●知事
はい。皆様、おはようございます。今、政府におきまして、新しい年度に向けまして、いわゆる骨太の方針[経済財政運営と改革の基本方針]の策定作業に入っています。5月25日に骨子が示されまして、来週9日にはその素案というものが出てくるのではないかと思います。そういう中、今、新型コロナ対策が急務であるということで、これを第一の課題として掲げられ、地方創生の推進、さらには子育て、またデジタル化、グリーン社会、こうした経済のけん引役というものを考えていこうと、こういう内容でございまして、おおむねその方向性については私どもとしても賛同するものでございます。
●知事
こういうような世間の情勢も受けまして、私どもも6月の[定例]県議会を召集をさせていただくことといたしているわけでありますが、その予算につきまして概要が固まってまいりました。予算額の総額は80億[円]を超えまして、80億8,000万円程度になろうかと思います。この80億8,000万円のうちの大体半分が公共事業でございまして、13億[円]が地域高規格道路でございます。こうしたことなどと併せまして喫緊の課題であります新型コロナ対策、例えばワクチン、これの接種を推進をするとか、また、インド株をはじめとした、インド株、今、デルタというふうに言っていますが、デルタ株を初めとしたそういう対策でございますとか、それからさらに空床(くうしょう)の確保など、空床というのは、これはあらかじめ病院を空けて待っておこうということであります。
それで、当初予算で用意したよりも今後のデルタ株など変異株におきます非常に爆発的な感染力あるかもしれないと、そこで、私どものほうでも今、323床用意をしているわけでありますが、そのうちどれほど常に空けておく状態にするか、これはフェーズ2と言います少し高めのレベルでその空床を用意しておこうと、それの差額が11億円ぐらいなりますので、これを6月補正[予算]で計上しておこうということであります。病床の提供体制の機動性を高める対策というふうに御理解をいただければよいのではないかと思います。
こういうようなコロナの感染症対策やあるいは経済雇用を守っていく、社会機能を維持していく、そういうような対策、さらにはデジタル化などを進めていこう、未来の課題へ挑戦していこうという、そういう前向きな政策も含めまして80億8,000万円程度の予算額を、用意をさせていただいたところでございます。ぜひ、県議会のほうでも真摯な御議論をいただきながら、県民の皆様とともに、新型コロナを乗り切っていく、そういう体制づくりをめざしてまいりたいと考えております。
●知事
そういう中、私どものほうで懸念をしておりますのは[新型コロナウイルスの]新しい変異[株]というものでございます。前回申し上げましたとおり、本県としてはこの新型コロナの変異株、これを分析する能力を高めるために、全ゲノム解析を5月の17[日]から開始をしたところでありまして、その結果が出始めているところでございます。また、併せまして今週末ぐらいを1つの目安として、早ければ今週末にでも私どもの委託事業の中で、今、言われておりますL452R、それからE484Qというものもありますが、そのL452Rに象徴されるようなデルタ株、この対策としてそのスクリーニングを、開始をしようと。それで、N501Yも同時にスクリーニングをしてもらうということで、いわゆるアルファ株、そういうアルファ株、これかねてイギリス株と言っていたものでありますが、そういうアルファ株やデルタ株、こうしたものの同時解析ができるように簡易スクリーニングを今週末ぐらいに早ければ事業者のほうで段取りを組んでいただいて始めることにし、これは割と早めに結果が出ると思います。
また、全ゲノム解析につきましてはかつて感染研[国立感染症研究所]のほうでお願いをして国の方でやっていたものが、これが大体1か月ぐらい抽出調査でもかかりますので、私どもとしては基本的に対応可能なものを、検査をしていこうと、ある程度のウイルス量があれば検査可能でありますので、そういうようなことで開始をさせていただく、この今までインド株と言っていたデルタ株など対象にしていこうと。それで、これまで明らかになったところでは、本県でまだこのデルタ株は見つかっていない、今回のスクリーニング調査をして全ゲノム解析の状況であります。
ただ、いろいろと興味深い内容というものも出てきております。これはいろんな事案があります。今回、いろんな、例えば孤発例のように見える、ポンと出てきたように見えるもんですね。それで、これが若干、感染をしているものがある。それで、片方でクラスター的に広がっているものがある。それで、実はこの間をこう結ぶような、そういうものも見えるんですね。それで、それも陽性であったりしていて、ただ、これが本当につながっているのかどうかというのが分からない事例がございました。
最近も東部のほうでかなりの広がりのあった事例がありますけども、その広がりがあった事例がかなり遺伝子解析の結果、[感染の]リンクがつながってきているということで、何らかの作用が働いたのかもしれません。これ、一概に全部きれいにつながっているのかどうかというのは分からないところがあります。
それで、場合によっては後ほど申しますが、幾つかこう入ってくるルートがあると、それで、もしかすると2つぐらいのルートで入ってきているかもしれない、それがたまたまつながっても想定できるような、そういう流れの中で見つかっているという可能性も捨て切れないものでありますが、そういうようにリンクの可能性というのを見ることができることになりました。それで、これは積極的疫学調査で非常に有効であろうかと思いますし、1週間ぐらいで、本県で結果が出ますので、まだ、その1週間ぐらいですと[新型コロナウイルスの]株を追っかけている、感染のリンクを追っかけている段階でありますから、そういうものでいろいろと有効に今後考え得るものになると思いますし、また、対策の立て方も分かってくるわけです。
ただ、こういうことは過去の遺伝子全ゲノム解析でもいろいろとありまして、1つの例としては、不思議なんですけども、クラスターがこう発生をしていたと、それで、それとはまた別のところでポンと全く別の地域で出ているものがあると。それで、これを結ぶ、お一人の結ばれる可能性のある方がいらっしゃる。しかし、この方は2度、3度検査をしてもPCR[検査の結果]は陰性になるんです。しかし、遺伝子解析の結果、この前後、これは実は遺伝子のタイプとしては全く一致をしていると。だから、何らかの理由でこの間の、真ん中の方の陽性が出てこなかったと。ただ、感染のルートというのはあったのではないかと考えるのが自然だと、こういうようなケースも例えば見つかっています。
それで、例えば首都圏、関西、山陽ということが書いてありますが、私どものこの解析、いろいろとやっていく結果の中で、4月の末から5月の頭にかけて、幾つかの感染例が出てきています。それで、私どもの疫学調査などでは、例えばこれ、山陽方面から来たんじゃないかとか、それで、それぞれ実は別々のところから入ってきていると思われるもの、これが全ゲノム解析をやって遺伝子を、調査をしますと、一致をしているということですね。
それで、これ、どういうことかということです。いろいろ想像してみますと、恐らくこういうことがあるのかもしれない、非常に感染力が強い株だとそれが首都圏やあるいは関西やあるいは山陽方面で速やかに、スピーディーに共有されてしまう、言わばウイルスが走る状態があるのかもしれない。それで、そのウイルスが走った後、この勢いのあるウイルスですから、感染力が強いもので複数のルートで鳥取県内に入ってきているというようなことが認められるのかもしれない。ですから、同じような時期に、同じようなタイプの株が入ってきているということが傾向として認められるところがございました。
それで、ウイルスは2週間ごとに大体変異をすると言われていますので、こういう検査というのがやはり解析が非常に有効ではないかなというふうに私ども考えているところであります。それで、このたびは神戸[市]のほうでN501Yの変異とE484Qという、これ、デルタ株に見られる変異、これが組み合わさったような形のものが初めて見つかったということでありましたけれども、こういうものも含めて全ゲノム解析ですと分かるということになりますので、これを活用していければというふうに考えております。それで、3月下旬にはR1株と言われますE484K、Kのほうですが、東京方面でよく見られる株の変異、それとN501Yの変異、それで、これが両方見られたのが3月の下旬から4月にかけてでありまして、両方ともかなりの広がりがありましたが、本県は4月に入ってからはN501Yが圧倒的な優勢になりまして、このN501Yが出て行った、こんなような変遷の経緯がやっぱり明らかになっているところであります。
