計画、第2次女性活躍推進計画の策定 

●知事

 また、男女共同参画の観点で、男女共同参画推進計画の改定、さらには一度つくってありました[鳥取県]女性活躍[推進]計画もございます。これも第2期に向けて計画の初めての改訂を行うということを今、進めているところであります。このたび概要が取りまとまり、関係者との協議を整えてまいりまして、来たる議会のほうに男女共同参画推進計画の改定を、上程をしてまいりたいと思います。例えば、女性の管理的地位に就かれる民間企業での方の割合、現状25%でございますが、5年後の令和7年度、30%に引き上げる、あるいは女性活躍のパワーアップ企業という登録制度があります。これを5年後には倍増の500企業にしていく、こういうような目標も持って計画改訂を進めてまいりたいというふうに思います。



11 感染対策と観光等経済社会の両立 

● 知事


 これからまた、様々観光の魅力とかもあるわけでありますが、カニもスタートをさせていただきました。また、砂丘のほうで星空を眺めながら、ドームで楽しめるイベントを今月やるとか、また、冬場なりのいろいろな展開も図っていこうというふうに考えているところであります。ぜひお体には注意していただきながら、様々な経済社会活動、これを工夫してやっていただくと、やはり新しい生活様式というものが重要でございまして、例えばロックダウンのようなことをやるのは、いわば簡単にエリアでやれるといえばやれるのかもしれませんが、失うものも大変たくさんありますので、経済社会を回しながらやれる工夫というのを日本はやるべきだと思いますし、県民の皆様の様々な御尽力でこれまでもそれができてきていたという県ではないかと思っております。


 先ほど示させていただきました[新型コロナ第3波対策]強化プランをまた実行しまして、第3波を迎え打っていき、かつこの年末、いろいろと何かとせわしいシーズンではありますが、それを乗り切っていけるように全力を挙げてまいりたいというふうに考えております。





12 米子東高校岡本大翔さんの東京読売巨人軍への入団決意、ガイナーレ鳥取フェルナンジーニョ選手の引退 

●知事


 このたび岡本[大翔]さんが米子東高校から読売巨人軍のほうに進まれるという決意を固められました。久方ぶりのプロ野球への高校からのデビューということであり、心より応援のエールを贈らせていただきたいと思います。また、フェルナンジーニョ選手がこのたび引退を、決意をされました。まだ、J2へ上がる戦いの最終盤ではございます。フェルナンジーニョ選手が鳥取にもたらしていただきました元気、そして新しい風、本当に感謝を申し上げたいというふうに思います。私のほうからは以上でございます。




13 ANAホールディングス等への支援 

○朝日新聞 矢田文 記者


 では、各社さん質問がありましたらお願いします。


○NHK 小山晋士 記者


 すいません。ANAへの関係で、着陸料の減免が主だと思うんですが、改めて、もちろん支援の目的なんですけど、改めてここまで、減免までする、国のほうもいろいろやっている、羽田空港でやっている、国際便中心にやっているとは思うんですが、支援する目的と、あと、米子のほうは国管理、防衛省管理だと思うんですが、そこら辺についてはまたいかが考えていますでしょうか。


●知事


 今、おっしゃるように、米子鬼太郎空港に関しましては国管理飛行場でございますので、国のほうの制度が適用になります。鳥取砂丘コナン空港につきましても、4分の1に減免してあるとはいえ、やはり着陸料をきちんと払える財務状況かといえば、5,000億[円]を超える損失を予定せざるを得ないというような今のエアライン[航空会社]の状況もございます。それについてやはり政府の一連の政策とも地方も協力していくべきところかなというふうに思います。そういう意味で、実はこの4分の3の減免のほうがはるかに大きいものですから、この45%というのはそんなに大きな額にはならない、700万[円]ぐらいのことでありますが、これも、我々としてもやはり計上して、予算上も応援していこうというように考えているところでございます。





