1 新型コロナウイルス感染第4波による全国的な感染者の増加
●知事
皆様、おはようございます。令和3年度がスタートをいたしました。清新な気持ちでまた皆様とともに、この年、実りの多いものにしていければというふうに思います。この鳥取県庁の中にも新入職員が入ってくる季節となり、それぞれの会社でも、学校でも、それぞれの年、桜の中でスタートをするかと思います。皆様にとりましてこの令和3年度、すばらしい思い出の年となるよう、心よりお祈りを申し上げております。
そういう春の陽気とは裏腹に、今、覆いつくしていますのは新型コロナ[ウイルス]であります。私は現在、日本全体が新型コロナ第4波に入っていると思います。これを恐らく政府なり、学者の皆さんもはっきり言うべきだと思います。国民の皆様にもそうしたメッセージを伝えないとなかなか気分を変えて、じゃあ、ちょっと行動の抑制を一生懸命やろうかということにならないわけでありますが、どうも大きな組織の常として、どこかにエビデンス[根拠]があったり、誰かが証明しない限り、そうした第4波だということを言い出さないというのは残念な感じもいたします。
ただ、いずれにいたしましてもこの第4波が今、只中にある。それで、現在の状況はと言いますと、大阪[府で新たに確認された新型コロナウイルス感染者数は]、昨日[3月31日]599名でありました。また、兵庫県、これも200[名]を久方ぶりに超えたわけでありまして、12月1月の第3波の水準、これに戻ってきているところであります。その立ち上がりが以前の第3波よりも急速だということです。このことは注目されなければならない現象だと思います。実は私ども鳥取県の中でも起こっておりますここ数日の感染例というのは、こうした地域とかなり深い関係にあります。ついたてを立てているわけではございませんので、必ずこういう波の影響は受けるわけであります。問題はどういうふうにこれと闘っていくか、どういうふうに分析をしていくか、住民の皆様と情報共有を果たしていくか、このことではないかと思います。
今日、政府におかれましては[新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく]まん延防止[等重点]措置につきましての議論がなされていること、私は歓迎したいと思います。それで、その内容としても大阪のみならず、兵庫[県]や宮城[県]といった感染が深刻化している地域も含めて対象とするということであれば、それも歓迎をしたいと思います。できる限りのことはやっていかなければなりません。まん延防止[等重点]措置の中には、例えばスナックでのカラオケ、使わないようにしてくださいとか、それから店の中ではマスクをつけるようにしてくださいだとか、そうしたことも政令などによりましてできるようになっているわけであります。
ですから、緊急事態宣言よりもむしろ多様性のある措置が取れるようになっている条文でございまして、これをある程度使うことはできるのではないかなと思いますが、ただ、十分にやらなければならないのは、そうしたことと併せて感染のルートを追っていくということだと思います。それで、この努力が大都市部等でされてはおられるものの、まだ十分にできていないところもあるのではないだろうか。特に変異株の状況は、私どもは全量スクリーニング検査を決めました。いわば鳥取方式です。全国の流れに逆らっていますけれども、そうしないと感染ルートを追えないはずであります。ごくわずかなところで見ているものですから、鳥取県の人口比にして、今、変異株の陽性患者の数がすごく多いように見えますが、同じように検査をして、東京都であればどれほどの数字になるかというのは想像に難くないわけであります。
そうやって全部のウイルスの動きに合わせた対策を取っていかないと本当の意味の感染症の撲滅・抑制にはつながっていかないということがあり、これを1年かけて私たちは学んだはずであります。もっとこういう地方の現場の状況を政府なり、あるいは学術関係者の皆様も取り上げていただいて、しっかりとした対策が今度こそ取れて、この第4波で最後にできるようにしなければならないと思います。今のまま第4波進みますと、オリンピックの聖火リレーも始まっており、非常に危惧するところであります。ぜひ、政府としてまん延防止[等重点]措置、これは大賛成でありますが、さらに踏み込んだ措置を求めていきたいというふうに考えております。
●知事
今、本県の状況でありますけれども、大分数が増えてきまして、少し分かりにくくなったかもしれません。実はこういうようなことで2つ大きな流れがあります。実は幾つかの筋が入ってきました。まず、最初に関西方面から入ってきた筋、関西じゃないですね、東日本のほうから入ってきた筋があり、それから関西から入ってきた筋があったり、そして、今、こういう蔓延しているようなクラスターの関係のもの等が出てきている。昨日も関西方面から入ってきた新しい数字が米子[市]のほうに立ったところであります。幾つかこうやって感染の筋が入ってくる、これが同時多発的にまさにこの1週間で入ってきているわけです。
それで、恐らくは3月21日の[緊急事態宣言の]解除がありました。それで、解除があった後、全国的に動いてもいいという気分がやはり出たんだと思います。それは悪いことではありません。ただ、そのときにやはりウイルスも動いたということもあったんだろうと思います。それで、その頃に入ってきたものが今頃大きな感染を引き起こしていると、多分、全国が同じような状況だと思いますし、本県の行動分析を見ても、そうしたような動きが見えないわけではありません。親しい間柄でそうした時期にお会いをしたことがきっかけになって、その後、感染が広がっているというようなことが見られるわけであります。
これは倉吉[市]におきます事業所の社員寮のクラスターの状況であります。これにつきましては最初に、3人の方の発症が見つかりました。3人の方の陽性が判定をされました。この方とこの方とこの方になっています。それで、同じこれ第1寮、第2寮になっていますが、スペース的には一体でありますし、中でどういう交流があったのか、恐らく食事のことですとか、いろいろとコミュニティとしての集まりですとか、様々なことがあったのではないかと考えられています。それで、この中で行き来がある状態で2つ寮分かれていますが、一体となった施設でございました。
そこに関西との行き来があったのではないかということが推測をされていまして、それが発端となりまして15名の入寮者のうち11名が感染するということになりました。それで、この3人の最初の発症者を調べてみたところ、全部スクリーニング検査で変異株陽性ということになりました。それで、残りの方々もスクリーニング調査してみて全て陽性ということであります。それで、この勤務先のところも事業所を全部調べさせていただいて、お一人陽性者が出られた。それで、この方の濃厚接触者につきまして昨日判定をされ、陽性となったものであります。
これは1つの流れでありまして、全部株としては変異株のものであります。つまり1人の人から段々とこう広がっていったと、ただ、それが大変特徴的なのは、そのお一人から始まって、この寮生活をしている間に11人にかかっているということでありまして、かなり感染力が高いということですね。私どもの、9月に同じような社員寮でのクラスターが発生をしました。あのときも多かったですけども、半分程度でありました。今回は3分の2を超えるところで発生しているということであります。ウイルスの増殖量は高いと、それが感染のリスク高めることになります。それがまた悪い方向に行きますと、増殖量が高いと重症化にもつながるよと、ですから、注意すべきところなんでありますが、こういうような形で広がってきたところです。
今、何をやっているかといいますと、こういう事業所、これはまずなくなりました。これに関連した事業所、別の事業所を調べました。昨日、夜、六十何名か分、[検査結果が]判明しましたが、全部陰性だったんですね。今日また別の事業所、これも今、ローラーで検査をしています。それで、このようにして、あと、その他の関連の立ち寄り先とかも見ています。現状ではこの中では濃い感染が認められましたが、そのほかはこの一筋、この方は割と親しくされていた方だと聞いています。それ以外のところには感染が今なくなりつつ、見えなくなりつつあると、すなわち今、クラスターを閉じかけているという段階まできていると思います。
それからもう1つのほうであります。これ鳥取市の市役所のほうで、市の保健所で中心になって調べてくださっているところでありますが、我々も全面的に協力をし、クラスター対策監、本日付で私どもの[新型コロナウイルス]感染症対策本部事務局の職員となったものでありますが、そのクラスター対策監を現場のほうにも派遣をして、倉吉からこちらに回って、今、てこ入れを図っているところであります。これにつきましては最初にこういうお客様のほうから発症が見え始めて、調べていく中でこのお店の方々だとか、それから共に行動をしたりして、このお店に来られた方々等々の調査が進みました。