それで、今回、こういうような[全ゲノム]解析結果ですとか、諸外国の状況なども踏まえて、6月補正予算に5,000万円、こういう特定の変異株、感染力が強い変異株についての特別の対策というものも計上させていただこうということにいたしました。例えば、感染力が非常に強い株が今後入ってきた場合、PCR検査、これ、陰性の方が陽性に変わるというのは多分にあります。特にこのN501Yが優勢になってから数日経って、場合によっては1週間、あるいは10日とかいうようなスパンが経ってから陽性が出てくることがございます。ちょっと理由はよく分かりません。
ただ、我々、現場としてはこういうことがあり得るんだということは認識して対策に加えておかなければいけないと。それで、そういう意味で感染が強いと見られる株については、このPCR検査を陰性になった方でも定期的に受けていただいて、それで陽性にいずれ変わるかもしれないタイミングも捉えていくと、なければ全然問題ないんですけど、ただ、仮に暴露[ウイルスにさらされること]していて、ウイルスが[体内に]入ってきていて、それが体内で反応していない、感染していない状態のところがいずれ感染してくるのか。あるいは感染しているけれども、弱いところから発症してきてなのか、よく分かりませんが、ただそういう動きをトレンド[傾向]としても追えるように従来よりも例えば検査を、強化をするというのも1つの手だと思います。
また、非常に感染力が強いウイルスが見つかった場合は、ある程度の方を日常生活から切り離すことも必要になるかもしれません。それで、そうしたことなども含めて今後いろんな対応が取れるような予算を5,000万円用意をしておこうということであります。
全ゲノム解析によりみえてきたもの(pdf:37KB)
●知事
それからワクチンについてでございますが、このたび政府のほうから私ども新しい配分の中では96箱配られるということがこのたび内示がございました。それでこれによりまして6月いっぱいまで本県としては、今、市町村のほうで予定しているとおりの配分が受けられるということになりました。私どもはなるべくワクチンを有効に素早く使おうと、それでこれは各市町村のほうと協議をしながら、それでまた、[鳥取県]医師会はじめとした関係者の御協力も得てやっているところでありまして、6月末までで40万回分確保できるということになりました。
それでこれによって、早期に次の優先順位つまり一般接種ですね、まず、最初に基礎疾患のある方が入りますけども、基礎疾患のある方とそのほかの一般接種を並行して始めて結構だと厚[生]労[働]省も言っていますので、そういう次の優先順位の人に向けた接種体制に移行できるということになりました。市町村のちょっと状況を、この40万回ということを前提で調整をさせていただきますと、例えば日吉津村では6月中から次の一般接種の段階に入ることができるということになるなど、このほかにも前倒しをしながら接種を進めていくその見込みが立ちつつあります。
特に7月に入りますと、高齢者の接種も予約のペースがだんだんと落ちてきますと次の一般接種のほうにかかるべきタイミングになります。7月になるとそういうような対応に入っていく、そういう市町村が多く出てくるようになる。そういう意味で今回のワクチンの供給というのは本県として有効に活用させていただいて、なるべく早くに次の一般接種の開始につなげるそういう見込みが立ったということです。特に日吉津[村]では6月の接種開始がこのたび明らかになったということであります。
高齢者の接種は今のところ本県としても全国の上位のほうにありますが、これからもさらにこれを加速していこうと。それで、先般歯科医師さんの研修をさせていただいたところでありますし、また、今、潜在看護師の皆様もそこに加わっていただいたり、保健師も加わっていただいたりして打ち手を増やす努力をしているところです。
それで東部西部では御案内のように鳥取県として県営の接種場をつくりますが、中部において[松本 昭夫]北栄町長とか[宮脇 正道]湯梨浜町長ともお話をさせていただいておりますが、今、接種のレーン、例えば北栄の場合、2レーンで集団接種をやる。そこにもう1レーン歯医者さんを活用した集団接種をやる。こういうようなことなどでもっとキャパシティ[収容力]を増やそうと。それでこうやって各市町村の対応力を今回の人材確保策、これを基にしてやろうと。それで薬剤師会としてはこの構想に既に賛同いただいていますし、歯科医師会でもやる方向で派遣の調整を今、していただいているところであります。
それから財政面ということですが、今回の補正予算の中では、病院や診療所での接種実績の応じた財政支援、これを4億円計上させていただき、あと、職域あるいは大学などへのワクチン接種、これの費用の助成制度というか、支援制度を5,000万円つくって、これを推進しようと。と申しますのも、このたび急に明らかになってきた官房長官とか、各大臣がおっしゃり始めた職域や大学などへの接種はモデルナ[社]のワクチンでやることになります。これは別枠で確保できます。ですから、これを私どもとしても活用させていただき、こちらはファイザー社のワクチンですけど、これ供給量にはやっぱりどうしても限りがあるわけでありますが、モデルナ社のワクチン接種を先行してこれを活用していくということによりまして、さらに加速をし、言わば市町村の直営の分の負担感を減らして、さらにこの一般接種の加速化にもつながることになります。
それで、もちろん職域や大学はいわゆる一般接種と言われるカテゴリーの中の人たちでありますので、こういうところについても、活用できるんではないか。ただ、なかなかちょっと条件が整わないような場合もありましょうから、補完的に人材確保をするとか、それからそのほかの例えば事務だとか、諸経費がかかるかもしれません。一定程度そうした支援も私どもとしても検討していきたいと。そのための予算を5,000万円確保させていただいて、この夏以降が勝負だと思いますので、こうした職域や学校での接種、これにも私どもとしても呼びかけを強め、また、そのための支援策も考えていきたいと思います。
ワクチン接種の状況について (pdf:73KB)
●知事
それからワクチン接種をしやすい環境づくりを考えなければいけません。それで、本日、商工団体等に対しまして呼びかけをさせていただき、6月4日には商工関係団体との会議を予定をしています。様々な経済・雇用支援ということと併せて、ワクチンについても話合いをさせていただき、呼びかけをさせていただきたいと思います。具体的には従業員のワクチン接種、これが円滑に進むように環境を整えてほしいということ、それから特別休暇、ワクチン休暇と言われるものですね、これの呼びかけ、今も米子[鬼太郎空港]の空港ビルだとか、ワクチン休暇採用したところもあります。県内企業にも呼びかけをさせていただく、これと併せて、先ほど申し上げました職域接種、これを実施するように検討を呼びかけさせていただきたいと思います。
それで、国の動きを受けまして早速、昨日も県内企業を回り始めております。それで、その中には、既にぜひ職域接種をやりたいという、そういう企業さんも出てきております。それで、そちらのほうでは多分場所を用意するとか、あるいは産業医を調整するだとかであろうかと思います。それで、そうしたものを我々としても仲介をさせていただいたり、いろいろちょっともう一歩足んないというところを、支援をさせていただくとかして、できる限りこうした職域接種の実現、これを、後押しをしてまいりたいと思います。
そのためのこう呼びかけも今週、商工団体に対して具体的に会議の場でも御案内をし、話し合ってみたいと思います。それから県職員につきましても副反応が生じた場合の特別休暇、これを措置させていただきました。ワクチン接種で発熱した場合ですね、それで、今までも例えば新型コロナ感染症にかかってしまった、そういうお子さんのお世話をするということなどで特別休暇、コロナ関連で認めていましたが、これを拡大させていただきまして、ワクチン接種についても特別休暇を認めることにいたしますし、それで、もちろん勤務時間中に接種を受ける場合でも職務専念義務の免除ということを、これ通常の健康診断なんかそうなんですが、そういうものと同じように認めることといたしたいと思います。
新型コロナワクチン接種をしやすい環境づくり (pdf:59KB)
6 令和3年6月補正予算での感染防止対策及び経済雇用対策
●知事
そういうようなことでいろいろと6月[定例]議会のほうにも提案をさせていただき、こういうデルタ株をはじめとした新種の変異株の対策をあらかじめ先手を打って取っていこうと、それからワクチン接種が今後の鍵になると思います。これについてもしっかりと対応していきたいと思います。それと併せて学校における感染防止についてでございますが、これにつきましてはガイドラインをつくらせていただき、それで、これ21日の日に先月改正をさせていただきました。それで、具体的には教育委員会に音頭を取っていただきまして、県立の場合はですね、実際にそれが適正になされているかどうかというものを確認しながら、今、順次活動を再開し、御案内のように昨日から[鳥取県]高校総体、これが開始をされたところでございます。
