●知事
皆様、おはようございます。オリンピックも中盤を過ぎてきたところでございます。本県からも中口[遥]さんがライフル[射撃]出ました。個人は惜しくもという感じでありましたが、団体のほうは、これはもう少しで次のステージへというところに行くぐらい健闘をされました。また、[水泳・競泳の]武良[竜也]選手は入賞を重ねて、急遽決まった[400mメドレー]リレー等も含めて活躍をされました。また、三上[紗也可]選手は残念ながら涙を飲んだ形になりますが、1回、若干惜しかったジャンプがありましたけれども、それ以外は非常に上手にまとめていまして、次のパリ[オリンピック]に向けても誓いを新たにされておられました。また、[ボートの]冨田[千愛]選手は前回よりも順位を上げて10位に上がり、瀬川[和正]選手も転向して本来のレーザー級からフィン級へ転向しての転戦となりましたけれども、世界の強豪相手に堂々たる戦いを見せていただきました。それぞれの夏、今年の思い出深いオリンピック、1つの区切りとなったと思います。
●知事
そういう中、8月の3日には私ども待望の金メダルが鳥取県にもたらされることになりました。入江聖奈選手が堂々決勝戦で勝利を遂げられたわけであります。心からお祝いを申し上げたいと思います。私はあの日、午後5時45分に入江聖奈選手にお電話をさせていただきました。その前には伊田[武志]会長さん、シュガーナックル[ボクシングジム]の会長さんにもお電話して、お祝いを申し上げておりました。入江選手は信じられないと、まだ夢みたいだというふうにおっしゃっておられました。それで、鳥取のほうから皆さん喜んでいますよと、お祝い申し上げますということを申し上げますと、ありがとうございます、ありがとうございますというのを非常に丁寧に、率直に何度も重ねておられました。また、ちょっとこんなことになっていますよという意味で、鳥取のほうではもう[新聞の]号外も出ていますよというふうに申し上げましたら、え、本当ですかというふうに驚かれました。御覧になってないのかなと思いまして、とっさに号外を写真に撮りまして、入江選手にメールで送ってさしあげたところ、お礼がきましたけれども、後ほど著作権の問題もあるのかと思いまして、新聞社のほうには断っておきましたけれども、ともかくそれは許諾いただいたと思います。そんなような意味でもう鳥取中が沸いたこの優勝でございました。ぜひこれから、まだ競技人生、もう少し頑張るというお話もありますので、応援をしてまいりたいと思います。
●知事
そういう中、今、全国非常に厳しい状況になっておりますのは新型コロナであります。ちょうど現在も[基本的対処方針]分科会が開催をされております。これによりまして8つの地域がまん延防止等重点措置に加わることということになりました。これによりまして茨城[県]や栃木[県]、群馬[県]というそういう関東は全部、まん延防止か緊急事態宣言ということになります。さらに静岡[県]、愛知[県]、滋賀[県]、こうしたところなども加わってくるわけでありまして、私どもの本当に近いところ、関西におきましても京都[府]は過去最高277名でございましたし、滋賀も過去最高を更新していましたし、関東は神奈川県を除いて全て過去最多ということでありまして、実に20近いところが過去最多ということでありました。本県も昨日の夜までの集計で44件の陽性ということになりました。非常に多い状況になってきております。大変な危機感を持っているところであります。今、ステージ3というふうに専門家の先生方に御判定もいただいているところでありますが、ただ、これがステージ4、医療の逼迫をもたらすようなそういうような感染爆発という状況に持っていかないために、今、瀬戸際なのではないかというふうに思っております。
現実に各地で起こっていますのは、とにかく上昇一辺倒でございます。私どもは行ったり来たりということの繰り返しでありますが、注意深く見なければならない点が出てきたと思っております。
●知事
これが直近の1週間の新型コロナの感染状況でありますが、相変わらずデルタ株、全体の7割ぐらいで、米子[市]のときと一緒でありますけども、アルファ株も一部出てくるところでありますが、おおむねはデルタ株ということであります。関東に続いて関西も今、デルタ株が主流になってきておりますし、岡山[県]、広島[県]も100を超える感染者数となってきていますが、恐らくこういうデルタ株というのが1つはあるんだろうと。それで、クラスター施設の感染者が3分の1を占める、特に大規模なクラスターがありましたので、本県はそういうような状況がこの1週間ございました。しかし、この1週間の後半、ここ数日間、昨日の44名もそうですし、その前の35名もそうですし、なぜこれが、一旦こう下がったものがもう1回こう増えるように見えるのか、それは鳥取市の繁華街におきます飲食店、会食での感染確認が急速に増加をしています。実はこれは複数店舗に拡大をしていまして、正直、一桁を超えるような勢いの店に広がってきていると。ですから、これは非常に今、危険水域にきているのではないかなと私は思っていますし、連日のように深澤[義彦鳥取]市長ともデータを交換しあいながら分析をしているところであります。特に30代以下の若年層が7割でありますが、それ以外の40代、50代、それから60代、70代等もございまして、重症化の危険が多いとされる層もございます。私どもも残念ながらまたお一人亡くなるという事態がございました。これは御家族の御関係で詳細は申し上げられませんが、やはり早期にやはり治療をやっていく、それにまたいろんな方々にも御協力いただくということが非常に重要でございまして、今回、こういうようなケースが出ましたが、やはり非常に恐ろしいそういう展開がある病気だということは考えなければいけません。
●知事
そういう意味で、私たちのほうでこの重点的な対策を考えなければいけないのではないかということであります。今週の実は前半はそうしたクラスター、大規模クラスターの関連のところが多かったんですけども、それがこの1週間の後半ぐらい、最近、ここ数日間はすっかり傾向が変わっています。どちらかというとそういう飲食店街のお店に関わる、何らかの形で関わるもの、お店自体であったり、それに関わる業態であったりというところが主流になってきているということです。ですから、緊急にまずは鳥取市の繁華街にある飲食店への緊急パトロールということをやろうと、それから、飲食店の関係者のためにPCRの検査センターを開設しましょうと、これは東部の総合庁舎のほうでドライブスルー方式でさせていただきたいと思います。それで、ここに飲食店だけでなくて、仕入れの業者さんだとか、あるいは交通事業者の方だとか、いろいろとこういう繁華街に関わるような方にPCR検査を受けていただこうと、こういうようなことについて深澤市長とも合意をさせていただきまして、早速にこれ、スタートさせていただこうということであります。また、鳥取市の保健所の体制強化ということを考えまして、私どもの今、[新型]コロナ[ウイルス感染症]対策本部[事務局]の幹部職員につきましても鳥取市役所に常駐をして、それでやっていこうと、それでクラスター対策監も向こうに派遣をしておりますし、クラスター班と言われます専門部隊、これも派遣をし、鳥取市の保健所の体制強化、マネジメントも含めてサポートをしていこうと。