そうすると段々とこう陽性者が出てきたわけですね。その後、こういうふうに多くの方々、お店に立ち寄られた方々が陽性ということがあり、12人ですね、12人の利用者と店舗従業員2名で14名のクラスターということでありますが、今これ分析中でありますけども、昨日の段階で既にこのほかに17人の感染者が分かっています。この感染者の中にはお店に立ち寄っておられる方が相当数いられるということであります。ですから、このクラスター今14[名]となっていますが、実はもっと大きなクラスターであるかと思います。
そうした関係者として今、順次判明してきている方々のさらなる濃厚接触者、あるいは接触者、こうしたところをPCR検査を速やかに続けていくことで、それで何とか感染が広がっていったその経路を追い続けようとしているわけであります。こういうようなことを丁寧にやるのが鳥取方式でありまして、しかもここに至る日数が、これまでで2日間程度でここまで来ているということでありますから、大分大都会とは手法が違う。大都会ですと調べ始めて、まず調査に来てください。数日経ってから検査をする。そして、結果が出るのがまた数日経ってから、それからまた自宅待機みたいになって、段々こうやはり外に染み出る機会っていうのが実はあるんですよね。
倉吉市内事業所社員寮クラスターのリンク(pdf)
鳥取市内接待を伴う飲食店クラスターのリンク(pdf)
●知事
私どもはそこを、瞬発力を生かしてやっていくと。私どもとしては堅く、これで何とかまたクラスターを追い込んでいけるんではないかと信じながらやっているということでございます。そして、この、このクラスターの中で昨日も御報告をいたしましたが、県職員が8名含まれているということが明らかになりました。この点につきましては県民の皆様にも御不便あるいは御不快の念を抱かせたことに深く陳謝申し上げたいというふうに思います。
私自身もその一報をまず聞きまして、驚きと併せて非常に残念で悲しかったですね。職員の中にはほんとに命がけでこの新型クラスター対策、取り組んでいるわけであります。私自身も寝る間を惜しんで[取り組んでいる状況に]事実上なっておりまして、それで、いろいろ、ああだこうだ分析をしながらこのクラスターの追いかけ作業をして、さらに入院先の病院の先生方を説得したりして、これでほんとに1年間費やしてきたという身であります。
ただ、役所というのは大きいもんでありまして、全くこういうのに関わらなかった職員も中にはいるんだと思います。ですから、みんな仲間だと思っていましたが、残念ながら意識の差があったということが今回露呈をしたのかなというふうに思います。私は、新型コロナ対策というのはチーム一丸となってやらなければいけない、それは県庁の中もそうです。それから県民の皆様、医療従事者の皆様、また、御協力いただきたいお店の方々等々、やはりワンチームでやっていかないと、これはどうしようもなく厳しい闘いになります。
4 新年度からの新型コロナウイルス感染症に対する意識向上の強化
●知事
そういう意味で、4月1日、今日から実は人心も県庁の常として一新されていますので、また、再スタートを切らせていただきたいというふうに思います。
具体的には、例えば新型コロナ対策研修というのを各所属でやることを義務づけたいと思います。全ての所属で新型コロナとはこういうものだと、それでそれと闘う、予防していくためにはこういうことが大切だと。例えばお店なんかもよく話題になるけれども、この辺がポイントだよとか。それから県庁はこういうことをやっているから、こういうことにはぜひ動員かかったら協力してねと。そういうようなことをやはり新型コロナ研修として、これをきめ細かく、所属単位でもやっていく必要があるんではないか。それによりまして意識を前に向ける必要があるのではないかと思います。
また、実は職員も不安を持ちながら仕事をするという面もあると思います。健康管理ですね。私自身も自分で大分気を使いますが、家内もある意味心配をしながら見ているだろうと思います。どうしてもいろんな方と出会ったり、いろんな場所に行ったりせざるを得ないわけでありまして、社会人である以上そうであります。まして会食の場というのも禁止しているわけでありませんから、そういうところに出ていくということもあるかもしれません。
そんなようなことを考えた場合に、各所属のほうに新型コロナ対策健康観察員、これを各課のほうに配置をすると。その新型コロナ対策健康観察員、これを部局ごとにその総括をする役割の人も任命をすると。これによりましていろんな私的なことも含めて、いろいろと心配なこともあるかもしれませんし、そういうものをいち早くキャッチをして適切な対策ルートに乗せていったり、また、何か、例えば食事会は全面禁止しているわけじゃありませんが、そういう場合にこれはこうしなきゃいけないよというふうに言う人をやっぱりつくっておかなきゃいけない。
そういう意味で、組織がちょうど4月1日で切り替わりますので、新しいメンバーの中で、そうした役割分担もして新型コロナに対する意識の高い県庁にモラルアップさせていただきたいと思います。そうしたことを通じまして、県民の皆様の負託に応えられるような、謙虚な姿勢を県民の皆様に示していただきたい、そういうように県庁の職員にはこれから号令をかけるところであります。
●知事
それからこの第4波でありますけれども、手ごわいと思います。私もいろいろと、そうですね、具体名を挙げれば広島[県]の湯﨑[英彦知事]さんだとか、あるいは仁坂[吉伸]和歌山県知事だとか、徳島[県]の飯泉[嘉門]知事とか、いろいろと状況、夜な夜な報告し合ったりすることも少なくありません。それで、皆口そろえて言うのは、これはウイルスは強いと。なかなか学者さんたちもはっきり言いませんけども、今、感染力が高いので、かなりの割合で変異株があるし、また、変異株でなくても大変に感染力が強いのではないか、こういうふうに現場の我々は確信に近いものを持っています。ですから、相手が手ごわくなりましたので、手ごわい相手に向けて我々のほうも対策のほうを一段上げていかきゃいけないと思いますし、もう一度固め直す、陣備えを。そういうことをやっていく必要があるのではないかと思います。
本県は先ほど申しました早期検査、早期入院、早期治療という鳥取方式を進めてまいりました。この早期検査、早期入院、早期治療によりまして実際に亡くなられた方の数は、本当に極小に止まっていますし、それから感染者数も今なお全国で最も抑えています。特に特徴的なのは陽性率ですね。陽性率は全国ずば抜けて低いです、桁が違うぐらい低い。これは検査数が多いこともありますし、それから検査数を多くして初期で感染者を見つけるもんですから、その先延びていかない。感染者が累増する前に止めているということの証拠でもあります。
だから、多分鳥取方式というのは、全国的には馬鹿にされているのかもしれませんけども、有効に機能していると思っております。それで、身近のかかりつけ医でも検査をしていただくことは、もう秋以降定着をしてきました。これも305の医療施設、つまり9割を超える医療施設で対応していただきました。これもぶっちぎりで、全国で一番多いです。それからPCR検査機器、これについては、現在5,600検体、これ年度末ベースです。4,900でしたがさらに民間などが加わりまして、年度末で5,600になりました。これも人口当たり今最大であります。
さらに[令和3年度]当初予算、先週成立したものを受けて6,000検体レベルに上げるように予算組みもしまして、さらに体制強化を図ろうとしているところであります。また、陽性者の家族については即日検査をして、幅広に検査をする、先ほど申していたことですね、即日入院、それからバイタルメディカルチェックをする、こういうことをして重症化を防いでいこうということであります。自宅だとか、療養施設で亡くなる方というようなことは、ぜひとも鳥取県ではないようにしようということであります。入院受入体制についてでありますが、最大確保病床を今、増床しようとしているところであります。それで317[床]と言っていましたが、321[床]に現在増えることとなりました。この4月からですね、4床増床させていただいております。
また、確保病床といわれるもの、これも今の急増傾向がありますので、今、病院と相談を始めています。なかなか御理解を得ながらやっていることになりますが、できるだけ今月の中で、この病床の確保、これを前倒しをしまして、321確保していますが実際に今すぐ入れる病床として空けておくものも増やしておこうということであります。こういうようなことで1つには準備をし、あと、療養施設というものも活用できると思います。