それで、今後、6月補正[予算]の中でこうした換気対策の整備だとか、様々なその支援策、これを計上させていただこうと、それで、1,800万円計上させていただくことにいたしたいと思います。安心した学校生活の支援ということでスクールカウンセラー、これを、派遣をすること、それから実習等学生教育活動支援事業といいますが、これ大学側からちょっと要請があったんですが、例えば実習活動するときPCR検査を事前に求められるとか、そういうことがありますので、支援がいただけないかという話がありました。これに対して、その学生のその研修状況等に合わせまして応じた支援策をこのたび計上させていただくことにいたしました。それで、なお県の公立の学校につきましてはPCR検査を事前に求めるものではありません。ですから、それ以外のところで何かあればというようなことになろうかと思います。
それで、経済・雇用の問題でありますが、これにつきましては、このたび砂丘の観光会社[株式会社サンドヒルズ商事]につきまして残念ながら5月31日で閉店をされるということになりました。そこの経営者の方は砂丘観光に本当に一生懸命に、熱心に取り組んでおられましたし、新型コロナとの闘いの最前線に立っておられましただけに非常に残念な展開であろうというふうに思います。私どもとしてもその事業所につきましては雇用者がいらっしゃいますので、そういう方々の雇用のマッチングに向けて御協力を申し上げたり、具体的には業態転換を考えられているとお伺いをしていますので、その業態展開に向けた支援をしてまいりたいと思います。
また、砂丘地の観光につきましても、今回5月の[臨時補正]予算、そして今回の6月補正[予算]にも計上させていただいています。様々な観光支援策、あるいは商工支援策、これを通じて応援をさせていただく体制をしっかりと組んでまいりたいと思います。
学校における感染防止対策 (pdf:65KB)
●知事
なお、懸案でありました日立金属[株式会社]さんにつきましては、資本関係が変わることがこのたび明らかになりました。この日立金属さんにつきましては、私どものほうで平井の名前で実は要請をさせていただき、雇用の確保、それから事業の継続ということをお願いをしておりましたが、5月21日にお返事がございまして、日立フェライト電子さん、これにつきましてパワーエレクロトニクスの拠点であって、例えば人材の問題、それから拠点の再編ということの対象では基本的にないというお話をいただいております。今後の新しく生まれ変わる日立金属の主力になるというような御認識を、西山[光秋]社長CEOのほうから私のほうに御連絡をいただいたということであります。そのお気持ちに感謝したいと思いますし、これからも安来[市]の拠点も含めて、しっかりとフォローアップを我々もさせていただきたいと思います。
●知事
こういうように新型コロナ[ウイルス]の荒波の中で、大変厳しい状況は当面続くのではないかと思われますが、私どもとして、今、融資策をとっていますが、これを10月1日以降ですね、新たに100億円の融資枠[コロナ克服伴走支援資金]を考えようと。これに向けまして、売上15%以上減少した事業者に1億円までの融資をしていこうと。これポジティブな形で、コロナ後に向かっていく、そういう資金枠をつくろうと。従来の実は無利子融資は3億円ぐらい、全部使い切っている事業者さんもあります。
そうしたところなど資金需要があると思われますし、これで結局利率のほうを調整させていただいたりして使いやすい利率ということも入れて、利率1%で10年以内というようなことでありますし、保証料を0.2%という融資で有利な制度をあらかじめ用意させていただき、いずれ、今はゼロ金利の融資、これ、ただゼロ金利の期間が決まっていますので、その後通常の利率に戻っていくということもありますから、こういう長期的に目安の立てやすい資金というのを、今回6月県議会で提案をさせていただき、秋以降、今9月末までそういう無利子融資、期間延長を本県独自にさせていただいていますが、そのうちの対応策として提案をしていこうと考えております。
また、宇宙関連の事業に大変御興味を持っておられる会社がおられる、これ県内外におられて、鳥取県を軸としてというお考えのところもありますので、そうした研究経費とか、あるいはネットワークづくりの予算をとらせていただこうと思います。
県内中小事業者への支援等 (pdf:75KB)
●知事
また、農林水産業につきましても、今、1つはウッドショックと言われるものがあります。これはアメリカで、低金利政策で住宅市場が活況になりまして、また、中国も景気が回復しているということがあります。コロナから反動をしていくような上昇の時期を他国は迎えているところであります。そのあおりを食いまして、木材需要が跳ね上がってきて、木材価格が上がってきていると。これはウッドショックという言葉で形容されるようになりつつあります。
これの対応策を本県としても考えていこうと。政府のほうでは特段の政策はないようでありますので、県独自に考えざるを得ないのかなと思っております。そういう意味で、外材から県産材へ転換すると、そういう戦略づくりをしようと。こういうふうに材の値段が上がっていくというのは、本県にとりましては山のほう、森林のほうにとってはいいことでもあるわけです。問題はその中流、下流と言われますけども、この材木を使う事業者さん、原材料として使う方々ですね、こちらのほうが非常に資金繰りに苦労するということになって、これをウッドショックというふうに言われるわけでありますが。
ただ、長い目で見ると例えば、皆伐[再造林]の推進だとか、そういう森林の循環ということにも役立つところもありまして、関係者の皆さんと今後の戦略をまず話し合う必要があるのかなと。それから、県の商工関係の融資、こうしたものなどで資金繰りをしっかりと支援をしていき、あと、現実に製材業者さん困っておられるということがありますので、その事業継続を支援するための臨時の交付金[ウッドショック対策臨時交付金]というものを出させていただこうと。このような対策を6月補正[予算]の中で考えたいと思います。このほかにも、例えばスマート農業、草刈りとか、ドローンだとか非常に評判がよくて、こういうところを拡大しようとか、それから先日の霜の被害、これがまた来年繰り返されないように、その霜の被害防止対策、こういうことをやっていこうということであります。以上のような6月補正[予算]での提案など、今後の対応を取ってまいりたいと思います。
強い農林水産業の実現 (pdf:116KB)
●知事
いよいよ夏山シーズンを迎えることになりました。大山もコロナで行事などは縮小されることになりますが、夏山登山の季節を迎えます。これ懸案でありましたが、大山開山1300年祭、平成30年を契機としまして、大山をみんなで守ろうと。それで資金もかかるわけですね。それで、そういうところを山に登られる方々に協力をお願いをしながら、みんなでこの永続的、持続可能な登山ということを考えていこうと。それで、関係者の賛同も得ながら進めていましたし、テストも行ってまいりました。
昨年度は新型コロナで導入を見送りましたけれども、今年度、いよいよ大山入山協力金の実証事業、これに向かっていきたいということになりました。関係者でも組織をつくり、合意を得ながら今進めてきているところでありまして、具体的には駐車場のところのビジターセンターであるとか、それから頂上のところの場所におきまして、こういう500円、登山1回当たり500円以上ということを御協力いただけないかと、子どもたちは免除ということでありますけども。それから登山の回数にかかわらず、通年パスポートのような形で3,000円というのをお願いできないだろうかということであります。それで、この500円の御協力いただいた方にはこういう記念のカードを差し上げたり、それから通年のパスポート的な3,000円の方には梨の木のキーホルダーを差し上げると。こういうような、言わばお礼の品も用意をしながら、要は山に対する理解、これ啓発活動としてやる意味を込めてやっていこうということであります。
それで、例えばこういう木道の補修であるとか、それから我々大山の復興に取り組んできたわけですね。それで一木一石運動の伝統がありますが、そういう植生復元、あるいはトイレの補修等々をやっていくことにしたいということであります。また、この6月4日から6合目の避難小屋のところにトイレスペースがありますが、ここ便器があるわけではありません。自分で持っていって持ち帰るというタイプのトイレであります。それで、これについてトイレキットもそこの場所で、6合目の避難小屋で販売を始めるというようなことにさせていただきたいと考えております。
大山入山協力金の実証事業を開始 (pdf:168KB)
●知事
