働きやすい環境が拡大
鳥取県の働く女性(15歳から64歳)の割合は、73.6%で全国6位(2017年就業構造基本調査)、前回調査(2012年)の67.5%から大きく上昇しました。育児中の女性(25歳から44歳)も78%が働いており、子育てと仕事を両立しながら奮闘する姿が浮かび上がります。
県は、2001年に「鳥取県男女共同参画計画」を策定。2020年12月には、男女に限定されない性の多様性に配慮して「鳥取県性にかかわりなく誰もが共同参画できる社会づくり計画」に改称し、あらゆる場面で性別に関わらず一人一人が輝ける社会の実現を目指して、さまざまな取り組みを進めています。また、「働く場」に特化した「鳥取県女性活躍推進計画」を2016年4月に策定。「やりがいを持ち活躍できる環境の整備」と「誰もが安心して働き続けられる環境の整備」を柱に施策を展開しています。
例えば、誰もが働きやすい職場づくりを積極的に行う企業を男女共同参画推進企業に認定。就業規則の整備を支援し、その取り組みを県のウェブサイトで紹介しています。これまでに847事業所を認定しました((1)「鳥取県男女共同参画推進企業制度」)。このほか、(2)「鳥取県輝く女性活躍パワーアップ企業」や(3)「イクボス・ファミボス宣言企業」の普及にも注力。(上記参照)こうした取り組みが実を結び、女性が活躍できる働きやすい環境が県内にも広がりつつあります。
これら(1)から(3)全てに取り組んでいるのが株式会社アークス(北栄町)。園芸・農業用品の製作・販売や住宅新築・建築工事を請け負う同社は、週1回ノー残業デーを設定し、定時退社を実現するほか、管理職からの声掛けによる有給休暇の取得促進、積極的な女性管理職の登用などを実践しています。社内で初めて従業員が育児休業を取得したのを機に、休業制度を分かりやすく解説した冊子を全員に配布・周知し、休みやすい雰囲気に。また育休後は、上司が本人に必ず面談を行い、希望に沿う勤務形態に配慮しています。
総務部次長の山本由香里さんは「従業員全員の意識改革で、休暇制度の利用が当たり前になることが大切」と話し、職場の雰囲気についても「普段から部下と上司の距離が近く、意見が言いやすい」、こうした職場環境が「働きやすい」との声につながっています。現在、女性従業員からの要望を受けて、更衣室の改修を検討中。さらに働きやすい職場づくりを目指しています。
株式会社アークスの園芸部で働く女性たち。従業員の約3割を女性が占める
株式会社アークス総務部次長の山本さん
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