例えば今、倉吉のほうにクラスターがありましたが、軽症者については東部などのそういう療養施設のほうに移っていただくというようなこともやりながら病床の負担を減らすことも考えていけると思います。それから、変わった対策としてはスクリーニング検査、これ全数実施するということをやっています。仁坂和歌山県知事とも話しましたら、仁坂さんのところもこれ始めたんだそうです、全数検査を。やっぱりこれをやっておくと、神戸も多分そうなんだろうと思うんですが、患者さんの追いかけ方が変わってきます。ですから、やはりこれはやるべきなんではないかと思いますが、国は5~10%、それを、4割を目指すとか言っていますし、大都市部はなかなか進まないようでありますが、私どもは意地でもこれをやっていこうと、そういう変異株のスクリーニング検査ということをやる。
それから衛環研[衛生環境研究所]のほうで遺伝子観察解析体制、これも整備をして、国立の感染症センターに持っていかなくても、我々で自前でできるようなところをやろうと。既に機械は入っています。研修等も受けていまして、後はそれを使いこなせるかどうかです。いろいろと今、実習している感じですかね。これがうまく整っていけば、多分全国で一番早くスクリーニング検査ができる、遺伝子解析ができるという県になるのではないかと思います。
第4波に備える本県の新型コロナ対策 1(pdf)
第4波に備える本県の新型コロナ対策 2(pdf)
●知事
それから変異株に高いウイルスの拡がりが見られる場合は、感染増大警戒情報を発動するというようなことも我々想定をさせていただいてきました。また、今回のクラスターの状況から、東部の飲食店、鳥取市などとも協力をしながら巡回指導をやっぱりやったほうがいいのではないかと考えております。今、まずはその患者を追いかけるところで手いっぱいでありますけども、さらに一旦の落ち着きを見せてきたら、こういうことがないようにやはりお店のモラルアップを図る必要があるのではないか。また、場合によっては検査センター、これも必要になればやると。
米子[市]で一度、前の第3波のときにやりましたけれども、あの後本当に米子[市]のほうは結構静かになりました。ですから、やってみる値打ちはあるんだろうと思います。それは視野に入れて今後も考えていこうと思います。それからあと、コロナ克服緊急応援金、これは好評でありまして、これの応募がありますが、これ、特に飲食店については4億円ほど増額をしまして、4月30日まで延長してやっていこうということにいたしております。それからそのほかの感染症対策をガイドラインによってやっていくこと。これも改めてこの機会、第4波が始まりますので各業界のほうに徹底をしていきたいというふうに思います。
また、青森[県]がちょっと心配されることに、社会福祉系の施設でクラスターが大きいものが2つ発生をしたと、80名ぐらいの新規陽性者になりました。そういうことを防ぐためにも体調不良者が出たらすぐに通報するとか、それで陽性検査を入れますよとか、それから応援のチームづくり、この辺も第4波に向けて体制の立て直しを図ってまいりたいと思います。そういう中で、本県として独自のものであります。全国でこういう情報は多分出していないと思いますが、大分いろいろと勉強をさせていただきまして、その結果、やはり県民の皆様とも共有しておく必要があるんではないか、そういう判断に至りまして、景山先生[景山誠二鳥取大学医学部教授]、鳥取大学のほうとも相談をし、新型コロナ感染増大警戒情報を本日、発令をさせていただきたいと思います。
これは先ほど申しましたように、ウイルスを感染させる蓋然性が高いウイルス量が多い感染者、こういうことについては、やはり通常の新型コロナと違って百発百中的にかかる可能性がある。ですから、普段だったら、このぐらいでいいということを、もう、ちょっと今こういう状態なので、できればマスクを徹底しとこうとか、それからもう3密のところはやっぱりちょっとこの出ている間は避けといたほうがええとか、そういうように行動規制を皆さんのほうでもしていただければというふうに思います。
1つは分かりやすいほうでいいますと倉吉市、これについては変異株のクラスターがございました。この変異株のクラスターから派生をしまして事業所の方とその濃厚接触者の方に広がったところであります。今その先を封じようとしていますけれども、こういうことでウイルスの感染力が高いもの、変異株と言われるものが、今、出回っているということでありますので、倉吉市についてはこの感染増大警戒情報を発令させていただきました。
それで後、鳥取市のほうなんですが、先ほどの大きなクラスター、飲食店のクラスターがあります。今14[人]となっていますが、多分、鳥取市の分析でもっと大きな数のクラスターということで再整理されると思います。これ、まだ広がり続けているような状況であります。これも分析をしてみますと、Ct値といわれる値があります、これ我々のほうで、これ全国どこでも使っているものなんですけど、計測値でありまして、このCt値が低いほど感染力がある、ウイルス量が多いということです。このCt値が低いほどウイルス量が多い。それを見て、それで陽性とか、陰性とか判定するときに使うんです。それで、その中で特に陽性の度合いの高いもの、Ct値25未満、これは、つまり何が起こっているかというと、ウイルスの量が多いということですね。ふつうの患者さんよりもウイルスの量が多い、そういう方を見てみますと、これ実は東部地区での陽性者の中のCt値25未満の方ですね。その数字を御覧いただくと大体こんなような感じで推移していんですが、現状どうなっているかというと、こういうように急増しているんですね。それで、今までの感染が起こってきたレベルよりも倍ぐらいのCt値25未満の方の数が出ていると。短時間で非常に特徴的な状況にあると分析をされます。
つまり、今この原因となっているのは、恐らくはこのクラスターだと思います。このクラスターの連鎖がばらばらに見えますけど、実は全部こう線でつながっているんですね。それで、この線でつながっているもので、それが株といわれるもので、それが変異株かどうかというのに日本全国は注目をしますけれども、この線でつながっているこの人たちについても、実はCt値というところで見ると、このように高い人たちがやたら多いということです。変異株の先ほどの倉吉[市]のケースと比べてもあんまり変わらないです。だから、変異株並みのやはり感染力があると思ったほうがいいのではないか。
これ多分、学者さんだとかからしますと、エビデンス[証拠]がどうとかいうことをおっしゃるんだろうと思うんですが、ただ、学者さんたちもなぜこんなにそのCt値が低いかっていうことについては、何らかの理由があるだろうと言わざるを得ないと思います。我々まだ解明できてないけれども、何かこう注意しなきゃいけないウイルスのその連鎖が今、起きていますよと。このことはやはり県民の皆様と共有する必要があるのではないだろうか、そういう意味で新型コロナ感染増大警戒情報っていうのを、今日[4月1日]、鳥取市にも発令をさせていただきたいと思います。
理由としましてはウイルス量の多い感染者が連鎖的に多発しており、地域におけるウイルスの密度が高くなっているということであります。それで、倉吉については変異株によるクラスターが確認をされ、周辺のものにも広がりがあるということであります。簡単に言うとうつりやすくなっていますよと、このことを覚えといていただきたいと思います。年末年始も申し上げました。年末年始も直観的ではありましたが、こういう分析までは十分できていませんでしたけど、後から見るとこうなっていました。
それで、やっぱり何らかの理由があったんだと思うんですね。非常な確率で伝わったということでありましてやはり注意レベルを上げなければいけないってことです。それからマスクの着用等基本的な予防習慣、これで大丈夫ですから、それを一生懸命やりましょうということ、また、調子が悪くなったら迷わず相談してください。こういうことであります。
新型コロナ感染増大警戒情報を発令(pdf)
7 全日本空輸(株)(ANA)および西日本旅客鉄道(株)(JR西日本)からの県職員への派遣受け入れ
●知事
それから今日4月1日でありますので人事異動がございますが、本県非常に特徴的なことは新型コロナという中で、経済の中での鳥取県としての役割も果たしていきたい。それで、関係方面と協議をしてまいりましたが、お一人は全日空[輸株式会社]から今日4月1日付で職員を受け入れることといたしました。私はその全日空の方の志、非常に高い志の方というふうに判断をいたしまして、それで[交流人口拡大本部]観光誘客ディレクター[兼 総務部参事]という職名のポストを与えることにさせていただきます。また、同じようにJR西日本[西日本旅客鉄道株式会社]からも受入れの打診がありました。この方については[中山間・地域交通局地域交通政策課 課長補佐 兼]地方交通主幹という職名を与えることにいたしました。