14 院内感染リスクに対する国の支援 

○中国新聞 小畑浩 記者


 中国新聞の小畑と申します。第3波対策強化プランの中で、かかりつけ医、診療所等の支援体制のところについてお伺いしたいんですけれども、まず、11月に入ってから鳥取に限らず全国的にかかりつけ医がまず診察をするという体制に移っていったわけですけれども、すいません。ちょっと勉強不足だったら申し訳ないんですが、その中で個人防護具N基準マスク、キャップが国の配布対象外になっているとか、あと、鳥取県として休日日数に応じて休業のサポート、支援金であるとか、事務職員の補償保険料といったところを盛り込まれるということは、まず、かかりつけ医体制に移るときに国のサポートがもしかしたら不十分なままスタートしたんじゃないかなというふうにも見えるんですけども、その辺りの経緯と知事としての受け止めを伺えればと思います。お願いします。


●知事


 これにつきましては、私ども全国知事会でもこの[検査・診療体制の]診療所等への移行を前提とした政府指針を求めてきました。今でも様々な給付金等を我々としても要望しているところであります。政府のほうでも先ほどお話も申し上げましたが、防護具につきまして、例えばサージカルマスク、皆さんがされているような、そういうものについては支給対象ということになっているんですが、N95[マスク]は対象外、割と細かいやはりいろいろとしたそごが、現場とのそごがやっぱりあるんだろうと思います。私どもは相変わらずそこは求めているんですが、求めているだけでも現場のほうは心配ですので、県としてここは補正予算を計上して支援していこうというふうに踏み切らせていただいたところであります。


 そういう意味で、特にこの休業補償というのは全国的に課題の、非常に問題意識強いところです。本県は大分1つ1つの病院やクリニックさんと話し合いをしながら、[公益社団法人鳥取県]医師会とも丁寧に時間をかけて調整をしてまいりまして、今、270を超える診療所さんに協力していただけるようになりましたけれども、こういう休業補償等がない、全国で制度がないものですから、こうした診察、検査というのは辞退したいと、こういう例は枚挙にいとまがないところでございます。私どもは一応、それがなくても引き受けてはくれているんですけども、これまでの交渉経緯の中でも、これに対する懸念の声は強く挙がっていましたので、政府には要求をしていますが、我々として単独事業で措置をさせていただき、現場の環境整備を進めていきたいと考えております。





15 新型コロナ警報の発令 

○毎日新聞 野原寛史 記者


 毎日新聞の野原です。先ほどコロナの警報への移行の話が出ましたけれども、これは、まず1点目なんですけど、東部のほうが病床の占有率15%を超えるということでいいんでしょうか。


●知事


 そういう見込みです。今日、入院を予定されとる方がいらっしゃいまして、それを前提とするとその[現時点確保病床稼働率]15%という、これ本当に数字の基準でありますので、それを超えてくるということであります。それ、もちろん例えば病床の[確保]数がステージ、今1のところにあるんですけれども、ステージ1からだんだん上げていって、ステージ2、ステージ3っていうふうに病床の数を増やしていけば、これ解消されるという面もあるんですが、そういう今流れではないもんですからね、一旦ステージはそのまま置いたまま警報[発令]に移行するということになるところであります。あんまり変な細工はせずに数値基準でやっておりますので、そのように警報に移行するということであります。ただ、本当に深刻なのは、病床が50%を占有率が超えるような場合、その辺になってきますと、国全体でもステージ3、4というような段階になってきます。これは外出自粛も含めて検討するという段階になっていますが、警報というのはその手前のレベルでありまして、よく御注意いただくということが中心ということになりますし、クラスターが発生したような場合には、そこは閉めてもらうとか、あるいは学校の中でクラスターが発生した場合には、そこは登校をしないとか、そういうのはありますけども、何かほかの地域でやっているような休業要請だとか、そういうことの基準ではありません。


○毎日新聞 野原寛史 記者


 そうしますと、学校や施設の運用、イベント等に関しては警報に移行しても大きく変わることはないということでしょうか、今のところは。


●知事


 行動制限を強度にかけるというものではありません。ただ、例えば県でもイベント等があるような場合、感染予防になるように、例えば遠隔での参加に切り換えるとか、そういうような工夫はお勧めしたいというふうに思います。