かなりの事務量にもなっていますので、全体の統括のことも含めて、県市両方力を合わせてやっていこうと、急遽そういう体制を組ませていただいておりまして、今日幹部をあちらに常置をさせることといたしました。さらに強い対策、米子[市]でもやりましたけれども、そういう[営業]時間短縮[要請]だとか、そういうことも視野に入れるべきではないかなという段階だと思います。こういうこともございますので、この対策本部後(※知事定例記者会見)に鳥取市長深澤市長と緊急な協議をさせていただきたいと申入れをしているところでございます。今が1つの正念場になってきたかなと。米子の正念場は一定程度解消しまして、脱却することができました。その前のやはりデルタ株の初クラスターのときも脱却することができました。正直申し上げて、巨大な演奏を伴う飲食店のクラスターが複数発生しまして、これの対応で囲い込みを図ってきたんですが、この囲い込みに係る陽性者というのは、今、日に数人ぐらいになってきています。ですから、そのほかは、恐らく半分以上は何らかの形で、この飲食店に関わるところになってきていると。すなわち多分感染のルートが関係するのかもしれませんが、その我々が対峙すべき状況というものが、この数日間で180度変わってきているというところでございまして、戦略を、緊急に、今、改善といいますか、抜本的に今度は改めてこの従来の巨大クラスターではなくて、今度飲食店の、この繁華街のほうに注力をする必要があると。それでこちらのほうに我々として今、重点を置いた対策をやろうと、今、鳥取市保健所や市長と話合いをしているところでございます。
●知事
それからクラスターがございましたこともありまして、ライブ演奏のある飲食店につきましての感染防止対策、鳥取市と米子市に13店舗ございますので、これが総数です。それで、これを7月に2日ほどかけまして、全店舗回らせていただきました。そういうような成果も踏まえて、もう既に実はライブはやめているという店が休業も含めて半分ぐらいはそういう状態です。それで残りのところで一定の感染防止対策を施してやっているということなんですが、今回こうした大規模なクラスターがございましたので、デルタ株に対応したガイドラインを、強化をするということをいたしたいと思っております。それでステージと観覧スペースの間にビニールカーテンを設置をすると。これやっている事業所もあります。認証事業所さんの中にこういうことをやっているところもある。こういうことをやっぱりやって、それで観客席と、それと演者のほうと分けることを徹底しようとか、それから換気扇を常時稼働するとか、それから窓やドアの開放だとか、距離の確保、それから特に大事なのは大騒ぎをしないということですね、それで会場一体となって大騒ぎやりますと、そうするとエアロゾル感染の可能性があります。それで、今回の感染形態見ますと、結構大規模に1日でうつっているという形がございますので、やはりそうしたこと、やはり注意すべきところだと思います。それでデルタ株になって確かに株の形態、遺伝子の形態若干変わっていますけども、どうもこのクラスターで爆発的に感染を広げるという性質は変わっていないと思います。ですから、この爆発的に感染を広げるということがないように、感染力の強いデルタ株に対応したガイドラインに変えていく必要があるだろうということであります。
●知事
それからちょっと急遽浮上してきたことなので、改めて申し上げたいと思いますが、感染急拡大時における医療提供体制ということがございます。本県は鳥取方式というふうにやっていましたが、今、米子[市]以降ですね、+αとしてやり方を若干変えていますが、これを当県としては中等症以上も早期に入院をさせることを全数とすることを基本として運用していきたいというふうに思います。それで、まず早期入院をしてもらってメディカルチェックを受けると。それでやっぱりCT[値]などで調べないといけないですね。それでお医者さんなんかもよく言われるんですけども、本人はあんまり自覚症状ないですよと、大丈夫ですよとおっしゃっても、肺を実際に画像で診断しますと、肺炎が進んでいると、中等症の1だ、あるいは2だということは往々にしてあるということです。それで、今、大都市部などでは、電話で聞き取りをして、大丈夫ですか。大丈夫です。そしたら、じゃあ、自宅にいてくださいねっていうようなことになりますが、これやっぱり危ないと我々は思っています。ですから、まずは早期入院をしていただいて病院の施設でメディカルチェックを受ける、ないしはメディカルチェックセンター、つまり外来的にそうしたチェックをした上で、それで、場合によってお子さん抱えているので自宅療養だとか、それから宿泊療養施設のほうとか、そうしたところに行ってもらう。あるいは入院からこういう宿泊療養や在宅に行く、この辺を、あんばいをしながらやっていく必要があるのではないかと思います。それで、そうすると、じゃあ、中等症以上の、じゃあ、病床は大丈夫なのかっていうことですが、今、重症病床、私ども使用率はごくごく限られていまして、現在1床しか使っていません。それ以外がもちろん使えますし、それからこれがなかなか報道されないのでよく皆さんもイメージがないんだと思うんですけど、中等症以上のケアというのは基幹病院であればできます、一定のことはできるんですよね。ですから、我々が入院協力病院としてお願いしているところのある程度のところは中等症ぐらいなら対応していただける、そういう余地があります。すなわち酸素吸入、若干ですね、やる装置だとか、そういうものは大きな病院、地方でも大体できておりますので、重症はなかなか大変ですけど、中等症の1.程度であれば対応可能なところは多いので、ですから、この実は我々確保している病床というのは、割と中等症にもいける病床が基本的に多いということだと思います。ですから、そういう意味では、この本県の場合は入院を堅持すると、中等症以上はですね、この方針を貫けばいいのではないかと思います。また、在宅診療につきましてはオンライン診療だとか、さらなる体制強化を図る必要がありまして、[菅義偉内閣]総理[大臣]も[日本]医師会などに要請をされていましたが、私どもも今後どういうふうに、特に東部の問題など展開していくか分かりませんので、医師会や看護協会等と緊急な協議の場を近々に持たせていただいて、さらなる協力を仰ごうと思います。それで、現状でも実は医師会のほうでオンライン診療も含めてやっていただけると、例えば西部のほうはそういう仕組みは確立をしていますし、それから看護協会と話をして訪問看護を持っていってもらうと、それで、その際、例えばタブレットなども活用したそういうケアなども、我々のほうで財源も含めてもう既に措置済みのところがあります。ただ、これからまだもうしばらくやっぱりこういう厳しい状況は続くと覚悟しなければいけませんので、さらなる改善につきまして緊急に協議をさせていただこうということであります。中等症を家でというのは基本的には難しいと思います。あれは緊急避難のための話だと思います。恐らく国もそうだと思うんですね。私も田村[憲久厚生労働]大臣と[全国]知事会の代表として、このたびも協議に加わってまいりまして、田村大臣には中等症を全部自宅でということは全国見たらちょっとナンセンスですよと、それで、それはやっぱり地域の医療提供体制に応じた選択をできるようにして、幅広い裁量権を与え、それを全面的に国がバックアップするというのが本来ですよと。それで、田村大臣はそれで結構ですというふうに我々知事会には明確におっしゃっていました。ですから、これは東京[都]等のごくごく限定的な医療提供体制が逼迫をしているところ、正直医療崩壊と背中合わせないしその状態に入りつつあるというところで中等症よりも重症患者を入れるべきだという、そういう究極のトリアージ(治療優先度)の問題だと思います。ですから、そこらはどうも議論が今、世の中ごっちゃになっているのかなという感じもいたしますが、私どもは県民の健康と命を守ると、それを基本に置きたいと思いますので、ぎりぎりまでやっぱりこうした体制は取っていきたいし、そのための準備をこれまで丹念にやってきたつもりであります。