またこの夏山につきまして、登山ガイドラインをこのたび改正をさせていただきました。5名以内の登山を、お勧めをさせていただき、今までよりもうつりやすいウイルス、これからデルタ株なども考えられるわけでありまして、格段の注意を、お願いを申し上げたいということ。それからマスクの着用とか、それから2m以上の距離を取って登りましょうとか、これトイレの順番待ちなどもこうした間隔を、お願いを申し上げたい。このようなことをさせていだたき、大山につきましては上りと下りとルートを分けて登山を楽しんでいただくと。こういうようなことを呼びかけをすることにいたしました。
「登山ガイドライン」の改正 (pdf:145KB)
●知事
このように、いよいよ言わば観光のシーズンといいますか、自然豊かなこの夏に向かったシーズンということになります。岩ガキが昨日出荷が始まりました。900円を超える、そういう単価になりまして、昨年度よりも活況、単価的には活況になっています。スイカもいよいよ6月4日に大阪での販売、6月10日には東京での初販売、こういうようなスケジュールになってきました。ぜひ鳥取の味覚、新型コロナで沈みがちな心もあると思いますが、おいしいものを食べていただきまして、鳥取の味を全国の方々に楽しんでいただければと思います。私からは以上です。
○テレビ朝日 後藤龍彦 記者
平井知事、ありがとうございました。各社、質問がありましたらお願いします。
○NHK 小山晋士 記者
すいません。NHKの小山です。ワクチン接種の関係なんですが、一部の自治体、日吉津村などでは6月下旬から一般接種が早い段階で開始されるようになったということで、改めて受け止めと意義、お願いします。それで、あと、それで一般接種、基礎疾患持っている方は早くということなんですけど、それ以外の優先順位なんですけど、この前も障がい者団体などから要請を受けましたけど、もちろん自治体がある程度決めることだと思いますけど、県としてはどういうふうに推奨していきたいと思っていますでしょうか。
●知事
今回私どもとして6月いっぱいは少なくとも、こうしたワクチンの配分、受けられることが決まってきました。これを基にして、今、市町村で積極的に取り組んでいただいているワクチン接種に弾みがついたと考えております。この言わば国のほうの期待に応える形で、できる限り在庫を長く持つことなく、徹底したワクチン接種の加速化ということを進めていきたいと思います。
そういう意味で、6月下旬にも次の高齢者接種の次の段階へ移る自治体が出てくるというのは1つの象徴かなと思いますし、他の自治体も同じようなスケジュールを今、考えておられるところもありますし、早ければ7月の頭ぐらいからそういうふうに移行してくるところも実は少なからずあります。そういう意味でこれまで1月以降、年明け以来、このワクチン接種を何とか早く進めましょうと、市町村長や医療機関と話し合ってきたその成果も出てきているのかなというふうに感謝を申し上げたいと思います。
一般接種の優先順位でありますが、これにつきましては私も[全国]知事会の担当として、河野[太郎新型コロナウイルスワクチン接種担当]大臣、あるいは厚[生]労[働]省、そして[新型コロナウイルス感染症対策]分科会の中でも実は主張してまいりましたのは、できるだけ現場に任せるべきであるということであります。それで、基礎疾患は重要であり、優先すべきものでありますけども、そのほかにも、例えば保育所にもやはり優先的にやるべきではないかとか、あるいはエッセンシャルワーカー(人々の生活の維持に必要不可欠な職種の従事者)と言われる方々いるじゃないかとか、新型コロナではなくて、新型インフルエンザのときはそうしたエッセンシャルワーカーも優先接種対象になっていたわけです。
それで、そういうようなことを考えますと、この辺は、あとは自治体のほうでスピーディーに接種をしていく中で、こういう柔軟な優先順位のつけ方ということを認めるべきではないかと考えており、そのことをこれまでも主張してまいりました。
最近の田村[憲久厚生労働]大臣や河野大臣も御発言もこうした考え方を受け入れてくださっているような形で、高齢者の接種を進めてもらえば、その後について基礎疾患と一緒に一般の接種どんどんやってほしいというような発言も出てきていますし、それぞれ現場、現場で考えてもらえればいいということになってきております。
先般、社会福祉の団体からお話がございましたので、改めてこうした考え方を私ども県のほうからも働きかけさせていただき、それぞれの地域の実情に応じた優先接種の在り方、これをぜひ考えていただきたいと。それで、できるだけ効率的に地域の中で理想的な地域免疫の醸成ができるように御協力をお願いをしたいということを申し上げてまいりたいと思います。
実は基礎疾患の方の数というのは、実は把握すら難しいわけでありまして、実務的には課題も多かったところです。お医者さんを絡めながらやろうというのが本県の考え方で、お医者さんに御相談くださいという呼びかけをさせていただいておりました。そういう方々、当然ながら出てこられると思われますが、そんなに大きな数にはなりません、本県の場合ですね。それで、基礎疾患があるかどうかというの、判定は、例えば集団接種の会場で直ちには判定難しいものですから、実はチェックして基礎疾患ありというチェックが入った方ということになりますので、事実上、いろんな考え方で接種を優先的に受けるということは始まるんだろうと思います。
ですから、端的に基礎疾患の優先接種を始めるのと併せて、そのほかのある程度優先的にやるべきというところをやっていくとか、あるいは割り切って一般接種と一緒にスタートをするとか、その辺は市町村のほうで体制を取っていただければ良いのではないかと思います。混乱がないように、この辺の考え方は改めて申し伝えてまいりたいと思います。
○NHK 小山晋士 記者
もう1点だけ。日吉津村などとありますけども、ほかに何か名前が出せる自治体ってありますでしょうか。
●知事
実はちょっと昨日から今朝にかけていろいろと調整させていただきましたが、日吉津村さんは、もう名前公表してもらって結構だということでありました。そのほかにも早いタイミングで移行したいという御意向で、今、現に準備を進めているところもあります。日吉津村以外にも6月の下旬から7月の頭ぐらいで移行してくるところはあると見込んでおります。
○テレビ朝日 後藤龍彦 記者
すいません。テレビ朝日後藤です。高齢者のワクチン接種なんですけど、1回目が22.5%ということで全国第3位ということなんですけれど、これは知事から見られて、この1回目がもうちょっと高い数字でも良かったかなとか、どういうふうな評価されていますでしょうか。
●知事
ある程度現状を示した数字なんだろうと思います。実は全国そうだと思いますが、ワクチンの配布については、おおむね一月余り遅れたんですよね、皆さんが予定していたところは、それで若干混乱しましたので正直。ですから、そういう中では22.5[%]というのは一定の成果が出ていると思いますが、さらに現場と協力をしながら加速化を図っていきたいと思います。先ほど申し上げましたように、今、レーンが足りない、接種レーンが足りないところに歯医者さんなど打ち手を投入していくということが実現してくれば、さらに加速できると思いますし、こういうようなことなどを通じまして接種率の向上は、我々の地域も求めていかなければいけないと思います。できるだけ早く集団免疫を、獲得をしていくことがまん延、感染の大流行を抑える効果も出てきますので、我が国の今後の命運にも関わると思っています。
○読売新聞 安恒勇気 記者
読売新聞の安恒です。今さっき質問が出た高齢者接種、接種率が全国3位ということが出ていていますけども、こういう数字を見ても全国的には全体から見たら高いほうだと思うんですけれども、この全国的に高くなった要因、進んでいると見た要因っていうのはどういうところにあるのかなと。私自身、何か最初県で全市町村にワクチンを配布してみんなにやってもらおうっていう、ああいうやり方が混乱を生まなかった、それでスムーズに進んだとかいうふうな考えを持ったりもしたんですけども、その点知事どうお考えでしょうか。
●知事
今おっしゃったようなワクチンの配布の方法も含めまして、本県はトップレベルで話合いをしました。これは多分他県との違いだろうと思います。市町村長さんも全員ほぼ出てきまして、それ[インター]ネットを通じてですけど、ワクチンの配分の仕方も話合いました。それで、そのときにやはりまだワクチンの数が少ないときにそれぞれの市町村で、言わばまずスタートを切れるようにという意味でワクチンをみんなで分け合う形にしたんですね。それで、これは確かにそうした意味でその後の言わば実務につながったという面があったと思います。