16 ANAホールディングスの出向社員の受入れ 

○共同通信 遠矢直樹 記者


 すいません。共同通信の遠矢です。先ほど航空業界の支援の話が出ましたが、先週、たしかANAの社員の方を希望される方がいれば県庁でも受け入れたいという話も出ていたと思うんですが、その後の進捗状況を教えていただけますか。


●知事

 これも私自身もANAホールディングスの社長さんともお話をさせていただきましたが、ANAさんは先週も言ったかもしれん、結構びっくりしていましてね、公務員でどうやって受け入れられるのかなっていうのは想定していなかったとおっしゃっていました。私も説明させていただいたんですが、これまでも、これこれこういう会社さんで協定を結んで、派遣してもらうということをやっていますと。あちらも今そういう意味で、そういう地方公務員を前提とした募集ということは想定外のような今現状なんだと思うんですね。


 だから、当面は多分、我々としては受入れの用意がありますよということは直接もお伝えをしているんですけど、これはお見合いみたいなもんでありまして、向こうから応募があって、こちらからも応募があって、お互いにマッチング、気が合えば実際にそこで働くという、そういう仕組みでありますので、まだちょっと具体的なマッチングに至るかというと、公務員レベルはまだ先になるかもしれません。とりあえずは[鳥取]県内の職場でということが、今、想定されるかなと思うんですが、今回、今、一次募集をされているんですね、その一次募集の中、これから何次か[募集が]あると思うんですが、その一次募集の中で、今、ANA[全日本空輸株式会社]の本社、まだグループ会社とかはこれから出てくると思うんですが、だから、その段階でも既に2人エントリーがあるというふうにお伺いしていますので、実際に鳥取[県]で、ここで頑張ろうというふうに気概を持ってくださっている方がいらっしゃるということであり、私たちもそういう方をやはり応援させていただきたいと思います。





17 かかりつけ医等による発熱外来体制の運用状況 

○時事通信 今泉悠 記者


 すいません。時事通信の今泉です。かかりつけ医の検査についてなんですけれども、始まってから10日、昨日までで10日間たっていますが、検査件数でいえば、この間陽性者が出ているのでその分検査の数は伸びているんですが、ベースでいうとそこまで増えているような感じを受けないんですけれども、この10日間振り返っていただいて、運用っていう面で順調なのか、あるいは評価をしていただきたいということをまずお願いします。


●知事

 結論からいえば順調に切換えが進んだと思っています。今おっしゃる点につきましては、実は始まったばかりでありまして、数字がまだ報告上、積み上がっていないと。ただ、陽性の場合は直ちに動くことになっています。ですから、それは即日ベースで集計できる仕組みになっていますが、それ以外のところの数の積み上げ、陰性でこれだけ実は検査件数ありましたよっていうところは、今、FAX等で集めている状況でございます。これがまだ完全に平常ベースになるまで積み上がってないので数が少なく見えると思うんですけども、実はその[検査]件数的にはかなりあります。


 それからあと、本県の場合、今までこれちょっと改善を今、担当部局に言っているんですけども、ホームページ上では行政検査の件数が見えるようになっていたんですけど、それ以外に実は病院で検査しているんですね。この病院検査は、最近は行政検査の件数を軽く上回っています。ですから、実はちょっと誤解を招くようなことになっているので、これ改善を今、求めているんですが、その辺を、今ちょっと体制を今、整えているところであります。したがいまして、検査件数が少ないように見えているようではありますけれども、思い起こしていただければと思いますが、今回の鳥取市の一連[検査]の中でもそうしたかかりつけ医のお医者さんの絡んだ検査で陽性という件数が出てきています。