それで、民間の視点での国内外での観光誘客のプランづくりだとか、商品開発、あるいはCSのチームリーダーなんですね、カスタマーサティスファクション[顧客満足]、それで、豊富な経験や実は中国にも行っておられた方でありまして、接客業務っていうのは役所のその高感度アップ、おもてなしにもつながると思います。そういうこともお手伝いいただけないか。また、観光事業者、宿泊事業者、そうしたところにもいろいろと研修をしていただくということもあるんではないか、このように考えています。また、JRさんのほうでも広域的な視点も含めた鉄道交通の今後の活用方法とか、それからMaaS[ICT を活用して交通をクラウド化し、マイカー以外のすべての交通手段によるモビリティ(移動)を1 つのサービスとしてとらえ、シームレスにつなぐ新たな「移動」の概念]といわれるようなそうした新しい取組、こうしたことへのチャレンジなど、手腕を発揮していただきたいというふうに考えております。
ANA及びJR西日本からの派遣受入れ(pdf)
8 (株)タカショーGLD-LAB.ソフトファクトリー鳥取の操業開始
●知事
こういう新型コロナで、今、急速に需要が減ったところ、それについて受け入れるということを私どものほうでもさせていただき、それをお手伝いすることが持続可能な日本経済の発展になると考えております。また、[株式会社]タカショーという会社があります。インテリアなどを扱っているところがこのたび鳥取のほうでアプリについての事業所を、今日開設をすることとなりました。私どもは企業の地方分散の事業支援で応援をしていきたいというふうに考えております。厳しい中ではありますけれども、いろいろとチャレンジをしながら、これからの鳥取県の経済社会持続的発展へと導いていければと思います。
●知事
そういう意味で産業成長の戦略をまとめさせていただき、コロナ禍からの再生、それから持続的発展、キーワードとしてはデジタルトランスフォーメーションであるとか、グリーン社会であるだとか、あるいは副業人材であるとか、そうした様々な挑戦をやりながら2030年には2兆円のGDP、1兆円の製造品出荷額、これを目指す体制をつくってまいりたいと思います。今日、このプランのほうは発効をさせていただくことといたしたいと思います。
●知事●
新型コロナとの関係でいろいろと今、言われていることの1つに聖火リレーがあります。この聖火リレーについては、今、福島[県]でスタートをして栃木[県]、群馬[県]とバトンが引き継がれているところであり、いずれは山陰に入ってくるのではないかと思います。私はオリンピズム、スポーツを通じた世界が一つになり、平和を我々としても共有をする。そういうことの精神の大切さというのは理解をいたしますし、それが地域の若い人材、未来を担っていく人材にとりましても希望になったり、あるいはそれぞれ苦労されている方々、特に今、コロナ[禍]でありますので、勇気をもらえるきっかけにもなるんではないかなというふうに思っております。
ただ、やり方は工夫しないといけないのではないか。ですから、鳥取県としては見直しをする必要があるのではないか。1つにはお金の問題であります。やはり多額のものをかければいいんですけども、東京[都]の目線で全部金太郎飴よろしく同じような事業をやる。そのためにたくさんのお金を使ってしまうのであれば、その地域に合ったやり方、工夫をして浮いたところはぜひ新型コロナ対策のほうで使わせてもらうと。そのほうがこの聖火リレーをみんなで応援しようという気持ちにもつながってくるんではないだろうか。こういうように一つには考えるところであります。
また、現在、新型コロナ第4波の只中にあります。鳥取県も関西の影響を受けたと思われ、今、第4波の中に入ってきているところであります。そういう中で聖火リレーをやるからには感染症対策、これをしっかりと考えなければならない。そういう意味でパレードをたくさんやって、それで、注目されるような、人が集まりやすいことをやることが果たしていいのだろうかと、オリンピズムの精神からいえば、地元の人たち、老若男女が、あるいは障がい者もリレーをつないでいくということのほうによほど価値があるし、本質ではないかというふうに思います。それで、粘り強く、今、オリンピック組織委員会とお話もさせていただいておりますし、当然ながら地元の市町村長さんなどとも相談をさせていただいております。
今日段階ではまだ最終案には至っておりませんが、もう1週間ほどかけて最終案を目指していきたいと思います。それで、大体、全体のコースの7割程度は見直しをしていくと、今、割と結構長いコースを走るようになっていますけども、それが必ずしも必要でないんではないだろうか、特に福島[県]等での聖火リレーを見ていますと、スポンサーの車列がずらずらと並びまして、かなり賑やかにやっています。オリンピックの盛り上げということでもあり、また、スポンサーとしての情報発信の場ということもあるのでありましょうけれども、ただ、それも必要最小限にしてもいいんではないかなと、見直しをしていくと、そのコースを短くして、それで、短くするとかそういうような見直しをして、そこを工夫をして、ランナーがリレーをつないでいくというような余地は十分にあるんではないかと。この辺を今、交渉の1つのコアにしております。
また、いろんなイベント性の高いものがありますが、そういうものも手作り感でやっていくことなどで、そうした経費も浮かすことができるんではないだろうか、そうやっていけば他県でやっているものよりも2割とか、3割ぐらいは、3分の1ぐらいは減らせるのではないかなと思います。ちょっと、これ、今、交渉中でございますけれども、そういうような形でやはり感染症と十分配慮できるという我々としての考えの持てるものにさせていただき、それと併せて経費的にもコロナ対策に支弁できるような、そういう余地をつくらせていただきたいと思います。
これから、新年度がスタートをいたします。コロナとの闘いの2つ目の年になろうかというふうに思います。ワクチン接種も進めてまいりまして、ぜひとも次の年、ちょうど今頃には別の桜を見ていけるように我々としても全力を上げたいと思います。私のほうからは以上でございます。
○記者
すいません。幹事社の読売新聞です。大阪等に蔓延防止等重点措置を取られようとしていますけれども、鳥取県、例えば、県民のそのような対象地域と県民、鳥取県との往来、そういうことに関してまたさらに強化するとかいうお考えというのはありますでしょうか。
●知事
今、政府の動向を見なければなりませんが、まん延防止[等重点]措置を決定されるということは、感染が急拡大をしているという定義に当たるからであります。すなわち、やっぱり人の往来については考慮せざるを得ないと思います。ですから、明日、今日仮に決まれば、私どもの新型コロナ対策本部を、招集をさせていただきまして、県民の皆様に向けまして、今、想定されているのは週末以降のまん延防止[等重点]措置であろうかと思います。ですから、明日、それの前に対策本部を、開催をして、方針を決めさせていただきたいと思います。
1つ想定しておりますのは、大阪府、兵庫県、宮城県といったところがまん延防止[等重点]措置の対処となるのでありましたら、そうした地域との往来については基本的には控えていただくと。ただ、兵庫県但馬のほう、特に但馬西部のほう、こうしたところは鳥取県との生活圏域が重なるところがあります。それで、そうした地域については感染状況を精査の上、そこは除外をした往来制限というようなこともあるのではないか。前、緊急事態宣言のときも同じような議論をしましたが、まん延防止[等重点]措置は緊急事態宣言ではないとは言っても、現実に今は兵庫県、それから大阪府は既にステージ4に入っている数値もあります。相当程度、今、急上昇をして悪化してきているところであります。また、我々の調査の中では、今、県内で起こっている感染はかなりこうした地域と関連があります。したがいまして、やはり往来については慎重にやることを考えるべき、そういうタイミングに入ったと思います。
○読売新聞 安恒勇気 記者
各社質問あればどうぞ。
○NHK 小山晋士 記者
NHKの小山です。先ほどの感染増大警戒情報なんですけど、初めて出すということなんですけど、1月当時、言っていたときは記録的短時間大雨情報のような形ということで、改めてもう一度これを出す意義、あと、注意してもらいたいことをお願いします。
●知事
新型コロナと一口に言っても、実はおよそ2週間ごとにウイルスは入れ替わるとも言われています。なぜかといいますと、長いこう遺伝子がありまして、それの一部が少しずつコピーをされるときに変わってくるんですね。それで、そういう中で変異株と今、言われるようなものがあったり、それ以外にも別の個性を持ったウイルスがあります。ただ、新型コロナにつきましては割と修復性があると言われていまして、全く別のものにどんどん変わっていくわけではなくて、ある程度のところをキープしながら変わっていくというように学者の方々は分析をされています。