それで、その前提として先ほど申しましたが、市町村のトップレベル、それから[鳥取県]医師会などのトップレベルでの意思統一を図る場を年明け早々からつくっていきました。この辺で、だから多分ちょっと一周か半周かほかの地域よりも早いことができたんではないかなと思います。どうしてもこういう行政実務というのは特にこういう予防接種なども含めて、担当者が順番につくっていくという面があります。それで、そうするとできるだけこう、絶対にできる、100%できるという計画をつくりたがるところがありますよね。ただ、どちらかというと、住民の意識というのはとにかく早く打ちたいということがありますので、私ども行政の首長レベルはどちらかというとできるだけ早く打てるようにという方向に傾くわけです。それで、トップレベルのほうでの意思統一を図って早めに進めていきましょうと。
それで、そういうようなことで県のほうでも、例えば医師会とか、[鳥取県]看護協会とそれから市町村との仲立ちをさせていただいて、それで、実際に集団接種を組める体制づくりを協力させていただいたり、また、医師会のほうも早い段階で医師会のトップマネジメントも含めて巻き込んでいますので、割と意識が出来上がっていまして、どのように協力していったらいいのかというのを真摯に考えてくださったと思います。その辺の体制づくりは大都会ではやりにくいことだったと思いますが、言わば小さな自治体だったので、早めのそうした相談事、意思統一、それから次に行動に移るというタイミングを早く取れたのではないかなと思っています。
○毎日新聞 野原寛史 記者
毎日新聞の野原です。2点お伺いします。まず、ワクチン関連で今後、接種は加速していくと、当然余剰分というのもまた出てくると思うんですけども、ほかの県や区を見ると余剰分は例えば学校の先生に優先的に回すようにするとか、一定の指針をおくっていうところが出てきますが、県としてこういったことに取り組むお考えというのはあるんでしょうか。
●知事
実は、この点はもう既に始まっていまして、市町村でワクチンの接種ですね、余ったらあるいはキャンセルが出たらという対策を我々も集計していますが、全市町村でつくってきています。ですから、そうしたことで、先ほど申しましたように、例えば学校の先生じゃなきゃいけないとか、保育所じゃなきゃいけないとか、そういうことは多分地域の実情によって異なるんだと思いますので、それぞれの実情に応じて考えていただければいいのではないかなというふうに思います。
あと、こういう職域接種のようなことですね、これが次の加速化の手になると思うんです。それで、ファイザー[社の]ワクチンだけで勝負をしても一定の限界はありますので、モデルナ[社]のワクチンを活用したもの、これは多分大都市を本来想定しているのかもしれませんが、我々地方部でも、例えば商工会議所レベルで、みんなで集まって集団接種会場をつくろうと、それを各社で協力してやろうとかいうことは多分想定上可能だと思うんですね。それで、いろんなやり方が小さな自治体でもできるんではないかと思います。
それで、こういうようなことをやっていくことで、今おっしゃったような例えば学校での接種を進めて、学校の先生方もその機会にどんどん打っていくとか、いうことなど、また加速化の手も出てくるんではないかと思います。ですから、1つにはそれぞれの自治体ごとに優先順位なり、プログラムを組んでいただいて、それでできるだけ早くそうした必要とされる方々に届くようにする。それと併せて、これは市町村の枠組みとは別の接種パターンをつくってそういうエッセンシャルワーカーのような方々中心に、こういう接種を行うということもぜひ検討してみたいと思います。
○毎日新聞 野原寛史 記者
それとかもう1点なんですが、少し前ですけども、4月に湯梨浜町で副町長さんが感染したという事例がありました。そのときに町の判断で実名公表したというのがありましたけれども、ああいった自治体による職員の実名公表の是非、それから評価というのをちょっと改めてお伺いしたいんですけれども。
●知事
あれは[湯梨浜]町のほうの考え方だと思います。私どものほうでは実名公表ということは保健所サイドの立場としては、今までやらないこと、避けている、控えているというふうに御理解をいただきたいと思います。恐らくどういう接触者があるのかということを町民の皆様にも知っていただいてPCR検査、現にその後大分多くの方が受けられましたけど、それにつなげていくという意味での御判断だったんだろうと思います。
これはケース・バイ・ケースで考えるべきだと思いますし、そのケースにつきましては私も新聞記事拝読させていただきましたが、御本人も言わば納得をしてそれに応じておられるという経緯もございますので、あれはあれでよかったんではないかなというふうには思っております。ただ、それをじゃあ100%公職にある人はみんな名前をというようなことになるのかどうかは、それはちょっと別問題かなというふうに思います。
○毎日新聞 野原寛史 記者
県としては今後、もしそういうことがあった場合の対応というのは、何かお考えは改めてありますか。
●知事
今回のケースを基にしてというちょっと必要性までは今、感じておりません。それで何らかの問題が生じたということではないのではないかと今のところ見ております。ただ、我々感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)でプライバシーへの配慮ということも考えながら、その事案についての公表をするという責務がありますので、その辺の調和は図ってまいりたいと思いますし、クラスター対策条例[鳥取県新型コロナウイルス感染拡大防止のためのクラスター対策等に関する条例]の中でも、そうした人権配慮ということが独自に求めており、また、[鳥取県]人権尊重の社会づくり条例をこのたび制定しましたが、その中でも同様のことがございますので、いたずらに氏名公表を目的とすることは避けたいと思います。
○朝日新聞 東孝司 記者
朝日新聞の東です。衛生環境研究所の全ゲノム解析についてですけど、これまで知事はインド株対策プロジェクトの中で全ゲノム解析というのを位置づけておられたので、ちょっと私、誤解していたと思うんですけど、N501Yスクリーニングで陰性になったものを全ゲノムにかけて、インド株を見つけるのかなとちょっと思っていたんです。今日この見えてきたものと言われると、N501Yスクリーニングで陽性であったものも全ゲノム解析にかけるんでしょうか。インド株ターゲットの全ゲノムとすると、例えば今回の神戸のようなケースは見つからないのかなと。ちょっと誤解をしていた部分もあるので正していただければ。
●知事
はい。私のほうが舌足らずだったと思います。実は2つありまして、1つは[鳥取県]衛生環境研究所で全ゲノム解析をすることです。それで、これ昨年度(令和2年度)から実は準備を進めておりました。ただ、なかなか技術的に難しいです。それで国立の感染[症]研[究所]とかああいうところでの研修だとかも受けながら人材育成をしてまいりました。それで、いよいよインド株[デルタ株]が見えてきたもんですから、これをもう始めようと。それで5月17日から開始をするということにし、今月(6月)本格実施ということでありますが、現にもう既に解析は始まっています。
それでこれと併せまして、もう1つ別の話がありまして、この全ゲノム解析は全てのゲノムのタイプを判別するんですね。それで、それは長時間かけてそこの増幅や解析を行うということになります。ですから、どうしても1週間ぐらい自前でやってもかかるんですね、感染研だと一月ぐらいかかる。我々で、自前でやってもやっぱり1週間ぐらいかかると。それで、ただインド株[デルタ株]だとか、N501Yもそうですけど、その判定というのはやはり速やかにやりたいという面もあります。そこで具体的には[株式会社]R0(アールゼロ)という鳥取大学初のベンチャー企業のほうに委託をしてそちらのほうで試薬を入手してもらって役割分担をしようと。それで、衛生環境研究所ではN501Yで解析をされた、あるいは場合によってはL452Rが出たものも含めて私どものほうでは全ゲノム解析にかけていくと。それで基本的にはどういうような変異が本県の中で認められるか、それを解析したいと。
これ解析するとさっき申しましたように積極的疫学調査と言われるこういう経路を追っかけていくのにも役に立ちますし、それから特に感染力が強い新しい株、これを発見することもできる、このたびの神戸[市]のようなものですね。そうしたこともできるのでこれは言わばスーパー検査機器だと思っていただけたらいいと思います。それで、これは基本的にはうちはやっていきたいと。ただ、スピーディーに一時判定をしていくというか、それは簡易検査でやってしまおうと。それでこれがR0のほうに委託をするような形でN501Yの判定とL452Rと言われるデルタ株、これの判定とを同時にやってしまおうと。こういうことで今、関係先と、今、調整を進めております。
これがスタートすればデルタ株の判定についても速やかに対応できるようになりますし、それで、深い検査、研究は衛生環境研究所のほうでやることができると。だから、インド株[デルタ株]対策として万全を尽くしていきたいということです。どうしても簡易スクリーニング検査の精度の問題もありますので、最終的にはこの全ゲノム解析が一番正確なものが出ると思います。