 ですから、スクリーニング機能は果たされ始めているということでありまして、そういう意味では想定していた順調な滑り出しといっていいだろうと思います。ただ、そうした報告等がちょっとまだ体制が整っていないので陽性件数は見えていますけども、陰性に終わった件数が完全には積み上がっていないことは御理解いただきたいと思います。実はこれ国全体そうです。からくりをいいますと、G-MIS[新型コロナウイルス感染症医療機関等情報支援システム]っていう[システムを用いた]報告制度があります。このG-MISという報告制度でその辺の報告が出てくるはずだったんですが、そのG-MISに入り得るIDの発行が国ができてないんです。鳥取県内、こうやって急速に今272[医療機関]まで増やしていますけども、それが、IDがもらえてないので、G-MISでの報告ができないもんですから、即日でリアルタイムの報告ができなくなっています。それを、だから補う意味で今、FAXとかで取りあえず集めるという便法を今、始めているところであります。若干そういう意味で報告件数についてはちょっと設計図と異なるとこになっていますけれども、ただ、大事なのは陽性者の把握でありまして、それについては順調にスタートできていると思います。





18 新型コロナウイルス感染防止にかける注意点、鳥取県内の最近の感染傾向と対策 

○共同通信 遠矢直樹 記者


 すいません。共同通信の遠矢です。この1週間で特に鳥取市内、県内で感染者が増えてきているところですが、それで、気をつけなきゃいけないような時期にあるのかなとは思うんですけれども、県や市の発表を見ていても結局のところ、どういうことに気をつけていかなきゃいけないのかというのがもうちょっと情報として分かりにくいのかなと思うんですが、知事のほうから改めて今の感染状況を踏まえてどういうことに気をつけていけばいいのかというのを教えてください。


●知事


 やはりその辺ちょっと広報の仕方も変える必要があるかなと思っていまして、今ちょっと庁内でお願いをして検討してもらっているんですが、やっぱり[新型コロナウイルス感染の]第3波襲来ということでのやはり広報をきちんと打ったほうがいいんじゃないだろうかと、そういう分かりやすいメッセージ伝達がまず1つ必要なのかなと思います。それから、これは[政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の]尾身[茂]会長も緊急記者会見で、当方で、分科会で、みんなでまとめた緊急提言の説明をされるときもおっしゃっていましたが、やはりマスクをつけるって大事なことだということは強調する必要があるのかなと思います。


 そのマスクを会食事でもやはりマスクをきちんと使うと、それが望ましいだろうと、[尾身茂]先生のやり方ではこのマスクをこうやって、実際に記者会見でもやっておられましたけれども、ふだんはこうやってつけて話をする。ただ、食べ物を食べるときに、利き腕でないほうでこうやって外して食べて、そういったときはしゃべらない。食べ終わったらまた蓋をすると。こうやってやるような新しい会食マナー、こういうものがやはり必要なんじゃないかということで、先生自ら何か実演をされてやっておられました。これは別にそれじゃなければ絶対いけないということでもないんだろうと思うんですが、いろんな工夫をやっぱりして、会食だとか、そういう親しい間柄で実はするするっと[新型コロナウイルスが]伝わっていくんです。


 そこのところをやはりもう一度理解していただいて、対策をきちんと取っていただく必要がやっぱりあるんではないかなというふうに考えておりまして、この辺はよく今後アピールもさせていただきたいと思います。また、鳥取県の場合はソーシャルディスタンスを取りやすい地域だと思います。何となれば通勤から何から、みんな車で通っていたり、人混みっていうのもそんなにないところでありまして、やはり大都市と違って、例えばコンビニ[エンスストア]だとかスーパー[マーケットに]行っても大行列できていてという状態ではありません。ですから、ソーシャルディスタンス取りやすいというのは強みなので、その辺も強調する必要があるのではないかと思います。


 あと、お店などに、先ほど申しましたが、これから年末に向けて、もう一度指導を徹底していく、お店のほうでもガイドラインを守って協賛店になっていただければGoToEat[キャンペーンのプレミアム付食事券利用加盟店]などにも登録[申請]できますのでそのいうメリットもあるわけであります。ですから、そうした意味でそうした取組も、これは場の設定のほうでもやっていく、この辺が今後のアピールのポイントかなというふうに考えております。科学的アプローチでもこの辺のことは証明されてきていますので、ぜひそうした第1波以降分かってきた知見も加えてアピールをさせていただきたいと思っております。