それで、これまで1年くらいこの新型コロナ対策をやってきましたが、新型コロナの同じ陽性者が出ても、その次の方にうつる、これは入ってくるその状況によって大分違うということが分かってきています。たくさんの方にうつす方がいらっしゃったり、そうでなかったりということがあります。また、クラスターが起こってもクラスターの中の感染率、これが違ったりします。それで、それは何によるんだろうかということです。結局そのウイルスにも強い、弱いというものがあるのではないだろうか、その強いウイルスがあれば暴風警報というように、あるいは記録的短時間大雨情報というように我々は言ったほうが分かりがいいんじゃないかと。
それで、単にコロナの患者数が増えていますよ、入院者数が増えてきましたよっていうことだけでは伝わらない危険性というのもあるんではないだろうかと思います。そこで、あえてこのCt値というのに着目をさせていただいて、それで、Ct値が極めて低いもの、それでそういう意味でかなりの確率で次の人にうつしてしまうだろうと、それからもしかするとこの人も重症化してしまうという、そういう方のカテゴリーに注目をし、その状況を、今フォローしています。そのサーベイランスをした結果、この鳥取市のものも倉吉市の変異株と同等にやはり感染増大を警戒するべき対象だというふうに考えたところであります。
クラスターが閉じられてくるとか、今後この感染の恐れがなくなってくるということであれば、そこで解除させていただきますが、こういう株がやはり続いていく限りは感染がどんどんと加速度的に広がることもあり得ますので、やはり行動については慎重な上にも慎重にすべきときであります。ただ、こうしたウイルスはいつも出回るわけではありません。ですから、そういうタイミングがあるということだと思います。
○NHK 小山晋士 記者
関連してなんですけど、当時は、もちろんさらなる感染予防の徹底で今回呼びかけていますけど、医療機関や福祉施設の従事者や利用者に対して幅広いウイルス検査を行うと当時言っていたんですけど、それは今回の場合行うんでしょうか。
●知事
それもこの今これから調査が進みます。その状況によっては即時にまた発動させていただきます。現在は今、調査を進めていて、例えば倉吉市のケースではこれは大体収束に向かってくれないかなと今、思っています。そうであればこれで一旦は落ち着くかもしれません。それで、鳥取市保健所も今、非常に精力的に動いておられますし、私どももクラスター対策監を、投入をしてその抑え込みに入っていこうと思います。ただ、これが市中に染み出してきたのではないかと見られる場合には、やはり予防的に心配と思われる施設についての一斉検査などはやるべきタイミングも来るかもしれません。そういう前提でこの警戒情報を出させていただいております。
○中国新聞 小畑浩 記者
すいません。中国新聞の小畑です。この感染増大警戒情報に関連しての質問なんですけれども、まず、1つは鳥取市東部のほうでCt値25未満という数がかなり上っているということなんですけども、これはやはりクラスターの関係の方々なのかという確認が1つ、あと、倉吉のほうは変異株であるということなんですが、こちらのCt値の動向はどのように見ていらっしゃるかということもお願いします。
●知事
もしあれでしたら、ちょっとまた詳細の資料は後ほど差し上げてもいいですが、この何か、これはもうほとんど、このクラスターの関係です、ほとんど。そのクラスターがつながってきますね、感染の連鎖が。それで、それを我々追っているんですが。これが全部というわけではないです。それで、何人かのところでこう、強いのが出ているようです。それで、ただ、この強いのが出た人から枝分かれするのが多いですね。だから、やっぱりこういうのは多分、以前はスーパー・スプレッダー[多くの人へ感染を拡大させる者]って言ったんだと思いますけど、そういうものを生む背景というのが多分あるんではないか。それで、そういうような目安として、やっぱりこういうCt値25というのも有効ではないかというふうに先生方と相談をして、ここに至るわけです。だから、今回のごく初期によくスーパー・スプレッダー[多くの人へ感染を拡大させる者]ってこと言われましたけど、今回、複数のそういう人が出ているんですね、このクラスター関連で。それで、そういうのが実は根っこでつながっていたと、それで、何がつながっていたかっていうとウイルスのタイプでつながっていたっていうことだと思うんです。だから、そういう意味でこういう手法をちょっと鳥取県独自ですけど、参考にしていただく意味はあるんじゃないかなというふうに思いまして出させていただいたところであります。
厳密にはこの中にはそのほかのものも若干含まれていますけれども、ただ、基本的には今回はこの飲食店クラスターですね、あと、すみません。あとは倉吉市、倉吉市も実は大体ちょっと見た感じでは発生頻度は同じような感じですね、同じような感じで、倉吉市は例えば、多くの行政の方々、あれが全部この25未満になるとは限りません。ちょっと後でまたデータ見ていただいたらいいと思いますけど、[Ct値が]半分かそこらだったんじゃないですかね、[Ct値]が半分ないかもしれません。ですから、そうしたそれがそのぐらいの感染力でああなったということですね。それで、今回、鳥取のほうもそれと同じような感じで、全部ではないですが、飛び飛びに感染経路のルートの中で強い人が表れているということです。
○日本海新聞 岡宏由紀 記者
すいません。日本海新聞の岡ですけど、今回の鳥取の飲食店クラスターの件なんですけど、これはお店のほうで利用した人っていうのは完全に把握しきれているのかどうかっていうのはちょっと気になるところなんですけど、その辺りの御認識のほうはどうでしょうか。
●知事
これについては正直なお話を申し上げれば調査中だと思います。お店のほうからはそういう意味で全員と連絡をしているというお話もあり、現実のことを申し上げれば連絡があったのでということでPCR検査を受けに来られる方もいらっしゃいます。ですから、何らかの連絡を取っておられるということだと思います。今、これ一義的には鳥取市保健所が当たっておられるところなんですが、そこに応援として私どもクラスター対策監も入って、そこら辺が全数なのかどうかの言わばチェックを我々なりにもかけていかなければいけないと思います。
ちなみに今までもそういうことをしておりまして、境港市のクラスターのときはお店の方と、私どものクラスター対策監相当程度やり取りをして、そのリストが適正かどうかのチェックをいたしました。それで、その結果全部ではないかという調査結果でありました。それで、米子のケースにつきましては通知しているというお話なんですが、私たちは正直あんまり信用してなかった。それで、その後、実際にはかなり幅広くPCR検査募集しましたので、そこで出てきた人の中にお店に立ち寄った人というのも現れてきまして、陽性者もいたりしました。ですから、それで、店舗の公表に踏み切るということになりました。今回も同じ手続きを鳥取市管内ではありますけども、クラスター条例については踏むことになると思います。
○日本海新聞 濱田匡史 記者
すいません。日本海新聞濱田です。先ほどの質問と関連してなんですけども、ちょっと僕らのほうにも、読者の方から自分の家族が接待を伴う飲食店を利用していたんだけども、今回鳥取市でクラスターが発生している店じゃないのかっていうような問い合わせが我々のところにも入ってきているんです。店名公表されてないのでお答えしようがなかったんですけど、県民の中には自分の家族とかがそういうお店を使ったのもという不安を抱いている方もいるんですけど、現状ではその連絡がついているので店名公表までは至らないということなんですけど、例えば、相談センターかどこかに、そういう心配な方が電話をしてこられて自分はこういう店に行ったんだけども、その対象店ではないですよねっていうことで、相談ができるようなやり方っていうのはあるんでしょうか。
●知事
それはちょっと鳥取市保健所さんや鳥取市と協議させていただきたいと思います。そこは御不安を解消していくということは可能だと思いますし、実は、我々はクラスター条例のお話を申し上げて、クラスター条例では全員に通知したら公表しないという扱いですけど、鳥取市さんは鳥取市さんで公表できるんですよね、あちらはあちらの保健所の権限がありますから、だから、そこはちょっとよく今後調整をさせていただきたいと思います。
○日本海新聞 濱田匡史 記者
その場合はあれですかね、窓口は県のほうの相談対応かなんかになるんですかね。
●知事
