防災・危機管理情報


                   令和3年1月臨時県議会付議案に対する知事提案理由説明要旨

 これより、本議会に提案いたしました付議案につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 新型コロナウイルスは、第一波、第二波を遥かに上回る第三波となって日本各地を襲い、本県も昨年末以降にはクラスター5件発生を含め猛烈な勢いで感染拡大の波にさらされました。本県におきましては、議員各位や県民、医療関係者、事業者の皆様の御協力のもと、全国に先駆けたクラスター対策条例の制定や積極的PCR検査、更には地域一丸となった感染予防推進など、徹底的な対策を講じてきたことにより、今もって全国最少の感染者数を保っております。
 しかしながら、全国を見渡せば、大都市圏を中心として病床の逼迫や保健所業務の停滞が深刻化し、1月8日に首都圏1都3県に対して再び緊急事態宣言を発令され、1月14日からは京都府、大阪府、兵庫県をはじめとする7府県にその範囲が拡大されるなど、我が国の新型コロナ対策はまさに正念場を迎えております。こうした厳しい情勢を乗り越えるため、本県としても独自の対策を強化することとし、体調不良者が発生した場合の「緊急通報制度」の創設、特別行政検査、社会福祉施設や飲食店などに対する感染防止対策緊急支援など、新型コロナ感染拡大防止対策のレベルを一段上げて強化したところです。
 昨日、国会において令和2年度第三次補正予算が成立するに至りました。この予算を速やかに活用して、ワクチン接種をはじめ医療提供体制・感染防止対策を強化するとともに、県民の暮らしと雇用を守り抜くための産業・雇用対策を早急に実施し、併せて安全・安心の鳥取県づくりを展開することが是非とも必要であります。このため、本日、臨時議会を招集し議員各位の御審議を仰ぐことといたしましたものであり、格別の御理解を賜りますよう、お願い申し上げます。
本議会に提案いたしました議案は、
  予算関係    1件
  条例関係    1件 の 合計2件であります。
このうち、議案第1号 令和2年度鳥取県一般会計補正予算(第8号)について御説明申し上げます。
はじめに、医療提供体制の強化と感染防止対策であります。
 感染収束への決め手となる新型コロナウイルスのワクチン接種に向け、一般医療従事者等の優先接種体制を構築するとともに、相談窓口を設置し、医師会や市町村と連携して全県にわたる県民の皆様へのワクチン接種を強力に推進してまいります。また、更なる感染拡大に備え、入院病床拡充を進めるとともに、県内のクラスター発生事案を踏まえ、高齢者施設等の社会福祉施設や飲食店などの感染防止対策を強化し、実効あるPCR検査体制の確立を図ってまいります。さらに、県立学校における非接触型蛇口への改修や衛生用品の整備を進めるとともに、新型コロナに妊産婦が感染した場合の支援を拡充してまいります。
 次に、産業・雇用と暮らしの再生についてであります。
 緊急事態宣言等に伴い大きな影響を受けている飲食・観光・交通事業者をはじめとする県内事業者の事業継続を支えるため、認証事業所など新型コロナ対策に取り組むお店などに10万円の応援金を支給するとともに、プレミアム付き前売り「お楽しみ券」により観光・宿泊事業者を支援することとし、加えて地域公共交通維持に向けたバス事業者支援を実施することといたします。併せて、無利子・保証料なし緊急融資上限額を3億円へ拡大するなど融資対策の強化を図るとともに、県内中小企業の業態転換や新分野進出を促進する助成制度を創設します。また、担い手農家の経営強化、鳥取型低コストハウス導入、畜産クラスター施設整備、スマート農業推進など、コロナ禍を乗り越える農業を推進するとともに、木材加工施設や路網整備、境港高度衛生管理型市場や水産物直売施設整備を進めます。
 さらに、テレワーク拠点「ワークプレイス」開設を進めるとともに、雇用の安定に向け企業間在籍型出向や農林水産業就業マッチングを応援します。また、生活困窮者総合支援体制の強化や生活福祉資金貸付の拡大、低所得世帯の生徒に貸与するタブレット端末等の整備など、県民の暮らしを守るセーフティネットの充実を図るほか、年末年始の度重なる大雪で被害を受けられた農林事業者の復旧・再生産を支援することといたします。
 最後に、安全・安心の鳥取県づくりについてであります。
 令和3年度当初予算と合わせた15か月予算として、公共事業も含め切れ目のない対策を展開することとし、河川の樹木伐採や河道掘削、河川断面の拡幅、防災重点ため池の整備など、災害を未然に防ぐ基盤強化を展開するとともに、岩美道路・倉吉関金道路など地域高規格道路等の整備を進めます。加えて、通学路の安全対策、鳥インフルエンザ防止対策、東京オリ・パラキャンプ受入のための国資金を原資とした基金設置なども進めてまいります。
これらの事業費を計上いたしました結果、今回の補正予算の総額は 290億1千万円余となり、補正後の予算額は、4,176億5千万円余となるものであります。
 以上、本議会に提案いたしました付議案につきまして、その概要を御説明いたしました。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。

  

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