●知事
それから話題の抗体カクテル療法(2種類の抗体を混ぜて1度に点滴をする療法)があります。これについて今、体制の強化を緊急に今、図っているとこでありまして、これ治療薬として承認をされて、カシリビマブ、イムデビマブ、これ販売名ロナプリーブというものを点滴で投与するということでありますが、これは初期に治療するということで重要でありまして、特に重症化する可能性のある人ですね、それで、これを政府は管理をしているわけでありますが、本県ではほぼ、その入院協力病院のところで手配は済んでおります。それで、必要だといえば届くことになっています。それで、現実の話を申し上げますと、既に県内でこの抗体カクテル療法、2例執行しています。本県は既に着手をしているということです。それで、また今後その在宅療法との組合せということが出てくるかと思います。その外来で診て、そのときに抗体カクテル療法して帰すと、例えばメディカルチェックセンターのような場所で最初にチェックをするときに、状況によってはどうしても在宅だというときは、こういう抗体カクテル療法をやった上で自宅に行っていただくということは、今後可能になってくるんではないかなと思います。恐らく東京[都]などの状況に対応しようと思うと、外来でやるということを今後国が認めてくるんではないかと思われます。それで、そのようなときにも、こういういわゆる入院協力医療機関、皆さんがよく知っている病院がその体制を取っていますので、そういう外来での今後の対応にも可能な体制が整ってきているというふうに言えようかと思います。
●知事
それから新型コロナワクチン、これはよく市町村長も非常に危惧をしていまして、特に若い人たちの接種率がなかなか進まないと。大学接種などもやるんですが、学生さんがそれほど熱心に応じてくれているわけではないというのが本県内の実情であります。もちろん大学によっても個性はあるんだと思いますし、[鳥取]看護大学や鳥[取]短[期大学]さんなんかはカウンセリング的に説得をするようなっていうか、そうしたこともやっているようなんですが、いずれにいたしましても、こういうワクチン接種を進めていく必要があるわけであります。それで今、新しい配分機関の調整が始まりまして、近々そこが国と県と市町村との間でやっていくことになろうかと思います。それで接種に必要なワクチンを確保して、国が、国って書いてあるのは、国が県に渡す調整枠、県の調整枠ですね。県の調整枠を有効に活用しまして、それで本格的に65歳接種未満の市町村、65歳未満接種に市町村が必要な数量というものは基本的に確保できるめどが今立ちつつあると思います。もう少しこの次のクールの配分を確立していくことができれば、一定程度、今後スケジュールどおり打っていくぐらいのことにはなってこようかなというふうに思います。それでイメージ的には、8月いっぱいで半分程度の県民の方には2回目までの接種を終えていただくと。それでこういうようなある程度のスピード感を持って、なおかつ最近河野[太郎新型コロナウイルスワクチン接種担当]大臣があまりスピード出し過ぎるなと言いますけども、そこに調整を取った形。それで、イメージ的には半分程度、この8月いっぱいというぐらいが私ども今、もくろんでるところで、今、めどを立てつつあるというところになってきました。それから他市町村の応援ということもやっていただこうということ。それから壮年層、若年層、特に若年層ですね、若年層のところにどういうふうに届くような広報を打っていくかということであります。実は最近そのワクチン接種を終えられた若い方で、大活躍をされた方もいらっしゃいます。その方にちょっと連絡を取らせていいただいて、私じゃないんですけどね。いただいたら御協力いただけるというお返事が来ていまして、例えばそういう方にこういう動画などで発信をして、若い方に届くような、そういうワクチン接種のPR、これをしてはどうかなと思います。入江聖奈さんのことなんですけど、ワクチン接種、終わってますからね、オリンピック選手はね。それで大活躍をした人、そういうのが分かりやすいし、若い人たちにすっと心に入っていけるような、今、快くそこは御協力いただけるというお話をいただいています。そういう方々にも御協力をいただきながら、若手の皆さんにもぜひワクチンの大切さを知っていただき、もちろん選択をしていただくわけでありますが、必要と感じられたら打っていただける環境をつくっていきたいと思います。また、職域接種につきましても、若干、今進みつつあるかなと思っていまして、多分今週中か近いうちに、県庁の関係の3会場などはゴーサインが出るんじゃないかと思っています。それで、県庁の接種会場につきましては、当然危機管理関係職員、警察とかそれから危機管理の職員、あるいはコロナ対策に当たっている職員など中心ということにはなりますけれども、ただ、今のこの感染状況がございますので、この感染状況の中で、例えばこういう人たちは早く打ってもらったがいいなというような人たち、エッセンシャルワーカーで、例えば繁華街によく出入りされるようなエッセンシャルワーカーの方とか、それでそういうような、ある程度私どもも戦略的に県庁のほうに配分が来たら、ワクチン接種に余裕枠が当然できますから、そういうものを充てていけないかなというふうに検討したいと思います。
10 とっとりクールダウンウィークと連動した県庁出勤抑制
●知事
それからお盆休みに入ってきますが、毎年本県はクールダウンウイークというのを県庁でやっています。それで今年もCO2、25%カットを目標にしまして、既に今週から実施をしております。職員の出勤率も5割程度に下げるというような目標でやってるわけでありますが、特にこういう新型コロナ感染状況になってきておりますので、感染防止の観点、それから保健所の支援のほうに人を送っていくという観点も含めて、このクールダウンウイークで県庁への出勤者は減らして、それで中での連鎖的な感染が起きないようなそういう安全策を取るということ、もちろん働き方改革で休暇を取る、あるいは在宅勤務を使う、それから保健所応援、こうしたことで大体3割ぐらいに来週いっぱいは出勤率を下げることで、このエネルギー対策、CO2対策と併せてこの職場の運用を図っていきたいというふうに考えております。
●知事
私どものところでいろいろと災害も続いていまして、先般は葉梨[康弘農林水産]副大臣に農林[水産]省から来ていただきました。現在、農林の被害額は44億円に増えてきました。実は平成30年7月豪雨のときの農林被害額は27億円です。だから、今回かなり多くなっています。先般、葉梨副大臣には御要望を申し上げて、私ども山陰は雪が降りますので、雪が降るシーズンの前に、例えばハード事業などやらないと雪解け後に農作業するときの支障が出ますので、できるだけ早く災害復旧にかかれるようにしてもらいたいと。こういうような要望などをし、[葉梨康弘農林水産副]大臣のほうではいろいろ工夫してみたいと、こういうお話がございました。