○朝日新聞 東孝司 記者
そうすると、衛生環境研究所で全ゲノム解析にかけるサンプルというのは事前のスクリーニングの陽性、陰性関係なく、例えばウイルス量が多い検査に向きそうなサンプルだったらやっていくということでしょうか。
●知事
そこは東[孝司朝日新聞記者]さんのおっしゃるとおりで、どうしても解析を回すためには一定のウイルス量がなければいけません。したがいまして、Ct値があんまり高い、ウイルス量があんまり得にくいものは、実は解析には向かないところであります。だから、ある程度強いウイルスですね、それが中心になって解析にかかってくると考えていただいたらいいと思います。簡易スクリーニングのほうは一定程度あればかけていきますので機械的に、こちらのほうは幅広くやはりインド株[デルタ株]も見れるんじゃないかと思っています。
○中国新聞 小畑浩 記者
中国新聞の小畑です。この全ゲノム解析の件で冒頭に、関連する話としてN501Yですと、例えば一旦陰性が出てから3日後、1週間後、10日後に陽性になるというケースもあると、これ結構重要な新しい知見ではないかと思うんですけれども、従来の株と比べてその辺の傾向、どういう傾向があるのかということを改めて説明いただきたいのと、あと対策、検査の回数を増やすという話もありましたけれども、新たな対策として隔離等の考え方も含めて必要になってくるんじゃないかと思うんですが、その辺の考えをお願いいたします。
●知事
これは我々も現場の人間でありまして、学術的研究を経ておりませんので、我々の注意すべきこととして、そういう点を押さえていきたいと御理解いただきたいと思います。従来の第1波、第2波におきましても後日、陰性から陽性になるということがございましたが、私どももこの第4波で見ている中には、例えばあるクラスターが発生しますと、私ども即時にローラーで、例えばその事業所全体だとか、PCR検査かけます。そのときは陰性が出るんですね。ただ、それがその後、数日経って出て、さらに1週間、10日経って、また、全然別のところで出てっていうことが現に経験をしました。これは今までにはちょっとなかったことかなと思っています。
なぜ、そうなるのかよく分かりません。N501Yのウイルスの増殖量などに実は違いがあるのか、それで、後々になってからだんだんと増殖が進んでいくということがあるのかよく分かりませんが、ただ、いずれにしても我々現場で感染拡大を抑える立場からすれば、そうしたことがひょっとしたら起こりやすいかもしれない、起こりやすいかもしれないということで対策を見直す必要があるだろうというふうに考えております。そういう意味で今度デルタ株、
これまでインド株と言っていたデルタ株が、これが、さらに1.5倍感染力が今のN501Yよりも強いというふうに言われています。そういうものが出てきたというときには、その社会との切り離しのことをもう少し丁寧にやる必要がひょっとしたら出てくるかもしれない。そのためには、例えばホテルを確保するとか、そうした諸経費があり得るかもしれない。そういう意味でインド株対策で5,000万[円]枠予算を用意しておこうというようなものであります。
○共同通信 遠矢直樹 記者
すいません。共同通信の遠矢です。前回の知事会見の発言についてお伺いするんですが、イモトさんの聖火ランナーの辞退について、知事は御自身が4月の記者会見で話したことが事実であるにも関わらず、事務所の抗議によって事実が捻じ曲げられたというふうなことをおっしゃいました。ただ、その後、担当課のほうに確認したところ、訂正後の内容っていうのは担当課と事務所のほうでもともと事前に調整をしていたものであって、別に事務所の抗議が訂正の理由じゃないっていうふうに説明しています。今日に至るまで知事も担当課も発言について訂正や撤回等をしていないわけですが、そうすると知事、県のトップである知事と、あと、一部署で事実認識が異なるということになると思います。
この状況というのは組織のガバナンスとして、全くガバナンスが取れてないという状況にあるわけですが、知事はこの状況をどういうふうに、どういうふうにっていうか、どうしてこういう状況になってしまったのかということと、あと、今日まで担当課と認識の統一が取れてないのはなぜでしょうか。
●知事
この件につきましては本日のところは、前回記者会見[5月20日]の後、[東京オリンピック・パラリンピック競技大会]組織委員会の橋本[聖子]会長から謝罪のメッセージが届いています。それで、恐らくいろんなことを包括してお話をいただいたんではないかと私も受け止めておりますので、この件については、コメントはこれ以上する必要がない、控えたほうがいいのかなというふうに考えております。それがお答えであります。それで、あと、もう1つ申し上げるとしたら、4月22日と5月の20日に私がこの場で申し上げたのは全て本当のことであります。それで、それ以外のことについては事実とは異なるものが入っています。
それで、私は信念として前回も申し上げましたとおり、民主主義や地方自治を守るために、この記者会見で述べたこと、これについては、私のほうは真実を述べるべきだと思っていますし、何らかの都合でそれを変えようということは、我々は許してはいけないのではないかと考えております。それで、このことは担当部局のほうにも伝えておりまして、その当日、彼がどういう話をしたのかよく分かりませんが、今は、意思統一は取れていると思っています。
○共同通信 遠矢直樹 記者
その橋本会長から謝罪があったということなんですが、それはこちらの認識では、まひるさんの発表について訂正をしてくれと言ったにもかかわらず、訂正しなかったことについての謝罪かなというふうに思っていたんでしたが、このイモトさんの辞退理由の説明を巡る件についても謝罪があったということなんでしょうか。
●知事
いろいろとごたごたしたことについて現場に迷惑かかったなという御趣旨は入っていたと思います。ただ、基本的には、[ガンバレルーヤ]まひるさんの件につきまして訂正を結局しなかったというようなことのトラブルのことが中心だったと思っておりますが、結果から申し上げまして、前回私のほうで意を決して記者会見の場で述べさせていただき、これは多分組織委員会の意向にも反することになるだろうから、私としては御挨拶も返上すべきではないだろうかというふうに申し上げましたが、それについてあちらのほうから、これ全く意図していませんでしたけれども、即刻謝罪のメッセージが届いた、このことはやはり現場を預かっている私どもとしても重く受け止めるべきだなと思いました。
やっぱりトラブルというものは起きがちでありますけども、それをまた中和し、またつなげていくのもオリンピックの大義なのだろうと思いますから、私どもとしてあまりこれ以上このことについてメッセージを出す必要はないのではないか、また、このたびの聖火リレーにつきましても、私自身も[橋本聖子]会長が言わばそのセレモニーに出ても差し支えないということだったと思いますので、セレモニーのほうに出させていただいたというものであります。
○共同通信 遠矢直樹 記者
すいません。その先ほど担当部局のほうにも伝えて意思統一はされているということですが、では、その担当課のほうから説明した内容について訂正がないというのは担当課の判断ということでよろしいんでしょうか。
●知事
そこは分かりません。担当課に聞いてください。
○共同通信 遠矢直樹 記者
分かりました。あと、すいません。もう1点、今回の件で公的機関でもある県の説明が担当課と知事のほうで二転三転したということについて、一部の県民からは何を信じればいいんだというような戸惑いの声も上がっているわけですが、県民に対して謝罪等のお気持ちっていうのはあるんでしょうか。
●知事
それについては前回申し上げたわけでありますけども、皆さんも含めて、この報道機関の皆さんも含めて戸惑いを与えたことについては申し訳ないと前回謝罪をさせていただいたところであります。
○共同通信 遠矢直樹 記者
前回の記者会見を受けて、さらに二転三転したために、その県民としてもまた二転三転するのかというようなことを思っていらっしゃる方もいるわけで、前回の記者会見の後、以降について混乱を招いたことについては何か思うところありますか。
●知事
その後の混乱というの、ちょっと正直私も担当課から十分聞けてないんですけども、分からないところがあります。ただ、申し上げられるのは、私はこの責任を持ってこの記者会見に臨んでいます。それで、5月の20日の会見でも、4月の22日の会見でも私は知り得る真実のみを述べています。それで、それ以外のストーリーは正直あり得ないわけです。それで、それ以上でも以下でもございません。ですから、この記者会見を皆さん見ていただければそれで結構だと思います。
○共同通信 遠矢直樹 記者
分かりました。ありがとうございます。
19 東京オリンピック・パラリンピック事前キャンプ受入
○山陰中央テレビ 赤木優志 記者