相談センターと言われるものは、実は保健所ごとにつくっていまして、鳥取市の相談センターに多分電話がかかるはずです。ええ。また、よくちょっと今の趣旨は分かりますし、米子のときなんかもそういうアドバイスはしていたと思います。不安な方はPCR検査をこの際受けていただければ行政検査で対応できますし、はい。ちょっとやり方の工夫を相談してみたいと思います。
○日本海新聞 濱田匡史 記者
ありがとうございます。
○時事通信 今泉悠 記者
すいません。時事通信の今泉です。聖火リレーについてなんですけれども、現在交渉中ということなんですが、県の主張というのはどれくらい受け入れられそうな手応えなんでしょうかということと、全てが受け入れられない場合は、どういうところに落としどころをつくるのか、あるいは全く受け入れられなかった場合にどうするのかという点を教えていただけますでしょうか。
●知事
これは[公益財団法人東京]オリンピック[・パラリンピック競技大会]組織委員会がやっている行事という性格でございまして、実は県に執行権がありません。ですから、全面的には向こうが権限を持っている、そういう契約関係の仲であります。ただ、私どもも県民の皆様のお考えのこと、あるいは我々が新型コロナ対策にかけている想い、こういうことも含めて精力的に協議をさせていただいております。特にオリンピックの聖火リレー問題、これが世情社会問題化した後、その後ただちに我々は組織委員会側に協議を投げかけさせていただいております。正直申し上げまして最初の頃は、結構隔たりがあったと思います。今そのお互いの立場の差を埋めてきて、今日に至っていると思います。
それで、今のところ、合意の基本線というのは見えてきておりまして、それはおおむね7割程度ぐらいはルートを見直していくと。それからイベント等、そうした華美なものを見直しをしていくと。そういうことによって、経費というものを2割とか、3割とか減らしていくと。こういう方向性については、基本線、合意に至っているんではないかと思っております。ただ、もちろん具体的には、誰が、いつ、どう走る、どこでやるということがありますので、その辺はもう1週間ぐらい時間がかかるかなと思いますが、そういう縮小の方向で大筋合意できていると思っています。
○時事通信 今泉悠 記者記者
すいません。関連してなんですけども、今度、パラリンピックの火をとる採火とその火を県内で集める集火というのが、そのイベントが8月12日~16日の間であると思うんですが、先日組織員会で発表されたスケジュール、内容を見ると、具体的な県内の開催場所と内容というのが調整中になっているんですけれども、これも聖火と同様に具体的な契約はまだせずに、保留しているような形なんでしょうか。
●知事
これにつきましても、今、新型コロナの感染状況は季節がまた変わりますので、どういう状況なのかということもあろうかと思います。よく見極めをしながら、聖火ビジットということを考えていきたいと思います。パラリンピックの場合は、聖火リレーで公道をみんなで走るとかいうイメージのものとはちょっと違いまして、いろんなところで採火をしながら集めていくと。それが障がい者の施設などを訪問するとか、大分お祭り騒ぎというよりはシンボリックな感じの色彩が強いと思います。ですから、丁寧にこの案というのも取りまとめをしていきたいと思いますが、感染症が仮に拡大していますと、そういう障がい者施設を訪問する等についてやはり工夫なり、配慮なり必要かもしれませんし、むしろ、そういう訪問行事のようなことは中止して別のことをやるというのがいいかもしれません。ちょっと現段階では、その最終の方向性までは見極められないということで調整中ということであります。
○日本経済新聞 毛塚正夫 記者
地域金融についてお伺いしたいのですけども、昨年、菅首相が地域金融機関は多すぎるというようなことを言って、それ以降、提携とか再編なんかの機運が出てきていますけども、現に金融機関の事業というのは、利ざやで稼ぐビジネスモデルが成り立たなくなりつつあって、コロナの影響もこのままずっと続くということになれば、それに追い打ちをかける要因になってくるんではないかと思うんですが、その一方、鳥取山陰の地域条件特有の要因というのもあろうかと思いますが、鳥取山陰の金融の再編というのは進むべきか否か、その辺どのようなお考えをお持ちであるか、お聞きしておきたいんですが。
●知事
私ども、今、新型コロナの真っただ中にありまして、他地域とはちょっと違うテイストがありますが、新型コロナ当初から、金融機関のトップの皆様と意思疎通を図ってまいりました。具体的には災害時にやっているような金融制度、融通の利く制度を1月にスタートをさせていただきまして、2月には保証料の無償化をし、3月には利子の無償化をさせていただきました。これで国は4、5月からスタートさせていますが、それに先立って、今、私どもは展開をしました。このときに金融機関を1件1件回りまして協力を求めたわけであります。恐らく当時はまだ3月頃でありますけども、これから例えば中国で起こったと思われていましたから中国との取引業者も多いし、あそことの影響もあるだろう。
また、人手がなくなってくるというようなことになるといろんな飲食だとか、観光だとか影響が出るだろうと、こんなようなことを申し上げながら、そういう零細業者も含めてやっぱり金融でつないでほしいと、ファイナンスこそが今必要だということを実は説得して歩いたんですね。それで、金融機関側も兼ねて取引先との関係でやはりどうしても経営困難を抱えている事業者っていうのは、山陰は少なくないと思います。そういう中で、行政のほうで無保証料で無利子の融資というのを用意しようというのは若干渡りに船だったのかもしれません。
それで他地域と違いまして、本県は国の制度が始まる以前から爆発的にこの融資を広げていったんです。それで、他地域と比較しますと、今もいわゆるコロナ倒産というものは極めて少ない。それはファイナンスで今つないでいることができているからでございます。先般も金融機関のトップの方々と2月に相談をさせていただいておりまして、これからテイクオフをいずれしていかなきゃいけないんでしょうけども、戦略的にやはり企業さんを、取引先を支えていこうと。それで、県のほうでもこの融資期間をこの6月まで延長しますということをいたしました。
融資の状況からしますとその特別な融資で1,700億円の融資残高です。本県の金融の貸付総残高は1兆7,000億です。実に1割が今回の新型コロナの制度融資であります。多分こんな県ないんじゃないんでしょかと思います。それで、このような信頼関係の中におきまして、金融機関にも言わば地域の屋台骨として支えていていただいておりまして、私はその存在を評価させていただいております。金融機関もそれぞれに今回のこの新型コロナというのは今後の事業展開のターニングポイントになり得るわけですね。それで、危機感を持って自分たちの取引先を支えようということで、今、頑張っていただいております。
私は無理に統合する必要まではないのではないだろうか。むしろそうした中で、信用金庫は信用金庫なりの零細企業中心のお取引先を大切にされ、それから地銀さんのほうでそれ以外のところ、得意企業がそれぞれございますのでそうしたところを支えていただく、この動きを見守りたいというふうに思います。私自身は経営トップの方々ともときおりお話はさえていただきますけれども、基本的に皆さんはそういう独立した経営ということを目指しておられると感じておりますし、私はその方向性を地域としても支持していきたいと思います。
○毎日新聞 野原寛史 記者
毎日新聞の野原です。すいません。聖火リレーの件でちょっと戻らせていただきたいんですけども、先ほど7割程度見直しで、経費も2、3割圧縮ということでしたけども、コース圧縮するのであればランナーの数とかはどうなんでしょか。たしか以前の方針では原則スライドして走れる方はそのまま決まった方というような方針だったかと思うんですが、はい。
●知事
短縮というわけではないんですが見直しをすると、7割方見直しをするという意味であります。その中身をどうするか、短くするかどうかも含めて、今、見直しをしているということでお考えいただきたいと思います。それで、その見直しの中で、私自身はやっぱりオリンピズムというものがあると思うんですね、オリンピック精神。それで、それを地域でも共有をして世界とつかながっていくということは大切だと思いますので、市民ランナーの皆さんが走られたいわけだろうと思いますし、それをまた周りの方々も支えておられる。中には鳥取県の場合は、障がい者のチームが参加するとかもあるんですね。それで、そういう機会というのは、私は大切だと思いますので、それぞれの人がトーチに触れる、そういう大切な時間は確保したいと思います。ちゃんとそういう意味で皆さんが走れるようなことにしたらいいんではないかと思います。