●知事
このようないろんな爪痕が残る形になりましたが、ここに来てだんだん分かってきたことがございまして、大分土砂が動いたものですから、砂防堰堤がここに、ポケットというふうにいうんですが、ここに土砂が落ちてきても溜めるんですね。熱海でも、ああやってどーっと土砂が落ちてきまして、あのとき、実は砂防堰堤がありますが、あれが埋まってその上を乗り越えて土砂が行ってしまったわけです。それで、本県は、こういう形で土砂がこの中にとどまった形であるわけであります。これ埋まったままですと、次の土砂がきたときに受けられません。これが分かりまして、それでこのポケットについて32基の砂防堰堤について、土砂の堆積状況を緊急点検させていただき、これを今この季節にさせていただいてですね、できるだけ早くこの当初予算などを活用しながら土砂撤去を進めていきたいというふうに考えております。
●知事
それからかねて御報告を申し上げておりましたが、熱海[市]の事案に鑑みまして、本県として盛土等の規制について安全確保についての条例を制定しようということでありまして、盛土等安全確保アドバイザーというものを選任をして、それによる検討を8月の11日に開始をしようということにいたしております。ここに至るまでいろいろと議論させていただいていまして、先生方の御議論、これから聞いていかなければいけませんが、例えば盛土であるとか、それから切土であるとか、こういう土砂災害につながりかねないそういう安全確保が必要なものについて、1つは検討をしてもらうと。それから、最近、例えば太陽光発電所ですね、そういうのが斜面崩壊を起こすというようなことが、他地域で問題になっております。こういう太陽光発電などの工作物を設置する斜面、風力発電も当然ながらその斜面に工作物をつけて設置をするということも想定をされるわけです。こういうものの、斜面の安全確保などが十分に図られ得るかどうか。土砂災害が起こるときに、それを広げないかどうか。それからあと、建設残土ですね、これ今回の熱海[市]でも課題になりましたけども、この建設残土の課題、こうしたような諸点、これらのものを例えば許可制においておく、こういう盛土、こういう規模のものだったらこういう許可取ってくださいね、基準はこうですよ、切土もそうですよ、こういう発電施設なども含めて許可対象の中に入れていく、こういうようなことを安全対策の観点で罰則も含めて考えていく必要があるのかなと、このような雑駁なイメージを私どものほうで、今、論点を検討させていただいてきたところです。いよいよ専門家の御意見を仰ぎながら、実際に法規制、条例についてどうかということで、専門の方々にお願いをしてやっていこうと。それで、こういうことを、今始めようということになりました。
●知事
冒頭申し上げましたように、入江聖奈選手が大活躍をしたことに、県民を代表してあらためてお祝いを申し上げたいと思います。私も中学生の頃とか高校生の頃からお会いをしています。と申しますのも入江選手ですね、アンダージュニアで5連覇しているんですね、中学3年まで。それから28年、29年には全日本のジュニアで2連覇を果たしている。それから、国際協会女子ユース選手権のフライ級、あるいは世界ユース、こういうものがございまして、それでたびたびその戦績報告も兼ねてお会いをさせていただいていました。当時からオリンピック目指すんだというようなお話があって、金メダル期待していますよみたいな、こういうようなやり取りをしていたんですけども、こんなに夢をかなえていただけるものとは思いませんで、本当に感謝をし、祝福を申し上げたいと思います。実はネスティ[・ペテシオ]選手にはおととし世界選手権で対戦をして、このときは敗れていた因縁の間柄でありました。だけど、お二人は多分よく知り合う仲だったんでしょうね。決勝戦の様子見ても心から尊敬しあっている、そういうファイターとしての美しさを、拝見をしたところでございます。実は鳥取県はこういう入江聖奈選手のような選手をぜひ鳥取県でも育てていくべきだと、東京オリンピックが決まりまして、あのときに、鳥取にいたからオリンピックに出られなかったということには絶対したくないと、それで、それを合い言葉にしまして、むしろ鳥取にいたからこそオリンピックを狙えたというようにしようじゃないかと。それで、平成28年に東京オリ・パラターゲット競技事業というものを作りまして、なかなか大変なんですけど、海外遠征だとか、コーチの手配だとか、トレーニングだとか、そういう経費支援を実は入江選手には平成28年からこのオリンピックをターゲットした事業として、鳥取県はこのとき始めた事業の一員でいらっしゃいました。木下鈴花さんというお友達であり、よきライバル的な存在だったと思いますが、その両ボクサー、女子のボクシングは非常にこれ、狙え目にあるというような話が協会のほうからもだいぶ積極的にございまして、じゃあ、応援しましょうと、オリンピック目指しましょうと言って始めたその選手なんですよね。ですから、本当に関係者にとりましても非常に感慨深いものであります。実は三上紗也可選手だとか、瀬川[和正]選手だとか、そうした選手もこの[東京オリ・パラ]ターゲット[競技]事業の中で育成してきたところでございまして、小さな鳥取県ですけど、6人のオリンピック選手が今回最多出場ということになりました。やはりこうした若い人たちの子どもたちも漫画読んでいる頃からの目指したものなんでしょうから、そういう意味で、そういう夢を育てるふるさとでありたいなと思います。それで、今回、こうして金メダルを取られたということに対しまして、私どもどういうふうに祝意を、あるいは顕彰すべきかということなんですが、恥ずかしながらではありますけども、金メダルは本県初めてでございまして、鳥取県政史上初めてのことで、これまで県選手の金メダル獲得を表彰制度、想定していませんでした。申し訳ありません。したがいまして、このたび新設をすることにします。金メダル、今まで考えたこともなかったということなんですが、考えないものができちゃったということでありますので、スポーツ最高栄冠賞、これをこのたび創設をして、こういう金メダル、あるいはそれに相当するようなものの獲得者について長くスポーツの功績をたたえる、こういう表彰制度を創設をし、その第1号に入江聖奈選手を認証することといたしたいと思います。それで、併せまして県民栄誉賞、これも鳥取県最高の賞でありますが、この県民栄誉賞も送呈をさせていただきたいと思います。表彰式典をやる、これをこれから、今、調整してまいりますけれども、入江選手と伊田[武志シュガーナックルボクシングジム]会長にはこのことは申し上げていまして、何を表彰するか言っていませんが、ぜひお祝いをしたいということは申し上げていまして、入江選手は選手村出てからのスケジュールは分からないですよねって、非常に若者らしく率直におっしゃっていました。それで、伊田会長と相談してまた行きますからと言っていました。近いうちにまた元気な顔を見せていただけるんじゃないかなと期待をいたしております。その場で授与式をさせていただきたいと思います。また、今、県立の図書館のほうで資料展示を始めておりますが、入江選手のこれまでの足取り、活躍の様子などの企画展をこの優勝を記念して行いたいと思います。まずは顕彰行事、表彰式典をやりまして、その後こういう企画展を、県内巡回をしてやっていきたいと思います。また、横断幕、ちょっと字が小さいかもしれません。横断幕をここの県庁と、あと西部の総合庁舎のほうに掲示をすることといたしました。このような形で入江聖奈選手、今回の偉業を、県を挙げてお祝いをさせていただきたいと思います。
