今できることを実践
国の「地球温暖化対策推進法」に基づいて各都道府県に設置されている「地球温暖化防止活動推進センター」は、温暖化対策の推進拠点として広報活動や企業・教育機関への活動支援、調査・研究などを行っています。
鳥取県の同センターを運営する「特定非営利活動法人ECOフューチャーとっとり」(鳥取市)の山本ルリコさん。「『脱炭素』と言えば、まずは節電とのイメージが先行し、『我慢すること』だと誤解されがち。本当は節電と快適さは両立できるんですよ」と説明します。
例えば家庭の冷暖房。「10年以上前の古いエアコンは、省エネ効果の高いものに買い替えると、温度の設定を控えめにすることなく節電できる」と指摘。電気代を気にして使用や設定温度を過度に抑えると、熱中症のリスクも高まります。「大型家電は高価なため、購入にためらいもあるかと思いますが、トータルコストで考えて、目先ではなく大きな視点でとらえると断然お得でもあります」。冷蔵庫やテレビなど他の家電でも、近年の製品へ買い替えることで、大きな電気代の節約にもなるそうです。
さらに山本さんのお勧めは、内窓の取り付けや、すだれ、グリーンカーテンの設置(下記「省エネ対策の例」参照)など。これなら手軽で今すぐにでも実践できそうです。
このような例を参考に、エネルギーや温室効果ガス排出量の削減に向け、自分に何ができるのかを考えてみましょう。便利さや快適さを諦めるのではなく、正しい知識を身につけ、一人一人が一歩踏み出すことで脱炭素社会の実現に近づきます。
「まずは電気代をきちんと知ることが大事」と話す山本さん
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