○日本海新聞 濱田匡史 記者


 すいません。日本海新聞濱田です。知事、関連してなんですけども、そうすると知事の今のお考えの中では、これまで、先ほど発言でもありましたけど、県民が努力してきたことっていうことが形になっていて基本的に鳥取県内では封じ込めっていうとちょっと大げさですけども、いたずらな感染拡大にはつながらないスタイルが確立されているっていうことでよろしいですか。


●知事


 これまで県民の皆様がやはり用心されているのは事実だと思います。他地域に行きますと正直緩いなと思うことはいろいろと見受けられるところであります。やっぱりその辺が地域の言わば生活文化として感染症対策をやりながら暮らすという習慣づけができ始めているのかなというふうに思います。ただ、今回の[新型コロナウイルス感染の]第3波で懸念されますのは都会とちょっと違いがあると、実は60[歳]代、70[歳]代[の方々]が感染の中心になっています。その伝わり方は親しい人同士の集まりを通じて広がっているんですね。ですから、その辺のやはり最近の[感染]傾向ということも我々も分析をして御紹介申し上げていく必要があるのかなと思います。


 親しい人だから絶対感染しないとは限らないわけでございます。今までは、実は鳥取県は一旦封じ込めできているという土地柄だったと思います。ですから、外から入って来たものを封じ込め、入って来てもすぐに封じ込めてきたということがあったわけですね。だから、回りに基本的に感染した人はいないでしょうという推定が成り立ったです。ただ、第2波のときもそうですけども、第3波が今、襲来していまして、この第3波でいろいろと人の移動はございますので、当然ながらそうやって例えば親しい人がやって来た。お家でとか、いろんな接触の場ができる。また親しい人が往来をしている中で、こちらの会合に出て来てみんなで懇親の場を持ったとか、そういうのが実は感染のポイントになっているんですね。


 こういうようなことが今まで同じような条件でやったとしても回りに感染する可能性のある人がいなければ結局は感染しないで終わっていたと思うんですけど、感染する人がぱらぱらといるかもしれないという、そういう前提でちょっと頭を切り替える必要があると。そのことは今までと、ちょっと今の11月入ってからの時期とは対策の異なるところだろうと思うんです。その辺をちょっと科学的な最近の知見も入れて、分かりやすく改めて広報させていただき、第3波対策を強化をする、これが重要だろうと考えております。


 あと、他地域でも見られますように、割と若い方々が最初のプライマリー、第1次的な感染の媒介をするケースが全国で目立っています。そういうようなこともありますので、若い方々向けの広報、若い方々はちょっと見る媒体や割と参照するメディアが違うところがあったりします。また、生活空間も違います。ですから、大学[での広報]だとか、SNS[ソーシャルネットワーキングサービスを活用した広報]だとかやり方を変えた若い方々へも届くような広報というようなことも新たに加えてまいりたいと思います。





19 行動変容に結びつけるための広報 

○時事通信 今泉悠 記者


 すいません。時事通信の今泉です。関連してなんです、広報という部分について関連してなんですが、緊急提言の中でも2番目に、対話のある情報発信というのがあったと思いますが、これまで発信してきた情報が必ずしも行動変容に影響を及ぼしたかというとそうではないかもしれないという指摘がありましたけれども、今まで振返っていただいてどうだったかということと、あと、周りに感染した人がいないというその前提というか、推定を切り替えるという話だったりとか、広く伝えることが今後必要になると思うんですが、今イメージしているものがあればもう少し具体的にお願いします。


●知事


 おっしゃるとおりだと思うんですね。行動変容に最終的には結びつかないといけないと。特に若い人向けにはそれがうまくいってなかったんではないかというのが分科会でもこれまで重ねて議論をされてきまして、このたび緊急提言の中に表現をされていたところでございました。ですから、そうした大学の関係者のいろいろと持っているメディアがあると思うんですね、学生向けのメディアだとか。そういうものを活用するというのは1つあるのかなと思います。また、行動変容を起こしていく上で大学生の皆様も自主的にそういうものを仲間内で呼びかけていただけるようなネットワークづくりだとか、やり方のそうした伝わり方の工夫をしていかなければいけないのかなというふうに思います。