●知事
非常に難しい季節、今までないような夏休みということにはなりますが、ネットを使って様々な事業は可能だというようにも考えております。例えばイギリスのほうでHYPER JAPAN ONLINEというそういうイベントをやってますが、そこに鳥取県のほうからも観光素材の鳥取砂丘だとか、それから三徳山だとかを出したり、さらには大山のアクティビティなど、そういう自然活動などをオンラインでアピールをさせていただいたり、また、中国向けにはWeChatにおける、今、鳥取県のキャンペーン活動を今月やっているところであります。また、47CLUBさんというサイトを使いまして、鳥取県の物産展を全国の皆さんに向けまして開催したところでございまして、9月いっぱいまでこれを今後続けていこうということにさせていただいております。そこにKADOKAWAさんと一緒になりまして、今週末に妖怪大戦争という映画が前ございましたが、あれの第2弾の映画を三池崇史監督が作られると。それで、それを記念した形で萬國妖怪博覧会という、そういうイベントをネットでやろうと。当然妖怪のふるさとであります鳥取県からも参加をしようと。いずれもオンラインでありますが、こうした形でこのコロナの時代、我々としてもしっかりとアピールも続けていきたいと思っております。
●知事
また、この週末連休にかけてでありますが、県民の皆様におかれましては、2つの台風が本県も含む西日本に向けまして、接近をしてくる可能性が出てきました。相次いでやってくるという形になるかもしれません。これから週末に向かいますけれども、しっかりと情報に耳を傾けていただき、県のほうでもホームページ等で日々刻々リアルタイムの情報を流してまいりますし、様々なアプリ等のトリピーの防災アプリなども活用していただきまして、いろいろと備えていただければありがたいと思います。私のほうからは以上です。
○時事通信社 竹原 伸 記者
はい。それでは質問に入ります。報道機関名とお名前を申し上げた上で御質問のほうお願いいたします。それではお願いします。
○NHK 小山 晋士 記者
すいません。NHKの小山です。中等症以上も早期入院を堅持するという件なんですけど、政府のほうが重症患者を除き自宅療養を基本とする方針を出されて、大分国会のほうでも紛糾して、自民党内からも反発する声が出ていますが、改めて鳥取が堅持する方針を決めたことについて、どういう判断に至ったのでしょうか。
●知事
正直申し上げて、今回はちょっと唐突でもありましたし、やや現場感覚としては受入れ難い表現だったと思います。すなわち[新型コロナウイルス感染症状]中等症の人は、これからは在宅療養を原則としますと。それでこの言葉が大きく報道をされていまして、大変違和感を持ちました。中等症というのは、これは肺に炎症が生じている状況のことを言います。つまり家でそれを対処するよりは、やはり医療的ケアが必要な段階に入ったというふうに考えるべきなんですね。その手前の軽症であれば、いろいろと対処療法などもしながら、経過も見ながらということはあるかもしれませんが、中等症であれば、やはり医療的ケアに浴するというのが必要であります。特に中等症の2になりますと、これは重症にも等しいほど海外では取扱いをされている段階でありまして、そういう意味では、家でのケアということはまず無理であります。そういう意味で中等症は在宅でっていうこの表現には大変な現場との乖離を感じました。そういう意味で田村[康久厚生労働]大臣とも[全国]知事会として申入れをさせていただきましたけれども、ぜひ地域の実情に応じたそれぞれの医療体制、これは例えば感染爆発をという状態に至っていて、その言葉なかなか政府は使わないと思いますけど、今の東京[都]などの状態は感染爆発と言っていいような状態になってきていると。それで、そういう感染爆発のことによって医療提供体制が急速に悪化してしまって、背に腹は変えられないという状況のところはまた別でしょうけど、そうでないところは救える命がまだあるのであれば、やはり中等症は医療ケアという原則を堅持すべきではないか、こういうように考えまして、そういうようなバリエーション、選択権というものを地域に与えるべきだと。これを大臣のほうに申し上げたとこです。大臣は大きな異存はなかったと思っています。ただ、昨日(8月4日)全国市長会の立谷[秀清]会長から電話かかってきまして、これは大変なことだと、到底受け入れられないというお話あって、それで、我々田村大臣とこういう折衝したという御説明申し上げたんですが、結局、知事会と市長会と[全国]町村会の3団体連盟で政府に緊急申入れをこのたび、この点についてさせていただきました。やはり地域の医療の提供体制、それから感染状況、この組合せの中で病院のベッドなのか、あるいはホテルなのか、それから在宅なのか、それで、在宅であればどういうようなアシストをしていくのか、そういうもののパッケージを地域できちんとこう選んで、それをやはり国のほうで全面的な財源措置をすると、これを補償してもらいたいということを我々緊急に申し入れたところであります。これは地方の総意と言っていいものだと思います。東京[都]は東京[都]の事情があると思いますし、小池[百合子東京]都知事のほうも恐らく今日、新たなこういう入院体制の方針を示されると思いますが、そういう大都市の話とそれから地方の話、これを混同しないでもらいたいというふうに思います。えてして、こういう厚生労働行政はそういうことになりがちでありまして、原則と例外をひっくり返しに来ることがございます。原則はあくまで健康や命を守ることでありまして、健康や命が守れなくなりそうな、非常に緊急事態に陥った状況に移行するという例外のものを原則にすべきでは絶対にないということだと思っています。
○共同通信社 遠矢 直樹 記者
すいません。共同通信の遠矢です。今の医療体制のところに関連して質問なんですが、県内で基本的には中等症以上は入院の方針を堅持するということですけど、軽症者等で例えば、ちょっと重症になるんじゃないかっていう不安がある方とかもおられると思うんですが、そういう方がどうなるかということと、あと、在宅でケアをする、療養する場合も県内だとそれに応じた往診だったりの制度を設けていますが、例えば夜間、特に未明の時間に容態が急変した場合等はどういうふうになるんでしょうか。
●知事