ただ、一般言われるような去年の今頃なんか多分有名人ランナーが走って、みんなが集まって来てにぎやかにやるっていうイメージだったんでしょうけど、私はその必要がないんじゃないかんと思います。有名人ランナーをたくさん集めてとかということだとかいうよりも市民主体、市民ランナー主体の愛情のこもった鳥取らしい聖火リレーでいいんじゃないかと思っています。全員走ってもらおうと思います。はい。
○毎日新聞 野原寛史 記者
著名人のランナーに関しても以前決まっていた方は原則そのままということなんでしょか。
●知事
著名人の方については話合うことになると思うんですが、別に必要はないと思います。
○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者
すいません。まん延防止[等重点]措置の関連でちょっと先ほどおっしゃったんですが、まだちょっと分からないところがあって、明日、今日決まれば明日対策本部会議を開いて何らかの県としての対応を取られるという中で、対象地域との往来は県民に控えるよう多分強くメッセージ出されるとは思うんですが、その逆のこともあって、要するに関西地方の緊急事態宣言が解除されて以降、向こうから観光客結構やって来ていると。それで、行くなっていうだけじゃなくて来るなというメッセージもそろそろ必要じゃないかなと思うんですがその辺りなかなか言いづらい部分もあると思うんですが、その辺りどのように考えていらっしゃいますか。
●知事
その辺も何らかのメッセージをやはり考えざるを得ないんだろうと思います。恐らくちょっと今日見てみないといけませんけれども、まん延防止[等重点]措置にどの程度のことが入ってくるのか、今までに実はなかった制度でして、今までの緊急事態宣言であれば、そこには県境またいだ移動についても言及されてました。ただ、まん延防止[等重点]措置の場合そこに言及されるのかどうかっていうのはちょっと見てみなければいけないと思います。ただ、専門家の御意見など昨日も大分噴出しましたけれども、まん延防止[等重点]措置やるぐらいだったらもう緊急事態宣言じゃないかと、私も本音はそうだと思います。それぐらいレベルは非常に深刻だと思います。
ただ、まん延防止[等重点]措置を歓迎すると申しますのは、緊急事態宣言よりも使えるかもしれないですね、こっちの制度のほうが。それで、今までの緊急事態宣言で何を東京都がやってきたというと、要は時短営業のことばっかりであります。それで、うまくいかなかったから失敗してこうなっているということでありますから、ですから、やっぱりもっと別のことをやり始めなきゃいけないんだと思うんですよね。私たちは鳥取でやっているようなこういう鳥取方式みたいな地道な活動っていうのはやっていきたいと思いますし、大都市部もちったあ見習ったらいいと思うんですけども、なかなかそのつもりがないみたい。
それで、そういうようなことでございますが、それ以外にも例えばさっきちょっとちらっと申しましたが、スナックでカラオケがあるけど、カラオケの使用停止だとか、あるいはマスクの着用義務だとか、こういうのは緊急事態宣言では入っていなかったそういうまん延防止[等重点]措置の対象メニューにあるわけです。それで、こういうものを活用するなどして従来とは違った、要は緊急事態宣言というメッセージが届かなかったわけでありますから、まん延防止[等重点]措置のという従来とは違ったパッケージの中で、新しいメッセージが国民や事業者に伝わって行動変容につながれば、それは緊急事態宣言よりも却っていいのかもしれないと。レベルも問題をよく言いますけども、レベルよりもやる中身の話なのではないかと思います。
そういう意味で、そうした様々な対策を、恐らく今日盛り込んでくるんではないかと思います。そういう中で、人の往来であるだとか、様々な記述を見た上で、対策本部でこういうまん延防止[等重点]措置という新しい事態に即した隣県としての立場、考え方これをまとめていきたいと思います。
◯山陰中央テレビ 勝部正隆 記者
知事は昨日辺りからずっとやっぱり今回県内の感染拡大というのは大阪、関西というふうなことをおっしゃっているんですが、やっぱり発信源というか、感染源って言ったらちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、やっぱり関西由来のものが多いというふうにお考えですか。
●知事
考えています。
◯中国新聞 小畑浩 記者
すいません。中国新聞の小畑と申します。聖火リレーのほうに戻って恐縮なんですけれども、以前、知事もスポンサーが県外から大挙してやって、スポンサー関係者が数百人単位で県外から大挙して来るのはどうなのかっていう問題を、指摘をされていました。また、今回始まったリレーでもスポンサーも車列がにぎやかに走っていくのはどうなのかっていう点も問題視されている面もあると思います。そこで今の交渉の中で、交渉中だと思うんですけども、例えばスポンサーの車両を減らすとかなくす、もしくは県外から来るスポンサーの関係者を減らす、そういった交渉もされているのかどうかをお伺いしたいと思います。
●知事
そうしたことも含めて幅広な交渉をしております。ただ、なかなか最初は随分離れた岸辺に両方がいて、遠い距離感だったですけども、大分今、基本的な線というのは見えてきたんではないかなと思います。先ほど申し上げましたように、そういう諸々のことも含めてコースの7割方については見直しをかけられるのではないかと思っております。
20 県庁内に配置される新型コロナ感染症健康観察員
○共同通信 遠矢直樹 記者
共同通信の遠矢です。先ほど知事がおっしゃっていたコロナの健康監察員を各所属に置くという話があったと思うんですが、これは、ある程度コロナに精通しているというか、対策等に精通している人を置かないとあまり効果はないのかなと思うんですが、各所属にそういった人員を配置することは可能なのかということと、あと、これを置くことで、どの程度の県庁職員の不安払拭だったり、対策の強化につながるのかというのをどういうふうに考えているのか教えてください。
●知事
そうした新型コロナ健康観察員を置く最大の主旨は意識改革であります。今回の事象は本当に落胆したんですけれども、やっぱり県庁挙げてみんなでとにかくこの新型コロナを乗り越えていかなければいけない、そういう気持ちの問題があると思うんですね。それで、やはりそれぞれの所属にそういうハートをまず持っていただくと、これが大事だと思います。専門職員を養成するといってもそれは多分時間もかかりますし、即効性がないと思います。ただ、新型コロナの対策はそんなに難しいことではなくて、今、まさにこの記者会見場でも皆さんがされているような、そういう対策をしていけば十分なわけです。それで、それをスナックに行ってわざわざマスクを外して歌を歌う必要はないわけですよね。いろいろとやはり基本に立ち返ってもらわないといけないんではないだろうかと。それで、そういういろはのことから始めればいいだろうと思っています。
あと、観察員を置くもう1つの主旨は、これはやはり変調があった場合に、組織の中でなるべく早くそれに対応することだと思っています。私も一公務員の立場でありますが、自分がちょっと休むと迷惑かけるかもしれないなと、いつも切迫感を持つもんです。ですから、少々調子が悪くても出てきてしまうということはあると思うんです。それで、そんなときに、いやいや、ちょっと調子が悪いんだったら家にいてくださいなと言う人がいる、こういうようなことって大切なことなんですね。つまり、仮に陽性だったとしますと、それが本で濃厚接触者が大量に生まれてしまう、陽性とならなくても2週間休まなければいけなくなるということもなりかねないわけであります。そういう意味で定点的にその部屋にそうした意識を持った人というのがいるということは大切だと思います。
それで、この観察員を置くことと併せて、その前に申し上げましたが、新型コロナ研修を全職員向けにやりたいと、それで、これでいわばその新型コロナ研修をやったそのリーダー役を健康観察員として各所属に配置をするというようなことであります。
○共同通信 遠矢直樹 記者
続けていいですか。ちょっと全く話は変わってしまうんですが、今週、先日、和牛の振興会議があって、振興計画の大筋、取りまとめが終わったところだと思うんですけれども、県は昨年から雌牛の子牛の全頭ゲノム育種価の測定等を始めていると思うんですが、それで、かなり効果が得られる一方で、全頭やるとなるとそれなりの現場の負担、分析をする人の負担というのも出てくると思うんですけど、それによって一番肝心の種牛の改良等に影響が出ないのかどうか、どういうふうに現場の負担を考えられているんでしょうか。
●知事
