1.概況
令和2年平均の鳥取市の消費者物価指数は、総合で102.2(2015年=100)となり、前年比0.4%の下落となった。前年比の変動に寄与した要因は、食料、被服及び履物などの上昇、諸雑費、光熱・水道、教育、交通・通信などの下落である。
年平均指数は、品目(※1)及び分類(※2)ごとに令和2年1月から令和2年12月までの月別指数を単純平均して算出します。ただし、生鮮食品の各品目については、品目ごとに月々の購入数量の変化が大きいため月別ウェイト(※3)を用いて加重平均します。
(※1)指数の計算に採用する指数品目(例:うるち米)
(※2)大分類、中分類、小分類(例:食料、穀類、米類)
(※3)家計の消費支出に占めるその商品の割合
2.前年との比較
(1)上昇に寄与した主な費目
10大費目 |
前年比 |
このうち主な費目(中分類) |
前年比 |
このうち主な品目(※生鮮食品) |
食料 |
1.5% |
果物 |
7.0% |
りんご(ふじ)※、梨※等 |
食料 |
1.5% |
外食 |
2.2% |
やきとり(外食)、焼き肉(外食)等 |
被服及び履物 |
3.1% |
シャツ・セーター・下着類 |
4.9% |
ワイシャツ(長袖)、婦人用Tシャツ(長袖)等 |
(2)下落に寄与した主な費目
10大費目 |
前年比 |
このうち主な費目(中分類) |
前年比 |
このうち主な品目(※生鮮食品) |
諸雑費 |
-6.0% |
他の諸雑費 |
-16.9% |
保育所保育料 |
光熱・水道 |
-2.6% |
電気代 |
-4.0% |
|
教育 |
-7.5% |
授業料等 |
-13.7% |
幼稚園保育料(私立)等 |
交通・通信 |
-0.6% |
自動車等関係費 |
-1.2% |
ガソリン等 |
3.月別指数の動き
食料、被服及び履物などの上昇により、3月までは前年同月比プラスで推移していたが、幼児教育無償化により、幼稚園保育料(私立)、保育所保育料は9月まで下落に寄与した。また、年間を通して電気代、4月以降はガソリン、8月以降は宿泊料が下落に寄与した。特に11月及び12月は10大費目中8費目以上下落したことで、両月の総合指数は前年同月比1.7%のマイナスとなった。
4.全国との比較
鳥取市の総合指数は102.2、全国の総合指数は101.8となった。
前年比は、鳥取市は0.4%の下落、全国は前年と同水準となった。
費目別にその動きを比較すると、住居が鳥取市で下落、全国で上昇、保健医療が鳥取市で同水準、全国で上昇、それ以外は全国と同じ動きをしている。
同じ動きをしている費目で、全国と比べて前年比の差が大きかったのは、諸雑費、被服及び履物、家具・家事用品であった。
5.鳥取市消費者物価指数(総合)の近年の動き
平成28年は、原油価格の下落により、ガソリン、電気代、灯油などエネルギーが値下がりしたが、天候不順により果物、野菜・海藻など食料が値上がりし、前年同水準となった。
平成29年は、原油価格の上昇により、ガソリン、電気代、灯油などエネルギーが値上がりする中、肉類なども値上がりし、前年を上回ることとなった。
平成30年は、漁獲量の減少により、魚介類価格の上昇、猛暑・台風の影響で、野菜・海藻類、果物などの食料品が値上がりした。また、春に水道料金の値上げ、原油価格の上昇によりガソリン、電気代、灯油などエネルギーも値上がりし、前年を大きく上回る結果となった。総合指数は全国を0.8ポイント上回り、全国との差は拡大した。
令和元年は、前年の原油価格の高騰により、電気代が上半期に上昇、食品の価格引き上げにより食料が上昇した。7月~9月にルームエアコン等の家庭用耐久財が大きく上昇に寄与した。10月の消費税増税により多くの費目が値上がりする中、幼児教育無償化の影響(教育(幼稚園保育料(私立))、諸雑費(保育所保育料)の減少)により下落に寄与した。全国との差は前年と同じく、総合指数は全国を0.8ポイント上回った。
令和2年は、食料、被服及び履物などの上昇により、3月までは前年同月比プラスで推移していたが、幼児教育無償化により、幼稚園保育料(私立)、保育所保育料は9月まで下落に寄与した。また、原油価格の下落により、電気代、4月以降はガソリン、その他8月以降は宿泊料が下落に寄与した。特に、11月及び12月は10大費目中8費目以上下落したことで、年間では、前年を一番下回る結果となった。総合指数は全国を0.4ポイント上回った。