まず、ポイントになるのは多分、在宅に仮に行くような場合ですね、本県は必ずこのメディカルチェックセンターを通すことにしたんです。それで、これが1つのポイントでありまして、ここでお医者さんがやはり肺の状態だとか、呼吸器の機能とかそういうもの、血液検査なども含めまして、まずはやった上で選択をすると、今、テレビなどで全国的に報道されているあのイメージは、取りあえずもう、あなたは陽性だけども、家にいてねっていうやり方なんですよね。それは、うちは絶対やらないと、それで、これが他県との大きな違いであります。ですから、メディカルチェックセンターでまずは受けて、そこから今度は[鳥取県]看護協会などとも連帯をしながら、そして、往診体制、それからオンライン診療なども含めてつながっていこうというやり方での在宅です。それで、在宅の数はそんなには多くならないと思います。どちらかというと恐らく宿泊療養、軽症であれば、こちらのほうがむしろ多用されるはずでありますが、今後の展開によっては、在宅は増えてくるかもしれません。いずれにせよ、このメディカルチェックセンターというものを通っているということですね。それで、現在ちょっと運用がちょっと地域によって若干違うんですが、西部のほうは、まずは早期入院をしてもらってメディカルチェックを基本にしていまして、事情があって在宅に行く場合にメディカルチェックセンターを必ず通ってもらおうというようなことでありますが、東部のほうはメディカルチェックセンター通して、最初から在宅に行くというような人も想定をしていたり、宿泊療養施設にそのまま行ったりということを想定していたり、西部は大体入院してから宿泊療養に行くと、ちょっと地域でちょっといろいろ医師会とか、病院とのやり取りがありまして、若干の差はありますが、ポイントはこのメディカルチェックを受けるということ、これがやはり私は絶対的に必要だと思っています。そこでふるいをかけてからということです。それで、その後の24時間の管理につきましては、私どもとしてもフォローアップの体制を組ませていただき、いつでもこの入院できる体制というのを確保しながら回していこうということであります。
19 営業時間短縮要請、盛土等規制条例のスケジュール
○日本海新聞社 竹久 祐樹 記者
日本海新聞竹久と申します。正午からの会議でまさに話合いがされることだと思いますが、コロナの状況で時短要請も視野に入れるべき段階にあるという冒頭発言がございました。西部では時短要請一定の効果が見られて2週間なさっていたわけですけれども、東部について今後のスケジュール、これからお盆の期間で割とこう人が集まりやすい、会食の多い時期が来るわけですが、今のところどのぐらいのスケジュールを見ていらっしゃるのかお答えをいただければと思います。
それからもう1つ、盛土の規制条例ですけれども、9月中に中間とりまとめを目指すとありまして、それで、これ当初、本年度中の条例制定を目指すというふうにたしか御発言されていたかと思いますが、9月に中間まとめなので、条例の制定は少し時期が当初よりも早まるのか、取り急ぎその2点お伺いします。
●知事
まず、これが直近の感染状況を踏まえ、緊急対策として[深沢義彦]鳥取市長とかお互いに協議をしながら合意してきているところであります。今、合意できているのはこの飲食店、繁華街の飲食店のパトロール、それからPCRセンターを県のほうで設置をしてこれに受診をしていただくというようなことなどでありますが、この[営業]時間短縮要請につきましては、正直まだ現段階では白紙であります、スケジュールも含めて。ただ、私個人的にはもしするのであれば、やはりあまり時間を置かずにやるほうがいいのではないか。これからお盆休みがありますけども、その盆休みという前にやはり始めるべきものだろうと。つまり、今、非常に感染状況としては急速に繁華街の中の感染に重点が移ってきていまして、やはり早めに対処していくことが早めに落ち着かせることになり、健康や命を多くの人守れることになりますので、これについては一定のスピードが必要ではないかと思いますが、ただ、この点、実はこの時間短縮要請をどうするかについては、まだ深澤[鳥取]市長のほうのお考えを聞かないといけないことであります。やはりこれ地元市でもあり、保健所設置市でもある鳥取市との共同作業であります。私どもの県のほうが手続き権はあると思いますけど、ただ、市のほうが実際には町中の方々といわば前線に立ってこれまでいろいろな仕事をされてきていますし、さらにはこの保健所行政の中で、この感染状況を我々以上に把握されている面もございますので、やはり鳥取市長の意向を尊重しなければいけないと考えております。したがいまして、現段階ではまだ決まったものはないということであります。それから[盛土等の規制]条例のことでございますけども、これにつきましてはイメージ的にはこの秋頃には、県議会も含めてこういうような我々の考え方ですよというのを出してみたいと。かなり大きな話でありますので、罰則も伴いますし、ですからそうした意味で中間的な取りまとめをまずやって、その中の議論の推移で早ければ12月議会ということもあるかもしれませんが、2月議会ということもあるかもしれません。まずは専門家の御意見を聞いてどういう条例の構想がベストなのか、それをまずは議論をさせていただいて、それで、粗々のところ、基本的なフレームをまた県民の皆様としっかりといわば意見交換をさせていただく中で、詳細、じゃあ、条例はこういう方向でいつ出しましょうと。ただ、いずれにせよ、来年度の出水期に間に合わせなきゃいけませんし、周知期間というのもありますので、早ければ早いほうがいいということにはなろうか思いますが、遅くとも2月議会には決着をしたいということであります。
○共同通信社 遠矢 直樹 記者
すいません。もう1件いいですか。話はちょっと変わるんですけど、ワクチンの接種が今、順調に進んできている中で、インターネット上などでは一部ワクチンが接種されているので、重要なのは重症者数であったり、中等症の方の数であって、感染者の数自体はそんな問題ではないというような意見を言ってる人も一部いるんですが、そういった考えに対して知事はどういうふうにお考えですか。
●知事
結局、これ全部つながっていまして、感染者が今のような、我々何とかそれを食い止めようとして一進一退を続けているんですけども、感染爆発的な動きになってきますと、今、我々がこのエリアでも経験しているものの数倍も数十倍も大変な状況が医療で生まれます。それで、そうなりますと先ほど御質問もございましたが、医療提供体制自体ですね、本来であれば中等症に医療提供体制を敷いておかないと、これは重症化をして命に関わることになると。ただ、そういうリスクを冒してでも中等症は在宅でやらざるを得ないと、それぐらい今切迫し始めているということです。それで重症者の、病床の使用率、本県は正直まだ1床だけですけども、もう7割超えるとか、8割超えるというのが東京[都]や沖縄[県]の状況なんです。それで、こういうような状況になりますとその中で一定の方々は残念ながら命に関わることになるかもしれないと。それで、そういう深刻な状況を生んだのは感染者が増えたからです。感染者が増えたので医療を本県だと早期医療をしますけども、早期医療ができなくなっていると、発見が遅れてそれによって助かったかもしれない命が助からなくなってしまったということです。ですから、全部つながっていますので、そこを重症者あるいは亡くなった人という一番最後の出口だけを見ていたら、いつの日かわっと増えてきまして、それで増えてきた後に手当をしては遅いと思います。まず、最初の入り口の蛇口を止めないと洪水が起きてしまいます。水浸しになってしまうので、そこのところはやはり一番のポイントになるので、感染者数の捉え方はあると思いますが、ただ、感染者数の動向、特に今のように急激に伸びていくのは、我が国としては前代未聞の出来事でありまして、それで、このことの重要性はやはり多くの国民の方々に御理解をいただくべきではないか。政府もその辺のことはまだ足りないんではないかというふうに思っています。