すいません。TSKの赤木です。五輪の選手団のキャンプ受入れについて、昨日益田市でも感染拡大のことでキャンプ受入れを中止する表明がありましたけれども、鳥取県内ジャマイカの選手団受け入れることについては大丈夫でしょうか。その辺りの考えをお願いします。
●知事
これについては私どもスポーツ担当部局のほうと調整を連日やっております。それで、結果から申し上げれば、一時期お話がありましたカナダのサッカーにつきましては、私どものほうで、例えば宿舎なども含めて十分な用意はできないのではないかという認識の下に、昨日受入れ調整はできないということを先方のほうに鳥取市等とも協議の上、返させていただいております。それで、残るところはジャマイカとフランスでありますが、これらにつきましては、かねて協定を結んだ約束もございまして、その受入れに向けての準備をそれぞれ鳥取市さん、それからまた倉吉市さん、米子市さんのほうで進めておられます。
それで、私どものほうではそれが安全にできるそういう体制、バブル方式と言われるものの実行のやり方、それから例えば選手団の派遣のタイミング、また、私どものほうでその安全性を担保するための医療的なバックアップ等々がどうであるか、今まだ検証作業中であります。ですので、検証作業等を同時並行で進めながら、先方と折衝をしているという段階でございます。
〇中国新聞 小畑浩 記者
すいません。中国新聞の小畑です。聖火リレーについてお伺いいたします。鳥取県では、組織委員会との交渉を経てかなりの部分で区間を短縮したり観客の制限をしたりと、いろいろ対策をとっての開催だったと思います。ただ、一方で、緊急事態宣言中に県外からかなり数の多い関係者の方が来られているという側面もありました。また、予定どおり行われたコースでは、やはり密集ができたりとなかなか完全な対策も難しかったのかなという側面も感じました。その辺り知事として総括をどうされていますか、よろしくお願いいたします。
●知事
これについては、私どもまずは感染対策ということを万全に行おうということで事前に計画の見直しをしたり、呼びかけをさせていただきました。その1つの成果として、19の市町村のうち、15についてはいわゆる車列のようなそういうようなことはなかったですし、また有名人の方が言わば人寄せをされるような、そういう公道での走行タイミングというのはなかったわけであります。したがいまして、私どもの前にも後にもいろんな方が走っておられますけども、そういうところと比べれば、恐らく人垣の大きさというのは違っているんじゃないかなと、私どものほうは見ております。
中には、例えば幼稚園の子どもたちとか、そうした子ども達に見てもらいたいという想いで出ているところもあったわけでありますけども、ただ、感染対策としては一定の役割は事前の見直しが果たせたんではないかと思います。当日私たちでは、例えばストリーミングなど御覧をいただくとして、沿道での観戦といいますか、応援は控えていただきたいというようなことを申し上げました。これについては、一定の成果はあったと思いますが、それでもやはりある程度の人が集まっていたという状況はございまして、現場でも、できるだけ密にならないようにというような呼びかけを随時させていただいたところであります。
全体を通して見ていただければ、普通にやったところのほかの地域と比べていただければ、そういう密集の回避というのは一定程度できたのではないかなと思っておりますが、100%ではなかったというのはあるかもしれません。その辺は今後のオリンピックに絡む様々な行事がこれからもあるでありましょうから、今後の反省の中で生かしてまいりたいと考えております。
〇中国新聞 小畑浩 記者
すいません。関連ですが、例えば鳥取県のイベント対策としては、県外から多く集まる中で対策がとれなければ中止をお願いしたり、もしくは主催はなるべく県内の人でという、そういうところを考えると、この聖火リレーが実行されたというのはやはり違和感があるなと思うんですけども、その辺りの受け止めはいかがでしょうか。
●知事
その辺は私どもとして、感染対策というのを事前に取り、当日も一定の対策をすることである程度回避できる状況だったというふうに判断をいたしております。あそこで我々が想定しております呼びかけというのは、本当の集客事業ですね、例えば全国的なフェスのようなもの、そういうもので各地から集まって、狭い空間に集まり、それで例えば歓声を上げるとか、そういうことになりがちなものは控えてください、こういう意味でございますので、その辺との調和は図れているんではないかと思っております。
〇NHK 小山晋士 記者
聖火リレーの関係なんですけど、セレブレーションの出席について、あの会見の後、初日の倉吉のセレブレーションは欠席、2日目は出席するけど、挨拶は返上するということだったと思うんですけど、それで橋本会長の謝罪を受けて、2日目の挨拶は予定通りやるというような形になったんですけど、そこが平井知事なりの整合性はあると思うんですけど、そこら辺がちょっと分かりにくい部分があったと思います。今回の実際よしあしは別にして、どういう想いでというか、どういう判断でそういう結論に至ったんでしょうか。
●知事
これにつきましては、前回の記者会見で、やはりオリンピックというのは多くの方が共感をする、そういう世界的なイベントでなければいけないと。平和とか友愛とか、それからもちろんスポーツを通じた人間性の発露、そうした意味で、やはり共感の上に成り立つものだと思っています。それでそのことを前回強調させていただきました。そういう中で、結局、現場のほうにいろんなしわ寄せが寄っているんではないだろうか、それについてのやはり問題意識というのを申し上げて、会見全体をきちんと聞いていただけたと思います、お分かりと思うんですけど、そのオリンピックについて今後進めていくということ、あるいは聖火リレーは進めていくという上で、こういう現場とのこうしたぎくしゃくしたこと、やはり共感を持ってみんなが協力をしてやっていくというやり方にそぐわないので、改めるべきは改めるべきではないかと、こういうことを申し上げたんですね。
それで、そうしたことのメッセージを出して、私自身は、これは組織委員会の意に反することでありましょうから、そのセレブレーションで発言をするということはやはり控えたほうがいいのかなと。組織委員会の気持ちも考えてですね。そうしたらその翌日ですかね、だから倉吉[市]でセレブレーションする日の昼になりましてお電話があり、率直な謝罪のお話をいただいたという経緯であります。ですから、そこでこれからきちんと鳥取県の主張というのも入れて、今後のやり方を改めていこうという意思表示だと私は感じましたし、橋本会長の言葉にもそれなりの誠実性があると思いました。
むしろこちらとしては記者会見で申し上げて、組織委員会として言わばごたごた的なことがあったっていうことでしょうけども、それを受け止めるっていうお立場に出られたわけでありまして、そのことはやっぱり率直に評価をして、前回の記者会見で申し上げましたように、皆が共感を持って一緒に盛り上げていくという考え方にもう一度立ち戻る。その意味で、セレブレーションでの私のメッセージというのも出すのが筋道だろうというふうに考えたものであります。要は、直接にはその組織委員会側のほうで、前回申し上げた問題意識に沿っていこうという考え方が示されましたので、事態を正常化させたということであります。
○NHK 小山晋士 記者
それで初日と2日目のその違いがやっぱりよく分かんなかったんですけど、要するに謝罪を受けたらその日の夜も、ちょっとスケジュール的なものもいろいろ多分あるとは思うんですけど、その正常化に向けて初日もっていうことは考えられなかったんですか。
●知事
実は初日は、スケジュール的にも実はほかの所用もございまして、ちょっと急だったもんですから、まさか昼にそういう展開があると思っていませんでしたので、結局主催者側でもある組織委員会をはじめとしたイベントの回しがありますので、急にまた今日出るよっていうのも現実にも無理だろうと思いましたし、別の所用もありましたので、初日は、出席は控えておりました。ただ、翌日につきましては、それはやはり、むしろ率直に協力してこうした大きな行事をやっていこうという意思を表示すべきかというふうに考えたところであります。
○日本海新聞 岡宏由紀 記者
すいません。日本海新聞の岡ですけど、先ほどの聖火リレーの状況なんですけど、ストリーミングで見ていたら、若桜街道ですとか、かなり何か密な状況が生まれてたんじゃないかなって思うんですけど、一方で、高校総体とかは無観客で実行されたり、運動ではなくて文化サークル、部活の発表会ですとかもかなり厳しい規制の中で開催されたりするっていう状況があると思うんですけど、その辺の落差がすごく違和感があるなって率直に思うんですけど、その辺りについてはどうでしょうか。
●知事