 恐らく行動変容を起こしていない人は、感染して別に俺、自分はいいんだというふうに思っているわけではないと思うんですね。かからないと思っているとか、そういう誤解があるんだと思うんです。今まで大丈夫だったから大丈夫でしょうという愕然とした感覚があるんだと思うんですが、全国を見渡してみますと、今確実にそういう感染のチャンス、ポシビリティー[可能性]が高まっているわけでありまして、周りの人にひょっとしたら感染者がいるかもしれない。だからこそ、この状態の変化を背景にして職場でのクラスター、あるいは学内でのクラスターというものがいろいろと目立つようになってきているわけですね。従来のいわゆる飲食を伴う接待というパターンからどんどん今、外れてきているわけです。ですから、そういうような意味での行動変容を必要とする状況をやはり理解していただけるように、これからいろいろ工夫してまいりたいと思います。





20 引退するフェルナンジーニョ選手への思い、山陰にプロサッカークラブが存在することの意義 

○日本海新聞 濱田匡史 記者


 すいません。最後にちょっとだけ。知事、先ほど最後ちょっとお言葉ありましたガイナーレ鳥取のフェルナンジーニョ選手の引退についてなんですけども、フェルナンジーニョ選手、外国人選手でありながら鳥取をすごく愛してくれていまして一度は母国に戻ったんですけども、また鳥取に戻って来て引退までプレーされたということなんですけども、そのフェルナンジーニョ選手に対する率直な思いをもう少し詳しくと、あともう1点、そこまでしてくれるというそのプロクラブがこの山陰の鳥取にあるという、存在しているという意義を改めてちょっとお聞きしたいんですけど。


●知事


 私はフェルナンジーニョ[エルディス・フェルナンド・ダマショ]選手に深く感謝を申し上げなければいけないと思います。それは[出身の]ブラジルでガイナーレ鳥取、また、日本のサッカーというもののすばらしさを伝えてくれた方だったと思うからであります。私自身最初にお会いしましたときに、結構小柄な方でこの方がああいう敏捷にパス回しをしたり、華麗なドリブルでゴールまで持っていくとか、ちょっと想像できない第一印象もございました。ただ、事前に岡野[雅行]ジェネラルマネージャーから伺っていまして、ブラジルに行ったら、いや、平井さんすごい選手がいるよと、仲がいいんで声かけたら来そうだと言って喜んでおられまして、そういうような意味で、昔からのいろんなパイプがあって岡野GMが引っ張って来ていただいたということはガイナーレ[鳥取]に新しい流れをつくってくれたと思うんですね。


 結局その後も様々なブラジルの選手が来られましたけれども、ここで、ガイナーレで活躍することを皮切りに他のJリーグのチームに転籍をされていったり、言わば登竜門のような形に使ってくれるようになったんだと思うんですね。そういう意味で、こういうチームが日本のサッカー界にあること自体、日伯両国のサッカーを通じた友好交流だとか、人材育成にも大きく寄与したんじゃないかなと思います。特にガイナーレがフェルナンジーニョに続いて焦点を当てたのはユースのブラジルの選手たちでありまして、こういう選手たちが日本でプレーすること、それがいずれはワールドカップに自分が出場する夢につながっていく、そういう道筋が描けるようになってきたんですね。まず、最初の道をつけてくださったのがフェルナンジーニョ選手だったといいうふうに思います。


 お会いしても本当に飾らない気さくなお人柄で御家族を愛し、そういうこともあり日本を大変に好きになっていただき、特に鳥取[県]はブラジルと環境が似ているというようなこともおっしゃるなど、非常に定着していただいたわけでありまして、これからもぜひブラジルと鳥取県の、またガイナーレとの架け橋になっていただければなとお願いを申し上げたいと思います。


○朝日新聞 矢田文 記者


 各社さん、質問よろしいでしょか。なければ終わります。知事、ありがとうございました。


●知事


 ありがとうございました。




  

 ※広報課編集
  [ ]については、広報課で補足説明しています。


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