○山陰中央新報社 藤井 俊行 記者
山陰中央新報の藤井です。すいません。直近の感染状況、コロナの感染状況について伺いたいんですけども、市の繁華街で飲食店とか、会食での確認が急増しとるということで、それで、これはいわゆるクラスター、東部であった大規模なクラスターとの関連性というのは、先ほど冒頭の話にもありましたけども、ちょっと触れられましたけども、どのように関連性がある、ない、これから調査になると思いますけども、その辺の認識を伺えますでしょうか。
●知事
その辺を私どもとして鳥取市保健所、そして私どものクラスター対策監なども派遣をしながら解明を急いでいますが、正直まだつながっているものではございません。ただ、現状を申し上げれば、今、飲食店街でも集団的な感染とみられるケースが出てきております。そういうような状況に、今、変わってきておりまして、時系列でいえば先の大規模クラスターがあり、その後に、今こうして飲食店街での感染の広がりということがあると。その辺の関係性というのはまだ、十分解明し切れていないというところであります。ただ、大切なのは片方で大規模クラスターの外延を閉じるように一生懸命囲い込みをやること、これはかなりそこは進んできたように思います。ところが、それとは別に今、大きな塊が別のところにできていますので、こっちの大きな塊が何とかしなきゃいけないと。それで、これを何とかするためにも思い切った措置も必要な段階になってきたんではないかなというのが正直な現在の状況であります。
○山陰中央テレビ 勝部 正隆 記者
はい。よろしいですか。先ほどもその時短要請、TSKの勝部です。先ほど時短要請の視野に入るというふうにおっしゃったんですが、感染拡大を防ぐためにはこのお盆の時期というのが勝負どころとなってくるんと思うんですが、その資料の一番下にさらに強い措置についての検討ということがありますが、時短要請以外に考えられる強い対策というのは何か想定されているんであれば教えてください。
●知事
強い対策というのは[営業]時間短縮要請ということがございますし、一般論として申し上げればまん延防止等重点措置だとか、あるいは緊急事態宣言の要請だとか、そういうのが今後の展開によってはあるかもしれないとは思います。当面、ちょっと今日、[深沢義彦鳥取]市長さんどうおっしゃるか、その辺は私も注目したいんですけど、そういう[営業]時[間]短[縮]など、まず取り急ぎやらなきゃいけないことを順々にやっていくというのが手順じゃないかなと思いますね。
○NHK 小山 晋士 記者
すみません。NHKの小山です。その絡みで言うと、一応、強い措置ということで検討ということで、先ほども白紙であるとはおっしゃっていましたけど、やっぱりボールは一応鳥取市に投げるという形で、要するに時短要請を出すかどうか、要するに午後の鳥取市の協議で判断を求めていくという形でしょうか。
●知事
それで、先ほども申しましたように、[深沢義彦]鳥取市長とは連日、今、話もしていまして、上2つ(緊急巡回、PCRセンター開設)については合意しています。ですから、これは進めていこうということでありまして、ただ、その次の措置についてはやっぱりいろいろと慎重にいろいろと検討しなきゃいけないところもあるかもしれないという御趣旨だと思うんですが、検討を今、市長のほうでもされているはずです。それで、今日どういう協議ができるかによって、次の措置について考えたいということになろうかと思います。そういう意味で、今、ボールはどっちかというよりも、実は問題意識は共有していまして、今まで我々が鳥取市保健所と協力してやってきたのは大きなクラスター、演奏を伴う飲食店のクラスターがありました。それでこれを囲い込むということで、これはどちらかというと飲食店プロパー(固有)ではなかったんです、客層が違うんですよね。それで、それを何とか囲い込めば、このデルタ株のクラスターが市中に出ていくことを止めることはできないか、ここに全精力を傾けてきたわけです。ところが、そういう中でぽつぽつと、こういうところとの関係性というのはまだ十分解明できていませんが、時系列的にはその後の段階で飲食店街における集団的な感染も含めて感染が現れてきている。それで、それを毎日議論しているんですけども、やっぱり店舗の数が増えてきてるように思います。したがいまして、これは重要な段階ではないかと。それで、我々常々共有していますのは、こういう積極的疫学調査のこと、それからこういうPCR検査センターであるだとか、パトロールのことなどいろいろございますが、それ以外の手法としては経済社会活動に関わることで御協力を関係者からいただかなければなりませんが、そういう[営業]時間短縮要請、あるいは次はまん延防止等重点措置、こういうものもあり得るだろうと。それで、その辺の可能性は常に視野に入れながら我々は議論をしてきております。また、西村大臣にも本県の感染状況については昨日も御報告したとこでありますし、いろいろと政府側とも問題意識の共有は図っているというところであります。
○日本海新聞社 竹久 祐樹 記者
日本海新聞竹久です。ちょっと来週知事会見ありませんのでお伺いしておきたいんですけれども、全国知事会の会長選挙なんですけれども、16日に候補者の推薦について締切りがなされます。知事、先般会長選について推薦が得られれば、その責務を果たしたいというふうな御発言がありましたけれども、今の進捗状況を教えていただければと思います。
●知事
これはちょっと私もどちらかというと推されるほうの立場で、進捗状況は正直把握はしにくい立場でございます。若干、聞こえてきたのは広島県の湯崎[英彦広島県]知事が代表推薦人を名乗り出ていただいたりとかいうことがありましたよっていうようなお話が聞こえてきたり、全国にかけて組織的に推薦の動きが広がっているというふうに思っております。こればっかりは選挙でありますので、8月の16日の締切りに向けてどういうお取りまとめをいただけるものか、私としてもその状況を待っているということであります。いずれにいたしましても、私自身もまな板の上に乗った鯉になりましたので、あとはどのように御沙汰があるのかをお待ちをするということでございます。
○NHK 小山 晋士 記者
すいません。NHKの小山です。その関連でいうと自信というかそういうものはございますでしょうか。
●知事
一定の広がりはあるというお話で伺っています。ただ、こればっかりは選挙もということでもございますので、何とも今、分析し切れてございません。ただ、こういう新型コロナの非常に切迫した状況になってきて、今の飯泉[嘉門全国知事会]会長は8月~9月の頭まで任期がございますが、その後もこの状況は引き継がれると思いますから、非常に私としてもやはり今の重みというのは日々感じるようになってきております。
○読売新聞社 安恒 勇気 記者
読売新聞の安恒です。入江選手の話であった東京オリ・パラターゲット競技事業なんですけれども、これ、東京オリンピックとパラリンピックは終わろうとしていて、今後継続する予定とかってあるんですか。
●知事