若桜街道の状況につきまして我々もよく分析をしてみたいと思いますし、今後に生かしてまいりたいと思います。高校総体につきましては、御案内のように無事再開をさせていただき、7月に自転車競技はずれ込みますけども、それ以外は6月に全ての競技が終わるということになりました。直接のきっかけは、残念ながら高校で部活のクラスターが発生をしたということを受け止めて、やっぱり生徒の健康を守らなければならない、学校現場はそういう使命を負っていますので、それをもう一度基本に立ち返って巻き直していこうということでございました。
それで、私もちょっと間接的に聞いているところでは、教育委員会とそれから高体連[鳥取県高等学校体育連盟]のほうと話合いをされて、いろいろと各部門別で御意見があったそうなんですが、統一して高体連として考え方を示してそれに従おうということに最終的にはなり、観客の問題も万全を期して無観客ということで子供たちの健康を第一に考えようと、こういう教育的配慮であったと思います。そういうふうに伺っておりますので、それぞれの行事、行事でやり方、考え方は異なり得るのではないかと思います。もちろん完全な無観客でやるのか、あるいは保護者等入れてもいいのかとか、いろいろと考え方は分かれると思いますが、その行事の主催者、高体連のほうで統一的に、じゃ、この際万全にやっていこうと、それで競技に集中してもらおうとこういう判断をされたのは、それはそれで了とすべきものではないかと思います。
ただ、大切なのは感染症の拡大を引き起こさないかどうかということの1点に尽きると思います。それで、これについては私どもその後のフォローアップも含めてやっていく必要があるんだろうと思うんですね。それで、現実には聖火リレーが動いてから大方10日になっていますけど、今のところ例えば若桜街道周辺で新たな発生があったということではございません。ですから、事前にいろいろと対策取っていたことやあるいは主催者である組織委員会側のほうでPCR検査などをかなり頻繁に行っているとか、そうしたことの組合せの中で聖火リレーに起因するそうした発症事例というのは生じていないのではないかと思っています。
22 近畿ブロック知事会議でのデルタ株積極的疫学調査に係る同盟
○時事通信 竹原伸 記者
時事通信竹原です。よろしくお願いします。すいません。話戻ってしまうんですが、呼び方ですかね、変異株の呼び方が、呼称が差別を助長するっていうことで呼び方変わったんですが、それのちょっとWHOの指針を受けてのコメントと受け止めとですね、あと、この前近畿ブロックの知事会でもお話されていたんですが、インド株の対策でアライアンスみたいな形で何かできたらどうかっていうことで案に入れてほしいみたいな話があったと思うんですが、具体的にどういった形でアライアンスというか、を考えていらっしゃるのかちょっとあればお願いいたします。
●知事
関西広域連合でもお話をさせていただき、近畿ブロック知事会議でも同様のことを申し上げました。今、関係先のほうでいろいろと調整も進めていると思いますが、疑い事例で共有をしていくのが1つのポイントになろうかと思います。それで、我々実務サイドで今中国ブロックでは関西広域連合に先立ちまして、中国知事会でお話させていただき、皆さん御賛同されまして、今、実務的に共有のやり方、例えばこういうシートで情報を共有するとか、そういう具体的な今、話に入っているところであります。関西広域連合も今、協議中でありますけども、できるだけ早くそういうデルタ株対策、これを共通化させていければ大変に効果が出るんではないかなと思います。
特に今回のN501Yがそうだったと思うんですが、やはり広がった後では後から収めにくくなります。ですから、広がる前に、初期段階でその感染ルートを断ち切っていくと、これが重要でありまして、そのことでは各知事、市長は関西広域連合一致していると思います。それで、[関西広域]連合長の仁坂[吉伸和歌山県]知事もそれについては、異論はないと、関西広域連合の中、異論はないとおっしゃっていましたので、恐らく今後調整が進められると思いますが、私どもも中国地方のそうした事例も申し上げながら実効性あるものにしていきたいと思います。
○共同通信 川口マヌエル 記者
共同通信の川口といいます。昨日、鳥取県東部と兵庫県北部の1市6町が広域で共同のワクチン接種をするという協定を結ばれましたが、県で以前から中海圏域、要は松江市や安来市、鳥取県だったら米子市、境港市等の共同接種の話もあったかなと思うですが、そちら側の調整等は現状どうなっているのかお聞かせください。
●知事
このたび、昨日協定が結ばれまして、深澤[義彦鳥取]市長はじめ圏域の首長さんたちが合意をされたことは非常に大きいと思います。これによりまして麒麟のまちと言われます但馬北部の西部圏域、それから鳥取県東部圏域が1つの大きな塊になりまして、それぞれの住民が予防接種を受けやすくなるということになります。大変に評価できることだと思いますし、これを私もかつて井戸[敏三兵庫県]知事と、兵庫県と協議をさせていただいてその道筋を開くことができたこと、それは1つの意味があったんではないかなと振り返っているところであります。
当初は厚生労働省など非常に抵抗感があったんですが、最近はあろうことか、集団接種会場を自衛隊が作って、圏域をまたいでっていうことを平気でやるようになりまして何だったのかなと思うんですが、あの当時は結構シビアなことを言われていました。それで、我々の言わば1つの踏ん張りとして、やっぱり住民のためには圏域を、県境を越えることもあるだろうと、そういうことで信念を持って進めてきたことが今形になったことでありまして、大変にありがたい展開だと思っています。
西部のほうの県西部と島根県東部、こうした中海圏域、これも同様の状況にあると思っておりまして、前回の[山陰]両県知事会議の場などでも私のほうからも提起をさせていただいておりますが、正直まだ整っていないと思います。これやはり関係市のいろんな実務と絡むものでありまして、その辺は我々としては今後も状況を見ながら仲介役を果たしていきたいとそういうふうに思います。ただ、接種権者は市町村になりますので県のほうでこうしろというちょっと指示ができるものでもございません。
ただ、住民の利便性考えれば圏域を越えた接種は有効だと思いますし、現状のまんまいきますとわざわざ許可を取って隣の市に接種を受けに行かなきゃいけないと。かかりつけのお医者さんであってもそうしなきゃいけないという仕組みになっておりますので、まだ長いこと予防接種は続きますから、今後も我々としてもそのメリットについては関係先に呼びかけをさせていただきたいと思います。
24 新型コロナウイルス感染症新規陽性者の発表見直し
○テレビ朝日 後藤龍彦 記者
すいません。テレビ朝日後藤です。鳥取のコロナなんですけれど、鳥取は全国でもちょっと珍しく当日検査をした方の陽性者が出た場合は当日発表だったんですけれど、この6月、昨日から発表の仕方が変わりまして前日の検査を翌日に発表するということになりました。改めて知事のほうからこの意図のほう、意図を教えていただければ思います。
●知事
実は、私どもは情報公開を県の第一のポリシーとしておりまして、全て開かれた提供体制ということをやり、積極的情報公開と言っていますが、情報の提供ということも含めて我々対応しております。この新型コロナは県民の関心も高いし、全国的にも関心の高いことでありますが、基本的にはオンタイムで提供しようということで当初スタートをしました。しかし、その後、やはりあまりにも夜遅くまでその発表がずれ込むことになったりしますし、結局対策の手をその公表関係の実務で取られることもございまして、それで記者クラブの皆さんと協議をさせていただき、夜6時半もってその日の発表と、そこまでまとめると。その後については翌日発表分とするということで実務上ずっとやってきました。
実はこの間、全国では当日発表がなくなってきているんですね。それで、私どもメディア圏が共通する島根県さんがまさにそうでありますけども、先日の集計分を翌日発表するというふうになっています。それで、これは他県でも実は全国的に今、そうなってきていまして、そういう全国の傾向、つまり情報を求めるそのクライテリア(判断基準)が変わってきているということもありますので記者クラブのほうと十分協議をさせていただいた上で、今週から(5月31日(月))翌日発表分として翌日に発表するというふうに切り替えをさせていただきました。何か緊急の場合には当然ながら当日対応の余地は残されると思いますけれども、通常的なものは翌日対応で多分県民の皆様への呼びかけも十分だろうと思います。
それで実務の皆さんには申し上げているんですが、公表時期は1日ずれたとしても、例えばPCR検査あるいは積極的疫学調査についてはその当日も含めてきちんとやっていくということは申し合わせておりまして、実務としてはスピードが落ちるわけではないものであります。
◯テレビ朝日 後藤龍彦 記者
ほかにありますでしょか。じゃあ、なければ終わります。ありがとうございました。
●知事
どうもありがとうございました。