初採用の競技グラウンド・ゴルフ
２０２２年に鳥取県を含む関西一円で開催される「ワールドマスターズゲームズ（ＷＭＧ）２０２１関西」。今大会で初採用された競技に、鳥取県発祥のスポーツ「グラウンド・ゴルフ」がある。
ルールはいたって簡単。専用クラブでボールを打ち、グラウンドに立てたホールポスト内にボールが止まるまでの打数を競う。１９８２年、高齢化が進んでいた当時の泊村（現湯梨浜町）で、健康作りに生かすために考案された。
体への負担が最小限で、グラウンドや広場があればよく、一人でもマイペースに競技や練習ができる手軽さに加え、全国の体育指導員が紹介したことも後押しして、一気に広まった。ちなみに、ホールポストにボールが止まる状態を「トマリ」としたのは、発祥の地名を後世に残すためだ。
大会で競技会場になる「潮風の丘とまり」は、９３年に整備。日本海を一望できる高台にあり、今や年に約２００の大会が開かれており、愛好者間ではまさに“聖地”といえる。２０１４年より国際大会も実施してきた。全国の愛好者３６０万人に加え、アジアを中心に競技人口が増加している矢先のＷＭＧ公式種目への採用は、世界規模の普及へ大きな足掛かりになりそうだ。
役場職員として競技開発にも携わった県グラウンド・ゴルフ協会理事長の河本清広さん（７１）は「参加者が母国でもっと広めたいという気持ちを持ち帰ってくれる大会にできれば」と準備を進めている。
見晴らしのいい高台にある「潮風の丘とまり」。「母国で広めたいと思ってもらえる大会に」と話す河本さん
２０２１年８月２８日（土） 新日本海新聞掲載