これは、これからまた、効果測定をしなきゃいけませんが、結論からいいますと、この東京オリ・パラターゲット[競技]事業をやって、三上[紗也可]選手とか入江[聖奈]選手とか、あるいは瀬川[和正]選手とか、どちらかというとこの事業があったから海外遠征をしたり、それから優秀なコーチについたりいろいろと経験していただけるきっかけにはなったと思います。関係者の御意見をこのオリンピックに実際に出られた方や残念ながら逃がされたけれども、このターゲット事業に関わられた方などお話も伺って効果測定をして、それで今後パリに向けてどうしていくのか、それは考えていきたいと思います。ただ、基本的にはこれ以外に強化事業というのは一般的にどこの県であるものをやっていまして、かなり手厚いことをやったのが鳥取県の特徴でございます。これについては今後どうされるか、実際に三上選手も涙を流しながら次の[2024年]パリ[オリンピック]の思いを言っておられましたので、そういう思いに我々地元としても応えていくべきかなという思いはあります。今後効果測定をしっかりやってパリに向けて体制を立て直していきたいと思います。
25 他県での保育園送迎バス園児死亡事故を契機とした対応、保育士の処遇改善
○日本海新聞社 竹久 祐樹 記者
あと、すいません、1点、日本海新聞竹久ですけども、ちょっと会見とはまたちょっと違うんですけれども先日福岡県で送迎バスの車内に取り残された園児が熱中症と見られる症状で亡くなるという痛ましい出来事がありました。それで、今、警察が園を家宅捜査するなど過失についていろいろ問われているところではありますけれども、これの事案を対岸の火事としないためにも、県としてもこの保育園を取り巻く環境について考える契機にすべきものだと思います。それで、県は潜在保育士、保育士不足もかねてから課題として指摘されていますけれども、県はその潜在保育士の発掘に向けた取組も、今、進めているところでありますが、一方で、その園とかとりわけその民間保育園の経営状況も様々です。それでその保育士の待遇改善に向けた取組も含めて行政の一定のバックアップというのも必要だろうと思います。それで、その送迎バスについてのガイドラインが策定されていない部分もあると思うんですけれども、この策定も含めた送迎バスの在り方についてだとか、それについて県として何か取り組もうとされていることがあれば教えていただきたいのと、保育士のこの待遇改善に向けた考え方についても併せてお聞かせいただければと思います。
●知事
県として今やろうとしていることが2つありまして、1つは7月29日にこの残念な事件が起きました。亡くなられたお子様の御冥福をお祈り申し上げたいと思います。これを受けまして8月の3日に、実は保育所等に向けまして指導の通知を発出をさせていただきました。それで併せて実態調査、どういうふうに今、園バスがなっているのか、そういうことの実態調査をこの8月3日から呼びかけて今始めたところです。それで、その状況をまた集計をしたり、独自のいろんな検討も加えさせていただいて、どういう対策が必要なのかというのをこの夏から秋にかけて関係者とも協議しながら考えていきたいというふうに思います。それで、一定の成果を得て、また今後に向けてこうてくれと。特にそれぞれのちょっと園の問題があるかどうかも含めてやっぱり見ていかなきゃいけないと思います。あと、もう1つはこういう幼児教育の場所における事故など事象が起こった場合、こういうことへの対処についての有識者によるそういう調査チームを立ち上げることに今しております。これ、実はこの福岡[県]の問題以外にも本県内でも幼児教育の場における事故の例も言われていまして、それでこういうことに対してどういう内部規律を持っていただくのかとか、そうしたことを専門家、それからその領域の方々にお集まりをいただいて検討作業を始めようとしております。これ(有識者による調査チーム)多分この夏にスタートできると思います。この2つのことを今やろうとしているところであります。また、潜在保育士につきましては鳥取市内にあります[鳥取]県社[会福祉]協[議会]のところに、そういう潜在保育士の発掘を行うようなそういうセンターをつくりましてマッチング等を始めたり、それから様々なPR、啓発事業とか、そうしたものも組ませていただいております。本県では、例えば倉吉[市]において鳥取短期大学のような専門的な育成機関もございますが、そこには県として特別な奨学制度をつくったりさせていただいていまして、こういうようなことで保育士不足に対応してまいりたいと思います。これに限らず民間でもこういう保育人材を育成しようという動きもあるようにも聞いていたこともございまして、今後も様々なリソース、一緒になりながら保育人の確保やそれから処遇改善、これは保育士の勤めておられる保育園への呼びかけ、また、国の加算額の適用、このPRなどを進めていきたいと思っています。
◯中国新聞社 小畑 浩 記者
すいません。中国新聞小畑です。入江選手に栄冠賞を送るといことに関連してなんですけども、今回の金メダルが鳥取県民、鳥取にとってどういう意味あったかというところの考えをお願いいたします。
●知事
鳥取県は、実は金メダルを取った選出の選手がいない県の1つでございました。ある意味、本県としての県民の悲願でもあったと思います。特に今回のこの金メダルでありますが、新型コロナに、今、鳥取県民は非常に不安を覚えておられますし、様々な御不自由、御不便というものをかこっておられるところでございます。そういう中、いろんな困難を乗り越えて、この入江[聖奈]選手が今回この金メダルを県にプレゼントするんだと、県民、県に持って帰るんだとこういうように宣言をして実際に取ってきたことの与える勇気というのは大きかったというふうに思います。それから、もちろん日本女子のボクシングとしての初めての金メダル、残念ながらフライ級のほうは銅メダルということでありますけど、それでもしっかりとしたメダルを取られました。それで、入江選手は初めてのメダル、しかも金だったということもあり、そのスポーツ界としても大きな意義があったんではないかなというふうに思います。多分入江選手のその金メダルを取ったこともあって、全国の皆さんの注目が集まっていますが、それは入江選手がいつも笑顔でそのリングに上がられることであるとか、また、大変な困難であってもそれに物おじせずに向かっていくというそういう魂、精神力もあると思います。もちろん美しいストレートパンチやそれから軽快なフットワークなど技の切れ味もそれはもう世界一でありますけども、それだけでなく、今、コロナと戦っている国民みんなにとりまして1つにシンボルになったんじゃないかなというふうに思います。決勝戦でも、後で昨日のインタビューなんかでもおっしゃったと思いますが、ほんとは怖かったと、相手の選手、だけどここはもう出ていかないといけないということで思い切ってやったということであります。今まさにコロナもそうでありまして、私自身も心折れそうになりながらちょっと睡眠不足気味で毎日やっていると、だけど[入江]聖奈選手の活躍を見ればやっぱり相手が強そうでも向かって行かなきゃいけないという気になるわけであります。そんな勇気をもらえるんだと思うんですね。実は私、今日入江聖奈選手の決勝戦、準決勝にあやかってインブルーでやってきまして、こういうような意味でファイトを燃やしているということであります。そういうような勇気をやっぱり鳥取県民に与えてくださったんではないかなと感謝申し上げたいと思います。
○時事通信社 竹原 伸 記者
そのほか御質問等、ございますでしょうか。ありませんかね。はい、それでは質問ないようですので、はい、本日の知事会見終わらせていただきます。すいません。知事ありがとうございました。
●知事
どうもありがとうございました。