それについては業務の繁閑の時期だとか、それからやるタイミングのこともあろうかと思います。できる限り融通を利かせながら所期の目的を遂げられるようにしたらいいのかなと思います。ちょっと全共[全国和牛能力共進会]というのの、このインパクトがなかなか伝わらないかもしれませんけども、全共こそオリンピックなんです。それで、オリンピックに出場するということに牛飼いの皆さんは夢をかけているわけです。ただ、鳥取県はいわば弱小でございまして、牛の数は人口と同じように少ないです。とても大国に立ち向かえない。だから、そういう中で、少数精鋭でやろうとするわけです。それで、ジャマイカを目指すわけです。エリートを探し出すわけです。そのエリートを一生懸命磨き上げて、それで、オリンピックへ持って行くと。
それで、こういうようなことの関係で、例えば交配、雌・雄の掛け合わせだとか、それから、その候補牛の選定だとかをやっていくわけでありまして、何度も経験していますが、こういうような作業というのは皆さん楽しんで、結構意気に感じて一生懸命やるものであります。それで、そういうようなことを通じてやっていくことが、実は和牛の育種改良につながってくるんですね。それで、これ、全く別々の作業でもなくて、同時裏腹に進んでいくことを、この[全国]和牛[能力]共進会というのは目指したそういう一大イベントになっているわけであります。
そういう流れの中で、全頭調べる等々あるわけでありますが、鳥取県は割と把握できる県でありまして、今までもやれています。これがちょっと5,000頭、7,000頭になってくると確かに手が回らなくなってくるとこもあるかもしれませんが、そのときはまたちょっと調べ方を工夫をしたり、人員配置を強化をしたりということも含めてやっていきたいと思います。いずれにいたしましても計画をつくっただけで終わらせるつもりはございませんので、関係者しっかりとスクラムが組めたと思いますので、役割分担しながら実効性の確保を図って展開していきたいと思います。
○日本海新聞 濱田匡史 記者
すいません。知事ちょっとまた話が戻るんですけども、鳥取市内の今回の飲食店のクラスターなんですけども、知事、今回の事案に関しては悲しいというふうにさっきお気持ちありましたけども、同様に一生懸命その対策に取り組んでいる飲食店の認証事業店とか協賛店はあるわけですね。それで、一生懸命自分達がやっているにも関わらず、今回みたいに対象外の店、認証店でも協賛店でもない店でクラスターが出てしまえば、当然その飲み屋街から人は消えますし、外食を控えようという動きも出るので、自分たちが一生懸命やっていても何にも意味がないじゃないのかっていうことでかなり落胆をしていらっしゃると思うんですけど、例えばその今回のクラスター対策の一環の中で、飲食店に対するその巡回指導とかっていうのは分かるんですけど、逆に例えば認証店とか、協賛店を県民が使いたくなるような、選びたくなるような特典をつけるとか、人の流れ自体を一生懸命やっているとこに誘導するというような施策っていうのはお考えですか。
●知事
これについては、1つは、まずは安心できるお店づくりって大切だと思いますんで、ここに書いてあるような様々なことをやり、安心感というのをつくっていく必要があるだろうと、実は米子でも同じようなことありました。そのときに周りのお店のほうから声が上がりましたのは、むしろその巡回指導してもらったらいいと、それがありがたいと。それで、安全なまちとして、また自分たちも売り出したいというようなことでまとまってこられたわけであります。多分今回もまずはちょっとイメージ回復が必要なので、もう1回ちゃんとみんなで見回って確かめたよと、それで、できればその(新型コロナウイルス安心対策)認証店でも[新型コロナウイルス感染予防対策]協賛店でもないところは認証店目指そうやと、[新型コロナウイルス感染予防対策]協賛店にも少なくともなって意識高くやりましょうと、こんなことをやはり呼びかけていかなきゃいけないんだと思いますが、これちょっと鳥取市とも共同作業で、そういうことまずやっていくことが必要だと思います。
それと併せて、私どもでは、今、GoToイートを止めることはあえてしておりませんで、むしろGoToイートのプラスアルファの今、事業を新たに付加させていただいておりまして、例えばインスタグラムで写真を撮るとか、それからまたレシートを集めていただければというようなことであるとか、そうやって飲食店の応援のプログラムは、これは止めることなく続けております。それからこのたび国のほうに要請活動に行った成果なんですけども、GoToトラベルは、再開はしないにしても、地域ごとのマイクロツーリズムは応援しましょうということでの助成制度が始まることになりました。それで、これに基づいて今、鳥取島根両県でのキャンペーンをやっていますが、これにプラスアルファして、今回、国のほうで我々の要望に応えて出してきた施策を活用しようかなと。
それで、具体的にはクーポン券を宿泊者については飲食店でも使えるもの、これを宿泊施設で発行してもらいまして、それで、御近所の飲食店で食べ歩きができるとか、こういうふうな事業も今月始める準備をしているところであります。それで、このほか当初予算の中にも飲食店の非接触型への転換とか、それから、それからまたテイクアウトも含めた業態転換への応援だとか、新規事業も投入をさせていただいております。いずれにせよ、またちょっと今のコロナが落ち着いたら、そうした飲食店関係者も含めて、新しい生活様式、これに基づく経済社会対策についての民間の皆さんと共同の話合いの場をつくってみたいと思います。
○日本海新聞 濱田匡史 記者
そして知事、その飲食店に対する手厚い施策がいっぱいあるのは分かるんですけど、今回その県職員ですら協賛店を選んでなかったっていう、我々使う側の意識改革、行動変容というのがかなり必要なんじゃないかなと思うんですけど、そこで訴えかけるプログラムっていうのを考えていかれるということですか。
●知事
実は、これ呼びかけの中にも[新型コロナウイルス感染予防対策]協賛店、それから(新型コロナウイルス安心対策)認証店を選んで行きましょうと、実は呼びかけていたんですね。今回ほんとにそこも残念なんですけども、そういう事象が出てしまったということであります。いずれにいたしましても、やはり県民への呼びかけの仕方も今回の飲食店クラスターがございましたので、またよく鳥取市さんとも話し合って工夫をさせていただきたいと思います。
○NHK 小山晋士 記者
すいません。2つちょっと手短に。すいません。事務局レベルの確認かもしれませんけど、このまず感染増大警戒情報はもう今日付で発令したということでいいんですか、発動するということ。
●知事
発令します。発令した。
○NHK 小山晋士 記者
それであと先ほどの、ごめんなさい。私の理解があれなのかもしれませんけど、7割、五輪の聖火リレーの件なんですが、7割というのは距離ベースなのか、そこが何かやっぱりもやっとしていて、言えない部分もあるとは思うんですけど、経費の2、3割は非常に分かりやすいんですけど、7割っていうのは距離ベースなのか、どういう形って言ったらいいですかね、7割っていうのは。
●知事
7割だと言い過ぎなのか、市町村ベースですね。だから、例えば市町村19ある中の4つ、5つぐらい残して全部見直すとかね。
○NHK 小山晋士 記者
市町村ベースという数の、7割がちょっと距離ベースなのか、何ベースなのかよく。
●知事
だから、今、俎上に上げているのは、19の市町村がありますけれども、そのうちの15ぐらいは今見直しの俎上に上げています。
○NHK 小山晋士 記者
見直さないところは、ほんとに危ないところもあるという。逆に言えば。
●知事
見直さないところは若干残ると。それはだからやはり組織委員会のほうもいろんなコアなところがありまして、今、組織委員会と交渉していますが、大体、だからそういう意味では7割方は見直せるのかなというか、こういうアバウトなイメージだったです。
○山陰中央テレビ 勝部正隆 記者
それちょっと理解できなかったんですけど、7割にしますということは要するに15市町村ぐらいで、要するに華美な演出をやめるとか、何かそういうことをイメージしたような見直しですか。
●知事
そうした様々なことを含めた見直しでございまして、7割っていうのはあれかもしれん、7割方っていう感じかもしれませんね、日本語では。7割方見直しできるのではないかという感触を持っていると。ただ、その見直しの内容につきましては、今、丁々発止やっているところでございまして、ちょっと今日の段階では御紹介には至りませんけれども、そういうふうに、皆さん関心があることですが、そういうふうに前に向けて交渉しているということを御理解いただければと思います。来週ぐらいには方向性を出さないと、そうはいっても作業がその後ありますので、向こう1週間ぐらいで固めていければと思っております。
○読売新聞 安恒勇気 記者
各社、ほか質問ありますか。知事、ありがとうございました。